JP2019183694A - セタン価推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】着火遅れの影響を加味してセタン価を推定することができるセタン価推定装置を提供する。【解決手段】このセタン価推定装置は、筒内温度と酸素密度とを取得し(ステップS110,ステップS120)、筒内温度と酸素密度とに基づいて着火の時期が揃うように判定用噴射の噴射時期を設定する(ステップS130)。そして、セタン価推定装置は、ディーゼル機関を制御して所定量の燃料を噴射する判定用噴射を実行し(ステップS140)、判定用噴射の実行に伴う機関回転速度の変動量の指標値である回転変動量及び判定用噴射を行ったときの機関回転速度に基づいて、判定用噴射による発生トルクの指標値であるトルク相当量を算出する(ステップS160)。セタン価推定装置は、算出したトルク相当量に基づいて燃料のセタン価を推定する(ステップS170)。【選択図】図2

Description

この発明はディーゼル機関の燃料のセタン価を推定するセタン価推定装置に関するものである。
特許文献1には、所定量の燃料を噴射する判定用の噴射を実行して、判定用の噴射に伴う機関回転速度の変動量の指標値である回転変動量を取得する処理と、回転変動量と判定用の噴射を実行した際の機関回転速度とに基づいて燃料のセタン価を推定する処理とを実行するセタン価推定装置が開示されている。
特開2011−256840号公報
ところで、燃料の噴射量が等しくても燃料を噴射してから燃焼が始まるまでの着火遅れの影響によって燃焼が始まる時期が変化すると、トルクの発生態様が変化する。その結果、燃料の噴射量が等しくても回転変動量に違いが生じてしまうため、回転変動量に基づいてより的確にセタン価を推定するためには、着火遅れの影響を加味してセタン価を推定することが求められている。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するためのセタン価推定装置は、ディーゼル機関を制御して所定量の燃料を噴射する判定用噴射を実行し、燃料のセタン価を推定するセタン価推定装置である。このセタン価推定装置は、筒内温度と酸素密度とに基づいて着火の時期が揃うように前記判定用噴射の噴射時期を設定する処理と、前記判定用噴射の実行に伴う機関回転速度の変動量の指標値である回転変動量及び前記判定用噴射を行ったときの機関回転速度に基づいて前記判定用噴射による発生トルクの指標値であるトルク相当量を算出する処理と、算出したトルク相当量に基づいて燃料のセタン価を推定する処理と、を実行する。
ディーゼル機関の着火遅れの予測にLivengood−wo積分を適用できることが知られている。そして、アレニウスの式により、着火遅れは、以下の式で表せる。
なお、上記の式における「τ」は着火遅れ、「[Fuel]」は燃料モル濃度、「[O2]」は酸素モル濃度、「T」は筒内温度である。そして、「A」,「B」,「C」,「D」はそれぞれ係数であり、正の値である。
上記の式から着火遅れは筒内温度と酸素モル濃度とに相関することがわかる。そのため、筒内温度と酸素密度とに基づいて着火遅れの大きさを予測できる。なお、ここでは、燃料のモル濃度が極めて小さく、燃料のモル濃度の着火遅れへの寄与度は低いため、燃料のモル濃度を無視して考える。
上記の構成では、筒内温度と酸素密度とに基づいて着火遅れの大きさを予測できることに着目し、筒内温度と酸素密度とに基づいて判定用噴射の噴射時期を設定している。そのため、着火遅れの大きさを加味して、着火の時期が揃うように判定用噴射の噴射時期を設定することにより、着火遅れの影響による回転変動量のばらつきを抑制することができる。したがって、上記構成によれば、着火遅れの影響を加味してセタン価を推定することができるようになる。
セタン価推定装置である電子制御装置と、同電子制御装置によって制御されるディーゼル機関とを示す模式図。 セタン価の推定にかかる一連の処理の流れを示すフローチャート。
