JP5292111B2 - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンク内の燃料を内燃機関に供給するための内燃機関の燃料供給装置に関する。
従来、この種の内燃機関の燃料供給装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この燃料供給装置は、内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)と、燃料タンク内の燃料をインジェクタに圧送する燃料ポンプを備えている。燃料ポンプおよびインジェクタは、燃料ギャラリーを介して互いに接続されており、この燃料ギャラリーは、リターン配管を介して、燃料タンクに接続されている。また、リターン配管には、機械式の開閉弁で構成されたプレッシャレギュレータが設けられており、それよりも燃料タンク側にはさらに、リターン配管を開閉するための電磁バルブが設けられている。このプレッシャレギュレータは、インジェクタに供給される燃料の圧力(以下「燃圧」という)と、インジェクタの噴孔周りの圧力との差圧が一定になるように、燃圧を調整するためのものであり、この差圧が所定値以上になると、リターン配管を開く。これに伴い、電磁バルブが開弁状態のときには、燃料ポンプから吐出された燃料の一部が、リターン配管および電磁バルブを介して燃料タンクに還流し、その結果、燃圧が低下する。以下、リターン配管およびプレッシャレギュレータによる燃料タンクへの燃料の還流動作を、「燃料リターン動作」という。
また、以上の構成の燃料供給装置では、内燃機関の始動中、その始動性を高めるべく、燃料の霧化の度合いを高めるために、電磁バルブを閉弁状態に保持することにより、上記の燃料リターン動作を禁止することによって、燃圧を上昇させる。さらに、インジェクタの燃料噴射量を精度良く制御するために、燃圧を推定するとともに、推定された燃圧に応じて、インジェクタの開弁時間を制御する。この燃圧の推定は次のように行われる。すなわち、電磁バルブを閉じた状態で、燃料ポンプから吐出された燃料の流量を算出するとともに、算出された燃料の流量に応じて、燃圧が推定される。
特開2001−3786号公報
通常、上述したような機械式の開閉弁であるプレッシャレギュレータによる燃圧の調整精度は低く、また、インジェクタで噴射すべき燃料の量や、燃料ポンプの動作状態などは、内燃機関の運転状態に応じて変化する。これに対し、上述した従来の燃料供給装置では、内燃機関の始動中に限って、燃圧を推定するとともに、推定された燃圧に応じてインジェクタの開弁時間を制御するにすぎないので、内燃機関の始動後、インジェクタの燃料噴射量を精度良く制御できず、適正な量の燃料を内燃機関に供給することができない。また、上述したような燃圧の推定手法では、電磁バルブの閉弁により燃料リターン動作を禁止しなければならないため、電磁バルブが不可欠であり、燃料供給装置の大型化やコストの増大化を招いてしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、小型化およびコストの削減を達成できるとともに、燃料圧力を精度良く推定でき、それにより、適正な量の燃料を内燃機関に供給することができる内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、燃料タンク31内の燃料を内燃機関3に供給するための内燃機関3の燃料供給装置1、51であって、内燃機関3に供給される燃料を噴射する燃料噴射弁11と、燃料噴射弁11に接続され、燃料タンク31内の燃料を燃料噴射弁11に圧送するための燃料ポンプ12と、燃料噴射弁11に供給される燃料の圧力を、大気圧との差圧が所定の設定燃圧PFになるように調整するために、燃料ポンプ12から吐出された燃料の一部を燃料タンク31に還流させる還流機構13、61と、還流機構13、61を介して燃料タンク31に還流する燃料の流量を、リターン流量QRTNとして検知するリターン流量検知手段(実施形態における(以下、本項において同じ)ECU2、ステップ4)と、検知されたリターン流量QRTNに基づき、燃料噴射弁11に供給される燃料の圧力を推定する燃料圧力推定手段(ECU2、ステップ5)と、推定された燃料圧力(推定燃料圧力HPF)が高いほど、燃料噴射弁11の開弁時間(最終燃料噴射時間TOUT)短くなるように制御する制御手段(ECU2、ステップ6、7)と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、燃料タンク内の燃料が、燃料ポンプから燃料噴射弁に圧送されるとともに、燃料噴射弁から噴射されることによって、内燃機関への燃料の供給が行われる。また、燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、大気圧との差圧が所定の設定燃圧になるように調整するために、燃料ポンプから吐出された燃料の一部が、還流機構を介して燃料タンクに還流する。さらに、還流機構を介して燃料タンクに還流する燃料の流量が、リターン流量としてリターン流量検知手段により検知される。また、検知されたリターン流量に基づいて、燃料噴射弁に供給される燃料の圧力が、燃料圧力推定手段により推定されるとともに、推定された燃料圧力が高いほど、燃料噴射弁の開弁時間短くなるように、制御手段により制御される。
