JP5262445B2 - 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストに関し、より詳しくは、積層セラミックコンデンサのグリーンシートが2〜5μmと薄くても導電性ペーストによるシートアタックが解消され、なおかつ乾燥性が良く、これらに起因する不具合の発生を効果的に抑制し得る積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストに関する。
携帯電話やデジタル機器に代表される電子機器では、年々、使用される電子部品の軽薄短小化が進んでおり、チップ部品である積層セラミックコンデンサ(MLCC)についても小型化、大容量化が進んでいる。
積層セラミックコンデンサの内部には、誘電体と内部電極が交互に重なった積層体が配置され、該積層体の外側に対向して外部電極が該積層セラミックコンデンサの両端部に取り付けられる。
誘電体としてはチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等のぺロブスカイト型酸化物が用いられる。前記積層体を形成するには、粉末化した誘電体をポリビニルブチラール、アクリル等の樹脂と溶剤からなる有機ビヒクル中に分散させスラリー状にし、ドクターブレード法によりPETフィルム上にシート状に形成して乾燥した後(一般には誘電体シートと呼ばれる)、この誘電体シート表面に内部電極用金属ペーストを所定パターンでスクリーン印刷法にて転写し、乾燥させ、内部電極とグリーンシートとが交互に重なるよう所定の枚数を重ね、圧縮し、圧着した後、該熱圧着体を目的の大きさに切断する。電気炉、一般にはベルト炉に装入し、有機バインダー除去を目的として、通常、250〜330℃、空気雰囲気、窒素雰囲気、あるいは空気と窒素との混合気体下で加熱して、有機ビヒクルを燃焼させる。
従来は、積層セラミックコンデンサの内部電極に、パラジウムや銀−パラジウム合金といった貴金属材料が使われてきたが、今日ではコストダウンのために、ニッケル、銅等の卑金属が用いられている。これら金属の内部電極を用いた積層セラミックコンデンサは、有機バインダー除去後、ニッケル、銅等が酸化されないように、中性ないしは還元雰囲気で、引き続き、850〜1350℃で焼成して内部電極、および誘電体を一体焼結させる。
ニッケル、銅等の内部電極が形成された積層体は、その両端の端面をバレル研磨にて研磨し、内部電極を露出させた後、外部電極用ペーストを、前記研磨した端面に塗布、焼成して取り付け、表面にめっきを施して製品となる。
内部電極用ペーストは、導電成分としての卑金属粉末、焼結調整剤としての誘電体セラミック粉末、有機バインダーとしての樹脂とそれを溶解する溶剤、さらに分散剤、添加剤から構成され、スリーロールミルによって混練し、混合分散することにより製造される。言い換えると、内部電極用ペーストは、有機バインダーとなる樹脂を有機溶剤に溶解して得られた有機ビヒクル中に金属粉末を分散させ、粘度を有機溶剤によって調整したものである。
有機ビヒクル中の有機溶剤としては、一般にターピネオールがよく用いられている。また有機バインダーとしては、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂やブチルメタクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル系樹脂が使用されている。
ところで、上記のMLCC用内部電極用導電性ペーストは、内部電極を形成するために前述のように誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷されるが、MLCCの製造工程において、誘電体グリーンシートの焼成時に絶縁不良や、誘電体層と内部電極層との間に層間剥離を発生する等、深刻な製品の特性不良を引き起こすことが問題となっている。
積層セラミックコンデンサの高容量化に伴い、誘電体グリーンシートの薄層化が進み、従来10〜20μmであったシート厚さは、近年では2〜5μmになるなど、より薄いものが使用されるようになってきている。
即ち、内部電極用ペーストには前記のように有機バインダーとしてエチルセルロースが、その有機溶剤には主にターピネオールが使われているが、ターピネオールは、印刷乾燥工程の途中に塗膜中に残存し、誘電体グリーンシートに有機バインダーとして多用されているポリビニルブチラールを溶解させる作用がある。このような内部電極ペーストによる誘電体グリーンシート中の有機バインダーに対する溶解作用は、「シートアタック」と称されている。
シートアタックにより誘電体グリーンシート中のポリビニルブチラールが溶解すると誘電体グリーンシートを膨潤、溶解させる。このシートアタックが大きい場合、シートの積層時にニッケルペースト印刷部分に穴が生じたり、焼成時に誘電体層と内部電極層が層間剥離したりするという不具合を生じる。これは誘電体グリーンシートが薄いほどシートアタックによる影響が顕著である。
シートアタックによる影響でMLCCの耐電圧性、絶縁性が低下し、目的とする静電容量が得られなかったり、負荷寿命特性が劣化したりする。従来、このようなシートアタックを回避するために、導電ペーストの溶剤成分についての検討がなされてきた。
