以下、図面を参照して、本発明にかかる体内画像取得装置、受信装置、および体内画像取得システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる体内画像取得システムの一構成例を示す模式図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかる体内画像取得システムは、被検体1の体内画像群を撮像する体内画像取得装置の一例であるカプセル型内視鏡2aと、被検体内部に導入されたカプセル型内視鏡2aから被検体1の体内画像群を受信する受信装置4と、受信装置4が受信した被検体1の体内画像群(すなわちカプセル型内視鏡2aが撮像した体内画像群)を表示する画像表示装置5と、かかる受信装置4と画像表示装置5との間のデータの受け渡しを行うための携帯型記録媒体6とを備える。
カプセル型内視鏡2aは、被検体1の内部に導入されて被検体1の体内画像群を撮像する体内画像取得装置として機能する。具体的には、カプセル型内視鏡2aは、被検体1の口から飲込まれた後、臓器の蠕動運動等によって被検体1の臓器内部を移動しつつ、被検体1の体内画像を順次撮像する。また、カプセル型内視鏡2aは、被検体1の体内画像を撮像する都度、撮像した体内画像を含む画像信号を外部の受信装置4に対して順次無線送信する。この場合、カプセル型内視鏡2aは、自身の持つ固有の機能に対応する時間間隔で被検体1の各体内画像を順次無線送信する。
なお、かかるカプセル型内視鏡2a固有の機能は、例えば、被検体1の体内画像を撮像する撮像部の保有数、被検体1の臓器内部(撮像視野)を照明する照明部の照明光量、単位時間(例えば1秒間)当りに撮像する体内画像のフレーム数(撮像フレームレート)等によって種別される。
受信装置4は、カプセル型内視鏡2aが撮像した被検体1の体内画像群を受信し、受信した体内像群を蓄積する。具体的には、受信装置4は、複数の受信アンテナ3a〜3hを有し、臓器内部にカプセル型内視鏡2aを導入する被検体1に装着(携帯)される。かかる受信装置4は、被検体1内部のカプセル型内視鏡2aが無線送信した画像信号を複数の受信アンテナ3a〜3hを介して順次受信して、被検体1の体内画像群を取得する。また、受信装置4は、着脱可能に挿着される携帯型記録媒体6を有し、カプセル型内視鏡2aから取得した被検体1の体内画像群を携帯型記録媒体6に記録する。この場合、受信装置4は、取得した体内画像群の連続する各体内画像間の時間間隔を算出し、算出した時間間隔をもとに、カプセル型内視鏡2a固有の機能別に被検体1の各体内画像を識別する。かかる受信装置4は、カプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別した状態で被検体1の各体内画像を携帯型記録媒体6に記録する。
受信アンテナ3a〜3hは、例えば被検体1の臓器内部に導入されたカプセル型内視鏡2aの移動経路(すなわち被検体1の消化管)に沿って被検体1の体表上に分散配置され、上述した受信装置4に接続される。かかる受信アンテナ3a〜3hは、被検体1内部のカプセル型内視鏡2aが順次無線送信した画像信号を捕捉し、この補足した画像信号を受信装置4に対して順次送出する。なお、受信アンテナ3a〜3hは、被検体1に着用させるジャケット等に分散配置されてもよい。また、かかる画像信号を捕捉する受信アンテナは、被検体1に対して1以上配置されればよく、その配置数は、特に8つに限定されない。
画像表示装置5は、携帯型記録媒体6を媒介して被検体1の体内画像群等の各種データを取得し、この取得した各種データをディスプレイ上に表示するワークステーション等のような構成を有する。具体的には、画像表示装置5は、被検体1の体内画像群等が記録された携帯型記録媒体6を着脱可能に挿着し、この挿着した携帯型記録媒体6から被検体1の体内画像群等を取り込む。この場合、画像表示装置5は、上述した受信装置4によってカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別された状態の体内画像群を取得する。かかる画像表示装置5は、このように取得した体内画像群をカプセル型内視鏡2a固有の機能別に保持管理し、カプセル型内視鏡2a固有の機能別に区別した態様で各体内画像を表示する。このように画像表示装置5が被検体1の各体内画像を区別して表示することによって、医師または看護師等のユーザは、容易且つ効率的に被検体1の各体内画像を観察(検査)できる。なお、ユーザは、かかる画像表示装置5が表示した被検体1の各体内画像を観察して、被検体1を診断する。
携帯型記録媒体6は、可搬型の記録媒体であり、上述した受信装置4と画像表示装置5との間のデータの受け渡しを行うためのものである。具体的には、携帯型記録媒体6は、受信装置4および画像表示装置5に対して着脱可能であって、両者に対する挿着時にデータの出力および記録が可能な構造を有する。このような携帯型記録媒体6は、受信装置4に挿着された場合、受信装置4がカプセル型内視鏡2aから受信した被検体1の体内画像群等を記録し、画像表示装置5に挿着された場合、被検体1の体内画像群等の記録データを画像表示装置5に送出する。
なお、かかる携帯型記録媒体6が記録する各種データは、例えば、被検体1の体内画像群、これら体内画像群内の各体内画像の時間情報(撮像時刻、受信時刻等)、被検体1の患者情報、被検体1の検査情報等である。ここで、被検体1の患者情報は、被検体1を特定する特定情報であり、例えば、被検体1の患者名、患者ID、生年月日、性別、年齢等である。また、被検体1の検査情報は、被検体1に対して実施されるカプセル型内視鏡検査(臓器内部にカプセル型内視鏡2を導入して臓器内部を観察するための検査)を特定する特定情報であり、例えば、検査ID、検査日等である。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡2aの構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡2aの一構成例を示す断面模式図である。図2に示すように、カプセル型内視鏡2aは、カプセル型の筐体10の内部に、被検体1内部を照明する複数の照明部11aと、照明部11aによって照明された被検体1の臓器内部の画像(体内画像)を撮像する撮像部12aと、撮像部12aが撮像した体内画像を外部(上述した受信装置4)に無線送信するための無線ユニット13aおよびアンテナ13bとを備える。また、カプセル型内視鏡2aは、複数の照明部11a、撮像部12a、および無線ユニット13aを制御する制御部15と、かかるカプセル型内視鏡2aの各構成部(複数の照明部11a、撮像部12a、無線ユニット13a、および制御部15)に対して電力を供給するための電池14aおよび電源回路14bとを備える。
筐体10は、被検体1の内部に導入し易い大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、ケース本体10aと光学ドーム10bとによって形成される。ケース本体10aは、一端が開口し且つ他端がドーム状に閉じた筒状構造を有するケース部材である。光学ドーム10bは、ドーム状に形成された透明な光学部材であり、ケース本体10aの一端である開口端を閉じる態様でケース本体10aに取り付けられる。かかるケース本体10aと光学ドーム10bとによって形成される筐体10は、カプセル型内視鏡2aの各構成部(照明部11a、撮像部12a、無線ユニット13a、アンテナ13b、電池14a、電源回路14b、および制御部15等)を液密に収容する。
複数の照明部11aは、例えばLED等の発光素子を用いて実現され、略円盤状に形成されたリジッド回路基板である照明基板11b上に実装された状態で筐体10内部における光学ドーム10bの近傍に配置される。かかる複数の照明部11aは、所定光量の照明光を発光して、光学ドーム10b越しに被検体1の臓器内部(詳細には撮像部12aの撮像視野)を照明する。
撮像部12aは、略円盤状に形成されたリジッド回路基板である撮像基板12b上に実装された状態で筐体10内部に配置され、上述した複数の照明部11aによって照明された被写体の画像を撮像する。具体的には、撮像部12aは、CCDまたはCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子と、この固体撮像素子の受光面に被写体の画像を結像する光学系とを組み合わせて実現され、この光学系のレンズ枠を照明基板11bの開口部に挿通させた態様で光学ドーム10bと対向する。かかる撮像部12aは、光学ドーム10b越しに、複数の照明部11aによって照明された被検体1の臓器内部の画像(すなわち被検体1の体内画像)を所定の撮像フレームレートで順次撮像する。
無線ユニット13aおよびアンテナ13bは、上述した撮像部12aが順次撮像した被検体1の各体内画像を外部に順次無線送信するためのものである。具体的には、無線ユニット13aおよびアンテナ13bは、略円盤状に形成されたリジッド回路基板である無線基板13c上に実装された状態で筐体10内部に配置される。無線ユニット13aは、撮像部12aが撮像した被検体1の体内画像を含む画像信号を受信し、受信した画像信号に対して変調処理等を行って、被検体1の体内画像を含む無線信号を生成する。アンテナ13bは、無線ユニット13aが生成した無線信号を外部の受信装置4に順次送信する。この場合、無線ユニット13aは、制御部15の制御に基づいて、カプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信時間間隔(以下、単に送信間隔という)で被検体1の各体内画像を順次無線送信する。このように無線送信された被検体1の各体内画像は、上述した受信アンテナ3a〜3hを介して受信装置4に受信される。
電池14aおよび電源回路14bは、上述しようにカプセル型内視鏡2aの各構成部(複数の照明部11a、撮像部12a、無線ユニット13a、および制御部15)に対して電力を供給する内蔵電源として機能する。具体的には、2つの電池14aは、例えば酸化銀電池等のボタン型電池であり、略円盤状に形成されたリジッド回路基板である一対の電源基板14c,14dに挟まれる態様で電源基板14c,14dと電気的に接続される。なお、電池14aの配置数は、カプセル型内視鏡2aの各構成部の駆動電力を発生するために必要な数量であればよく、特に2つに限定されない。一方、電源回路14bは、電源基板14d上に実装され、電源基板14c,14d等を介して電池14aの電力をカプセル型内視鏡2aの各構成部に供給する。なお、この電源基板14dには、外部の磁力を検出し、電力供給のオンオフを切り替える制御信号を発生する磁気スイッチ(図示せず)が実装される。また、かかる電源基板14c,14d、上述した照明基板11b、撮像基板12b、および無線基板13cは、フレキシブル回路基板を介して電気的に接続される。
制御部15は、例えば撮像基板12b上に実装された態様で筐体10内部に配置され、複数の照明部11a、撮像部12a、および無線ユニット13aを制御する制御手段として機能する。具体的には、制御部15は、複数の照明部11aが照明した被検体1の臓器内部の画像を撮像部12aが撮像するように各照明部11aおよび撮像部12aの各動作タイミングを制御するとともに、カプセル型内視鏡2aに固有な撮像フレームレートで被検体1の体内画像を順次撮像するように各照明部11aおよび撮像部12aを制御する。また、制御部15は、ホワイトバランス等の画像処理に関する各種パラメータを有し、撮像部12aが撮像した被検体1の体内画像を含む画像信号を生成する画像処理機能を有する。制御部15は、かかる画像信号を無線ユニット13aに順次送信し、所定の送信フレームレートで各画像信号を順次無線送信するように無線ユニット13aを制御する。この場合、制御部15は、カプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信間隔で被検体1の各体内画像を無線ユニット13aに順次無線送信させる。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる受信装置4の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる受信装置4の一構成例を模式的に示すブロック図である。図3に示すように、この実施の形態1にかかる受信装置4は、アンテナユニット4aと受信機本体4bとを備える。
アンテナユニット4aは、被検体1内部のカプセル型内視鏡2aが無線送信した画像信号を受信する受信手段として機能する。受信機本体4bは、アンテナユニット4aを介して受信した画像信号をもとに被検体1の体内画像を順次取得し、取得した被検体1の体内画像群を蓄積する。かかるアンテナユニット4aおよび受信機本体4bをコネクタ等を介して接続することによって、受信装置4が実現される。
かかるアンテナユニット4aは、図3に示すように、上述した受信アンテナ3a〜3hが接続されたアンテナ切替部20と、受信アンテナ3a〜3hを介して受信された無線信号の受信電界強度を検出する強度検出部21と、かかる無線信号をベースバンド信号(画像信号)に復調する復調部23とを有する。一方、かかる受信機本体4bは、図3に示すように、アンテナ切替部20のアンテナ切替動作を制御する切替制御部22と、復調部23によって抽出された画像信号に含まれる同期信号を検出する同期検出部24と、同期検出部24によって同期信号が検出されたフレーム単位の画像信号を画像処理する信号処理部25とを有する。また、かかる受信機本体4bは、入力部26と、記憶部27と、上述した携帯型記録媒体6に被検体1の体内画像群等を記録する記録部28と、受信装置4の各構成部を制御する制御部29と、受信装置4の各構成部に電力を供給する電源部30とを有する。
アンテナ切替部20は、上述した受信アンテナ3a〜3hを有し、これら受信アンテナ3a〜3hの各々と復調部23との接続状態を切り替えるアンテナ切替動作を行う。詳細には、アンテナ切替部20は、切替制御部22の制御に基づいて、複数の受信アンテナ3a〜3hの中から復調部23と接続する受信アンテナを順次切り替えるとともに、かかる受信アンテナ3a〜3hの各々を介して受信した各無線信号を強度検出部21に順次送出する。かかるアンテナ切替部20は、切替制御部22の制御に基づいてアンテナ切替動作を行って、カプセル型内視鏡2aからの無線信号の受信に適した受信アンテナを受信アンテナ3a〜3hの中から選択し、この選択した受信アンテナ(受信アンテナ3a〜3hのいずれか)と復調部23とを接続する。
強度検出部21は、受信アンテナ3a〜3hの各々を介して順次受信した各無線信号の受信電界強度を検出する。具体的には、強度検出部21は、上述したアンテナ切替部20によって順次切り替えられる受信アンテナ3a〜3hの各々を介して順次受信したカプセル型内視鏡2aからの各無線信号の受信電界強度を検出する。かかる強度検出部21は、受信電界強度の検出結果として、例えばRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度表示信号)等の信号を切替制御部22に送出する。