上述したように、燃料ポンプから吐出された燃料が、燃料噴射弁に圧送されるとともに、その一部が、還流機構を介して燃料タンクに還流するという関係から、燃料圧力が高いほど、還流するリターン流量は大きくなる。このように、リターン流量は、燃料圧力と密接な相関関係にある。したがって、上述した構成によれば、燃料圧力を精度良く推定でき、それにより、適正な量の燃料を、燃料噴射弁から噴射でき、内燃機関に供給することができる。その結果、内燃機関の良好な燃費および排ガス特性を得ることができる。また、前述した従来の場合と異なり、燃料圧力の推定に、還流機構を閉じた状態に保持するための電磁バルブが不要であるので、燃料供給装置の小型化およびコストの削減を達成することができる。それに加え、燃料圧力を直接、検出するセンサは不要である。なお、本明細書において、「検知」には、センサなどによる直接的な「検出」に加え、演算による「算出」や「推定」も含まれる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の燃料供給装置1、51において、今回の燃焼サイクルにおいて燃料噴射弁11から噴射される燃料の流量を表す燃料噴射流量パラメータ(要求噴射流量QINJ)を予測し、算出する燃料噴射流量パラメータ予測算出手段(ECU2、ステップ2)と、燃料ポンプ12から吐出された燃料の流量を燃料吐出流量QPUMPとして検知する燃料吐出流量検知手段(ECU2、ステップ3)と、をさらに備え、リターン流量検知手段は、算出された燃料噴射流量パラメータと、検知された燃料吐出流量QPUMPとに応じて、リターン流量QRTNを検知する(ステップ4)ことを特徴とする。
この構成によれば、今回の燃焼サイクルにおいて燃料噴射弁から噴射される燃料の流量を表す燃料噴射流量パラメータが、燃料噴射流量パラメータ予測算出手段によって予測され、算出されるとともに、燃料ポンプから吐出された燃料の流量が、燃料吐出流量として燃料吐出流量検知手段により検知される。また、算出された燃料噴射流量パラメータと、検知された燃料吐出流量に応じて、リターン流量が検知される。請求項1の作用で述べたように、燃料ポンプから吐出された燃料が、燃料噴射弁に圧送されるとともに、その一部が、還流機構を介して燃料タンクに還流することから、リターン流量は、燃料噴射流量パラメータで表される燃料の流量が大きいほど、より小さく、燃料吐出流量が大きいほど、より大きい。このように、燃料噴射流量パラメータおよび燃料吐出流量は、リターン流量と密接な相関関係にある。したがって、上述した構成によれば、リターン流量を精度良く検知することができ、ひいては、さらに適正な量の燃料を内燃機関に供給することができる。
また、燃料噴射弁からの燃料の噴射に伴い、燃料が外部に流出することから、この燃料の噴射中、燃料噴射弁に供給される燃料圧力は低下する。上述した構成によれば、今回の燃焼サイクルにおいて燃料噴射弁から噴射される燃料の流量を、燃料噴射流量パラメータとして予測し、算出するとともに、この予測した燃料噴射流量パラメータを用いて、リターン流量を検知するので、今回の燃料噴射に伴って低下する燃料圧力を、精度良く予測することができる。したがって、今回の燃料噴射に伴って低下する燃料圧力に応じて、さらに適正な量の燃料を内燃機関に供給することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の内燃機関3の燃料供給装置1、51において、燃料ポンプ12は電動ポンプであり、燃料ポンプ12に印可される電圧をポンプ印可電圧VBとして検知する電圧検知手段(電圧センサ23)をさらに備え、燃料吐出流量検知手段は、検知されたポンプ印可電圧VBと燃料圧力に応じて、燃料吐出流量QPUMPを検知する(ステップ3)とともに、燃料吐出流量QPUMPを、燃料圧力が高いほど、より大きな値に検知することを特徴とする。
この構成によれば、電動ポンプである燃料ポンプに印可される電圧が、ポンプ印可電圧として電圧検知手段により検知されるとともに、検知されたポンプ印可電圧に応じて、燃料吐出流量が検知される。したがって、燃料吐出流量を精度良く検知することができる。また、上述した構成によれば、燃料吐出流量を、燃料ポンプの運転状態に応じて変化する燃料圧力にさらに応じて検知するとともに、燃料圧力が高いほど、より大きな値に検知するので、燃料ポンプの実際の動作状態を反映させながら、より精度良く検知することができる。
本発明の第1実施形態による燃料供給装置を、これを適用した内燃機関とともに概略的に示す図である。 燃料噴射制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による燃料供給装置を、これを適用した内燃機関とともに概略的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。まず、本発明の第1実施形態による燃料供給装置1について説明する。図1に示す内燃機関(以下「エンジン」という)3は、3つの気筒(図示せず)を有する4サイクル式のガソリンエンジンであり、車両(図示せず)の前部に、その駆動源として搭載されている。エンジン3の吸気通路4は、その下流側が3つの分岐通路4aに分岐しており、これらの分岐通路4aを介して、3つの気筒に接続されている。
