JP5299935B2 - ノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体およびその製造方法 - Google Patents

ノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、格段に優れた凝集性能を有し、かつ水溶解性に優れ、凝集剤、抄紙用粘剤、製紙用歩留まり向上剤等に好適なノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体およびその製造方法に関する。
一般に、水溶性アクリルアミド系重合体は工業的な規模で生産され、各種用水の浄化のための凝集剤、紙力増強剤、繊維分散剤、土質安定剤等として広く利用されている。
一方、正電荷を帯び安定に分散して水中に浮遊する微粒子を凝集させる凝集剤としては、ノニオン性又はアニオン性の高分子量の重合体が有効であることが知られている。これらノニオン性又はアニオン性の重合体の使用にあっては、凝集させる対象の荷電状態が異なるため、対象に適したアニオン当量値を有する重合体が選択されている。
発明が解決しようとする課題
一般にこれら重合体を凝集剤として使用する場合、その分子量が高いほど少ない使用量で、また短い凝集沈殿時間で対象を凝集させることができ、凝集性能に優れていると言われている。しかし一方で、分子量が高いほど重合体の水への溶解性が低下してしまうことが知られている。
このような水溶解性の低下は使用時の溶解時間を長くすることによってある程度解決される。しかしながら、高架橋重合体は水溶解性がはなはだしく低く水中で膨潤するのみで、溶解時間を長くしても粒子状物が溶解せずに残ってしまう。そのため、高架橋重合体を凝集剤として使用すると凝集性能が低く、石油回収用増粘剤として使用する場合は浸透力が低く、また抄紙用粘剤として使用する場合は抄紙上にフィッシュアイを生じる等の問題がある。
すなわち、高い凝集性能と良好な水溶性とをともに満足するようなアクリルアミド系重合体は従来得られていなかった。
一方、アクリルアミド系重合体の製造方法としては、例えば、特公平5−32410号公報および特公平6−804号公報には、移動する基体上に光開始剤を含むアクリルアミド系水溶液を層状となるように供給し、この層状とされたアクリルアミド水溶液に光を照射して重合させ、ノニオン性又はアニオン性のアクリルアミド系重合体を連続的に製造する方法が開示されている。これは、例えば可動式の連続ベルト上の一端から単量体水溶液を供給し、光を照射して重合させ、得られた水性ゲルを他端から連続的に取り出す方法である。
ノニオン性又はアニオン性のアクリルアミド系単量体の重合発熱は、カチオン性のアクリルアミド系単量体の重合に比べて一般に大きいため、前記方法で高分子量のノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体を得ようとすると架橋等の副反応が生じ、得られる重合体の溶解性が著しく低下することがある。そのため、単量体水溶液の厚みを薄くして重合する等の工夫により重合発熱を十分除去することが必要で、生産性が低いという問題があった。
一方、特公平5−26522号公報において、微細鉱物粒子を含む廃水処理用に用いられる特定のアニオン当量値を有するアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体からなる凝集剤について、その凝集剤の物性と、凝集物のフロック径および沈降速度等の凝集性能との好ましい関係について提案されている。しかしながら、この提案では適用できる凝集剤が特定のアニオン当量値のものに限られるという問題がある。
また、特開昭52−3758号公報には、特定組成のアクリルアミド系共重合体の曳糸性を制御することにより凝集性能に優れた重合体が得られると記述されている。また、特開昭61−213203号公報には曳糸性を制御した重合体の製造方法として光重合による方法が記載されているが、重合生産性がはなはだ低いという問題がある。
すなわち、従来、凝集性能に優れた重合体を生産性良く製造する方法は提案されておらず、また、凝集剤の物性とその性能などとの関係も十分には明らかになっていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、格段に優れた凝集性能を有し、かつ水溶解性のよいノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体を生産性よく提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、重合体の凝集性能と水溶液物性との関係について詳細に解析検討した結果、意外にも光重合により得られたノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体であって、その溶液粘度とアニオン当量値とが特定の関係にあるものが、格段に優れた凝集性能を発現することを見出し本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、光開始剤を含むアクリルアミド系単量体水溶液を光重合させて得られたノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体であって、当該重合体は、アクリルアミドとアクリル酸の共重合体、または、アクリルアミドとアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の共重合体であり、当該重合体の0.2%塩粘度(ηS(0.2))とアニオン当量値(Eq)の関係が下記式(I)を満足することを特徴とするノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体である。
