JP5251609B2 - 記録装置、制御方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタ等の記録装置に関するものである。
インクジェット方式の記録装置は、主走査方向の往復運動時に印字ヘッドからインクを吐出し、記録媒体上にインクを付着させ、記録媒体上に像を記録する。そして、搬送ローラ等を用いて記録媒体を副走査方向に搬送し、主走査方向の記録を繰り返し、記録媒体上に画像を形成する。
しかし、搬送ローラを用いて記録媒体を搬送すると、搬送ローラの取り付け状態や、搬送ローラの偏芯等が原因で記録媒体の搬送量(送り量)が変動してしまう問題がある。記録媒体の搬送量が変動すると、記録媒体上に像を記録する本来の記録位置(理想位置)とは異なる位置に像を記録してしまうことになる。
このようなことから、本発明より先に出願された技術文献として、記録媒体上にテストパターンを記録し、そのテストパターンを基に、記録媒体の搬送方向の位置ずれ量を検出し、搬送ローラの回転量を補正する技術について開示された文献がある。
しかし、上記特許文献1の技術では、テストパターンを記録するノズルにノズル抜けやノズル曲がり等が存在した場合は、テストパターンそのものが正確でなくなってしまう。正確でないテストパターンから得られる位置ずれ量を基に、搬送ローラの回転量を補正しても、誤った補正が行われることになり、結果として、搬送ローラの回転量を正しく補正できないことになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ノズル抜けやノズル曲がり等が発生した場合にも搬送ローラによる副走査方向の搬送量の変動を低減することが可能な記録装置、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
<記録装置>
本発明にかかる記録装置は、インクを吐出する印字ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録する記録装置であって、前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを制御する制御手段と、前記搬送ローラの回転位置を検出する第1の検出手段と、前記搬送ローラの搬送量を調整する際に使用するテストチャートを前記搬送ローラで搬送させた場合に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出する第2の検出手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2の検出手段が前記マークを検出して得られる各マークの実際の送り量と、予め定められた各マークの理論上の送り量と、の誤差を前記搬送ローラの回転位置に対応させて求め、前記搬送ローラの回転位置と前記誤差との関係を基に、前記搬送ローラの搬送量を補正するための補正量を算出し、該算出した補正量を用いて前記搬送ローラの搬送量を制御することを特徴とする。
<制御方法>
また、本発明にかかる制御方法は、インクを吐出する印字ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録する記録装置で行う制御方法であって、前記記録媒体を搬送する搬送ローラの回転位置を検出する第1の検出工程と、前記搬送ローラの搬送量を調整する際に使用するテストチャートを前記搬送ローラで搬送させた場合に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出する第2の検出工程と、前記搬送ローラを制御する制御工程と、を有し、前記制御工程は、前記第2の検出工程が前記マークを検出して得られる各マークの実際の送り量と、予め定められた各マークの理論上の送り量と、の誤差を前記搬送ローラの回転位置に対応させて求め、前記搬送ローラの回転位置と前記誤差との関係を基に、前記搬送ローラの搬送量を補正するための補正量を算出し、該算出した補正量を用いて前記搬送ローラの搬送量を制御することを特徴とする。
<プログラム>
また、本発明にかかるプログラムは、インクを吐出する印字ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録する記録装置に実行させるプログラムであって、前記記録媒体を搬送する搬送ローラの回転位置を検出する第1の検出処理と、前記搬送ローラの搬送量を調整する際に使用するテストチャートを前記搬送ローラで搬送させた場合に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出する第2の検出処理と、前記搬送ローラを制御する制御処理と、をコンピュータに実行させ、前記制御処理は、前記第2の検出処理が前記マークを検出して得られる各マークの実際の送り量と、予め定められた各マークの理論上の送り量と、の誤差を前記搬送ローラの回転位置に対応させて求め、前記搬送ローラの回転位置と前記誤差との関係を基に、前記搬送ローラの搬送量を補正するための補正量を算出し、該算出した補正量を用いて前記搬送ローラの搬送量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、ノズル抜けやノズル曲がり等が発生した場合にも搬送ローラによる副走査方向の搬送量の変動を低減することが可能となる。