また、エンジン3には、クランク角センサ21が設けられており、このクランク角センサ21は、エンジン3のクランク軸(図示せず)の回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号およびTDC信号を、後述するECU2に出力する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30゜)ごとに出力される。ECU2は、CRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。上記のTDC信号は、各気筒のピストン(図示せず)が吸気行程開始時のTDC(上死点)付近の所定のクランク角度位置にあることを表す信号であり、3気筒タイプの本例では、クランク角240゜ごとに1パルスが出力される。さらに、エンジン3には、気筒判別センサ(図示せず)が設けられており、この気筒判別センサは、気筒を判別するためのパルス信号である気筒判別信号を、ECU2に出力する。
また、エンジン3の吸気通路4には、上流側から順に、スロットル弁(図示せず)および吸気圧センサ22が設けられている。このスロットル弁の開度は、ECU2により制御され、それにより、エンジン3に吸入される吸入空気量が変化する。上記の吸気圧センサ22は、吸気通路4内の圧力(以下「吸気圧」という)PBAを絶対圧として検出するとともに、その検出信号をECU2に出力する。
燃料供給装置1は、エンジン3に供給される燃料を噴射する燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)11と、燃料タンク31内の燃料をインジェクタ11に圧送するための燃料ポンプ12と、インジェクタ11に供給される燃料の圧力を調整するための還流機構13と、インジェクタ11の噴射動作を制御するためのECU2を備えている。この燃料タンク31は、車両の後部に設けられており、その内部には、燃料が貯留されている。
インジェクタ11は、前述した分岐通路4aに、気筒ごとに設けられており、対応する気筒の吸気ポート(図示せず)に臨むように配置されるとともに、ECU2に接続されている。インジェクタ11の開弁時間は、ECU2によって後述するように制御され、それにより、インジェクタ11による燃料の噴射動作が制御される。
燃料ポンプ12は、電動ポンプで構成され、燃料タンク31内に設けられており、燃料タンク31内の燃料を、吸入した後、加圧した状態で吐出する。また、燃料ポンプ12には、燃料パイプ14の一端部が接続されており、燃料パイプ14の他端部は、デリバリパイプ15に接続されている。この燃料パイプ14は、車両の後部から前部にわたって延びており、デリバリパイプ15には、インジェクタ11が取り付けられている。また、デリバリパイプ15には、燃料を燃料タンク31内に還流させるための配管が接続されておらず、すなわち、このエンジン3は、いわゆるリターンレス式のエンジンである。さらに、燃料ポンプ12から吐出された高圧の燃料は、燃料パイプ14を介してデリバリパイプ15に送られ、デリバリパイプ15内に貯留される。また、デリバリパイプ15内の高圧の燃料は、インジェクタ11に供給され、インジェクタ11の開弁によって、吸気ポートに噴射される。以下、デリバリパイプ15内の燃料の圧力を、単に「燃料圧力」という。
また、燃料ポンプ12には、電源であるバッテリ32が接続されている。このバッテリ32から燃料ポンプ12に印可される電圧(以下「ポンプ印可電圧」という)VBは、所定の第1電圧と第2電圧の間で切り換えられ、その切換はECU2によって行われる。このポンプ印可電圧VBは、電圧センサ23によって検出され、その検出信号はECU2に出力される。
還流機構13は、燃料圧力の調整のために、燃料ポンプ12から吐出された燃料の一部を燃料タンク31に還流させるものであり、燃料タンク31内に設けられている。また、還流機構13は、燃料パイプ14の途中に設けられたプレッシャレギュレータ13aと、燃料戻し管13bを有している。この燃料戻し管13bの一端部は、プレッシャレギュレータ13aを介して燃料パイプ14に接続されており、他端部は、燃料タンク31内に臨んでいる。
上記のプレッシャレギュレータ13aは、バネやダイアフラムを組み合わせた機械式の開閉弁であり、ダイアフラムの両側にそれぞれ設けられた第1圧力室および第2圧力室(いずれも図示せず)を有している。この第1圧力室は、前述したデリバリパイプ15に接続されており、それにより、第1圧力室には、燃料圧力が導入される。また、上記の第2圧力室には、大気圧が導入される。