例えば、溶剤としてジヒドロターピニルアセテート(水素添加テルピネオールアセテート)を含有する導電性ペーストが提案されている(特許文献1参照)。また、溶剤としてイソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレートなどのボルナン骨格含有カルボン酸付加物を含有する導電性ペーストが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、これらの溶剤は、シートアタック回避性については有効性が認められるが、一般的に用いられているターピネオールと比較すると、蒸発速度が遅く、ペースト印刷後の乾燥性に劣る問題点があった。
ところで、誘電体グリーンシートには柔軟性を持たせるために可塑剤等の添加剤を配合するが、近年のグリーンシートの薄層化により、グリーンシートの乾燥後の柔軟性を保持するために、シート中の可塑剤が乾燥時に蒸発消失しないようにペーストの乾燥温度をより低温化し、乾燥時間を短縮化したいという要請がある。グリーンシートにニッケルペーストを印刷した後の乾燥工程で乾燥状態が不十分であると、次工程においてシートの張り付きや破れ等の不具合を生じるためである。
本出願人は、ペーストの乾燥速度を向上させるために、溶剤としてジプロピレングリコールメチルエーテルを用いることを提案した(特許文献3参照)。しかしながら、この溶剤は、乾燥速度が大きいものの、シートアタック回避性が不十分である。
このような状況下、シートアタックの回避とともに、近年の印刷乾燥工程を効率化するために、印刷後の乾燥性にも優れた内部電極用導電ペーストの開発が求められている。
特許第2976268号 特開2006−202502号公報 特開平11−306860号公報
本発明の目的は、従来技術の問題点に鑑み、樹脂成分としてポリビニルブチラールを含有する誘電体グリーンシートにスクリーン印刷される内部電極用導電性ペーストにおいて、特にグリーンシートの厚さが2〜5μmと薄い場合でも導電性ペーストによるシートアタックを解消でき、なおかつ乾燥性が良く、これらに起因する不具合の発生を効果的に抑制し得る積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストを提供することにある。
本発明者は、上記従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ね、ポリビニルブチラール樹脂を有機バインダーとして含有する誘電体グリーンシートに印刷される導電性ペーストにおいて、エチルセルロース樹脂を溶解する有機溶剤として、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートのうち少なくとも一種を用いると、この導電性ペーストは、誘電体グリーンシートにスクリーン印刷したときに、有機溶剤がポリビニルブチラール樹脂を溶解しないので、シートアタックを生じることなく、かつ乾燥性が良いことから作業性も改善されることを見出し、そして、上記の有機溶剤と、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレートのうち少なくとも一種以上を含む混合溶剤とすることで、ジヒドロターピニルアセテートなど後者単独の溶剤に対する蒸発速度が向上し、乾燥性に対する問題を改善しうることも見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第の発明によれば、ポリビニルブチラール樹脂を含有する誘電体グリーンシートに印刷される、導電性粉末(A)、有機樹脂(B)、及び第一の溶剤(c1)と第二の溶剤(c2)とを混合した有機溶剤(C)を含む積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストにおいて、
第一の溶剤(c1)が、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートであり、第二の溶剤(c2)が、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種からなり、
第一の溶剤(c1)の混合割合は、第二の溶剤(c2)がジヒドロターピニルアセテートのとき重量比率で60%以上100%未満、イソボルニルプロピオネートのとき重量比率で70%以上100%未満、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートのとき重量比率で80%以上100%未満であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストが提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、導電性粉末(A)は、ニッケル、銅、金、銀、白金、パラジウム、又はそれらの合金から選ばれる金属粉末であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストが提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1又