JP5257147B2 - ラベル - Google Patents
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Description
1. ポリスチレン系樹脂を主成分とするコア層の少なくとも片面にポリエステル系樹脂層を主成分とするスキン層を積層してなり、フィルム幅方向を主収縮方向として熱収縮する熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムを基材とし、包装対象物に応じてカットされ、フィルム幅方向の両端が接着された環状体が、包装対象物の外周の少なくとも一部を熱収縮して被覆しているラベルであって、被覆されているラベル(印刷層を除いたフィルム基材)の主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の直角引裂強度が90N/mm〜300N/mmであり、かつ、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の引張破壊強さが100MPa以上300MPa以下であり、かつ160℃の熱風中で1分間に亘って処理した場合における主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が40%以上であることを特徴とするラベル。
2. 接着が、有機溶剤によりなされていることを特徴とする上記第1に記載のラベル。
3. 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)に沿って、ミシン目あるいはノッチが設けられていることを特徴とする上記第1又は第2に記載のラベル。
ラベルに印刷が施されている場合には、ラベルの印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を使用して拭き取った。印刷が施されていないか又は印刷層を除いたラベルをJIS−K−7128に準じて所定の大きさの試験片としてサンプリングする。しかる後に、万能引張試験機(たとえば、(株)島津製作所製 オートグラフ)で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、ラベルの主収縮方向と直交する方向(=ミシン目方向)における引張破壊時の強度の測定を行う。そして、下式1を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出する。
直角引裂強度=引張破壊時の強度÷厚み ・・式1
ラベルに印刷が施されている場合には、ラベルの印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を使用して拭き取った。印刷が施されていないか又は印刷層を除いたラベルをJIS−K−7127に準じて、所定の大きさにサンプリングして試験片とし、万能引張試験機(たとえば、(株)島津製作所製 オートグラフ)で試験片の両端(フィルム長手方向)を掴み、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、破断時の応力値を算出する。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) ・・式2
80℃に調整された湯温中にてフィルムを幅方向に10%収縮させた後に、JIS−K−7128に準じて所定の大きさの試験片としてサンプリングする。しかる後に、万能引張試験機で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、フィルムの長手方向における引張破壊時の強度の測定を行う。そして、下式1を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出する。
直角引裂強度=引張破壊時の強度÷厚み ・・式1
JIS−K7113に準拠し、所定の大きさの短冊状の試験片を作製し、万能引張試験機でその試験片の両端を把持して、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、フィルムの長手方向の引張破壊時の強度(応力)を引張破壊強さとして算出する。
m)以上であることが好ましく、4(N/15mm)以上であることが更に好ましい。溶剤接着強度が4(N/15mm)未満であると、ラベルが熱収縮した後に溶剤接着部から剥れ易くなるので好ましくない。なお、溶剤接着強度は、6(N/15mm)以上であるとより好ましく、8(N/15mm)以上であると特に好ましい。なお、溶剤接着強度は高いほど好ましいが、当該溶剤接着強度の上限は、製膜装置の性能上から15(N/15mm)程度が限界であると考えている。
上述したように、通常、熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムは、未延伸積層フィルムを収縮させたい方向(すなわち、主収縮方向、通常は幅方向)のみに延伸することによって製造される。本発明者らが従来の製造方法について検討した結果、従来の熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムの製造においては、以下のような問題点があることが判明した。
・単純に幅方向に延伸するだけであると、上述の如く、長手方向の機械的強度が小さくなり、ラベルとした場合のミシン目開封性が悪くなる。その上、製膜装置のライン速度を上げることが困難である。
・幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する方法を採用すると、どのような延伸条件を採用しても、幅方向の収縮力を十分に発現させることができない。さらに、長手方向の収縮力が同時に発現してしまい、ラベルとした際に収縮装着後の仕上がりが悪くなる。
・長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する方法を採用すると、幅方向の収縮力は発現させることができるものの、長手方向の収縮力が同時に発現してしまい、ラベルとした際に収縮装着後の仕上がりが悪くなる。
・ラベルとした際のミシン目開封性を良好なものとするためには、長手方向へ配向した分子をある程度残しておく必要があると考えられること
・ラベルとした際の収縮装着後の仕上がりを良好なものとするためには、長手方向への収縮力を発現させないことが不可欠であり、そのためには長手方向へ配向した分子の緊張状態を解消する必要があると考えられること
(1)縦延伸条件の制御
(2)縦延伸後における中間熱処理
(3)中間熱処理と横延伸との間における自然冷却(加熱の遮断)
(4)自然冷却後のフィルムの強制冷却
(5)横延伸条件の制御
以下、上記した各手段について順次説明する。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、本発明のフィルムロールを得るためには、縦延伸を二段で行うのが好ましい。すなわち、実質的に未配向のフィルムを、60℃以上110℃以下の温度で2.2倍以上3.0倍以下の倍率となるように縦延伸し(一段目の延伸)、60℃以下に冷却することなく、70℃以上120℃以下の温度で1.2倍以上1.5倍以下の倍率となるように縦延伸する(二段目の延伸)ことにより、トータルの縦延伸倍率(すなわち、一段目の縦延伸倍率×二段目の縦延伸倍率)が2.8倍以上4.5倍以下となるように縦延伸するのが好ましく、トータルの縦延伸倍率が3.0倍以上4.3倍以下となるように縦延伸するとより好ましい。
上述の如く、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させるためには、長手方向に配向した分子を熱緩和させることが好ましいが、従来、フィルムの二軸延伸において、一軸目の延伸と二軸目の延伸との間において、高温の熱処理をフィルムに施すと、熱処理後のフィルムが結晶化してしまうため、それ以上延伸することができない、というのが業界での技術常識であった。しかしながら、本発明者らが試行錯誤した結果、縦−横延伸法において、ある一定の条件で縦延伸を行い、その縦延伸後のフィルムの状態に合わせて中間熱処理を所定の条件で行い、さらに、その中間熱処理後のフィルムの状態に合わせて所定の条件で横延伸を施すことによって、横延伸時に破断を起こさせることなく、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させ得る、という驚くべき事実が判明した。
縦延伸した後に、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、130℃以上190℃以下の温度で1.0秒以上9.0秒以下の時間に亘って熱処理(以下、中間熱処理という)することが好ましい。かかる中間熱処理を行うことによって、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させることが可能となり、ひいては、ラベルとした場合にミシン目開封性が良好で収縮斑が生じないフィルムを得ることが可能となる。なお、どのような縦延伸を行った場合でも、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させることが可能となるわけではなく、前述した所定の縦延伸を実施することによって、中間熱処理後に、初めて“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させることが可能となる。そして、後述する所定の自然冷却、強制冷却、横延伸を施すことによって、フィルム内に形成された“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”を保持したまま、幅方向へ分子を配向させて幅方向への収縮力を発現させることが可能となる。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、上記の如く、縦延伸後に中間熱処理を施すことが好ましいが、その中間熱処理と横延伸との間において、0.5秒以上3.0秒以下の時間に亘って、積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させることが好ましい。すなわち、横延伸用のテンターの横延伸ゾーンの前方に中間ゾーンを設けておき、縦延伸後のフィルムをテンターに導き、所定時間をかけて当該中間ゾーンを通過させた後に、横延伸を実施するのが好ましい。加えて、その中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルムの流れに伴う随伴流および冷却ゾーンからの熱風を遮断するのが好ましい。なお、中間ゾーンを通過させる時間が0.5秒を下回ると、横延伸が高温延伸となり、横方向の収縮率を十分に高くすることができなくなるので好ましくない。反対に中間ゾーンを通過させる時間は3.0秒もあれば十分であり、それ以上の長さに設定しても、設備のムダとなるので好ましくない。なお、中間ゾーンを通過させる時間の下限は、0.7秒以上であると好ましく、0.9秒以上であるとより好ましい。また、中間ゾーンを通過させる時間の上限は、2.8秒以下であると好ましく、2.6秒以下であるとより好ましい。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、上記の如く自然冷却したフィルムをそのまま横延伸するのではなく、フィルムの温度が80℃以上120℃以下となるように急冷することが好ましい。かかる急冷処理を施すことによって、ラベルとした際のミシン目開封性が良好なフィルムを得ることが可能となる。なお、急冷後のフィルムの温度の下限は、85℃以上であると好ましく、90℃以上であるとより好ましい。また、急冷後のフィルムの温度の上限は、115℃以下であると好ましく、110℃以下である