また、プレッシャレギュレータ13aは、第1圧力室に導入された燃料圧力と、第2圧力室に導入された大気圧との差圧が、所定の設定燃圧PFよりも大きいときには、開弁し、燃料戻し管13bと燃料パイプ14の間を連通させる。これにより、燃料ポンプ12から吐出された燃料の一部は、燃料戻し管13bを介して、燃料タンク31に還流し、その結果、燃料圧力が低下する。一方、プレッシャレギュレータ13aは、上記の燃料圧力と大気圧との差圧が設定燃圧PF以下のときには、閉弁し、燃料戻し管13bと燃料パイプ14の間を遮断する。これにより、燃料ポンプ12から吐出された燃料は、燃料タンク31に還流せずに、そのすべてが、インジェクタ11に圧送される。以下、燃料圧力(デリバリパイプ15内の燃料の圧力)と大気圧との差圧、すなわち、大気圧を基準とする燃料圧力を「燃料差圧」という。
以上の構成の還流機構13により、燃料圧力は、上記の燃料差圧が設定燃圧PFになるように調整される。なお、エンジン3の始動時以外の運転中には、常に、燃料ポンプ12から吐出された燃料の一部が、還流機構13を介して燃料タンク31に還流する。
また、ECU2には、大気圧センサ24が接続されており、この大気圧センサ24は、大気圧PAを検出するとともに、その検出信号をECU2に出力する。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどから成るマイクロコンピュータで構成されている。また、ECU2は、前述した各種のセンサ21〜24からの検出信号に応じて、インジェクタ11の噴射動作を制御するための燃料噴射制御処理を実行する。
次に、この燃料噴射制御処理について、図2を参照しながら説明する。本処理は、前述したTDC信号の発生に同期して、気筒ごとに実行される。まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、要求噴射量QREQを算出する。この要求噴射量QREQは、インジェクタ11から噴射すべき燃料量(cm3 )であり、次のように算出される。すなわち、まず、算出されたエンジン回転数NEと、検出された吸気圧PBAに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、基本噴射量を算出する。次いで、算出された基本噴射量を各種の補正項で補正することによって、要求噴射量QREQを算出する。これらの補正項には、空燃比補正係数などが含まれる。この空燃比補正係数は、エンジン3に供給される混合気の空燃比を所定空燃比になるように制御するためのものであり、エンジン3の排気管に設けられたLAFセンサ(いずれも図示せず)で検出された排ガス中の酸素濃度に基づいて算出される。なお、補正項の算出は、補正項算出処理(図示せず)によって行われる。
上記ステップ1に続くステップ2では、ステップ1で算出された要求噴射量QREQを用い、次式(1)によって、要求噴射流量QINJを算出(換算)する。
QINJ=QREQ・気筒数・K・NE/2 ……(1)
ここで、Kは、要求噴射量QREQの単位であるcm3 (立方センチメートル)をl(リッター)に換算するための係数であり、1/1000に設定されている。
上記の式(1)において、NE/2は、単位時間当たりのインジェクタ11の噴射回数を表している。このことと、要求噴射量QREQがインジェクタ11で噴射すべき燃料量であることから明らかなように、式(1)で算出される要求噴射流量QINJは、今回の燃焼サイクルにおいて噴射される燃料の総流量(リッター/分)である。
上記ステップ2に続くステップ3では、検出されたポンプ印可電圧VBと、後述するように算出された推定燃料圧力HPFに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、燃料吐出流量QPUMPを算出する。この燃料吐出流量QPUMPは、前述した燃料ポンプ12から吐出された燃料の流量である。また、推定燃料圧力HPFは、前述した燃料差圧(=燃料圧力−大気圧PA)の推定値である。上記のマップでは、燃料吐出流量QPUMPは、ポンプ印可電圧VBが高いほど、燃料ポンプ12の出力が高いため、より大きな値に設定されている。また、燃料ポンプ12からインジェクタ11への燃料の圧送によって燃料圧力が上昇することから、燃料吐出流量QPUMPは、推定燃料圧力HPFが大きいほど、より大きな値に設定されている。なお、以上の燃料吐出流量QPUMPの算出において、エンジン3の始動中で、推定燃料圧力HPFが算出されていないときには、推定燃料圧力HPFとして、前述した設定燃圧PFが用いられる。
次いで、上記ステップ3で算出された燃料吐出流量QPUMPから、ステップ2で算出された要求噴射流量QINJを減算することによって、リターン流量QRTNを算出する(ステップ4)。このリターン流量QRTNは、前述した還流機構13を介して燃料タンク31に還流する燃料の流量である。
次に、上記ステップ4で算出されたリターン流量QRTNに基づき、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、推定燃料圧力HPFを算出する(ステップ5)。このマップでは、推定燃料圧力HPFは、リターン流量QRTNが大きいほど、より大きな値にリニアに設定されている。