は2の発明において、導電性粉末(A)の含有量は、ペースト全量に対して30〜70重量%であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストが提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、導電性粉末(A)の粒径は、0.05〜1.0μmであることを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストが提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、有機樹脂(B)は、エチルセルロースを含むことを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストが提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、有機樹脂(B)の含有量は、ペースト全量に対して1〜5重量%であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストが提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、さらに、誘電体シートを構成する材料と共通成分を含む無機添加剤(D)を含有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストが提供される。
本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストは、以上のように構成されているので、樹脂成分としてポリビニルブチラールを含有する誘電体グリーンシートにスクリーン印刷するとき、特にグリーンシートの厚さが薄く2〜5μmであっても導電性ペーストによるシートアタックが解消され、なおかつ乾燥性が良く、これらに起因する不具合の発生を効果的に抑制することができる。
これにより積層セラミックコンデンサの特性を低下させることなく、積層セラミックコンデンサを効率的かつ低コストで生産できるという効果がある。
以下、本発明の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト(以下、導電性ペーストともいう)を詳細に説明する。
本発明の導電性ペーストは、ポリビニルブチラール樹脂を含有する誘電体グリーンシートに印刷される、導電性粉末(A)、有機樹脂(B)、及び有機溶剤(C)を含む積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストにおいて、有機溶剤(C)は、第一の溶剤(c1)としてジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、及び第二の溶剤(c2)としてジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種からなる混合溶剤を用いたことを特徴とする。
1.導電性粉末(A)
本発明において、導電性ペーストに用いられる導電性粉末としては、特に制限は無いが、積層セラミックコンデンサ等の積層部品の電極用であれば、例えばニッケル、銅、金、銀、白金、パラジウム等の金属粉末や、その合金を用いることができる。特に高容量化を目的として電極の積層数を多くした高積層の積層セラミックコンデンサの内部電極では、これらの中でもコスト的に有利な、ニッケル、銅の使用が好ましい。
導電性粉末の粒径は、特に制限されないが、高積層、高容量化の積層セラミックコンデンサの内部電極用であれば、これら金属粉の平均粒径は0.05〜1.0μmが好ましい。この平均粒径は、走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真より求められる値である。平均粒径が1.0μmを超えると積層セラミックコンデンサの薄層化が難しくなる。また、平均粒径が0.05μmを下回ると、金属粉の表面活性が高くなりすぎて、適正な粘度特性が得られないか、導電性ペーストの長期保存中に変質する恐れがある。
導電性ペースト中の導電性粉末の含有率は、ペースト全量に対して30〜70重量%とすることが好ましい。その含有量が30重量%未満では焼成時に電極膜の形成能力が低く、所定のコンデンサ容量を得ることが難しい。70重量%を超えると電極膜の薄層化が困難となる。導電性粉末の含有率は、ペースト全量に対して40〜60重量%とすることがより好ましい。
2.有機樹脂(B)
本発明において、有機樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。特に有機樹脂として好ましいエチルセルロース樹脂には多くのグレードがある。例えばDow Chemical社製のエチルセルロース樹脂においては、エトキシル基の含有量によるグレードSTD型、MED型、HE型と、粘度グレード TYPE 4、10、45、100、200、350等の組み合わせがあり、これらの樹脂グレードを選択することで有機ビヒクルの粘度を調整することができる。