切替制御部22は、制御部29の制御に基づいて、複数の受信アンテナ3a〜3hの各々と復調部23との接続状態を順次切り替えるようにアンテナ切替部20を制御する。また、切替制御部22は、強度検出部21が検出した受信電界強度を示す信号(例えばRSSI信号)をもとに、受信アンテナ3a〜3hの中から無線信号の受信電界強度が最も高くなる受信アンテナを選択し、この選択した受信アンテナと復調部23とを接続するようにアンテナ切替部20を制御する。
復調部23は、受信アンテナ3a〜3hを介して受信したカプセル型内視鏡2aからの無線信号をベースバンド信号である画像信号に復調する。具体的には、復調部23は、上述したアンテナ切替部20によって選択された受信アンテナ(受信アンテナ3a〜3hのいずれか)を介して受信した無線信号に対して復調処理等を行って、この無線信号から画像信号を抽出する。かかる復調部23によって抽出された画像信号は、上述したカプセル型内視鏡2aが撮像した画像データ(被検体1の体内画像)を少なくとも含むベースバンド信号である。復調部23は、かかる画像信号を同期検出部24に送出する。
同期検出部24は、復調部23によって抽出された画像信号を取得し、この取得した画像信号に含まれる同期信号(垂直同期信号または水平同期信号)を検出する。これによって、同期検出部24は、1フレームの体内画像に対応するフレーム単位の画像信号の先頭または末尾を検出し、その都度、フレーム単位の画像信号を信号処理部25に送出する。また、同期検出部24は、例えば水晶振動子等を用いて時間を計時し、かかるフレーム単位の画像信号の先頭または末尾を検出する都度、すなわち画像信号に含まれる同期信号を検出する都度、その検出時点の時間情報を検出する。かかる同期検出部24によって検出された時間情報は、フレーム単位の各画像信号に対応する被検体1の各体内画像をそれぞれ特定する特定情報である。同期検出部24は、かかる時間情報を制御部29に順次送出する。
信号処理部25は、同期検出部24からフレーム単位の画像信号を取得し、その都度、この取得したフレーム単位の画像信号に対して所定の画像処理を行って、このフレーム単位の画像信号に対応するフレーム単位の体内画像(具体的にはカプセル型内視鏡2aによって撮像された被検体1の体内画像)を順次生成する。信号処理部25は、生成した被検体1の各体内画像を制御部29に順次送出する。
入力部26は、情報入力のための入力キーまたは入力ボタン等を用いて実現され、ユーザによる入力操作に応じて、制御部29に指示する各種指示情報を制御部29に入力する。記憶部27は、RAM等の記憶デバイスを用いて実現され、制御部29が被検体1の各体内画像をカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別するまでの期間、信号処理部25が生成した各体内画像および同期検出部24が検出した各時間情報等を一時的に記憶する。かかる記憶部27が記憶した各種情報は、必要に応じて制御部29によって読み出される。
記録部28は、上述したカプセル型内視鏡2aから受信した被検体1の体内画像群を記録するためのものである。具体的には、記録部28は、上述した携帯型記録媒体6を着脱可能に挿着され、制御部29の制御に基づいて、この携帯型記録媒体6内に被検体1の体内画像群を記録する。
制御部29は、処理プログラムを実行するCPUと、処理プログラム等が予め記憶されたROMと、演算パラメータ等を記憶するRAMとを用いて実現され、受信装置4の各構成部を制御する。例えば、制御部29は、入力部26による情報入力、記憶部27による情報記憶および情報読み出し、記録部28による体内画像群の記録等を制御する。また、制御部29は、入力部26によって入力された指示情報に基づいて、切替制御部22を制御し、この切替制御部22の制御を通してアンテナ切替部20を制御する。これによって、制御部29は、受信アンテナ3a〜3hを介した無線信号の受信開始および受信終了を制御する。また、制御部29は、同期検出部24から取得した時間情報によって特定される体内画像を生成出力するように信号処理部25を制御する。
また、制御部29は、時間算出部29aおよび識別処理部29bを有し、同期検出部24から順次取得した各体内画像の時間情報をもとに、上述したカプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する時間間隔、すなわちカプセル型内視鏡2aによる各体内画像の送信間隔を算出し、得られた時間間隔をもとに被検体1の各体内画像をカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別する。かかる制御部29は、カプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別した状態で携帯型記録媒体6に被検体1の各体内画像を記録するように記録部28を制御する。
時間算出部29aは、上述した同期検出部24が検出した各体内画像の時間情報をもとに、被検体1の体内画像群の連続する各体内画像間の時間間隔を算出する。かかる時間算出部29aによって算出された各体内画像間の時間間隔は、上述したカプセル型内視鏡2aによる各体内画像の送信間隔、すなわちカプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する時間間隔である。識別処理部29bは、かかる時間算出部29aによって算出された時間間隔をもとに、上述した信号処理部25が順次生成出力した各体内画像(被検体1の各体内画像)をカプセル型内視鏡2a固有の機能別を識別する。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡2aの動作について説明する。図4は、被検体1の各体内画像を順次無線送信する単眼のカプセル型内視鏡2aの送信シーケンスを例示する模式図である。図4に示すように、カプセル型内視鏡2aは、被検体1の臓器内部において順次撮像した各体内画像を、カプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信間隔△Z1,△Z2で順次無線送信する。
具体的には、被検体1の臓器内部にカプセル型内視鏡2aが導入された状態において、制御部15は、1フレーム目からnフレーム目(nは正の整数)の各体内画像を撮像部12aに順次撮像させ、かかる1フレーム目からnフレーム目までの各体内画像を無線ユニット13aに順次無線送信させる。この場合、制御部15は、1フレーム目および2フレーム目の各体内画像を送信間隔△Z1で順次無線送信するように無線ユニット13aを制御し、2フレーム目および3フレーム目の各体内画像を送信間隔△Z2で順次無線送信するように無線ユニット13aを制御する。かかる制御部15は、1フレーム目から3フレーム目の各体内画像の場合と同様に、体内画像毎に送信間隔△Z1,△Z2を順次切り替えて3フレーム目以降の各体内画像を無線ユニット13aに順次無線送信させる。すなわち図4に示すように、制御部15は、撮像部12aが順次撮像した奇数フレーム目の体内画像とその直後の偶数フレーム目の体内画像とを送信間隔△Z1で無線ユニット13aに順次無線送信させ、偶数フレーム目の体内画像とその直後の奇数フレーム目の体内画像とを送信間隔△Z2で無線ユニット13aに順次無線送信させる。
なお、かかる送信間隔△Z1は、図4に示すように奇数フレーム目の体内画像を無線送信し始めてから直後の偶数フレーム目の体内画像を無線送信し始めるまでの時間間隔であってもよいし、奇数フレーム目の体内画像を無線送信し終えてから直後の偶数フレーム目の体内画像を無線送信し終えるまでの時間間隔であってもよい。これと同様に、かかる送信間隔△Z2は、図4に示すように偶数フレーム目の体内画像を無線送信し始めてから直後の奇数フレーム目の体内画像を無線送信し始めるまでの時間間隔であってもよいし、偶数フレーム目の体内画像を無線送信し終えてから直後の奇数フレーム目の体内画像を無線送信し終えるまでの時間間隔であってもよい。
ここで、かかるフレーム番号が連続する各体内画像の送信間隔△Z1,△Z2の組合せは、これら各体内画像を取得したカプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する時間間隔の組合せであり、このカプセル型内視鏡2aに対して一意的に設定される。すなわち、かかる送信間隔△Z1,△Z2の組合せは、このカプセル型内視鏡2a固有の機能を特定可能な時間情報である。制御部15は、上述したように、かかる送信間隔△Z1,△Z2を体内画像毎に順次切り替えて1フレーム目からnフレーム目までの各体内画像を無線ユニット13aに順次無線送信させる。この結果、カプセル型内視鏡2aは、撮像部12aによって撮像した被検体1の各体内画像を受信装置4に対して順次無線送信できるとともに、かかる各体内画像の送信間隔△Z1,△Z2の組合せによって、カプセル型内視鏡2a固有の機能を受信装置4に対して知らせることができる。
なお、上述したように送信間隔△Z1,△Z2で被検体1の各体内画像を順次無線送信する無線ユニット13aの送信フレームレートは、図4に示すように連続する2つの送信間隔△Z1,△Z2の和が単位時間(=1秒間)である場合、2[フレーム/秒]である。一方、被検体1の体内画像群を撮像する撮像部12aの撮像フレームレートは、かかる無線ユニット13aの送信フレームレートに一意的に対応するものであれば、この送信フレームレートと同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる受信装置4の動作について説明する。図5は、実施の形態1にかかる受信装置4の制御部29が行う処理手順を例示するフローチャートである。受信装置4は、上述したように、カプセル型内視鏡2aによって無線送信された被検体1の体内画像群を受信する。制御部29は、カプセル型内視鏡2aから受信した被検体1の各体内画像を、このカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別して携帯型記録媒体6に順次記録させる。
すなわち、図5に示すように、制御部29は、カプセル型内視鏡2aから受信した被検体1の体内画像およびこの体内画像を特定する時間情報を取得する(ステップS101)。具体的には、制御部29は、同期検出部24が検出した体内画像の時間情報(例えば画像信号に含まれる同期信号の検出時間)を取得し、この時間情報によって特定されるフレーム単位の体内画像を信号処理部25から取得する。
つぎに、制御部29は、ステップS101において取得した体内画像と時間情報とを対応付ける(ステップS102)。具体的には、制御部29は、同期検出部24から取得した時間情報と信号処理部25から取得した体内画像とを対応付けて、この体内画像を特定する時間情報を把握する。この場合、制御部29は、このように対応付けた体内画像および時間情報を記憶部27に一時的に記憶させ、かかる体内画像および時間情報を必要に応じて読み出せるように保持管理する。
その後、制御部29は、このステップS102において時間情報と対応付けた体内画像が1フレーム目の体内画像であるか否かを判断する(ステップS103)。ここで、受信装置4は、カプセル型内視鏡2aから被検体1の体内画像を受信する以前に、この被検体1の体内画像を取得するための受信装置として初期設定するための初期化処理が行われている。受信装置4の記録部28に挿着された携帯型記録媒体6は、かかる初期化処理によってフォーマット処理され、体内画像を記録していない状態になる。制御部29は、かかる携帯型記録媒体6の記録状態を確認し、被検体1の体内画像が携帯型記録媒体6に記録されていなければ、上述した体内画像が1フレーム目の体内画像であると判断する(ステップS103,Yes)。この場合、制御部29は、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を繰り返す。
一方、制御部29は、かかる携帯型記録媒体6の記録状態を確認した結果、被検体1の体内画像が携帯型記録媒体6に記録されている場合、上述した体内画像が1フレーム目の体内画像ではない(すなわち2フレーム目以降の体内画像である)と判断し(ステップS103,No)、連続する2つの体内画像間の時間間隔を算出する(ステップS104)。この場合、時間算出部29aは、現時点において制御部29が取得している最新の体内画像(すなわち現時点においてフレーム番号が最も大きい体内画像)の時間情報Tnとこの最新の体内画像に連続する直前の体内画像の時間情報Tn−1とを記憶部27から読み出し、かかる時間情報Tnと時間情報Tn−1との時間差である時間間隔△Tn−1を算出する。かかる時間算出部29aによって算出された時間間隔△Tn−1は、制御部29が信号処理部25から順次取得する各体内画像の連続する各体内画像間の時間間隔であり、上述したカプセル型内視鏡2aによる各体内画像の送信間隔△Z1,△Z2のいずれかに相当する。制御部29は、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△Tn−1を記憶部27に一時的に記憶させる。
その後、制御部29は、各体内画像の連続する各体内画像間の時間間隔の組合せを取得したか否かを判断し(ステップS105)、取得していない場合(ステップS105,No)、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を繰り返す。このように制御部29がステップS101〜S105の処理手順を繰り返し行った場合、時間算出部29aは、信号処理部25から順次取得した各体内画像の連続する各体内画像間の時間間隔△Tn−2,△Tn−1を順次算出する。この結果、制御部29は、かかる時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せを取得する。
なお、この時間間隔△Tn−2は、フレーム番号が連続する3つの体内画像Pn−2,Pn−1,Pnのうちの先頭側の体内画像Pn−2,Pn−1の時間間隔であり、この時間間隔△Tn−1は、末尾側の体内画像Pn−1,Pnの時間間隔である。また、かかる2つの連続する時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せは、上述したカプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信間隔△Z1,△Z2の組合せに相当する。
制御部29は、かかる各体内画像の時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せを取得した場合(ステップS105,Yes)、この取得した時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せに基づいて、これら各体内画像を識別する(ステップS106)。この場合、識別処理部29bは、記憶部27に一時的に記憶された時間間隔△Tn−2,△Tn−1を読み出し、この読み出した時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せに基づいて各体内画像を識別する。ここで、かかる時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せは、上述したように、カプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信間隔△Z1,△Z2の組合せに相当する。したがって、識別処理部29bは、かかる時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せに基づいてカプセル型内視鏡2a固有の機能を判別でき、この判別した機能別に各体内画像を識別できる。かかる識別処理部29bは、このカプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する識別情報を体内画像Pn−2,Pn−1,Pnに対して付加し、これによって、体内画像Pn−2,Pn−1,Pnをカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別した状態にする。