以下、車両に搭載されるディーゼル機関を制御する電子制御装置として具体化したセタン価推定装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示されているように、ディーゼル機関10には、ターボチャージャ20が搭載されている。ディーゼル機関10の吸気通路12には、上流側から順に、エアクリーナ13、コンプレッサ21、インタークーラ40及びスロットルボディ14が配置されている。エアクリーナ13は吸気通路12に取り込まれる空気を濾過し、コンプレッサ21は内蔵されているコンプレッサホイール21aの回転によって空気を圧縮して下流側に送り出す。インタークーラ40はコンプレッサ21において圧縮された空気を冷却し、スロットルボディ14は内蔵している吸気絞り弁の開度の変更を通じて吸気通路12を流れる空気の流量、すなわち吸入空気量を調整する。
ディーゼル機関10のシリンダブロック11には4つのシリンダ16が設けられている。吸気通路12におけるスロットルボディ14よりも下流側の部分は、シリンダ16の数に合わせて分岐したインテークマニホールド15になっている。インテークマニホールド15の分岐したそれぞれの枝管は各シリンダ16と連通している。各シリンダ16には、インジェクタ30がそれぞれ設置されている。各インジェクタ30はコモンレール31に接続されている。そして、コモンレール31は燃料パイプ34を通じてサプライポンプ32と接続されている。サプライポンプ32は燃料チューブ33を通じて燃料タンクに貯留されている燃料を汲み上げ、燃料パイプ34を通じてコモンレール31に供給する。各インジェクタ30はコモンレール31内の燃料をシリンダ16内に噴射する。そして、インジェクタ30から噴射された燃料はシリンダ16内において圧縮加熱された吸入空気に触れて着火及び燃料する。
シリンダ16内での燃焼により生じた排気は、ディーゼル機関10の排気通路17を通じて排出される。なお、排気通路17におけるシリンダブロック11と接続している部分は、シリンダ16の数に合わせて分岐したエキゾーストマニホールド18になっている。エキゾーストマニホールド18の分岐したそれぞれの枝管は各シリンダ16と連通している。排気通路17には、上流側から順に、タービン22及び排気浄化装置19が設置されている。タービン22には、コンプレッサホイール21aと一体回転可能にシャフトで連結されたタービンホイール22aが内蔵されている。タービン22は、コンプレッサ21と共にターボチャージャ20を構成している。また、排気浄化装置19は、排気中の粒子状物質を捕集し、排気を浄化する。
ターボチャージャ20では、排気の流勢によりタービンホイール22aが回転することで、コンプレッサホイール21aが連動して回転する。これにより、シリンダ16に圧縮した空気を送り込む過給が行われる。すなわち、ターボチャージャ20は、排気の流勢によりタービンホイール22aを駆動することで、ディーゼル機関10の吸気を過給する。なお、タービン22におけるタービンホイール22aへの排気吹付口には、ノズル開度の変更に応じて同排気吹付口の開口面積を変化させる可変ノズル23が設けられている。これにより、可変ノズル23のノズル開度を調整することで、タービンホイール22aに吹き付けられる排気の流勢、ひいては過給後の吸気の圧力、すなわち過給圧を調整できるようになっている。
ディーゼル機関10は、電子制御装置100により制御される。電子制御装置100には、ディーゼル機関10の各部に設けられた各種のセンサの検出信号が入力されている。これら各種のセンサには、吸気圧センサ101、吸気温センサ102、エアフロメータ103、クランクポジションセンサ104、水温センサ105、燃料圧センサ106、カムポジションセンサ107、車速センサ108、アクセルポジションセンサ109、燃料レベルゲージ110が含まれる。
吸気圧センサ101は、吸気通路12におけるスロットルボディ14よりも下流側の部分における吸気の圧力であるインマニ圧Pimを検出する。吸気温センサ102は、吸気通路12におけるインタークーラ40よりも下流側の部分における吸気の温度であるインマニ温Thimを検出する。エアフロメータ103は、吸気通路12におけるコンプレッサ21よりも上流側における吸気の温度である外気温及び吸入空気量GAを検出する。
