JP5269085B2 - ヒト免疫不全ウイルス複製のインヒビター - Google Patents

ヒト免疫不全ウイルス複製のインヒビター Download PDF

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Description

(関連出願)
この出願は、参照によってその内容を本明細書に引用したものとする2007年11月15日提出の米国特許出願第60/988342号の利益を主張する。
(発明の分野)
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療のための化合物、組成物及び方法に関する。特に、本発明は、HIV複製の新規インヒビター、該化合物を含む医薬組成物及びHIV感染症の治療におけるこれらの化合物の使用方法を提供する。さらに詳細には、本発明は、HIVインテグラーゼ酵素の新規インヒビター、該化合物を含む医薬組成物並びにHIV複製を減少させるため及びHIV感染症の治療においてこれらの化合物を使用する方法を提供する。
(発明の背景)
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、特にHIV-1株によって引き起こされる。多くの現在承認されているHIV感染症の治療薬はウイルス逆転写酵素及びプロテアーゼ酵素を標的とする。さらに、gp41を標的にしてウイルス侵入を阻害する1種の承認薬及びインテグラーゼ酵素を標的にする1種の承認薬がある。逆転写酵素インヒビター及びプロテアーゼインヒビター分類内では、現存する薬物に対するHIVの耐性が問題である。従って、新しい抗レトロウイルス化合物を発見及び開発することが重要である。
(発明の概要)
本発明は、HIV複製に対して阻害活性を有する新系列の化合物を提供する。さらに、本発明の代表化合物は細胞ベースHIV複製アッセイにおいてインヒビターとしての活性を有する。本発明の化合物はHIVインテグラーゼ酵素に対する親和性を有する。従って、本発明の化合物を用いてHIVインテグラーゼの活性を阻害することができ、かつHIV複製を減少させることができる。当業者には以下の説明及び実施例からこの発明のさらなる目的が明らかになる。
本発明の一態様は、下記式(I):
Figure 0005269085
(式中、
_ _ _ _ _ _ _は単結合又は二重結合を表し;
XはS又はCR5であり;
YはS又はCR7であり;
ここで、X又はYの1つはSであり;
R2、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に下記基:
a)ハロ;
b)R8、-C(=O)-R8、-C(=O)-O-R8、-O-R8、-S-R8、SO-R8、-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-O-R8、-(C1-6)アルキレン-SO-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-O-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-S-R8
(ここで、R8は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、アリール及びHetから選択され;
かつ前記アリール及びHetはそれぞれ、下記基:
i)ハロ、オキソ、チオキソ、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-O(C1-6)ハロアルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-SO(C1-6)アルキル、-SO2(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2
ii)(C1-6)アルキル(-OH、-O-(C1-6)ハロアルキル、又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよい);及び
iii)アリール又はHet(各アリール及びHetはハロ又は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい)
からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);及び
c)-N(R9)R10、-C(=O)-N(R9)R10、-O-C(=O)-N(R9)R10、-SO2-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-O-C(=O)-N(R9)R10、又は-(C1-6)アルキレン-SO2-N(R9)R10
(ここで、
R9は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルから選択され;かつ
R10は、各場合独立にR8、-(C1-6)アルキレン-R8、-SO2-R8、-C(=O)-R8、-C(=O)OR8及び-C(=O)N(R9)R8(ここで、R8及びR9は前記定義どおり)から選択される)
から選択され;
R3が(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-、Het-(C1-6)アルキル-又は-W-R31であり、かつ結合cが単結合であり;或いは
R3が(C1-6)アルキリデンであり、かつ結合cが二重結合であり
(ここで、WはO又はSであり、かつR31は(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル、アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-又はHet-(C1-6)アルキル-であり;
前記(C1-6)アルキリデン、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-、Het-(C1-6)アルキル-及び-W-R31はそれぞれ、(C1-6)アルキル、ハロ、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
R4はアリール又はHetであり、前記アリール及びHetはそれぞれ、ハロ、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2(前記(C1-6)アルキルはヒドロキシ、-O(C1-6)アルキル、シアノ又はオキソで置換されていてもよい)からそれぞれ独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく;
かつ
Hetは、O、N及びSからそれぞれ独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和、不飽和若しくは芳香族ヘテロ環、又はO、N及びSからそれぞれ独立に選択される可能な限り1〜5個のヘテロ原子を有する7員〜14員の飽和、不飽和若しくは芳香族ヘテロ多環であり;ここで、各Nヘテロ原子は、独立にかつ可能な場合、それがさらに酸素原子に結合してN-オキシド基を形成するように酸化状態で存在してよく、かつ各Sヘテロ原子は、独立にかつ可能な場合、それがさらに1又は2個の酸素原子に結合して基SO又はSO2を形成するように酸化状態で存在してよい)
の化合物の異性体、ラセミ体、エナンチオマー若しくはジアステレオマー
又はその塩若しくはエステルを提供する。
この発明の別の態様は、薬物としての式(I)の化合物又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルを提供する。
この発明のさらに別の態様は、治療的に有効な量の式(I)の化合物又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルと、1種以上の医薬的に許容しうる担体とを含む医薬組成物を提供する。
この態様の実施形態により、この発明の医薬組成物は少なくとも1種の他の抗ウイルス薬をさらに含む。
本発明は、HIVに感染しているか又は感染しているリスクがある哺乳動物におけるHIV感染症の治療のための上記医薬組成物の使用をも提供する。
本発明のさらなる態様は、HIVに感染しているか又は感染しているリスクがある哺乳動物におけるHIV感染症の治療方法に関係し、この方法は、前記哺乳動物に治療的に有効な量の式(I)の化合物、その医薬的に許容しうる塩若しくはエステル、又はその上記組成物を投与する工程を含む。
本発明の別の態様は、HIVに感染しているか又は感染しているリスクがある哺乳動物におけるHIV感染症の治療方法に関係し、この方法は、前記哺乳動物に治療的に有効な量の式(I)の化合物又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルと、少なくとも1種の他の抗ウイルス薬との組合せ、又はその組成物を投与する工程を含む。
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルの、HIVに感染しているか又は感染しているリスクがある哺乳動物におけるHIV感染症の治療のための使用もこの発明の範囲内である。
この発明の別の態様は、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルの、HIVに感染しているか又は感染しているリスクがある哺乳動物におけるHIV感染症の治療用薬物製造のための使用を提供する。
この発明のさらなる態様は、HIV感染症を治療するために有効な組成物と、該組成物を用いてHIVによる感染を治療できることを示すラベルを含む包装材料とを含む製品であって、前記組成物がこの発明の式(I)の化合物又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルを含む製品に関する。
この発明のさらに別の態様は、HIVの複製を阻害する方法であって、前記ウイルスを、HIVの複製が阻害される条件下で、有効量の式(I)の化合物、又はその塩若しくはエステルにさらす工程を含む方法に関する。
さらに、HIVインテグラーゼ酵素の活性を阻害するための式(I)の化合物の使用が本発明の範囲に包含される。
さらに、HIVの複製を阻害するための式(I)の化合物、又はその塩若しくはエステルの使用が本発明の範囲に包含される。
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書では、特に断らない限り、以下の定義を適用する。
用語「置換基」は、本明細書で使用する場合、かつ特に断らない限り、そうでなければ少なくとも1つの水素原子に結合するであろう炭素原子、ヘテロ原子又は分子若しくはそのフラグメントの一部を形成しうる他のいずれかの原子に結合しうる原子、ラジカル又は基を意味するものとする。特有の分子又はそのフラグメントの脈絡で想定される置換基は当業者に認識されているような、化学的に安定な化合物を生じさせる当該置換基である。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C1-n)アルキル」(式中、nは整数である)は、1〜n個の炭素原子を含む非環式直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味するものとする。「(C1-6)アルキル」として、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル)、ブチル(n-ブチル)、1-メチルエチル(イソプロピル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、ペンチル及びヘキシルが挙げられる。略語Meはメチル基を表し;Etはエチル基を表し、Prはプロピル基を表し、iPrは1-メチルエチル基を表し、Buはブチル基を表し、tBuは1,1-ジメチルエチル基を表す。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C1-n)アルキレン」(式中、nは整数である)は、1〜n個の炭素原子を含む非環式直鎖又は分岐鎖二価アルキル基を意味するものとする。「(C1-6)アルキレン」として、限定するものではないが、-CH2-、-CH2CH2-、
Figure 0005269085
が挙げられる。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C1-n)アルキリデン」(式中、nは整数である)は、1〜n個の炭素原子を含み、該炭素原子が分子又はそのフラグメントに、その置換基として、二重結合で結合している、非環式直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味するものとする。「(C1-6)アルキリデン」として、限定するものではないが、CH2=、CH3CH=、CH3CH2CH=、
Figure 0005269085
基が挙げられる。特に断らない限り、用語「(C2-n)アルキリデン」は、可能な場合、個々の立体異性体を包含するものと解釈し、立体異性体としては、限定するものではないが、(E)及び(Z)異性体、並びにその混合物が挙げられる。(C2-n)アルキリデン基が置換されている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換されていなければ水素原子を持つであろう、そのいずれかの炭素原子上で置換されるものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C2-n)アルケニル」(式中、nは整数である)は、2〜n個の炭素原子を含み、その少なくとも2個が相互に二重結合で結合している、不飽和の非環式直鎖又は分岐鎖基を意味するものとする。該基の例としては、限定するものではないが、エテニル(ビニル)、1-プロペニル、2-プロペニル、及び1-ブテニルが挙げられる。特に断らない限り、用語「(C2-n)アルケニル」は、可能な場合、個々の立体異性体を包含するものと解釈し、立体異性体としては、限定するものではないが、(E)及び(Z)異性体、並びにその混合物が挙げられる。(C2-n)アルケニル基が置換されている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換されていなければ水素原子を持つであろう、そのいずれかの炭素原子上で置換されるものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C2-n)アルキニル」(式中、nは整数である)は、2〜n個の炭素原子を含み、その少なくとも2個が相互に三重結合で結合している、不飽和の非環式直鎖又は分岐鎖基を意味するものとする。該基の例としては、限定するものではないが、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、及び1-ブチニルが挙げられる。(C2-n)アルキニル基が置換されている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換されていなければ水素原子を持つであろう、そのいずれかの炭素原子上で置換されているものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C3-m)シクロアルキル」(式中、mは整数である)は、3〜m個の炭素原子を含むシクロアルキル置換基を意味するものとし、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが挙げられる。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C3-m)シクロアルキル-(C1-n)アルキル-」(式中、n及びmは両方とも整数である)は、それ自体3〜m個の炭素原子を含む前記定義どおりのシクロアルキル基で置換されていている、1〜n個の炭素原子を含む前記定義どおりのアルキル基を意味するものとする。(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-の例として、限定するものではないが、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、1-シクロプロピルエチル、2-シクロプロピルエチル、1-シクロブチルエチル、2-シクロブチルエチル、1-シクロペンチルエチル、2-シクロペンチルエチル、1-シクロヘキシルエチル及び2-シクロヘキシルエチルが挙げられる。(C3-m)シクロアルキル-(C1-n)アルキル-基が置換されていている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換基は、そのシクロアルキル若しくはアルキル部分のいずれか又は両方に結合しうるものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「アリール」は、6個の炭素原子を含む炭素環式芳香族単環式基を意味するものとし、さらに、芳香族、飽和又は不飽和でよい第2の5員又は6員炭素環式基に縮合していてもよい。アリールとしては、限定するものではないが、フェニル、インダニル、インデニル、1-ナフチル、2-ナフチル、テトラヒドロナフチル及びジヒドロナフチルが挙げられる。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「アリール-(C1-n)アルキル-」(式中、nは整数である)は、それ自体前記定義どおりのアリール基で置換されている、1〜n個の炭素原子を有する前記定義どおりのアルキル基を意味するものとする。アリール-(C1-n)アルキル-の例としては、限定するものではないが、フェニルメチル(ベンジル)、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル及びフェニルプロピルが挙げられる。アリール-(C1-n)アルキル-基が置換されている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換基は、そのアリール若しくはアルキル部分のいずれか又は両方に結合しうるものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「炭素環」は、全ての環員が炭素原子である、芳香族又は非芳香族、飽和又は不飽和の環式化合物を意味するものとする。炭素環基は5又は6個の炭素原子を含んでよく、かつ第2の5員又は6員炭素環環式基(芳香族、飽和又は不飽和でよい)にさらに縮合していてもよい。炭素環は置換されていてもよい。炭素環が置換されている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換基は、置換されていなければ水素原子を持つであろう、いずれの炭素原子にも結合しうるものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「Het」は、それぞれ独立にO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和、不飽和若しくは芳香族ヘテロ環、又はそれぞれ独立にO、N及びSから選択される可能な限り1〜5個のヘテロ原子を有する7員〜14員の飽和、不飽和若しくは芳香族ヘテロ多環を意味するものとし、ここで、特に断らない限り、各Nヘテロ原子は、独立にかつ可能な場合、さらに酸素原子に結合してN-オキシド基を形成するように酸化状態で存在してよく、かつ各Sヘテロ原子は、独立にかつ可能な場合、さらに1又は2個の酸素原子に結合してSO又はSO2を形成するように酸化状態で存在してよい。Het基が置換されている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換基は、置換されていなければ水素原子を持つであろう、そのいずれの炭素原子又はヘテロ原子にも結合しうるものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合かつ特に断らない限り、用語「Het-(C1-n)アルキル-」(式中、nは整数である)は、それ自体前記定義どおりのHet置換基で置換されている、1〜n個の炭素原子を有する前記定義どおりのアルキル基を意味するものとする。Het-(C1-n)アルキル-の例としては、限定するものではないが、チエニルメチル、フリルメチル、ピペリジニルエチル、2-ピリジニルメチル、3-ピリジニルメチル、4-ピリジニルメチル、キノリニルプロピル等が挙げられる。Het-(C1-n)アルキル-基が置換されている場合、特に断らない限り、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、置換基はそのHet若しくはアルキル部分のどちらか又は両方に結合しうるものと解釈する。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロ原子」はO、S又はNを意味するものとする。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合かつ特に断らない限り、用語「ヘテロ環」は、それぞれ独立にO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む3員〜7員の飽和、不飽和若しくは芳香族ヘテロ環;又はそれから水素原子を除去して導かれる一価基を意味するものとする。該ヘテロ環の例としては、限定するものではないが、アゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、チアゾリジン、オキサゾリジン、ピロール、チオフェン、フラン、ピラゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピペリジン、ピペラジン、アゼピン、ジアゼピン、ピラン、1,4-ジオキサン、4-モルフォリン、4-チオモルフォリン、ピリジン、ピリジン-N-オキシド、ピリダジン、ピラジン及びピリミジン、並びにその飽和、不飽和及び芳香族誘導体が挙げられる。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合かつ特に断らない限り、用語「ヘテロ多環」は、炭素環、ヘテロ環又はいずれかの他の環などの1つ以上の他の環に縮合している前記定義どおりのヘテロ環;又はそれから水素原子を除去して導かれる一価基を意味するものとする。該ヘテロ多環の例としては、限定するものではないが、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾジオキソール、ベンゾジオキサン、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、及びナフチリジン、並びにその飽和、不飽和及び芳香族誘導体が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードから選択されるハロゲン置換基を意味するものとする。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「(C1-n)ハロアルキル」(式中、nは整数である)は、1つ以上の水素原子がそれぞれハロ置換基と置き換わっている、1〜n個の炭素原子を有する前記定義どおりのアルキル基を意味するものとする。(C1-n)ハロアルキルの例としては、限定するものではないが、クロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ジブロモエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル及びジフルオロエチルが挙げられる。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で相互交換可能に使用する場合、用語「-O-(C1-n)アルキル」又は「(C1-n)アルコキシ」(式中、nは整数である)は、1〜n個の炭素原子を有する前記定義どおりのアルキル基にさらに酸素原子が結合している場合を意味するものとする。-O-(C1-n)アルキルの例としては、限定するものではないが、メトキシ(CH3O-)、エトキシ(CH3CH2O-)、プロポキシ(CH3CH2CH2O-)、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ;(CH3)2CH-O-)及び1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブトキシ;(CH3)3C-O-)が挙げられる。-O-(C1-n)アルキル基が置換されている場合、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、その(C1-n)アルキル部分上で置換されているものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で使用する場合、用語「-O-(C1-n)ハロアルキル」(式中、nは整数である)は、1〜n個の炭素原子を有する前記定義どおりのハロアルキル基にさらに酸素原子が結合している場合を意味するものとする。-O-(C1-n)ハロアルキル基が置換されている場合、その(C1-n)アルキル部分上で置換されているものと解釈する。
単独又は別の基と組み合わせて本明細書で相互交換可能に使用する場合、用語「-S-(C1-n)アルキル」又は「(C1-n)アルキルチオ」(式中、nは整数である)は、1〜n個の炭素原子を有する前記定義どおりのアルキル基にさらにイオウ原子が結合している場合を意味するものとする。-S-(C1-n)アルキルの例としては、限定するものではないが、メチルチオ(CH3S-)、エチルチオ(CH3CH2S-)、プロピルチオ(CH3CH2CH2S-)、1-メチルエチルチオ(イソプロピルチオ;(CH3)2CH-S-)及び1,1-ジメチルエチルチオ(tert-ブチルチオ;(CH3)3C-S-)が挙げられる。-S-(C1-n)アルキル基、又はその酸化誘導体、例えば-SO-(C1-n)アルキル基若しくは-SO2-(C1-n)アルキル基が置換されている場合、当業者に認識されているように、該置換が化学的に安定な化合物を生じさせるように、それぞれその(C1-n)アルキル部分上で置換されているものと解釈する。
本明細書で使用する場合、用語「オキソ」は、置換基として二重結合によって炭素原子に結合している酸素原子を意味するものとする(=O)。
本明細書で使用する場合、用語「チオキソ」は、置換基として二重結合によって炭素原子に結合しているイオウ原子を意味するものとする(=S)。
本明細書で使用する場合、用語「シアノ」は、置換基として三重結合によって窒素原子に炭素原子が結合している場合を意味するものとする。
本明細書で使用する場合、用語「COOH」は、カルボキシル基(-C(=O)-OH)を意味するものとする。カルボキシル基は、官能基等価物によって置換されうることは当業者に周知である。この発明で想定される該官能基等価物の例としては、限定するものではないが、エステル、アミド、イミド、ボロン酸、ホスホン酸、リン酸、テトラゾール、トリアゾール、N-アシルスルファミド(RCONHSO2NR2)、及びN-アシルスルホンアミド(RCONHSO2R)が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「官能基等価物」は、同様の電子、混成又は結合特性を有する別の原子又は基に取って代わりうる原子又は基を意味するものとする。
本明細書で使用する場合、用語「保護基」は、合成変換中に使用できる保護基を意味するものとし、限定するものではないが、参照によってその内容を本明細書に引用したものとするGreene,“Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley & Sons, New York (1981)、及びそのさらに最近の版に列挙されている例が挙げられる。
下記表示
Figure 0005269085
をサブ式で用いて、定義される分子の残部に連結される結合を示す。
本明細書で使用する場合、用語「その塩」は、本発明の化合物のいずれの酸及び/又は塩基付加塩をも意味するものとし、限定するものではないが、その医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「医薬的に許容しうる塩」は、ゾンデ医学的判断の分野内で、ヒト及び下等動物の組織と接触して使うのに適し、過度の毒性、刺激作用、アレルギー反応などがなく、合理的な利益/危険比で釣り合っており、一般的に水若しくは油に溶解性又は分散性であり、かつその意図した用途に有効な、本発明の化合物の塩を意味するものとする。この用語には、医薬的に許容しうる酸付加塩及び医薬的に許容しうる塩基付加塩が含まれる。好適な塩のリストは、例えば、参照によってその内容を本明細書に引用したものとするS.M. Berge et al., J. Pharm. Sci., 1977, 66, pp. 1-19で見られる。
本明細書で使用する場合、用語「医薬的に許容しうる酸付加塩」は、無機酸(限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸などが挙げられる)、及び有機酸(限定するものではないが、酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、酪酸、ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、ジグルコン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリセロリン酸、ヘミスルフ酸、ヘキサン酸、ギ酸、フマル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸(イセチオン酸)、乳酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、2-ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パモ酸、ペクチン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデカン酸などが挙げられる)と形成される、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、かつ生物学的又は他の意味でも望ましくなくない当該塩を意味するものとする。