次いで、上記ステップ5で算出された推定燃料圧力HPFに応じ、次式(2)によって、燃圧補正係数KPFFRLを算出する(ステップ6)。この式(2)において、PARは、大気圧PAの所定値(以下「所定大気圧」という)であり、PBARは、吸気圧PBAの所定値(以下「所定吸気圧」という)である。また、この燃圧補正係数KPFFRLは、燃料圧力による影響を補償しながら、要求噴射量QREQ分の燃料をインジェクタ11から噴射するために、インジェクタ11の開弁時間である最終燃料噴射時間TOUTを算出するのに用いられるものである。燃圧補正係数KPFFRLについては、後で詳細に説明する。なお、燃圧補正係数KPFFRLを、式(2)に代えて、燃圧補正係数KPFFRLおよび推定燃料圧力HPFの関係をあらかじめ定めた所定のマップを検索することによって、算出してもよい。
Figure 0005292111
次に、前記ステップ1および6でそれぞれ算出された要求噴射量QREQおよび燃圧補正係数KPFFRLを用いて、最終燃料噴射時間TOUTを算出し(ステップ7)、本処理を終了する。このステップ7の実行に伴い、最終燃料噴射時間TOUTに基づく駆動信号がインジェクタ11に出力されることによって、インジェクタ11の開弁時間が、最終燃料噴射時間TOUTになるように制御される。
また、上記の最終燃料噴射時間TOUTの算出は、具体的には、次のように行われる。すなわち、まず、要求噴射量QREQに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、基本燃料噴射時間を算出する。このマップでは、この基本燃料噴射時間は次のように設定されている。すなわち、前述した燃料圧力が設定燃圧PFと上記の所定大気圧PARの和に等しく、かつ、インジェクタ11の噴射口周りの外部の圧力(以下「噴射口外部圧力」という)が所定大気圧PARである所定の基準状態において、要求噴射量QREQ分の燃料が噴射されるような開弁時間に、基本燃料噴射時間は設定されている。次いで、算出された基本燃料噴射時間に燃圧補正係数KPFFRLを乗算した値を、検出された大気圧PAと吸気圧PBAに応じて補正することによって、最終燃料噴射時間TOUTを算出する。
次に、燃圧補正係数KPFFRLについて詳細に説明する。ここで、インジェクタ11におけるデリバリパイプ15側の燃料の流路面積を「入口側流路面積A」といい、分岐通路4a側の燃料の流路面積を「出口側流路面積B」という。また、上述した基準状態(燃料圧力=設定燃圧PF+所定大気圧PAR、かつ噴射口外部圧力=所定大気圧PAR)でのインジェクタ11におけるデリバリパイプ15側の燃料の流速を「入口側基準流速VIB」といい、分岐通路4a側の燃料の流速を「出口側基準流速VOB」という。この基準状態における、燃料圧力、噴射口外部圧力、入口側基準流速VIB、出口側基準流速VOB、入口側流路面積A、および出口側流路面積Bの間の関係は、ベルヌーイの定理および連続の式から、次式(3)および(4)で表される。
Figure 0005292111
Figure 0005292111
ここで、ρは燃料の密度、gは重力加速度である。
また、この式(4)を式(3)に代入するとともに、ρ(A2 −B2 )/2・A2 =α2 とすると、出口側基準流速VOBは次式(5)で表される。
Figure 0005292111
したがって、この式(5)から、基準状態におけるインジェクタ11からの燃料の噴射流量(以下「基準噴射流量」という)QBは、次式(6)で表される。
Figure 0005292111
ここで、Tは定数である。
また、大気圧PAが所定大気圧PARであり、かつ、吸気圧PBAが前述した所定吸気圧PBARであると仮定した場合、エンジン3の運転中には、燃料圧力は推定燃料圧力HPFと所定大気圧PARの和であり、噴射口外部圧力は所定吸気圧PBARである。このようなエンジン3の運転中でのインジェクタ11におけるデリバリパイプ15側の燃料の流速を「入口側実流速VIA」といい、分岐通路4a側の燃料の流速を「出口側実流速VOA」という。エンジン3の運転中における、燃料圧力、噴射口外部圧力、入口側実流速VIA、出口側実流速VOA、入口側流路面積A、および出口側流路面積Bの間の関係は、ベルヌーイの定理および連続の式から、次式(7)および(8)で表される。
Figure 0005292111
Figure 0005292111
また、この式(8)を式(7)に代入すると、出口側実流速VOAは次式(9)で表される。
Figure 0005292111
したがって、エンジン3の運転中におけるインジェクタ11からの燃料の噴射流量(以下「実噴射流量」という)QAは、上記の式(9)から、次式(10)で表される。
Figure 0005292111
さらに、この実噴射流量QAに対する基準噴射流量QB(式(6))の比は、次式(11)で表される。
Figure 0005292111
この式(11)と前記式(2)との比較から明らかなように、燃圧補正係数KPFFRLは、実噴射流量QAに対する基準噴射流量QBの比(QB/QA)に設定されている。ここで、実噴射流量QAおよび基準噴射流量QBをインジェクタ11の開弁時間にそれぞれ換算したものを、「実噴射時間」「基準噴射時間」という。この場合、燃圧補正係数KPFFRLは、実噴射時間に対する基準噴射時間の比(基準噴射時間/実噴射時間)に相当する。