ηS(0.2)−1.56Eq≧24・・・(I)
(ただし(I)式中、ηS(0.2)の単位は[mPa・s]、Eqの単位は[meq/g]とする。)
ここで、0.2%塩粘度ηS(0.2)とは、アクリルアミド系重合体濃度が0.184重量%となるように重合体乾燥粉末を溶解した4重量%塩化ナトリウム水溶液を、B型回転粘度計にてローターNo.1を用いて60rpm、25℃で測定したブルックフィールド粘度を意味する。重合体乾燥粉末を溶解した4重量%塩化ナトリウム水溶液は、内径約8.6cmのガラス製500mlビーカーに重合体乾燥粉末と純水を合計480g入れ、同じ大きさの上下2段の平羽根(塩化ビニル製、厚さ3mm、幅5cm、高さ2cm、液面から上段の平羽根上部までの距離1.5cm、上下2段の板の間隔2cm、2枚の板を固定する軸の直径8mm)を用いて、240rpmで4時間攪拌後、塩化ナトリウム20gを加え、さらに30分間攪拌を行って調製する。
このとき、通常のアクリルアミド系重合体の乾燥粉末には、重合体成分(中和塩を含む)と水分が含まれるが、溶液中のアクリルアミド系重合体の重量とは乾燥粉末の重量を含水率で補正した重量のことであり、この水分を含まない。乾燥粉末の水分量は通常8%前後であり、例えば8%の水分を含む乾燥粉末の場合、乾燥粉末が0.2重量%となるように加えることで、アクリルアミド系重合体濃度が0.184重量%である前記の溶液が得られる。なお、水分量は熱風乾燥機にて重合体を110℃で6hr加熱した際の減量であり、乾燥粉末の含水率はこの水分量から算出したものである。
また、アクリルアミド系重合体(試料)のアニオン当量値(Eq)は次のようにして算出された値である。
まず、100mlビーカーに0.1重量%試料溶液を3g程度精秤し、これに脱イオン水を加えて50gとして、5分以上攪拌する。
次に、この溶液のpHをN/10アンモニア水で約10.4に調整後、これにN/200メチルグリコールキトサン試薬5mlを滴下して5分間攪拌し、これにトルイジンブルー指示薬を2〜3滴加えて検水とし、この検水をN/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400PVSK)により滴定する。
このときの滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色してからこの状態を10秒以上保持し、かつ更にN/400PVSKを1滴加えても検水が変色しない時点を終点とする。
なお、上記操作において、試料溶液を添加しない場合をブランクとする。また、上記滴定は、25℃で行う。
これらの測定値を基に、アニオン当量値(Eq)は下記式(III)で計算される。
アニオン当量値(Eq)[meq/g]
=(ブランクの滴定量[ml]−試料の滴定量[ml])×2.5×N/400PVSKのファクター/0.1重量%試料溶液重量[g]・・・(III)
また、本発明者等は上記アクリルアミド系重合体において、溶液粘度とアニオン当量値だけでなく、ワイセンベルク効果の程度、希薄水溶液粘度を含めた特定の物性範囲の重合体が、これまでに知られているよりも格段に優れた凝集性能を発現することを見出した。すなわち、上記ノニオン性又はアニオン性の重合体においては、上記物性に加えて、0.2%塩粘度(ηS(0.2))、1.04%ワイセンベルク値(1.04%W値またはW1.04)、0.1%溶液粘度(ηSol(0.1))、1%塩粘度(ηS(1))、およびアニオン当量値(Eq)の関係が下記式(II)を満足する値である。
2.68×10−1ηS(0.2)+1.10×101.04/ηS(1)−5.62ηSol(0.1)/ηS(1)−5.57×10−1Eq≧8.0・・・(II)
(ただし(II)式中、ηS(0.2)およびηSol(0.1)およびηS(1)の単位は[mPa・s]、Eqの単位は[meq/g]、W1.04の単位は[mm]とする。)
ここで、1%塩粘度(ηS(1))とは、重合体濃度が0.92重量%となるように重合体乾燥粉末を溶解した4重量%塩化ナトリウム水溶液を、B型回転粘度計にてローターNo.2を用いて6rpm、25℃で測定したブルックフィールド粘度を意味する。例えば、8%の水分を含む乾燥粉末の場合、乾燥粉末が1重量%となるように加えることで、前記のアクリルアミド系重合体濃度が0.92重量%の溶液が得られる。重合体乾燥粉末を溶解した4重量%塩化ナトリウム水溶液は、内径約8.6cmのガラス製500mlビーカーに重合体乾燥粉末と純水を合計480g入れ、同じ大きさの上下2段の平羽根(塩化ビニル製、厚さ3mm、幅5cm、高さ2cm、液面から上段の平羽根上部までの距離1.5cm、上下2段の板の間隔2cm、2枚の板を固定する軸の直径8mm)を用いて、240rpmで4時間攪拌後、塩化ナトリウム20gを加えさらに30分間攪拌を行って調製する。