とより好ましい。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、縦延伸、中間熱処理、急冷後のフィルムを所定の条件で横延伸することが好ましい。すなわち、横延伸は、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、70℃以上120℃以下の温度で2.0倍以上6.0倍以下の倍率となるように行うことが好ましい。かかる所定条件での横延伸を施すことによって、縦延伸および中間熱処理によって形成された“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”を保持したまま、幅方向へ分子を配向させて幅方向の収縮力を発現させることが可能となり、ラベルとした際のミシン目開封性が良好なフィルムを得ることが可能となる。なお、横延伸の温度の下限は、75℃以上であると好ましく、80℃以上であるとより好ましい。また、横延伸の温度の上限は、115℃以下であると好ましく、110℃以下であるとより好ましい。一方、横延伸の倍率の下限は、2.5倍以上であると好ましく、3.0倍以上であるとより好ましい。また、横延伸の倍率の上限は、5.5倍以下であると好ましく、5.0倍以下であるとより好ましい。
ことが可能となる。加えて、横延伸における延伸温度が高くなると、フィルムの内部のボイドが減少することによって、フィルムのヘイズが低くなる。
本発明のラベルに好ましく使用される熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムの製造に当たっては、縦延伸工程、中間熱処理工程、自然冷却工程、強制冷却工程、横延伸工程の内の何れかの工程のみが、単独でフィルムの特性を良好なものとすることができるものではなく、縦延伸工程、中間熱処理工程、自然冷却工程、強制冷却工程、横延伸工程のすべてを所定の条件にて行うことにより、非常に効率的にフィルムの特性を良好なものとすることが可能となるものと考えられる。また、フィルムの特性の中でも、長手方向の直角引裂強度、長手方向の引張破壊強さ、長手方向の160℃熱収縮率、幅方向の厚み斑、動摩擦係数、長手方向の厚み斑といった重要な特性は、特定の複数の工程同士の相互作用によって大きく数値が変動する。
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で10秒間処理して熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下式2にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。当該熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) ・・式2
フィルムを、主収縮方向(幅方向)×主収縮方向と直交する方向(長手方向)=200mm×15mmのサイズにカットした。しかる後、(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50を温度90℃に調整した上で、カットしたフィルムをセットし、10秒間保持したときの主収縮方向の応力値を測定した。
80℃に調整された湯温中にてフィルムを主収縮方向(幅方向)に10%収縮させた後に、JIS−K−7128に準じて、図1に示す形状にサンプリングすることによって試験片を作製した。しかる後に、万能引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ)で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、長手方向の引張破壊時の強度の測定を行い、下式1を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出した。
直角引裂強度=引張破壊時の強度÷厚み ・・式1
フィルムに1,3−ジオキソランを塗布して2枚を張り合わせることによってシールを施した。しかる後、シール部をフィルムの主収縮方向と直交する方向(以下、直交方向という)に15mmの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50にセットし、引張速度200mm/分の条件で180°ピール試験を行った。そして、そのときの引張強度を溶剤接着強度とした。
JIS−K7113に準拠し、所定の大きさの短冊状の試験片を作製し、万能引張試験機でその試験片の両端を把持して、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、フィルムの長手方向の引張破壊時の強度(応力)を引張破壊強さとして算出する。
フィルムの主収縮方向と直交する方向(フィルムの長手方向:通常ラベルのミシン目方向)に長さ70〜90mm、主収縮方向に長さ10mmの短冊を切り取り、中央部50mmの両端部に標線を入れ、熱風オーブンにて160℃の温度で1分間熱処理し、空冷後標線間の長さを測定し、上式2に従って収縮率を求めた。