クランクポジションセンサ104は、ディーゼル機関10の出力軸であるクランクシャフトの回転角であるクランク角を検出する。そして、電子制御装置100はクランクポジションセンサ104によって検出されたクランク角からクランクシャフトの回転速度である機関回転速度NEを算出する。
水温センサ105は、シリンダブロック11内に形成されているウォータジャケット内を流れる機関冷却水の温度Thwを検出する。燃料圧センサ106は、コモンレール31内の燃料の圧力を検出する。カムポジションセンサ107は、ディーゼル機関10のカムシャフトの回転角であるカム角を検出する。車速センサ108は、ディーゼル機関10が搭載されている車両の速度である車速SPDを検出する。アクセルポジションセンサ109は、アクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPを検出する。燃料レベルゲージ110は、燃料タンクに貯留されている燃料の残量を検出する。
電子制御装置100は各種センサの出力信号を取り込むとともにそれら出力信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に応じてインジェクタ30の制御を通じた燃料噴射制御などのディーゼル機関10の運転にかかる各種制御を実行する。
例えば、電子制御装置100は、アクセル操作量ACCPや機関回転速度NE、燃料のセタン価などに基づいて、燃料噴射量Qについての制御目標値である目標燃料噴射量を算出する。そして、噴射時期や燃料噴射時間についての制御目標値を算出する。各インジェクタ30は、これらの制御目標値に応じたかたちで開弁駆動される。これにより、そのときどきのディーゼル機関10の運転状態に見合う量の燃料が、各インジェクタ30から噴射されて、ディーゼル機関10の各シリンダ16内に供給される。
また、電子制御装置100は、こうしたインジェクタ30の制御とあわせてスロットルボディ14や可変ノズル23の制御を行う。
なお、電子制御装置100は、こうした制御の傍ら、燃料のセタン価を推定する制御も行う。すなわち電子制御装置100は、燃料のセタン価を推定する機能を有しており、セタン価推定装置を兼ねている。
なお、セタン価の推定は次のように行われる。電子制御装置100は、フューエルカット中に、機関回転速度NEが予め設定した機関回転速度になったときに、判定用噴射として予め定められた所定量(例えば、数立方ミリメートル)の燃料を噴射する。そして、電子制御装置100は、その判定用噴射の実行に伴う機関回転速度NEの変動量の指標値である回転変動量ΣΔNEを算出する。電子制御装置100は、算出した回転変動量ΣΔNEと判定用噴射を行ったときの機関回転速度NEである「瞬時NE」とに基づいて判定用噴射による発生トルクの指標値であるトルク相当量を算出する。
そして、電子制御装置100は、算出したトルク相当量に基づいて演算マップを参照し、燃料のセタン価を推定する。なお、判定用噴射を行う機関回転速度は、いくつもの水準に分けて複数設定されており、トルク相当量からセタン価を算出する演算マップは、設定されている機関回転速度毎に用意され、電子制御装置100に記憶されている。
ところで、判定用噴射における燃料の噴射量が等しくても燃料を噴射してからシリンダ16内で燃焼が始まるまでの着火遅れの影響によって燃焼が始まる時期が変化すると、トルクの発生態様が変化する。その結果、判定用噴射における燃料の噴射量が等しくても回転変動量ΣΔNEに違いが生じてしまう。
そこで、着火遅れが、燃焼が生じる直前のシリンダ16内の温度である筒内温度と、シリンダ16内に吸入される空気の酸素密度とに相関することに着目し、電子制御装置100では、筒内温度と酸素密度とに基づいて、着火の時期が揃うように判定用噴射における燃料の噴射時期を設定するようにしている。
以下、電子制御装置100が燃料のセタン価を推定するために行う一連の処理について図2を参照しながら説明する。なお、図2に示されている一連の処理は、機関運転中に電子制御装置100によって実行される。