上記1,04%W値(W1.04)とは、重合体濃度が0.96重量%となるように重合体乾燥粉末を溶解した水溶液500gを、内径約8.6cmのガラス製500mlビーカーで、2段の2枚平羽根(塩化ビニル製、幅5cm、高さ2cm、間隔2cm、液面から上段の平羽根までの距離1.5cm)を用いて、240rpmで4時間攪拌したときのワイセンベルク効果の高さ(攪拌時に攪拌棒に絡みついた上記水溶液の上位置と液面との距離、単位はmmとする。)を意味する。例えば、8%の水分を含む乾燥粉末の場合、乾燥粉末が1.04重量%となるように加えることで、前記のアクリルアミド系重合体濃度が0.96重量%の溶液が得られる。
上記0.1%溶液粘度とは、重合体濃度が0.092重量%となるように重合体乾燥粉末を溶解した水溶液を、B型回転粘度計にてローターNo.1を用いて6rpm、25℃で測定したブルックフィールド粘度を意味する。但し、測定値が100mPa・s以下の時は、BLアダプタを使用して測定した値を用いる。例えば、8%の水分を含む乾燥粉末の場合、乾燥粉末が0.1重量%となるように加えることで、前記のアクリルアミド系重合体濃度が0.092重量%の溶液が得られる。水溶液は、内径約8.6cmのガラス製500mlビーカーに重合体乾燥粉末と純水を合計500g入れ、内径約8.6cmのガラス製500mlビーカーで、同じ大きさの上下2段の平羽根(塩化ビニル製、厚さ3mm、幅5cm、高さ2cm、液面から上段の平羽根上部までの距離1.5cm、上下2段の板の間隔2cm、2枚の板を固定する軸の直径8mm)を用いて、240rpmで4時間攪拌を行って調製する。
また、上記ノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体においては、アニオン当量値(Eq)が3.8meq/g以下であることが好ましい。この範囲であれば凝集剤等として広い用途に適用することができる。
また本発明者等は、上記のごとく優れた凝集性能を有する高分子量で水への溶解性が良好な重合体の製造方法について鋭意検討した結果、単量体を水溶液中で重合させる製造方法として、光開始剤を添加した単量体水溶液を基体上に層状となるよう供給し、特定の照射条件下で光照射して光重合を行う製造方法が好ましいことを見出した。すなわち、光開始剤を含むアクリルアミド系単量体水溶液を基体上に層状に供給し、この層状の単量体水溶液に活性エネルギー線を照射して光重合する水溶性アクリルアミド系重合体の製造方法において、実質的に単量体の重合が開始した時点(t)から、重合率95%となるまでの活性エネルギー線の照射時間をtとし、この照射時間tに照射される活性エネルギー線の全照射エネルギーの35〜60%を、実質的に重合が開始した時点から1/3tまでの時間に照射し、上記照射時間t以降の照射時間内に、照射時間tに照射した活性エネルギー線の最大照射強度の3倍以上の活性エネルギー線を照射して光重合することが好ましい。
また、より水溶解性に優れたアクリルアミド系重合体を得るには、原料であるアクリルアミド系単量体の少なくとも一部として、ニトリルヒドラターゼの触媒作用によりアクリロニトリルを水和して得られたアクリルアミド単量体を使うことが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体は、光開始剤を含むアクリルアミド系単量体水溶液を光重合させて得られたノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体であって、当該重合体の0.2%塩粘度(ηS(0.2))とアニオン当量値(Eq)の関係が下記式(I)を満足することを特徴とする。
ηS(0.2)−1.56Eq≧24・・・(I)
(ただし(I)式中、ηS(0.2)の単位は[mPa・s]、Eqの単位は[meq/g]とする。)
上記アクリルアミド系単量体水溶液とは少なくともアクリルアミドを含む水溶液であり、アクリルアミド以外のアニオン性又はノニオン性の単量体を含んでいてもよいが、全単量体中、アクリルアミドは25重量%以上含まれることが好ましい。
アクリルアミド以外のアニオン性又はノニオン性の単量体としては、例えば、アクリルアミドの部分加水分解物、
アクリル酸およびこれらの酸のアルカリ塩、アンモニウム塩、
メタクリル酸およびこれらの酸のアルカリ塩、アンモニウム塩
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミドアルカンスルホン酸およびそのアルカリ塩、アンモニウム塩、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミドアルカンスルホン酸およびそのアルカリ塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