本明細書で使用する場合、用語「医薬的に許容しうる塩基付加塩」は、無機塩基(限定するものではないが、アンモニア或いはアンモニウム又は例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等の金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、又は炭酸水素塩)と形成される、遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、かつ生物学的又は他の意味でも望ましくなくない当該塩を意味するものとする。特に好ましくは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩である。医薬的に許容しうる無毒の有機塩基から誘導される塩としては、限定するものではないが、一級、二級、及び三級アミン、四級アミン化合物、置換アミン(天然に存在する置換アミンを含め)、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、ポリアミン樹脂などが挙げられる。特に好ましい無毒の有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。
本明細書で使用する場合、用語「そのエステル」は、分子の-COOH置換基のいずれかが-COOR置換基と置き換わっている、本発明の化合物のいずれのエステルをも意味するものとし、エステルのR成分は、安定なエステル成分を形成するいずれもの炭素含有基であり、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルが挙げられ、それぞれさらに置換されていてもよい。用語「そのエステル」には、限定するものではないが、その医薬的に許容しうるエステルが含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「その医薬的に許容しうるエステル」は、分子の-COOH置換基のいずれかが-COOR置換基と置き換わっている、本発明の化合物のエステルを意味するものとし、エステルのR成分は、ハロゲン、(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシで置換されていてもよいアルキル(限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、1,1-ジメチルエチル、ブチルが挙げられる);アルコキシアルキル(限定するものではないが、メトキシメチルが挙げられる);アシルオキシアルキル(限定するものではないが、アセトキシメチルが挙げられる);アリールアルキル(限定するものではないが、ベンジルが挙げられる);アリールオキシアルキル(限定するものではないが、フェノキシメチルが挙げられる);及びアリール(限定するものではないが、フェニルが挙げられる)から選択される。他の適切なエステルは、参照によってその内容を本明細書に引用したものとするDesign of Prodrugs, Bundgaard, H. Ed. Elsevier (1985)で見つけられる。該医薬的に許容しうるエステルは、哺乳動物に注入されると一般的にin vivo加水分解され、本発明の化合物の酸形に変換される。上記エステルに関しては、特に断らない限り、存在するいずれのアルキル成分も好ましくは1〜16個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を含む。該エステル中に存在するいずれのアリール成分も好ましくはフェニル基を含む。特にエステルは、(C1-16)アルキルエステル、無置換ベンジルエステル又は少なくとも1つのハロゲン、(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、ニトロ若しくはトリフルオロメチルで置換されているベンジルエステルであってよい。
本明細書で使用する場合、用語「哺乳動物」は、ヒト、並びにHIVに感染しやすい非ヒト哺乳動物を包含するものとする。非ヒト哺乳動物としては、限定するものではないが、家畜、例えばウシ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット及びマウス、並びに非家畜が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「治療」は、HIV感染症の症状を軽減若しくは排除するため及び/又は患者のウイルス負荷を低減するために本発明の化合物又は組成物を投与することを意味するものとする。用語「治療」は、個体のウイルスへの曝露後であるが、疾患の症状が現れる前、及び/又はウイルスが血液中で検出される前に、疾患の症状の出現を予防するため及び/又は血液中でウイルスが検出可能レベルに達するのを予防するために本発明の化合物又は組成物を投与すること、並びに母親から乳児へのHIVの周産期伝播を、出産前の母親への投与及び生後数日以内の乳児への投与によって予防するために本発明の化合物又は組成物を投与することをも包含する。
本明細書で使用する場合、用語「抗ウイルス薬」は、哺乳動物内でのウイルスの形成及び/又は複製を阻害するのに有効な薬剤を意味するものとし、限定するものではないが、哺乳動物内でのウイルスの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルスメカニズムを妨害する薬剤が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「HIV複製のインヒビター」は、in vitro、ex vivo又はin vivoであれ、宿主細胞内でHIVが複製する能力を軽減又は排除できる薬剤を意味するものとする。
本明細書で相互交換可能に使用する場合、用語「HIVインテグラーゼ」又は「インテグラーゼ」は、ヒト免疫不全ウイルス1型によってコードされるインテグラーゼ酵素を意味する。
用語「治療的に有効な量」は、治療が必要な患者に投与したとき、本発明の化合物が有用である病的状態、状況、又は障害の治療を果たすのに十分な本化合物の量を意味する。このような量は、研究者又は臨床医が探求している組織系、又は患者の生物学的若しくは医学的応答を誘発するのに十分であろう。治療的に有効な量を構成する本発明の化合物の量は、化合物及びその生物学的活性、投与のために使用する組成物、投与時間、投与経路、該化合物の***速度、治療の持続時間、治療する病的状態若しくは障害のタイプとその重症度、本発明の化合物と併用又は同時に使用する薬物、並びに患者の年齢、体重、一般的健康、性別及び食事制限などの因子によって変わるだろう。自らの知識について、最新技術、及びこの開示を有する当業者は、このような治療的に有効な量を日常的に決定することができる。
(好ましい実施形態)
以下の好ましい実施形態において、この発明の下記式(I):
Figure 0005269085
の化合物の基及び置換基について詳述する。
コア:
コア-A:この実施形態では、本発明の化合物を下記式(Ia)で表す。
Figure 0005269085
式中、c、X、Y、R2、R3、R4及びR6は、本明細書の定義どおりである。
当業者には、結合cが単結合の場合、-COOHとR3置換基に結合している炭素原子は下記式(Ib)及び(Ic):
Figure 0005269085
(式中、X、Y、R2、R3、R4及びR6は、本明細書の定義どおり)
で示すように、2つの可能な立体化学的配置で存在しうることが明らかであろう。
式(Ib)の化合物が式(Ic)の化合物より活性を改善することが分かった。
コア-B:そこで、一実施形態では、本発明の化合物を下記式(Ib)で表す。
Figure 0005269085
式中、X、Y、R2、R3、R4及びR6は、本明細書の定義どおりである。
コア-C:別の実施形態では、本発明の化合物を下記式(Ic)で表す。
Figure 0005269085
式中、X、Y、R2、R3、R4及びR6は、本明細書の定義どおりである。
コア-D:別の実施形態では、本発明の化合物を下記式(Id)で表す。
Figure 0005269085
式中、c、R2、R3、R4、R5及びR6は、本明細書の定義どおりである。
当業者には、結合cが単結合の場合、-COOHとR3置換基に結合している炭素原子は下記式(Ie)及び(If):
Figure 0005269085
(式中、R2、R3、R4、R5及びR6は、本明細書の定義どおり)
で示すように、2つの可能な立体化学的配置で存在しうることが明らかであろう。
コア-E:別の実施形態では、本発明の化合物を下記式(Ie)で表す。
Figure 0005269085
式中、R2、R3、R4、R5及びR6は、本明細書の定義どおりである。
コア-F:別の実施形態では、本発明の化合物を下記式(If)で表す。
Figure 0005269085
式中、R2、R3、R4、R5及びR6は、本明細書の定義どおりである。
コア-G:別の実施形態では、本発明の化合物を下記式(Ig)で表す。
Figure 0005269085
式中、c、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書の定義どおりである。
当業者には、結合cが単結合の場合、-COOHとR3置換基に結合している炭素原子は下記式(Ih)及び(Ii):
Figure 0005269085
(式中、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書の定義どおり)
で示すように、2つの可能な立体化学的配置で存在しうることが明らかであろう。
コア-H:一実施形態では、本発明の化合物を下記式(Ih)で表す。
Figure 0005269085
式中、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書の定義どおりである。
コア-I:代替実施形態では、本発明の化合物を下記式(Ii)で表す。
Figure 0005269085
式中、R2、R3、R4、R6及びR7は、本明細書の定義どおりである。
本明細書で提示するコアのいずれのそれぞれ個々の定義も本明細書で提示するc、X、Y、R2、R3、R4、R5、R6及びR7のいずれのそれぞれ個々の定義とも組み合わせうる。
R2
R2-A:一実施形態では、R2は、下記基:
a)ハロ;
b)R8、-C(=O)-R8、-C(=O)-O-R8、-O-R8、-S-R8、SO-R8、-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-O-R8、-(C1-6)アルキレン-SO-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-O-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-S-R8(ここで、R8は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、アリール及びHetから選択され;
かつ
前記アリール及びHetはそれぞれ、下記基:
i)ハロ、オキソ、チオキソ、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-O(C1-6)ハロアルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-SO(C1-6)アルキル、-SO2(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2
ii)(C1-6)アルキル(-OH、-O-(C1-6)ハロアルキル、又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよい);及び
iii)アリール又はHet(各アリール及びHetはハロ又は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい)
からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);及び
c)-N(R9)R10、-C(=O)-N(R9)R10、-O-C(=O)-N(R9)R10、-SO2-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-O-C(=O)-N(R9)R10、又は-(C1-6)アルキレン-SO2-N(R9)R10
(ここで、
R9は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルから選択され;かつ
R10は、各場合独立にR8、-(C1-6)アルキレン-R8、-SO2-R8、-C(=O)-R8、-C(=O)OR8及び-C(=O)N(R9)R8(ここで、R8及びR9は前記定義どおり)から選択される)
から選択される。
R2-B: 代替実施形態では、R2が(C1-6)アルキル又は-O(C1-6)アルキルである。
R2-C: 別の実施形態では、R2が(C1-4)アルキルである。
R2-D: 別の実施形態では、R2が(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、Het、アリール、(C1-6)アルキル-Het及び(C1-6)アルキル-アリールから選択される。
R2-E: 別の実施形態では、R2が(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル 、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、Het、アリール、(C1-6)アルキル-Het及び(C1-6)アルキル-アリールから選択される。
R2-F: 別の実施形態では、R2が-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、又は-OCH3である。
R2-G: 別の実施形態では、R2が-CH3又は-CH2CH3である。
R2-H: 別の実施形態では、R2が-CH3である。
本明細書で提示するR2のいずれのそれぞれ個々の定義も本明細書で提示するコア、c、X、Y、R3、R4、R5、R6及びR7のいずれのそれぞれ個々の定義とも組み合わせうる。
R3
R3-A: 一実施形態では、R3が(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-、Het-(C1-6)アルキル-又は-W-R31であり、かつ結合cが単結合であり;或いは
R3が(C1-6)アルキリデンであり、かつ結合cが二重結合であり;
ここで、WはO又はSであり、R31は(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル、アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-又はHet-(C1-6)アルキル-であり;
前記(C1-6)アルキリデン、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-、Het-(C1-6)アルキル-及び-W-R31はそれぞれ、(C1-6)アルキル、ハロ、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
R3-B: 一実施形態では、R3が(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-又はHet-(C1-6)アルキル-であり(前記(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-及びHet-(C1-6)アルキル-はそれぞれ、(C1-6)アルキル、ハロ、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);かつcが単結合である。
R3-C: 別の実施形態では、R3が(C1-6)アルキル又は(C2-6)アルケニルであり;かつ
結合cが単結合である。
R3-D: 代替実施形態では、R3が-W-(C1-6)アルキル、-W-(C1-6)ハロアルキル、-W-(C2-6)アルケニル、-W-(C2-6)アルキニル、-W-(C3-7)シクロアルキル、-W-アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-W-、アリール-(C1-6)アルキル-W-又はHet-(C1-6)アルキル-W-であり
(ここで、WはO又はSであり;かつ
前記-W-(C1-6)アルキル、-W-(C2-6)アルケニル、-W-(C2-6)アルキニル、-W-(C3-7)シクロアルキル、-W-アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-W-、アリール-(C1-6)アルキル-W-及びHet-(C1-6)アルキル-W-はそれぞれ、(C1-6)アルキル、ハロ、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);かつ
結合cが単結合である。
R3-E: 別の実施形態では、R3が-O-(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)ハロアルキル、-O-(C2-6)アルケニル、-O-(C2-6)アルキニル、-O-(C3-7)シクロアルキル、-O-アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-O-、アリール-(C1-6)アルキル-O-又はHet-(C1-6)アルキル-O-であり
(ここで、前記-O-(C1-6)アルキル、-O-(C2-6)アルケニル、-O-(C2-6)アルキニル、-O-(C3-7)シクロアルキル、-O-アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-O-、アリール-(C1-6)アルキル-O-及びHet-(C1-6)アルキル-O-はそれぞれ、(C1-6)アルキル、ハロ、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);かつ
結合cが単結合である。
R3-F: 別の実施形態では、R3が-O(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)ハロアルキル、-O-(C2-6)アルケニル、-O(C2-6)アルキニル、-O-(C3-7)シクロアルキル、-O-アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-3)アルキル-O-又はHet-(C1-3)アルキル-O-であり
(ここで、Hetは、N、O及びSからそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員又は6員ヘテロ環であり;かつ
前記-O(C1-6)アルキル、-O-(C3-7)シクロアルキル及びHet-(C1-3)アルキル-O-はそれぞれ、(C1-3)アルキル、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);かつ
結合cが単結合である。
R3-G: 別の実施形態では、R3が-O(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)ハロアルキル、-O(C2-6)アルケニル、-O(C2-6)アルキニル又は-O-(C3-7)シクロアルキルであり
(ここで、前記-O(C1-6)アルキル及び-O-(C3-7)シクロアルキルはそれぞれ、(C1-3)アルキル、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);かつ
結合cが単結合である。
R3-H: 別の実施形態では、R3が-O(C1-4)アルキルであり(ここで、前記-O(C1-4)アルキルは、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい);かつ
結合cが単結合である。
R3-I: 別の実施形態では、R3が-OC(CH3)3であり;かつ結合cが単結合である。
R3-J: 別の実施形態では、R3が下記基から選択される。
Figure 0005269085
本明細書で提示するc及びR3のいずれのそれぞれ個々の定義も本明細書で提示するコア、X、Y、R2、R4、R5、R6及びR7のいずれのそれぞれ個々の定義とも組み合わせうる。
R4
R4-A: 一実施形態では、R4がアリール又はHetであり、前記アリール及びHetはそれぞれ、ハロ、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2(ここで、前記(C1-6)アルキルはヒドロキシ、-O(C1-6)アルキル、シアノ又はオキソで置換されていてもよい)からそれぞれ独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
R4-B: 一実施形態では、R4が、ハロ、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2(ここで、前記(C1-6)アルキルはヒドロキシ、-O(C1-6)アルキル、シアノ又はオキソで置換されていてもよい)からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールである。
R4-C: 別の実施形態では、R4が、ハロ、(C1-4)アルキル、(C2-4)アルケニル、(C1-4)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、-OH、-O(C1-4)アルキル、-SH、-S(C1-4)アルキル、-NH2、-NH(C1-4)アルキル及び-N((C1-4)アルキル)2からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。
R4-D: 別の実施形態では、R4が、F、Cl、Br、NH2、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、CH2F、CF3及び-CH2CH2Fからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである。
R4-E: 別の実施形態では、R4が下記基から選択される。
Figure 0005269085
R4-F:代替実施形態では、R4が、ハロ、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、-OH、-O(C1-6)アルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2(ここで、前記(C1-6)アルキルはヒドロキシル又は-O(C1-6)アルキルで置換されていてもよい)からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいHetである。
R4-G:別の代替実施形態では、R4が、ハロ、(C1-6)アルキル及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよいHetであり;
ここで、前記Hetは、N、O及びSからそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員ヘテロ環であり;又は前記Hetは、N、O及びSからそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9員若しくは10員ヘテロ環である。
R4-H:別の代替実施形態では、R4が、ハロ、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、NH2及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリール又はHetであり;
ここで、前記アリールが下記基:
Figure 0005269085
から選択され;かつ
前記Hetが下記基:
Figure 0005269085
から選択される。
R4-I: 別の代替実施形態では、R4が下記基から選択される。
Figure 0005269085
当業者は、R4置換基が、R4をコアに結び付けている結合の回転軸の回りに非対称に置換されている場合、回転異性体又はアトロプ異性体が生じる可能性があることを認めるだろう。R4置換基が、R4をコアに結び付けている結合の回転軸の回りに非対称に置換されており、かつ-COOHとR3置換基に結合している炭素原子がキラルである、本発明の化合物は、上述したように、2つのキラル中心、キラル炭素原子及び非対称の回転軸を有するので、アトロプ異性体はジアステレオマーとして存在するだろう。しかし、個々のジアステレオマーアトロプ異性体は検出及び/又は分離できる場合とできない場合があり、合成中に生じる各アトロプ異性体の相対量、平衡時に存在する各アトロプ異性体の相対量、及びC-4キラル軸の回りの回転の立体障害の度合、ひいてはこれらのアトロプ異性体間の相互変換が起こる速度によって決まる。一端分離されると、個々のアトロプ異性体は非常に安定であるか或いは迅速又は緩徐に、相互に変換して、アトロプ異性体の平衡混合物を形成しうる。
R4-J: 別の代替実施形態では、R4が下記基から選択される。
Figure 0005269085
R4-K: 別の代替実施形態では、R4が下記基から選択される。
Figure 0005269085
Figure 0005269085
Figure 0005269085
本明細書で提示するR4のいずれのそれぞれ個々の定義も本明細書で提示するコア、c、X、Y、R2、R3、R5、R6及びR7のいずれのそれぞれ個々の定義とも組み合わせうる。
R5
R5-A: 一実施形態では、R5が下記基:
a)ハロ;
b)R8、-C(=O)-R8、-C(=O)-O-R8、-O-R8、-S-R8、SO-R8、-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-O-R8、-(C1-6)アルキレン-SO-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-O-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-S-R8
(ここで、R8は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、アリール及びHetから選択され;
かつ
前記アリール及びHetは、それぞれ、下記基:
i)ハロ、オキソ、チオキソ、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-O(C1-6)ハロアルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-SO(C1-6)アルキル、-SO2(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2
ii)(C1-6)アルキル(-OH、-O-(C1-6)ハロアルキル、又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよい);及び
iii)アリール又はHet(ここで、前記アリール及びHetはハロ又は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい)
からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);及び
c)-N(R9)R10、-C(=O)-N(R9)R10、-O-C(=O)-N(R9)R10、-SO2-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-O-C(=O)-N(R9)R10、又は-(C1-6)アルキレン-SO2-N(R9)R10
(ここで、
R9は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルから選択され;かつ
R10は、各場合独立にR8、-(C1-6)アルキレン-R8、-SO2-R8、-C(=O)-R8、-C(=O)OR8及び-C(=O)N(R9)R8(ここで、R8及びR9は前記定義どおり)から選択される)
から選択される。
R5-C: 別の実施形態では、R5が(C1-4)アルキルである。
R5-D: 別の実施形態では、R5がH又は(C1-4)アルキルである。
R5-E: 別の実施形態では、R5がH又はCH3である。
R5-F: 別の実施形態では、R5がH、(C1-6)アルキル又は(C1-6)ハロアルキルである。
本明細書で提示するR5のいずれのそれぞれ個々の定義も本明細書で提示するコア、c、X、Y、R2、R3、R4、R6及びR7のいずれのそれぞれ個々の定義とも組み合わせうる。
R6
R6-A: 一実施形態では、R6が下記基:
a)ハロ;
b)R8、-C(=O)-R8、-C(=O)-O-R8、-O-R8、-S-R8、SO-R8、-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-O-R8、-(C1-6)アルキレン-SO-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-O-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-S-R8
(ここで、R8は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、アリール及びHetから選択され;
かつ
前記アリール及びHetは、それぞれ下記基:
i)ハロ、オキソ、チオキソ、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-O(C1-6)ハロアルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-SO(C1-6)アルキル、-SO2(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2
ii)(C1-6)アルキル(-OH、-O-(C1-6)ハロアルキル、又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよい);
