しかしながら、特許文献1に記載の走行支援情報提示方法では、緊急性の低い情報が運転者に報知されない虞があるが、緊急性の低い情報であっても、運転者に報知するべき情報が存在する。また、運転者にとって分かり難くならない範囲で、可能な限り多くの運転支援情報を運転者に提示して欲しいという要求もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、適正な警報情報を出力することの可能な警報出力制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有している。本発明の第1の局面は、車両に搭載され、少なくとも1つの運転支援装置からの運転者に対する警報情報の出力を制御する警報出力制御装置であって、前記運転支援装置から前記警報情報の出力要求を受け付ける要求受付手段と、前記要求受付手段によって出力要求が受け付けられた場合に、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報を出力することが、運転者にとって有用であるか否かを判定する有用性判定手段と、前記有用性判定手段によって有用ではないと判定された場合に、前記第1警報情報の内容を改変し、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報を生成する内容改変手段と、前記有用性判定手段によって有用であると判定された場合に、前記第1警報情報を出力すると共に、前記有用性判定手段によって有用ではないと判定された場合に、前記第2警報情報を出力する出力実行手段と、を備える。
本発明の第2の局面は、上記第1の局面において、前記有用性判定手段が、運転者による運転操作の内容に基づいて、有用であるか否かを判定する。
本発明の第3の局面は、上記第2の局面において、前記有用性判定手段が、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、前記運転者による運転操作と相反する場合に、有用ではないと判定する。
本発明の第4の局面は、上記第3の局面において、前記有用性判定手段が、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合に、有用ではないと判定する。
本発明の第5の局面は、上記第2の局面において、前記運転操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含む。
本発明の第6の局面は、上記第1の局面において、前記有用性判定手段が、出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かを判定する。
本発明の第7の局面は、上記第6の局面において、前記有用性判定手段が、前記第3警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第3要求操作に基づいて、有用であるか否かを判定する。
本発明の第8の局面は、上記第7の局面において、前記有用性判定手段が、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、前記第3要求操作と相反する場合に、有用ではないと判定する。
本発明の第9の局面は、上記第8の局面において、前記有用性判定手段が、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合に、有用ではないと判定する。
本発明の第10の局面は、上記第7の局面において、前記第3要求操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含む。
本発明の第11の局面は、上記第1の局面、上記第2の局面、及び、上記第6の局面のいずれかにおいて、前記内容改変手段は、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作を出力しない内容に改変することによって、前記第2警報情報を生成する。
本発明の第12の局面は、上記第11の局面において、前記内容改変手段が、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作を、運転者に対して運転状態を告知する情報に改変することによって、前記第2警報情報を生成する。
本発明の第13の局面は、上記第11の局面において、前記第1要求操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含む。
本発明の第14の局面は、上記第1の局面、上記第2の局面、及び、上記第6の局面のいずれかにおいて、前記内容改変手段が、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作の内容を、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変し、前記第2警報情報を生成する。
本発明の第15の局面は、上記第14の局面において、前記第1要求操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含む。
本発明の第16の局面は、上記第1の局面、上記第2の局面、及び、上記第6の局面のいずれかにおいて、前記出力実行手段が、音声情報、文字情報、及び、画像情報の少なくとも1つを介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する。
本発明の第17の局面は、上記第1の局面、上記第2の局面、及び、上記第6の局面のいずれかにおいて、前記出力実行手段が、運転者の操作する操作手段及び運転者の少なくとも一方に対する振動の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する。
本発明の第18の局面は、上記第17の局面において、前記運転者の操作する操作手段が、ステアリングホイールを含む。
本発明の第19の局面は、上記第1の局面、上記第2の局面、及び、上記第6の局面のいずれかにおいて、前記出力実行手段が、運転者の操作する操作手段への力の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する。
本発明の第20の局面は、上記第19の局面において、前記運転者の操作する操作手段が、ステアリングホイールを含む。
本発明の第21の局面は、上記第1の局面において、前記運転支援装置が、走行車線からの逸脱を防止する運転支援装置、先行車両との車間距離を確保する運転支援装置、予め設定された上限車速の超過を防止する警報出力制御装置、前方の物体との衝突を防止する運転支援装置、車線変更時の後側方車両との接近を防止する運転支援装置、路面の勾配の変化に伴う車速の低下を防止する運転支援装置、一時停止標識の認知ミスに伴う危険性を低減する運転支援装置、前方の道路のカーブ曲率に応じた減速を促す運転支援装置、及び、赤信号の認知ミスに伴う危険性を低減する運転支援装置、の内、少なくとも1つの運転支援装置を含む。
上記第1の局面によれば、少なくとも1つの運転支援装置から警報情報の出力要求が受け付けられる。また、出力要求が受け付けられた場合に、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報を出力することが、運転者にとって有用であるか否かが判定される。更に、有用ではないと判定された場合に、前記第1警報情報の内容が改変され、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報が生成される。加えて、有用であると判定された場合に、前記第1警報情報が出力されると共に、有用ではないと判定された場合に、前記第2警報情報が出力される。従って、適正な警報情報を出力することができる。
すなわち、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報が運転者にとって有用ではないと判定された場合に、該第1警報情報の内容が改変され、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報が生成されて、この第2警報情報が出力されるため、運転者にとって有用ではない警報情報が出力されることが無いので、適正な警報情報を出力することができるのである。
具体的には、例えば、運転者が前方の車両を追い越すために、右方向に操舵している場合に、走行車線からの逸脱を防止する運転支援装置によって、車線の右方向への逸脱を防止するために、左方向への操舵を促すべく左方向への操舵トルクが付与されることは、運転者にとって有用な警報とは言えない。従って、このような場合には、運転者にとって有用ではないと判定され、警報の内容が改変され、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報(例えば、左方向への操舵トルクの付与が禁止された警報情報)が生成されて、この第2警報情報が出力されるため、適正な警報情報を出力することができるのである。
上記第2の局面によれば、運転者による運転操作の内容に基づいて、有用であるか否かが判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報が、運転者が意図的に行っている運転操作を妨げるものであって、且つ、該第1警報情報を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
具体的には、例えば、運転者が前方の車両を追い越すために、右方向に操舵している場合に、走行車線からの逸脱を防止する運転支援装置によって、車線の右方向への逸脱を防止するために、左方向への操舵を促すべく左方向への操舵トルクが付与されることは、運転者にとって有用な警報とは言えない。従って、このような場合には、運転者による運転操作の内容(=右方向への操舵)に基づいて、前記第1警報情報が運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
上記第3の局面によれば、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、前記運転者による運転操作と相反する場合に、有用ではないと判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを更に適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、運転者が意図的に行っている運転操作と相反するものであって、且つ、該第1要求操作の内容を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1要求操作を含む第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
具体的には、例えば、運転者が前方の車両を追い越すために、右方向に操舵している場合に、走行車線からの逸脱を防止する運転支援装置によって、車線の右方向への逸脱を防止するために、左方向への操舵(=第1要求操作)を促すべく左方向への操舵トルクが付与されることは、運転者にとって有用な警報とは言えない。従って、このような場合には、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作(ここでは、左方向への操舵)が、前記運転者による運転操作(=右方向への操舵)と相反するため、前記第1警報情報が運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
上記第4の局面によれば、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合に、有用ではないと判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを更に適正に判定することができる。
すなわち、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合には、前記第1要求操作が、前記運転者による運転操作と相反するため、前記第1警報情報が運転者にとって有用ではないと適正に判定することができるのである。
具体的には、例えば、右方向への操舵と左方向への操舵とは、相反する操作である。この場合、前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類は、前記車両の進行方向が変更されることである。また、例えば、アクセルペダルの踏み込み(=加速操作)と、ブレーキペダルの踏み込み(=減速操作)とは、相反する操作である。この場合、前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類は、前記車両の速度が変更されることである。