そして、これらエチルセルロース樹脂を本発明に係る下記の溶剤に溶解して有機ビヒクルとする。樹脂の配合量は、特に限定されないが、有機ビヒクル中において1〜30重量%となるように、上記樹脂グレードと組み合わせて適正な粘度の有機ビヒクルを作製できる。樹脂の配合量は、有機ビヒクル中において5〜20重量%が好ましい。
また、有機樹脂の導電性ペースト全量に対する含有量は、1〜5重量%が好ましい。1重量%未満だと、乾燥膜の強度が低下したり、積層時にペーストの電極パターン部と誘電体シートとの密着性が悪くなり剥がれやすくなる。一方、5重量%を超えると樹脂の含有量が多くなることによる脱バインダー性の悪化があり、好ましくない。
3.有機溶剤(C)
本発明において、有機溶剤は、エチルセルロース樹脂を溶解する機能を有する有機ビヒクルの必須成分であるが、誘電体グリーンシートに印刷したときシートアタックを回避しうるものでなければならない。
具体的には、本発明では、有機溶剤として、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも一種(以下、これを第一の有機溶剤ともいう)を単独で用いるか、場合によっては、この第一の有機溶剤と、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種(これを第二の有機溶剤ともいう)を用い、これら第一の有機溶剤と第二の有機溶剤からなる混合溶剤とする必要がある。
シートアタックは、前記のとおり、誘電体グリーンシートに内部電極用ペーストが接したとき、誘電体グリーンシートに使用された有機バインダー(ポリビニルブチラール)を内部電極用ペースト中の有機溶剤が溶解する為に生じる。そのため、誘電体グリーンシートの有機バインダーに対する溶解性がほとんど無く、かつ内部電極用ペーストのエチルセルロース樹脂に対する溶解性を有し、その溶解物がペーストとして使用できる適度な粘性を持つようにしうることが必要である。
また、有機溶剤は、誘電体グリーンシートに内部電極用ペーストを印刷したとき、適度な乾燥性を有するものでなければならない。乾燥性だけを考えれば、単に沸点が低い物質、例えば沸点180℃以下の溶剤の選択も考えられるが、そのような溶剤は通常、引火点が低いものであり(例えば、21℃≦引火点<70℃で消防法の「危険物第4類第二石油類」に該当)、このような溶剤を含有するペーストを扱う場合には作業環境上、引火の危険性を配慮し、またペースト製品の輸送時の安全性を配慮した輸送規則が適用されるから、このような引火点の低い溶剤は避けるべきである。
従来、主たる溶剤に対して、このような「危険物第4類第二石油類」に該当する低沸点の石油系の脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素からなる溶剤を一部添加することによって蒸発速度を改善する試みもされているが、一般にこのような炭化水素系の溶剤は、ポリビニルブチラール樹脂をほとんど溶解しないだけでなく、エチルセルロースも溶解しないものがほとんどである。そのため、その添加量によってはペースト組成中のエチルセルロースの溶解度が下がり、樹脂が析出しやすくなったり、粘度が経時変化したりするだけでなく、ペーストが時間と共に分離したりする現象が起こりやすくなるので好ましくない。
ここで本発明で用いる有機溶剤などの蒸発速度をTG/DTAで測定した結果を図1に示す。TG/DTA測定では、各種溶剤を直径5mmφのアルミセルに約30mg入れ、TG/DTA装置(SEIKO社製)で、室温から120℃まで40℃/minで昇温したのち、そのまま120℃で保持した。雰囲気は空気を200ml/min流通する条件とした。第一の有機溶剤の他に、公知の各種溶剤の蒸発速度についても測定し、比較を行った。
図1のグラフは、縦軸の左目盛りが温度、同右目盛りが溶剤の蒸発割合、横軸が時間を示す。線1は温度上昇を示す曲線、線2〜線6は、それぞれ、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、およびイソボルニルプロピオネートの蒸発割合を示す曲線である。エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートは、ターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、又はイソボルニルプロピオネートに比較して蒸発速度が速いことがわかる。このようにエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートは、特に蒸発速度が速いから、ペースト印刷後の乾燥性に優れる。
それだけでなく、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートは、消防法第4類第三石油類に分類されるため、引火点が高く、作業上安全で、輸送上のリスクが少ない。したがって、これら有機溶剤は単独で又は互いに混合して用いることができる。
なお、このTG/DTA装置による測定方法は、ペーストの乾燥性を直接評価するものではないが、溶剤の沸点だけでは判断できない蒸発速度を定量的に比較できるので、新たな溶剤を探索し、溶剤単体を評価、選択するために用いられている。