本実施形態の記録装置の機構部の概略構成例を示す図である。 搬送ローラ一周期における搬送量の変動を示す図である。 搬送ローラの形状による搬送量の違いを示す図である。 搬送ローラの位置(位相)による搬送量の変化を示す図である。 第1の実施形態の記録装置の機構部の概略構成例を示す図である。 テストチャート100の構成例を示す図である。 読取センサ30の構成例を示す図である。 本実施形態の記録装置の制御機構の構成例を示す図である。 本実施形態の記録装置の処理動作例を示す図である。 テストチャート100に配列されているマーク101を読取センサ30で検出した場合に得られる検出信号例を示す図である。 カウント値とエンコーダ値とのテーブル構成例を示す図である。 送り量と搬送ローラの回転角度とのテーブル構成例を示す図である。 搬送ローラの送り量誤差の算出方法を説明するための図である。 搬送ローラの送り量誤差の補正量の算出方法を説明するための図である。 搬送ローラ15の回転角度を調整する際の処理動作例を説明するための図である。 第2の実施形態の記録装置の機構部の概略構成例を示す図である。 記録媒体16とテストチャート100とが搬送ローラ15の一部に巻き付いて搬送された状態を示す図である。 搬送増加量を説明するための図である。 搬送ローラの回転角度を調整する際に使用する値を示す図である。 図19の偏芯有りの値(図19のb)を(厚さ分補正前)、テストチャート100の層厚と、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚と、の層厚の差分に応じて補正した値(厚さ分補正後)を示す図である。 第3の実施形態の記録装置の機構部の概略構成例を示す図である。 図19の偏芯有りの値(図19のb)を(厚さ分補正前)、テストチャート100の搬送増加量に応じて補正した値(厚さ分補正後)を示す図である。 テストチャート100が正常な状態で搬送された場合と、テストチャート100がφだけ傾いた状態で搬送された場合と、を説明するための図である。 図19の偏芯有りの値(図19のb)を(スキュー補正前)、傾斜角;φに応じて補正した値(スキュー補正後)を示す図である。 テストチャート100に配列されたマーク101を検出する方法を説明するための図である。
<本実施形態の記録装置の概要>
まず、図5、図6、図8、図13を参照しながら、本実施形態の記録装置の概要について説明する。図5は、図6に示すテストチャート100に配列されたマーク101を検出する際に使用する記録装置の機構部の構成例を示し、図6は、搬送ローラ15の搬送量を調整する際に使用するテストチャート100の構成例を示し、図8は、記録装置の制御機構の構成例を示し、図13は、搬送ローラ15の送り量誤差の算出方法を説明するための図である。
本実施形態の記録装置は、インクを吐出する印字ヘッド6を用いて記録媒体16上に画像を記録する記録装置である。
本実施形態の記録装置は、記録媒体16を搬送する搬送ローラ15と、搬送ローラ15を制御する制御手段(CPU40)と、搬送ローラ15の回転位置を検出する第1の検出手段(副走査エンコーダ32,DSP47)と、搬送ローラ15の搬送量を調整する際に使用するテストチャート100を搬送ローラ15で搬送させた場合に、当該テストチャート100に配列されている複数のマーク101を検出する第2の検出手段(読取センサ30)と、を有して構成する。
本実施形態の制御手段(CPU40)は、第2の検出手段(読取センサ30)がマーク101を検出して得られる各マーク101の実際の送り量(実際の搬送ローラの送り量)と、予め定められた各マーク101の理論上の送り量(理想の搬送ローラの送り量)と、の誤差(送り量誤差)を搬送ローラ15の回転位置に対応させて求め、搬送ローラ15の回転位置と誤差との関係(図13の(B))を基に、搬送ローラ15の搬送量を補正するための補正量(搬送ローラの送り量の補正量)を算出し、該算出した補正量を用いて搬送ローラ15の搬送量を制御する。
これにより、本実施形態の記録装置は、ノズル抜けやノズル曲がり等が発生した場合にも搬送ローラ15による副走査方向の搬送量の変動を低減することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の記録装置について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
<記録装置の機構部の概略構成>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の記録装置の機構部の概略構成例について説明する。
本実施形態の記録装置は、両側の側板1,2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジ5を主走査方向に摺動自在に支持するように構成している。