また、前述したように、上記のような燃圧補正係数KPFFRLを基本燃料噴射時間に乗算することによって、最終燃料噴射時間TOUTが算出される。さらに、この基本燃料噴射時間は、基準状態において、要求噴射量QREQ分の燃料が噴射されるような開弁時間に算出される。
以上のように、最終燃料噴射時間TOUTは、燃圧補正係数KPFFRLを用いて算出されることによって、基準状態を基準とし、燃料圧力の影響による燃料噴射量の増大分を相殺し、補償するように、設定される。したがって、インジェクタ11から実際に噴射される燃料噴射量を、要求噴射量QREQになるように適切に制御でき、要求噴射量QREQ分の燃料をエンジン3に供給することができる。
また、本実施形態における各種の要素と、請求項に係る発明(以下「本発明」という)の各種の要素との対応関係は、次の通りである。すなわち、ECU2が、本発明におけるリターン流量検知手段、燃料圧力推定手段、制御手段、燃料噴射流量パラメータ算出手段および燃料吐出流量検知手段に相当し、電圧センサ23が、本発明における電圧検知手段に相当する。また、推定燃料圧力HPFが、本発明における推定された燃料圧力に相当し、要求噴射流量QINJが、本発明における燃料噴射流量パラメータに相当する。
以上のように、本実施形態によれば、還流機構13を介して燃料タンク31に還流する燃料の流量を、リターン流量QRTNとして算出するとともに、算出されたリターン流量QRTNに基づいて、燃料圧力と大気圧PAとの差圧である燃料差圧を、推定燃料圧力HPFとして推定する。また、推定燃料圧力HPFに応じて算出された燃圧補正係数KPFFRLを用いて、最終燃料噴射時間TOUTを算出するとともに、算出された最終燃料噴射時間TOUTになるように、インジェクタ11の開弁時間を制御する。したがって、燃料差圧を推定燃料圧力HPFとして精度良く推定でき、それにより、適正な量の燃料を、インジェクタ11から噴射でき、エンジン3に供給することができる。その結果、エンジン3の良好な燃費および排ガス特性を得ることができる。また、前述した従来の場合と異なり、推定燃料圧力HPFの算出に、還流機構13を閉じた状態に保持するための電磁バルブが不要であるので、燃料供給装置1の小型化およびコストの削減を達成することができる。それに加え、燃料差圧を直接、検出するセンサは不要である。
さらに、インジェクタ11から噴射される燃料の流量を、要求噴射流量QINJとして算出するとともに、燃料ポンプ12から吐出された燃料の流量を、燃料吐出流量QPUMPとして算出する。また、燃料吐出流量QPUMPから要求噴射流量QINJを減算することによって、リターン流量QRTNを算出する。したがって、リターン流量QRTNを精度良く算出でき、ひいては、さらに適正な量の燃料をエンジン3に供給することができる。
また、今回の燃焼サイクルにおいてインジェクタ11から噴射される燃料の流量を、要求噴射流量QINJとして予測し、算出するとともに、この予測した要求噴射流量QINJを用いて、リターン流量QRTNを算出するので、今回の燃料噴射に伴って低下する燃料圧力を、精度良く予測することができる。したがって、今回の燃料噴射に伴って低下する燃料圧力に応じて、さらに適正な量の燃料をエンジン3に供給することができる。
さらに、電動ポンプである燃料ポンプ12に印可される電圧を、ポンプ印可電圧VBとして検出するとともに、検出されたポンプ印可電圧VBに応じて、燃料吐出流量QPUMPを算出する。したがって、燃料吐出流量QPUMPを精度良く算出することができる。また、燃料吐出流量QPUMPを、燃料差圧の推定値である推定燃料圧力HPFにさらに応じて算出するので、燃料ポンプ12の実際の動作状態を反映させながら、より精度良く算出することができる。
さらに、前述したように、燃料供給装置1では、還流機構13は、燃料タンク31とともに、車両の後部に配置されているのに対し、インジェクタ11は、エンジン3とともに車両の前部に配置されており、還流機構13とインジェクタ11の間の距離は比較的長い。これにより、燃料の圧力損失や脈動による影響が大きいため、還流機構13によって、インジェクタ11近傍の燃料圧力を高い精度で調整することはできない。したがって、このようなタイプの燃料供給装置1において、前述した推定燃料圧力HPFに応じた燃料噴射制御を実行することによって、上述した効果、すなわち、適正な量の燃料をエンジン3に供給できるという効果を、有効に得ることができる。
次に、図3を参照しながら、本発明の第2実施形態による燃料供給装置51について説明する。この図3において、第1実施形態による燃料供給装置1と同じ燃料供給装置51中の構成要素については、同じ符号を用いて示している。同図から明らかなように、この燃料供給装置51は、第1実施形態と比較して、その還流機構61の構成のみが異なっているので、以下、還流機構61を中心に、第1実施形態と異なる点のみを説明する。