フィルムを長さ40mm×幅1.2mの幅広な帯状にサンプリングし、ミクロン測定器株式会社製の連続接触式厚み計を用いて、5(m/分)の速度で、フィルム試料の幅方向に沿って連続的に厚みを測定した(測定長さは500mm)。測定時の最大厚みをTmax.、最小厚みをTmin.、平均厚みをTave.とし、下式3からフィルムの幅方向の厚み斑を算出した。
厚み斑={(Tmax.−Tmin.)/Tave.}×100 (%) ・・式3
JIS−K−7136に準拠し、ヘイズメータ(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて測定した。なお、測定は2回行い、その平均値を求めた。
フィルムを長さ12m×幅40mmの長尺なロール状にサンプリングし、ミクロン測定器株式会社製の連続接触式厚み計を用いて、5(m/分)の速度でフィルム試料の長手方向に沿って連続的に厚みを測定した(測定長さは10m)。測定時の最大厚みをTmax.、最小厚みをTmin.、平均厚みをTave.とし、上式3からフィルムの長手方向の厚み斑を算出した。
フィルムに1,3−ジオキソランを塗布して2枚を張り合わせることによってシールを施した。しかる後、シール部をフィルムの主収縮方向と直交する方向(以下、直交方向という)に15mmの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50にセットし、引張速度200mm/分の条件で180°ピール試験を行った。そして、そのときの引張強度を溶剤接着強度とした。
セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量計(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム5mgを採取し、室温より昇温速度10℃/分で昇温した時の吸熱曲線のピークの温度より求めた。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、そのラベルに印刷が施されている場合には、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を使用して拭き取った。印刷が施されていないか又は印刷層を除いたラベルをJIS−K−7127に準じて、主収縮方向と直交する方向(=フィルム長手方向:通常ラベルのミシン目方向)の長さ50mm×主収縮方向(フィルム幅方向)の長さ20mmの長方形状にサンプリングして試験片とし、万能引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ)を利用して、試験片の両端(長尺方向の両端)を掴み、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、破断時の応力値を引張破壊強さとして算出した。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、そのラベルに印刷が施されている場合には、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を使用して拭き取った。印刷が施されていないか又は印刷層を除いたラベルをJIS−K−7128に準じて、図1に示す形状にサンプリングすることによって試験片を作製した。フィルムの主収縮方向(=フィルムの幅方向:通常ラベルのミシン目方向と直交する方向)を試料片の長手方向とした。しかる後に、万能引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ)で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、非収縮方向(長手方向)の引張破壊時の強度の測定を行い、上式1を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出した。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、フィルムの主収縮方向と直交する方向(=フィルムの長手方向:通常ラベルのミシン目方向)に長さ70〜90mm、主収縮方向に長さ10mmの短冊を切り取り、中央部50mmの両端部に標線を入れ、熱風オーブンにて160℃の温度で1分間熱処理し、空冷後標線間の長さを測定し、上式2に従って収縮率を求めた。
包装対象物の周囲に装着されたラベルの仕上がり状態を、目視によって下記の基準により評価した。
◎:シワ,飛び上り、収縮不足の何れも未発生で、かつ色の斑も見られない
○:シワ,飛び上り、または収縮不足が確認できないが、若干、色の斑が見られる
△:飛び上り、収縮不足の何れも未発生だが、ネック部の斑が見られる
×:シワ、飛び上り、収縮不足が発生
装着されたラベルと包装対象物とを軽くねじったときのラベルのズレ具合を官能評価した。ラベルが動かなければ○、すり抜けたり、ラベルとボトルがずれたりした場合には×とした。
ラベルを装着したペットボトル等の包装対象物に水を500ml充填し、5℃に冷蔵し、冷蔵庫から取り出した直後のボトルのラベルのミシン目を指先で引裂き、縦方向にミシン目に沿って綺麗に裂け、ラベルをボトルから外すことができた本数を数え、全サンプル50本に対する割合(%)を算出した。