キャリッジ5は、イエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクを吐出する4個の印字ヘッド6y,6m,6c,6kを、その吐出面(ノズル面)を下方に向けて搭載している。また、キャリッジ5は、印字ヘッド6(符号「6」は、「6y,6m,6c,6k」の何れか又は総称を意味する)の上側に4個のインクカートリッジ7(符号「7」は、「7y,7m,7c,7k」の何れか又は総称を意味する)を交換可能に搭載している。インクカートリッジ7は、4個の印字ヘッド6にインクを供給するための各色のインク供給体である。キャリッジ5は、主走査モータ8で回転する駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と、従動プーリ(アイドラプーリ)10と、の間に張装したタイミングベルト11に連結し、主走査モータ8を駆動制御することで、主走査方向に移動するように構成している。
また、本実施形態の記録装置は、側板1,2を繋ぐ底板12上にサブフレーム13,14を立設し、このサブフレーム13,14間に搬送ローラ15を回転自在に保持して構成している。そして、サブフレーム14側に副走査モータ17を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラ15に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定したギヤ18と搬送ローラ15の軸に固定したギヤ19とを有して構成している。
また、側板1とサブフレーム12との間には、印字ヘッド6の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」と称する)21を配置している。サブシステム21は、印字ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ23をリンク部材24で揺動可能に保持して構成している。そして、キャリッジ5が主走査方向に移動し、ホルダ23に設けた係合部25にキャリッジ5が当接した場合に、ホルダ23がリフトアップし、キャップ手段22で印字ヘッド6の吐出面をキャッピングするようにしている。また、キャリッジ5が印写領域側に移動した場合に、ホルダ23がリフトダウンし、キャップ手段22が印字ヘッド6の吐出面から離れるようにしている。
なお、キャップ手段22は、吸引チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共に、大気開放口を形成し、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通するようにしている。また、吸引ポンプ27は、吸引した廃液(廃インク)を廃液貯留槽に排出するようにしている。
また、ホルダ23の側方には、印字ヘッド6の吐出面をワイピングするワイパブレード30をブレードアーム31に取付け、このブレードアーム31は、揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動するようにしている。
上述した図1に示す本実施形態の記録装置は、主走査方向の往復運動時に印字ヘッド6からインクを吐出し、記録媒体16上にインクを付着させ、記録媒体16上に像を記録する。そして、搬送ローラ15等を用いて記録媒体16を副走査方向に搬送し、主走査方向の記録を繰り返し、記録媒体16上に画像を形成する。
但し、搬送ローラ15を回転させて記録媒体16を搬送すると、僅かながら搬送量のずれが生じる。その結果、記録媒体16を所定量搬送しても、記録媒体16の記録位置(記録媒体16上に像を実際に記録する記録位置)が本来の理想位置(記録媒体16上に像を記録したい本来の記録位置)からずれてしまう。
搬送量のずれが生じる原因としては、大きく分けて、記録媒体16に起因するものと、搬送ローラ16に起因するものと、が挙げられる。
まず、記録媒体16に起因するものについて説明する。
記録媒体16に起因するものとしては、搬送ローラ15との接触状態や摩擦状態が変動する条件が挙げられる。例えば、記録媒体16の幅(A0〜A5サイズなど)、厚み、摩擦係数等が挙げられる。後述する記録媒体16の搬送量の位置ずれ補正は、記録装置における搬送ローラ15の条件が固定であるため、使用する記録媒体16のサイズ、厚さ、種類、紙質などの条件毎に行うことが好ましい。
次に、搬送ローラ15側の要因について説明する。
図2は、搬送ローラ15の搬送量の変動を模式的に示す図である。図2において、縦軸は、送り変動量であり、横軸は、搬送量である。図2から分かるように、記録媒体16の搬送量は、大きく以下の2つの成分により表現できる。
1つ目は、記録媒体16の種類、記録装置及び環境に依存するローラ一回転内における固定成分(図2におけるA)である。