上記第5の局面によれば、前記運転操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含むため、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができる。
すなわち、前記第1警報情報が重要な警報である場合には、前記第1警報情報に、運転者に対して、操舵操作又は加減速操作を促す情報が含まれていることが多い。そこで、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができるのである。
上記第6の局面によれば、出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かが判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報が、出力中の他の警報情報である第3警報情報と相反する操作を運転者に要求するものであって、且つ、該第1警報情報を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
具体的には、例えば、前方の物体との衝突を回避する運転支援装置によって、左方向に操舵している場合に、車線変更時の後側方車両との接近を防止する運転支援装置によって、左側車線を走行している後方車両との接近を防止するために、右方向への操舵を促すべく右方向への操舵トルクが付与されることは、運転者にとって有用な警報とは言えない。従って、このような場合には、出力中の他の警報情報である第3警報情報(=左方向への操舵を促す情報)に基づいて、前記第1警報情報(=右方向への操舵を促す情報)が運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
上記第7の局面によれば、前記第3警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第3要求操作に基づいて、有用であるか否かが判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを更に適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報が、出力中の他の警報情報である第3警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第3要求操作と相反する操作を運転者に要求するものであって、且つ、該第1警報情報を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
具体的には、例えば、前方の物体との衝突を回避する運転支援装置によって、左方向に操舵(=第3要求操作に相当する)している場合に、車線変更時の後側方車両との接近を防止する運転支援装置によって、左側車線を走行している後方車両との接近を防止するために、右方向への操舵を促すべく右方向への操舵トルクが付与されることは、運転者にとって有用な警報とは言えない。従って、このような場合には、出力中の他の警報情報である第3要求操作(=左方向への操舵を促す情報)に基づいて、前記第1警報情報(=右方向への操舵を促す情報)が運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
上記第8の局面によれば、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、前記第3要求操作と相反する場合に、有用ではないと判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを更に適正に判定することができる。
すなわち、前記第1要求操作が、既に出力中の前記第3要求操作と相反する操作を運転者に要求するものである場合には、前記第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
具体的には、例えば、前方の物体との衝突を回避する運転支援装置によって、左方向に操舵(=第3要求操作に相当する)している場合に、車線変更時の後側方車両との接近を防止する運転支援装置によって、左側車線を走行している後方車両との接近を防止するために、右方向への操舵(=第1要求操作に相当する)を促すべく右方向への操舵トルクが付与されることは、運転者にとって有用な警報とは言えない。従って、このような場合には、出力中の他の警報情報である第3要求操作(=左方向への操舵を促す情報)に基づいて、前記第1警報情報(=右方向への操舵を促す情報)が運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
上記第9の局面によれば、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合に、有用ではないと判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを更に適正に判定することができる。
すなわち、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合には、前記第1要求操作が、前記第3要求操作と相反するため、前記第1警報情報が運転者にとって有用ではないと適正に判定することができるのである。
具体的には、例えば、右方向への操舵と左方向への操舵とは、相反する操作である。この場合、前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類は、前記車両の進行方向が変更されることである。また、例えば、アクセルペダルの踏み込み(=加速操作)と、ブレーキペダルの踏み込み(=減速操作)とは、相反する操作である。この場合、前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類は、前記車両の速度が変更されることである。
上記第10の局面によれば、前記第3要求操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含むため、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができる。
すなわち、前記第1警報情報が重要な警報である場合には、前記第1警報情報に、運転者に対して、操舵操作又は加減速操作を促す情報が含まれていることが多い。そこで、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができるのである。
上記第11の局面によれば、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作を出力しない内容に改変することによって、前記第2警報情報が生成される。従って、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
すなわち、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、運転者による運転操作、既に出力中の警報に含まれる要求操作等と相反する場合に、前記第1警報情報が有用ではないと判定される。そこで、第1要求操作を出力しない内容に改変することによって、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成されるのである。
上記第12の局面によれば、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作を、運転者に対して運転状態を告知する情報に改変することによって、前記第2警報情報が生成される。従って、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
すなわち、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、運転者による運転操作、既に出力中の警報に含まれる要求操作等と相反する場合に、前記第1警報情報が有用ではないと判定される。そこで、第1要求操作を、運転者に対して運転状態を告知する情報に改変することによって、前記第1警報情報に対して更に適正な改変が施されて、前記第2警報情報として更に適正な警報情報が生成されるのである。
つまり、第1要求操作が、運転者に対して運転状態を告知する情報に改変されることによって、第1要求操作が、運転者による運転操作、既に出力中の警報に含まれる要求操作等と相反することがなくなる。また、第1要求操作が、運転者に対して運転状態を告知する情報に改変されて出力されるため、第1要求操作に含まれ、運転者にとって有用な情報が出力されることになるので、前記第2警報情報として更に適正な警報情報が生成されるのである。
上記第13の局面によれば、前記第1要求操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含むため、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
すなわち、前記第1警報情報が重要な警報である場合には、前記第1警報情報に、運転者に対して、操舵操作又は加減速操作を促す情報が含まれていることが多い。そこで、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成されるのである。
上記第14の局面によれば、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作の内容を、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変し、前記第2警報情報が生成される。従って、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
すなわち、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、運転者による運転操作、既に出力中の警報に含まれる要求操作等と相反する場合に、前記第1警報情報が有用ではないと判定される。そこで、第1要求操作の内容を、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変することによって、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成されるのである。
つまり、第1要求操作の内容が、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変されることによって、第1要求操作が、運転者による運転操作、既に出力中の警報に含まれる要求操作等と相反することがなくなる。また、第1要求操作の内容が、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変されて出力されるため、第1要求操作に含まれ、運転者にとって有用な情報が出力されることになるので、前記第2警報情報として更に適正な警報情報が生成されるのである。
上記第15の局面によれば、前記第1要求操作が、操舵操作及び加減速操作の少なくとも一方を含むため、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
すなわち、前記第1警報情報が重要な警報である場合には、前記第1警報情報に、運転者に対して、操舵操作又は加減速操作を促す情報が含まれていることが多い。そこで、前記第1警報情報が重要な警報である場合に、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成されるのである。
上記第16の局面によれば、音声情報、文字情報、及び、画像情報の少なくとも1つを介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報が出力される。従って、前記第1警報情報及び前記第2警報情報として、効果的に警報情報を出力することができる。
上記第17の局面によれば、運転者の操作する操作手段及び運転者の少なくとも一方に対する振動の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報が出力される。従って、前記第1警報情報及び前記第2警報情報として、効果的に警報情報を出力することができる。