その後、制御部29は、上述したステップS106において識別した各体内画像を携帯型記録媒体6に記録するように記録部28を制御する(ステップS107)。この場合、識別処理部29bは、カプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する識別情報が付加された状態の各体内画像を携帯型記録媒体6に順次記録させる。そして、制御部29は、被検体1の全体内画像について処理完了したか否かを判断し(ステップS108)、処理完了していない場合(ステップS108,No)、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を繰り返す。一方、制御部29は、例えば入力部26によって処理終了の指示情報が入力された場合、処理完了と判断し(ステップS108,Yes)、本処理を終了する。
つぎに、カプセル型内視鏡2a固有の機能を具体的に例示して、このカプセル型内視鏡2a固有の機能別に被検体1の各体内画像を識別する識別処理部29bの動作について具体的に説明する。図6は、時間算出部29aによって算出される各体内画像の時間間隔を例示する模式図である。図7は、各体内画像の時間間隔の組合せに基づいてカプセル型内視鏡2a固有の機能別に各体内画像を識別する識別処理部29bの動作を説明するための模式図である。
被検体1内部のカプセル型内視鏡2aが上述したように送信間隔△Z1,△Z2(図4参照)で1フレーム目から3フレーム目までの各体内画像を順次無線送信した場合、受信装置4は、かかる1フレーム目から3フレーム目までの各体内画像を順次受信する。この場合、受信装置4の制御部29は、同期検出部24から時間情報T1,T2,T3を順次取得し、信号処理部25から1フレーム目の体内画像P1、2フレーム目の体内画像P2、3フレーム目の体内画像P3を順次取得する。かかる制御部29は、上述したように、時間情報T1と体内画像P1とを対応付け、時間情報T2と体内画像P2とを対応付け、時間情報T3と体内画像P3とを対応付ける。なお、時間情報T1は体内画像P1の特定情報であり、時間情報T2は体内画像P2の特定情報であり、時間情報T3は体内画像P3の特定情報である。
時間算出部29aは、図6に示すように、体内画像P2の時間情報T2と体内画像P1の時間情報T1との時間差を各体内画像P1,P2の時間間隔△T1として算出し、体内画像P3の時間情報T3と体内画像P2の時間情報T2との時間差を各体内画像P2,P3の時間間隔△T2として算出する。識別処理部29bは、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せをもとに、被検体1の各体内画像P1,P2,P3をカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別する。なお、かかる時間間隔△T1,△T2の組合せは、上述したように、カプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信間隔△Z1,△Z2の組合せに相当する。
ここで、上述したカプセル型内視鏡2aの機能別種類として、例えば、標準単眼カプセル、高照明単眼カプセル、高レート単眼カプセル、および低レート単眼カプセルを例示する。なお、標準単眼カプセルは、被検体1の体内画像を撮像する単一の撮像部(例えば図2に示した撮像部12a)を有し、標準の照明光量で被検体1の臓器内部を照明し、標準の撮像フレームレート(例えば2[フレーム/秒])で被検体1の体内画像を順次撮像するカプセル型内視鏡である。高照明単眼カプセルは、標準単眼カプセルに比して高い照明光量で被検体1の臓器内部を照明し、その他の機能(撮像部の保有数および撮像フレームレート)として標準単眼カプセルと同じ機能を有するカプセル型内視鏡である。かかる高照明単眼カプセルは、胃等の大空間を形成する臓器内部の画像を撮像するカプセル型内視鏡として適している。
また、高レート単眼カプセルは、標準単眼カプセルに比して高速の撮像フレームレートで被検体1の体内画像を順次撮像し、その他の機能(撮像部の保有数および照明光量)として標準単眼カプセルと同じ機能を有するカプセル型内視鏡である。かかる高レート単眼カプセルは、食道等の短時間で通過する臓器内部の画像を撮像するカプセル型内視鏡として適している。低レート単眼カプセルは、標準単眼カプセルに比して低速の撮像フレームレートで被検体1の体内画像を順次撮像し、その他の機能(撮像部の保有数および照明光量)として標準単眼カプセルと同じ機能を有するカプセル型内視鏡である。かかる低レート単眼カプセルは、小腸および大腸等の通過に長時間を要する臓器内部の画像を撮像するカプセル型内視鏡として適している。
上述したカプセル型内視鏡2aが標準単眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2aは、例えば、送信間隔△Z1=t1[秒]で体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z2=t1[秒]で体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t1と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t1とを順次算出する。
識別処理部29bは、図7に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t1,t1)に基づいて、カプセル型内視鏡2a固有の機能が標準単眼カプセルの機能であると判別し、この判別した機能(標準単眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A1を体内画像P1,P2,P3にそれぞれ付加する。このようにして、識別処理部29bは、標準単眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別する。
一方、上述したカプセル型内視鏡2aが高照明単眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2aは、例えば、送信間隔△Z1=t2[秒]で体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z2=t3[秒]で体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t2と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t3とを順次算出する。なお、上述した標準単眼カプセルの送信間隔△Z1,△Z2の和(t1+t1)が単位時間である場合、かかる高照明単眼カプセルの送信間隔△Z1,△Z2の和(t2+t3)は、標準単眼カプセルの送信間隔△Z1,△Z2の和(t1+t1)と略同値である。
識別処理部29bは、図7に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t2,t3)に基づいて、カプセル型内視鏡2a固有の機能が高照明単眼カプセルの機能であると判別し、この判別した機能(高照明単眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A2を体内画像P1,P2,P3にそれぞれ付加する。このようにして、識別処理部29bは、高照明単眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別する。
一方、上述したカプセル型内視鏡2aが高レート単眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2aは、例えば、送信間隔△Z1=t4[秒]で体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z2=t4[秒]で体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t4と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t4とを順次算出する。なお、かかる高レート単眼カプセルの送信間隔△Z1,△Z2の和(t4+t4)は、上述した標準単眼カプセルの送信間隔△Z1,△Z2の和(t1+t1)に比して小さい値である。
識別処理部29bは、図7に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t4,t4)に基づいて、カプセル型内視鏡2a固有の機能が高レート単眼カプセルの機能であると判別し、この判別した機能(高レート単眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A3を体内画像P1,P2,P3にそれぞれ付加する。このようにして、識別処理部29bは、高レート単眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別する。
一方、上述したカプセル型内視鏡2aが低レート単眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2aは、例えば、送信間隔△Z1=t5[秒]で体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z2=t5[秒]で体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t5と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t5とを順次算出する。なお、かかる低レート単眼カプセルの送信間隔△Z1,△Z2の和(t5+t5)は、上述した標準単眼カプセルの送信間隔△Z1,△Z2の和(t1+t1)に比して大きい値である。
識別処理部29bは、図7に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t5,t5)に基づいて、カプセル型内視鏡2a固有の機能が低レート単眼カプセルの機能であると判別し、この判別した機能(低レート単眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A4を体内画像P1,P2,P3にそれぞれ付加する。このようにして、識別処理部29bは、低レート単眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別する。
なお、時間算出部29aは、3フレーム目以降の各体内画像の時間間隔△T3,・・・,△Tn−2,△Tn−1についても上述した時間間隔△T1,△T2の場合と同様に順次算出する。識別処理部29bは、上述した1フレーム目から3フレーム目までの各体内画像P1,P2,P3の場合と同様に、かかる時間算出部29aが順次算出した各時間間隔の組合せ(△T3,△T4),…,(△Tn−2,△Tn−1)に基づいて、3フレーム目以降の各体内画像P3,・・・,Pn−1,Pnをカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別する。
つぎに、上述した高照明単眼カプセルとして機能する場合のカプセル型内視鏡2aの照明機構について説明する。図8は、高照明単眼カプセルの照明機構の一例を示す模式図である。図9は、高照明単眼カプセルの照明機構の変形例1を示す模式図である。図10は、高照明単眼カプセルの照明機構の変形例2を示す模式図である。図11は、高照明単眼カプセルの照明機構の変形例3を示す模式図である。図12は、高照明単眼カプセルの照明機構の変形例4を示す模式図である。
カプセル型内視鏡2aは、標準単眼カプセルに比して照明光量を増大させた高照明単眼カプセルである場合、図2に示した複数の照明部11aに供給する電力を増量して照明光量を増加させてもよいが、消費電力の増加を伴わずに照明光量を増加させることが望ましい。すなわち、高照明単眼カプセルは、複数の照明部11aが出射した各照明光を所定範囲に集中させることによって被検体1の臓器内部を照明する照明光量を増加させる。
図8に示すように、高照明単眼カプセルが有する複数の照明部11aは、標準単眼カプセルの場合と同様に、照明部11aの長手方向と照明基板11bの外周の接線方向とが略一致する態様で照明基板11b上に実装される。かかる複数の照明部11aの各上部(すなわち照明光の出射範囲内)には、照明光を集光するレンズ7がそれぞれ配置される。なお、図8には、かかる複数の照明部11aおよび撮像部12aが取り付けられた照明基板11bの正面図および側面図が示されている。
かかる各レンズ7は、複数の照明部11aが出射した各照明光を撮像部12aの撮像視野内に集中させ、これによって、撮像部12aの撮像視野内である被検体1の臓器内部に照射される照明光の光量を増加させる。複数の照明部11aは、かかる各レンズ7の作用によって、被検体1の臓器内部を一層明るく照明できる。
なお、かかる高照明単眼カプセルである場合のカプセル型内視鏡2aは、上述したように複数の照明部11aの各上部にレンズ7をそれぞれ配置し、かかる各レンズ7の集光作用によって被検体1の臓器内部に対する照明光量を増加させていたが、これに限らず、照明基板11b上に実装する照明部11aの数を増加することによって、被検体1の臓器内部に対する照明光量を増加させてもよい。
具体的には、図9に示すように、各照明部11aの長手方向(例えば図9に示した点線矢印の方向)と照明基板11bの径方向とがそれぞれ略一致する態様で照明基板11b上に複数の照明部11aが実装される。このような態様で複数の照明部11aを照明基板11b上に実装することによって、標準単眼カプセルに比して多くの照明部11aを照明基板11b上に配置することができ、この結果、被検体1の臓器内部に対する照明光量を増加させることができる。
また、各照明部11aの外装形状を三角形にし、かかる外装形状を有する複数の照明部11aを照明基板11b上に高密度に配置してもよい。具体的には、図10に示すように、各照明部11aの長手方向(例えば図10に示した点線矢印の方向)と照明基板11bの径方向とがそれぞれ略一致する態様で照明基板11b上に、三角形の外装形状を有する複数の照明部11aを実装してもよい。この場合、かかる複数の照明部11aは、三角形の外装形状の尖端部と撮像部12a(具体的にはレンズ枠の側面)とを対向させる態様で配置される。この結果、矩形の外装形状を有する複数の照明部11aを照明基板11b上に放射状に配置する場合(図9参照)に比して、照明基板11b上に高密度に複数の照明部11aを配置することができ、被検体1の臓器内部に対する照明光量の増加とともに、照明基板11bの小型化、さらにはカプセル型内視鏡の小型化を促進できる。