2つ目は、ローラ精度、ローラのたわみ、ローラ支持部材の取り付けに依存するローラ一回転の周期を持つ変動成分(図2におけるB)である。つまり、記録媒体16の搬送量は、これら2つの成分の足し合わせで近似が可能である。
ところで、固定成分(図2におけるA)は、使用環境に依存するため、レジスト調整は、実際に記録動作を行う環境下で行う必要がある。一方、変動成分(図2におけるB)は、個体に依存するため、調整は出荷時などに一度行えばよい。
図3は、搬送ローラ15の断面形状による媒体搬送量の違いを表す模式図である。但し、記録媒体16を搬送するための搬送ローラ15の回転角度が一様であると仮定する。
搬送ローラ15の断面形状が真円である場合、角度“R”だけ搬送ローラ15を回転させたときの搬送量は、図3(A)に示すようにどの位置においても同一のL0である。ところが、搬送ローラ15の断面が異形状である場合、角度“R”だけ搬送ローラ15を回転させたときの搬送量は、搬送ローラ15の回転位置により異なる。例えば、図3(B)に示すように搬送ローラ15の断面形状が楕円である場合、ある位置においてはL1だけ記録媒体16が搬送される。また、異なる位置においてはL2だけ記録媒体16が搬送される。この場合、L1>L0>L2の関係を持ち、ローラ周期に依存した搬送変動が生じる。なお、この搬送量L0、L1、L2は、角度“R”のときの円弧の長さとほぼ一致している。
このようなローラ周期に依存した搬送量の変動がある場合、実画像に影響を与えることになる。ローラ周期に依存した搬送量の変動がある場合、搬送ローラ15の回転位置により液滴の着弾位置に偏りを生じることを意味する。
図3では、搬送ローラ15の断面形状が、真円であるか、楕円であるかの違いを用いて、搬送ローラ15一回転内の搬送量変動成分の発生について説明した。変動成分の発生要因としては、搬送ローラ15の断面形状だけでなく、例えば、搬送ローラ15の回転軸のずれ(偏芯)、搬送ローラ15のたわみ、あるいは周辺の温度または湿度の影響による搬送ローラ15の膨張など他の発生要因も考えられる。
次に、ローラ周期に依存した搬送量の変動による記録への影響を考える。
まず、搬送ローラ15の位置が図3(B)のL1にある場合、記録媒体16の搬送量が通常より大きくなるため、実際に記録したい位置よりも下部(搬送方向後方)に記録されることになる。
一方、搬送ローラ15の位置が図3(B)のL2にある場合、記録媒体16の搬送量が通常より小さくなるため、記録したい画像は、理想位置よりも上部(搬送方向方)に記録されることになる。そのため、均一な濃度の画像を記録した場合などにおいて、濃淡差が発生することになる。このムラは、風景画の背景など、単一な画像では顕著に確認されてしまい、高画質プリントの弊害となる。
通常は、搬送量を調整する場合、記録媒体16の種類、記録装置及び環境に依存する固定成分(図2におけるA)を調整することを意味する。そして、従来の技術においては、調整パターンを用いて搬送量のずれ量を導出し、搬送の調整値として用いていた。しかし、上述した変動成分の存在による影響で、固定成分の調整値を取得する位置が、レジスト調整動作を行うタイミングによって変化してしまうことになる。
図4は、搬送ローラ15の位置(位相)による搬送量の変化を模式的に示す図である。図4の(1)の位置でレジスト調整を行った場合、固定成分より大きな調整値を取得し、(3)の位置では固定成分より小さな調整値を取得してしまう。図4の(2)の位置で搬送量調整値を導出することにより固定成分に相当する量をほぼ正しく導出可能である。しかし、変動成分は、前述の通り搬送ローラ15におけるローラ精度、ローラのたわみ、ローラ支持部材の取り付けに依存するものであるため、この位置を特定することは一般に困難である。
しかし、上述したように搬送量の変動は、搬送ローラ15の一回転に対応する周期を持って変動している。特に、図2に示すように、その変動周期がsin関数一周期分で近似可能な場合は、搬送ローラ15の1/2回転に対応する2点の位置における変動量は、絶対値が同一で正負が逆の変動量となることが理解できる。
本実施形態の記録装置は、搬送ローラ15の搬送量の変動を検出し、この検出結果を基に搬送ローラ15の駆動を制御する。このため、本実施形態の記録装置は、後述するテストチャートに配列されたマークを検出し、その検出したマークの間隔を基に、搬送ローラ15の搬送量の変動を検出する。そして、その検出結果を基に、搬送ローラ15の駆動を制御し、搬送量の変動を調整する。
<テストチャートに配列されたマークを検出する際に使用する記録装置の機構部の構成例>
次に、図5を参照しながら、テストチャートに配列されたマークを検出する際に使用する記録装置の機構部の構成例について説明する。テストチャートは、搬送ローラ15の副走査方向の搬送量を調整する際に使用するものであり、図6に示すように構成する。図6に示すテストチャート100は、罫線(マーク)101が等間隔に配列されたものを示している。マーク101は、ライン間隔;lで等間隔に配列されている。
本実施形態の記録装置は、図5に示すように、キャリッジ5と、プラテン板31と、搬送ローラ15と、副走査エンコーダ32と、従動ローラ33と、を有して構成している。