またアクリルアミド系単量体水溶液には、生成重合体の水溶性を損なわない範囲で、アクリロニトリル、アクリルアミドおよびメタクリルアミドのN置換誘導体、スチレン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドのような2官能基以上のビニル単量体を含んでいてもよい。
アクリルアミド系単量体水溶液に含まれるアクリルアミドの製法は特に限定されず、例えば、銅または銅化合物を触媒として接触水和する方法(以下、銅触媒法という)、ニトリルヒドラターゼの触媒作用によりアクリロニトリルを水和する方法(以下、バイオ法という)等が挙げられる。特に、水不溶物が少なく良好な水溶性を示す重合体を得るためには、バイオ法で製造されたアクリルアミドが好ましい。この理由としては、製法の相違に基づく何らかの不純物が関与していると推定される。
ここで、ニトリルヒドラターゼとは、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する酵素であり、例えば、バチルス(Bacillus)属、バクテリジューム(Bacteridium)属、マイクロコッカス(Micrococcus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属〔特公昭62−21519号〕、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルディア(Nocardia)属〔特公昭56−17918号〕、シュードモナス(Pseudomonas)属〔特公昭59−37951号〕、ロドコッカス(Rhodococcus)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属〔特公平4−4873号〕、ロドコッカス(Rhodococcus)属〔特公平4−40948号〕、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)種〔特公平6−55148号、SU1731814号〕、フザリウム(Fusarium)属〔特開昭64−86889号〕、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属〔特開平5−103681号、特開平6−14786号〕に属する微生物由来のものが挙げられる。
ニトリルヒドラターゼを用いてアクリルアミドを製造する際のニトリルヒドラターゼの使用形態は特に限定されず、例えば、上記微生物の培養液、培養液から分離した休止菌体または固定化菌体、あるいは、休止菌体からニトリルヒドラターゼ活性酵素を抽出し、直接または担体に固定化したもの等が挙げられる。
また、アクリロニトリルのアクリルアミドへの水和反応条件は常温、常圧で反応する酵素法の条件に準ずるものであれば、特に制限されない。また、水和反応後のアクリルアミド水溶液をそのまま用いても、濃縮操作によりアクリルアミド濃度を上げてから使用しても差し支えない。
上記光開始剤とは、活性エネルギー線によって分解し開始ラジカルを発生する化合物であり、例えば、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アンスラキノン、アシルホスフィンオキサイド化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。特に、水溶解性が高い重合体が得られやすいアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。また、これら光開始剤は、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
光開始剤の添加量は、目的とする重合体の分子量と重合時間の兼ね合いから適宜決定され、通常1〜1000ppm程度である。
上記ノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド重合体とは、上記アクリルアミド系単量体水溶液を光重合して得られる水溶性重合体であり、例えば、アクリルアミド重合体、
アクリルアミドの部分加水分解物、アクリルアミドとアクリル酸およびこれらの酸のアルカリ塩、アンモニウム塩の共重合体、
アクリルアミドとメタクリル酸およびこれらの酸のアルカリ塩、アンモニウム塩の共重合体、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミドアルカンスルホン酸およびそのアルカリ塩、アンモニウム塩との共重合体、
アクリルアミドとアクリル酸、メタクリル酸およびこれらの酸のアルカリ塩、アンモニウム塩と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミドアルカンスルホン酸およびそのアルカリ塩、アンモニウム塩との共重合体、
等が挙げられる。