上記第18の局面によれば、前記運転者の操作する操作手段が、ステアリングホイールを含むため、ステアリングホイールの振動の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報が出力される。従って、前記第1警報情報及び前記第2警報情報として、更に効果的に警報情報を出力することができる。
上記第19の局面によれば、運転者の操作する操作手段への力の付与を介して、前記第1警報情報および前記第2警報情報が出力される。従って、前記第1警報情報及び前記第2警報情報として、効果的に警報情報を出力することができる。
上記第20の局面によれば、前記運転者の操作する操作手段が、ステアリングホイールを含むため、ステアリングホイールへの力の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報が出力される。従って、前記第1警報情報及び前記第2警報情報として、更に効果的に警報情報を出力することができる。
上記第21の局面によれば、前記運転支援装置が、走行車線からの逸脱を防止する運転支援装置、先行車両との車間距離を確保する運転支援装置、予め設定された上限車速の超過を防止する警報出力制御装置、前方の物体との衝突を防止する運転支援装置、車線変更時の後側方車両との接近を防止する運転支援装置、路面の勾配の変化に伴う車速の低下を防止する運転支援装置、一時停止標識の認知ミスに伴う危険性を低減する運転支援装置、前方の道路のカーブ曲率に応じた減速を促す運転支援装置、及び、赤信号の認知ミスに伴う危険性を低減する運転支援装置、の内、少なくとも1つの運転支援装置を含む。従って、適正な警報情報を出力することができる。
すなわち、重要な警報を出力する運転支援装置から警報情報が受け付けられるため、適正な警報情報を出力することができるのである。
以下、図面を参照して本発明に係る警報出力制御装置の実施形態について説明する。本発明に係る警報出力制御装置は、車両に搭載され、少なくとも1つの運転支援装置からの運転者に対する警報情報の出力を制御する装置である。まず、図1を用いて、車両に搭載された警報出力制御装置の構成の一例について説明する。
図1は、本発明に係る警報出力制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る出力調整ECU(Electronic Control Unit)1(=警報出力制御装置に相当する)は、周辺機器としての入力機器2、入力センサ3及び出力機器4と通信可能に接続されている。
まず、図1を参照して、出力調整ECU1の入力機器2について説明する。入力機器2(運転支援装置に相当する)は、運転者の運転操作を支援する運転支援ECUであって、車線逸脱回避支援ECU21、先行車追従支援ECU22、車速制御支援ECU23、衝突回避支援ECU24、死角確認支援ECU25、勾配路速度制御支援ECU26、一時停止支援ECU27、カーブ路減速支援ECU28、及び、赤信号停止支援ECU29を備えている。
車線逸脱回避支援ECU21は、警報情報として、「走行車線からの逸脱を防止するための情報」を出力するECUである。具体的には、車線逸脱回避支援ECU21は、白線検出カメラ等によって検出された車線の両端に描かれた白線の位置情報を用いて、自車が前記車線を逸脱する可能性を判定する。また、車線逸脱回避支援ECU21は、自車が前記車線を逸脱する可能性が高まった場合に、運転者に対して車線の逸脱を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、操舵操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。ここで、「要求操作」とは、警報情報に含まれ、運転者に対して実行することが促される操作である。
具体的には、例えば、車線逸脱回避支援ECU21は、自車が前記車線を逸脱する可能性が高まった場合に、操舵トルク制御ECU44を介して前記車線の逸脱を回避する方向に操舵トルクを付与する旨の指示情報、ディスプレイ41を介して逸脱する方向を示す画像(図6参照)を表示する旨の指示情報、シートバイブレータ43を介して運転者に対して逸脱する方向の振動を付与する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、前記車線の逸脱を回避する方向に操舵トルクを付与すること、逸脱する方向を示す画像を表示すること、及び、運転者に対して逸脱する方向の振動を付与することは、運転者に対して車線の逸脱を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、操舵操作)を含む警報である。
先行車追従支援ECU22は、警報情報として、「先行車両との車間距離を確保するための情報」を出力するECUである。具体的には、先行車追従支援ECU22は、ミリ波レーダ装置等によって検出された先行車両との距離、相対速度等の情報を用いて、前記先行車両との車間距離を、予め設定された目標距離と一致させるべく加減速制御を行う。また、先行車追従支援ECU22は、前記先行車両との車間距離が、予め設定された最短距離以下となった場合に、運転者に対して車間距離を維持する操作を促す旨の要求操作(ここでは、加減速操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
車速制御支援ECU23は、警報情報として、「予め設定された上限車速の超過を防止するための情報」を出力するECUである。具体的には、車速制御支援ECU23は、予め設定された目標速度に、車速を維持するべくエンジン制御による加減速制御を行う。また、車速制御支援ECU23は、下り坂等において、エンジン制御では前記目標速度の上限値の超過が避けられない場合に、運転者に対して前記目標速度の上限値の超過を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、加減速操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
具体的には、例えば、車速制御支援ECU23は、エンジン制御では前記目標速度の上限値の超過が避けられない場合に、ディスプレイ41を介して前記目標速度の上限値を超過することを示す画像(図15参照)を表示する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、前記目標速度の上限値を超過することを示す画像を表示することは、運転者に対して前記目標速度の上限値の超過を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、減速操作)を含む警報である。
衝突回避支援ECU24は、警報情報として、「前方の物体との衝突を防止するための情報」を出力するECUである。具体的には、衝突回避支援ECU24は、ミリ波レーダ装置等によって検出された前方の車両等の物体との距離、相対速度等の情報を用いて、自車が前記物体と衝突する可能性を判定する。また、車線逸脱回避支援ECU21は、前記物体と衝突する可能性が高まった場合に、運転者に対して衝突を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、加減速操作及び操舵操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
具体的には、例えば、衝突回避支援ECU24は、自車が前記物体と衝突する可能性が高まった場合に、操舵トルク制御ECU44を介して衝突を回避する方向に操舵トルクを付与する旨の指示情報、ディスプレイ41を介して衝突を回避する方向を示す画像を表示する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、前記衝突を回避する方向に操舵トルクを付与すること、及び、前記衝突を回避する方向を示す画像を表示することは、運転者に対して衝突を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、操舵操作)を含む警報である。
死角確認支援ECU25は、警報情報として、「車線変更時の後側方車両との接近を防止するための情報」を出力するECUである。具体的には、死角確認支援ECU25は、ミリ波レーダ装置、カメラ等によって検出された後側方(又は、側方)の車両との距離等の情報を用いて、車線変更を行う際に、併走する車両と衝突する可能性を判定する。また、死角確認支援ECU25は、併走する車両と衝突する可能性が高まった場合に、運転者に対して衝突を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、操舵操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
具体的には、例えば、死角確認支援ECU25は、併走する車両と衝突する可能性が高まった場合に、操舵トルク制御ECU44を介して衝突を回避する方向に操舵トルク(図11参照)を付与する旨の指示情報、ディスプレイ41を介して衝突を回避する方向を示す画像(図12参照)を表示する旨の指示情報、操舵トルク制御ECU44を介してステアリングホイールに対して振動(図11参照)を付与する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、衝突を回避する方向を示す振動を付与すること、及び、衝突を回避する方向を示す画像を表示することは、運転者に対して衝突を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、操舵操作)を含む警報である。
勾配路速度制御支援ECU26は、警報情報として、「路面の勾配等に起因した意に反する減速を防止するための情報」を出力するECUである。具体的には、勾配路速度制御支援ECU26は、スロットル開度センサ等を介して運転者による減速操作の有無を検出すると共に、及び、車速センサ等によって検出された車速を用いて、運転者の意に反する減速が発生しているか否かを判定する。そして、勾配路速度制御支援ECU26は、運転者の意に反する減速が発生している場合に、運転者に対して運転者の意に反する減速を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、加速操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
具体的には、例えば、勾配路速度制御支援ECU26は、運転者の意に反する減速が発生している場合に、ディスプレイ41を介して速度の低下に注意を促す旨の画像(図15参照)を表示する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して速度の維持を促す音声(例えば、「速度を保って走行して下さい」等)を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、速度の維持を促す音声を出力することは、運転者に対して意に反する減速を回避する操作を促す旨の要求操作(ここでは、速度維持操作)を含む警報である。
一時停止支援ECU27は、警報情報として、「交差点等での一時停止標識の認知ミスを防止するための情報」を出力するECUである。具体的には、一時停止支援ECU27は、地図情報として一時停止標識のある場所の位置情報を予め記憶しており、ナビゲーション情報及び車速センサ等によって検出された車速を用いて、一時停止標識のある場所に減速せずに接近している場合に、一時停止標識の認知ミスが発生していると判定する。また、一時停止支援ECU27は、一時停止標識の認知ミスが発生していると判定した場合に、一時停止を促す旨の要求操作(ここでは、減速操作、停止操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
具体的には、例えば、一時停止支援ECU27は、一時停止標識の認知ミスが発生していると判定した場合に、ディスプレイ41を介して一時停止標識を示す画像を表示する旨の指示情報、シートバイブレータ43を介して運転者に対して振動を付与する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、一時停止標識を示す画像を表示することは、運転者に対して一時停止を促す旨の要求操作(ここでは、減速操作、停止操作)を含む警報である。
カーブ路減速支援ECU28は、警報情報として、「カーブ路の曲率に対して適正な走行速度に減速するための情報」を出力するECUである。具体的には、カーブ路減速支援ECU28は、ナビゲーション情報から前方のカーブ路の曲率を取得し、車速センサ等によって検出された車速が適正であるか否かを判定する。そして、カーブ路減速支援ECU28は、車速が適正ではないと判定した場合に、カーブ路に適した速度で進入することを促す旨の要求操作(ここでは、減速操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