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを混合して用いる場合、混合割合は特に制限されず、乾燥性を考慮して混合割合を調整すればよい。
また、本発明では、有機溶剤(C)として、第一の有機溶剤であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも一種に、第二の有機溶剤であるジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種を混合した混合溶剤を用いることができる。
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートは、上記のような特徴があるが、これにジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種を組み合わせることで、比較的低コストでありながら、一定の蒸発速度を満足し、乾燥性に対する問題も改善された有機溶剤とすることができる。
第一の有機溶剤と第二の有機溶剤の混合において、ペーストの乾燥条件に特別な要求が無ければ、混合割合に制限はない。しかし、背景技術に記載したように、シート中の可塑剤が乾燥時に蒸発消失しないようにペーストの乾燥温度をより低温化し、乾燥時間を短縮化したいなどという要請がある場合には、次の混合割合が推奨される。
(C1)第一の有機溶剤がエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートの場合
(イ)第二の有機溶剤としてジヒドロターピニルアセテート又はイソボルニルプロピオネートから選ばれる少なくとも一種を混合する場合は、第一の有機溶剤を重量比で20%以上100%未満とすることで、より低温、短時間での乾燥性が得られる。
(ロ)第二の有機溶剤としてイソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種を混合する場合は、第一の有機溶剤を重量比で30%以上100%未満とすることで、より低温、短時間での乾燥性が得られる。
(C2)第一の有機溶剤がジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの場合
(ハ)第二の有機溶剤としてジヒドロターピニルアセテートを混合する場合は、第一の有機溶剤を重量比で60%以上100%未満とすることで、より低温、短時間での乾燥性が得られる。
(ニ)第二の有機溶剤としてイソボルニルプロピオネートを混合する場合は、第一の有機溶剤を重量比で70%以上100%未満とすることで、より低温、短時間での乾燥性が得られる。
(ホ)第二の有機溶剤としてイソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種を混合する場合は、第一の有機溶剤を重量比で80%以上100%未満とすることで、より低温、短時間での乾燥性が得られる。
概して、第二の有機溶剤の蒸発速度が低いものであるほど、また、これと混合する第一の有機溶剤の蒸発速度が低いものであるほど、第一の有機溶剤の混合比率を高くしてゆかなければ、より低温、短時間での乾燥状態における所要の乾燥性は得られない。
4.無機添加剤(D)
積層セラミックコンデンサの内部電極用導電性ペーストでは、焼成時に内部電極の焼結収縮をセラミックシートの焼結収縮挙動に合わせる目的で無機添加剤が配合される。通常、無機添加剤は、共材とも言われ、例えば、市販のBaTiO、BaTiZr1−x(xは0.8)等や、グリーンシートを構成しているセラミックと同様の組成物等、その他無機酸化物等を適量配合することができる。
本発明の導電性ペーストにおいて、無機添加剤、例えばBaTiOの平均粒径は、特に制限されないが、特に高積層、高容量の積層セラミックコンデンサ内部電極に用いるのであれば、0.01〜0.1μmが好ましい。平均粒径は、走査電子顕微鏡(FE−SEM)写真より求められ、この範囲を外れると焼成後の抵抗値が上昇したり、電極膜形成が不充分で作成した積層コンデンサの静電容量が得られなくなることがある。
また、無機添加剤の含有量は、特に制限されるわけではないが、ペースト中で1〜30重量%であることが好ましい。含有量が1重量%よりも少ないと、導電性ペーストと誘電体シートとの同時焼成時の焼結収縮差が生じ、焼結体にクラックが生じやすくなり、また、含有量が30重量%よりも多いと、導電性が低下し、静電容量が得られなくなる。
(その他添加剤)
本発明において、導電性粉末の分散性や粘性を改善する目的で、種々の添加剤を配合することができる。例えば、分散剤、界面活性剤、キレート剤、消泡剤、可塑剤、粘度調整剤等が挙げられる。市販されている添加剤を一種または複数組み合わせて有機ビヒクルに配合し、導電性ペーストの印刷特性を調整すればよい。
5.導電性ペーストの製造
以下、本発明の導電性ペーストを作製する手順を説明する。本発明の導電性ペーストは、まず、有機樹脂を有機溶剤に溶解して有機ビヒクルを調製し、次に、導電性粉末、無機添加剤、その他添加剤を添加し、有機ビヒクル中に分散させる。