また、カルボキシル基を有するアニオン性の重合体は、カルボキシル基を含む単量体を共重合する方法(共重合法〉以外に、アクリルアミド単量体単位を含む重合体を加水分解する方法によっても製造できるが、生産性の高い光重合による共重合法で製造することが好ましい。
上記アクリルアミド系重合体における上記式(I)で示される(0.2%塩粘度(ηS(0.2))−1.56×アニオン当量値(Eq))の値は24以上であり、好ましくは24〜50、より好ましくは28〜45、更に好ましくは32〜40である。この値は大きいほど、凝集剤として優れた凝集性能を示し、一方、少ないほど水に対する溶解性が向上する傾向にある。
また、上記アクリルアミド系重合体の0.2%塩粘度(ηS(0.2))、1.04%W値(W1.04)、0.1%溶液粘度(ηSol(0.1))、1%塩粘度ηS(1)、およびアニオン当量値(Eq)が、それぞれ下記式(II)に示される関係を満足していると、そのアクリルアミド系重合体はより優れた凝集性能を示す。ここでの各パラメータの定義は上述の通りである。
2.68×10-1ηS(0.2)+1.10×1021.04/ηS(1)−5.62ηSol(0.1)/ηS(1)−5.57×10-1Eq≧8.0・・・(II)
(ただし(II)式中、ηS(0.2)およびηSol(0.1)およびnS(1)の単位は[mPa・s]Eqの単位は[meq/g]、W1.04の単位は[mm]とする。)
さらに、上記式(II)において、左辺の値は9以上であることがより好ましい。
また、さらに、アクリルアミド系重合体のアニオン当量値(Eq)が3.8meq/g以下であれば、正電荷を帯び安定に分散して水中に浮遊する微粒子を凝集させる凝集剤として有用となり、各種用水の浄化のための凝集剤、紙力増強剤、繊維分散剤、土質安定剤等として広く利用することができる。
また、本発明で言うノニオン性とはアニオン当量値が0.1meq/g以下であることを意味する。例えば、アクリルアミドの単独重合体は重合の過程で一部が加水分解されて僅かながらカルボキシル基を生じるので、アニオン当量値が0とはならないが、通常0.1meq/g以下であるので、このようなアクリルアミドの単独重合体はノニオン性である。
このような水溶性アクリルアミド系重合体は、各種用途に使用することができるが、特に紙・パルプ工業、又は金属工業の産業廃水処理用の凝集剤として好適であり、その使用に際して効率よく凝集沈殿を生じさせるためには必要に応じ、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤を併用することができる。
次に、上述したような物性を有する本発明のノニオン性又はアニオン性のアクリルアミド系重合体の製造方法の好ましい一例について詳しく説明する。
この方法では、光開始剤を添加したアクリルアミド系単量体水溶液を基体上に層状となるように供給し、この層状とされた単量体水溶液に活性エネルギー線を当てて重合体を得る。
このような光重合方法としては、例えば特公平5−32410号公報および特公平6−804号公報に、移動する基体上での光照射による連続重合方法が開示されている。これは、例えば可動式の連続ベルト上の一端から単量体水溶液を供給し、光を照射して重合せしめ、得られた水性ゲルを他端から連続的に取り出す方法である。
ここでのアクリルアミド系単量体水溶液の濃度は、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜45%、更に好ましくは30〜40重量%である。濃度は高いほど重合時間が短く、重合体を乾燥させる際の負荷が少なくなり生産性が向上する。また、濃度は低いほど重合熱の除去が容易になる。
アクリルアミド系単量体水溶液の光照射開始時における溶存酸素濃度は、1ppm以下が好ましく、より好ましくは0.5ppm以下である。溶存酸素濃度は低いほど重合開始の遅延が少なく、水不溶物の発生が少ない。また溶存酸素濃度の低減は、窒素置換法等により行うことが出来る。
また上記単量体水溶液には、分子量を調整するために必要に応じて亜リン酸水素ニナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等の連鎖移動剤を添加しても構わない。
そして、本発明のアクリルアミド系重合体の製造方法においては、活性エネルギー線の照射条件を、単量体の重合率(重合反応においてある時間を経過したときの重量体の生成量を単量体の仕込み量に対する比率で表したもの)および重合時間によって変えること、すなわち、活性エネルギー線の照射エネルギーの配分を変えることを特徴とするものである。
詳しくは、単量体水溶液に、次の条件で活性エネルギー線を照射するものである。
(1)実質的に単量体の重合が開始した時点(t0)から、重合率95%となるまでの活性エネルギー線の照射時間をt1とし、この照射時間t1に照射される活性エネルギー線の全照射エネルギーの35〜60%、好ましくは45〜55%を、実質的に重合が開始した時点(t0)から1/3t1までの時間に照射する。照射エネルギーの配分をこのようにすることで、得られる重合体の分子量分布が制御でき、水溶解性低下の原因となる架橋しやすい超高分子量成分の生成を低減できると推定される。