この還流機構61は、リターン配管61aおよびプレッシャレギュレータ61bを有している。このリターン配管61aの一端部はデリバリパイプ15に、他端部は燃料タンク31に、それぞれ接続されており、デリバリパイプ15は、このリターン配管61aを介して、燃料タンク31に連通している。
また、上記のプレッシャレギュレータ61bは、第1実施形態のプレッシャレギュレータ13aと同様の機械式の開閉弁であり、燃料圧力および大気圧PAがそれぞれ導入される第1および第2の圧力室を有しており、リターン配管61aのデリバリパイプ15側の部分に設けられている。さらに、プレッシャレギュレータ61bは、第1圧力室に導入された燃料圧力と、第2圧力室に導入された大気圧PAとの差圧が、所定の設定燃圧PFよりも大きいときには、開弁し、デリバリパイプ15と燃料タンク31の間を連通させる。これにより、燃料ポンプ12から吐出され、デリバリパイプ15内に貯留された燃料の一部は、リターン配管61aを介して燃料タンク31に還流し、その結果、燃料圧力が低下する。一方、プレッシャレギュレータ61bは、上記の燃料圧力と大気圧PAとの差圧が設定燃圧PF以下のときには、閉弁し、デリバリパイプ15と燃料タンク31の間を遮断する。これにより、デリバリパイプ15内の燃料が還流せずに、燃料ポンプ12から吐出された燃料のすべてが、インジェクタ11に圧送される。以上のように、第2実施形態では、エンジン3は、燃料を燃料タンク31内に還流させるためのリターン配管61aがデリバリパイプ15に接続された、いわゆるリターン式のエンジンである。
以上の構成の燃料供給装置51では、第1実施形態で述べた燃料噴射制御処理が行われる。したがって、本実施形態によれば、第1実施形態による前述した効果を同様に得ることができる。また、本実施形態では、プレッシャレギュレータ61bがデリバリパイプ15側に配置されているので、インジェクタ11近傍の燃料圧力を、第1実施形態の場合よりも高い精度で調整できるものの、プレッシャレギュレータ61bが第1実施形態と同様の機械式の弁であるため、それによって調整される燃料圧力の精度は、それほど高くない。これに対して、本実施形態によれば、前述した推定燃料圧力HPFに応じた燃料噴射制御を実行するので、インジェクタ11による燃料噴射量をより高い精度で制御でき、したがって、適正な量の燃料をエンジン3に供給できるという効果を、より有効に得ることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明における燃料噴射弁は、吸気ポートに燃料を噴射するインジェクタ11であるが、気筒内に直接、燃料を噴射するものでもよい。また、実施形態では、燃料ポンプ12は、電動ポンプであるが、燃料タンク31内の燃料をインジェクタ11に圧送できるのであれば、他のタイプ、例えば、エンジン3を駆動源とするものでもよい。さらに、実施形態では、還流機構13を、燃料タンク31内に配置しているが、燃料パイプ14における燃料タンク31側に配置してもよい。また、実施形態では、還流機構13(61)は、機械式の開閉弁であるプレッシャレギュレータ13a(61b)と燃料戻し管13b(リターン配管61a)を組み合わせたタイプのものであるが、燃料ポンプ12からの燃料の一部を燃料タンク31に還流させられるのであれば、他のタイプ、例えば、電磁弁と燃料戻し管(リターン配管)を組み合わせたタイプのものでもよい。
さらに、実施形態では、リターン流量QRTNおよび燃料吐出流量QPUMPを演算により算出しているが、両者の少なくとも一方を、センサにより検出してもよい。このようにリターン流量QRTNをセンサで検出する場合には、実施形態の場合と異なり、推定燃料圧力HPFとして、今回の燃料噴射中における燃料差圧の予測値ではなく、今回の燃料噴射制御処理の実行タイミングにおける燃料差圧の推定値が、算出される。このように、本発明において推定される対象となる燃料圧力には、今回の燃料噴射中にインジェクタ11に供給される燃料圧力に加え、すでに供給されている燃料圧力が含まれる。また、実施形態では、推定燃料圧力HPFとして、燃料圧力そのものではなく、燃料差圧を推定しているが、燃料圧力そのものを推定してもよいことは、もちろんである。さらに、推定の対象となる燃料圧力は、インジェクタ11に供給される燃料の圧力であれば、実施形態で述べたデリバリパイプ15内の燃料圧力に限らず、燃料パイプ14におけるデリバリパイプ15近傍の燃料の圧力や、インジェクタ11の内部における燃料の圧力でもよい。
また、実施形態では、ポンプ印可電圧VBを、電圧センサ23により検出しているが、演算により算出・推定してもよい。さらに、実施形態では、本発明における燃料噴射流量パラメータとしての要求噴射流量QINJは、今回の燃焼サイクルにおいて噴射される燃料の総流量であるが、今回の燃焼サイクル中に対応する1つの気筒に対して噴射される燃料の流量でもよい。また、実施形態において、要求噴射流量QINJの今回値に代えて、その前回値を用いて、リターン流量QRTNを算出してもよい。さらに、実施形態では、燃料吐出流量QPUMPなどの各種のパラメータを、マップ検索によって算出しているが、他の適当な手法によって算出してもよく、例えば、マップに代えて、各種のパラメータの関係を表す数式を設定し、この数式に従って算出してもよい。