iii)アリール又はHet(ここで、前記アリール及びHetはそれぞれハロ又は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい)
からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);及び
c)-N(R9)R10、-C(=O)-N(R9)R10、-O-C(=O)-N(R9)R10、-SO2-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-O-C(=O)-N(R9)R10、又は-(C1-6)アルキレン-SO2-N(R9)R10
(ここで、
R9は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルから選択され;かつ
R10は、各場合独立にR8、-(C1-6)アルキレン-R8、-SO2-R8、-C(=O)-R8、-C(=O)OR8及び-C(=O)N(R9)R8(ここで、R8及びR9は前記定義どおり)から選択される)
から選択される。
R6-B: 別の実施形態では、R6がH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は-O(C1-6)アルキルである。
R6-C: 別の実施形態では、R6が(C1-4)アルキルである。
R6-D: 別の実施形態では、R6がH又は(C1-4)アルキルである。
R6-E: 別の実施形態では、R6がH又はCH3である。
R6-F: 別の実施形態では、R6がH、(C1-6)アルキル又は(C1-6)ハロアルキルである。
本明細書で提示するR6のいずれのそれぞれ個々の定義も本明細書で提示するコア、c、X、Y、R2、R3、R4、R5及びR7のいずれのそれぞれ個々の定義とも組み合わせうる。
R7
R7-A: 一実施形態では、R7が下記基:
a)ハロ;
b)R8、-C(=O)-R8、-C(=O)-O-R8、-O-R8、-S-R8、SO-R8、-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-O-R8、-(C1-6)アルキレン-SO-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-O-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-S-R8
(ここで、R8は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、アリール及びHetから選択され;
かつ
前記アリール及びHetは、それぞれ、下記基:
i)ハロ、オキソ、チオキソ、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-O(C1-6)ハロアルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-SO(C1-6)アルキル、-SO2(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2
ii)(C1-6)アルキル(-OH、-O-(C1-6)ハロアルキル、又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよい);及び
iii)アリール又はHet(ここで、前記アリール及びHetはそれぞれハロ又は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい)
からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);及び
c)-N(R9)R10、-C(=O)-N(R9)R10、-O-C(=O)-N(R9)R10、-SO2-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-O-C(=O)-N(R9)R10、又は-(C1-6)アルキレン-SO2-N(R9)R10
(ここで、
R9は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルから選択され;かつ
R10は、各場合独立にR8、-(C1-6)アルキレン-R8、-SO2-R8、-C(=O)-R8、-C(=O)OR8及び-C(=O)N(R9)R8(ここで、R8及びR9は前記定義どおり)から選択される)
から選択される。
R7-B: 別の実施形態では、R7がH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は-O(C1-6)アルキルである。
R7-C: 別の実施形態では、R7が(C1-4)アルキルである。
R7-D: 別の実施形態では、R7がH又は(C1-4)アルキルである。
R7-E: 別の実施形態では、R7がH又はCH3である。
R7-F: 別の実施形態では、R7がH、(C1-6)アルキル又は(C1-6)ハロアルキルである。
本明細書で提示するR7のいずれのそれぞれ個々の定義も本明細書で提示するコア、c、X、Y、R2、R3、R4、R5及びR6のいずれのそれぞれ個々の定義とも組み合わせうる。
本発明の好ましい下位概念の実施形態の例を下表に示す。ここで、各実施形態の各置換基は、前記定義に従って定義される。
Figure 0005269085

Figure 0005269085

Figure 0005269085
この発明の最も好ましい実施形態の例は、下表1〜4に列挙する各単一化合物である。
一般に、化合物の名称又は構造に特有の立体化学又は異性形が具体的に指示されていない限り、全ての互変異性形及び異性形並びにその混合物、例えば、個々の互変異性体、幾何異性体、立体異性体、アトロプ異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、立体異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、ジアステレオマーの混合物、又は化学構造若しくは化合物の前記形態のいずれの混合物をも意図している。
化合物の生物学的及び薬理学的活性が化合物の立体化学に敏感であることは技術上周知である。従って、例えば、エナンチオマーは、代謝、タンパク質結合性などの薬物動態学的特性、及び提示される活性のタイプ、活性、毒性の度合などの薬理学的特性の差異を含め、著しく異なる生物学的活性を示すことが多い。従って、当業者は、あるエナンチオマーが他のエナンチオマーに対して濃厚であるか又は他のエナンチオマーから分離されている場合に、より活性が高いか又は有益な効果を示すことがあることを認めるだろう。さらに、当業者は、この開示及び当技術分野の知識から、本発明の化合物のエナンチオマーを分離し、濃厚にし、或いは選択的に調製する方法が分かるだろう。
純粋な立体異性体、例えばエナンチオマー及びジアステレオマーの調製、又は所望のエナンチオマー過剰率(ee)若しくはエナンチオマー純度の混合は、(a)エナンチオマーの分離若しくは分割、又は(b)技術上周知のエナンチオ選択的合成、又はその組合せの多くの方法の1つ以上で達成される。これらの分割方法は、一般的にキラル認識に依存しており、例えば、キラル固定相を使用するクロマトグラフィー、エナンチオ選択的ホスト-ゲスト錯体化、キラル補助物質を用いる分割又は合成、エナンチオ選択的合成、酵素的及び非酵素的速度論的分割、又は自発的エナンチオ選択的結晶化が挙げられる。該方法は、一般的に、参照によってその内容を本明細書に引用したものとするChiral Separation Techniques: A Practical Approach (2nd Ed.), G. Subramanian (ed.), Wiley-VCH, 2000;T.E. Beesley and R.P.W. Scott, Chiral Chromatography, John Wiley & Sons, 1999;及びSatinder Ahuja, Chiral Separations by Chromatography, Am. Chem. Soc., 2000に開示されている。さらに、同様にエナンチオマー過剰率又は純度の定量のための周知方法、例えば、GC、HPLC、CE、又はNMR、及び絶対配置及び立体配座の評価のための周知方法、例えばCD、ORD、X線結晶構造解析、又はNMRがある。
(医薬組成物)
本発明の化合物を、HIV感染症の治療が必要な哺乳動物に、治療的に有効な量の本発明の化合物又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルと、1種以上の通常の無毒の医薬的に許容しうる担体、アジュバント又はビヒクルとを含む医薬組成物として投与することができる。本組成物の具体的な処方は、該化合物の溶解度と化学的性質、選択した投与経路及び標準的な製薬プラクティスによって決まる。本発明の医薬組成物を経口又は全身投与することができる。
キラル活性成分の一方のエナンチオマーが他方のエナンチオマーと異なる生物学的活性を有する場合、本発明の医薬組成物は該活性成分のラセミ混合物、該活性成分の一方のエナンチオマーに富む混合物又は該活性成分の純粋なエナンチオマーを含みうると考えられる。該活性成分の一方のエナンチオマーに富む混合物は、該活性成分の一方のエナンチオマーを50%より多く約100%まで含み、該活性成分の他方のエナンチオマーを約0%〜50%未満含むと考えられる。好ましくは、本組成物が該活性成分の一方のエナンチオマーに富む混合物又は該活性成分の純粋なエナンチオマーを含む場合、本組成物は、50%より多く約100%までの、生理学的に活性がより高く、かつ/又は毒性がより低いエナンチオマーを含む。活性成分の一方のエナンチオマーが、ある治療徴候にとっては生理学的に活性がより高いが、異なる治療徴候にとっては該活性成分の他方のエナンチオマーの方が生理学的に活性が高いことがあるのは技術上周知であり;従って医薬組成物の好ましいエナンチオマー構成は異なる治療徴候を処置するときの組成物の用途によって異なることがある。
経口投与のために、本化合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルを経口的に許容しうるいずれの剤形でも製剤化することができ、剤形としては、限定するものではないが、水性懸濁液及び溶液、カプセル剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤又は錠剤が挙げられる。全身投与のためには、限定するものではないが、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、くも膜下腔内、及び病巣内注射又は注入手法などによる投与があり、本化合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルの、医薬的に許容しうる無菌水性ビヒクル中の溶液を使用するのが好ましい。
医薬的に許容しうる担体、アジュバント、ビヒクル、希釈剤、賦形剤及び添加剤並びに種々の投与様式のために医薬組成物を製剤化する方法は技術上周知であり、参照によってその内容を本明細書に引用したものとする製薬テキスト、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2005;及びL.V. Allen, N.G. Popovish and H.C. Ansel, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 8th ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2004に記載されている。
投与量は、限定するものではないが、使用する特定化合物の活性と薬力学的特性及び投与方法、投与の時間と経路;レシピエントの年齢、食事制限、性別、体重及び一般的健康状態;症状の性質と程度;感染の重症度と経過;併用治療の種類;治療の頻度;所望効果;及び治療医師の判断などの既知因子によって変化するだろう。一般に、如何なる有害な副作用を引き起こすことなく、抗ウイルスに有効な結果を一般的にもたらすであろう用量レベルで本化合物を投与することが最も望ましい。
活性成分の1日の投与量を約0.001〜約100mg/kg(体重)と予測することができ、好ましい用量は、約0.01〜約50mg/kgである。典型的に、この発明の医薬組成物を1日に約1〜約5回、又は代わりに連続注入として投与する。該投与を慢性又は急性療法として使用できる。単回剤形を作るために担体材料と併用できる活性成分の量は、治療する宿主及び投与の特定様式によって変わる。典型的製剤は約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含むだろう。好ましくは、該製剤は約20%〜約80%の活性化合物を含む。
従って、一実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物のラセミ混合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルを含む。
代替実施形態は、式(I)の化合物の一方のエナンチオマーに富む混合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルを含む医薬組成物を提供する。
さらなる実施形態は、式(I)の化合物の純粋なエナンチオマー、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルを含む医薬組成物を提供する。
(併用療法)
本発明の化合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルを、少なくとも1種の追加の抗ウイルス薬と共に投与する併用療法を企図する。追加薬をこの発明の化合物と合わせて単回剤形を作り出すことができる。或いは複数回剤形の一部としてこれらの追加薬を別々に同時又は逐次投与してよい。
この発明の医薬組成物が本発明の化合物、又はその医薬的に許容しうる塩若しくはエステルと、1種以上の追加の抗ウイルス薬との組合せを含む場合、単剤療法レジメンで一般的に投与される用量の約10〜100%、さらに好ましくは約10〜80%の用量レベルで化合物と追加薬の両者が存在すべきである。本発明の化合物と追加の抗ウイルス薬(複数可)の間に相乗的相互作用がある場合には、単剤療法レジメンで一般的に投与される用量に比べて、該組合せのいずれか又は全ての活性薬の用量を減らしてよい。
該併用療法で使うために想定される抗ウイルス薬には、哺乳動物内でウイルスの形成及び/又は複製を阻害するために有効な薬剤(化合物又は生物製剤)が含まれ、限定するものではないが、哺乳動物内でのウイルスの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルスのメカニズムを妨害する薬剤が挙げられる。該薬剤は、以下の薬剤から選択される。
・NRTI(ヌクレオシド又はヌクレオチド逆転写酵素インヒビター)として、限定するものではないが、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、エムトリシタビン、アバカビルスクシナート、エルブシタビン、アデホビルジピボキシル、ロブカビル(BMS-180194)、ロデノシン(FddA)及びテノホビル(テノホビルジソプロキシル及びテノホビルジソプロキシルフマラート塩など)、COMBIVIRTM(3TC及びAZTを含む)、TRIZIVIRTM(アバカビル、3TC及びAZTを含む)、TRUVADATM(テノホビル及びエムトリシタビンを含む)、EPZICOMTM(アバカビル及び3TCを含む)が挙げられ;
・NNRTI(非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター)として、限定するものではないが、ネビラピン、デラビラジン、エファビレンズ、エトラビリン及びリルピビリンが挙げられ;・プロテアーゼインヒビターとして、限定するものではないが、リトナビル、チプラナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アンプレナビル、ホサンプレナビル、アタザナビル、ロピナビル、ダルナビル(TMC-114)、ラシナビル及びブレカナビル(VX-385)が挙げられ;
・侵入インヒビターとして、限定するものではないが、
・CCR5アンタゴニスト(限定するものではないが、マラビロク、ビクリビロク、INCB9471及びTAK-652が挙げられる)、
・CXCR4アンタゴニスト(限定するものではないが、AMD-11070が挙げられる)、
・融合インヒビター(限定するものではないが、エンフビルチド(T-20)、TR1-1144及びTR1-999が挙げられる)及び
・その他(限定するものではないが、BMS-488043が挙げられる)
が挙げられ;
・インテグラーゼインヒビター(限定するものではないが、ラルテグラビル(MK-0518)、BMS-707035及びエルビテグラビル(GS 9137)が挙げられる);
・TATインヒビター;
・成熟化インヒビター(限定するものではないが、ベリビマト(PA-457)が挙げられる);
・免疫調節薬(限定するものではないが、レバミソールが挙げられる);及び
・他の抗ウイルス薬として、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL-2、IL-12及びペンサフシドが挙げられる。
さらに、本発明の化合物を本発明の少なくとも1種の他の化合物又は1種以上の抗真菌薬若しくは抗細菌薬(限定するものではないが、フルコナゾールが挙げられる)と共に使用することができる。
従って、一実施形態によれば、この発明の医薬組成物は1種以上の抗ウイルス薬をさらに含む。
さらなる実施形態は、前記1種以上の抗ウイルス薬が少なくとも1種のNNRTIを含む、この発明の医薬組成物を提供する。
この発明の医薬組成物の別の実施形態によれば、前記1種以上の抗ウイルス薬が少なくとも1種のNRTIを含む。
この発明の医薬組成物のさらに別の実施形態によれば、前記1種以上の抗ウイルス薬が少なくとも1種のプロテアーゼインヒビターを含む。
この発明の医薬組成物のなお別の実施形態によれば、前記1種以上の抗ウイルス薬が少なくとも1種の侵入インヒビターを含む。
この発明の医薬組成物のさらなる実施形態によれば、前記1種以上の抗ウイルス薬が少なくとも1種のインテグラーゼインヒビターを含む。
本発明の化合物を実験試薬又は研究試薬として使用してもよい。例えば、本発明の化合物を検証アッセイに対するポジティブコントロールとして使用することができる。検証アッセイとして、限定するものではないが、代理細胞ベースアッセイ及びin vitro又はin vivoウイルス複製アッセイが挙げられる。
さらに、本発明の化合物を用いて、物質のウイルス汚染を処置又は防止し、ひいては該物質(例えば、血液、組織、手術用器具と衣服、実験用器具と衣服、及び採血装置と材料)と接触する実験若しくは医療関係者又は患者のウイルス感染のリスクを低減することができる。
(検出可能標識を含む誘導体)
本発明の別の態様は、検出可能標識を含む式(I)の化合物の誘導体を提供する。該標識は、誘導体を検出、測定又は定量できるように、誘導体の直接又は間接的な認識を可能にする。検出可能標識自体が検出可能、測定可能又は定量可能であってよく、或いは検出可能標識が1種以上の他の成分(それ自体1つ以上の検出可能標識を含む)と相互作用して、それらの間の相互作用が誘導体を検出、測定又は定量できるようにしてもよい。
該誘導体をHIV複製を研究するためのプローブとして使用することができる。この研究としては、限定するものではないが、HIV複製に関与するウイルス及び宿主のタンパク質の作用メカニズムの研究、種々の条件下で該ウイルス及び宿主のタンパク質によって受けた立体構造変化の研究並びにこれらのウイルス及び宿主のタンパク質に結合するか又は他の方法で該タンパク質と相互作用するエンティティーとの相互作用の研究が挙げられる。ウイルス及び宿主のタンパク質と相互作用する化合物を同定するためのアッセイで本発明のこの態様の誘導体を使用することができ、このアッセイとしては、限定するものではないが、ウイルス及び宿主のタンパク質と相互作用することから誘導体が置換される程度を測定する置換アッセイが挙げられる。本発明のこの態様の誘導体の好ましい使用は、HIVインテグラーゼインヒビターを同定するための置換アッセイでの使用である。該誘導体を用いて、ウイルス及び宿主のタンパク質との共有結合又は非共有結合相互作用を形成し、或いは本発明の化合物と相互作用するウイルス及び宿主のタンパク質の残基を同定することもできる。
本発明の化合物の誘導体と使うために想定される検出可能標識としては、限定するものではないが、蛍光標識、化学発光標識、発色団、抗体、酵素マーカー、放射性同位体、アフィニティータグ及び光反応性基が挙げられる。
蛍光標識は蛍光を発する標識であり、異なる波長の光を吸収すると、ある波長の光を発する。蛍光標識としては、限定するものではないが、フルオレッセイン;Texas Red;アミノメチルクマリン;ローダミン色素(限定するものではないが、テトラメチルローダミン(TAMRA)が挙げられる);Alexa色素(限定するものではないが、Alexa Fluor(登録商標)555が挙げられる);シアニン色素(限定するものではないが、Cy3が挙げられる);ユーロピウム又はランタニド系列ベース蛍光分子などが挙げられる。
化学発光標識は、光を生じさせる化学反応を受けうる標識である。化学発光標識としては、限定するものではないが、ルミノール、ルシフェリン、ルシゲニン等が挙げられる。
発色団は、一定波長の可視光を選択的に吸収するが、他の光を透過又は反射し、それによって該発色団を含む化合物を色づかせる。発色団としては、限定するものではないが、天然及び合成色素が挙げられる。
抗体は、特異的抗原に応答して哺乳動物の免疫系内で産生されるタンパク質であり、当該抗原に特異的に結合する。本発明の検出可能標識として使うために想定される抗体としては、限定するものではないが、以下のものに対する抗体が挙げられる:ポリヒスチジンタグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、赤血球凝集素(HA)、FLAG(登録商標)エピトープタグ、Mycタグ、マルトース結合タンパク質(MBP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)など。
酵素マーカーは、その存在を該酵素の触媒活性に特異的なアッセイを利用して検出できる酵素である。本発明の検出可能標識として使うために想定される酵素マーカーとしては、限定するものではないが、ルシフェラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、β-ガラクトシダーゼ等が挙げられる。
放射性同位体は、放射性崩壊によって放射線を生じさせる原子の同位体である。放射性同位体としては、限定するものではないが、14C、3H、31P、121I、125Iなどが挙げられる。
アフィニティータグは、結合相手として本明細書で指定する別の成分に強い親和性のある標識である。該アフィニティータグを用いて結合相手との複合体を形成して、混合物から該複合体を選択的に検出又は分離することができる。アフィニティータグとしては、限定するものではないが、ビオチン又はその誘導体、ヒスチジンポリペプチド、ポリアルギニン、アミロース糖成分又は特異的抗体によって認識される限定エピトープが挙げられ;適切なエピトープとしては、限定するものではないが、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、赤血球凝集素(HA)、FLAG(登録商標)エピトープタグ、Mycタグ、マルトース結合タンパク質(MBP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)などが挙げられる。
さらに、プローブとして使用する本発明の化合物を、光で活性化すると不活性基からフリーラジカル等の反応性種に変換する光反応性基で標識することができる。誘導体がウイルス又は宿主のタンパク質の1つ以上の残基と共有結合を形成できるように該基を用いて誘導体を活性化することができる。光反応性基としては、限定するものではないが、ベンゾフェノン及びアジド基などの光親和性標識が挙げられる。
(方法論及び合成)
本発明の式(I)の化合物の合成は、下記スキームで概要を示す一般手順に従って都合良く達成される。スキーム中、c、X、Y、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は本明細書の定義どおりである。以下に示す具体例によって、当業者にはさらなる指導がもたらされる。
スキーム1:インヒビターの構築
Figure 0005269085
式中、R42、R43、R44、R45及びR46は、フェニル成分上の置換基であるか、或いは(R42とR43)、(R43とR44)、(R44とR45)又は(R45とR46)が炭素環又はヘテロ環を形成するように結合していてよく、Wはヨード、ブロモ、クロロ又はOTfであり、VはB(OH)2又はボロン酸エステル(例えばB(OCH3)2及びB(OC(CH3)2C(CH3)2O))、ヨード、SnR3(Rは(C1-6)アルキル)、ZnX(Xはハロ)であり、Pは保護基、例えばカルボン酸のために常用されている保護基(限定するものではないが、メチル又はエチルエステルが挙げられる)である。
当業者は、中間体(I)(すなわちチエノピリジン骨格)と中間体II(すなわちR4置換基)との間のいくつかのカップリング方法を検討することができる。例えば、限定するものではないが、上に示すように中間体IIのボロン酸又はボロン酸エステル誘導体と中間体Iのハロ又はトリフラート誘導体との間のSuzukiクロスカップリング、中間体I及びIIのヨード誘導体間の銅触媒Ullmannクロスカップリング、中間体IIのアリール亜鉛試薬と中間体Iのヨード若しくはトリフラート誘導体との間のNegishiクロスカップリング、及び中間体IIのアリールスズ試薬と中間体Iのブロモ若しくはヨード誘導体との間のStilleカップリングが、鹸化後、式(I)の本発明の化合物をもたらすことができる。
或いは、以下に示すようにカップリング相手を交換して、同じクロスカップリング方法を利用することができる。例えば、ボロン酸又はボロン酸エステル誘導体、チエノピリジン中間体IIIのアリール亜鉛試薬又はアリールスズ試薬及び中間体IVの必要なヨード、ブロモ、クロロ又はトリフラート誘導体の間のSuzuki、Negishi、及びStille型クロスカップリングも、鹸化後、式(I)の化合物をもたらすことができる。
Figure 0005269085
式中、R42、R43、R44、R45及びR46並びにPは前記定義どおりであり、Wはヨード、ブロモ、クロロ又はOTfであり、VはB(OH)2又はボロン酸エステル(例えばB(OCH3)2及びB(OC(CH3)2C(CH3)2O))、SnR3(Rは(C1-6)アルキル)、及びZnX(Xはハロ)である。
さらに、生成物への下流修飾、例えばSandmeyer反応若しくはアルキル化によるアニリン型アミンのクロロ若しくはブロモ置換基への変換、又は還元による脱ハロゲン化が考えられる。
スキーム2:チエノピリジン骨格の合成
Figure 0005269085
一般式Iの化合物への代替径路では、化合物Iaで例示するチオフェン(アミノ基及び保護されたカルボキシラートで1,2置換されている)がエチル-3-エトキシブタ-2-エノアートと縮合してイミンを与えてから環付加を受けてチエノピリジンIbを与える。当業者には、この縮合-環付加プロセスを達成するために非常に多数の可能な反応条件を使用できることが明らかであろう。次にPOCl3で処理してフェノール成分をクロロ基と交換し、該クロロを引き続きNaIの存在下で酸性条件下にてヨード基と交換してヨウ化アリールIdを与える。当業者は、フェノール官能性を、限定するものではないが、Cl、Br、I及びOTfなどのいくつかの異なる官能性に変換して、中間体IIへのアクセスを可能にすることができると気付くだろう。次にIdのエステル基を好ましくは、限定するものではないが、DIBALで処理して対応するベンジルアルコールに還元する。当業者は、この通例の変換を多くの反応条件下で達成できることを認めるだろう。アルコールIeのアルデヒドIfへの酸化後、TMSCNを添加してシアノヒドリン誘導体Igを与える。IeのIfへの酸化及びアルデヒドのIgへの変換は両方ともいくつかの異なる十分に先例のある合成工程で達成できることは明白であろう。好ましい実施形態では、DMSOの存在下でのSO3-ピリジン複合体を用いた処理による酸化後、TMSCNのヨウ化亜鉛媒介付加によってIeからIgを与える。Igの酸触媒メタノリシスがエステルIhを与える。次に二級アルコールをR3基で誘導体化して化合物Iiを得る。当業者は、限定するものではないが、アルケンへのSN1若しくはSN2反応又は酸触媒付加などのエーテル結合を構築するために使う当該方法を含めた非常に多数の方法でこれを達成できることを認めるだろう。メチルエステルの鹸化が酸Ijを与え、次にエナンチオピュアなキラル補助物質、例えばIkで誘導体化してジアステレオマーの混合物を与え、これを分離してImをもたらすことができる。当業者は、ラセミ酸Ijのジアステレオマー混合物への変換用の多くの異なるキラル補助物質が入手可能であることを認め、これが立体異性体の化学的分割の十分に先例のある方法であることは明らかであろう。好ましい実施形態では、酸Ijをその対応する酸塩化物への変換によって活性化してからイミドへin situ変換する。この特定の変換を種々の既知の方法で達成できることも明白であろう。既知の方法としては、限定するものではないが、同プロセスと当業者に既知の他の手段による酸Ijの活性化との連続バージョンが挙げられる。イミドImをそのジアステレオマーから分離したら、次に加水分解し、結果として生じるカルボキシラートを、好ましい実施形態では標準的な二工程プロセスでエステルIに変換する。
或いは、下記スキーム3に概要を示すように、このアプローチの変形を用いてチエノピリジン骨格を調製することもできる。
スキーム3:チエノピリジン骨格の代替合成
Figure 0005269085