まず、エチルセルロース樹脂とエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどの有機溶剤を用意する。溶剤を50〜60℃に加温した恒温槽の中で、エチルセルロース樹脂を徐々に加え、引き続き樹脂が溶解するまで攪拌しながら加熱する。
次に、導電性粉末、無機添加剤、作製した有機ビヒクルの所定量を秤量し、ミキサーに投入してその他添加剤を適量加え、攪拌した後、スリーロールミルによって、導電性粉末と無機添加剤とその他添加剤を有機ビヒクル中に均一分散混合させる。
導電性粉末は、ペースト全量に対して30〜70重量%、無機添加剤は、ペースト全量に対して1〜30重量%、その他添加剤は、ペースト全量に対して1〜3重量%とすることが好ましい。また、有機ビヒクル中の樹脂は、ペースト全量に対して1〜5重量%とすることが好ましい。導電性ペーストの粘度は、印刷方法や印刷条件の違いによって、適宜調整されるものであるが、一例としてスクリーン印刷における印刷工程においてのペースト粘度は、ブルックフィールド社製B型粘度計によりスピンドルの回転が10rpm(シェアレート 4s−1/25℃)で約10〜30Pa・sの粘度をもつように調整される。
これにより、導電性粉末及び無機添加剤が有機ビヒクル中に十分に分散しており、積層セラミックコンデンサ内部電極形成時に、シートアタックが抑制された本発明の導電性ペーストを得ることが出来る。
以下に、本発明の実施例、比較例を示して詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら制限されることはない。
(評価用グリーンシート)
ポリビニルブチラール樹脂が配合された、厚さ約3μmのチタン酸バリウム系誘電体グリーンシートを用意し、これを用いて有機溶剤の特性を評価した。このグリーンシートは、約10μmのPETフィルム上にチタン酸バリウム系誘電体スラリーペーストをドクターブレードで乾燥膜厚が約3μmになるように塗布、乾燥させたものである。
(乾燥性)
このグリーンシート上に、上記ニッケル導電性ペーストの乾燥膜厚が約2μmになるように調整してスクリーン印刷し、そのシートを60℃で1分間乾燥させ電極パターンを形成させた。この導体ペーストの乾燥膜を上部から実体顕微鏡で観察し、乾燥体の表面の状態から乾燥性を確認した。なお、60℃1分の乾燥条件は、極薄のグリーンシート中の可塑剤が乾燥時に蒸発消失しないようにペーストの乾燥温度をより低温化し、乾燥時間を短縮化したいという要請に基づいたものであり、一般的な要求水準ではない。
完全に乾燥しているものを○、表面が一部でも湿っており乾燥が不十分なものを△、全体が乾燥していないものを×と判定した。
(シートアタック性)
乾燥性を確認した後、シートアタック性を確認するために、印刷されたシートの裏面を実体顕微鏡観察し、シートの膨潤やゆがみを確認した。
ほぼ変化がないものを○、膨潤やゆがみがあるものを△、溶解し破れたものを×とした。
(シート剥離試験)
シートアタック性を評価した後、さらにこのグリーンシートに粘着テープを用いてPETフィルム上から剥離し、導電ペーストの印刷パターン部が問題なく剥離されるか確認した。
きれいに印刷パターン部が剥離したものを○、印刷パターン部が破れたものを×とした。
(実施例1,2)
(有機ビヒクルの製造)
表1に示したエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを有機溶剤として用い、これにエチルセルロース樹脂を溶解して内部電極用ペーストに使われる有機ビヒクルを作製した。
各溶剤をヒーターで温度60℃まで加熱し、攪拌羽で攪拌しながらエチルセルロース樹脂を徐々に加え、溶解して有機ビヒクルを得た。当該樹脂が完全に溶解したことを確認するため溶解物の一部を取り出し、プレパラート上で当該樹脂の溶け残りがないことを確認した。
エチルセルロースの含有量は、すべて溶剤100部に対して15部とした。エチルセルロースはDow Chemical社製のグレードSTD−45とSTD−300をブレンドして用い、所定の粘度になるよう両者の混合比を調整し、試験用有機ビヒクルとした。
なお、この実施例1,2は参考例である。
(導電性ペーストの製造)
その後、上記有機ビヒクルを用い、次のようにしてニッケルペーストを作製した。
導電性粉末として平均粒径0.2μmのニッケル粉末を100部、無機添加剤として市販の平均粒径0.1μmのチタン酸バリウム粉末を20部、表1に記載した各種有機溶剤を用いた有機ビヒクルを73部、その他添加剤の適量をミキサー混合してミルベースを作り、スリーロールミルで混練分散させた。使用した有機ビヒクルに用いたものと同じ溶剤を粘度調整の目的で添加し、ペーストの粘度がブルックフィールド製B型粘度計を用いて10rpm粘度が10〜30Pa・sになるように希釈調整し、ニッケル導電性ペーストを得た。
表1に各種溶剤を用いて作成した導電性ペーストの乾燥性、シートアタック、シート剥離試験の評価結果を示す。
(比較例1〜8)
有機溶剤を、表1に示したターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレートに代えた以外は、実施例1,2と同様にして導電性ペーストを作製した(比較例1〜5)。