図2に示されているように、この一連の処理を開始すると、電子制御装置100はステップS100において、実行条件が成立しているか否かを判定する。ここでは、以下の[条件イ]〜[条件ニ]の全てが満たされることをもって実行条件が成立していると判定される。
[条件イ]アクセルペダルの操作解除による燃料噴射の停止、いわゆる燃料カットが実行されていること。
[条件ロ]燃料タンクへの燃料補給が行われたと判定された後に、燃料のセタン価の推定が完了していないこと。なお、燃料タンクへの燃料補給が行われたことは、燃料レベルゲージ110により検出される燃料の残量が所定量以上増加したことをもって判定される。
[条件ハ]燃料タンクへの燃料補給が行われたと判定された後に燃料タンクから新たに供給された燃料によって、燃料タンクと各インジェクタ30とを繋ぐ燃料経路内の燃料が置換されていること。なお、この[条件ハ]が満たされているか否かの判定は燃料補給が行われた後の各インジェクタ30からの燃料の噴射量の積算値に基づいて行われる。すなわち、燃料の噴射量の積算値が所定量に達し、燃料補給が行われる前から燃料経路内に残存していた燃料が全て消費されたと推定できる状態になったときに、[条件ハ]が満たされていると判定する。
[条件ニ]機関回転速度NEが判定用噴射を行う機関回転速度になったこと。
ステップS100において、実行条件が成立していると判定した場合(ステップS100:YES)には、電子制御装置100は、処理をステップS110へと進める。そして、電子制御装置100は、ステップS110において、燃焼が生じる直前のシリンダ16内の温度である筒内温度を取得する処理を実行する。
ステップS110では、電子制御装置100は、まず、次に圧縮行程をむかえるシリンダ16における断熱圧縮時の筒内圧力を算出する。具体的には、下記の式(1)に示されているように、ディーゼル機関10の圧縮比をγ乗にした値と、吸気下死点におけるインマニ圧Pimとの積を算出する。そして、この値を断熱圧縮時の筒内圧力とする。なお「γ」は空気の比熱比である。
そして、電子制御装置100は、下記の式(2)に示されているように、断熱圧縮時の筒内圧力と上死点におけるシリンダ16内のガスの体積との積を、シリンダ内ガス質量Gcylと気体定数との積で割った商を算出する。そして、この値を断熱圧縮時の筒内温度とする。なお、ここではインマニ温Thimとインマニ圧Pimから算出できる吸気ガス質量を、シリンダ内ガス質量Gcylとみなして断熱圧縮時の筒内温度を算出する。
断熱圧縮時の筒内温度を算出すると、電子制御装置100は、下記の式(3)に示されているように、断熱圧縮時の筒内温度からシリンダ16の壁温を引いた差と係数αとの積を、断熱圧縮時の筒内温度から引いた差を算出する。そして、この値を筒内温度とする。なお、ここでは、水温センサ105によって検出されている機関冷却水の温度Thwをシリンダ16の壁温とみなして筒内温度を算出する。
また、係数αは、下記の式(4)で表される変数である。下記の式(4)における調整係数a及び偏回帰係数b、c、d、e、f及びgは実験を通じて得られるデータに基づき、上記の式(3)における筒内温度を目的変数とし、インマニ圧Pim、インマニ温Thim、シリンダ内ガス質量Gcyl、燃料噴射量Q、機関回転速度NE及び酸素濃度Doxを説明変数とする重回帰分析を通じて決定されている。なお、ここでは一般的な空気における酸素濃度の値を吸気の酸素濃度Doxとみなし、吸気ガス質量をシリンダ内ガス質量Gcylとみなしている。
こうしてステップS110を通じて筒内温度を取得すると、電子制御装置100は、次に、処理をステップS120へと進める。そして、電子制御装置100は、ステップS120において、シリンダ16内に吸入する空気の酸素密度を取得する処理を実行する。ステップS120では、電子制御装置100は、下記の式(5)に示されているように、シリンダ内ガス質量Gcylと酸素濃度Doxの積を、上死点におけるシリンダ16内のガスの体積で割った商を算出する。そして、この値を酸素密度とする。なお、ここでも一般的な空気における酸素濃度の値を吸気の酸素濃度Doxとみなし、吸気ガス質量をシリンダ内ガス質量Gcylとみなしている。