ここで照射する活性エネルギー線の照射エネルギーとは、照射強度計で測定した照射強度と照射時間の積である。照射強度は、光源ランプの照射光波長分布に適した測定波長域の照射強度計を用い、光源が蛍光ケミカルランプの場合はUVR−36(トプコン社製、測定波長域310〜390nm)、青色蛍光ランプの場合はUVR−40(トプコン社製測定波長域360〜480nm)の受光器を装着したUVR−1(トプコン社製)を用い測定することができる。
(2)上記照射時間t1以降の照射時間内に、照射時間t1に照射した活性エネルギー線の最大照射強度の3倍以上、好ましくは4〜10倍の活性エネルギー線を照射して光重合を行う。すなわち、重合率が95%を超えた以降に、重合率が95%となるまでに照射した活性エネルギー線の最大照射強度の3倍以上、好ましくは4〜10倍の活性エネルギー線を照射する。また、そのような強度による照射を、重合が終了するまで続けることが好ましい。なお、このような強度の活性エネルギー線の照射を開始する時期は、重合率が95%を超えた直後であっても、重合が更に進んだ時点、例えば重合率が97%の時点でもよい。
このようにすることで良好な水溶解性を維持しつつ格段に優れた凝集性能を有する重合体が得られる。
本発明でいう実質的に重合が開始した時点(t0)とは、光開始剤を添加した単量体水溶液において、光を照射してから溶存酸素、重合禁止剤等によって引き起こされる誘導期間が終了した時点を意味する。したがって、照射時間t1に照射される活性エネルギー線の全照射エネルギーには、この誘導期間に照射された活性エネルギー線は含まれない。誘導期間の終了は単量体水溶液の温度上昇によって確認できる。
活性エネルギー線の照射エネルギーを配分する方法としては、活性エネルギー線の強度や光源を段階的に変える方法が簡便である。各段階の境界は明確である必要はなく、例えば、活性エネルギー線強度が連続的に変化するパターンで光を照射する方法等でもよい。
このとき、単量体水溶液の層厚さ(つまり、照射方向に対する液深さ)は11mm以上が好ましく、より好ましくは13mm以上、更に好ましくは16mm以上である。また、その上限については、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは30mm以下、更に好ましくは25mm以下である。単量体水溶液の層厚さは、厚いほど生産性が高くなり、薄いほど重合熱の除去が容易になる。
上記基体としては、単量体水溶液を層状に保持できるものであれば特に限定されないが、層厚さができるだけ均一になるものが好ましい。このような基体として、例えば、バット様の容器、平らな平板上の四方に堰を設けたもの、連続ベルトの両側に堰を設けたものなどを用いることができる。
上記重合反応は、例えば、バット様の容器等可動式でない容器を用い回分操作で重合反応を行うこともできるが、工業的生産性を向上させるためには、連続ベルト等可動式の基体上で重合することが有利である。
この時に用いる連続ベルトとしては、上記特公平6−804号公報に提案されている構造のもの等を用いることができ、例えば、エンドレスベルト(連続ベルト)の両長辺部分にゴム棒により堰を設け、この堰内側にプラスチックフィルム等を敷いて液が漏れ出ないようにした装置などを挙げることが出来る。
そして、このような連続ベルトを用いた重合においては、エンドレスベルトの一端より単量体溶液を供給して上記シート状(層状)となし、固定された光源の下をベルトとともに通過させることにより重合させる。また、この場合において単量体水溶液(重合反応液)が流動しなくなった時点以降は、ローラコンベアー上に連続的に移動させ、光照射を続けることも可能である。この場合には、上記、上方と下方の両方から光照射を行うことが出来る。
また、このとき単量体水溶液表面を光透過性フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリ塩化ビニリデン等のフィルム)により覆うことも可能である。このようにすれば、単量体水溶液と外部空気、特に重合を阻害する酸素との接触をさけることが出来、効率的な重合が可能となる。
上記層状にされた単量体水溶液に照射される活性エネルギー線は、例えば、紫外線および可視光線等が挙げられる。その波長は、使用する光開始剤により適宜選定される。しかしながら、単量体自身による吸収、光量子のエネルギーの2つからみて、200〜650nmの領域の波長が望ましい。200〜650nmの活性エネルギー線を与える光源として各種のものがあるが、その代表例としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光ケミカルランプ、蛍光青色ランプ等が挙げられる。
また、単量体水溶液の重合において、沸騰を防ぐためには、重合熱を極力除去することが好ましい。重合熱の除去方法としては、例えば、基体の下面から冷水等の冷却媒を噴霧する方法、単量体表面を気体により冷却する方法などが挙げられる。
以上の条件により水溶解性が良好で格段に優れた凝集性能を有する本発明のアクリルアミド系重合体重合体を生産性よく得ることができる。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下において、部は重量部を示す。