撹拌機、温度計及び部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、二塩基酸成分としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%と、グリコール成分としてエチレングリコール(EG)100モル%とを、グリコールがモル比でメチルエステルの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)を用いて、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)添加し、280℃で26.6Pa(0.2トール)の減圧条件下、重縮合反応を行い、固有粘度0.70dl/gのポリエステル(C)を得た。このポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。なお、上記ポリエステル(C)の製造の際には、滑剤としてSiO2(富士シリシア社製サイリシア266)をポリエステルに対して8,000ppmの割合で添加した。また、上記と同様な方法により、表1に示すポリエステル(A,B)を合成した。なお、表中、NPGがネオペンチルグリコール、CHDMが1,4−シクロヘキサンジメタノールである。それぞれのポリエステルの固有粘度は、Aが0.80dl/g、Bが0.72dl/gであった。なお、各ポリエステルは、適宜チップ状にした。
共押出法を利用して、コア層形成用樹脂、スキン層形成用樹脂、接着剤層形成用樹脂を別々の押出機(第一〜第三押出機)から溶融押出しし、ダイス(Tダイ)内で積層し、エアーナイフ法により、40℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さが730μmで、三種五層構成、すなわち、コア層の表裏両側に中間層(接着剤層)が積層され、それらの中間層の外側に、それぞれ、スキン層が積層された構成の未延伸フィルム(ポリスチレン系樹脂積層シート)を得た。未延伸フィルムの各層の形成方法(溶融押出までの工程)は、以下の通りである。なお、以下の説明においては、ポリスチレン系混合樹脂積層シートの表裏から順に、第一層、第二層、第三層、第四層、第五層という(すなわち、第五層の表面は、金属ロール接触面である)。
上記したチップAとCを、それぞれブレンダー装置を用いて予備乾燥した後、その予備乾燥後のチップAを95重量部とチップCを5重量部とをブレンダーにて混合させた後、第一押出機の直上のホッパに、定量スクリューフィーダーで連続的に供給した。そして、供給されたチップAおよびCの混合物を、単軸式の第一押出機によりTダイから溶融押出しした(コア層の表裏の外側に積層された中間層の外側に積層されるように溶融押出しした)。なお、第一押出機においては、第一ゾーンの温度を270℃に調整するとともに、第二ゾーンの温度を220℃に調整することにより、溶融樹脂に高温の熱履歴を与えた上で若干低温にしてからTダイへ導いた。また、Tダイからの押出を安定させるために、押出機とTダイとの間にヘリカルタイプかつ並列タイプのギアポンプを介在させた。加えて、第一押出機の押出温度については、PID制御方式による温度制御を行った。
上記したチップDを、ブレンダー装置を用いて予備乾燥した後、その予備乾燥後のチップDを、第二押出機の直上のホッパに、定量スクリューフィーダーで連続的に供給した。そして、供給されたチップDを、単軸式の第二押出機によりTダイから溶融押出しした(コア層の表裏の外側に積層されるように溶融押出しした)。なお、第二押出機においては、第一ゾーンの温度、第二ゾーンの温度をともに200℃に調整した。また、第一押出機による押出しと同様に、Tダイからの押出を安定させるために、押出機とTダイとの間にヘリカルタイプかつ並列タイプのギアポンプを介在させた。加えて、第二押出機の押出温度についても、第一押出機の押出温度と同様に、PID制御方式による温度制御を行った。
上記したチップE,F,Gを、それぞれ、ブレンダー装置を用いて予備乾燥した後、それらのチップE,F,Gを、混合ミキサー内へ、定量スクリューフィーダーで連続的に別々に供給した。なお、チップEの供給量を100重量%部とし、チップFの供給量を43重量%部とし、チップGの供給量を14重量%部とした。しかる後、混合ミキサー内で混合したチップE,F,Gの混合原料を、第三押出機の直上のホッパに、定量スクリューフィーダーで連続的に別々に供給した。そして、供給されたチップE,F,G(混合済みのもの)を、単軸式の第三押出機によりTダイから溶融押出しした。なお、第三押出機においては、第一ゾーンの温度、第二ゾーンの温度をともに200℃に調整した。また、第一押出機による押出しや第二押出機による押出しと同様に、Tダイからの押出を安定させるために、押出機とTダイとの間にヘリカルタイプかつ並列タイプのギアポンプを介在させた。加えて、第三押出機の押出温度についても、第一押出機、第二押出機の押出温度と同様に、PID制御方式による温度制御を行った。
第1層および第5層に用いる原料チップにおいて、上記したポリエステルAの替わりにポリエステルBを用いる以外は実施例1と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
第一層/第二層/第三層/第四層/第五層の厚み比が、12/2/22/2/12となるように各押出機の吐出量を調整した以外は実施例1と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
実施例1に対して吐出量を調節してフィルム厚みを810μmに変更した他は実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た。その未延伸フィルムを1段目の縦延伸倍率を2.9倍としてトータルの縦延伸倍率は、4.06倍に変更し、中間熱処理ゾーンにおいて、170℃の温度で8.0秒間に亘って熱処理した他は実施例1と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