さらに、照明基板11bの基板形状は、図9,10に示したような円盤状に限らず、多角形であってもよい。具体的には、図11に示すように、多角形(例えば正8角形)の基板形状を有する照明基板11b上に放射状に複数の照明部11aを配置してもよい。この場合、複数の照明部11aの各々の長手方向は、照明基板11bの径方向(照明基板11bの中心部から外周部に向かう方向)と略一致する。かかる多角形状の照明基板11bは、上述したカプセル型の筐体10(図2参照)の内部に配置するために、図11に示す外形寸法rを筐体10の内径に比して小さくすればよい。このため、かかる多角形状の照明基板11bは、上述した円盤状の照明基板に比して製造しやすい。
また、かかる多角形状の照明基板11b上に配置する複数の照明部11aは、図11に示したように矩形の外装形状を有する照明部に限らず、上述した図10に示した三角形の外装形状を有する照明部であってもよい。具体的には、図12に示すように、多角形の基板形状を有する照明基板11b上に放射状に、三角形の外装形状を有する複数の照明部11aを配置してもよい。この場合、複数の照明部11aは、各外装形状の尖端部と撮像部12a(具体的にはレンズ枠の側面)とを対向させる態様で配置される。この結果、上述した図10に示した照明機構による作用効果(照明部11aの高密度実装化)と図11に示した照明機構による作用効果(照明基板11bの製造し易さの向上)とをともに享受することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、撮像部によって撮像した被検体の各体内画像を外部に順次無線送信する際、撮像部の保有数、フレームレート、および照明光量等によって種別される装置固有の機能に対応する時間間隔で各体内画像を順次無線送信するように構成した。このため、かかる装置固有の機能に対応する識別情報を各画像信号に付加しなくとも、順次無線送信する各体内画像の時間間隔の組合せによって、かかる装置固有の機能を外部に知らせることができる。この結果、被検体の各体内画像を順次無線送信するとともに、かかる各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、装置固有の機能別での体内画像群の識別を可能にする体内画像取得装置を実現できる。
また、かかる体内画像取得装置が順次無線送信した被検体の各体内画像を順次受信し、この受信した各体内画像をそれぞれ特定する各時間情報を順次検出し、この検出した各時間情報をもとに各体内画像の時間間隔を算出して、体内画像取得装置固有の機能に対応する時間間隔の組合せを取得し、この取得した時間間隔の組合せをもとに、被検体の各体内画像を識別するように構成した。このため、かかる体内画像取得装置から装置固有の機能を示す識別情報を受信しなくとも、順次受信した各体内画像の時間間隔の組合せをもとに、体内画像取得装置固有の機能別に被検体の各体内画像を識別することができる。この結果、被検体の各体内画像を順次受信するとともに、かかる体内画像取得装置が体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、体内画像取得装置固有の機能別に被検体の各体内画像を識別できる受信装置を実現することができる。
さらに、かかる体内画像取得装置および受信装置を備えることによって、被検体の各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、体内画像取得装置固有の機能別に識別可能な体内画像群を取得できる体内画像取得システムを実現することができる。
本発明にかかる体内画像取得装置、受信装置、および体内画像取得システムによれば、被検体の各体内画像を無線送信する際の送信情報量を可能な限り少量化でき、これによって、被検体の各体内画像を無線送信する際の消費電力を可能な限り抑えることができ、体内画像取得装置の省電力化を促進することができる。また、体内画像取得装置固有の機能別に識別した状態で被検体の各体内画像を順次蓄積することができ、かかる蓄積した各体内画像を画像表示装置に取り込ませることによって、体内画像取得装置固有の機能別に区別した態様で各体内画像を画像表示装置に表示させることができる。この結果、かかる画像表示装置に表示された被検体の各体内画像を医師または看護師等のユーザが容易且つ効率的に観察(検査)できるようになる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、単一の撮像部12aを備えた単眼のカプセル型内視鏡2a固有の機能別に各体内画像を識別していたが、この実施の形態2では、さらに、体内画像を撮像する撮像手段として複数の撮像部を備えた複眼のカプセル型内視鏡固有の機能別に各体内画像を識別するようにしている。なお、以下では、かかる複眼の体内画像取得装置の一例として、2つの撮像部を有する2眼のカプセル型内視鏡を示す。
図13は、本発明の実施の形態2にかかる体内画像取得システムの一構成例を示す模式図である。図13に示すように、この実施の形態2にかかる体内画像取得システムは、被検体1に導入する体内画像取得装置の種類として、上述した単眼のカプセル型内視鏡2aの他に2眼のカプセル型内視鏡2bを追加し、上述した受信装置4に代えて、単眼のカプセル型内視鏡2aに加えて2眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能別に各体内画像を識別できる受信装置34を有する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
なお、この実施の形態2にかかる体内画像取得システムでは、単眼のカプセル型内視鏡2aまたは2眼のカプセル型内視鏡2bが被検体1の臓器内部に導入され、受信装置34は、この被検体1内部に導入された単眼または2眼のカプセル型内視鏡2a,2bが撮像した各体内画像を受信アンテナ3a〜3hを介して受信する。この場合、受信装置34は、かかるカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に各体内画像を識別する。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡2bの構成について説明する。図14は、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡2bの一構成例を示す断面模式図である。この実施の形態2にかかるカプセル型内視鏡2bは、上述したように、2つの撮像部を備えた2眼タイプの体内画像取得装置であり、上述した単眼のカプセル型内視鏡2aに対して撮像部を追加したものと略同様の構成を有する。すなわち、図14に示すように、カプセル型内視鏡2bは、上述した実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡2aの筐体10に代えて筐体40を有し、制御部15に代えて制御部45を有する。また、カプセル型内視鏡2bは、さらに、照明基板41bに実装された態様の複数の照明部41aと、撮像基板42bに実装された態様の撮像部42aとを有する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
筐体40は、上述したカプセル型内視鏡2aの筐体10と略同様に被検体1の内部に導入し易い大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、ケース本体40aと光学ドーム40b,40cとによって形成される。ケース本体10aは、両端が開口した筒状構造を有するケース部材である。光学ドーム40b,40cは、上述したカプセル型内視鏡2aの光学ドーム10bと同様にドーム状に形成された透明な光学部材であり、ケース本体40aの両側の開口端をそれぞれ閉じる態様でケース本体40aに取り付けられる。かかるケース本体40aと光学ドーム40b,40cとによって形成される筐体40は、カプセル型内視鏡2bの各構成部(照明部11a,41a、撮像部12a,42a、無線ユニット13a、アンテナ13b、電池14a、電源回路14b、および制御部45等)を液密に収容する。
複数の照明部41aは、例えばLED等の発光素子を用いて実現される。複数の照明部41aは、略円盤状に形成されたリジッド回路基板である照明基板41b上に実装された状態で筐体40内部における光学ドーム40cの近傍に配置される。この場合、複数の照明部41aは、光学ドーム40b側に配置された照明基板11b上の各照明部11aと略同様の実装態様で照明基板41b上に実装される。かかる複数の照明部41aは、所定光量の照明光を発光して、光学ドーム40c越しに被検体1の臓器内部(詳細には撮像部42aの撮像視野)を照明する。一方、複数の照明部11aは、反対側の光学ドーム40b越しに被検体1の臓器内部(詳細には撮像部12aの撮像視野)を照明する。
撮像部42aは、略円盤状に形成されたリジッド回路基板である撮像基板42b上に実装された状態で筐体40内部に配置され、上述した撮像部12aと異なる撮像視野を有する。具体的には、撮像部42aは、CCDまたはCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子と、この固体撮像素子の受光面に被写体の画像を結像する光学系とを組み合わせて実現され、この光学系のレンズ枠を照明基板41bの開口部に挿通させた態様で光学ドーム40cと対向する。かかる撮像部42aは、光学ドーム40c越しに、複数の照明部41aによって照明された被検体1の臓器内部の画像(すなわち被検体1の体内画像)を所定の撮像フレームレートで順次撮像する。一方、光学ドーム40b側に配置された撮像部12aは、光学ドーム40b越しに、複数の照明部11aによって照明された被検体1の臓器内部の画像を所定の撮像フレームレートで順次撮像する。
制御部45は、略円盤状に形成されたリジッド回路基板である制御基板46上に実装された状態で筐体40内部に配置され、複数の照明部11a,41a、撮像部12a,42a、および無線ユニット13aを制御する制御手段として機能する。具体的には、制御部45は、複数の照明部41aが照明した被検体1の臓器内部の画像を撮像部42aが撮像するように各照明部41aおよび撮像部42aの各動作タイミングを制御するとともに、カプセル型内視鏡2bに固有な撮像フレームレートで被検体1の体内画像を順次撮像するように各照明部11a,41aおよび撮像部12a,42aを制御する。この場合、制御部45は、所定の撮像順序に沿って(例えば交互に)被検体1の各体内画像を順次撮像するように各照明部11a,41aおよび撮像部12a,42aを制御する。また、制御部45は、撮像部42aが撮像した被検体1の体内画像を含む画像信号を生成する画像処理機能をさらに有する。かかる制御部45は、撮像部12aが撮像した各体内画像を含む画像信号と、撮像部42aが撮像した体内画像を含む画像信号とを無線ユニット13aに順次送信し、撮像部12a,42aの撮像順序に沿って所定の送信フレームレートで各画像信号を順次無線送信するように無線ユニット13aを制御する。この場合、制御部45は、カプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する送信間隔で被検体1の各体内画像を無線ユニット13aに順次無線送信させる。なお、制御部45は、かかる撮像部12a,42aが撮像した各体内画像を圧縮処理する圧縮処理機能を有してもよく、圧縮処理した各体内画像をそれぞれ含む各画像信号を無線ユニット13aに順次無線送信させてもよい。かかる制御部45のその他の機能は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡2aの制御部15と同じである。
なお、かかる制御部45を実装する制御基板46には、制御部45の他に、上述した電源回路14bと磁気スイッチ47とが実装される。また、かかる制御基板46、上述した照明基板11b,41b、撮像基板12b,42b、無線基板13c、および電源基板14c,14d、は、フレキシブル回路基板を介して電気的に接続される。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる受信装置34の構成について説明する。図15は、本発明の実施の形態2にかかる受信装置34の一構成例を模式的に示すブロック図である。図15に示すように、この実施の形態2にかかる受信装置34は、上述した実施の形態1にかかる受信装置4の受信機本体4bに代えて受信機本体34bを備える。この受信機本体34bは、上述した実施の形態1にかかる受信機本体4bの制御部29に代えて制御部39を備え、体内画像を圧縮処理する圧縮部37をさらに備える。その他の構成は上述した実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
圧縮部37は、上述したカプセル型内視鏡2a,2bから受信した体内画像群のうちの非圧縮画像を圧縮処理する。具体的には、圧縮部37は、制御部39の制御に基づいて、制御部39から取得した非圧縮状態の各体内画像を順次圧縮処理し、圧縮処理した各体内画像(圧縮画像)を記録部28に順次送出する。この場合、かかる圧縮部37によって圧縮処理された各体内画像は、上述したカプセル型内視鏡2a固有の機能別またはカプセル型内視鏡2b固有の機能別に識別された状態で携帯型記録媒体6に順次記録される。
制御部39は、処理プログラムを実行するCPUと、処理プログラム等が予め記憶されたROMと、演算パラメータ等を記憶するRAMとを用いて実現され、受信装置34の各構成部を制御する。かかる制御部39は、上述した時間算出部29aを有し、単眼のカプセル型内視鏡2a固有の機能別に各体内画像を識別する識別処理部29bに代えて、単眼のカプセル型内視鏡2a固有の機能別および2眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能別に各体内画像を識別する識別処理部39bを有する。かかる制御部39は、同期検出部24から順次取得した各体内画像の時間情報をもとに、上述した単眼のカプセル型内視鏡2a固有の機能または2眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する時間間隔(各体内画像の送信間隔)を算出し、得られた時間間隔をもとに被検体1の各体内画像をカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に識別する。制御部39は、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に識別した状態で携帯型記録媒体6に被検体1の各体内画像を記録するように記録部28を制御する。かかる制御部39のその他の機能は、上述した実施の形態1にかかる受信装置4の制御部29と同じである。