なお、「粘度指標」とは上記式(I)の左辺を、「凝集性能指標」とは上記式(II)の左辺の値を意味する。
(実施例1〜13、比較例1〜3)
1、単量体水溶液の調整
表1に示したニトリルヒドラターゼの触媒作用によりアクリロニトリルを水和して製造された50重量%アクリルアミド水溶液(AAmaq)、アクリル酸(AA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(TBAS)、亜リン酸水素ニナトリウムの所定量を純水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液と純水を加えてpH6.5の溶液100部を得た。この溶液に、遮光下で2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドの2重量%メタノール溶液0.05部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オンの2重量%メタノール溶液1部を添加した。なお、表1中「AAmaq(部)」は、50重量%水溶液としての量を示す。次に、溶存酸素濃度が0.2ppm以下になるよう窒素ガスで溶存酸素を置換しつつ、液温を10℃に調整した。
2、重合装置
重合装置を以下のようにして得た。
ステンレス板(厚さ1mm)上に底面が225mm×225mmとなるように、周囲を、断面が上辺24mm、下辺40mm、高さ24mmの台形のゴム棒で堰を作り、その内側に厚さ26μmのPETフィルムを敷き、単量体水溶液を供給し、上面を厚さ16μmの光透過性フィルム(PETフィルム12μm+ポリ塩化ビニリデン4μm)が単量体水溶液に接するように覆った。単量体水溶液の厚さは16mmであった。
3、重合反応
重合装置の上方に20W型蛍光青色ランプ(東芝社製FL−20S−B)を取り付けた光源を、ステンレス板上に受光器UVR−40(トプコン社製)を置き、上面を覆うための光透過性フィルムを通した光強度が13W/m2となるよう設置した。そして、ランプを点灯したところ直ちに温度上昇が見られ重合の開始が確認された。その後、光照射強度を次のように段階的に変化させた。すなわち、重合開始1分後に2.5W/m2とし、重合開始24.5分後に光源を20W型蛍光ケミカルランプ(東芝社製FL−20S−BL)に変え、受光器UVR−36(トプコン社製)を用いて測定した光照射強度52W/m2で10.5分間重合を行った。重合中は、重合装置下面から10℃の冷水を噴霧し、また上面からは光透過性フィルムに向けて風速約5m/sとなるよう室温の空気を吹き付けた。
各実施例および比較例における、重合率95%となるまでの活性エネルギー線の照射時間(t1)は23分、t1に照射した活性エネルギー線の全照射エネルギーに対する重合が開始した時点から1/3t1までの時間に照射した活性エネルギー線の照射エネルギーの割合は43.6%、t1に照射した活性エネルギー線の最大照射強度(13W/m2)に対するt1以降に照射した活性エネルギー線の最大照射強度(52W/m2)の割合は4倍であった。
なお、t1は重合途中の重合率を定期的に測定することにより決定した。重合率は、少量の重合物を定期的にサンプリングし、この重合物を乾燥し粉砕した重合体乾燥粉末から残留単量体をメタノール/水=80/20溶媒で16時間かけて抽出したものを液体クロマトグラフィーで定量して算出した。
このようにして得られたゲル状含水重合体を数mm角に解砕し、60℃で16時間乾燥を行い、ウイレー粉砕器で粉砕し、重合体乾燥粉末を得た。
Figure 0005299935
[水溶解性能試験]
表2、3に示す各種重合体(実施例1〜8、比較例1)について、次のように水溶解性能評価を行った。
得られた乾燥重合体粉末を純水500g中、0.1重量%濃度に溶解した後、80メッシュの金網で濾過し、溶解状態および水不溶物を観察した。その結果、いずれの場合も水不溶物は全く含まれていなかった。
[凝集性能試験A]
表2、3に示す各種重合体(実施例1〜8、比較例1)について、次のように凝集性能評価を行った。
懸濁物として濃度約350ppmの紙パルプ廃水を用い、この廃水500mLを500mLビーカーにとり、所定pHに調整し、ジャーテスターに据え付け、所定量の硫酸バンドを添加し2分間攪拌した。その後、0.1%濃度となるようにされた重合体水溶液を廃水重量に対して0.5ppmになるよう加えて回転数100rpmで3分間攪拌混合し、フロックを形成させた後、攪拌を止め、前記フロックの沈降時間を測定した。
結果を表2および表3に示す。
Figure 0005299935
Figure 0005299935
表中の略語の意味は以下の通り。
AAm…アクリルアミド
AA…アクリル酸
TBAS…2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
粘度指標…ηS(0.2)−1.56Eq
凝集性能…2.68×10-1ηS(0.2)+1.10×1021.04/ηS(1)−5.62ηSol(0.1)/ηS(1)−5.57×10-1Eq
