JP5315279B2 - 減速機及び旋回装置 - Google Patents
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Description
一般的に、縦に複数段の減速機構を有する減速機では、油浴(所謂、オイルバス)方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。オイルバス方式によれば、複数段の減速機構すべてが潤滑油に浸されるので、各減速機構の潤滑状態を良好に維持することができる。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、潤滑油の過熱を抑制可能な減速機及び旋回装置を提供することを目的とする。
第2の発明に係る減速機によれば、第2プラネタリギアの外歯と第2リングギア部の内歯との噛み合い力を積極的に利用することによって、給油路内に潤滑油を効率的にポンプアップすることができる。
第3の発明に係る減速機によれば、給油路を形成する管を別途設ける場合に比べて、減速機をコンパクト化できる。
第4の発明に係る減速機によれば、第1リングギアをハウジング内に別途設ける場合に比べて、減速機をコンパクト化できる。
第5の発明に係る減速機によれば、給油路のうち流出口側の端部を形成する管を別途設ける場合に比べて、減速機をコンパクト化できる。
第6の発明に係る減速機によれば、ハウジング内部に給油路を設ける場合に比べて、簡易に給油路を形成することができる。
第7の発明に係る減速機によれば、第1円環状空間の全体に給油することができる。
第8の発明に係る減速機によれば、第1円環状空間に滴下された潤滑油を、軸受け部に効率的に供給できる。そのため、第1プラネタリギアの外歯の潤滑を良好に維持することができる。
第9の発明に係る減速機によれば、第2減速機構の潤滑を良好に維持することができる。
第10の発明に係る減速機によれば、ブレーキ機構の潤滑を良好に維持することができる。
本実施形態に係る旋回装置1の構成について、図面を参照しながら説明する。旋回装置1は、油圧ショベルなどの建設機械に設けられる。図1は、本実施形態に係る旋回装置1の断面図である。
旋回装置1は、モータ部10及び減速機20によって構成される。
モータ11は、駆動軸12を回転させる駆動源である。モータ11としては、電動モータや油圧モータなどを用いることができる。
モータケース13は、モータ11及び駆動軸12を収容する。モータケース13は、筒状に形成される。
減速機20は、3段階の減速機構によって駆動軸12の回転を減速させる。減速機20は、第1減速機構21、第2減速機構22、第3減速機構23、ブレーキ機構24、ハウジング25、及び6本の給油路26(図1では、1本の給油路26のみ図示)を備える。
第2減速機構22は、3段階の減速機構の中段に設けられる。第2減速機構22は、第1減速機構21の下方に設けられる。第2減速機構22は、第1減速機構21によって減速された駆動軸12の回転をさらに減速する。
ブレーキ機構24は、駆動軸12の回転を抑える。ブレーキ機構24は、第1減速機構21と第2減速機構22との間に設けられる。
従って、駆動軸12の停止状態において、第2減速機構22、第3減速機構23、及びブレーキ機構24が油面Kより下方に配置されるのに対して、第1減速機構21の主要部は駆動軸12の停止状態において、油面Kより上方に配置される。第1減速機構21の主要部とは、例えば、後述する第1サンギア211、第1リングギア部25a及び第1プラネタリギア212の内歯U1のことである。
ここで、図2は、図1における駆動軸12の回転状態を示す断面図である。
次に、本実施形態に係る減速機20の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、図1の拡大図である。図3では、第1減速機構21、第2減速機構22、及びブレーキ機構24の構成が示されている。
図3に示すように、第1減速機構21は、第1サンギア211、第1リングギア部25a、3個の第1プラネタリギア212(図3では、1個の第1プラネタリギア212のみ図示)、第1キャリア213、及び第1出力軸214を有する。
3個の第1プラネタリギア212は、第1円環状空間R1において、円周方向に略等間隔で配置される。各第1プラネタリギア212の外歯S1は、第1サンギア211の外歯T1と第1リングギア部25aの内歯U1とに噛み合っている。各第1プラネタリギア212は、第1サンギア211の回転に応じて自転しながら、第1円環状空間R1において第1サンギア211の周りを公転する。第1プラネタリギア212の構成については後述する。