識別処理部39bは、時間算出部29aによって算出された時間間隔をもとに、上述した信号処理部25が順次生成出力した各体内画像(被検体1の各体内画像)をカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別を識別する。この場合、識別処理部39bは、被検体1の各体内画像がカプセル型内視鏡2aによって撮像されたものであれば、上述した実施の形態1にかかる受信装置4の識別処理部29bと同様に、かかる各体内画像をカプセル型内視鏡2a固有の機能別に識別する。一方、識別処理部39bは、被検体1の各体内画像がカプセル型内視鏡2bによって撮像されたものであれば、かかる各体内画像をカプセル型内視鏡2b固有の機能別に識別し、さらに、かかる各体内画像を撮像部別に識別する。かかる識別処理部39bは、時間算出部29aによって順次算出された各時間間隔の組合せをもとに、信号処理部25から取得した各体内画像がカプセル型内視鏡2a,2bのいずれによって撮像されたものであるかを判別する。
なお、かかる時間算出部29aによって算出された各体内画像間の時間間隔は、上述した単眼のカプセル型内視鏡2aまたは2眼のカプセル型内視鏡2bのいずれかによる各体内画像の送信間隔、すなわちカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能に対応する時間間隔である。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる2眼のカプセル型内視鏡2bの動作について説明する。図16は、被検体1の各体内画像を順次無線送信する2眼のカプセル型内視鏡2bの送信シーケンスを例示する模式図である。図16に示すように、2眼のカプセル型内視鏡2bは、撮像部12a,42aによって順次撮像した被検体1の各体内画像を、かかる撮像部12a,42aの撮像順序に沿って、カプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12で順次無線送信する。
具体的には、被検体1の臓器内部にカプセル型内視鏡2bが導入された状態において、制御部45は、1フレーム目からnフレーム目(nは正の整数)の各体内画像を所定の撮像順序に沿って撮像部12a,42aに順次撮像させ、かかる1フレーム目からnフレーム目までの各体内画像を撮像部12a,42aの撮像順序に沿って無線ユニット13aに順次無線送信させる。ここで、制御部45は、1フレーム目からnフレーム目の各体内画像を撮像部12a,42aに交互に撮像させた場合、かかる撮像部12a,42aの撮像順序に沿って、撮像部12aが撮像した体内画像と撮像部42aが撮像した体内画像とを送信間隔△Z11,△Z12で順次無線送信するように無線ユニット13aを制御する。
例えば図16に示すように、制御部45は、撮像部12aが撮像した体内画像と、その直後に撮像部42aが撮像した体内画像とをこの撮像順序に沿って送信間隔△Z11で順次無線送信するように無線ユニット13aを制御し、撮像部42aが撮像した体内画像と、その直後に撮像部12aが撮像した体内画像とをこの撮像順序に沿って送信間隔△Z12で順次無線送信するように無線ユニット13aを制御する。制御部45は、かかる3フレーム分の各体内画像の場合と同様に、撮像部12a,42aの撮像順序に沿って送信間隔△Z11,△Z12を順次切り替えて1フレーム目からnフレーム目の各体内画像を無線ユニット13aに順次無線送信させる。
なお、かかる送信間隔△Z11は、図16に示すように撮像部12aの体内画像を無線送信し始めてから直後の撮像部42aの体内画像を無線送信し始めるまでの時間間隔であってもよいし、撮像部12aの体内画像を無線送信し終えてから直後の撮像部42aの体内画像を無線送信し終えるまでの時間間隔であってもよい。これと同様に、かかる送信間隔△Z12は、図16に示すように撮像部42aの体内画像を無線送信し始めてから直後の撮像部12aの体内画像を無線送信し始めるまでの時間間隔であってもよいし、撮像部42aの体内画像を無線送信し終えてから直後の撮像部12aの体内画像を無線送信し終えるまでの時間間隔であってもよい。
ここで、かかるフレーム番号が連続する各体内画像の送信間隔△Z11,△Z12の組合せは、これら各体内画像を取得した2眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する時間間隔の組合せであり、このカプセル型内視鏡2bに対して一意的に設定される。すなわち、かかる送信間隔△Z11,△Z12の組合せは、このカプセル型内視鏡2b固有の機能を特定可能な時間情報である。制御部45は、上述したように、かかる送信間隔△Z11,△Z12を撮像部12a,42aの撮像順序に沿って順次切り替えて1フレーム目からnフレーム目までの各体内画像を無線ユニット13aに順次無線送信させる。この結果、カプセル型内視鏡2bは、撮像部12a,42aによって順次撮像した被検体1の各体内画像を受信装置34に対して順次無線送信できるとともに、かかる各体内画像の送信間隔△Z11,△Z12の組合せによって、カプセル型内視鏡2b固有の機能を受信装置34に対して知らせることができる。
なお、上述したように送信間隔△Z11,△Z12で被検体1の各体内画像を順次無線送信する無線ユニット13aの送信フレームレートは、図16に示すように連続する2つの送信間隔△Z11,△Z12の和が単位時間(=1秒間)である場合、2[フレーム/秒]である。一方、被検体1の体内画像群を撮像する撮像部12a,42aの各撮像フレームレートは、かかる無線ユニット13aの送信フレームレートに一意的に対応するものであれば、この送信フレームレートと同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる受信装置34の動作について説明する。この実施の形態2にかかる受信装置34は、上述したように、単眼のカプセル型内視鏡2aまたは2眼のカプセル型内視鏡2bによって無線送信された被検体1の体内画像群を受信する。かかる受信装置34の制御部39は、上述したステップS101〜S108の処理手順を繰り返し行って、単眼のカプセル型内視鏡2aまたは2眼のカプセル型内視鏡2bから受信した被検体1の各体内画像を、このカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に識別して携帯型記録媒体6に順次記録させる。この場合、識別処理部39bは、上述したステップS106において、時間算出部29aが算出した各時間間隔の組合せをもとに被検体1の各体内画像の撮像元を判別(すなわち各体内画像を撮像した体内画像取得装置がカプセル型内視鏡2a,2bのいずれであるかを判別)し、この判別したカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に各体内画像を識別する。かかる識別処理部39bは、被検体1の各体内画像の撮像元が2眼のカプセル型内視鏡2bであると判別した場合、このカプセル型内視鏡2b固有の機能別に識別した各体内画像を、撮像部12a,42a別にさらに識別する。
以下、2眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能を具体的に例示して、このカプセル型内視鏡2b固有の機能別に被検体1の各体内画像を識別する識別処理部39bの動作について具体的に説明する。図17は、2眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能別に各体内画像を識別する識別処理部39bの動作を説明するための模式図である。なお、識別処理部39bは、被検体1の各体内画像の撮像元が単眼のカプセル型内視鏡2aである場合、上述した実施の形態1にかかる受信装置4の識別処理部29bと同様に、カプセル型内視鏡2a固有の機能別に各体内画像を識別する。
被検体1内部のカプセル型内視鏡2bが上述したように送信間隔△Z11,△Z12(図16参照)で1フレーム目から3フレーム目までの各体内画像を順次無線送信した場合、受信装置34は、かかる1フレーム目から3フレーム目までの各体内画像を順次受信する。この場合、時間算出部29aは、上述したように、2フレーム目の体内画像P2の時間情報T2と1フレーム目の体内画像P1の時間情報T1との時間間隔△T1を算出し、3フレーム目の体内画像P3の時間情報T3と2フレーム目の体内画像P2の時間情報T2との時間間隔△T2を算出する。識別処理部39bは、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せをもとに、被検体1の各体内画像P1,P2,P3をカプセル型内視鏡2b固有の機能別に識別する。なお、かかる時間間隔△T1,△T2の組合せは、上述したように、カプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12の組合せに相当する。
ここで、上述した2眼のカプセル型内視鏡2bの機能別種類として、例えば、標準2眼カプセル、高照明2眼カプセル、低レート2眼カプセル、および圧縮2眼カプセルを例示する。なお、標準2眼カプセルは、被検体1の体内画像を撮像する2つの撮像部(例えば図14に示した撮像部12a,42a)を有し、標準の照明光量で被検体1の臓器内部を照明し、標準の撮像フレームレート(例えば2[フレーム/秒])で被検体1の体内画像を順次撮像するカプセル型内視鏡である。高照明2眼カプセルは、標準2眼カプセルに比して高い照明光量で被検体1の臓器内部を照明し、その他の機能(撮像部の保有数および撮像フレームレート)として標準2眼カプセルと同じ機能を有するカプセル型内視鏡である。かかる高照明2眼カプセルは、胃等の大空間を形成する臓器内部の画像を撮像するカプセル型内視鏡として適している。なお、かかる高照明2眼カプセルの照明機構は、上述した高照明単眼カプセルと同様である。
また、低レート2眼カプセルは、標準2眼カプセルに比して低速の撮像フレームレートで被検体1の体内画像を順次撮像し、その他の機能(撮像部の保有数および照明光量)として標準2眼カプセルと同じ機能を有するカプセル型内視鏡である。かかる低レート2眼カプセルは、小腸および大腸等の通過に長時間を要する臓器内部の画像を撮像するカプセル型内視鏡として適している。圧縮2眼カプセルは、2つの撮像部によって順次撮像した各体内画像を圧縮処理した各圧縮画像を順次無線送信し、この結果、標準2眼カプセルに比して高速の送信フレームレートで被検体1の体内画像を順次無線送信し、その他の機能(撮像部の保有数および照明光量等)として標準2眼カプセルと同じ機能を有するカプセル型内視鏡である。かかる圧縮2眼カプセルは、被検体1の口腔から大腸に亘る所望の臓器内部を撮像した大量の体内画像を無線送信するカプセル型内視鏡として適している。
上述したカプセル型内視鏡2bが標準2眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2bは、例えば、送信間隔△Z11=t11[秒]で体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z12=t12[秒]で体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t11と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t12とを順次算出する。
識別処理部39bは、図17に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t11,t12)に基づいて、かかる体内画像P1,P2,P3の撮像元が2眼のカプセル型内視鏡2bであると判別するとともに、このカプセル型内視鏡2b固有の機能が標準2眼カプセルの機能であると判別する。識別処理部39bは、この判別した機能(標準2眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A11,B11を体内画像P1,P2,P3に付加する。この場合、識別処理部39bは、かかる体内画像P1,P2,P3のうちの体内画像P1に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A11を付加し、体内画像P2に撮像部42aの体内画像である旨を示す識別情報B11を付加し、体内画像P3に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A11を付加する。このようにして、識別処理部39bは、標準2眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別し、さらに、かかる体内画像P1,P2,P3を撮像部12a,42a別に識別する。
一方、上述したカプセル型内視鏡2bが高照明2眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2bは、例えば、送信間隔△Z11=t13[秒]で体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z12=t14[秒]で体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t13と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t14とを順次算出する。なお、上述した標準2眼カプセルの送信間隔△Z11,△Z12の和(t11+t12)が単位時間である場合、かかる高照明2眼カプセルの送信間隔△Z11,△Z12の和(t13+t14)は、標準2眼カプセルの送信間隔△Z11,△Z12の和(t11+t12)と略同値である。
識別処理部39bは、図17に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t13,t14)に基づいて、かかる体内画像P1,P2,P3の撮像元が2眼のカプセル型内視鏡2bであると判別するとともに、このカプセル型内視鏡2b固有の機能が高照明2眼カプセルの機能であると判別する。識別処理部39bは、この判別した機能(高照明2眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A12,B12を体内画像P1,P2,P3に付加する。この場合、識別処理部39bは、かかる体内画像P1,P2,P3のうちの体内画像P1に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A12を付加し、体内画像P2に撮像部42aの体内画像である旨を示す識別情報B12を付加し、体内画像P3に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A12を付加する。このようにして、識別処理部39bは、高照明2眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別し、さらに、かかる体内画像P1,P2,P3を撮像部12a,42a別に識別する。