この方法では、文献公知の標準的方法によって、正しく置換されたベンゾイルアセトニトリルをイオウの存在下で適切なケトン又はアルデヒドと縮合させることができる。当業者に既知の手順によるか又は以下の実施例で示すように、中間体IIIbと適切なα,γ-ジケトエステル試薬の縮合が式IIIcの中間体(式中、Pはエステル保護基、例えばメチル又はエチルである)を与える。当業者に既知の手順によるか又は以下の実施例で示すように、中間体IIIcの還元が式IIIdの中間体を与える。当業者に周知なように、文献公知の手順を用いて該エナンチオ選択的様式で還元を達成することができる。次に酢酸tert-ブチルを用いて二級アルコールをtert-ブチルエーテルに誘導体化する。当業者は、これを複数の方法、例えばイソブチレンへのSN1反応又は酸触媒付加で達成できることを認めるだろう。当業者に既知の手順によるか又は以下の実施例で示すように、中間体IIIeのエステル保護基の加水分解が式IIIfの化合物を与える。さらに、スキーム2で概要を示したエナンチオ選択的様式でチエノピリジン骨格にアクセスすることができる。
スキーム4:チエノピリジン骨格の代替合成
Figure 0005269085
一般式Iの化合物の代替径路では、既知アルデヒドVIaを末端アルキンVIbに変換する。当業者は、この変換を達成するためのいくつかの方法、例えば、限定するものではないが、Bestmann-Ohira反応又はCorey-Fuchs反応などがあることを認めるだろう。次に当業者に周知の条件を利用して、好ましくはアルキンとR4基のヨウ化アリール誘導体との間のSonogashiraカップリングを経てR4基をアルキンに結合して内部アルキンVIcを与える。他の方法としては、Zouと共同研究者ら(Tetrahedron Lett. 2003, 44, 8709-8711)によって報告されているように、アルキンVIbとR4フラグメントのボロン酸若しくはエステル誘導体との間のCastro-Stevens反応、又は銀媒介パラジウム触媒カップリングが挙げられる。次に内部アルキンVIcがアミドVIdによる環縮合を受けてチエノピリジンVIeを与える。当業者は、これがアミドVIdの活性化に関与して縮合全体を促進できることに気付くだろう。Movassaghi(J. Am. Chem. Soc., 129 (33), 10096-10097)に記載されているように、無水トリフル酸の添加によってかつ2-クロロピリジンの存在下でこれが優先的に達成されるが、他の方法でも達成することができる。アミドVIdは典型的に市販されているが、当業者は、市販のアニリン又はニトロアレン前駆物質から容易に得られることが分かるだろう。次に酸性条件下で環状ジケタールを加水分解してジオールVIfを与える。次に末端アルコールを保護してVIgを与える。式中、Pはいくつかの異なる保護基であってよく、限定するものではないが、トリメチルアセチル基が挙げられる。次に二級アルコールをtert-ブチル基で誘導体化して化合物VIhを与える。当業者は、これを複数の方法、例えばイソブチレンへのSN1反応又は酸触媒付加などで達成できることを認めるだろう。次に保護基を除去して一級アルコールVIjを与え、次いでカルボン酸VIkに酸化する。VIjのVIkへの酸化は1又は2つの合成工程で達成されることは明白であろう。好ましい方法では、中間体アルデヒドへのDess-Martin酸化後にLindgren酸化を使用する。
スキーム5:チエノピリジン骨格の代替合成
Figure 0005269085
一般式Iの化合物へのさらに別の経路では、ジオールVIIaを与えるための末端アルキンVIbの環状ジケタールの酸触媒加水分解で始まる進路に従って中間体VIhの合成を達成することもできる。次に、末端アルコールを保護してVIIbを与える。式中、Pはいくつかの異なる保護基であってよく、限定するものではないが、トリメチルアセチル基が挙げられる。二級アルコールを次にtert-ブチル基で誘導体化して化合物VIIcを与える。当業者は、これを複数の方法、例えばイソブチレンへのSN1反応又は酸触媒付加などで達成できることを認めるだろう。次に、当業者に周知の条件を用いて、優先的にはアルキンとR4基のヨウ化アリール誘導体との間のSonogashiraカップリングを経て、R4基をアルキンに結合して、内部アルキンVIIdを与える。次に内部アルキンVIIdがアミドVIdによる環縮合を受けてキノリンVIhを与える。これは、スキーム4の工程3で述べたように優先的には無水トリフル酸の作用によってかつ2-クロロピリジンの存在下で達成される。中間体VIhから、次にスキーム4の工程7及び8に従って一般式(I)の本発明の化合物の合成が達成される。
本発明の原理を例として示す以下の非限定例から、本発明の他の特徴が明らかになるだろう。当業者には、以下に例示する手順を適宜変更して用いて本明細書に記載の本発明の他の化合物を調製できることが明白であろう。
当業者には周知なように、反応化合物を空気又は水分から保護する必要がある場合には不活性雰囲気(限定するものではないが、窒素又はアルゴンなど)内で反応を行う。摂氏(℃)で温度を与える。溶液のパーセンテージ及び比は、特に断らない限り、体積-体積関係を表す。W.C. Still et al., J. Org. Chem., (1978), 43, 2923の手順に従い、シリカゲル(SiO2)上でフラッシュクロマトグラフィーを行う。エレクトロスプレー質量分析法を利用して質量スペクトル分析を記録する。
Teledyne Isco Incから購入したCombiFlash(登録商標)Companion装置を利用し、プレパックドシリカゲルカートリッジ及び溶媒としてEtOAcとヘキサンを用いて、いくつかの中間体及び最終生成物を精製する。これらのカートリッジは、Silicycle Inc(SiliaFlash、40〜63μmシリカ)又はTeledyne Isco(RediSep、40〜63μmシリカ)から入手可能である。SunFireTM Prep C18 OBD 5μM逆相カラム,19×50mm及び溶媒として0.1%TFA/アセトニトリルと0.1%TFA/水を用いる線形勾配を利用して標準条件下で分取HPLCを行う。適用できる場合は化合物をTFA塩として単離する。
Combiscreen ODS-AQ C18逆相カラム,YMC,50×4.6mm内径,5μM,120Å(220nMで)、下表に示す線形勾配を用いた溶出(溶媒AはH2O中0.06%TFA;溶媒BはCH3CN中0.06%TFA)を利用して標準条件下で分析HPLCを行う。
Figure 0005269085
本明細書で使用する略語及び記号には以下のものが挙げられる。
Ac:アセチル;
AcOH:酢酸;
Ac2O:無水酢酸;
BOC又はBoc:tert-ブチルオキシカルボニル;
Bu:ブチル;
CD:円二色性;
DABCO:1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン;
DCE:ジクロロエタン;
DCM:ジクロロメタン;
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル;
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル;
DIBAL:水素化ジイソブチルアルミニウム;
DMAP:N,N-ジメチル-4-アミノピリジン;
DME:1,2-ジメトキシエタン;
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
Dppf:1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;
EC50:50%有効濃度;
Eq:当量;
Et:エチル;
Et3N:トリエチルアミン;
Et2O:ジエチルエーテル;
EtOAc:酢酸エチル;
EtOH:エタノール;
HPLC:高速液体クロマトグラフィー;
IC50:50%阻害濃度;
iPr又はi-Pr:1-メチルエチル(イソプロピル);
LiHMDS:リチウムヘキサメチルジシラジド;
Me:メチル;
MeCN:アセトニトリル;
MeOH:メタノール;
MOI:感染多重度;
MS:質量分析(ES:エレクトロスプレー);
n-BuONa:ナトリウムn-ブトキシド
n-BuOH:n-ブタノール;
n-BuLi:n-ブチルリチウム;
NMR:核磁気共鳴分光法;
ORD:旋光分散;
Ph:フェニル;
PhMe:トルエン;
PG:保護基;
Pr:プロピル;
RPMI:Roswell Park Memorial Institute(細胞培養液);
RT:室温(約18℃〜25℃);
SM:出発原料;
tert-ブチル又はt-ブチル:1,1-ジメチルエチル;
Tf:トリフルオロメタンスルホニル;
Tf2O:トリフルオロメタンスルホン酸無水物;
TFA:トリフルオロ酢酸;
THF:テトラヒドロフラン;
TLC:薄層クロマトグラフィー;
TsOH:p-トルエンスルホン酸;及び
TMSCN:トリメチルシリルシアニド。
実施例1:チエノピリジン骨格IAの合成
Figure 0005269085
工程1:
チオフェン1a(11.2g,65.3mmol)を乾燥キシレン(250mL)に溶解後、エチル-3-エトキシブタ-2-エノアート(10.84g,68.5mmol)と触媒TsOH(30mg,0.16mmol)で処理する。結果として生じる溶液をDean-Starkカラムと冷却器を備えた還流装置(浴温:158℃)で加熱してエタノールを収集する。約5時間後、溶液を冷却し(冷水浴)、滴下ロートに移してから、エタノール中のナトリウムエトキシド撹拌溶液(エタノール中NaOEtの21%wt溶液,25.6mL(68.5mmol,150mLの無水エタノールで希釈した))に(約15分かけて)滴下する。結果として生じる溶液を窒素雰囲気下で加熱して還流させる。約16時間後、減圧下でエタノールとキシレンを除去して黄土色の半固体を得る。この物質を水(500mL)に溶解/懸濁させてエチルエーテル(2×500mL)で洗浄する。水相を分離し、0℃に冷却し、迅速に撹拌しながら1N HCl(約65mL)で緩徐に酸性にしてpHを約4にする。結果として生じる沈殿物をろ過し、希HCl(pH 4,50mL)で洗浄し、空気乾燥させて橙色粉末1b(11.85g,収率72%)を得、そのまま次工程で使用する。
工程2:
チエノピリジン1b(11.85g,47.15mmol)をPOCl3(100mL)に懸濁させて混合物を100℃に20分間加熱した後、真空下で濃縮する。残留物をEtOAcで希釈し、NaHCO3飽和水溶液、水、及び食塩水で洗浄した後、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮する。粗生成物をヘキサン/EtOAc(8/2)を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して4-クロロ類似体1cを黄色油として得る(10.50g,収率82.5%)。
工程3:
THF(100mL)中の4-クロロ類似体1c(10.5g,38.9mmol)の溶液にRTで、ジオキサン中4MのHCl(97mL,389mmol)をゆっくり加える。結果として生じる混合物をRTで約10分間撹拌した後、溶媒を蒸発させる。沈殿物をCH3CN(300mL)に懸濁させ、NaI(46.7g,311mmol)で処理する。結果として生じる混合物を還流温度で約16時間加熱する。次に混合物を濃縮した後、EtOAc(300mL)に溶かしてから1.0N NaOH(100mL)、水(2×)、10%のNa2S2O3(2×)、水及び最後に飽和食塩水で洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮して黄色固体1dを得る(12.88g,収率91.6%)。
工程4:
DCM(100ml)中の4-ヨード中間体1d(12.88g,35.66mmol)の溶液に-78℃にて約5分かけてDIBAL/DCM溶液(DCM中1M,82mL,82mmol)を滴下する。結果として生じる溶液を約1.5時間撹拌してから0℃で約30分間撹拌する。反応に100mlの1N HClをゆっくり添加してクエンチし、結果として生じる混合物を約1時間撹拌する。混合物をDCMで抽出し、混ぜ合わせた有機抽出液をロッシェル溶液(Rochelle's solution)、水、及び食塩水で洗浄した後、乾燥させる(MgSO4)。有機相をろ過し、真空下で濃縮して淡いベージュ色の固体1eを得る(10g,収率88%)。
工程5:
DMSO(50mL)中のアルコール1e(10.05g,31.5mmol)の冷(15℃)溶液にEt3N(13.2ml,94.5mmol)を添加後、Py.SO3複合体(12.5g,78.7mmol)を加えた。反応混合物をRTで1時間撹拌してから水(200mL)中に注いだ。混合物をろ過し、真空下で乾燥させて化合物1f(8.8g,収率88%)をオフホワイトの固体として得た。
工程6:
DCM(150mL)中のアルデヒド1f(8.8g,27.8mmol)の冷却(0℃)混合物にZnI2(4.43g,13.9mmol)を添加後、TMSCN(11.1mL,83.3mmol)を加える。反応混合物をRTで約1時間撹拌し、DCM(150mL)で希釈し、水(200mL)でクエンチする。水相をDCMで抽出し、混ぜ合わせた有機抽出液を水と食塩水で洗浄後、乾燥させ(MgSO4)、ろ過する。抽出液を真空下で濃縮して化合物1gをオフホワイトの固体として得る(11.02g,収率95%)。
工程7:
濃H2SO4(20mL,375mmol)を慎重に冷却(0℃)MeOH(104mL)に加え、結果として生じる温溶液を次に、TMS保護されたシアノヒドリン1g(5.52g,13.7mmol)に加える。反応混合物を100℃で約5時間撹拌し、0℃に冷却し、水(200mL)で希釈し、固体NaOHを用いて中和する。結果として生じる沈殿物をろ過し、真空下で一晩乾燥させて化合物1hをオフホワイトの固体として得る(7.97g,収率85%)。
工程8:
酢酸tert-ブチル(100mL)中αヒドロキシエステル1h(7.97g,21.1mmol)の混合物にRTで過塩素酸(70%,3.33mL,23.2mmol)を加える。結果として生じる溶液をRTで約4時間撹拌する。NaHCO3飽和溶液をpHが約8になるまで添加してから溶液をDCM(3×)で抽出し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮する。残留物をヘキサン/EtOAc(8/2)を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物1i(7.34g,収率80%)を白色固体として得る。
工程9:
THF(150mL)とMeOH(75mL)中のt-ブチルエーテル1i(5.34g,12.3mmol)の溶液にRTで5NのNaOH(12.3mL,61.6mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌する。次に混合物を1.0N HCl(水溶液)で処理して(混合物をわずかに酸性にし)、混合物をDCMで抽出する。混ぜ合わせた抽出液を水、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮する。粗生成物1jをそのまま次反応で使用する(5.1g,収率98%)。
工程10:
酸1j(5.1g)を無水DCM(100mL)に℃で溶かした後、無水DMF(50μL)を加える。この溶液に、塩化オキサリル(1.62 mL,17mmol)をゆっくり加える。溶液をRTに戻し、約20分後に反応混合物を濃縮して泡沫状固体を得、次工程で直接使用する。
75mLの無水THF中のR-(+)-4-ベンジル-2-オキサゾリジノン(6.46g,36.4mmol)の溶液を-78℃に冷却してからn-BuLi(ヘキサン中2.5M,13.6mL,34mmol)を滴下した。結果として生じる溶液を約20分間撹拌した後、THF(75mL)中の酸塩化物(上で調製した)で処理する。混合物を-78℃で約15分間撹拌してからゆっくりRTに戻してからさらに約30分間撹拌する。反応混合物をNH4Cl飽和溶液、次いで水でクエンチする。混合物をDCM(3×)で抽出し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮する。ジアステレオ異性体の混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーでベンゼン/EtOAc(95/5)を用いて分離して所望化合物1k(2.99g,収率43%,2回目の溶出)とジアステレオマー(2.88g,収率41%,1回目の溶出)を得る。
工程11:
THF(50mL)/水(15mL)中の化合物1k(2.99g,5.18mmol)溶液に0℃で、水(10mL)中で前もって混合したH2O2(1.6mL,15.5mmol)/LiOH-H2O(261mg,6.21mmol)を加えた。反応を0℃で約20分間撹拌する。反応混合物を0℃にて飽和Na2SO3(10mL)でクエンチし、約10分間撹拌する。1N HCl(水溶液)を用いてpHを約4〜5に調整した後、DCM(3×)で抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮する。粗生成物をEtOAc(100mL)で希釈し、RTにてジアゾメタン/エーテル溶液でエステルに完全に変換するまで処理する。反応混合物をシリカゲルでクエンチしてから慎重に真空下で濃縮する。この物質をドライ充填してフラッシュカラムクロマトグラフィーでDCM/アセトン(9/1)を用いて精製して重要なチエノピリジンフラグメントIAを白色固体として得る(2.13g,収率95%)。
実施例2:チエノピリジン骨格IBの合成
市販のチオフェン2aから出発し、実施例1と同じ合成手順を利用して重要なチエノピリジンフラグメントIBを調製した。
Figure 0005269085
実施例3:フラグメント3fの合成
Figure 0005269085
工程1:
アルデヒド3a(5.85g,28.6mmol,調製については、参照によってその内容を本明細書に引用したものとする下記文献を参照されたい:Michel, P. and Ley, S. V. Synthesis 2003, 10, 1598-1602)、ホスホナート3b(6.6g,34mmol)及びK2CO3(8.8g,64mmol)をMeOH(125mL)中で混合し、反応をRTで一晩撹拌する。反応をほぼ乾固するまでエバポレートし、残留物をH2O(250mL)とEtOAc(500mL)に分配する。水層をEtOAc(2×250mL)で洗浄し、混ぜ合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮してアルキン3c(5.55g,収率97%)を得る。
工程2:
アルキン3c(5.0g,25mmol)をTFA(35mL)と水(3.6mL)に溶かして溶液をRTで撹拌する。約30分後、反応を減圧下で濃縮し、残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してジオール3d(1.8g,収率84%)を得る。
工程3:
DCM(80mL)中のジオール3d(1.2g,14mmol)とトリエチルアミン(1.7mL,12mmol)の溶液をN2下で0℃に冷却する。トリメチルアセチルクロリドを滴下し、結果として生じる混合物をRTに戻して一晩撹拌する。次に反応をMeOH(100mL)でクエンチし、撹拌を約20分間続ける。次に混合物を減圧下で濃縮し、残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製して所望のモノエステル3e(550mg,収率40%)を望ましくない位置異性体のモノエステル(378mg,収率27%)と共に得る。
工程4:
封止可能な反応フラスコ内で、ヘキサン(3mL)中のプロパルギルアルコール3e(375mg,2.20mmol)とAmberlyst(登録商標)H-15樹脂(150mg)の溶液を-78℃に冷却する。次に溶液全体にイソブテンを体積が約2倍になるまで泡立てる。次に封管し、RTに戻して一晩撹拌する。次に管を-78℃に冷却し、開管してRTに戻す。次に混合物をSiO2栓でろ過(EtOAc洗浄)し、減圧下で濃縮し純粋なtert-ブチルエーテル3f(390mg,収率78%)を得る。
実施例4:ボロナートフラグメント4f(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を与えることができる)の合成
Figure 0005269085
工程1:
ニトロベンゼン(12mL)中の4a(6g,37mmol)の溶液に、クロロアセチルクロリド(4.6mL,57.5mmol)を添加後、AlCl3(20.4g,152mmol)を加える。AlCl3を添加すると、混合物が粘性になり、ガス発生が観察される。結果として生じる褐色のシロップ状の混合物をRTで一晩撹拌する(参考文献:Y. Takeuchi et.al., Chem.Pharm.Bull. 1997, 45(12), 2011-2015)。濃厚反応混合物を冷却し、氷水を一度に数滴非常に注意深く加える(発熱性)。ガス発生及び発泡が鎮静したら、冷却水をさらに添加後、EtOAcを加える。混合物を約5分間撹拌し、生成物をEtOAc(3×)で抽出する。混ぜ合わせた有機層を食塩水(1×)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して淡黄色固体として未環化クロロケトン(24gの粗生成物;いくらかのニトロベンゼンが混入している)を得る。この中間体を次にEtOH(100mL)に取り、NaOAcを加え(20.4g,248mmol)、反応を約40分間還流させる。EtOHを蒸発させ、残留物をEtOAc(約300mL)に取り、5%K2CO3(2×200mL)で洗浄してから水層をHCl水溶液で酸性にする(1N;pH約5)。この酸性層をEtOAc(2×250mL)で抽出し、食塩水(1×)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して粗生成物を得る。この物質をCombiFlash(登録商標)Companion(120g)で精製して中間体4bを黄色固体(4.7g)として得る。
工程2:
ケトン4b(127mg,0.64mmol)をEtOH(2mL)に溶かし、ヒドラジン水和物(500μL,16mmol)で処理する。混合物を加熱して約45分間還流させた後、RTに戻す。蒸発によって溶媒を除去し、残留物をジエチレングリコール(1mL)に溶解後、KOH(108mg,1.92mmol)で処理してから約2.5時間110〜120℃に加熱する。反応混合物をEtOAcで希釈し、1N HClでpHを調整してpH<4とする。有機相を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製物質をCombiFlash(登録商標)Companionで精製して(溶離剤:0〜50%EtOAc/ヘキサン)中間体4cを黄色油として得る(62mg)。
工程3:
DCM(2mL)中の4c(61mg,0.33mmol)の溶液を-78℃に冷却してからBBr3(DCM中1M,825μL,0.82mmol)で処理する。約15分後、浴を除去して反応をRTに戻す。次に反応を約1.5時間撹拌する。反応を0℃に冷却後、慎重に水を滴下してクエンチする。混合物を飽和NaHCO3で処理し(約8のpHを得)、相を分ける。有機相を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companion(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)で精製して中間体4dを無色油として得、静置すると凝固する(40mg,収率71%)。
工程4:
フェノール4d(40mg,0.23mmol)をDCM(2mL)に溶かし、0℃に冷却し、ピリジン(95μL,1.17mmol)、次にTf2O(44μL,0.26mmol)で処理する。反応をこの温度で約10分間撹拌した後、約1時間かけてRTに戻す。反応混合物をDCMで希釈し、有機相を10%クエン酸で洗浄してから食塩水で洗浄する。有機相を無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、CombiFlash(登録商標)Companionで精製(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)して4eを黄色油として得る(67mg,収率94%)。
工程5:
DMF(2mL)中のトリフラート4e(66mg,0.22mmol)の溶液に、ビスピナコラトジボラン(72mg,0.28mmol)と酢酸カリウム(64mg,0.65mmol)を加える。この溶液を約10分間(Arを泡立てて)脱気した後PdCl2(dppf)-CH2Cl2(27mg,0.03mmol)を加える。混合物をさらに5分間脱気した後、90℃に約16時間加熱する。混合物をRTに冷ましてEtOAc/水で希釈する。有機相を飽和食塩水(3×)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製物質をCombiFlash(登録商標)Companion(ヘキサン中0〜70%のEtOAc)で精製してボロナート4fを白色固体として得る(41mg,収率67%)。
実施例5:ボロナートフラグメント5fの合成(1037、1041、1042、2020、2021の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
ニトロフェノール5a(5.23g,34.1mmol)を酢酸(20mL)に溶かして溶液を氷浴で冷却する。撹拌しながら臭素(1.75mL,34.15mmol,5mLの酢酸に溶解)を滴下する。混合物を0℃で約1時間撹拌後、氷水(250mL)中に注ぐ。混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出してから5%NaHCO3で洗浄(2×50mL)した後、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して所望の粗生成物5bを橙色固体として得る(8.2g,定量的収率)。この物質をさらに精製せずに次工程で使用する。
工程2:
5b(8.1g,34.9mmol)の十分に撹拌したエタノール溶液(75mL)にSnCl2(20g,105mmol)を加える。反応混合物を還流温度で約2.5時間撹拌する。当該時間後、変換が未完了なので、さらにSnCl2(2g,10mmol)を加える。約1時間還流を続けた後、RTに冷ます。混合物を250gの氷上に注ぎ、5%NaHCO3水溶液でpHを約7.5に調整する。生成物をEtOAc(3×100mL)で抽出した後、飽和食塩水(2×100mL)で洗浄する。有機相を無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮乾固させてアニリン中間体5cを灰色固体として得る(8.25g,収率約100%)(この物質はいくらかスズ残渣を含むが、そのまま次工程で使用する)。
工程3:
炭酸カリウム(2.05g,14.8mmol)とアニリン5c(750mg,3.71mmol)の窒素下で撹拌している氷冷DMF(5mL)懸濁液に、クロロアセチルクロリド(355μL,4.45mmol)を滴下する。混合物を約15分かけてRTに戻してから約60℃に約1時間加熱する。混合物をRTに戻し、氷/水の混合物(250mL)中に注いで約15分間撹拌する。懸濁液を遠心分離し、上澄みを捨てる。固形物質を吸引下で一晩乾燥させて中間体5d(280mg,収率31%)を得る。
工程4:
環状アミド5d(280mg,1.16mmol)の窒素下の氷冷THF(6mL)溶液にボラン-THF溶液(THF中1M,1.74mL,1.74mmol)をゆっくり加える。反応混合物をゆっくりRTに戻してからRTで約1.5時間撹拌し、次に穏やかに加熱して約1時間還流させて変換を完了させる。混合物を氷浴で冷却し、1M NaOH水溶液(4mL)で約10分かけて慎重にクエンチする。反応混合物をEtOAc(150mL)と水(25mL)に分配する。有機層を1N NaOH水溶液(20mL)と食塩水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して粗生成物5eを琥珀色油として得る(212mg,収率81%)。この生成物をそのまま次の変換のために使用する。
工程5:
臭化アリール5e(0.50g,2.19mmol)、酢酸カリウム(0.728g,7.67mmol)及びビス(ピナコラト)ジボラン(0.83g,3.3mmol)のよく撹拌したDMF(15mL)溶液を、約20分間溶液全体にArを泡立てることによって脱気する。PdCl2(dppf)-DCM(320mg,0.44mmol)を加え、約15分間脱気を続ける。この系をAr下で封止(テフロン(登録商標)ねじ蓋容器)し、約90℃に約5時間加熱する。反応混合物をRTに冷まし、EtOAc(150mL)で希釈し、食塩水(3×100mL)及び水(2×100mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。残留物をCombiFlash(登録商標)Companion(EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のボロナート5f(389mg,収率65%)を黄色がかった蝋様固体として得る。
実施例6:ボロナートフラグメント6iの合成(1027、1028、2007、2008の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
水素化ナトリウム(60%,7.78g,194mmol)を、THF(100mL)中の6a(12.5g,97mmol)のよく撹拌した懸濁液に加える。反応混合物を約1時間撹拌後、N,N-ジエチルカルバモイルクロリド(24.64mL,194mmol)をRTで加える。反応を一晩撹拌後、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下でエバポレートして6b(33g,収率75%)を高純度で得る。
工程2:
THF(330mL)中のジイソプロピルアミン(21.0mL,121mmol)を0℃にてn-BuLiの溶液(ヘキサン中2.5M,48.2mL,121mmol)で処理する。この温度で30分後、溶液を-78℃に冷却し、カルバマート6b(33.29g,109.7mmol,純度75%)を加える。反応をこの温度で約30分間撹拌してからヨウ素(33.4g,132mmol)を加える。溶液を約30分間0℃で撹拌してからRTに温める。約2時間後、反応混合物を水(250mL)でクエンチし、揮発性有機溶媒を減圧下で除去する。次に水相をEtOAc(3×100mL)で抽出し、1N HCl(1×200mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下でエバポレートして6c(18.6g,収率39%)を得る。