第1出力軸214は、駆動軸12の下方に設けられる。第1出力軸214は、第1キャリア213にスプライン結合されている。第1出力軸214は、第1キャリア213の回転に応じて回転する。
図3に示すように、第2減速機構22は、第2サンギア221、第2リングギア部25c、3個の第2プラネタリギア222(図3では、1個の第2プラネタリギア222のみ図示する。)、第2キャリア223、及び第2出力軸224を有する。
第2出力軸224は、第2キャリア223にスプライン結合されている。第2出力軸224は、第2キャリア223の回転に応じて回転する。
ブレーキ機構24は、第1出力軸214の回転を抑えることによって、駆動軸12の回転を抑える。図3に示すように、ブレーキ機構24は、連結部241、2枚のディスク242、3枚のパッド243、ピストン244、油圧室245、バネ246、及びバネ押さえ部247を備える。
2枚のディスク242は、連結部241に取り付けられる。
3枚のパッド243は、2枚のディスク242の上下及び2枚のディスク242の間に配置される。3枚のパッド243は、ピストン244の下端に固定される。ピストン244は、バネ246によって常に下方に押し付けられており、油圧室245への給排油に応じて上下に摺動する。これによって、各パッド243と各ディスク242との接触/非接触が切り替えられる。バネ押さえ部247は、バネ246を第1リングギア部25a内に固定している。本実施形態では、図3に示すように、バネ押さえ部247の一部は、溝部141と対向している。
次に、本実施形態に係る給油路26の構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、図1の拡大図である。
図4に示すように、給油路26は、第1油路261、第2油路262、及び第3油路263によって構成される。
第1油路261は、第1ケース部25b内を鉛直方向に貫通する貫通孔である。第1油路261は、流入口26INを有する。流入口26INは、第2円環状空間R2に向かって開口する。本実施形態において、流入口26INは、第2リングギア部25cの内歯U2の真上に設けられる。
ここで、図5は、本実施形態に係る中間口26MIDを図4に示す矢視方向Aから見た斜視図である。
第3油路263は、給油路26の流出口26OUT側の端部を形成する溝部141である。すなわち、本実施形態では、モータ部10の底板を構成する蓋部14が、給油路26の一部として利用されている。第3油路263は、流出口26OUTを有する。流出口26OUTは、第1円環状空間R1に向かって開口する。本実施形態において、流出口26OUTは、第1プラネタリギア212の真上に設けられる。
次に、本実施形態に係る第1プラネタリギア212の構成について、図4を参照しながら説明する。図4に示すように、第1プラネタリギア212は、軸部212a、外歯S1、軸受け部212b、及び内部給油路212cを有する。
軸部212aは、鉛直方向に沿って設けられる。軸部212aは、第1キャリア213に支持される。外歯S1は、軸部212aの外周を囲むように環状に形成される。軸受け部212bは、軸部212aと外歯S1との間に設けられる。軸受け部212bは、外歯S1を回転自在に支持する。
次に、潤滑油の流れについて、図面を参照しながら説明する。図7は、図4における駆動軸12の回転状態を示す断面図である。
図7に示すように、潤滑油の油面Kは、各減速機構の回転力によって、すり鉢状に変形する。
また、第2円環状空間R2内の潤滑油は、3個の第2プラネタリギア222(図7では、1個の第2プラネタリギア222のみ図示。)と第2リングギア部25cとの噛み合い力によって、流入口26INから給油路26内にポンピングされる。
第1円環状空間R1に滴下された潤滑油は、3個の第1プラネタリギア212(図7では、1個の第1プラネタリギア212のみ図示。)の回転力によって霧化される。また、第1円環状空間R1に滴下された潤滑油は、各第1プラネタリギア212の第1開口w1から内部給油路212cに流入する。
(1)本実施形態に係る減速機20は、給油路26を備える。給油路26は、第1円環状空間R1の上方に設けられる流出口26OUTと、第2円環状空間R2の上方に設けられる流入口26INとを有する。
従って、給油路26内に潤滑油をポンプアップできるので、第1円環状空間R1に潤滑油を供給できる。そのため、第1円環状空間R1を潤滑油から露出させておくことができるので、潤滑油が第1減速機構21によって高速撹拌されることを抑制できる。その結果、潤滑油が過熱されることを抑制することができる。
従って、第2プラネタリギア222の外歯S2と第2リングギア部25cの内歯U2との噛み合い力を積極的に利用することによって、給油路26内に潤滑油を効率的にポンプアップすることができる。