実施例1に対して吐出量を調節してフィルム厚みを640μmに変更した他は実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た。その未延伸フィルムを1段目の縦延伸倍率を2.3倍としてトータルの縦延伸倍率は、3.22倍に変更し、中間熱処理ゾーンにおいて、155℃の温度で熱処理した他は実施例1と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
実施例1に対して吐出量を調節してフィルム厚みを620μmに変更した他は実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た。その未延伸フィルムを1段目の縦延伸倍率を2.2倍としてトータルの縦延伸倍率を3.08倍に変更し、中間熱処理ゾーンにおいて、155℃の温度で熱処理した他は、実施例1と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
第一押出機に投入する原料として、ポリエステルA 90重量%とポリエステルC 10重量%とを混合して投入し溶融押出しすることで第1層および第5層を形成すること意外は実施例1と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
各押出機の吐出量を調整し第一層/第二層/第三層/第四層/第五層の厚み比が、18/2/10/2/18でフィルム厚みを670μmに変更した他は実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た。その未延伸フィルムを1段目の縦延伸倍率を2.4倍としてトータルの縦延伸倍率を3.36倍に変更した以外は実施例1と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
実施例1と吐出量を変更した他は同様にして得られたフィルム厚みが200μmの未延伸フィルムを、フィルムの表面温度が80℃になるまで予備加熱した後に、80℃で幅方向(横方向)に4.0倍に横一軸延伸した。 しかる後、その横延伸後のフィルムを最終熱処理ゾーンに導き、当該最終熱処理ゾーンにおいて、85℃の温度で5.0秒間に亘って熱処理した後に冷却し、両縁部を裁断除去して幅500mmでロール状に巻き取ることによって、約50μmの横一軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製造した。
第一層/第二層/第三層/第四層/第五層の厚み比が、18/2/10/2/18となるように各押出機の吐出量を調整した以外は同様にして得られたフィルム厚みが310μmの未延伸フィルムを、予熱ロール上でフィルム温度が78℃になるまで予備加熱した後に、表面温度80℃に設定された低速回転ロールと表面温度80℃に設定された中速回転ロールとの間で回転速度差を利用して1.1倍に延伸した。さらに、その縦延伸したフィルムを、表面温度92℃に設定された中速回転ロールと表面温度30℃に設定された高速回転ロールとの間で回転速度差を利用して1.4倍に縦延伸した(したがって、トータルの縦延伸倍率は、1.54倍であった)。しかる後、実施例1と同様に、中間熱処理、自然冷却、強制冷却、横延伸、最終熱処理をフィルムに施し、両縁部を裁断除去することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
未延伸フィルムの厚みを370μmとし、横延伸倍率を4.8倍とし、最終熱処理温度を90℃に変更した以外は比較例2と同様な条件で製膜することによって、約50μmの二軸延伸フィルムを幅500mmで連続的に製造した。そして、得られたフィルム及びラベルの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
Claims (3)
- ポリスチレン系樹脂を主成分とするコア層の少なくとも片面にポリエステル系樹脂層を主成分とするスキン層を積層してなり、フィルム幅方向を主収縮方向として熱収縮する熱収縮性ポリスチレン系積層フィルムを基材とし、包装対象物に応じてカットされ、フィルム幅方向の両端が接着された環状体が、包装対象物の外周の少なくとも一部を熱収縮して被覆しているラベルであって、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の直角引裂強度が90N/mm〜300N/mmであり、かつ、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の引張破壊強さが100MPa以上300MPa以下であり、かつ160℃の熱風中で1分間に亘って処理した場合における主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が40%以上であることを特徴とするラベル。
- 接着が、有機溶剤によりなされていることを特徴とする請求項1に記載のラベル。
- 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)に沿って、ミシン目あるいはノッチが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラベル。
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