また、推定燃料圧力HPFを用いた燃料噴射制御として、実施形態で述べた手法に限らず、他の適当な手法を採用してもよいことは、もちろんである。例えば、要求噴射流量QINJに、実噴射流量QAに対する基準噴射流量QBの比(=燃圧補正係数KPFFRL)を乗算することによって、算出用噴射流量を算出し、算出された算出用噴射流量(l/分)を、前記式(1)と同様の手法により燃料量(l)に換算することによって、算出用噴射量を算出する。次いで、算出された算出用噴射量に応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、最終燃料噴射時間TOUTを算出する。このマップでは、最終燃料噴射時間TOUTは、前述した基準状態において、算出用噴射量分の燃料が噴射されるような開弁時間に設定されている。この場合にも、前述した実施形態の場合と同様、最終燃料噴射時間TOUTを、基準状態を基準として、燃料圧力の影響による燃料噴射量の増大分を相殺し、補償するように設定することができる。したがって、インジェクタ11から実際に噴射される燃料噴射量を、要求噴射量QREQになるように適切に制御でき、要求噴射量QREQ分の燃料をエンジン3に供給することができる。あるいは、最終燃料噴射時間TOUTを、要求噴射量QREQおよび推定燃料圧力HPFに応じたマップ検索などによって算出してもよい。
さらに、実施形態は、燃料供給装置1を、4サイクル3気筒タイプのエンジン3に適用した例であるが、燃料供給装置1は、これに限らず、単気筒タイプや、3つ以外の複数の気筒を有するタイプのエンジンに適用可能であり、2サイクルエンジンにも適用可能である。それに加え、燃料供給装置1は、実施形態で例示した車両用のガソリンエンジンであるエンジン3に限らず、ディーゼルエンジンや、LPGエンジン、クランク軸を鉛直方向に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジン、その他産業用の各種の内燃機関に、適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 燃料供給装置
51 燃料供給装置
2 ECU(リターン流量検知手段、燃料圧力推定手段、制御手段、
燃料噴射流量パラメータ算出手段、燃料吐出流量検知手段)
3 エンジン
11 インジェクタ
12 燃料ポンプ
13 還流機構
31 燃料タンク
23 電圧センサ(電圧検知手段)
61 還流機構
QRTN リターン流量
HPF 推定燃料圧力(推定された燃料圧力)
QINJ 要求噴射流量(燃料噴射流量パラメータ)
QPUMP 燃料吐出流量
VB ポンプ印可電圧

Claims (3)

  1. 燃料タンク内の燃料を内燃機関に供給するための内燃機関の燃料供給装置であって、
    前記内燃機関に供給される燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    当該燃料噴射弁に接続され、前記燃料タンク内の燃料を前記燃料噴射弁に圧送するための燃料ポンプと、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、大気圧との差圧が所定の設定燃圧になるように調整するために、前記燃料ポンプから吐出された燃料の一部を前記燃料タンクに還流させる還流機構と、
    当該還流機構を介して前記燃料タンクに還流する燃料の流量を、リターン流量として検知するリターン流量検知手段と、
    当該検知されたリターン流量に基づき、前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を推定する燃料圧力推定手段と、
    当該推定された燃料圧力が高いほど、前記燃料噴射弁の開弁時間短くなるように制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 今回の燃焼サイクルにおいて前記燃料噴射弁から噴射される燃料の流量を表す燃料噴射流量パラメータを予測し、算出する燃料噴射流量パラメータ予測算出手段と、
    前記燃料ポンプから吐出された燃料の流量を燃料吐出流量として検知する燃料吐出流量検知手段と、をさらに備え、
    前記リターン流量検知手段は、前記算出された燃料噴射流量パラメータと、前記検知された燃料吐出流量とに応じて、前記リターン流量を検知することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記燃料ポンプは電動ポンプであり、
    当該燃料ポンプに印可される電圧をポンプ印可電圧として検知する電圧検知手段をさらに備え、
    前記燃料吐出流量検知手段は、前記検知されたポンプ印可電圧と前記燃料圧力に応じて、前記燃料吐出流量を検知するとともに、前記燃料吐出流量を、前記燃料圧力が高いほど、より大きな値に検知することを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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