従って、第1油路261及び第2油路262を形成する管を別途設ける場合に比べて、減速機20をコンパクト化できる。
従って、第3油路263を形成する管を別途設ける場合に比べて、減速機20をコンパクト化できる。
従って、第1円環状空間R1に滴下された潤滑油を、軸受け部212bに効率的に供給できる。そのため、第1プラネタリギア212の外歯S1の潤滑を良好に維持することができる。
従って、第2減速機構22の潤滑を良好に維持することができる。なお、第2減速機構22の回転は、第1減速機構21の回転よりも遅いので、潤滑油の加熱は最小限に抑えられる。
従って、ブレーキ機構24の潤滑を良好に維持することができる。なお、ブレーキ機構24によって潤滑油は加熱されない。
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
(A)上記実施形態において、給油路26は、蓋部14及びハウジング25によって構成されることとしたが、これに限られるものではない。例えば、ハウジング25が蓋部14と一体的に構成されている場合、給油路26は、ハウジング25のみによって構成されていてもよい。また、図8に示すように、給油路26の一部は、ハウジング25外に配置される給油管30によって構成されていてもよい。ハウジング25内部に給油路26を設ける場合に比べて、簡易に給油路26を形成することができる。
(C)上記実施形態において、減速機20は、6本の給油路26を備えることとしたが、これに限られるものではない。減速機20は、給油路26を1本だけ備えていてもよい。
(E)上記実施形態において、流出口26OUTは、第1プラネタリギア212の真上に設けられることとしたが、これに限られるものではない。流出口26OUTは、第1円環状空間R1に向かって開口していればよい。
2…旋回体
3…走行体
10…モータ部
11…モータ
12…駆動軸
13…モータケース
14…蓋部
20…減速機
21…第1減速機構
22…第2減速機構
23…第3減速機構
24…ブレーキ機構
25…ハウジング
26…給油路
26IN…流入口
26OUT…流出口
30…給油管
Claims (10)
- 鉛直方向に沿った駆動軸に連結される減速機であって、
潤滑油を貯留するハウジングと、
前記ハウジング内に収容されており、前記駆動軸の下端部に設けられる第1サンギアと、前記第1サンギアを囲む第1リングギアと、前記第1サンギアと前記第1リングギアとの間に形成され、前記駆動軸の停止状態において前記潤滑油から露出する第1円環状空間に配置される第1プラネタリギアとを有する第1減速機構と、
前記ハウジング内に収容されており、前記第1サンギアの下方に配置される第2サンギアと、前記第2サンギアを囲む第2リングギアと、前記第2サンギアと前記第2リングギアとの間の第2円環状空間に配置される第2プラネタリギアとを有する第2減速機構と、
前記第1円環状空間の上方に設けられる流出口と、前記第2円環状空間において前記第2リングギアの内歯の真上に設けられる流入口とを有する給油路と、
を備える減速機。 - 前記給油路の少なくとも一部は、前記ハウジングによって形成される、
請求項1に記載の減速機。 - 前記ハウジングは、前記給油路の一部を形成するとともに、前記第1リングギアとして機能するリングギア部を有する、
請求項2に記載の減速機。 - 前記駆動軸を回転自在に支持し、前記ハウジング上に配置される蓋部を備え、
前記給油路のうち前記流出口側の端部は、前記蓋部の底面に形成される溝である、
請求項1乃至3のいずれかに記載の減速機。 - 前記給油路の一部は、前記ハウジング外に配置される給油管によって構成される、
請求項1乃至4のいずれかに記載の減速機。 - 前記給油路は、前記第1円環状空間の上方に設けられており、前記流出口を含む複数の流出口を有する、
請求項1乃至5のいずれかに記載の減速機。 - 前記第1プラネタリギアは、
鉛直方向に沿った軸部と、
前記軸部を囲む環状の外歯と、
前記軸部と前記外歯との間に設けられる軸受け部と、
前記軸部の上面及び外周面に開口する内部給油路と、
を有する請求項1乃至6のいずれかに記載の減速機。 - 前記第2プラネタリギアは、前記駆動軸の停止状態において前記潤滑油に浸される、
請求項1乃至7のいずれかに記載の減速機。 - 前記駆動軸の回転を抑えるブレーキ機構を備え、
前記ブレーキ機構は、前記駆動軸の停止状態において前記潤滑油に浸される、
請求項1乃至8のいずれかに記載の減速機。 - 鉛直方向に沿った駆動軸を備えるモータ部と、
前記駆動軸に連結されており、請求項1乃至9のいずれか一項に係る減速機と、
を備える旋回装置。
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