表2および3の結果より、粘度指標が24以上、更には凝集性能指標が8以上であれば沈降時間が短く、更に、粘度指標が26以上、凝集性能指標が9以上では沈降時間がより短くに凝集性能に優れていることがわかる。実施例1〜8の重合体を用いて凝集させたフロックは、フロック径も明らかに大きく、かつ攪拌に対しても耐久性が高かった。
また、表4および5に示す各種重合体(実施例9〜13、比較例2〜3)の凝集性能評価を行った。
表4に示す各種重合体については、廃水として懸濁物濃度約500ppmの紙パルプ廃水を用い、硫酸バンドに代えてポリ塩化アルミニウムを用いた以外は凝集性能試験Aと同様にして凝集性能評価Bを行った。
表5に示す各種重合体については、廃水として懸濁物濃度670ppmの銅を含む金属廃水を用い、硫酸バンドを添加しなかったこと以外は凝集性能試験Aと同様にして凝集性能評価Cを行った。
Figure 0005299935
Figure 0005299935
表2および3の廃水とは異なる廃水を用いた表4および5の結果からも、表2および3と同様の傾向が得られた。また、実施例9〜13の重合体は水溶解性、凝集性能共に優れたものであった。また、同じ重合体を用いた実施例10と11の比較から、重合体の添加量が70%であっても、優れた凝集性能を示すことが判った。
(実施例14)
銅触媒法で製造された50重量%アクリルアミド水溶液を用いた以外は実施例9と同様に行った。重合率95%となるt1は実施例9と同じであった。
得られた重合体のアニオン当量値(Eq)は2.0meq/g、0.2%塩粘度(ηS(0.2))は28.5mPa・sで、粘度指標は25.4だった。また、W1.04/ηS(1)は0.013mm/(mPa・s)、0.1%溶液粘度ηSol(0.1)/ηS(1)は0.15mPa・s/(mPa・s)で、凝集性能指標は7.2であった。
得られた乾燥重合体粉末について水溶解性能評価を行ったところ、一部未溶解の部分が観察された。また、得られた重合体について実施例9と同様に凝集性能評価Bは行った結果、沈降時間は17秒であった。
発明の効果
以上説明したように、本発明のノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体は、従来のものに比べて格段に凝集性能に優れ、かつ水溶解性にも優れる。そのため、本発明のノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体を凝集剤等として使用すれば、大幅に速い沈降速度が得られ、効率的な凝集操作ができ、重合体の使用量を少なくすることが出来る。よって、上記アクリルアミド系重合体は、浄化のための凝集剤、紙力増強剤、繊維分散剤、土質安定剤等として広い用途に好適に使用することが出来る。
また、本発明の上記ノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体の製造方法によれば、格段に優れた凝集性能を有し、溶解性のよい上記ノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体重合体を生産性よく得ることができる。

Claims (2)

  1. 光開始剤を含むアクリルアミド系単量体水溶液を光重合させて得られたノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体であって、
    当該重合体は、アクリルアミドとアクリル酸の共重合体、または、アクリルアミドとアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の共重合体であり、
    当該重合体の0.2%塩粘度(ηS(0.2))とアニオン当量値(Eq)の関係が下記式(I)を満足し、0.2%塩粘度(η S(0.2) )、1.04%ワイセンベルク値(1.04%W値またはW 1.04 )、0.1%溶液粘度(η Sol(0.1) )、1%塩粘度(η S(1) )、およびアニオン当量値(Eq)がそれぞれ下記式(II)の関係を満足する値であることを特徴とするノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体。
    ηS(0.2)−1.56Eq≧24・・・(I)
    (ただし(I)式中、ηS(0.2)の単位は[mPa・s]、Eqの単位は[meq/g]とする。)
    2.68×10−1ηS(0.2)+1.10×101.04/ηS(1)−5.62ηSol(0.1)/ηS(1)−5.57×10−1Eq≧8.0・・・(II)
    (ただし(II)式中、ηS(0.2)およびηSol(0.1)およびηS(1)の単位は[mPa・s]、Eqの単位は[meq/g]、W1.04の単位は[mm]とする。)
  2. アニオン当量値(Eq)が3.8[meq/g]以下であることを特徴とする請求項1に記載のノニオン性又はアニオン性の水溶性アクリルアミド系重合体。
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