こうしてステップS110及びステップS120を通じて、筒内温度及び酸素密度を取得すると、電子制御装置100は、処理をステップS130へと進める。そして、取得した筒内温度及び酸素密度に基づいてセタン価を推定するために実行する判定用噴射における燃料の噴射時期を設定する。電子制御装置100は、筒内温度と酸素密度とを入力とし、噴射時期を出力とする演算マップを参照して噴射時期を設定する。なお、噴射時期は圧縮上死点を基準にしたクランク角で示される値である。
ここで、筒内温度及び酸素密度を所定の値に合わせた基準状態における噴射時期を基準噴射時期とし、基準状態において基準噴射時期に判定用噴射における燃料噴射を実行した場合の着火時期を基準着火時期とする。電子制御装置100に記憶されている演算マップは、着火時期を基準着火時期に揃えるための噴射時期が出力されるように、実験の結果などに基づいて作成されている。すなわち、演算マップは、筒内温度や酸素密度が基準状態からずれていることにより、基準状態における判定用噴射よりも着火遅れが大きくなるときには、基準噴射時期よりも進角側の噴射時期を出力する。一方で、演算マップは、基準状態における判定用噴射よりも着火遅れが小さくなるときには、基準噴射時期よりも遅角側の噴射時期を出力する。
こうしてステップS130を通じて噴射時期を設定すると、電子制御装置100は、処理をステップS140へと進める。そして、電子制御装置100は、ステップS140において、ステップS130を通じて設定された噴射時期においてインジェクタ30を開弁させ、判定用噴射を実行する。
次に、電子制御装置100はステップS150に処理を進める。電子制御装置100は、ステップS150において、判定用噴射の実行に伴う機関回転速度NEの変動量の指標値である回転変動量ΣΔNEを算出する。回転変動量ΣΔNEは一定時間毎の機関回転速度NEの変化量の差を積算した値である。電子制御装置100は一定の周期で機関回転速度NEを算出し続けている。ステップS150では、電子制御装置100は機関回転速度NEを算出する度に一定時間毎の機関回転速度NEの変化量を算出し、今回算出した変化量から前回算出した変化量を引いた差ΔNEを算出している。そして、この差ΔNEを積算している。すなわち、この差ΔNEの積算値が回転変動量ΣΔNEである。
機関回転速度NEの変化量が一定であれば、差ΔNEは「0」である。一方で判定用噴射によってトルクが発生し、機関回転速度NEが増大したり、機関回転速度NEの低下速度が小さくなると、差ΔNEの値が変化する。具体的にはトルクが発生すると、差ΔNEは「0」よりも大きくなる。そして、発生したトルクが大きいほど差ΔNEは大きくなり、回転変動量ΣΔNEも大きくなる。
ステップS150では、電子制御装置100は、機関回転速度NEの履歴に基づいて、判定用噴射の実行に伴い差ΔNEが正の値になってから、「0」に収束するまでの回転変動量ΣΔNEを算出する。
こうして回転変動量ΣΔNEを算出すると、電子制御装置100は処理をステップS160へと進める。そして、ステップS160において、電子制御装置100は、ステップS150を通じて算出した回転変動量ΣΔNEと判定用噴射を実行したときの機関回転速度NEである「瞬時NE」とに基づいてトルク相当量を算出する。具体的には、回転変動量ΣΔNEと「瞬時NE」との積を算出し、算出した積をトルク相当量とする。
次に、電子制御装置100は処理をステップS170へと進める。そして、ステップS170において、電子制御装置100は、ステップS160を通じて算出したトルク相当量に基づいて演算マップを参照し、セタン価を推定する。
そして、このようにしてセタン価を算出した後、電子制御装置100はこの一連の処理を一旦終了する。
なお、ステップS100において、実行条件が成立していないと判定した場合(ステップS100:NO)には、電子制御装置100は、ステップS110〜ステップS170の処理を行わずに、そのまま、この一連の処理を一旦終了する。
本実施形態の作用について説明する。
筒内温度と酸素密度とに基づいて着火遅れの大きさを予測できることに着目し、電子制御装置100では、筒内温度と酸素密度とに基づいて判定用噴射の噴射時期を設定している。