工程3:
封止可能な管内でAr下にてジイソプロピルアミン(39mL,39mmol)中ヨードカルバマート6c(10g,28mmol)、プロパルギルアルコール(3.3mL,56mmol)、Pd(PPh3)4(3.27g,2.83mmol)及びヨウ化銅(1.08g,5.66mmol)を混合して100℃で加熱する。約1時間後、反応をRTに冷ましてEtOAc(100mL)中に注ぎ、この混合物を10%HCl(2×100mL)で抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアルコール6dを得る(3.65g,収率46%)。
工程4:
アルキン6d(3.63g,12.9mmol)をEtOAc(81mL)に溶かしてRh-Al2O3(5%w/w,3.45g,1.68mmol)で処理する。フラスコを排気して1気圧のH2(バルーン)で満たし、反応をRTで一晩撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)(EtOAc洗浄)でろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。次に残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアルコール6e(3.7g,収率71%)を得る。
工程5:
固体NaOH(920mg,23mmol)をEtOH(93mL)中のカルバマート6e(2.63g,9.20mmoL)の溶液に加え、混合物を加熱して還流させ、一晩撹拌する。次に混合物をRTに冷まし、減圧下で有機溶媒を除去する。水を添加して(100mL)混合物をEt2O(3×100mL)で抽出し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下でエバポレートしてフェノール6f(869mg,収率51%)を得る。
工程6:
THF(65mL)中のフェノール6f(869mg,4.66mmol)とPPh3(1.59g,6.05mmol)の溶液にアゾジカルボン酸ジエチル(953μL,6.05mmol)を滴下し、反応をRTで撹拌する。約4時間後、反応混合物を減圧下でエバポレートする。次に残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してクロマン中間体6g(387mg,収率49%)を得る。
工程7:
MeOH(23mL)中のクロマン6g(387mg,2.29mmol)とAgNO3(429mg,2.52mmol)の溶液にヨウ素(583mg,2.30mmol)を加える。20分後、チオ硫酸ナトリウムの0.5M溶液(10mL)を加えて水相をEtOAc(3×25mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機相を食塩水で洗浄してから乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつエバポレートしてヨウ化アリール6h(647mg,収率96%)を得る。
工程8:
DMF(17mL)中のヨード中間体6h(647mg,2.20mmol)、ビス(ピノコラト)ジボラン(0.725g,2.86mmol)及び酢酸カリウム(0.626g,6.59mmol)の溶液を約10分間Arで脱気する。次にPdCl2(dppf)-DCM複合体(179mg,0.22mmol)を加えて混合物をArでさらに約5分間脱気する。次に、封止可能な管内で反応を95℃に加熱し、一晩撹拌する。反応をRTに冷ましてEtOAc(100mL)を加える。溶液を食塩水(3×150mL)、水(1×150mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を除去する。残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してボロン酸エステル6iを得る(260mg,収率40%)。
実施例7:ボロナートフラグメント7dの合成(1038、1039、1043、1044、2026、2027の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
10〜15℃に冷却した(冷水浴)乾燥DMF(1mL)中NaHのスラリー(油中60%,0.60g,15mmol)に乾燥DMF(1mL)中のフェノール7a(0.91g,5.74mmol)の溶液を滴下し、混合物を約20分間撹拌する。この結果濃厚な泡状の白色混合物になる。次に乾燥DMF(0.5mL)中の3-ブロモプロピオン酸(1.1g,6.9mmol)の溶液を滴下し、反応をRTで一晩撹拌する。約16時間後、メタノール(1.2mL)を加えて濃厚なペースト状の反応混合物を分解するのを助けてから希HCl(約12mL;100mLの水中1NのHCl)に加えてEtOAc(80mL;水相のpHをpH<3に調整)で抽出する。有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、エバポレートしていくらか未反応SM(1.29gの粗製物質)が混入している白色固体物質として7bを得る。この物質を精製せずに次工程で使用する。
工程2:
粗製化合物7b(1.53g,6.63mmol)をポリリン酸(約7g)と混合し、75℃に加熱してサクランボ赤色溶液を得る。反応時間中、反応混合物は粘性になり、撹拌が困難になる。約4時間後、迅速に撹拌しながら、氷と水をゆっくり加えて濃厚懸濁液を得る。この混合物を分液ロートに移し、生成物をEtOAc(100mL)で抽出して水(100mL)、飽和NaHCO3(2×100mL)及び食塩水(75mL)で洗浄する。有機相を無水MgSO4上で乾燥させ、エバポレートして粘着性の青紫色固体7cを得、そのまま使用する(化合物1.29g粗製)。
工程3:
中間体7cは実施例4の中間体4bと類似する;当業者は、4bをボロナート4fに変換するために用いたのと同じ合成方法論を7cの対応するボロナート7dへの変換に適用できることに気付くだろう。
実施例8:ボロナートフラグメント8hの合成チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を与えうる
Figure 0005269085
工程1:
2-アミノ-m-クレゾール8a(5.7g,46.3mmol)をH2O(30mL)と1,4-ジオキサン(15mL)に溶かす。混合物を還流温度に加熱してからHBr(48%,17mL,310mmol)を約20分かけて滴下する。添加完了後、還流をさらに約15分間維持する。反応を0℃に冷却し、H2O(20mL)中のNaNO2を約30分かけて加える。撹拌を約15分間0℃で続けてから混合物を、H2O(20mL)中のCu(I)Br(7.64g,53.2mmol)とHBr(48%,17mL,310mmol)の0℃で撹拌している混合物(光から保護)に一気に移す。反応を0℃で約15分間撹拌し、60℃に加温し、さらに15分間撹拌し、RTに冷ましてから一晩撹拌する。次に反応混合物を分液ロートに移してEtOAc(3×)で抽出する。有機層を混ぜ合わせ、食塩水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、シリカ上で濃縮して混合物を得、CombiFlash(登録商標)Companion(20%EtOAc/ヘキサン)を用いて精製して所望ブロミド8b(1.46g,収率17%)を赤褐色油として得る。
工程2:
DMF(12mL)中のブロミド8b(1.36g,7.27mmol)と(PPh3)2PdCl2(766mg,1.09mmol)の溶液に1-エトキシビニル-トリ-n-ブチルスズ(2.7mL,8.0mmol)を加える。混合物に蓋をしてマイクロ波内で160℃にて15分間加熱する。HPLC及びLC-MS分析は約70%の変換を示す。さらに1-エトキシビニル-トリ-n-ブチルスズ(2.7mL,8.0mmol)及び触媒(PPh3)2PdCl2(380mg,0.05mol%)を加えて溶液を再び同じマイクロ波条件に供する。反応を6N HCl(1.5mL)でクエンチし、RTで約1時間撹拌して中間体の加水分解を起こさせる。混合物をEtOAc(150mL)中に注ぎ、食塩水(3×)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、シリカ上で濃縮して混合物を得、CombiFlash(登録商標)Companionを用いて精製して所望ケトン8c(947mg,収率87%)を橙色油として得る。
工程3:
メチルケトン8c(1.02g,6.8mmol)をEtOAc(15mL)及びCHCl3(15mL)に溶かした後にCu(II)Br2(3.03g,13.6mmol)で処理する。混合物を加熱して約16時間還流させる。混合物をRTに冷まし、生成物をろ過し、EtOAc(1×)で洗浄する。溶液をシリカ上で濃縮して得た混合物をCombiFlash(登録商標)Companion(10%EtOAc/ヘキサン)を用いて精製してα-ブロモケトン8d(710mg,収率46%)を橙色油として得る。この物質を精製せずにそのまま次工程で使用する。
工程4:
無水DMF(12mL)中のブロモケトン8d(710mg,3.1mmol)の溶液に、KF(400mg,6.95mmol)を加える。反応をRTで約16時間撹拌する。混合物をEtOAc(150mL)に取り、食塩水(3×)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、シリカ上で濃縮して得た混合物をCombiFlash(登録商標)Companion(20%EtOAc/ヘキサン)で精製して環状ケトン8e(280mg,収率61%)を淡橙色固体として得る。
工程5:
Zn粉末の前活性化手順:亜鉛粉末(20g,350メッシュ)を丸底フラスコに入れて1N HCl(50mL)を加える。この懸濁液を約1分間超音波処理後、デカントして液体を除く。この手順を2回繰り返した後に固体をEtOH(2×)、Et2O(2×)で洗浄し、高真空下で乾燥させる。AcOH(10mL)中のケトン8e(280mg,1.89mmol)の溶液に前活性化Zn粉末(1.24g,18.9mmol)を加える。次に反応混合物を75℃に約2時間加熱する。反応混合物をろ過(固体のEtOAc洗浄)する。シリカ上で溶媒を蒸発させて混合物を直接CombiFlash(登録商標)Companion(10%EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のジヒドロベンゾフラン8f(174mg,収率69%)を無色油として得る。
工程6:
MeOH(5mL)中のジヒドロベンゾフラン8f(240mg,1.8mmol)の溶液にAgNO3(304mg,1.79mmol)を添加後、ヨウ素(453mg,1.79mmol)を加える。黄色混合物をRTで約1時間撹拌する。反応混合物に10%Na2S2O3溶液を加え、混合物を約15分間RTで撹拌する。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、有機層を食塩水(3×)及び10%Na2S2O3(2×)で洗浄する。有機相を無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、シリカ上で濃縮して混合物を得る。この混合物をCombiFlash(登録商標)Companion(10%EtOAc/ヘキサン)で精製してヨード誘導体8g(400mg,収率86%)を白色の非晶質固体として得る。
工程7:
DMF(20mL)中のヨード誘導体8g(400mg,1.54mmol)、ビス(ピノコラト)ジボラン(585mg,2.31mmol)、酢酸カリウム(511mg,5.4mmol)の混合物を脱酸素(Arバルーン及び約5分間の超音波処理)してから、さらに脱気しながら(Arバルーン及び約2分間の超音波処理)、触媒(PdCl2dppf,188mg,0.23mmol)を加える。次に混合物を約95℃に約4時間加熱する。混合物を冷まし、EtOAc(200mL)を加え、食塩水(3×)、水(2×)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、シリカ上で溶媒を蒸発させて得た混合物をCombiFlash(登録商標)Companion(10%EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のボロナート8h(315mg,収率79%)を黄色油として得る。
実施例9:ボロナートフラグメント9bの合成(1053、1054の調製のために使用)
Figure 0005269085
ブロミド9a(5.00g,22.2mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.48g,33.4mmol)及び酢酸カリウム(6.35g,66.8mmol)を詰めたフラスコに無水DMF(60mL)を加え、結果として生じる懸濁液を、該混合物全体にN2ガス流を約45分間泡立てることによって脱酸素する。次に1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(2.73g,3.34mmol)を加え、さらに約5分間混合物を脱酸素してから95℃に加熱する。約16時間後、暗反応混合物を冷まし、EtOAc(500mL及び300mL)で抽出し、1:1水/食塩水(600mL)と食塩水(600mL)で洗浄する。混ぜ合わせた抽出液を無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして黒色シロップを得、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、<25%のジボロン試薬が混入したボロナート9bを白色固体として得る(4.24g,収率62%)。
実施例10:ボロナートフラグメント10gの合成(1045、1046、1051、1052、2024、2025の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
2-クロロ-6-フルオロニトロベンゼン10a(6.62g,37.7mmol)及びLiOH一水和物(6.33g,151mmol)をTHF(45mL)と水(65mL)に溶かし、H2O2水溶液(30%,8.60mL,80.0mmol)を加える。結果として生じる混濁溶液を封止し、迅速に撹拌しながら60℃に加熱する。約3日後、暗橙色混合物を冷ましてチオ硫酸ナトリウム半飽和水溶液(200mL)に加え、分液ロート内で激しく振り混ぜる。次に1N HClで混合物を酸性にしてpH<3とし、EtOAc(400mL+100mL)で抽出し、食塩水(400mL)で洗浄する。混ぜ合わせた抽出液をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして、いくらかの固体粒子(残存出発原料)を含む深黄色油として10bを得(アミノフェノール、そのまま使用する(6.37g,収率97%)。
工程2:
粗製アミノフェノール10b(6.37g.36.7mmol)をTHF(100mL)に溶かし、スズ粉末(17.4g,147mmol)を添加後、1N HCl(220mL,220mmol)を加える。結果として生じる混合物をRTで激しく撹拌する。16時間後、反応を0℃に冷却し、酸を10N NaOH(22mL)で中和し、結果として生じる乳白色懸濁液を約15分間激しく撹拌する。次に混合物をCelite(登録商標)パッドでろ過し、固体をEtOAc(4×200mL)で徹底的に洗浄する。ろ液を分液ロートに移し、水相を1N HCl(4mL)で酸性にし、食塩水(400mL)で希釈し、有機相を食塩水(400mL)で洗浄する。次に抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてアミノフェノール10cを蝋様の淡褐色固体として得る(2.91g,収率55%)。
工程3:
N2雰囲気下の無水DMF(200mL)中のアミノフェノール10c(2.91g,20.3mmol)と炭酸カリウム(8.40g,60.8mmol)の氷冷混合物にクロロアセチルクロリド(1.94mL,24.3mmol)を加える。5分後、反応をRTに戻して、さらに45分後、50℃に加熱する。約15時間後、反応を冷ましてEtOAc(600mL)で抽出し、水/食塩水(1L)、半飽和炭酸水素ナトリウム(1L)及び食塩水(600mL)で洗浄する。次に有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてラクタム10dを繊維状の淡オリーブ色固体(3.15g,収率85%)を得る。
工程4:
無水DCM(40mL)中のラクタム10d(3.15g;17.1mmol)の撹拌溶液にRTで臭素(1.8mL;35mmol)をゆっくり滴下し、結果として生じる懸濁液をゆっくりチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液(200mL)に加え、DCM(4×100mL)で抽出する。混ぜ合わせた抽出液を次に食塩水(200mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてブロミド10eを淡ベージュ色粉末(4.00g,収率89%)として得る。
工程5:
THF中のボランの溶液(1.0M,18.5mL,18.5mmol)を無水THF(75mL)中のラクタム10e(4.00g,15.2mmol)の氷***液に滴下し、反応をRTに戻す。約30分後、N2雰囲気下で溶液を加熱して穏やかに還流させる。約2時間後、反応を0℃に冷却し、慎重に1N NaOH(19mL)でクエンチして約15分間撹拌する。次に混合物を水(30mL)で希釈し、THFを蒸発させる。次に水性残留物をEtOAc(400mL+50mL)で抽出し、水/食塩水(200mL)、0.5N NaOH(200mL)及び食塩水(100mL)で洗浄する。混ぜ合わせた抽出液をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてモルフォリン誘導体10fを黄色シロップとして得る(3.90g,定量的収率)。
工程6:
臭化アリール10f(1.84g,7.42mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(2.83g,11.1mmol)及び酢酸カリウム(2.47g,26.0mmol)で充填したフラスコに無水DMF(30mL)を加えてから結果として生じる懸濁液を、該混合物全体に約15分間N2ガス流を泡立てることによって脱酸素する。次に1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(909mg,1.11mmol)を加えてさらに約5分間脱酸素してから混合物を95℃に加熱する。約16時間後、暗反応混合物を冷まし、EtOAc(300mL)で希釈し、1:1水/食塩水(500mL)と食塩水(200mL)で洗浄する。次に抽出液をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして褐色シロップを得、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン)上でクロマトグラフ処理して、0.8当量のジボロン試薬が混入した白色固体としてボロナート10gを得る(1.52g,収率69%)。
実施例11:ボロナートフラグメント11dの合成(1009、1011、1013、2001、2014、2015、2028、2033、2034の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
AcOH(20mL)に溶かした市販のクロマノン11a(9.78g,66.0mmol)をAcOH(150mL)中の亜鉛粉末(108g,1.65mol)の懸濁液に加える。混合物を100℃に加熱し、一晩機械的に撹拌する。次に混合物をCelite(登録商標)(EtOAc,100mLで洗浄)でろ過し、PhMe(300mL)で希釈し、溶液をエバポレートしてクロマン中間体11b(8.45g,収率95%)を得る。
工程2:
MeOH(225mL)に溶かした11b(8.45g,63.0mmol)の溶液にAgNO3(12.0g,70.6mmol)とI2(15.8g,62.3mmol)を連続して加える。反応を約1時間撹拌し、Celite(登録商標)上でろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。粗製混合物をEtOAc(250mL)で希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム(250mL)で洗浄する。有機層を水(200mL)で洗浄してからNa2SO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製混合物をさらにCombiFlash(登録商標)Companionで精製して6-ヨードクロマン11cを得る(12.1g,収率74%)。
工程3:
DMF(36mL)中の6-ヨードクロマン11c(1.0g,3.85mmol)、ビス[ピロノコラト]ジボラン(1.22g,4.81mmol)及び酢酸カリウム(1.10g,11.5mmol)の溶液をArで約5分間脱気した後、PdCl2dppf-DCM複合体(314mg,0.38mmol)を加える。次に反応混合物をさらに約5分間脱気した後、95℃に約5時間加熱する。次に反応をRTに冷ます。粗製反応混合物を水で希釈し、生成物を回EtOAc(3×100mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機液を水(100mL)と食塩水(100mL)で洗浄する。次に有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製混合物をさらにCombiFlash(登録商標)CompanionでEtOAc/ヘキサンの勾配を用いて精製してボランフラグメント11dを得る(840mg,収率84%)。
実施例12:ボロナートフラグメント12gの合成(1029、2009、2010の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
フェノール12a(6.75g,47.3mmol)をDMF(270mL)に溶かして臭化アリル(6.55mL,75.7mmol)で処理する。この溶液に、NaH(60%,4g,99.4mmol)を滴下し、撹拌を一晩続ける。反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、H2O(3×500mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させて所望生成物12bを得、そのまま次工程で使用する。
工程2:
撹拌棒を備えたマイクロ波バイアルにエーテル12b(9.67g)を入れ、240℃に約20分間加熱すると、この時点でClaisen転位反応が完了する。粗生成物12c(9.3 g)をさらに精製せずに次工程で使用する。
工程3:
0℃の無水THF(300mL)中のアリル中間体12c(9.3g,45.8mmol)の溶液に、ボラン(THF中1M,96mL,96mmol)を加える。溶液をRTに戻してから約2.5時間撹拌する。次に溶液を0℃に冷却し、10N NaOHで一滴ずつ処理し、次いで30%H2O2(104916mmol)をゆっくり加える。結果として生じる混合物をRTに戻してからRTで約1時間撹拌する。反応混合物をHCl(10%,100mL)で希釈し、EtOAc(3×200mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機相をMgSO4上で乾燥させて濃縮する。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製して12dを得る(7.1g,収率77%)。
工程4:
THF(500mL)中のジオール12d(7.1g,35.3mmol)の溶液に、PPh3(12g,45.9mmol)、次いでDEAD(7.2mL,45.9mmol)を加える。溶液をRTで約4時間撹拌する。反応混合物を減圧下でエバポレートし、CombiFlash(登録商標)Companionで精製して所望生成物12eを得る(5.26g,収率82%)。
工程5:
クロマン誘導体12e(5.26g,28.8mmol)をAcOH(70mL)に溶かしてからAcOH(40mL)中Br2で処理する。反応をRTで約15分間撹拌してからトルエンで希釈し、濃縮乾固させる。残留物をEtOAc(25mL)に取り、飽和Na2S2O3(25mL)及び飽和NaHCO3(25mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濃縮し、CombiFlash(登録商標)Companionで精製して所望生成物12fを得る(2.7g,収率36%)。
工程6:
ブロミド12f(2.71g,10.4mmol)をDMF(120mL)に溶かしてビス[ピロノコラト]ジボラン(4g,15.5mmol)及び酢酸カリウム(3.45g,36.3mmol)で処理する。混合物を脱気(Arバルーンを用いて)した後、触媒(PdCl2dppf:845mg,1.04mmol)を導入する。次に混合物を再び脱気し(Arバルーンを用いて)、95℃に約16時間加熱する。混合物をRTに冷まし、H2O(300mL)で希釈してEtOAc(2×300mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機層を水(3×300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。次に生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製する。次に半精製生成物をヘキサン(3×50mL)と摩砕して過剰のジボランを除去して清澄化合物12gを得る(1.74g,収率54%)。
実施例13:ボロナートフラグメント13aの合成(1030、1031、1040、2011の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
MeOH(10mL)に溶かした塩化アリール12g(0.91g,2.95mmol)とギ酸アンモニウム(1.92g,30.4mmol)の溶液に活性炭上パラジウム(10質量%Pd,0.63mg,0.59mmol)を加え、混合物を加熱して還流させる。約15分後、反応をRTに冷ましてCelite(登録商標)(MeOHリンス)でろ過する。ろ液を蒸発乾固させ、残留物を水とEtOAc(それぞれ10mL)に分配する。有機層を無水MgSO4上で乾燥させ、濃縮してボロン酸エステル13aを得る(0.78g,収率97%)。
実施例14:ボロナートフラグメント14gの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
DMF(110mL)に溶かした14a(10g,73mmol)の溶液に臭化アリル(9.3mL,110mmol)、次いで炭酸カリウム(20g,150mmol)を加える。反応をAr下でRTにて一晩撹拌する。反応を水(400mL)で希釈し、EtOAc(400mL)で抽出する。有機層を水(2×400mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させて濃縮する。次に生成物をCombiFlash(登録商標)Companionにより2バッチで(120gカラム)精製してアリルエーテル14bを得る(12g,収率92%)。
工程2:
THF(90mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(6.6g,19mmol)の予冷(-78℃)懸濁液にヘキサン中n-BuLi溶液(2.5M,6.4mL,16mmol)を滴下する。結果として生じる明黄色混合物を-78℃で約5分間撹拌し、約5分かけてRTに戻してから再び-78℃に冷却する。THF(10mL)に溶解したアルデヒド14b(2.4g,14mmol)を滴下し、-78℃で約10分間反応を進行させた後、RTに戻して一晩撹拌する。反応を食塩水(100mL)でクエンチし、水(100mL)で希釈してEtOAc(100mL)で抽出する。次に有機層を水(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させて濃縮する。次に粗製黄色液体を約1mLのEtOAcに取り、ヘキサン(約20mL)で希釈後、Ph3POが白色固体として沈殿する。この固体をろ過で除去し、1:9のEtOAc:ヘキサン(約50mL)で洗浄し、ろ液を蒸発乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してジエン14cを得る(1.3g,収率54%)。
工程3:
ジエン14c(1.3g,7.5mmol)の脱気溶液に第2世代グラブス触媒(50mg,0.075mmol)を加える。Ar下で約2.5時間撹拌後、反応をSiO2(約2g)上で濃縮し、生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してベンゾピラン14d(940mg,収率86%)を清澄油として得る。
工程4:
EtOH(8.5mL)中のベンゾピラン14d(940mg,6.4mmol)の溶液に固体Pd-C(10%w/w,680mg,0.64mmol)を加え、フラスコから気体を除き、H2ガス(バルーン)で埋め戻す。反応をRTで約2.5時間撹拌後、混合物をCelite(登録商標)(EtOAc洗浄)でろ過してからろ液を濃縮乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してクロマン14e(800mg,収率84%)を得る。
工程5:
AcOH(25mL)に溶解したクロマン14e(800mg,5.4mmol)の溶液に純粋なBr2(275μL,5.4mmol)を滴下する。次に反応を水(50mL)とEtOAc(50mL)で希釈する。有機層を水(2×50mL)と飽和NaHCO3(2×50mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させて濃縮乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製して、ジブロミドとの混合物としてブロミド14fを得る(1.3g,68質量%の14f,収率51%)。
工程6:
DMF(30mL)中のブロミド14f(950mg,2.8mmol)、ビス[ピロノコラト]ジボラン(840mg,3.3mmol)及び酢酸カリウム(920g,9.6mmol)の溶液をArで約5分間脱気後、PdCl2dppf-DCM複合体(290mg,0.36mmol)を加える。次に反応混合物をさらに約5分間脱気後、95℃に約3時間加熱する。次に反応をRTに冷ます。粗製反応混合物を水で希釈し、生成物をEtOAcで3回(3×20mL)抽出する。混ぜ合わせた有機液を水(2×20mL)で洗浄する。次に有機相をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製混合物をCombiFlash(登録商標)Companionでさらに精製してボロン酸エステル14g(403mg,収率53%)を淡黄色固体として得る。
実施例15:ボロナートフラグメント15lの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
ジアゾメタンのエーテル溶液(0.7M,100mL)をエーテル(20mL)中の15a(5.0g,30mmol)の溶液に加える。SMの消費後(TLCモニタリング)、反応をSiO2(約10g)上で続け、生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してエステル15bを得る(5.2g,収率95%)。
工程2:
AcOH(50mL)と2M HCl(75mL)に0℃で溶解したアニリン15b(5.0g,28mmol)の溶液に水(10mL)中のNaNO2(2.1g,30mmol)の溶液をゆっくり加える。結果として生じる混合物をこの温度で約1時間撹拌する。固体CuCl(8.4g,85mmol)を少しずつ加える(約2分かけて)。反応をRTに戻して約30分間撹拌してから60℃に約40分間加温する。混合物を水(200mL)中に注いでEtOAc(2×200mL)で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製して塩化アリール15cを得る(3.8g,収率68%)。
工程3:
乾燥CH2Cl2(100mL)中エステル15c(3.8g,19mmol)の予冷(-78℃)溶液にDCM中DIBAL溶液(1M,42mL,42mmol)を約25分の時間かけて滴下する。反応を-78℃で約2時間撹拌する。反応を-78℃で1N HCl(8mL)を滴下してクエンチする。反応をRTに戻して有機相をロッシェル塩の5%溶液(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗製ベンジルアルコール15dを得(3.2g,収率99%)、さらに精製せずに次反応で使用する。
工程4:
固体Dess Martin試薬(8.7g,20mmol)を乾燥CH2Cl2(100mL)中のアルコール15dの予冷(0℃)溶液に加える。反応を約2時間撹拌しながらゆっくりRTに戻す。この時点で、さらに0.5gのDess Martinペルヨージナン(Periodinane)を加えて反応をさらに約1時間続ける。飽和NaHCO3と0.5M Na2S2O3の1:1混合物(100mL)を加え、相が鮮明になるまでこの混合物を激しく撹拌する(約30分)。有機相を分け、水相をDCM(100mL)で抽出し、飽和NaHCO3(100mL)で洗浄する。混ぜ合わせた有機相を次にMgSO4上で乾燥させてエバポレートする。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアルデヒド15eを得る(2.9g,収率90%)。
工程5:
無水CH2Cl2(20mL)中のメチルエーテル15e(720mg,4.2mmol)の溶液をゆっくりBBr3予冷(-30℃)溶液(1M,8.4mL,8.4mmol)に加える。溶液を0℃に戻して約3時間撹拌する。反応を慎重にメタノール(1mL)でクエンチし、飽和NaHCO3、次いで食塩水(それぞれ25mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してフェノール15f(530mg,収率80%)を得る。
工程6:
アルデヒド15f(1.1g,7.2mmol)、アセトニトリル(2.4mL,36mmol)及びDABCO(190mg,1.7mmol)の混合物を約5時間還流させる。反応混合物をRTに冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、1N NaOH(20mL)、次に1N HCl(20mL)で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濃縮乾燥させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してニトリル15g(650mg,収率47%)を得る。
工程7:
ニトリル15g(650mg,3.4mmol)、10%NaOH(10mL,25mmol)及びEtOH(95%, 0.5mL)の混合物を加熱して約5日間還流させる。次に反応をRTに冷ましてから1N HClをpH約4になるまで加える。次に沈殿物をろ過で収集し、水で洗浄し、真空中で乾燥させて酸15hを得る(740mg,収率>99%)。
工程8:
トリエチルアミン(0.56mL,4.0mmol)とジフェニルホスホリルアジド(0.75mL,3.5mmol)を乾燥トルエン(40mL)中の酸15h(714mg,3.4mmol)の溶液に連続して加える。この混合物を85℃に約2時間加熱してからRTに冷まして6N HCl(6mL)で処理する。混合物を還流させてこの温度で約2時間撹拌する。次に反応をRTに冷まし、EtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3(2×100mL)、水(2×100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させる。次に生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してケトン15iを得る(269mg,収率44%)。
工程9:
封管内でDeoxofluor(登録商標)(0.54mL,2.9mmol)をCH2Cl2(0.6mL)とEtOH(17μL)中のケトン15i(270mg,1.5mmol)の溶液に加える。封管を40℃に約24時間加熱する。そして、管を開封し、0℃に冷却し、飽和NaHCO3(1mL)を添加して(発熱)ゆっくり反応をクエンチする。粗製反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機液を水(20mL)で洗浄し、有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してジフルオロクロマン15jを得る(225mg,収率71%)。
工程10:
MeOH(7.8mL)に溶解したジフルオロクロマン15j(225mg,1.1mmol)の溶液に固体硝酸銀(187mg,1.1mmol)とヨウ素(279mg,1.1mmol)を連続して加える。反応をRTで約90分間撹拌してからCelite(登録商標)パッドでろ過する。ろ液を一滴の0.5N Na2S2O3で処理してから(橙色が消失)減圧下で濃縮する。残留物をH2O、0.5N Na2S2O3及びEtOAc(それぞれ20mL)に分配する。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出し、混ぜ合わせた有機液を食塩水(20mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してヨウ化アリールを得る(158mg,収率44%)。
工程11:
DMF(5mL)中のヨウ化アリール15k(150mg,0.45mmol)、ビス[ピロノコラト]ジボラン(150mg,0.59mmol)及び酢酸カリウム(130mg,1.4mmol)の溶液をArで約5分間脱気後、PdCl2dppf-DCM複合体(44mg,0.054mmol)を添加する。次に反応混合物をさらに約5分間脱気した後、85℃に約9時間加熱する。次に反応をRTに冷ます。粗製反応混合物を水で希釈し、生成物をEtOAc(3×10mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機液を水(10mL)と食塩水(10mL)で洗浄する。次に有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製混合物をさらにCombiFlash(登録商標)Companionで精製してボロン酸エステル15lを得る(123mg, NMRによる純度70%,収率57%)。
実施例16:ボロナートフラグメント16cの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
MeOH(10mL)に溶解したケトン4b(1.5g,7.5mmol)の溶液に固体NaBH4(342mg,9.0mmol)を添加してから0℃でTHF(25mL)を加える。反応をRTに温めて約1時間撹拌する。HCl水溶液(1N,5mL)で反応をクエンチし、濃縮によってMeOHを除去し、生成物をEtOAc(2×50mL)で抽出する。有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮してアルコール16aを得る(1.52g,収率>99%)。この物質をそのまま次工程で使用する。
工程2:
CH2Cl2 28mL)中の粗製アルコール16a(1.5 g;7.47mmol)の溶液に0℃でTFA(2.9mL)を滴下する。溶液を約30分間撹拌してから濃縮乾固させる。残留物をEtOAcに取り、NaHCO3(飽和)、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して淡黄色ガムを得る。この生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してベンゾフラン16b(0.30g,収率22%)を白色固体として得る。
工程3:
化合物16cを16bから実施例4の工程3〜5と同一合成シーケンスに従って調製する。
実施例17:ボロナートフラグメント17gの合成(2016、2017を調製するために使用)
Figure 0005269085
工程1:
AcOH(100mL)中の17a(5.0g,24mmol)の溶液にZn粉末(7.89g,121mmol)を加える。次に反応混合物を100℃に加熱し、一晩撹拌する。反応をRTに冷まして混合物をろ過し(EtOAc洗浄)、溶媒を蒸発させて残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアニリン17b(3.06g,収率72%)を黄色固体として得る。
工程2:
AcOH(12mL)と2M HCl(25mL)に0℃で溶解したアニリン17b(1.5g,8.5mmol)の溶液に、水(3mL)中のNaNO2(640mg,9.3mmol)の溶液をゆっくり加える。結果として生じる混合物をこの温度で約1時間撹拌する。固体CuCl(2.6g,26mmol)を少しずつ加え(約2分かけて)、反応をRTに戻してから約30分間撹拌してから60℃に約40分加熱する。混合物を水(100mL)中に注ぎいでEtOAc(2×100mL)で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製して塩化アリール17c(1.11g,収率99%)を淡黄色固体として得る。
工程3:
固体の前活性化Zn粉末をAcOH中のケトン17cの溶液に加える。次に反応混合物を100℃に加熱し、当該温度で約4時間撹拌する。反応混合物をろ過し(EtOAc洗浄)、ろ液を蒸発乾固させ、生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してインダン17d(902mg,収率88%)を白色結晶性固体として得る。
工程4:
DCM(20mL)に溶解したメチルエーテル17d(902mg,4.9mmol)の予冷(-78℃)溶液にDCM中のBBr3溶液(1M,9.9mL,9.9mmol)を滴下する。反応溶液をこの温度で約10分間撹拌し、RTに戻す。約1.5時間撹拌後、水(50mL)を加え(発熱性)、混合物をDCM(3×50mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してフェノール17e(700mg,収率84%)をオフホワイトの固体として得る。
工程5:
Tf2O(1.05mL,12mmol)をDCM(20mL)中のフェノール17e(700mg,4.1mmol)とEt3N(1.7mL,12mmol)の予冷(0℃)溶液に加える。結果として生じる暗溶液をRTに戻す。約25分後、反応を飽和NaHCO3(10mL)でクエンチし、DCMで希釈し、有機層を水、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してトリフラート17f(1.21g,収率97%)を黄色油として得る。
工程6:
DMF(20mL)中のトリフラート17f(1.2g,4.0mmol)、ビス[ピロノコラト]ジボラン(1.5g,6.0mmol)及び酢酸カリウム(1.3g,14mmol)の溶液をArで約5分間脱気した後、PdCl2dppf-DCM複合体(490mg,0.60mmol)を加える。次に反応混合物をさらに約5分間脱気した後、95℃に5時間加熱する。次に反応をRTに冷ます。粗製反応混合物を水で希釈し、生成物を回EtOAcで抽出する(3×100mL)。混ぜ合わせた有機液を水(100mL)と食塩水(100mL)で洗浄する。次に有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製混合物をさらにCombiFlash(登録商標)Companionで精製してボロン酸エステル17g(593mg,収率53%)を淡黄色固体として得る。
実施例18:ボロナートフラグメント18dの合成(1033の合成のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
純粋Tf2O(0.83mL,4.9mmol)をDCM(15mL)中のフェノール18a(0.50g,3.1mmol)とピリジン(1.3mL,17mmol)の冷却(0℃)溶液に滴下する。反応をRTに戻して一晩撹拌する。10%クエン酸溶液(50mL)を添加して反応をクエンチし、混合物をDCM(3×50mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機液を水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してトリフラート18b(500mg,収率94%)を得る。
工程2:
封止可能管内で純粋トリフラート18b(500mg,1.7mmol)にDeoxyfluor(登録商標)(0.83mL,4.2mmol)添加後、EtOH(10μL,0.2mmol)を加える。封管し、反応を油浴で85℃にて加熱し、一晩撹拌する。次に反応を0℃に冷却し、NaHCO3(100μL,発熱性)をゆっくり添加してクエンチする。混合物を水(50mL)で希釈し、DCM(3×50mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機層を水(50mL)と食塩水(50mL)で洗浄する。次に有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してジフルオロテトラヒドロナフチルトリフラート18cを得る(175mg,収率33%)。
工程3:
実施例17の工程6のとおりに工程3を行ってボロン酸エステル18dを得る。
実施例19:ボロナートフラグメント19dの合成(1063、1064、2044、2045の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
CCl4(150mL)に溶解したナフチルアミン19a(2.3g,16mmol)の溶液に固体N-クロロスクシンイミド(2.2g,16mmol)を約5分かけて少しずつ加える。次に反応を50℃に加熱し、約40分間撹拌する。次に反応をRTに冷まし、固体をろ過で除去し、ろ液を水(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発乾固させてクロロアニリン19bを得る(2.8g,収率96%)。
工程2:
12N HCl(7mL)と氷(9.7g)中のアニリン19b(2.8g,15mmol)の予冷(0℃)懸濁液に5℃未満の温度を維持するように、水(5mL)中のNaNO2(1.2g,17mmol)の溶液をゆっくり添加する。混合物を約15分間撹拌してから水(30mL)中のKI(8.7g,52mmol)溶液に移し、結果として生じる混合物を約2時間撹拌する。混合物をEt2O(3×100mL)で抽出し、混ぜ合わせた有機層を3N NaOH(2×50mL)、5%NaHSO3(50mL)及び食塩水(100mL)で連続して洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製してヨウ化アリール19cを得る(2.4g,収率54%)。
工程3:
実施例15の工程11のとおりに工程3を行ってボロン酸エステル19dを得る。
実施例20:ボロナートフラグメント20dの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
DMF(120mL)に溶解した6-クロロレゾルシノール20a(10g,69mmol)の溶液に臭化アリル(2.1mL,25mmol)を添加後、炭酸カリウム(7.2g,52mmol)を加える。反応を一晩撹拌し、EtOAc(500mL)で希釈し、水(3×500mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアリルエーテル20bを得る(1.8g,収率40%)。
工程2:
DMF(12mL)に溶解したフェノール20b(1.8g,9.8mmol)の溶液にヨウ化メチル(1.2mL,20mmol)を添加後、炭酸カリウム(3.8g,27mmol)を加える。反応を約2時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈し、水(3×50mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してメチルエーテル20cを得る(1.8g,収率40%)。
工程3:
工程3は、実施例12の工程2〜6と同じ工程シーケンスの後、実施例13の工程1で構成され、ボロン酸エステル20dを与える。
実施例21:ボロナートフラグメント21gの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
EtOAc(32mL)とCHCl3(32mL)に溶解した21a(4.0g,23mmol)の溶液に固体CuBr2(7.9g;35mmol)を加える。混合物を加熱して還流させ、約8時間撹拌する。次にCuBr2(3.9g,mmol)を加え、さらに約15時間還流させながら混合物を撹拌し続ける。混合物をRTに冷まし、固体をろ過(EtOAc洗浄)で除去する。ろ液を濃縮して粗製ブロモケトン21b(6.3g)を得、次工程で直接使用する。
工程2:
DMF(21mL)に溶解した粗製ブロモケトン21b(6.3g,約23mmol)の溶液に固体KF(2.5g,43mmol)を加える。反応をRTで約3時間撹拌してからエーテル(300mL)に取り、食塩水(3×100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してエーテル21c(2.1g,2工程を通して収率49%)。
工程3:
MeOH(20mL)に溶解したケトン21c(1.0g,5.9mmol)の予冷(0℃)溶液に固体NaBH4(270mg,7.1mmol)を加える。反応を約1時間撹拌してからHCl水溶液(1N,1mL)でクエンチする。真空中で揮発性物質を除去し、生成物をEtOAc(1×20mL)で抽出する。有機層を食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過かつ濃縮して粗製アルコール21d(1.0g)を得、次工程で直接使用する。
工程4:
MeOH(58mL)に溶解したアルコール21d(1.0g,6.2mmol)の溶液に固体AgNO3(1.0g,6.1mmol)、次いでI2(1.6g,6.2mmol)を加える。混合物をRTで約1時間撹拌してからNa2S2O4溶液(0.5M,10mL)を加えて混合物を約30分間撹拌する。MeOHを真空中で除去し、残留物をEtOAc(50mL)に取り、水(1×50mL)、食塩水(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過かつ濃縮してヨウ化アリール21e(1.6g)を得、次工程で直接使用する。
工程5:
粗製アルコール21e(1.6 g;約5mmol)をDCM(20mL)とTFA(2.2mL)の混合物に溶かす。反応を約45分間撹拌してから濃縮乾固させる。残留物をEtOAc(50mL)に取り、飽和NaHCO3(50mL)と食塩水(50mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してベンゾフラン21f(978mg,3工程を通して収率65%)。
工程6:
実施例15の工程11の記載どおりに工程6を行ってボロン酸エステル21gを得る。
実施例22:ボロナートフラグメント22dの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
純粋3-ブロモ-2-メチルプロペン(1.7mL,16mmol)をDMF(35mL)中のフェノール22a(3.0g,14mmol)と炭酸カリウム(5.6g,41mmol)の懸濁液に加える。反応を約2時間撹拌してから水(100mL)でクエンチしてヘキサン(2×100mL)で抽出する。有機相を食塩水(2×100mL)で洗浄し、濃縮してエーテル22b(3.3g,収率87%)を得る。
工程2:
純粋水素化トリブチルスズ(2.3mL,8.8mmol)をPhMe(40mL)中のヨウ化アリール22b(2.0g,7.3mmol)とAIBN(120mg,0.73mmol)の溶液に加える。次に反応をN2下で加熱して還流させる。約1時間後、反応を濃縮乾固させ、粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してジヒドロベンゾフラン22cを得る(785mg,収率73%)。
工程3:
工程3は、実施例15の工程10及び11と同一の合成工程シーケンスで構成され、ボロン酸エステル22dを与える。
実施例23:ボロナートフラグメント23cの合成(1025、1026、2005、2006の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
Ar雰囲気下DCM(10mL)中のフェノール23a(350mg,2.1mmol;Doi et al Bull. Chem. Soc. Jpn. 2004 77, 2257-2263に従って調製)とピリジン(0.91mL,11mmol)の冷却(0℃)溶液に純粋Tf2O(0.56mL,3.3mmol)を滴下する。反応をRTに戻してから約2時間撹拌する。10%クエン酸溶液(20mL)を添加して反応をクエンチし、DCM(3×20mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機層を水(20mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してトリフラート23b(512mg,収率82%)を得る。
工程2:
DMF(18mL)中のトリフラート23b(510mg,1.7mmol)、ビス[ピロノコラト]ジボラン(560mg,2.2mmol)及び酢酸カリウム(500mg,5.1mmol)の溶液をArで約5分間脱気後、PdCl2dppf-DCM複合体(140mg,0.17mmol)を添加する。次に反応混合物をさらに約5分間脱気した後、約10分間のマイクロ波照射によって100℃に加熱する。次に反応をRTに冷ます。粗製反応混合物をEtOAc(60mL)で希釈し、食塩水(3×60mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。粗製混合物をさらにCombiFlash(登録商標)Companionで精製してボロン酸エステル23cを得る(200mg,収率42%)。
実施例24:ボロナートフラグメント24bの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
実施例12の工程1〜6と同じ合成シーケンスに従って24aから化合物24bを調製する。
実施例25:ボロナートフラグメント25b(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
実施例12の工程1〜6と同じ合成シーケンスに従って25aから化合物25bを調製する。
実施例26:ボロナートフラグメント26bの合成(1049、1050の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
実施例12の工程1〜6と同じ合成シーケンスに従って26aから化合物26bを調製する。
実施例27:ボロナートフラグメント27bの合成(1023、1024の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
実施例14の工程1〜6と同じ合成シーケンスに従って27aから化合物27bを調製する。
実施例28:ボロナートフラグメント28bの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
実施例6の工程1〜8と同じ合成シーケンスに従って28aから化合物28bを調製する。
実施例29:ボロナートフラグメント29bの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
実施例14の工程1〜6と同じ合成シーケンスに従って29aから化合物29bを調製する。
実施例30:ボロナートフラグメント30bの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
実施例18の工程2及び3と同じ合成シーケンスに従って30aから化合物30bを調製する。
実施例31:ボロナートフラグメント31bの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
実施例15の工程9〜11と同じ合成シーケンスに従って31aから化合物31bを調製する。
実施例32:ボロナートフラグメント32b(1020の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
実施例17の工程5〜6と同じ合成シーケンスに従って32aから化合物32bを調製する。
実施例33:ボロナートフラグメント33b(1021の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
実施例11の工程1及び3と同じ合成シーケンスに従って33aから化合物33bを調製する。
実施例34:ボロナートフラグメント34f(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
DMF(1L)に溶解した2-メチルレゾルシノール34a(38g,310mmol)の溶液に臭化ベンジル(25mL,210mmol)、次いで炭酸カリウム(44g,320mmol)を添加する。反応を一晩撹拌し、EtOAc(2L)で希釈し、水(3×2L)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してベンジルエーテル34bを得る(18.6g,収率39%)。
工程2:
DMF(100mL)に溶解したフェノール34b(5g,23mmol)の溶液に臭化アリル(3.0mL,35mmol)、次いで炭酸カリウム(6.5g,47mmol)を添加する。反応を一晩撹拌し、EtOAc(500mL)で希釈し、水(3×500mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。粗生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してベンジルエーテル34c(4.4g,収率75%)を得る。
工程3:
実施例12の工程2〜4と同じ合成シーケンスに従って34cから化合物34dを調製する。
工程4:
ベンジルエーテル34dとPd-C(10%w/w,100mg,0.094mmol)をEtOAc(5mL)中で混合してフラスコから気体を除去し、H2雰囲気(バルーン)で埋め戻す。約3時間撹拌後、Celite(登録商標)(EtOAc洗浄)で反応をろ過し、ろ液を濃縮してフェノール34e(145mg,収率95%)を得る。
工程5:
実施例17の工程5〜6と同じ合成シーケンスに従って34eから化合物34fを調製する。
実施例35:ボロナートフラグメント35e(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
実施例17の工程3〜6と同様に工程1〜4を行う。
実施例36:ボロナートフラグメント36dの合成(1034、1035、2018、2022の調製のために使
Figure 0005269085
工程1:
4-ブロモ-3-ニトロトルエン36a(5.0g,22.9mmol)を酢酸エチル(50mL)に溶かし、固体塩化スズ(II)二水和物(20.0g,86.9mmol)を加える。混合物を窒素雰囲気下70℃で約2時間加熱する(注意:一時的な100℃への過熱が観察される)。混合物を冷やしてmLの氷水(200mL)中に注ぐ。5%NaHCO3水溶液(50mL)を添加した後(急速な発泡)、10N NaOH水溶液を加えてpHを約7〜8にする。大量のゼラチン状の黄色がかった沈殿物が生じる。この不均一混合物をEtOAc(200mL)と振り混ぜ、混合物を50mLずつ遠心分離すると、黄色がかった固体が良く分離される。清澄な上澄みをデカントし、EtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機相を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して橙色の油性残留物を得る。この残留物を再び100mLのエーテルに溶かし、溶液を10%Na2CO3(20mL)で洗浄後、2.5MのNaOH水溶液(20mL)で洗浄する。次に暗褐色有機溶液をMgSO4及び活性炭と撹拌し、ろ過して明黄色溶液を得、開放フラスコ内で静置すると急速に暗くなる。真空下で溶媒を除去して所望化合物36bを赤褐色油として得、さらに精製せずに次工程で使用する(3.31g,収率78%)。
工程2:
化合物36b(3.3g,17.7mmol)、グリセリン(3.3g,35.5mmol)、ニトロベンゼン(2.2g,17.7mmol)及び75%硫酸水溶液(10mL,138mmol)の混合物を150℃で3時間撹拌する(混合物は黒色かつ粘性に変わる)。反応混合物を冷まし、氷水(200mL)中に注いで10N NaOH水溶液を加える(30mL,300mmol)。次に黒色混合物をEtOAc(100mL)と振り混ぜ、50mLずつ遠心分離する。上部EtOAc層を混ぜ合わせ、かつ黒色タールを含む底部水層をEtOAcと振り混ぜて再び遠心分離する。全てのEtOAc抽出液を混ぜ合わせ、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して4.8gの赤褐色油を得る。この物質を80gシリカゲルカラム上でクロマトグラフ処理する(CombiFlash(登録商標)Companion装置、ヘキサン/EtOAc勾配)。化合物を含有するフラクションを真空下で濃縮して化合物36cを白色固体として得る(3.26g,収率83%)。
工程3:
mLの無水Et2O(20mL)中の化合物36c(500mg,2.25mmol)の冷却(-78℃)溶液に、約5分かけてAr雰囲気下でn-BuLiのヘキサン中1.6M溶液(3.5mL,5.60mmol)を加える。混合物を-78℃で約50分間撹拌してからトリイソプロピルボラート(2.00mL,8.55mmol)を滴下し、混合物を当該温度で約2時間撹拌する。約2時間かけて混合物をゆっくりRTに戻し、それを1M HCl水溶液(30mL)中に注ぐ。混合物を分液ロートに移し、有機層を分け、水層をEt2Oで洗浄する。次に水層を500mLのエルレンマイヤーフラスコに移し、NaHCO3飽和水溶液(約25mL,注意:発泡)をゆっくり添加して溶液のpHを約6.3(pHメーターで測定)に調整する。懸濁液をろ別し、分離された明ベージュ色固体を水で洗浄し、高真空下で濃縮する。この粗生成物(383mg)をEt2O/ヘキサンと摩砕して所望化合物36dの第1収穫物を遊離塩基として得る(120mg,収率28%)。母液を真空下で濃縮し、0.06%TFAを含むCH3CN/H2O勾配を利用して逆相HPLCで精製する(ODS-AQ、C-18カラム、75×30mm、5μm粒径)。凍結乾燥後、化合物36dの第2収穫物をTFA塩として得る(102mg,収率15%)、(トータルの収率:43%)。
実施例37:ボロナートフラグメント37dの合成(1036、2019、2023の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
抽出のためEtOAcの代わりにEt2Oを使用するという事実を除き、実施例36bの手順を用いて1-ブロモ-4-クロロ-2-ニトロベンゼン37aを化合物37bに変換する。
工程2:
撹拌棒を含み、油浴内に浸漬した100mLの丸底フラスコ内で50℃にて化合物37b(4.2g,20.3mmol)を融かす。3.3mLの水中の塩化亜鉛(700mg,5.03mmol)と塩化第二鉄(540mg,3.25mmol)の溶液を一度に加えた後、20mLの無水EtOHを添加する。フラスコにゴムセプタムで栓をし、針を挿入して如何なる圧力上昇をも回避する。混合物を80℃に加熱し、注射器ポンプを介して2時間かけてアクロレイン(1.68mL,24.4mmol)を添加する。添加後、混合物を80℃で1時間撹拌し、追加量の固体塩化第二鉄を加える(4.1g,25.3mmol)。混合物を80℃でさらに約24時間撹拌してから真空下で濃縮して半固体残留物を得る。200mLの水を添加後、10N NaOH水溶液(20mL)及び200mLのDCMを加える。混合物を数分振り混ぜた後、固体をCelite(登録商標)パッド上でろ過し、ろ液を分液ロート中に移す。有機層を分け、水層をDCMで抽出する。混ぜ合わせた有機抽出液を食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、真空下で濃縮して3.69gの褐色固体を得る。この固体を熱CH3CN内で摩砕してろ過する。固体を捨て、ろ液を真空下で濃縮して2.3gの褐色半固体を得る。この物質をCombiFlash(登録商標)Companion装置で、EtOAc/ヘキサン勾配で溶出される40gのシリカゲルカラム上で精製する。真空下で溶媒の蒸発後、所望化合物37cを黄色固体として単離する(390mg,収率8%)。
工程3:
実施例36dの手順を用いて化合物37cを化合物37dに変換する。
実施例38:ボロナートフラグメント38cの合成(チエノピリジン骨格にカップリングさせて本発明の化合物を得ることができる)
Figure 0005269085
工程1:
アクロレインの代わりにメチルビニルケトンを使用すること以外、実施例37cの手順を用いて2-ブロモアニリン38aを化合物39bに変換する。
工程2:
実施例36dの手順を用いて化合物38bを化合物38cに変換する。
実施例39:ボロナートフラグメント39kの合成(1059、1060、2035、2036の調製のために使用)
Figure 0005269085
参考文献:Feliu, L.; Ajana, W.; Alvarez, M.; Joule, J.A. Tetrahedron 1997, 53, 4511。
工程1:
メルドラム酸(Meldrum’s acid)39b(47.04g,326mmol)をオルトギ酸トリメチル(360mL)に溶かして約2時間還流させる。次に2,5-ジメトキシアニリン39a(50g,326mmol)を加え、混合物をさらに約5時間還流させる。反応混合物をRTに冷まし、冷めると生じる固体をろ過で収集する。それをさらにMeOHから結晶化させて化合物39cを黄色固体として得る(63g,収率63%)。
工程2:
化合物39c(62.00g,202mmol)をジフェニルエーテル(310mL)に溶かして240℃で約30分間還流させる。次に混合物をRTに冷ましてn-ヘキサンを加えて褐色沈殿を生じさせる。この固体をろ過で分離し、n-ペンタンとn-ヘキサンで洗浄して非極性不純物を除去し、残存暗褐色固体(化合物39d)をそのまま次工程で使用する(27g,収率65%)。
工程3:
DCM(1.4L)中の化合物39d(30.0g,146mmol)、DMAP(3.75g,30.7mmol)及び2,6-ルチジン(24.4mL,208mmol)の混合物を0℃に冷却し、Tf2O(29.6mL,175mmol)を0℃でゆっくり加える。結果として生じる混合物を0℃で2時間及びRTで1時間撹拌する。次にそれをCH2Cl2で希釈し、H2Oと食塩水で洗浄して乾燥させる(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲル(20%EtOAc/石油エーテル)上フラッシュクロマトグラフィーで精製する。所望化合物39eを黄色固体として単離する(35g,収率70%)。
工程4:
乾燥DMF(250mL)中のジイソプロピルエチルアミン(46.5mL,267mmol)の混合物を約30分間アルゴンで脱気し、化合物39e(30.0g,89.0mmol)、トリフェニルホスフィン(7.70g,29.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)-クロロホルム付加物(9.21g,8.9mmol)の混合物を加える。結果として生じる混合物を約5分間0℃で撹拌し、TMS-アセチレン(13.4g,136mmol)を滴下する。温度をRTに上昇させて混合物を約4時間撹拌する。ジエチルエーテルと水を加え、水層を分けてジエチルエーテルで洗浄する。混ぜ合わせた有機層をH2Oと食塩水で洗浄する。Na2SO4上で乾燥させた後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲル(30%EtOAc/石油エーテル)フラッシュクロマトグラフィーで精製する。化合物39fを黄色固体として単離する(18g,収率70%)。
工程5:
H2O(47mL)中の硝酸セリウムアンモニウム(42.3g,77.2mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下でアセトニトリル(366mL)中の化合物39f(11.0g,38.3mmol)の溶液に加える。反応混合物をアルゴンで約10分間脱気し、混合物をRTで約20分間撹拌する。次に水を加えて溶液をCH2Cl2で抽出する。有機抽出液を合わせ、H2O、食塩水で洗浄して乾燥させる(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲル(40%EtOAc/石油エーテル)上フラッシュクロマトグラフィーで精製する。所望化合物39gを黄色固体(5.0g,収率52%)として単離する。
工程6:
化合物39g(1.80g,7.1mmol)をアルゴン雰囲気下で蒸留酢酸(72mL)に取る。塩化アンモニウム(7.55g,141mmol)を加えて反応を約45分間還流させる。反応混合物をRTに冷まし、H2Oを加えて溶液をEtOAcで洗浄する。水層をNaHCO3飽和水溶液で中和してEtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機抽出液をH2O、食塩水で洗浄し、乾燥させる(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去して化合物39hを褐色固体として得る(250mg,収率20%)。
工程7:
化合物39h(230mg,1.24mmol)を無水EtOH(11mL)に溶かし、窒素雰囲気下で炭素上10%パラジウムを加える(46mg)。混合物を1気圧の水素下で約15時間撹拌する。反応を窒素で脱気し、Celite(登録商標)でろ過し、Celite(登録商標)床をEtOH-CHCl3混合物で洗浄する。減圧下で溶媒を除去して化合物39iを褐色粘着性固体として得る(200mg,収率86%)。
工程8: 化合物39i(600mg,3.21mmol)を窒素雰囲気下で乾燥CH2Cl2(30mL)に取る。溶液を0℃に冷却してトリエチルアミン(0.89mL,6.42mmol)を滴下後、Tf2O(0.65mL,3.87mmol)を加える。温度をRTに上昇させて反応混合物を約2時間撹拌する。混合物をCH2Cl2で希釈し、H2O、食塩水で洗浄して乾燥させる(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去して残留物を得、フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)で精製する。化合物39jを褐色固体として単離する(630mg,収率61%)。
工程9:
磁気撹拌棒を含む乾燥(約30分間オーブン乾燥)した5mLのガラス製マイクロ波容器内に化合物39j(250mg,0.078mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(250mg,0.098mmol)、無水酢酸カリウム(150mg,1.51mmol)、Pd(PCy3)2(62.0mg,0.091mmol)及び無水の脱酸素化(約30分間アルゴン泡立て)1,4-ジオキサン(4mL)を添加する。このバイアルにセプタムキャップでしっかり蓋をし、該容器にアルゴンを流す。アルゴン雰囲気下で混合物を95℃(油浴温度)にて約16時間撹拌する。反応混合物を次に真空下で濃縮し、褐色の油性残留物を7mLの氷AcOHに溶かし、45μmの膜フィルターでろ過する。暗褐色溶液を5×1.5mLずつに分けて自動分取逆相HPLC-MS装置(0.06%TFAを含むCH3CN/H2O勾配、ODS-AQ、C-18カラム、50×19mm、5μm粒径)に注入する。収集フラクションを凍結乾燥して所望化合物39kを黄色の非晶質固体として得る(115mg,TFA塩として45%の収率)。
実施例40:化合物1030及び1031の合成
Figure 0005269085
マイクロ波を使える容器にDMF(2.2mL)と水(0.22mL)中のチエノピリジン骨格1A(69mg,0.16mmol)、炭酸カリウム(66mg,0.47mmol)及びボロナート13a(52mg,0.19mmol)を添加する。この混合物に触媒Pd(PPh3)4(18.3mg,0.02mmol)を添加後、容器を封止してから120℃で約8分間加熱する。冷ました反応混合物をEtOAcと水に分配する。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。粗製物質をSiO2上に吸収させてcombi-flash(EtOAc/ヘキサン)で精製してアトロプ異性体の混合物を得る(62.4mg,0.14mmol,収率87%)。この混合物(62.4mg,0.14mmol)のTHF(3mL)とMeOH(2mL)中の溶液にRTでLiOH水溶液(1N溶液,0.69mmol)を加える。反応を50℃に約4時間加熱する。AcOHを添加して混合物をクエンチした後、真空下で濃縮する。2つの化合物(1030と1031)を分取逆相HPLCで分離してから凍結乾燥させてインヒビター1031(12.9mg,収率21%)及び1030(1.7mg,収率3%)を白色固体として得る。
実施例41:化合物1053及び1054の合成
Figure 0005269085
それぞれボロナート9b(614mg;2.26mmol)、チエノピリジン骨格1A(700mg;1.61mmol)、炭酸カリウム(669mg;4.84mmol)及びPd(PPh3)4(280mg;0.243mmol)を充填したマイクロ波バイアルにN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)及び蒸留水(2.0mL)を添加してからバイアルを封止し、マイクロ波反応器内で加熱する(10分,140℃)。結果として生じる混合物を冷却し、EtOAc(200mL)で抽出し、炭酸水素ナトリウム半飽和水溶液(200mL)と食塩水(200mL)で洗浄する。抽出物を無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして赤色シロップを得、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン)上でクロマトグラフ処理してアトロプ異性体エステル41a及び41bの混合物(504mg;収率69%)を淡黄色非晶質固体として得る。この混合物の一部(120mg;0.266mmol)をTHF(3.0mL)とMeOH(1.5mL)に溶かし、1.0NのNaOH溶液を加えてから(1.0mL;1.0mmol)、反応を50℃に加熱する。約16時間後、反応を冷却し、1.0N HClを用いて酸性にしてpHを約5にし、DCMで抽出する。抽出物をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートする。残留物を逆相分取HPLCで精製し、凍結乾燥させて最終化合物1053(26mg;収率46%)及び1054(11mg;収率19%)を淡黄色粉末として得る。
実施例42:アルキン42aの合成
Figure 0005269085
工程1:
DMF(23mL)とジエチルアミン(115mL)に溶解した11c(10g,34mmol)とアルキン3c(11g,55mmol)の溶液に固体Pd(PPh3)4(444mg,0.385mmol)及びCuI(146mg,0.769mmol)を連続して加える。反応混合物をRTで一晩撹拌してから濃縮し、EtOAc(300mL)で希釈し、食塩水、1N HCl水溶液及び水(それぞれ300mL)で連続的に洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアルキン42a(10.8g,収率84%)を得る。
実施例43:化合物2028の合成
Figure 0005269085
工程1:
THF中LiBH4(2M,8.7mL,17mmol)をTHF(7.6mL)に溶解した43a(379mg,1.78mmol)の溶液に加え、反応をRTで撹拌する。約3時間後、過剰の試薬をHClでクエンチし(ゆっくり添加(泡立ち注意)、10mL)、混合物を食塩水(50mL)とEtOAc(50mL)に分配する。水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄し、混ぜ合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させて濃縮する。残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアルコール43b(164mg,収率50%)を得る。
工程2:
DCM(6mL)に溶解したアルコール43b(145mg,0.78mmol)の溶液に固体Dess-Martinペルヨージナン(434mg,1.03mmol)を加える。約20分間撹拌後、飽和NaHCO3と飽和NaS2O3の1:1混合物20mLで反応をクエンチしてから、この混合物を約15分間撹拌する(両相がクリアになるまで)。混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮してアルデヒド43cを得る(125mg,収率87%)。
工程3:
RTでTHF(12mL)に溶解したアルデヒド43c(125mg,0.68mmol)の溶液にフェニルマグネシウムブロミド(1M,1.3mL,1.3mmol)を滴下する。約5分後、HCl(1mL,10%)と水(50mL)を添加して反応をクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出する。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮してアルコール43dを得る(180mg,定量的収率)。
工程4:
AcOH(2.1mL)に溶解したアルコール43d(140mg,0.54mmol)の溶液にZn粉末(875mg,13.4mmol)を加え、反応をSchlenck管内で封止し、100℃に加熱し、この温度で激しく撹拌する。一晩撹拌後、反応をRTにろ過冷却し、Celite(登録商標)(AcOH洗浄)でろ過し、4体積のPhMeで希釈して蒸発乾固させる。残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してチオフェン43e(69mg,収率53%)を得る。
工程5:
-78℃でDCM(0.75mL)中のアミド43e(69mg,0.28mmol)と2-クロロピリジン(32μL,0.34mmol)の撹拌混合物に注射器で約1分かけてTf2O(52μL,0.31mmol)を加える。約5分後、反応フラスコを氷水浴に入れて0℃に加温する。DCM(1mL)中のアルキン42a(187mg,0.56mmol)を注射器で加える。結果として生じる溶液をRTに戻す。約30分間撹拌後、Et3N(1mL)を加えて混合物をDCM(50mL)と食塩水(50mL)に分配する。有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させて濃縮する。次に残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してチエノピリジン43fを得る(105mg,87%純粋,収率59%)。
工程6:
チエノピリジン43f(40mg,0.071mmol)をTFA/水(10:1,1.1mL)に溶かして反応をRTで撹拌する。約30分後、反応を加圧下で還元し、飽和NaHCO3(5mL)で希釈してDCM(3×10mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮してジオール43g(30mg,収率94%)を得る。
工程7:
DCM(240μL)中のジオール43g(30mg,0.067mmol)とEt3N(59μL,0.43mmol)の0℃溶液にトリメチルアセチルクロリド(24μL,0.19mmol)を加える。反応をRTに戻して一晩撹拌する。反応を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(10mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させて濃縮する。混合物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してエステル43h(16mg,収率45%)を得る。
工程8:
酢酸tert-ブチル(1mL)にRTで溶解したアルコール43h(46mg,0.087mmol)の撹拌溶液に一滴の70%過塩素酸を加え、混合物を一晩撹拌する。mLの飽和NaHCO3(5mL)を添加して反応をクエンチし、混合物をEtOAc(5mL)で抽出する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を蒸発させる。残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してtert-ブチルエーテル43iを得る(27mg,収率53%)。
工程9:
THF(250μL)に溶解したエステル43i(27mg,0.046mmol)の溶液にTHF中LiBH4(2M,69μL,0.14mmol)を加え、反応をRTで一晩撹拌する。過剰の試薬をHClでクエンチし(3滴,多量の泡立ち)、混合物をNaHCO3(10mL)で中和してEtOAc(3×10mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮してアルコール43j(21mg,収率91%)を得る。
工程10:
DCM(1mL)に溶解したアルコール43j(21mg,0.042mmol)の溶液にDess-Martinペルヨージナン(120mg,0.28mmol)を5回に分けて約20分間隔で加える。次に反応をSiO2(1.5×1cm)栓に適用し、生成物をヘキサン/EtOAc(20mL)で溶出する。ろ液をエバポレートして粗製アルデヒド(17mg)を得る。このアルデヒドを次に1:1のTHF/tBuOH(1mL)に溶かして1滴のメチルシクロヘキセンを加える。水(0.5mL)中のNaClO2(31mg,0.34mmol)及びNaH2PO4(25mg,0.21mmol)の別個の溶液を最初の溶液に加え、反応をRTで撹拌する。約20分後、反応を水(5mL)で希釈してEtOAc(3×10mL)で抽出する。有機層をNa2SO4上で乾燥させて濃縮する。残留物を分取HPLCで精製してカルボン酸2028を得る(3mg,収率14%)。
当業者には、上記合成プロトコルを他のインヒビターの合成(実施例42の工程1で11cを別の芳香族ハロゲン化物と置き換え、及び/又は実施例43の工程5でアセトニトリルを別のアリール-NH-CO-R2、若しくはヘテロアリール-NH-CO-R2で置き換える)でも使用できることが明白であろう。
実施例44:中間体44bの合成
Figure 0005269085
工程1:
1.0M NaOH(8.5mL,8.5mmol)、THF(8.6mL)及びMeOH(8.6mL)中のエステル44a(1.0g,4.3mmol)溶液をRTで72時間撹拌してから還流温度で約3時間撹拌する。加圧下で揮発性溶媒を減少させて10%HCl(25mL)を加える。白色固体をろ過で収集し、イソプロパノール(9.1mL)に懸濁させて固体シュウ酸(470mg,5.2mmol)を加える。懸濁液を穏やかに約40℃に約1時間温めてからRTに冷ましてEt2Oで希釈する。結果として生じる沈殿物をろ過で集めて空気乾燥させる。白色固体とEt3N(1.8mL,13mmol)をDCM(5mL)に溶かして塩化アセチル(0.37mL,5.3mmol)を非常にゆっくり加える。反応を約3時間撹拌してから水(50mL)でクエンチする。混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出し、混ぜ合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮して純粋アミン44b(473mg,収率83%)を得る。
実施例45:化合物2034の合成
Figure 0005269085
工程1:
DMF(0.46mL)とジエチルアミン(2.3mL)に溶解した11c(200mg,0.75mmol)とアルキン3f(190mg,1.1mmol)の溶液に固体Pd(PPh3)4(9mg,0.008mmol)とCuI(3mg,0.015mmol)を連続して加える。反応混合物をRTで一晩撹拌してから濃縮し、EtOAc(10mL)で希釈し、食塩水、1N HCl水溶液及び水(それぞれ10mL)で連続的に洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してアルキン45aを得る(126mg,収率46%)。
工程2:
-78℃のDCM(0.8mL)中のアミド44b(91mg,0.42mmol)と2-クロロピリジン(53μL,0.56mmol)の撹拌混合物にTf2O(75μL,0.45mmol)を注射器で約1分の時間をかけて加える。5分後、反応フラスコを氷水浴に入れて0℃に温める。DCM(1mL)中のアルキン45a(100mg,0.28mmol)を注射器で加える。結果として生じる溶液をRTに戻す。約30分間撹拌後、トリエチルアミン(1mL)を加えて混合物をDCM(50mL)と食塩水(50mL)に分配する。有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させて濃縮する。次に残留物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製してキノリン45bを得る(25mg,収率16%)。
工程3:
THF(180μL)に溶解したエステル45b(25mg,0.05mmol)の溶液にTHF中LiBH4(2M,225μL,0.45mmol)を加え、反応をRTで一晩撹拌する。過剰の試薬をHClでクエンチし(1滴,多量の泡立ち)、混合物を飽和NaHCO3(10mL)で中和してEtOAc(3×10mL)で抽出する。混ぜ合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、濃縮してアルコール45c(21mg,収率>99%)を得る。
工程4:
DCM(0.5mL)に溶解したアルコール45c(21mg,0.061mmol)の溶液にDess-Martinペルヨージナン(34mg,0.08mmol)を加える。約2時間後、反応をSiO2パッド(1.5×1cm)に適用して生成物を1:1ヘキサン/EtOAc(20mL)で溶出する。ろ液をエバポレートして粗製アルデヒドを得る。このアルデヒドを次に2:2:1のTHF/H2O/tBuOH(3mL)に溶かして2,3-ジメチル-2-ブテン(0.3mL,THF中1M)を加える。この溶液にNaClO2(45mg,0.50mmol)とNaH2PO4(37mg,0.31mmol)を固体として加え、反応をRTで撹拌する。約30分後、反応をH2O(5mL)で希釈してEtOAc(3×10mL)で抽出する。有機層を無水MgSO4上で乾燥させて濃縮する。残留物を分取HPLCで精製して化合物2034を得る(3mg,収率10%)。
当業者には、上記合成プロトコルを他のインヒビターの合成(工程1で11cを別の芳香族ハロゲン化物と置き換え、及び/又は工程2でアミド44bを別のチエニル-NH-CO-R2と置き換える)でも使用できることが明白であろう。
実施例46:ボロナートフラグメント46b(2046の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
臭化アリール46e(0.152g,0.71mmol)、酢酸カリウム(0.209g,2.1mmol)及びビス(ピナコラト)ジボラン(0.234g,0.92mmol)の撹拌DMF(5mL)溶液を、該溶液全体に20分間Arを泡立てることによって脱気する。PdCl2(dppf)-DCM(87mg,0.11mmol)を加えて15分間脱気を続ける。系をAr下で封止して(Teflonねじ蓋容器)90℃に16時間加熱する。反応混合物をRTに冷まし、EtOAc(150mL)で希釈し、食塩水(3×100mL)と水(2×100mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。残留物をCombiFlash(登録商標)Companion(EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のボロナート46b(144mg,収率77%)を黄色がかった固体として得る。
実施例47:ボロナートフラグメント47a(2047の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
10gで出発して実施例13の工程1のとおりに反応を行ってボロン酸エステル47aを得る。
実施例48:ボロナートフラグメント48cの合成(1010の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
0℃でMeOH(62mL)に溶解したアルデヒド48a(4.11g,19.92mmol)の溶液に固体NaBH4(603mg,15.9mmol)を加える。反応をRTに温めて2時間撹拌する。反応をHCl水溶液(1N,20mL)でクエンチし、濃縮によってMeOHを除去し、生成物をEtOAc(2×50mL)で抽出する。有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮してアルコール48bを得る(4.1g,収率97%)。この物質を次工程でそのまま使用する。