具体的には、例えば、カーブ路減速支援ECU28は、車速が適正ではない場合に、ディスプレイ41を介してカーブ路に適した速度で進入することを促す画像(例えば、「前方にR50mのカーブ路があります。30km/時まで減速して下さい!」との文字を含む画像)を表示する旨の指示情報、シートバイブレータ43を介して運転者に対して振動を付与する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、カーブ路に適した速度で進入することを促す画像を表示することは、運転者に対して減速を促す旨の要求操作(ここでは、減速操作)を含む警報である。
赤信号停止支援ECU29は、警報情報として、「交差点等での赤信号の認知ミスを防止するための情報」を出力するECUである。具体的には、赤信号停止支援ECU29は、路車間通信等によって、前方の信号機の状態(色の変更タイミング等)を取得し、車速センサ等によって検出された車速を用いて、信号機が赤信号である場所に減速せずに接近している場合に、赤信号の認知ミスが発生していると判定する。また、赤信号停止支援ECU29は、赤信号の認知ミスが発生していると判定した場合に、停止を促す旨の要求操作(ここでは、減速操作、停止操作)を含む警報等を、出力調整ECU1(ここでは、要求受付部11:図2、図7参照)に対して出力する。
具体的には、例えば、赤信号停止支援ECU29は、赤信号の認知ミスが発生していると判定した場合に、ディスプレイ41を介して赤信号を示す画像を表示する旨の指示情報、シートバイブレータ43を介して運転者に対して振動を付与する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力する。
ここで、赤信号を示す画像を表示することは、運転者に対して車両の停止を促す旨の要求操作(ここでは、減速操作、停止操作)を含む警報である。
このようにして、車線逸脱回避支援ECU21、先行車追従支援ECU22、車速制御支援ECU23、衝突回避支援ECU24、死角確認支援ECU25、勾配路速度制御支援ECU26、一時停止支援ECU27、カーブ路減速支援ECU28、及び、赤信号停止支援ECU29から、出力調整ECU1(要求受付部11)に対して、警報情報が出力されるため、出力調整ECU1(要求受付部11)には、適正な警報情報が受け付けられる。
本実施形態では、入力機器2が、車線逸脱回避支援ECU21、先行車追従支援ECU22、車速制御支援ECU23、衝突回避支援ECU24、死角確認支援ECU25、勾配路速度制御支援ECU26、一時停止支援ECU27、カーブ路減速支援ECU28、及び、赤信号停止支援ECU29を備える場合について説明するが、入力機器2が、車線逸脱回避支援ECU21、先行車追従支援ECU22、車速制御支援ECU23、衝突回避支援ECU24、死角確認支援ECU25、勾配路速度制御支援ECU26、一時停止支援ECU27、カーブ路減速支援ECU28、及び、赤信号停止支援ECU29の内、少なくとも1つのECUを備える形態であれば良い。ただし、入力機器2が、運転支援情報を出力するECUを多く含む程、出力調整ECU1の効果は増大する。
また、本実施形態では、車線逸脱回避支援ECU21等のECUから出力調整ECU1へ警報情報が入力される場合について説明するが、その他の機器、システム等から出力調整ECU1へ警報情報が入力される形態でも良い。例えば、ナビゲーションシステムから出力調整ECU1へ警報情報が入力される形態でも良い。
次に、図1を参照して、出力調整ECU1の入力センサ3について説明する。入力センサ3(有用性判定手段の一部に相当する)は、運転者の操作を検出するセンサ(=操作検出センサ)であって、操舵操作検出センサ31、アクセル操作検出センサ32、及び、ブレーキ操作検出センサ33を備えている。
操舵操作検出センサ31は、ステアリングセンサ等からなり、操舵角を検出するセンサであって、検出された操舵角情報を出力調整ECU1(図2に示す有用性判定部12)へ出力する。
アクセル操作検出センサ32は、スロットル開度センサ等からなり、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサであって、検出された踏み込み量情報を出力調整ECU1(図2に示す有用性判定部12)へ出力する。
ブレーキ操作検出センサ33は、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するセンサであって、検出された踏み込み量情報を出力調整ECU1(図2に示す有用性判定部12)へ出力する。
次に、図1を参照して、出力調整ECU1の出力機器4について説明する。出力機器4(出力実行手段の一部に相当する)は、ディスプレイ41、スピーカ42、シートバイブレータ43、及び、操舵トルク制御ECU44を備えている。
ディスプレイ41は、運転席の前方に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、出力調整ECU1(ここでは、出力実行部14:図2、図7参照)からの指示に従って、運転者から視認可能に画像、文字等を表示するものである。
スピーカ42は、運転席の側方に配設され、出力調整ECU1(ここでは、出力実行部14:図2、図7参照)からの指示に従って、運転者に対して、ガイダンス等の音声を出力するものである。
シートバイブレータ43は、運転席のシート下部の左右両側に配設され、出力調整ECU1(ここでは、出力実行部14:図2、図7参照)からの指示に従って、運転者に対して、右側、左側又は左右両側の振動を付与するものである。
操舵トルク制御ECU44は、ステアリングホイールに付与する操舵トルクを制御するECUであって、出力調整ECU1(ここでは、出力実行部14:図2、図7参照)からの指示に従って、ステアリングホイールに操舵トルクを付与するものである。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係る出力調整ECUの機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、出力調整ECU1は、機能的に、要求受付部11、有用性判定部12、内容改変部13、及び、出力実行部14を備えている。
なお、出力調整ECU1は、出力調整ECU1の適所に配設されたマイクロコンピュータに、出力調整ECU1の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、要求受付部11、有用性判定部12、内容改変部13、出力実行部14等の機能部として機能させる。
要求受付部11(要求受付手段に相当する)は、入力機器(=運転支援ECU)2から運転者に対する警報情報の出力要求を受け付ける機能部である。具体的には、図1に示す車線逸脱回避支援ECU21、先行車追従支援ECU22、車速制御支援ECU23、衝突回避支援ECU24、死角確認支援ECU25、勾配路速度制御支援ECU26、一時停止支援ECU27、カーブ路減速支援ECU28、及び、赤信号停止支援ECU29から、それぞれ、走行車線からの逸脱を防止する警報、先行車両との車間距離を確保する警報、予め設定された上限車速の超過を防止する警報、前方の物体との衝突を防止する警報、車線変更時の後側方車両との接近を防止する警報、路面の勾配の変化に伴う車速の低下を防止する警報、一時停止標識の認知ミスに伴う危険性を低減する警報、前方の道路のカーブ曲率に応じた減速を促す警報、及び、赤信号の認知ミスに伴う危険性を低減する警報を受け付ける。
有用性判定部12(有用性判定手段の一部に相当する)は、要求受付部11によって出力要求が受け付けられた場合に、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報を出力することが、運転者にとって有用であるか否かを判定する機能部である。具体的には、有用性判定部12は、図1に示す入力センサ(=操作検出センサ)3を介して、運転者による運転操作を検出すると共に、検出された運転操作の内容に基づいて、有用であるか否かを判定する。
更に具体的には、有用性判定部12は、要求受付部11によって出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、運転者による運転操作と相反する場合に、有用ではないと判定する。ここでは、例えば、有用性判定部12は、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記運転操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合に、有用ではないと判定する。
図4は、第1実施形態に係る出力調整ECUによる警報情報の出力調整が行われる状況の一例を示す説明図である。図4の上側の図は、状況を説明するための平面図であり、図4の下側の図はタイミングチャートである。図4の上側の図に示すように、本発明に係る出力調整ECU1が搭載された車両VC1が、白線LAが両側に描かれた車線を図の右側に向けて走行している。車両VC1の前方には、車両VC1が走行している車線と同一の車線内を先行車両VC2が図の右側に向けて走行している。
そして、先行車両VC2との衝突を回避するために、車両VC1が地点P1に到達する時間T11から、運転者によって左方向へ操舵されて、有用性判定部12によって、図1に示す操舵操作検出センサ31を介して、左方向への操舵を示す検出情報が検出されている。この状況において、車両VC1が地点P2に到達する時間T12から、要求受付部11によって、車線逸脱回避支援ECU21からの、車線からの逸脱を回避するために、右方向へ操舵する旨の要求操作を含む警報情報が受け付けられている。
すなわち、運転者によって左方向へ操舵されている状態で、この運転者の操作と相反する要求操作(=右方向への操舵:第1要求操作)を含む警報情報(=第1警報情報)が受け付けられているため、有用性判定部12によって、有用ではないと判定される。
つまり、第1要求操作(=右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類は、車両VC1の走行方向の変更であって、運転操作(=左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類と同一である。また、第1要求操作(=右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向は、右方向であって、運転操作(=左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(=左方向)と逆方向である。従って、有用性判定部12によって、第1要求操作を含む第1警報情報が有用ではないと判定されるのである。
このようにして、有用性判定部12によって、運転者による運転操作の内容に基づいて、有用であるか否かが判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報が、運転者が意図的に行っている運転操作を妨げるものであって、且つ、該第1警報情報を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
第1実施形態では、有用性判定部12が、運転者による運転操作の内容に基づいて、有用であるか否かを判定する場合について説明するが、有用性判定部12が、運転者による運転操作の内容に換えて(又は、加えて)、他の情報に基づいて、有用であるか否かを判定する形態でも良い。例えば、有用性判定部12が、運転者による運転操作の内容、及び、出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かを判定する形態でも良い。この場合には、有用であるか否かを更に適切に判定することができる。