一方、上述したカプセル型内視鏡2bが低レート2眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2bは、例えば、送信間隔△Z11=t15[秒]で体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z12=t16[秒]で体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t15と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t16とを順次算出する。なお、かかる低レート2眼カプセルの送信間隔△Z11,△Z12の和(t15+t16)は、上述した標準2眼カプセルの送信間隔△Z11,△Z12の和(t11+t12)に比して大きい値である。
識別処理部39bは、図17に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t15,t16)に基づいて、かかる体内画像P1,P2,P3の撮像元が2眼のカプセル型内視鏡2bであると判別するとともに、このカプセル型内視鏡2b固有の機能が低レート2眼カプセルの機能であると判別する。識別処理部39bは、この判別した機能(低レート2眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A13,B13を体内画像P1,P2,P3に付加する。この場合、識別処理部39bは、かかる体内画像P1,P2,P3のうちの体内画像P1に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A13を付加し、体内画像P2に撮像部42aの体内画像である旨を示す識別情報B13を付加し、体内画像P3に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A13を付加する。このようにして、識別処理部39bは、低レート2眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別し、さらに、かかる体内画像P1,P2,P3を撮像部12a,42a別に識別する。
一方、上述したカプセル型内視鏡2bが圧縮2眼カプセルである場合、カプセル型内視鏡2bは、例えば、送信間隔△Z11=t17[秒]で圧縮画像である体内画像P1,P2を順次無線送信し、送信間隔△Z12=t18[秒]で圧縮画像である体内画像P2,P3を順次無線送信する。この場合、時間算出部29aは、かかる体内画像P1,P2の時間間隔△T1=t17と体内画像P2,P3の時間間隔△T2=t18とを順次算出する。なお、かかる圧縮2眼カプセルの送信間隔△Z11,△Z12の和(t17+t18)は、上述した標準2眼カプセルの送信間隔△Z11,△Z12の和(t11+t12)に比して小さい値である。
識別処理部39bは、図17に示すように、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△T1,△T2の組合せ(t17,t18)に基づいて、かかる体内画像P1,P2,P3の撮像元が2眼のカプセル型内視鏡2bであると判別するとともに、このカプセル型内視鏡2b固有の機能が圧縮2眼カプセルの機能であると判別する。識別処理部39bは、この判別した機能(圧縮2眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A14,B14を体内画像P1,P2,P3に付加する。この場合、識別処理部39bは、かかる体内画像P1,P2,P3のうちの体内画像P1に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A14を付加し、体内画像P2に撮像部42aの体内画像である旨を示す識別情報B14を付加し、体内画像P3に撮像部12aの体内画像である旨を示す識別情報A14を付加する。このようにして、識別処理部39bは、圧縮2眼カプセル固有の機能別に被検体1の体内画像P1,P2,P3を識別し、さらに、かかる体内画像P1,P2,P3を撮像部12a,42a別に識別する。
なお、時間算出部29aは、上述したように、3フレーム目以降の各体内画像の時間間隔△T3,・・・,△Tn−2,△Tn−1についても上述した時間間隔△T1,△T2の場合と同様に順次算出する。識別処理部39bは、上述した1フレーム目から3フレーム目までの各体内画像P1,P2,P3の場合と同様に、かかる時間算出部29aが順次算出した各時間間隔の組合せ(△T3,△T4),…,(△Tn−2,△Tn−1)に基づいて、3フレーム目以降の各体内画像P3,・・・,Pn−1,Pnをカプセル型内視鏡2b固有の機能別且つ撮像部12a,42a別に識別する。
かかる識別処理部39bによって識別された各体内画像は、上述したように、記録部28内の携帯型記録媒体6に順次記録される。この場合、識別処理部39bは、識別処理した体内画像が圧縮画像である場合、すなわち、上述した識別情報A14,B14のいずれかを付加した体内画像である場合、かかる圧縮画像(カプセル型内視鏡2bによって既に圧縮処理が行われた体内画像)を圧縮部37に圧縮処理させずに、かかる圧縮画像を携帯型記録媒体6に記録させる。一方、識別処理部39bは、識別処理した体内画像が非圧縮画像である場合、すなわち、上述した識別情報A14,B14のいずれかも付加していない体内画像である場合、かかる非圧縮画像を圧縮部37に圧縮処理させ、かかる圧縮部37によって圧縮処理された体内画像(圧縮画像)を携帯型記録媒体6に記録させる。
なお、本発明の実施の形態2では、複眼の体内画像取得装置の一例として2眼のカプセル型内視鏡2bを例示したが、これに限らず、複眼の体内画像取得装置が保有する撮像部の保有数は3以上であってもよい。すなわち、上述したカプセル型内視鏡2bは、複数の撮像部を有する複眼の体内画像取得装置であればよい。この場合、かかる複眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する送信間隔の組合せの数を撮像部の保有数に応じて増加させればよい。複眼のカプセル型内視鏡2bは、かかる撮像部の保有数に応じて増加した組合せに含まれる送信間隔で複数の撮像部の撮像順序に沿って各体内画像を順次無線送信すればよい。一方、受信装置34の識別処理部39bは、かかる撮像部の保有数に応じて増加した送信間隔の組合せに対応する各体内画像の時間間隔の組合せを取得し、この取得した時間間隔の組合せをもとに、複眼のカプセル型内視鏡2b固有の機能別且つ撮像部別に各体内画像を識別すればよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、複数の撮像部によって撮像した被検体の各体内画像を外部に順次無線送信する際、撮像部の保有数、フレームレート、照明光量、画像圧縮処理の有無等によって種別される装置固有の機能に対応する時間間隔で撮像部の撮像順序に沿って各体内画像を順次無線送信するように構成した。このため、かかる装置固有の機能に対応する識別情報を各画像信号に付加しなくとも、順次無線送信する各体内画像の時間間隔の組合せによって、かかる装置固有の機能と各体内画像の撮像元(撮像部)の区別とを外部に知らせることができる。この結果、上述した実施の形態1と同様の作用効果を享受するとともに、複数の撮像部によって撮像した各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、装置固有の機能別且つ撮像部別での体内画像群の識別を可能にする複眼の体内画像取得装置を実現できる。
また、かかる複眼の体内画像取得装置が順次無線送信した被検体の各体内画像を順次受信し、この受信した各体内画像をそれぞれ特定する各時間情報を順次検出し、この検出した各時間情報をもとに各体内画像の時間間隔を算出して、体内画像取得装置固有の機能および撮像順序に対応する時間間隔の組合せを取得し、この取得した時間間隔の組合せをもとに、被検体の各体内画像を識別するように構成した。このため、かかる体内画像取得装置から装置固有の機能を示す識別情報を受信しなくとも、順次受信した各体内画像の時間間隔の組合せをもとに、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に被検体の各体内画像を識別することができる。この結果、上述した実施の形態1と同様の作用効果を享受するとともに、かかる複眼の体内画像取得装置が複数の撮像部によって取得した各体内画像を順次無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、複眼の体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に被検体の各体内画像を識別できる受信装置を実現することができる。
さらに、かかる複眼の体内画像取得装置および受信装置を備えることによって、上述した実施の形態1と同様の作用効果を享受するとともに、複数の撮像部によって撮像された被検体の各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に識別可能な体内画像群を取得できる体内画像取得システムを実現することができる。
本発明にかかる体内画像取得装置、受信装置、および体内画像取得システムによれば、複数の撮像部によって撮像した被検体の各体内画像を無線送信する際の送信情報量を可能な限り少量化でき、これによって、被検体の各体内画像を無線送信する際の消費電力を可能な限り抑えることができ、複眼の体内画像取得装置の省電力化を促進することができる。また、複眼の体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に識別した状態で被検体の各体内画像を順次蓄積することができ、かかる蓄積した各体内画像を画像表示装置に取り込ませることによって、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に区別した態様で各体内画像を画像表示装置に表示させることができる。この結果、異なる撮像視野を有する複数の撮像部によって撮像された被検体の各体内画像を医師が容易且つ効率的に観察できるようになる。
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。上述した実施の形態2では、時間算出部29aによって算出された各体内画像の時間間隔の組合せに基づいて各体内画像を識別していたが、この実施の形態3では、各体内画像の時間間隔の組合せと体内画像取得装置固有の機能との対応関係を示すデータテーブルを有し、このデータテーブルを参照して時間間隔の組合せに対応する体内画像取得装置固有の機能を判別し、この判別した機能別に各体内画像を識別している。
図18は、本発明の実施の形態3にかかる受信装置の一構成例を示すブロック図である。図18に示すように、この実施の形態3にかかる受信装置54は、上述した実施の形態2にかかる受信装置34の受信機本体34bに代えて受信機本体54bを備える。この受信機本体54bは、上述した実施の形態2にかかる受信機本体34bの制御部39に代えて制御部59を備え、さらに、各体内画像の時間間隔の組合せとカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能との対応関係を示すデータテーブル57aを記憶した記憶部57を備える。その他の構成は実施の形態2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。なお、本発明の実施の形態3にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態2にかかる体内画像取得システム(図13参照)の受信装置34に代えて受信装置54を備える。
記憶部57は、上述したように、各体内画像の時間間隔の組合せとカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能との対応関係が登録されたデータテーブル57aを記憶し、制御部59の制御に基づいて、かかるデータテーブル57aを制御部59に送出する。データテーブル57aは、例えば図19に示すように、連続する各体内画像の時間間隔の組合せと上述したカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能との対応関係を示す。かかるデータテーブル57aに示された時間間隔の組合せは、上述した時間算出部29aが算出する連続の体内画像Pn−2,Pn−1,Pnの各間の時間間隔の組合せ(△Tn−2,△Tn−1)であり、カプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信間隔△Z1,△Z2の組合せまたはカプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12の組合せのいずれかに相当する。
制御部59は、処理プログラムを実行するCPUと、処理プログラム等が予め記憶されたROMと、演算パラメータ等を記憶するRAMとを用いて実現され、受信装置54の各構成部を制御する。かかる制御部59は、上述した時間算出部29aを有し、実施の形態2にかかる受信装置34の識別処理部39bに代えて、データテーブル57aを参照してカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に各体内画像を識別する識別処理部59bを有する。具体的には、制御部59は、同期検出部24から順次取得した各体内画像の時間情報をもとに、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能に対応する時間間隔(各体内画像の送信間隔)を算出し、得られた時間間隔とデータテーブル57aとをもとに被検体1の各体内画像をカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に識別する。かかる制御部59のその他の機能は、上述した実施の形態2にかかる受信装置34の制御部39と同じである。
識別処理部59bは、時間算出部29aによって算出された時間間隔とデータテーブル57aとをもとに、上述した信号処理部25が順次生成出力した各体内画像(被検体1の各体内画像)をカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別を識別する。具体的には、識別処理部59bは、上述した時間算出部29aが算出した連続の体内画像Pn−2,Pn−1,Pnの各間の時間間隔の組合せ(△Tn−2,△Tn−1)を取得する。かかる識別処理部59bは、記憶部57からデータテーブル57aを必要に応じて読み出し、この読み出したデータテーブル57aを参照して、この時間間隔の組合せ(△Tn−2,△Tn−1)に対応するカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能を判別する。識別処理部59bは、この判別したカプセル型内視鏡固有の機能(カプセル型内視鏡2a,2bのいずれかに固有の機能)別に各体内画像を識別する。かかる識別処理部59bのその他の機能は、上述した実施の形態2にかかる受信装置34の識別処理部39bと同じである。