工程2:
DCM(12mL)中の48b(3.96g,19.31mmol)の冷却溶液(0℃)にジメチルアミノイオウトリフルオリド(2.78mL,21.25mmol)を加える。反応をRTに温めて2時間撹拌する。反応をNaHCO3水溶液でクエンチし、DCMで抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物をCombiFlash(登録商標)Companionで精製して48c(2.1g,収率52%)を無色油として得る。
工程3:
実施例46の工程1のとおりに工程3を行ってボロン酸エステル48dを得る。
実施例49:ボロナートフラグメント49fの合成(1047、1048の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1: MeCN(50mL)中の3-ブロモ-2-メチルアニリン49a(2.44g,13.11mmol)の溶液にβ-プロピオラクトン49b(1.8mL,26.2mmol,含量90%)を加える。反応を加熱して48時間還流させた後、溶媒を除去する。残留物をEtOAcに溶解した後、1N HCl、次に食塩水で洗浄する。MgSO4上で乾燥させた後、溶液を濃縮乾固させ、Combiflash(登録商標)Companion (EtOAc/ヘキサン)で精製して所望の酸49c(1.1g,33%)を白色固体として得る。
工程2:
酸49c(1.1g,4.26mmol)をポリリン酸(40g)に混ぜ合わせて100℃で22時間加熱した後、RTに冷ます。残留物をEtOAcと氷に溶かした後、10N NaOHをpH=8まで滴下する。水相をEtOAc(3×)で抽出し、混ぜ合わせた有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮乾固させる。残留物をCombiflash(登録商標)Companion(EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のケトン49d(0.535g,52%)を黄色固体として得る。
工程3:
ケトン49d(0.49g,2.04mmol)をジクロロエタン(20mL)に溶かした後、ZnI2(0.97g,3.06mmol)で処理してからNaBH3CN(0.96g,15.3mmol)で処理する。混合物を加熱して1.5時間還流させた後、RTに冷ます。混合物をEtOAcで希釈し、NH4Clの酸性溶液で洗浄する。混合物を30分間撹拌後、相を分け、有機相を食塩水で洗浄する。乾燥後(MgSO4)、混合物をろ過し、濃縮乾固させる。Combiflash(登録商標)Companion(EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のブロミド49e(232mg,50%)を白色固体として得る。
工程4:
臭化アリール49e(0.26g,1.15mmol)、酢酸カリウム(0.339g,3.45mmol)及びビス(ピナコラト)ジボラン(0.38g,1.5mmol)のよく撹拌したDMF(10mL)溶液を、該溶液全体にArを約20分間泡立てることによって脱気する。PdCl2(dppf)-DCM(141mg,0.17mmol)を加えて脱気を約15分間続ける。系をAr下で封止し(Teflonねじ蓋容器)、約90℃に約16時間加熱する。反応混合物をRTに戻し、EtOAc(150mL)で希釈し、食塩水(3×100mL)及び水(2×100mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。残留物をCombiFlash(登録商標)Companion(EtOAc/ヘキサン)で精製して所望のボロナート49f(252mg,収率80%)を黄色がかった固体として得る。
実施例50:ボロナートフラグメント50aの合成(2041の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
無水DMF(8mL)中のボロナート5f(400mg,1.45mmol)の冷却溶液(0℃)にNaH(87.4mg,2.18mmol,油中60%の分散液)を加える。混合物を30分間撹拌後、ヨードエタン(233μL,2.9mmol)で処理する。結果として生じた混合物を18時間撹拌後、水でクエンチし、EtOAcで抽出する。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮する。残留物をCombiFlash(登録商標)Companion(EtOAc/ヘキサン)で精製して50aを無色油として得る(317mg,72%)。
実施例51:ボロナートフラグメント51bの合成(1032の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
DCM(1.4mL)中の1a(500mg,2.15mmol)の溶液にビス(2-メトキシエチル)アミノイオウトリフルオリド(0.84mL,4.31mmol)及びEtOH(12.2μL,0.22mmol)を加える。反応をバイアル内で封止し、RTで一晩撹拌する。反応をNaHCO3水溶液でクエンチし、DCMで抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させる。粗生成物1b(210mg,収率39%)を次工程でそのまま使用する。
工程2:
出発原料として1bを用いて、実施例46の工程1に記載のとおりに反応を行って1cを得る。
実施例52:ボロナートフラグメント52fの合成(1018、1019の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
リチウムジイソプロピルアミド(43.6g,245mmol)をTHF(400mL)中で調製し、シクロヘキサノン52a(21.0mL,204mmol)を-78℃で滴下し、1時間撹拌する。この溶液をヘキサメチルホスホラミド(60mL)中のジフェニルジスルフィド(53.4g,244mmol)の溶液中に加えてRTで2時間撹拌する。反応混合物をNH4Cl溶液でクエンチし、蒸留でTHFを除去した。粗製化合物をEtOAc(3×)で抽出し、有機層を水と食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮する。黄色の油性液体をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーで精製し、5%エーテル/ヘキサンを用いて溶出して52b(25.0g,収率59%)を粘性油として得る。
工程2:
MeOH(500mL)中の52b(25g,12mmol)の溶液にNaIO4水溶液(31g,151mmol)(最少量の水)を0℃で滴下し、RTで一晩撹拌する。反応混合物をcelite(登録商標)でろ過し、沈殿物をMeOHで洗浄する。ろ液を真空下で濃縮し、DCMで抽出し;有機層を水と食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮する。結果として生じる黄色固体をエーテル/ヘキサン系(50:50)で結晶化して52c(17.0g,63%)を黄色固体として得る。
工程3:
MeOH(30mL)中の52c(5.0g,2.25mmol)の撹拌溶液に、MeOH(5mL)中のNaOMe(1.33g,2.5mmol)を0℃で滴下し、3-メチル-3-ブテン-2-オン(2.45g,2.9mmol)を滴下する。反応混合物を0℃で一晩撹拌する。さらにNaOMe(1.33g,2.5mmol)を加えて反応混合物をRTで2日間撹拌する。蒸留でMeOHを除去し、結果として生じる溶液を5%HCl溶液上に注ぐ。水層をEtOAcで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮する。粗製化合物をクロマトグラフ処理(5〜10%エーテル/ヘキサン勾配溶出)して52d(506mg,収率14%)を白色固体として得る。
工程3:
出発原料として52dを用いて、実施例17の工程5に記載のとおりに反応を行って52eを得る。
工程4:
出発原料として52eを用いて、実施例17の工程6に記載のとおりに反応を行ってボロナート52fを得る。
実施例53:ボロナートフラグメント53cの合成(1061、1062、2042、2043の調製のために使用)
Figure 0005269085
工程1:
AcOH(100mL)中の3-クロロ-2-メチルアニソール53aの溶液に臭素(1.7ml,33.5mmol)を滴下する。RTで2時間後に反応混合物を真空下で濃縮してからEtOAcで希釈し、1.0NのNaOH、飽和Na2S2O3、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮してブロミド53bを無色油として得る(5.97g,収率79%)。
工程2:
出発原料として53bを用いて、実施例46の工程1に記載のとおりに反応を行って53cを得る。
実施例54:化合物1055及び1056の合成
Figure 0005269085
工程1:
RTにて無水MeCN(600μL)中のCuBr2(37.15mg,0.166mmol)及びtert-ブチルニトリル(0.253mmol)にアルゴン下でMeCN(400μL)中のアニリン41a及び41b(60.0mg,0.133mmol)の混合物をゆっくり加える。反応を1時間撹拌してから1.0N HClでクエンチし、EtOAc(3×)で抽出する。混ぜ合わせた有機抽出液を水と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮して粗製54aをアトロプ異性体の混合物として得(76.1mg,収率68%)、次工程でそのまま使用する。
工程2:
THF(3mL)/MeOH(1.5 mL)中の54a(68.5mg,0.133mmol)の溶液をRTにて1.0N NaOH(1mL)で処理する。反応混合物を50℃で一晩撹拌する。冷ました反応混合物を1.0N HClで酸性にし(pH約4〜5)、DCMで抽出し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮する。混合物を分取逆相HPLCで精製し、純粋フラクションをプールし、凍結乾燥させてインヒビター1055(16.7mg,収率25%)及び1056(4.3mg,収率6.5%)を白色固体として得る。
実施例55:化合物1057及び1058の合成
Figure 0005269085
工程1:
CuBr2の代わりにCuCl2を使用することを除き、実施例54の工程1に記載のとおりに反応を行い、アトロプ異性体の混合物として55aを得る。
工程2:
出発原料として55aを用いて、実施例54の工程2に記載のとおりに反応を行い、分離後に化合物1057及び1058を白色固体として得る。
当業者には、ヨード中間体1Bから出発する表2の他のインヒビターの合成でも上記実施例54及び55の合成プロトコルを使用できることが明白であろう。
実施例56:C8166HIV-1ルシフェラーゼアッセイ(EC50)
非発現系の臍帯血リンパ球以外の不死化ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(J. Sullivanから得た)からC8166細胞を誘導し、該細胞はHIV-1感染に対して非常に許容状態である。ブラスチシジン耐性の遺伝子が中にクローン化されたpGL3 Basic Vector(Promegaカタログ#E1751からのプロモーターを持たないルシフェラーゼベクター)中のルシフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド-138〜+80(Sca1-HindIII)上流からHIV-1 HxB2 LTR配列を導入することによって、pGL3 Basic LTR/TARプラスミドを作製する。C8166細胞をpGL3 Basic LTR/TARと電気穿孔し、かつブラスチシジンで陽性クローンを選択することによってレポーター細胞を生じさせる。ブラスチシジン選択下で3回の連続ラウンドの限界希釈でクローンC8166-LTRluc #A8-F5-G7を選択した。培養を完全培地(Roswell Park Memorial Institute medium(RPMI)1640+10%FBS+10-5Mのβ-メルカプトエタノール+10μg/mlのゲンタマイシンから成る)内で5μg/mlのブラスチシジンと共に維持するが、ウイルス複製アッセイを行う前に細胞からブラスチシジン選択を除く。
(ルシフェラーゼアッセイプロトコル)
(化合物の調製)
10mMのDMSO原液から完全培地内でHIV-1インヒビター化合物の段階希釈を調製する。1mlの深ウェルタイタープレート(96ウェル)内で8×所望最終濃度にて11の2.5×段階希釈を行う。12番目のウェルはインヒビターのない完全培地を含み、ポジティブコントロールとして働く。全てのサンプルは同一濃度のDMSOを含む(≦0.1%DMSO)。96ウェル組織培養処理クリアビューブラックマイクロタイタープレート(Corning Costarカタログ#3904)の三通りのウェルに25μLアリコートのインヒビターを加える。ウェル毎の総量は、細胞とインヒビターを含有する200μLの培地である。最後の列は未感染C8166 LTRluc細胞用に確保され、バックグラウンドブランクコントロールとして働き、最初の列は培地のみである。
(細胞の感染)
C8166 LTRluc細胞を数え、組織培養フラスコ内で最少量の完全RPMI 1640に入れる(例えば10mL培地/25cm2フラスコ中30×106個の細胞)。HIV-1又は後述するように生成されるインテグラーゼが変化したウイルスで0.005の感染分子(molecules of infection)(moi)にて細胞を感染させる。5%CO2インキュベーター内の回転ラック上で細胞を1.5時間37℃でインキュベートし、再び完全RPMIに懸濁させて最終濃度の25,000細胞/175μLを得る。25μLの8×インヒビターを含む96ウェルマイクロタイタープレートのウェルに175μLの細胞ミックスを加える。バックグラウンドコントロール用の最後の列に25,000個の未感染C8166-LTRluc細胞/200μLの完全RPMI中ウェルを加える。5%CO2インキュベーター内で37℃にて3日間細胞をインキュベートする。
(ルシフェラーゼアッセイ)
50μlのSteady Glo(ルシフェラーゼ基質T1/2=5時間Promegaカタログ#E2520)を96ウェルプレートの各ウェルに加える。ルシフェラーゼ相対発光量(relative light units)(RLU)をLUMIstar Galaxyルミノメーター(BMG LabTechnologies)で決定する。プレートを底部から240のゲインでウェル毎に2秒間解読する。
インヒビターを含む各ウェルの阻害レベル(阻害%)を以下のように計算する。
Figure 0005269085
計算した阻害%値を用いて、下記方程式を利用するSASの非線形回帰ルーチンNLIN手順によって、EC50、傾斜因子(n)及び最大阻害(Imax)を決定する。
Figure 0005269085
(表の化合物)
下表1〜4に示す本発明の化合物はインテグラーゼインヒビターである。下表1〜2から選択した代表化合物は、実施例46のHIV-1ルシフェラーゼアッセイで試験した場合、20μM未満のEC50値を有する。
実施例に記載の標準分析HPLC条件を用いて各化合物の保持時間(tR)を測定する。当業者には周知なように、保持時間値は特有の測定条件に敏感である。従って、溶媒、流速、線形勾配などの同一条件を利用した場合でさえ、例えば、異なるHPLC機器で測定すると、保持時間値が変化することがある。同一機器で測定した場合でさえ、例えば、異なる個々のHPLCカラムを用いて測定すると値が変化することがあり、或いは同一機器かつ同一の個々のカラムで測定した場合でさえ、例えば、異なる機会に取った個々の測定間で値が異なることがある。
Figure 0005269085
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Figure 0005269085
Figure 0005269085
本出願で引用した全ての特許、特許出願、及び刊行物を含め、各文献は、あたかも各文献を個々に参照によってその内容全体を本明細書に組み込んだかのごとく、参照によってその内容全体を本明細書に組み込んだものとする。さらに、当然のことながら、本発明の上記教示において、当業者は、本発明の一定の変更又は修正を行うことができ、かつこれらの等価物は依然として本出願に添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にある。

Claims (29)

  1. 下記式(I):
    Figure 0005269085
    (式中、
    _ _ _ _ _ _ _は単結合又は二重結合を表し;
    XはS又はCR5であり;
    YはS又はCR7であり;
    ここで、X又はYの1つはSであり;
    R2、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に下記基:
    a)ハロ;
    b)R8、-C(=O)-R8、-C(=O)-O-R8、-O-R8、-S-R8、SO-R8、-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-R8、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-O-R8、-(C1-6)アルキレン-SO-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-SO2-R8、-(C1-6)アルキレン-O-R8若しくは-(C1-6)アルキレン-S-R8
    (ここで、R8は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、アリール及びHetから選択され;
    かつ
    前記アリール及びHetはそれぞれ独立に、下記基:
    i)ハロ、オキソ、チオキソ、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-O(C1-6)ハロアルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-SO(C1-6)アルキル、-SO2(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2
    ii)(C1-6)アルキル(-OH、-O-(C1-6)ハロアルキル、又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよい);及び
    iii)アリール又はHet(各アリール及びHetはハロ又は(C1-6)アルキルで置換されていてもよい)
    からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);及び
    c)-N(R9)R10、-C(=O)-N(R9)R10、-O-C(=O)-N(R9)R10、-SO2-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-C(=O)-N(R9)R10、-(C1-6)アルキレン-O-C(=O)-N(R9)R10、又は-(C1-6)アルキレン-SO2-N(R9)R10
    (ここで、
    R9は、各場合独立にH、(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルから選択され;かつ
    R10は、各場合独立にR8、-(C1-6)アルキレン-R8、-SO2-R8、-C(=O)-R8、-C(=O)OR8及び-C(=O)N(R9)R8(ここで、R8及びR9は前記定義どおり)から選択される)
    から選択され;
    R3が(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-、Het-(C1-6)アルキル-又は-W-R31であり、かつ結合cが単結合であり;或いは
    R3が(C1-6)アルキリデンであり、かつ結合cが二重結合であり
    (ここで、WはO又はSであり、かつR31は(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル、アリール、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-又はHet-(C1-6)アルキル-であり;
    前記(C1-6)アルキリデン、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、アリール-(C1-6)アルキル-、Het-(C1-6)アルキル-及び-W-R31はそれぞれ、(C1-6)アルキル、ハロ、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
    R4はアリール又はHetであり、前記アリール及びHetはそれぞれ、ハロ、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2(前記(C1-6)アルキルはヒドロキシ、-O(C1-6)アルキル、シアノ又はオキソで置換されていてもよい)からそれぞれ独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく;
    かつ
    Hetは、O、N及びSからそれぞれ独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和、不飽和若しくは芳香族ヘテロ環、又はO、N及びSからそれぞれ独立に選択される可能な限り1〜5個のヘテロ原子を有する7員〜14員の飽和、不飽和若しくは芳香族ヘテロ多環であり;ここで、各Nヘテロ原子は、独立にかつ可能な場合、それがさらに酸素原子に結合してN-オキシド基を形成するように酸化状態で存在してよく、かつ各Sヘテロ原子は、独立にかつ可能な場合、それがさらに1又は2個の酸素原子に結合して基SO又はSO2を形成するように酸化状態で存在してよい)
    の化合物の異性体、ラセミ体、エナンチオマー若しくはジアステレオマー
    又はその塩。
  2. 下記式(Ie):
    Figure 0005269085
    (式中、R2、R3、R4、R5及びR6は、請求項1の定義どおり)
    の請求項1に記載の化合物。
  3. 下記式(Ih):
    Figure 0005269085
    (式中、R2、R3、R4、R6及びR7は、請求項1の定義どおり)
    の請求項1に記載の化合物。
  4. R2が(C1-6)アルキル又は-O(C1-6)アルキルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. R2が-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、又は-OCH3である、請求項4に記載の化合物。
  6. R2が-CH3である、請求項5に記載の化合物。
  7. R3が-O(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)ハロアルキル、-O(C2-6)アルケニル、-O(C2-6)アルキニル又は-O-(C3-7)シクロアルキルであり;
    ここで、前記-O(C1-6)アルキル及び-O-(C3-7)シクロアルキルはそれぞれ、(C1-3)アルキル、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;かつ
    結合cが単結合である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. R3が-O(C1-4)アルキルであり;ここで、前記-O(C1-4)アルキルは、シアノ、オキソ及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよく;かつ
    結合cが単結合である、請求項7に記載の化合物。
  9. R3が-OC(CH3)3であり;かつcが単結合である、請求項8に記載の化合物。
  10. R4が、ハロ、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキル-(C1-6)アルキル-、-OH、-O(C1-6)アルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり;ここで前記(C1-6)アルキルは、ヒドロキシ、-O(C1-6)アルキル、シアノ又はオキソで置換されていてもよい、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. R4が、F、Cl、Br、NH2、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、CH2F、CF3及び-CH2CH2Fからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルである、請求項10に記載の化合物。
  12. R4が、ハロ、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C1-6)ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、-OH、-O(C1-6)アルキル、-SH、-S(C1-6)アルキル、-NH2、-NH(C1-6)アルキル及び-N((C1-6)アルキル)2からそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいHetであり;ここで前記(C1-6)アルキルは、ヒドロキシル又は-O(C1-6)アルキルで置換されていてもよい、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  13. R4が、ハロ、(C1-6)アルキル及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよいHetであり;
    ここで、前記Hetが、N、O及びSからそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員若しくは6員ヘテロ環であり;又は前記Hetが、N、O及びSからそれぞれ独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9員若しくは10員ヘテロ多環である、請求項12に記載の化合物。
  14. R4が、ハロ、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、NH2及び-O(C1-6)アルキルからそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリール又はHetであり;
    ここで、前記アリールは下記基:
    Figure 0005269085
    から選択され;かつ
    前記Hetは下記基:
    Figure 0005269085
    から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  15. R5がH又は(C1-4)アルキルである、請求項1、2又は4〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. R5が(C1-4)アルキルである、請求項15に記載の化合物。
  17. R5がH又はCH3である、請求項16に記載の化合物。
  18. R6がH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は-O(C1-6)アルキルである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. R6がH又は(C1-4)アルキルである、請求項18に記載の化合物。
  20. R6が(C1-4)アルキルである、請求項19に記載の化合物。
  21. R6がH又はCH3である、請求項19に記載の化合物。
  22. R7がH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は-O(C1-6)アルキルである、請求項1、3〜14又は18〜21のいずれか1項に記載の化合物。
  23. R7がH又は(C1-4)アルキルである、請求項22に記載の化合物。
  24. R7が(C1-4)アルキルである、請求項23に記載の化合物。
  25. R7がH又はCH3である、請求項23に記載の化合物。
  26. 下記式:
    Figure 0005269085
    (式中、R3、R4、R5及びR6は以下:
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    の定義どおり)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  27. 下記式:
    Figure 0005269085
    (式中、R3、R4、R5及びR6は以下:
    Figure 0005269085
    の定義どおり)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  28. 下記式:
    Figure 0005269085
    (式中、R3、R4、R6及びR7は以下:
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    の定義どおり)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  29. 下記式:
    Figure 0005269085
    (式中、R3、R4、R6及びR7は以下:
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    Figure 0005269085
    の定義どおり)
    を有する請求項1に記載の化合物。
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