また、有用性判定部12によって、要求受付部11によって受け付けられた警報情報である第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作(ここでは、右方向への操舵)が、運転者による運転操作(ここでは、左方向への操舵)と相反する場合に、有用ではないと判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを更に適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作(ここでは、右方向への操舵)が、運転者が意図的に行っている運転操作(ここでは、左方向への操舵)と相反するものであって、且つ、該第1要求操作の内容を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1要求操作を含む第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
第1実施形態では、有用性判定部12が、前記第1要求操作が、運転者による運転操作と相反する場合に、有用ではないと判定する場合について説明するが、有用性判定部12が、運転者による運転操作に基づいて、有用であるか否かを判定する判定する形態であれば良い。例えば、有用性判定部12が、前記第1要求操作が、運転者による運転操作と相反する場合に換えて(又は、加えて)、運転者による運転操作と同一の操作である場合にも、有用ではないと判定する形態でも良い。すなわち、前記第1要求操作が、運転者による運転操作と同一の操作である場合には、運転者は既に前記第1要求操作と同一の操作を行っているため、有用ではないと判定するのである。
更に、図4を用いて説明したように、前記第1要求操作(ここでは、右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記運転操作(ここでは、左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類と同一(ここでは、車両VC1の走行方向の変更)であって、且つ、前記第1要求操作の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(ここでは、右方向)が、前記運転操作の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(ここでは、左方向)と逆方向である場合には、有用性判定部12によって、前記第1要求操作が前記運転者による運転操作と相反すると適正に判定される。従って、有用性判定部12によって、前記第1警報情報が運転者にとって有用ではないと適正に判定することができる。
再び、図2に戻って、出力調整ECU1の機能構成について説明する。内容改変部13(内容改変手段に相当する)は、有用性判定部12によって有用ではないと判定された場合に、前記第1警報情報の内容を改変し、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報を生成する機能部である。
具体的には、内容改変部13は、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作を出力しない内容に改変することによって、前記第2警報情報を生成する。例えば、図1を用いて説明したように、車線逸脱回避支援ECU21からは、要求操作として、車線の逸脱を回避する方向に操舵トルクを付与する旨の指示情報が出力される。そこで、図4の時点T12においては、車線逸脱回避支援ECU21から、右方向への操舵トルクを付与する旨の指示情報が出力される。
また、図4を用いて説明したように、時点T12においては、運転者が意図的に(=先行車両VC2との衝突を回避するために)左方向に操舵しているため、車線逸脱回避支援ECU21からの指示に基づいて、右方向への操舵トルクが付与されることは運転者にとって有用なことではない。従って、内容改変部13によって、右方向への操舵トルクを付与するという第1要求操作は、出力しないように改変される。
このようにして、内容改変部13によって、前記第1警報情報に含まれる第1要求操作(ここでは、右方向への操舵トルクの付与)を出力しない内容に、前記第1警報情報が改変されるため、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
第1実施形態では、内容改変部13が、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作を出力しない内容に改変することによって、前記第2警報情報を生成する場合について説明するが、内容改変部13が、その他の方法で、前記第1警報情報を改変して、前記第2警報情報を生成する形態でも良い。例えば、内容改変部13が、第1要求操作を運転者に対して運転状態を告知する情報に改変する形態でも良い。図4に示す状況では、例えば、内容改変部13が、第1要求操作である「右方向への操舵トルクの付与」に換えて、「車線を逸脱しようとしています」との運転状態を告知する音声情報に改変する形態でも良い。
更に、内容改変部13は、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作の内容を、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変し、前記第2警報情報を生成する。例えば、図1を用いて説明したように、車線逸脱回避支援ECU21からは、要求操作として、ディスプレイ41を介して逸脱する方向を示す画像(図6参照)を表示する旨の指示情報、及び、シートバイブレータ43を介して運転者に対して逸脱する方向の振動を付与する旨の指示情報が出力される。そこで、図4の時点T12においては、車線逸脱回避支援ECU21から、ディスプレイ41を介して左方向に車線を逸脱することを示す画像(図6の下側図参照)を表示する旨の指示情報、及び、シートバイブレータ43を介して運転者に対して逸脱する方向である左方向の振動を付与する旨の指示情報が出力される。
また、図4を用いて説明したように、時点T12においては、運転者が意図的に(=先行車両VC2との衝突を回避するために)左方向に操舵しているため、車線逸脱回避支援ECU21からの指示に基づいて、ディスプレイ41を介して左方向に車線を逸脱することを示す画像(図6の下側図参照)を表示されること、及び、シートバイブレータ43を介して運転者に対して逸脱する方向である左方向の振動が付与されることは、運転者にとって有用なことではない。
従って、内容改変部13によって、左方向に車線を逸脱することを示す画像(図6の下側図参照)を表示することが、単に車線を逸脱することを示す画像(図6の上側図参照)を表示することに改変され、この内容を含む第2警報情報が生成される。また、内容改変部13によって、逸脱する方向である左方向の振動を付与することに換えて、単に車線を逸脱することを示す両側の振動を付与することに改変され、この内容を含む第2警報情報が生成される。
このようにして、内容改変部13によって、前記第1警報情報に含まれる第1要求操作の内容が、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変されるため、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
第1実施形態では、内容改変部13が、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作の内容を、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変する場合について説明するが、内容改変部13が、その他の方法で、前記第1警報情報を改変して、前記第2警報情報を生成する形態でも良い。例えば、内容改変部13が、第1要求操作を出力しない情報に改変する形態でも良い。図4に示す状況では、例えば、内容改変部13が、第1要求操作である「左方向に車線を逸脱することを示す画像(図6の下側図参照)の表示」、及び、「逸脱する方向である左方向の振動の付与」を出力しない情報に改変する形態でも良い。
出力実行部14(出力実行手段の一部に相当する)は、出力機器4を介して、前記第1警報情報又は第2警報情報を出力する機能部である。すなわち、出力実行部14は、有用性判定部12によって有用であると判定された場合には、要求受付部11によって、出力要求が受け付けられた第1警報情報を出力する。また、出力実行部14は、有用性判定部12によって有用ではないと判定された場合に、内容改変部13によって生成された第2警報情報を出力する。
図3は、第1実施形態に係る出力調整ECU1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、要求受付部11によって、運転支援ECU2を介して第1警報情報が受け付けられたか否かの判定が行われる(S101)。第1警報情報が受け付けられていないと判定された場合(S101でNO)には、処理が待機状態とされる。第1警報情報が受け付けられたと判定された場合(S101でYES)には、有用性判定部12によって、入力センサ(=操作検出センサ)3を介して、運転者による運転操作が検出される(S103)。
そして、有用性判定部12によって、ステップS101で受け付けられた第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、ステップS103で検出された運転操作と相反するか否かの判定が行われる(S105)。相反しないと判定された場合(S105でNO)には、出力実行部14によって、ステップS101で受け付けられた第1警報情報が出力され(S107)、処理が終了される。相反すると判定された場合(S105でYES)には、内容改変部13によって、ステップS101で受け付けられた第1警報情報に含まれる第1要求操作を含まない内容等に改変され、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報が生成される(S109)。そして、出力実行部14によって、ステップS109で生成された第2警報情報が出力され(S111)、処理が終了される。
図5は、図4に示す状況における出力調整ECU1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図4では、運転者によって左方向に操舵され、車線逸脱回避支援ECU21によって、左側の白線を逸脱する可能性が高まったと判定される場合について説明したが、図5では、便宜上、運転者によって操舵操作が行われており、車線逸脱回避支援ECU21によって、白線を逸脱する可能性が高まったと判定された場合について説明する。
まず、要求受付部11によって、車線逸脱回避支援ECU21から白線を逸脱する旨の警報である逸脱警報が受け付けられたか否かの判定が行われる(S201)。逸脱警報が受け付けられていないと判定された場合(S201でNO)には、処理が待機状態とされる。逸脱警報が受け付けられたと判定された場合(S201でYES)には、有用性判定部12によって、操舵操作検出センサ31を介して、運転者によって行われている操舵操作が検出される(S203)。そして、有用性判定部12によって、ステップS205において受け付けられた逸脱警報が、左側の白線を逸脱する旨の逸脱警報であるか否かの判定が行われる(S205)。
左側の白線を逸脱する旨の逸脱警報ではないと判定された場合(S205でNO)には、処理がステップS207に進められる。左側の白線を逸脱する旨の逸脱警報であると判定された場合(S205でYES)には、有用性判定部12によって、ステップS203で検出された検出結果に基づいて、左方向に操舵中であるか否かの判定が行われる(S219)。左方向に操舵中であると判定された場合(S219でYES)には、処理がステップS221に進められる。左方向に操舵中ではないと判定された場合(S219でNO)には、処理がステップS229に進められる。
ステップS205でNOの場合には、有用性判定部12によって、ステップS205において受け付けられた逸脱警報が、右側の白線を逸脱する旨の逸脱警報であるか否かの判定が行われる(S207)。右側の白線を逸脱する旨の逸脱警報ではないと判定された場合(S207でNO)には、処理が終了される。右側の白線を逸脱する旨の逸脱警報であると判定された場合(S207でYES)には、有用性判定部12によって、ステップS203で検出された検出結果に基づいて、右方向に操舵中であるか否かの判定が行われる(S209)。右方向に操舵中であると判定された場合(S209でYES)には、処理がステップS221に進められる。右方向に操舵中ではないと判定された場合(S209でNO)には、処理がステップS211に進められる。