また、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルについても実施例1,2と同様にして導電性ペーストを作製した(比較例6〜8)。
表1に各種溶剤を用いて作成した導電性ペーストの乾燥性、シートアタック、シート剥離試験の評価結果を示す。
Figure 0005262445
表1から明らかなように、実施例1、2(参考例)では溶剤として、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを用いたので、乾燥性、シートアタック、シート剥離試験においてすべて良好な結果を示した。
一方、比較例1ではターピネオールを溶剤としたが、明らかにシートアタック性に劣りシートに穴が生じた。比較例2〜5では、シートアタック性は良好だが、60℃−1分では乾燥性が劣り、比較例6〜7では、シートアタック性、60℃−1分での乾燥性がともに劣り、比較例8では、60℃−1分での乾燥性は良好だが、シートアタック性が劣り、実施例1、2と比較して明らかな差異が認められた。なお、比較例2、3では、60℃−1分での乾燥性において、これらの溶剤は、単独では使用に適さないことが判明した。
(実施例3〜10)(比較例9〜10)
第一の溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用い、第二の溶剤としてジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレートを用いて、各比率で混合して混合溶剤を調製して、実施例1,2(参考例)と同様にして導電性ペーストを作製した(実施例3〜10、ただし参考例)。
また、第一の溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用い、第二の溶剤としてターピネオールについても同様にして導電性ペーストを作製した(比較例9〜10)。
表2にこれら各種混合溶剤を用いて作成した導電性ペーストの乾燥性、シートアタック、シート剥離試験の評価結果を示す。
Figure 0005262445
表2の実施例3,4(参考例)から、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートとジヒドロターピニルアセテートの混合溶剤を用いた場合、比較例2に対して乾燥性が改善され、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを重量比率20%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
実施例5,6(参考例)から、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートとイソボルニルプロピオネートの混合溶剤を用いた場合、比較例3に対して乾燥性が改善され、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを重量比率20%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
実施例7,8(参考例)から、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートとイソボルニルブチレートの混合溶剤を用いた場合、比較例4に対して乾燥性が改善されるが、その重量比率はエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを重量比率30%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
実施例9,10(参考例)から、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートとイソボルニルイソブチレートの混合溶剤を用いた場合、比較例5に対して乾燥性が改善されるが、その重量比率はエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを重量比率30%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
これに対して、比較例9,10から、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートにターピネオールを混合すると、比較例1に対して乾燥性が改善されるが、シートアタック性の改善が見られないことがわかる。
(実施例11〜18)(比較例11〜12)
第一の溶剤としてジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを用い、第二の溶剤としてジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレートを用いて、各比率で混合して混合溶剤を調製して、実施例1,2と同様にして導電性ペーストを作製した(実施例11〜18)。
また、第一の溶剤としてジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを用い、第二の溶剤としてターピネオールについても同様にして導電性ペーストを作製した(比較例11〜12)。