つぎに、本発明の実施の形態3にかかる受信装置54の動作について説明する。この実施の形態3にかかる受信装置54は、単眼のカプセル型内視鏡2aまたは2眼のカプセル型内視鏡2bによって無線送信された被検体1の体内画像群を受信する。かかる受信装置54の制御部59は、上述したステップS101〜S108の処理手順を繰り返し行って、単眼のカプセル型内視鏡2aまたは2眼のカプセル型内視鏡2bから受信した被検体1の各体内画像を、このカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に識別して携帯型記録媒体6に順次記録させる。この場合、識別処理部59bは、上述したステップS106において、データテーブル57aを参照し、時間算出部29aが算出した各時間間隔の組合せに対応するカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能を判別し、この判別した機能別に各体内画像を識別する。かかる識別処理部59bは、被検体1の各体内画像の撮像元が2眼のカプセル型内視鏡2bである場合、このカプセル型内視鏡2b固有の機能別に識別した各体内画像を、撮像部12a,42a別にさらに識別する。
ここで、図19に例示したデータテーブル57aの具体例を参照しつつ、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に被検体1の各体内画像を識別する識別処理部59bの動作について具体的に説明する。識別処理部59bは、上述した時間算出部29aが連続の体内画像Pn−2,Pn−1,Pnの各時間間隔△Tn−2,△Tn−1を算出した場合、データテーブル57aを参照して、かかる各時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せに対応するカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能を判別する。
具体的には、識別処理部59bは、かかる時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せが例えば(t1,t1)である場合、かかる体内画像Pn−2,Pn−1,Pnの撮像元が標準単眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2aであると判別する。この場合、識別処理部59bは、上述した実施の形態1の場合と同様に、この判別した機能(標準単眼カプセル)に対応する体内画像である旨を示す識別情報A1を体内画像Pn−2,Pn−1,Pnに付加し、これによって、かかる体内画像Pn−2,Pn−1,Pnを標準単眼カプセル固有の機能別に識別する。
かかる識別処理部59bは、各体内画像の時間間隔△Tn−2,△Tn−1の組合せが(t1,t1)以外である場合も同様に、図19に示すように各体内画像の時間間隔の組合せに対応するカプセル型内視鏡固有の機能を判別する。かかる識別処理部59bの識別処理によって、各体内画像の時間間隔の組合せに対応するカプセル型内視鏡固有の機能が、標準単眼カプセル、高照明単眼カプセル、高レート単眼カプセル、低レート単眼カプセル、標準2眼カプセル、高照明2眼カプセル、低レート2眼カプセル、および圧縮2眼カプセルのいずれの機能であるかを判別される。識別処理部59bは、かかる各体内画像に対して、上述した実施の形態1,2の場合と同様に、この判別した機能に対応する識別情報(上述した識別情報A2,A3,A4,A11,A12,A13,A14,B11,B12,B13,B14)を付加する。これによって、識別処理部59bは、被検体1の各体内画像をカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別且つ撮像部別に識別する。
かかる識別処理部59bによって識別された各体内画像は、上述した実施の形態1,2の場合と同様に、記録部28内の携帯型記録媒体6に順次記録される。ここで、識別処理部59bは、識別処理した体内画像が圧縮画像である場合、すなわち、各体内画像の時間間隔の組合せに対応するカプセル型内視鏡固有の機能が圧縮2眼カプセルである場合、かかる圧縮画像を圧縮部37に圧縮処理させずに、かかる圧縮画像を携帯型記録媒体6に記録させる。一方、識別処理部59bは、識別処理した体内画像が非圧縮画像である場合、すなわち、各体内画像の時間間隔の組合せに対応するカプセル型内視鏡固有の機能が圧縮2眼カプセル以外である場合、かかる非圧縮画像を圧縮部37に圧縮処理させ、かかる圧縮部37によって圧縮処理された体内画像(圧縮画像)を携帯型記録媒体6に記録させる。
なお、本発明の実施の形態3では、図19に示したように8種類の時間間隔の組合せとカプセル型内視鏡固有の機能との対応関係を示したデータテーブル57aを参照して各体内画像を識別していたが、これに限らず、かかるデータテーブル57aに示される各体内画像の時間間隔の組合せとカプセル型内視鏡固有の機能との対応関係をさらに複雑化または細分化することによって、9種類以上の時間間隔の組合せとカプセル型内視鏡固有の機能との対応関係をデータテーブル57aによって示すことができる。識別処理部59bは、かかるデータテーブル57aを参照することによって、多種のカプセル型内視鏡固有の機能別に各体内画像を識別することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態3では、1以上の撮像部によって撮像した被検体の各体内画像を外部に順次無線送信する際、撮像部の保有数、フレームレート、照明光量、画像圧縮処理の有無等によって種別される装置固有の機能に対応する時間間隔で撮像部の撮像順序に沿って各体内画像を順次無線送信するようにし、かかる各体内画像の時間間隔の組合せと装置固有の機能との対応関係が、かかる各体内画像を受信する受信装置が保持管理するデータテーブルに予め登録されるように構成した。このため、かかる装置固有の機能に対応する識別情報を各画像信号に付加しなくとも、順次無線送信する各体内画像の時間間隔の組合せによって、かかる装置固有の機能と各体内画像の撮像元(撮像部)の区別とを外部に容易に知らせることができる。この結果、上述した実施の形態1,2と同様の作用効果を享受するとともに、1以上の撮像部によって撮像した各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、装置固有の機能別での体内画像群の簡易な識別を可能にする体内画像取得装置を実現できる。
また、各体内画像の時間間隔の組合せと体内画像取得装置固有の機能との対応関係を登録したデータテーブルを予め有し、体内画像取得装置が順次無線送信した各体内画像の時間間隔の組合せに対応する体内画像取得装置固有の機能をデータテーブルを参照して判別するようにし、その他を上述した実施の形態2と同様に構成した。このため、かかる体内画像取得装置から装置固有の機能を示す識別情報を受信しなくとも、順次受信した各体内画像の時間間隔の組合せに対応する体内画像取得装置固有の機能を簡易に判別でき、この判別した機能別且つ撮像部別に被検体の各体内画像を識別することができる。この結果、上述した実施の形態1,2と同様の作用効果を享受するとともに、体内画像取得装置が1以上の撮像部によって取得した各体内画像を順次無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に被検体の各体内画像を簡易に識別できる受信装置を実現することができる。
さらに、かかる体内画像取得装置および受信装置を備えることによって、上述した実施の形態1,2と同様の作用効果を享受するとともに、1以上の撮像部によって撮像された被検体の各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に簡易に識別可能な体内画像群を取得できる体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態2では、時間算出部29aによって算出された各体内画像の時間間隔の組合せに基づいて各体内画像を識別していたが、この実施の形態4では、時間算出部29aによって算出された各体内画像の時間間隔に基づいて体内画像取得装置固有の機能または撮像元を判別し、この判別した機能別且つ撮像部別に各体内画像を識別している。
図20は、本発明の実施の形態4にかかる受信装置の一構成例を示すブロック図である。図20に示すように、この実施の形態4にかかる受信装置64は、上述した実施の形態2にかかる受信装置34の受信機本体34bに代えて受信機本体64bを備える。この受信機本体64bは、上述した実施の形態2にかかる受信機本体34bの制御部39に代えて制御部69を備える。その他の構成は実施の形態2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。なお、本発明の実施の形態4にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態2にかかる体内画像取得システム(図13参照)の受信装置34に代えて受信装置64を備える。
制御部69は、処理プログラムを実行するCPUと、処理プログラム等が予め記憶されたROMと、演算パラメータ等を記憶するRAMとを用いて実現され、受信装置64の各構成部を制御する。かかる制御部69は、上述した時間算出部29aを有し、実施の形態2にかかる受信装置34の識別処理部39bに代えて識別処理部69bを有する。具体的には、制御部69は、同期検出部24から順次取得した各体内画像の時間情報をもとに、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能に対応する時間間隔(各体内画像の送信間隔)を算出し、得られた時間間隔をもとに被検体1の各体内画像をカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に識別する。かかる制御部69のその他の機能は、上述した実施の形態2にかかる受信装置34の制御部39と同じである。
識別処理部69bは、時間算出部29aによって算出された時間間隔をもとに、上述した信号処理部25が順次生成出力した各体内画像(被検体1の各体内画像)をカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別を識別する。具体的には、識別処理部69bは、上述した時間算出部29aが算出した各体内画像Pn−1,Pnの時間間隔△Tn−1を取得する。かかる識別処理部69bは、この取得した時間間隔△Tn−1をもとに、各体内画像Pn−1,Pnの撮像元であるカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能を判別する。かかる識別処理部69bは、この判別したカプセル型内視鏡固有の機能(カプセル型内視鏡2a,2bのいずれかに固有の機能)別に各体内画像を識別する。かかる識別処理部69bのその他の機能は、上述した実施の形態2にかかる受信装置34の識別処理部39bと同じである。
つぎに、本発明の実施の形態4にかかる受信装置64の動作について説明する。図21は、実施の形態4にかかる受信装置64の制御部69が行う処理手順を例示するフローチャートである。受信装置64は、単眼のカプセル型内視鏡2aまたは2眼のカプセル型内視鏡2bによって無線送信された被検体1の体内画像群を受信する。制御部69は、かかる被検体1の各体内画像の時間間隔をもとに、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に各体内画像を識別し、この識別した各体内画像を携帯型記録媒体6に順次記録させる。
すなわち、図21に示すように、制御部69は、上述したステップS101,S102と同様に、被検体1の体内画像と、この体内画像を特定する時間情報とを取得し(ステップS201)、この取得した体内画像と時間情報とを対応付ける(ステップS202)。この場合、制御部69は、かかる体内画像および時間情報の対応関係を把握する。制御部69は、対応付けた体内画像および時間情報を記憶部27に一時的に記憶させ、かかる体内画像および時間情報を必要に応じて読み出せるように保持管理する。
つぎに、制御部69は、上述したステップS103と同様に、このステップS202において時間情報と対応付けた体内画像が1フレーム目の体内画像であるか否かを判断し(ステップS203)、1フレーム目の体内画像である場合(ステップS203,Yes)、ステップS201に戻り、このステップS201以降の処理手順を繰り返す。一方、制御部69は、このステップS202において時間情報と対応付けた体内画像が1フレーム目の体内画像ではない場合(ステップS203,No)、上述したステップS104と同様に、連続する2つの体内画像間の時間間隔を算出する(ステップS204)。この場合、時間算出部29aは、上述したように、現時点においてフレーム番号が最も大きい体内画像Pnの時間情報Tnと、この体内画像Pnに連続する直前の体内画像Pn−1の時間情報Tn−1との時間間隔△Tn−1を算出する。制御部69は、かかる時間算出部29aが算出した時間間隔△Tn−1を記憶部27に一時的に記憶させる。
その後、制御部29は、ステップS204において算出した時間間隔に基づいて各体内画像を識別する(ステップS205)。この場合、識別処理部69bは、上述した時間算出部29aが算出した時間間隔△Tn−1を取得する(記憶部27から読み出す)。ここで、かかる時間間隔△Tn−1は、上述したカプセル型内視鏡2a固有の機能に対応する送信間隔△Z1,△Z2またはカプセル型内視鏡2b固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12のうちのいずれかに相当する。したがって、識別処理部69bは、この取得した時間間隔△Tn−1をもとに、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能を判別でき、この判別した機能別に体内画像Pn−1,Pnを識別できる。かかる識別処理部69bは、この判別したカプセル型内視鏡固有の機能(カプセル型内視鏡2a,2bのいずれかに固有の機能)に対応する識別情報を体内画像Pn−1,Pnに対して付加し、これによって、体内画像Pn−1,Pnをカプセル型内視鏡固有の機能別に識別した状態にする。
つぎに、制御部69は、上述したステップS107と同様に、カプセル型内視鏡固有の機能別に識別した各体内画像を携帯型記録媒体6に記録するように記録部28を制御する(ステップS206)。この場合、識別処理部69bは、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能に対応する識別情報が付加された状態の各体内画像Pn−1,Pnを携帯型記録媒体6に順次記録させる。
その後、制御部69は、上述したステップS108と同様に、被検体1の全体内画像について処理完了したか否かを判断し(ステップS207)、処理完了していない場合(ステップS207,No)、上述したステップS201に戻り、このステップS201以降の処理手順を繰り返す。一方、制御部69は、処理完了と判断した場合(ステップS207,Yes)、本処理を終了する。