ステップS209でNOの場合には、ステップS211〜ステップS217において、出力実行部14によって、ステップS201で受け付けられた第1警報情報が出力される。まず、出力実行部14によって、操舵トルク制御ECU44を介して、ステアリングホイールに左方向への操舵トルクが付与される(S211)。そして、出力実行部14によって、スピーカ42を介して、ブザー音が出力される(S213)。次いで、出力実行部14によって、ディスプレイ41を介して、右側の白線を逸脱することを示す画像(図6の中段の画像:右側の白線を点滅させる画像)が表示される(S215)。そして、出力実行部14によって、シートバイブレータ43を介して、右側の白線を逸脱することを示す振動(=右側のバイブレータの振動)が運転者に付与され(S217)、処理が終了される。
ステップS219でNOの場合には、ステップS229〜ステップS235において、出力実行部14によって、ステップS201で受け付けられた第1警報情報が出力される。まず、出力実行部14によって、操舵トルク制御ECU44を介して、ステアリングホイールに右方向への操舵トルクが付与される(S229)。そして、出力実行部14によって、スピーカ42を介して、ブザー音が出力される(S231)。次いで、出力実行部14によって、ディスプレイ41を介して、左側の白線を逸脱することを示す画像(図6の下側の画像:左側の白線を点滅させる画像)が表示される(S233)。そして、出力実行部14によって、シートバイブレータ43を介して、左側の白線を逸脱することを示す振動(=左側のバイブレータの振動)が運転者に付与され(S235)、処理が終了される。
ステップS209でYES、又は、ステップS219でYESの場合には、内容改変部13によって、ステップS201で受け付けられた第1警報情報が改変されて、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報が生成される(S221)。そして、ステップS223〜ステップS227において、出力実行部14によって、ステップS221において生成された第2警報情報が出力される。まず、出力実行部14によって、スピーカ42を介して、ブザー音が出力される(S223)。次いで、出力実行部14によって、ディスプレイ41を介して、白線を逸脱することを示す画像(図6の上側の画像:両側の白線を点滅させる画像)が表示される(S225)。そして、出力実行部14によって、シートバイブレータ43を介して、白線を逸脱することを示す振動(=両側のバイブレータの振動)が運転者に付与され(S227)、処理が終了される。
図6は、図5に示すフローチャートのステップS215等でディスプレイ41に表示される車線逸脱警報画面の一例を示す画面図である。図6に示す3つの車線逸脱警報画面500、510、520は、出力実行部14によって、それぞれ、図5に示すフローチャートのステップS225、S215、S233において表示されるものである。車線逸脱警報画面500は、点滅表示される両側の白線画像501、502を含み、白線を逸脱することを示す画像である。車線逸脱警報画面510は、点灯表示される左側の白線画像511、及び、点滅表示される右側の白線画像512を含み、右側の白線を逸脱することを示す画像である。車線逸脱警報画面520は、点滅表示される左側の白線画像521、及び、点灯表示される右側の白線画像522を含み、左側の白線を逸脱することを示す画像である。すなわち、車線逸脱警報画面500、510、520は、点滅表示される白線の側に逸脱することを示す画面である。
このようにして、要求受付部11によって受け付けられた第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、運転者による運転操作と相反する場合に、有用性判定部12によって、前記第1警報情報が有用ではないと判定される。そして、内容改変部13によって、第1要求操作が方向性を示さない内容等に改変されることによって、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成され、出力されるため、適正な警報情報を出力することができる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係る出力調整ECUの機能構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、出力調整ECU1Aは、機能的に、要求受付部11、有用性判定部12A、内容改変部13A、及び、出力実行部14を備えている。
なお、出力調整ECU1Aは、出力調整ECU1Aの適所に配設されたマイクロコンピュータに、出力調整ECU1Aの適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、要求受付部11、有用性判定部12A、内容改変部13A、出力実行部14等の機能部として機能させる。
要求受付部11(要求受付手段に相当する)、及び、出力実行部14(出力実行に相当する)は、図2に示す第1実施形態に係る出力調整ECU1の要求受付部11及び出力実行部14と同様の処理を行う機能部であるため、ここでは、その説明を省略する。
有用性判定部12A(有用性判定手段の一部に相当する)は、要求受付部11によって出力要求が受け付けられた場合に、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報を出力することが、運転者にとって有用であるか否かを判定する機能部である。具体的には、有用性判定部12Aは、入力機器(運転支援ECU)2から出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かを判定する。
更に具体的には、有用性判定部12Aは、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、前記第3警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第3要求操作と相反する場合に、有用ではないと判定する。すなわち、有用性判定部12Aは、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の種類と同一であって、且つ、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向が、前記第3要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向と逆方向である場合に、有用ではないと判定する。
図9は、第2実施形態に係る出力調整ECU1Aによる警報情報の出力調整が行われる状況の第1例を示す説明図である。図9の上側の図は、状況を説明するための平面図であり、図9の下側の図はタイミングチャートである。図9の上側の図に示すように、出力調整ECU1が搭載された車両VC1が、白線LAが両側に描かれた車線を図の右側に向けて走行している。車両VC1の前方には、車両VC1が走行している車線と同一の車線内を先行車両VC2が図の右側に向けて走行している。また、車両VC1が走行している車線の左側(図の上側)には、別の車線があり、この車線内において、車両VC1の左後方を併走車両VC3が、図の右側に向けて走行している。
そして、衝突回避支援ECU24によって、先行車両VC2との衝突を回避するために、車両VC1が地点P3に到達する時間T21から、左方向へ操舵する旨の要求操作を含む警報情報が出力されている。また、死角確認支援ECU25から、併走車両VC3との衝突を回避するために、車両VC1が地点P4に到達する時間T22から、右方向へ操舵する旨の要求操作を含む警報情報が出力され、要求受付部11によって、受け付けられている。
すなわち、衝突回避支援ECU24から左方向へ操舵する旨の要求操作(=第3要求操作)を含む警報情報(=第3警報情報)が出力されている状態で、出力中の要求操作(=第3要求操作)と相反する要求操作(=右方向への操舵:第1要求操作)を含む警報情報(=第1警報情報)が受け付けられているため、有用性判定部12Aによって、有用ではないと判定される。
つまり、第1要求操作(=右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類は、車両VC1の走行方向の変更であって、第3要求操作(=左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類と同一である。また、第1要求操作(=右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向は、右方向であって、第3要求操作(=左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(=左方向)と逆方向である。従って、有用性判定部12Aによって、第1要求操作を含む第1警報情報が有用ではないと判定されるのである。
このようにして、有用性判定部12Aによって、入力機器(運転支援ECU)2から出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かが判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報が、出力中の他の警報情報である第3警報情報と相反する操作を運転者に要求するものであって、且つ、該第1警報情報を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
第2実施形態では、有用性判定部12Aが、出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かを判定する場合について説明するが、有用性判定部12Aが、出力中の他の警報情報である第3警報情報に換えて(又は、加えて)、他の情報に基づいて、有用であるか否かを判定する形態でも良い。例えば、有用性判定部12Aが、運転者による運転操作の内容、及び、出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かを判定する形態でも良い。この場合には、有用であるか否かを更に適切に判定することができる。
また、有用性判定部12Aによって、要求受付部11によって受け付けられた警報情報である第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作(ここでは、右方向への操舵)が、入力機器(運転支援ECU)2から出力中の他の警報情報である第3警報情報に含まれる第3要求操作(ここでは、左方向への操舵)と相反する場合に、有用ではないと判定される。従って、前記第1警報情報が運転者にとって有用であるか否かを更に適正に判定することができる。
すなわち、例えば、出力要求が受け付けられた警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作(ここでは、右方向への操舵)が、出力中の他の警報情報である第3警報情報に含まれる第3要求操作(ここでは、左方向への操舵)と相反するものであって、且つ、該第1要求操作の内容を出力しないことで安全性が低下することが無い場合には、該第1要求操作を含む第1警報情報は運転者にとって有用ではないと適正に判定されるのである。
第2実施形態では、有用性判定部12Aが、前記第1要求操作が、前記第3要求操作と相反する場合に、有用ではないと判定する場合について説明するが、有用性判定部12Aが、出力中の他の警報情報である第3警報情報に基づいて、有用であるか否かを判定する判定する形態であれば良い。例えば、有用性判定部12Aが、前記第1要求操作が、前記第3警報情報に含まれる第3要求操作と相反する場合に換えて(又は、加えて)、前記第3警報情報に含まれる第3要求操作と同一の操作である場合にも、有用ではないと判定する形態でも良い。すなわち、前記第1要求操作が、前記第3警報情報に含まれる第3要求操作と同一の操作である場合には、運転者は既に前記第1要求操作と同一の操作を要求されているため、有用ではないと判定するのである。
更に、図4を用いて説明したように、前記第1要求操作(ここでは、右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類が、前記第3要求操作(ここでは、左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類と同一(ここでは、車両VC1の走行方向の変更)であって、且つ、前記第1要求操作の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(ここでは、右方向)が、前記第3要求操作の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(ここでは、左方向)と逆方向である場合には、有用性判定部12Aによって、前記第1要求操作が前記運転者による運転操作と相反すると適正に判定される。従って、有用性判定部12Aによって、前記第1警報情報が運転者にとって有用ではないと適正に判定することができる。