具体的には、筒内温度が高いほど、着火遅れは小さくなるため、噴射時期は遅角側に設定される。また、酸素密度が高いほど、着火遅れは小さくなるため、噴射時期は遅角側に設定される。これにより、着火遅れの大きさを加味して、着火の時期が揃うように判定用噴射の噴射時期を設定することができる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)着火遅れの大きさを加味して、着火の時期が揃うように判定用噴射の噴射時期を設定することにより、着火遅れの影響による回転変動量ΣΔNEのばらつきを抑制することができる。したがって、着火遅れの影響を加味してセタン価を推定することができるようになる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・4つのシリンダ16を備えた4気筒のディーゼル機関10を制御する電子制御装置100としてセタン価推定装置を具体化した例を示したが、4気筒以外のディーゼル機関にセタン価推定装置を適用することもできる。また、ディーゼル機関を制御する電子制御装置がセタン価推定装置を兼ねる構成を例示したが、ディーゼル機関の運転にかかる制御を司る制御装置とは別に、セタン価を推定するためのセタン価推定装置を設けるようにしてもよい。
・インマニ温Thimとインマニ圧Pimから吸気ガス質量を算出し、シリンダ内ガス質量Gcylとみなして演算に使用する例を示したが、吸気ガス質量をセンサで直接検出するようにしたり、シリンダ内ガス質量Gcylを他の方法で算出するようにしたりしてもよい。
・水温センサ105によって検出されている機関冷却水の温度Thwをシリンダ16の壁温とみなして演算に使用する例を示したが、シリンダ16の壁温を他の方法で推定するようにしてもよい。また、シリンダ16に温度センサを設け、シリンダ16の壁温を直接検出するようにしてもよい。
・一般的な空気における酸素濃度の値を吸気の酸素濃度Doxとみなして演算に用いる例を示したが、吸気通路12内に排気を再循環させる排気再循環を行う場合には、吸気通路12内に再循環される排気の影響を加味して酸素濃度Doxを算出するようにすればよい。その場合には、例えば、再循環される排気に含まれる酸素の量を燃焼に供される吸気に含まれる酸素の量と燃料噴射量とから算出し、酸素濃度Doxの算出に反映させるようにすればよい。
・インマニ温Thimを吸入空気量GAや外気温、機関冷却水の温度Thwなどに基づいて推定するようにしてもよい。
10…ディーゼル機関、11…シリンダブロック、12…吸気通路、13…エアクリーナ、14…スロットルボディ、15…インテークマニホールド、16…シリンダ、17…排気通路、18…エキゾーストマニホールド、19…排気浄化装置、20…ターボチャージャ、21…コンプレッサ、21a…コンプレッサホイール、22…タービン、22a…タービンホイール、23…可変ノズル、30…インジェクタ、31…コモンレール、32…サプライポンプ、33…燃料チューブ、34…燃料パイプ、40…インタークーラ、100…電子制御装置、101…吸気圧センサ、102…吸気温センサ、103…エアフロメータ、104…クランクポジションセンサ、105…水温センサ、106…燃料圧センサ、107…カムポジションセンサ、108…車速センサ、109…アクセルポジションセンサ、110…燃料レベルゲージ。

Claims (1)

  1. ディーゼル機関を制御して所定量の燃料を噴射する判定用噴射を実行し、燃料のセタン価を推定するセタン価推定装置であり、
    筒内温度と酸素密度とに基づいて着火の時期が揃うように前記判定用噴射の噴射時期を設定する処理と、
    前記判定用噴射の実行に伴う機関回転速度の変動量の指標値である回転変動量及び前記判定用噴射を行ったときの機関回転速度に基づいて前記判定用噴射による発生トルクの指標値であるトルク相当量を算出する処理と、
    算出したトルク相当量に基づいて燃料のセタン価を推定する処理と、
    を実行するセタン価推定装置。
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