つぎに、上述したカプセル型内視鏡2a,2bとして標準単眼カプセルおよび標準2眼カプセルを例示して、カプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に各体内画像を識別する識別処理部69bの動作について具体的に説明する。図22は、各体内画像の時間間隔に基づいてカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能別に各体内画像を識別する識別処理部69bの動作を説明するための模式図である。識別処理部39bは、上述した時間算出部29aが連続の体内画像Pn−1,Pnの時間間隔△Tn−1を算出した場合、この時間間隔△Tn−1をもとに、体内画像Pn−1,Pnの撮像元であるカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能を判別し、この判別した機能別に体内画像Pn−1,Pnを識別する。
具体的には、図22に示すように、識別処理部69bは、1フレーム目の体内画像P1と2フレーム目の体内画像P2との時間間隔△T1が標準単眼カプセル固有の機能に対応する送信間隔△Z1,△Z2と略同値なt1である場合、かかる体内画像P1,P2の撮像元が標準単眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2aであると判別し、この判別した標準単眼カプセル固有の機能別に体内画像P1,P2を識別する。この場合、識別処理部69bは、上述した実施の形態1,2と同様に、かかる体内画像P1,P2に識別情報A1を付加する。その後、識別処理部69bは、3フレーム目以降の体内画像P3,…,Pnについても同様に、各体内画像の時間間隔△Tn−1がt1と略同値である場合、3フレーム目以降の体内画像P3,…,Pnに識別情報A1を付加して、標準単眼カプセル固有の機能別に各体内画像を識別する。
一方、識別処理部69bは、1フレーム目の体内画像P1と2フレーム目の体内画像P2との時間間隔△T1が標準2眼カプセル固有の機能に対応する送信間隔△Z11と略同値なt11である場合、かかる体内画像P1,P2の撮像元が標準2眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2bであると判別し、この判別した標準2眼カプセル固有の機能別且つ撮像部別に体内画像P1,P2を識別する。この場合、識別処理部69bは、かかる体内画像P1,P2のうちの先頭側の体内画像P1に対して識別情報A11を付加し、末尾側の体内画像P2に対して識別情報B11を付加する。
続いて、識別処理部69bは、2フレーム目の体内画像P2と3フレーム目の体内画像P3との時間間隔△T2が標準2眼カプセル固有の機能に対応する送信間隔△Z12と略同値なt12である場合、かかる体内画像P2,P3の撮像元が標準2眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2bであると判別し、この判別した標準2眼カプセル固有の機能別且つ撮像部別に体内画像P2,P3を識別する。この場合、識別処理部69bは、かかる体内画像P2,P3のうちの先頭側の体内画像P2に対して識別情報B11を付加し、末尾側の体内画像P3に対して識別情報A11を付加する。その後、識別処理部69bは、3フレーム目以降の体内画像P3,…,Pnについても同様に、各体内画像の時間間隔△Tn−1がt11またはt12と略同値である場合、3フレーム目以降の体内画像P3,…,Pnに識別情報A11,B11を順次付加して、標準2眼カプセル固有の機能別且つ撮像部別に各体内画像を識別する。
なお、識別情報A11は、上述したように、標準2眼カプセルであるカプセル型内視鏡2bの撮像部12aによって撮像された体内画像である旨を示す識別情報である。また、識別情報B11は、上述したように、標準2眼カプセルであるカプセル型内視鏡2bの撮像部42aによって撮像された体内画像である旨を示す識別情報である。
ここで、かかるカプセル型内視鏡2bの機能別種類として、標準2眼カプセルに比して高速の撮像フレームレートで被検体1の体内画像を順次撮像し、その他の機能(撮像部の保有数、照明光量、画像圧縮処理の有無等)として標準2眼カプセルと同じ機能を有する高レート2眼カプセルを例示する。かかる高レート2眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2bは、撮像部12a,42aによって順次撮像した各体内画像を撮像順序に沿って送信間隔△Z11,△Z12(=t1/2)で順次無線送信する。なお、かかる送信間隔△Z11,△Z12の値t1/2は、上述した標準単眼カプセルに対応する送信間隔△Z1,△Z2の値t1の半分の値である。
受信装置64が高レート2眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2bから被検体1の各体内画像を順次受信した場合、時間算出部29aは、各体内画像の時間間隔△Tn−1(=t1/2)を算出する。また、時間算出部29aは、順次算出した時間間隔△Tn−1の累計を算出する。
識別処理部69bは、1フレーム目の体内画像P1と2フレーム目の体内画像P2との時間間隔△T1が高レート2眼カプセル固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12と略同値なt1/2であり、且つ、かかる時間間隔の累計がt1/2の奇数倍である場合、かかる体内画像P1,P2の撮像元が高レート2眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2bであると判別し、この判別した高レート2眼カプセル固有の機能別且つ撮像部別に体内画像P1,P2を識別する。この場合、識別処理部69bは、かかる体内画像P1,P2のうちの先頭側の体内画像P1に対して識別情報A15を付加し、末尾側の体内画像P2に対して識別情報B15を付加する。
つぎに、識別処理部69bは、2フレーム目の体内画像P2と3フレーム目の体内画像P3との時間間隔△T2が高レート2眼カプセル固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12と略同値なt1/2であり、且つ、かかる時間間隔の累計がt1/2の偶数倍である場合、かかる体内画像P2,P3の撮像元が高レート2眼カプセルとしてのカプセル型内視鏡2bであると判別し、この判別した高レート2眼カプセル固有の機能別且つ撮像部別に体内画像P2,P3を識別する。この場合、識別処理部69bは、かかる体内画像P2,P3のうちの先頭側の体内画像P2に対して識別情報B15を付加し、末尾側の体内画像P3に対して識別情報A15を付加する。
かかる識別処理部69bは、3フレーム目以降の体内画像P3,…,Pnについても同様に、体内画像Pn−1と直後の体内画像Pnとの時間間隔△Tn−1が高レート2眼カプセル固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12と略同値なt1/2であり、且つ、かかる時間間隔の累計がt1/2の奇数倍である場合、かかる体内画像Pn−1,Pnのうちの先頭側の体内画像Pn−1に対して識別情報A15を付加し、末尾側の体内画像Pnに対して識別情報B15を付加する。一方、識別処理部69bは、体内画像Pn−1と直後の体内画像Pnとの時間間隔△Tn−1が高レート2眼カプセル固有の機能に対応する送信間隔△Z11,△Z12と略同値なt1/2であり、且つ、かかる時間間隔の累計がt1/2の偶数倍である場合、かかる体内画像Pn−1,Pnのうちの先頭側の体内画像Pn−1に対して識別情報B15を付加し、末尾側の体内画像Pnに対して識別情報A15を付加する。
なお、上述した識別情報A15は、高レート2眼カプセルであるカプセル型内視鏡2bの撮像部12aによって撮像された体内画像である旨を示す識別情報である。また、上述した識別情報B15は、高レート2眼カプセルであるカプセル型内視鏡2bの撮像部42aによって撮像された体内画像である旨を示す識別情報である。
かかる識別処理部69bは、上述したその他のカプセル型内視鏡2a,2bの機能別種類についても標準単眼カプセルおよび標準2眼カプセルの場合と略同様に、時間算出部29aが体内画像Pn−1,Pnの時間間隔△Tn−1をもとに、体内画像Pn−1,Pnの撮像元であるカプセル型内視鏡2a,2b固有の機能を判別し、この判別した機能別に体内画像Pn−1,Pnを識別する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態4では、1以上の撮像部によって撮像した被検体の各体内画像を外部に順次無線送信する際、撮像部の保有数、フレームレート、照明光量、画像圧縮処理の有無等によって種別される装置固有の機能に対応する時間間隔で撮像部の撮像順序に沿って各体内画像を順次無線送信するように構成した。このため、かかる装置固有の機能に対応する識別情報を各画像信号に付加しなくとも、順次無線送信する各体内画像の時間間隔によって、かかる装置固有の機能と各体内画像の撮像元(撮像部)の区別とを外部に容易に知らせることができる。この結果、上述した実施の形態1,2と同様の作用効果を享受するとともに、1以上の撮像部によって撮像した各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、装置固有の機能別での体内画像群の簡易な識別を可能にする体内画像取得装置を実現できる。
また、かかる体内画像取得装置が順次無線送信した被検体の各体内画像を順次受信し、この受信した各体内画像をそれぞれ特定する各時間情報を順次検出し、この検出した各時間情報をもとに各体内画像の時間間隔を算出して、体内画像取得装置固有の機能および撮像順序に対応する時間間隔を取得し、この取得した時間間隔をもとに、被検体の各体内画像を識別するように構成した。このため、かかる体内画像取得装置から装置固有の機能を示す識別情報を受信しなくとも、順次受信した各体内画像の時間間隔をもとに、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に被検体の各体内画像を識別することができる。この結果、上述した実施の形態1,2と同様の作用効果を享受するとともに、かかる体内画像取得装置が1以上の撮像部によって取得した各体内画像を順次無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に被検体の各体内画像を簡易に識別できる受信装置を実現することができる。
さらに、かかる体内画像取得装置および受信装置を備えることによって、上述した実施の形態1,2と同様の作用効果を享受するとともに、1以上の撮像部によって撮像された被検体の各体内画像を無線送信する際の送信情報量を増加させることなく、体内画像取得装置固有の機能別且つ撮像部別に簡易に識別可能な体内画像群を取得できる体内画像取得システムを実現することができる。
なお、本発明の実施の形態1〜4では、撮像部の保有数が1つである単眼のカプセル型内視鏡2aは、撮像部12aによって撮像した各体内画像を撮像順序(すなわちフレーム番号順)に沿って順次無線送信していたが、これに限らず、撮像部の保有数が1つであるカプセル型内視鏡(体内画像取得装置)は、この単一の撮像部によって順次撮像した各体内画像を所望のフレーム順序に沿って順次無線送信してもよい。この場合、かかる各体内画像の送信順序は、必ずしも撮像順序に沿っていなくてもよい。
また、本発明の実施の形態1〜4では、カプセル型内視鏡2a,2bによって取得された1フレーム目の画像(体内画像)を携帯型記録媒体6に記録していたが、これに限らず、1フレーム目および2フレーム目の各画像の時間情報(撮像時間、受信時間等)をもとに1フレーム目の画像の撮像内容を判断し、被検体の検査に有用な画像である場合に1フレーム目の画像を携帯型記録媒体6に記録し、有用な画像ではない場合に1フレーム目の画像を廃棄してもよい。この場合、1フレーム目の画像は、時間算出部29aが1フレーム目および2フレーム目の各画像の時間差(時間間隔)を算出するために一時的に保存されればよい。
さらに、本発明の実施の形態1〜4では、受信装置に挿着された携帯型記録媒体に体内画像が記録されていない状態(すなわち初期化された状態)において受信装置がカプセル型内視鏡から受信した体内画像を1フレーム目の体内画像であると判断していたが、これに限らず、受信装置が受信した体内画像の時間間隔が所定の閾値以上である場合に1フレーム目の体内画像であると判断してもよいし、体内画像の時間間隔がデータテーブル57aに登録されていない時間間隔である場合に1フレーム目の体内画像であると判断してもよい。
また、本発明の実施の形態1〜4では、カプセル型内視鏡の機能別種類として、標準単眼カプセル、高照明単眼カプセル、高レート単眼カプセル、低レート単眼カプセル、標準2眼カプセル、高照明2眼カプセル、低レート2眼カプセル、圧縮2眼カプセル、および高レート2眼カプセルを例示したが、これに限らず、撮像部の保有数、撮像フレームレート、送信フレームレート、画像圧縮処理の有無、および照明光量等によって分類される多種多様な機能を有する単眼または複眼のカプセル型内視鏡であってもよい。この場合、複眼のカプセル型内視鏡における撮像部の保有数は3以上であってもよいし、単眼のカプセル型内視鏡に画像圧縮処理機能を備えるようにしてもよい。また、このようにカプセル型内視鏡固有の機能を多種多様化した場合、これに合わせて、カプセル型内視鏡固有の機能と対応付ける体内画像の時間間隔またはその組合せの種類を多様化または複雑化すればよい。
さらに、本発明の実施の形態1〜4では、カプセル型内視鏡固有の機能に対応した識別情報を各体内画像に付加することによって、カプセル型内視鏡固有の機能別に各体内画像を識別していたが、これに限らず、カプセル型内視鏡固有の機能別に異なるフォルダ等の記録領域を携帯型記録媒体6に形成し、かかる記録領域に各体内画像を記録することによって、カプセル型内視鏡固有の機能別に各体内画像を識別してもよい。この場合、かかるカプセル型内視鏡固有の機能別に異なる記録領域(フォルダ)に対して、カプセル型内視鏡固有の機能または各体内画像を特定する所望のフォルダ名を付与してもよい。また、カプセル型内視鏡固有の機能別に各体内画像を識別する場合、一方のカプセル型内視鏡固有の機能に対応する各体内画像に対して識別情報を付加し、他方のカプセル型内視鏡固有の機能に対応する各体内画像に対して識別情報を付加しないようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態1〜4では、各体内画像の時間情報として同期信号の検出時間を例示したが、これに限らず、各体内画像の時間情報は、各体内画像をそれぞれ特定可能な時間情報であればよく、例えば、フレーム単位の体内画像の受信終了時間であってもよいし、フレーム単位の体内画像を生成完了した時間であってもよい。この場合、アンテナユニット4aによってフレーム単位の画像信号を受信終了した時間(すなわちフレーム単位の体内画像の受信終了時間)を検出する時間情報検出部、または信号処理部25がフレーム単位の体内画像を生成完了した時間を検出する時間情報検出部を受信装置に設ければよい。
さらに、本発明の実施の形態1〜4では、体内画像を撮像する撮像部と体内画像を無線送信する無線ユニットとをカプセル型の筐体内部に備えたカプセル型内視鏡を体内画像取得装置の一例として挙げたが、これに限らず、本発明にかかる体内画像取得装置は、体内画像を撮像する撮像部と体内画像を被検体外部の受信装置に送信する通信ユニットとを備えたものであればよい。