再び、図7に戻って、出力調整ECU1Aの機能構成について説明する。内容改変部13A(内容改変手段に相当する)は、有用性判定部12Aによって有用ではないと判定された場合に、前記第1警報情報の内容を改変し、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報を生成する機能部である。
具体的には、内容改変部13Aは、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作の内容を、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変し、前記第2警報情報を生成する。例えば、図1を用いて説明したように、死角確認支援ECU25からは、要求操作として、衝突を回避する方向を示す振動を付与する。そこで、図9の時点T22においては、死角確認支援ECU25から、右方向への操舵を促す振動(図11の上側のグラフ参照)を付与する旨の指示情報が出力される。
また、図9を用いて説明したように、時点T22においては、先行車両VC2との衝突を回避するために衝突回避支援ECU24から左方向への操舵が要求されているため、死角確認支援ECU25からの指示に基づいて、右方向への操舵を促す振動が付与されることは運転者にとって有用なことではない。従って、内容改変部13Aによって、右方向への操舵を促す振動を付与するという第1要求操作は、方向を示さない振動(図11の中段のグラフ参照)に改変される。
更に、例えば、図1を用いて説明したように、死角確認支援ECU25からは、要求操作として、ディスプレイ41を介して後方車両との衝突を回避する方向を示す画像(図12参照)を表示する旨の指示情報が出力される。そこで、図9の時点T22においては、死角確認支援ECU25から、ディスプレイ41を介して後方車両との衝突を回避する方向が右方向であることを示す画像(図12の上側図参照)を表示する旨の指示情報が出力される。
また、図9を用いて説明したように、時点T22においては、先行車両VC2との衝突を回避するために衝突回避支援ECU24から左方向への操舵が要求されているため、死角確認支援ECU25から指示に基づいて、ディスプレイ41を介して、後方車両との衝突を回避する方向が右方向であることを示す画像(図12の上側図参照)を表示することは、運転者にとって有用なことではない。
従って、内容改変部13Aによって、後方車両との衝突を回避する方向が右方向であることを示す画像(図12の上側図参照)を表示することが、単に後方車両の存在を示す画像(図12の中段の図参照)を表示することに改変され、この内容を含む第2警報情報が生成される。
このようにして、内容改変部13Aによって、前記第1警報情報に含まれる第1要求操作(ここでは、右方向への操舵を促す振動の付与、及び、衝突を回避する方向が右方向であることを示す画像の表示)が、方向を含まない内容に改変されるため、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成される。
第2実施形態では、内容改変部13Aが、前記第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作を、前記第1要求操作の前記車両の走行状態に及ぼす影響の方向を含まない内容に改変することによって、前記第2警報情報を生成する場合について説明するが、内容改変部13Aが、その他の方法で、前記第1警報情報を改変して、前記第2警報情報を生成する形態でも良い。例えば、内容改変部13Aが、第1要求操作を運転者に対して運転状態を告知する情報に改変する形態でも良い。図9に示す状況では、例えば、内容改変部13Aが、第1要求操作である「右方向への操舵を促す振動の付与」に換えて、「左側の後方を走行している車両があります」との運転状態を告知する音声情報に改変する形態でも良い。
図8は、第2実施形態に係る出力調整ECU1Aの動作の一例を示すフローチャートである。まず、要求受付部11によって、運転支援ECU2を介して第1警報情報が受け付けられたか否かの判定が行われる(S301)。第1警報情報が受け付けられていないと判定された場合(S301でNO)には、処理が待機状態とされる。第1警報情報が受け付けられたと判定された場合(S301でYES)には、有用性判定部12Aによって、出力中の他の警報情報である第3警報情報があるか否かの判定が行われる(S303)。第3警報情報が無いと判定された場合(S303でNO)には、処理がステップS311に進められる。
第3警報情報があると判定された場合(S303でYES)には、有用性判定部12Aによって、ステップS301で受け付けられた第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が抽出される(S305)。そして、有用性判定部12Aによって、ステップS303で出力中であると判定された第3警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第3要求操作が抽出される(S307)。次いで、有用性判定部12Aによって、ステップS305で抽出された第1要求操作が、ステップS307で抽出された第3要求操作と相反するか否かの判定が行われる(S309)。相反しないと判定された場合(S309でNO)、又は、ステップS303でNOの場合には、出力実行部14によって、ステップS301で受け付けられた第1警報情報が出力され(S311)、処理が終了される。相反すると判定された場合(S309でYES)には、内容改変部13Aによって、ステップS301で受け付けられた第1警報情報に含まれる第1要求操作を含まない内容等に改変され、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報が生成される(S313)。そして、出力実行部14によって、ステップS313で生成された第2警報情報が出力され(S315)、処理が終了される。
図10は、図9に示す状況における出力調整ECU1Aの動作の一例を示すフローチャートである。なお、図9では、衝突回避支援ECU24によって左方向の操舵が促されており、死角確認支援ECU25によって、右方向の操舵が促される場合について説明したが、図10では、便宜上、衝突回避支援ECU24によって右方向又は左方向への操舵操作が促されており、死角確認支援ECU25によって、右方向又は左方向への操舵操作が促される場合について説明する。
まず、要求受付部11によって、死角確認支援ECU25から車線変更時の後側方車両との接近を防止するための警報である死角警報が受け付けられたか否かの判定が行われる(S401)。死角警報が受け付けられていないと判定された場合(S401でNO)には、処理が待機状態とされる。死角警報が受け付けられたと判定された場合(S401でYES)には、有用性判定部12Aによって、ステップS401において受け付けられた死角警報が、右方向への操舵操作を促す死角警報であるか否かの判定が行われる(S403)。
右方向への操舵操作を促す死角警報ではないと判定された場合(S403でNO)には、処理がステップS405に進められる。右方向への操舵操作を促す死角警報であると判定された場合(S403でYES)には、有用性判定部12Aによって、衝突回避支援ECU24による衝突回避警報が出力中であるか否かの判定が行われる(S417)。衝突回避警報が出力中ではないと判定された場合(S417でNO)には、処理がステップS429へ進められる。衝突回避警報が出力中であると判定された場合(S417でYES)には、有用性判定部12Aによって、衝突回避警報が左方向への操舵操作を促す警報であるか否かの判定が行われる(S419)。左方向への操舵操作を促す警報ではないと判定された場合(S419でNO)には、処理がステップS429へ進められる。左方向への操舵操作を促す警報であると判定された場合(S419でYES)には、処理がステップS423へ進められる。
S403でNOの場合には、有用性判定部12Aによって、左方向への操舵操作を促す死角警報であるか否かの判定が行われる(S405)。左方向への操舵操作を促す死角警報ではないと判定された場合(S405でNO)には、処理が終了される。左方向への操舵操作を促す死角警報であると判定された場合(S405でYES)には、有用性判定部12Aによって、衝突回避支援ECU24による衝突回避警報が出力中であるか否かの判定が行われる(S407)。衝突回避警報が出力中ではないと判定された場合(S407でNO)には、処理がステップS411へ進められる。衝突回避警報が出力中であると判定された場合(S407でYES)には、有用性判定部12Aによって、衝突回避警報が右方向への操舵操作を促す警報であるか否かの判定が行われる(S409)。右方向への操舵操作を促す警報ではないと判定された場合(S409でNO)には、処理がステップS411へ進められる。右方向への操舵操作を促す警報であると判定された場合(S409でYES)には、処理がステップS411へ進められる。
ステップS407でNOの場合、又は、ステップS409でNOの場合には、ステップS411〜ステップS415において、出力実行部14によって、ステップS401で受け付けられた第1警報情報が出力される。まず、出力実行部14によって、スピーカ42を介して、ブザー音が出力される(S411)。次いで、出力実行部14によって、操舵トルク制御ECU44を介して、左方向への操舵を促す振動(図11の下側のグラフ参照)のがステアリングホイールに付与される(S413)。そして、出力実行部14によって、ディスプレイ41を介して、左方向への操舵を促す画像(図12の下側の画像)が表示され(S415)、処理が終了される。
ステップS417でNOの場合、又は、ステップS419でNOの場合には、ステップS429〜ステップS433において、出力実行部14によって、ステップS401で受け付けられた第1警報情報が出力される。まず、出力実行部14によって、スピーカ42を介して、ブザー音が出力される(S429)。次いで、出力実行部14によって、操舵トルク制御ECU44を介して、右方向への操舵を促す振動(図11の上側のグラフ参照)のがステアリングホイールに付与される(S431)。そして、出力実行部14によって、ディスプレイ41を介して、右方向への操舵を促す画像(図12の上側の画像)が表示され(S433)、処理が終了される。
ステップS409でYESの場合、又は、ステップS419でYESの場合には、内容改変部13Aによって、ステップS401で受け付けられた第1警報情報が改変されて、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報が生成される(S421)。そして、ステップS421〜ステップS427において、出力実行部14によって、ステップS421で生成された第2警報情報が出力される。まず、出力実行部14によって、スピーカ42を介して、ブザー音が出力される(S423)。次いで、出力実行部14によって、操舵トルク制御ECU44を介して、操舵の方向性を示さない振動(図11の中段のグラフ参照)がステアリングホイールに付与される(S425)。そして、出力実行部14によって、ディスプレイ41を介して、操舵の方向性を示さない画像(図12の中段の画像)が表示され(S427)、処理が終了される。
図11は、図10に示すフローチャートのステップS413等で付与される振動の一例を示すグラフである。図の縦軸は、ステアリングホイールに付与される操舵トルクであって、横軸は、時間Tである。ここでは、ステアリングホイールに付与される操舵トルクは、時計方向へ回転させる操舵トルク(=右方向への操舵を促す操舵トルク)を正方向としている。
図11に示す3つのグラフは、出力実行部14によって、それぞれ、図10に示すフローチャートのステップS431、S425、S413において、操舵トルク制御ECU44を介して、ステアリングホイールに付与される操舵トルクである。ステップS431でステアリングホイールに付与される操舵トルクは、上側のグラフに示すように、時計方向へ回転させる操舵トルク(=右方向への操舵を促す操舵トルク)ΔTRを中心として振動するトルクである。ステップS425でステアリングホイールに付与される操舵トルクは、中段のグラフに示すように、「0」を中心として振動する方向性を示さないトルクである。ステップS431でステアリングホイールに付与される操舵トルクは、下側のグラフに示すように、反時計方向へ回転させる操舵トルク(=左方向への操舵を促す操舵トルク)−ΔTRを中心として振動するトルクである。