表3に各種混合溶剤を用いて作成した導電性ペーストの乾燥性、シートアタック、シート剥離試験の評価結果を示す。
Figure 0005262445
表3の実施例11,12から、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとジヒドロターピニルアセテートの混合溶剤を用いた場合、比較例2に対して乾燥性が改善され、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを重量比率60%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
実施例13,14から、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとイソボルニルプロピオネートの混合溶剤を用いた場合、比較例3に対して乾燥性が改善され、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを重量比率70%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
実施例15,16から、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとイソボルニルブチレートの混合溶剤を用いた場合、比較例4に対して乾燥性が改善され、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを重量比率80%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
実施例17,18から、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとイソボルニルイソブチレートの混合溶剤を用いた場合、比較例5に対して乾燥性が改善され、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを重量比率80%以上配合することによって低温、短時間の乾燥性がより改善されることがわかる。
これに対して、比較例11,12から、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートにターピネオールを混合すると、比較例1に対して乾燥性が改善されるが、シートアタック性の改善が見られないことがわかる。
各種溶剤の蒸発速度をTG/DTAで確認した結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. ポリビニルブチラール樹脂を含有する誘電体グリーンシートに印刷される、導電性粉末(A)、有機樹脂(B)、及び第一の溶剤(c1)と第二の溶剤(c2)とを混合した有機溶剤(C)を含む積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペーストにおいて、
    第一の溶剤(c1)が、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートであり、第二の溶剤(c2)が、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種からなり、
    第一の溶剤(c1)の混合割合は、第二の溶剤(c2)がジヒドロターピニルアセテートのとき重量比率で60%以上100%未満、イソボルニルプロピオネートのとき重量比率で70%以上100%未満、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートのとき重量比率で80%以上100%未満であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  2. 導電性粉末(A)は、ニッケル、銅、金、銀、白金、パラジウム、又はそれらの合金から選ばれる金属粉末であることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  3. 導電性粉末(A)の含有量は、ペースト全量に対して30〜70重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  4. 導電性粉末(A)の粒径は、0.05〜1.0μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
  5. 有機樹脂(B)は、エチルセルロースを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト。
  6. 有機樹脂(B)の含有量は、ペースト全量に対して1〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト。
  7. さらに、誘電体シートを構成する材料と共通成分を含む無機添加剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ内部電極用導電ペースト。
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