図12は、図10に示すフローチャートのステップS415等で表示される死角警報画面の一例を示す画面図である。図12に示す3つの死角警報画面600、610、620は、出力実行部14によって、それぞれ、図10に示すフローチャートのステップS433、S427、S415において表示されるものである。死角警報画面600には、自車両VC1を示す自車両画像601、左側後方を走行する車両VC3を示す後方車両画像602、ステアリングホイールを示すホイール画像603、及び、操舵方向を示す矢印604が表示されている。死角警報画面600は、ホイール画像603及び矢印604によって、右方向への操舵を促す画像である。
死角警報画面610には、自車両VC1を示す自車両画像611、及び、左側後方を走行する車両VC3を示す後方車両画像612が表示されている。死角警報画面610には、死角警報画面600のように、ホイール画像603及び矢印604を含まないため、操舵方向を示さない画像(=単に、後方に車両がいることを示す画像)である。死角警報画面620には、自車両VC1を示す自車両画像621、右側後方を走行する車両を示す後方車両画像622、ステアリングホイールを示すホイール画像623、及び、操舵方向を示す矢印624が表示されている。死角警報画面620は、ホイール画像623及び矢印624によって、左方向への操舵を促す画像である。
このようにして、要求受付部11によって受け付けられた第1警報情報に含まれ、運転者に対して要求する操作である第1要求操作が、出力中の他の警報情報である第3警報情報に含まれる第3要求操作と相反する場合に、有用性判定部12Aによって、前記第1警報情報が有用ではないと判定される。そして、内容改変部13Aによって、第1要求操作が方向性を示さない内容等に改変されることによって、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成され、出力されるため、適正な警報情報を出力することができる。
図13は、第2実施形態に係る出力調整ECU1Aによる警報情報の出力調整が行われる状況の第2例を示す説明図である。図13の上側の図は、状況を説明するための平面図であり、図13の下側の図はタイミングチャートである。図13の上側の図に示すように、出力調整ECU1が搭載された車両VC1が、白線LAが両側に描かれた車線を図の右側に向けて走行している。車両VC1の前方には、車両VC1が走行している車線と同一の車線内を先行車両VC2が図の右側に向けて走行している。
そして、衝突回避支援ECU24によって、先行車両VC2との衝突を回避するために、車両VC1が地点P3に到達する時間T31から、左方向へ操舵する旨の要求操作を含む警報情報が出力されている。また、車線逸脱回避支援ECU21から、車線の逸脱を回避するために、車両VC1が地点P6に到達する時間T32から、右方向へ操舵する旨の要求操作を含む警報情報が出力され、要求受付部11によって、受け付けられている。
すなわち、衝突回避支援ECU24から左方向へ操舵する旨の要求操作(=第3要求操作)を含む警報情報(=第3警報情報)が出力されている状態で、出力中の要求操作(=第3要求操作)と相反する要求操作(=右方向への操舵:第1要求操作)を含む警報情報(=第1警報情報)が受け付けられているため、有用性判定部12Aによって、有用ではないと判定される。
つまり、第1要求操作(=右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類は、車両VC1の走行方向の変更であって、第3要求操作(=左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類と同一である。また、第1要求操作(=右方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向は、右方向であって、第3要求操作(=左方向への操舵)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(=左方向)と逆方向である。従って、有用性判定部12Aによって、第1要求操作を含む第1警報情報が有用ではないと判定されるのである。
また、内容改変部13Aによって、第1要求操作が方向性を示さない内容等に改変されることによって、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成され、出力される。ここでは、車線逸脱回避支援ECU21から出力される第1要求操作には、図1を用いて上述のように、車線の逸脱を回避する方向(ここでは、右方向)に操舵トルクを付与すること、逸脱する方向(ここでは、左方向)を示す画像(ここでは、図6の下側の図)を表示すること、及び、運転者に対して逸脱する方向(ここでは、左方向)の振動を付与することが含まれる。
従って、例えば、内容改変部13Aによって、車線の逸脱を回避する方向(ここでは、右方向)に操舵トルクを付与するとの第1要求操作が、その出力を禁止され、逸脱する方向(ここでは、左方向)を示す画像(ここでは、図6の下側の図)を表示するとの第1要求操作が、方向を示さない画像(ここでは、図6の上側の図)を表示すると改変され、逸脱する方向(ここでは、左方向)の振動を付与するとの第1要求操作が、方向を示さない振動を付与する改変されて、第2警報情報が生成される。
図14は、第2実施形態に係る出力調整ECU1Aによる警報情報の出力調整が行われる状況の第3例を示す説明図である。図14には、上側から順に、アクセル開度、路面の勾配、車速Vを示すグラフであって、下端の図はタイミングチャートである。図14に示すグラフ、タイミングチャートの横軸は、全て、時間Tである。なお、ここでは、図1に示す車速制御支援ECU23には、予め目標速度の上限値VMが設定されており、勾配路速度制御支援ECU26には、低下量閾値ΔVが設定されているものとする。
図14に示すように、時点T41において、運転者が追い越し等の目的で加速をするために、アクセルを踏み込んだため、車速Vが増加している。そして、時点T42において、速度Vが目標速度の上限値VMを超えたため、車速制御支援ECU23によって、上限車速の超過を防止するための警報情報が出力される。具体的には、図1を用いて上述のように、車速制御支援ECU23によって、ディスプレイ41を介して前記目標速度の上限値を超過することを示す画像(図15参照)を表示する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して運転者に注意を喚起するブザー音を出力する旨の指示情報が、出力される。
そして、時点T43において、路面の勾配が上り坂となったため、車速Vが低下し始めている。次に、時点T44において、速度Vの低下量が低下量閾値ΔVを超過したため、勾配路速度制御支援ECU26によって、路面の勾配等に起因した意に反する減速を防止するための警報情報の出力要求がされる。具体的には、図1を用いて上述のように、勾配路速度制御支援ECU26によって、ディスプレイ41を介して速度の低下に注意を促す旨の画像(図15参照)を表示する旨の指示情報、及び、スピーカ42を介して速度の維持を促す音声(例えば、「速度を保って走行して下さい」等)を出力する旨の指示情報を、出力調整ECU1に対して出力される。
すなわち、車速制御支援ECU23から減速する旨の要求操作(=第3要求操作)を含む警報情報(=第3警報情報)が出力されている状態で、出力中の要求操作(=第3要求操作)と相反する要求操作(=速度を維持:第1要求操作)を含む警報情報(=第1警報情報)が受け付けられているため、有用性判定部12Aによって、有用ではないと判定される。
つまり、第1要求操作(=速度を維持)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類は、車両VC1の走行速度の変更であって、第3要求操作(=減速)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の種類と同一である。また、第1要求操作(=速度を維持)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向は、維持であって、第3要求操作(=減速)の車両VC1の走行状態に及ぼす影響の方向(=減速)と相反する。従って、有用性判定部12Aによって、第1要求操作を含む第1警報情報が有用ではないと判定されるのである。
また、内容改変部13Aによって、第1要求操作が方向性を示さない内容等に改変されることによって、前記第1警報情報に対して適正な改変が施されて、前記第2警報情報として適正な警報情報が生成され、出力される。ここでは、勾配路速度制御支援ECU26から出力される第1要求操作には、図1を用いて上述のように、速度の維持を促す音声(例えば、「速度を保って走行して下さい」等)を出力することが含まれる。
従って、例えば、内容改変部13Aによって、速度の維持を促す音声(例えば、「速度を保って走行して下さい」等)を出力するとの第1要求操作が、方向を示さない音声情報(例えば、「速度に注意して下さい」等)に改変されて、第2警報情報が生成される。
図15は、図14に示す状況において表示される車速警報画面、車速低下警報画面の一例を示す画面図である。図15の上側に示す車速警報画面700には、目標速度の上限値を超過することを示す文字情報(ここでは、「SPEED LIMIT 100km/h」)を表示する車速警報表示部701が表示されている。また、図15の下側に示す車速低下警報画面710には、速度の低下に注意を促す文字情報(ここでは、「速度低下注意!」)を表示する速度低下警報表示部711表示されている。
このようにして、第1実施形態に係る出力調整ECU1、第2実施形態に係る出力調整ECU1Aによれば、出力要求が受け付けられた警報情報である第1警報情報が運転者にとって有用ではないと判定された場合に、該第1警報情報の内容が改変され、運転者にとって有用な警報情報である第2警報情報が生成されて、この第2警報情報が出力されるため、運転者にとって有用ではない警報情報が出力されることが無いので、適正な警報情報を出力することができる。
なお、本発明に係る警報出力制御装置は、上記第1実施形態、第2実施形態に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)第1実施形態においては、出力調整ECU1が、機能的に、要求受付部11、有用性判定部12、内容改変部13、出力実行部14等を備える場合について説明したが、要求受付部11、有用性判定部12、内容改変部13、及び、出力実行部14の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
同様に、第2実施形態においては、出力調整ECU1Aが、機能的に、要求受付部11、有用性判定部12A、内容改変部13A、出力実行部14等を備える場合について説明したが、要求受付部11、有用性判定部12A、内容改変部13A、及び、出力実行部14の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
(B)第1実施形態、第2実施形態においては、出力実行部14が、音声情報、文字情報、及び、画像情報を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する場合について説明したが、出力実行部14が、音声情報、文字情報、及び、画像情報の少なくとも1つを介して、を介して前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する形態であれば良い。
(C)第1実施形態、第2実施形態においては、出力実行部14が、ステアリングホイール及び運転者に対する振動の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する場合について説明したが、出力実行部14が、ステアリングホイール及び運転者の少なくとも一方に対する振動の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する形態であれば良い。
(D)第1実施形態、第2実施形態においては、出力実行部14が、ステアリングホイールに対する振動の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する場合について説明したが、運転者の操作する他の操作手段(例えば、アクセルペダル等)に対する振動の付与を介して、前記第1警報情報及び前記第2警報情報を出力する形態でも良い。