キャリッジ5は、読取センサ30を含んで構成している。読取センサ30は、図6に示すテストチャート100に配列されたマーク101を検出するものである。読取センサ30は、例えば、反射型光学センサで構成し、図7に示すように、発光部301と受光部302とを含んで構成する。
発光部301は、光を発光し、その発光部301から発光された光はテストチャート100の表面で反射する。受光部302は、テストチャート100の表面で反射した反射光量(反射光強度)を検出する。読取センサ30は、受光部302が検出した反射光量(反射光強度)を基に、テストチャート100に配列されたマーク101を検出することになる。
なお、読取センサ30の構成やその検出方法は、テストチャート100に配列されたマーク101を検出することが可能であれば特に限定するものではなく、あらゆる構成や検出方法が適用可能である。また、読取センサ30の配置位置も特に限定するものではなく、任意の位置に配置することが可能である。例えば、印字ヘッド6と一体型にして配置しても良く、印字ヘッド6のノズルの延長上に配置することも可能である。
プラテン板31と搬送ローラ15と従動ローラ33は、テストチャート100を搬送するためのものである。副走査エンコーダ32は、搬送ローラ15の回転角度に応じてエンコーダ信号を出力するものである。エンコーダ信号は図示しないDSPに入力され、DSPによってエンコーダ値がカウントされる。
本実施形態の記録装置は、プラテン板31上に設けたテストチャート100を搬送ローラ15で副走査方向に搬送し、テストチャート100に配列されたマーク101を読取センサ30で検出する。そして、読取センサ30で検出した検出信号を基に、テストチャート100の送り量を算出する。また、読取センサ30がマーク101を検出した時のDSPにカウントされたエンコーダ値を基に、搬送ローラ15の回転角度(回転位置)を算出する。例えば、搬送ローラ15が一回転した場合に、副走査エンコーダ32が38400カウントすると仮定する。この場合、搬送ローラ15の回転角度1°当たりのエンコーダ値は、38400/360≒107となる。このため、DSPにカウントされたエンコーダ値が3840の場合は、搬送ローラ15の回転角度は、3840÷107≒74.8となる。
<記録装置の制御機構の構成例>
次に、図8を参照しながら、本実施形態の記録装置の制御機構の構成例について説明する。
本実施形態の記録装置の制御機構は、CPU(Central Processing Unit)40と、フラッシュメモリ41と、RAM(Random Access Memory)42と、FPGA(Field Programmable Gate Array)43と、副走査エンコーダ32と、キャリッジ5と、ADC(Analog Digital Converter)44と、波形生成回路45と、ヘッド駆動回路46と、DSP(Digital Signal Processor)47と、ドライバ48と、主走査モータ8と、副走査モータ17と、を含んで構成している。
CPU40は、記録装置全体の制御を司るものである。フラッシュメモリ41は、所要の情報を保存しておくものである。RAM42は、ワーキングメモリ等として使用するものである。
FPGA43は、任意のプログラミングを行うことが可能なLSIであり、RAM430を有して構成する。
波形生成回路45は、印字ヘッド6の圧電素子(図示せず)に印加する駆動波形を生成するものである。
ヘッド駆動回路46は、波形生成回路45から出力された駆動波形を印字ヘッド6の圧力電子(図示せず)に印可し、印字ヘッド6を駆動するものである。
ドライバ48は、DSP47を介して与えられる駆動情報(電圧等の情報)に応じて主走査モータ8及び副走査モータ17を各々駆動制御し、キャリッジ5を主走査方向に移動させたり、搬送ローラ15を回転させて記録媒体16を所定量搬送させたりする。
<記録装置の処理動作>
次に、図9を参照しながら、本実施形態の記録装置の処理動作について説明する。図9は、搬送ローラ15の搬送量を調整するための処理動作を示す図である。
まず、搬送ローラ15を基準位置(HP)に移動し、副走査エンコーダ32のエンコーダ値を0にする(ステップA1)。基準位置とは、搬送ローラ15の一周の基準となる位置であり、搬送ローラ15の基準位置は、副走査エンコーダ32の基準マークで確認することが出来る。
次に、キャリッジ5を測定位置に移動する(ステップA2)。測定位置とは、キャリッジ5の移動方向で、搬送ローラ15の搬送量を測定したい任意の位置である。
次に、搬送ローラ15を回転させ、図6に示すテストチャート100を搬送し、テストチャート100に配列されているマーク101を読取センサ30で検出する(ステップA3)。
図6に示すテストチャート100に配列されているマーク101を読取センサ30で検出した場合、読取センサ30は、図10(a)や図10(b)に示されるような検出信号を得ることになる。FPGA43は、読取センサ30がマーク101を検出する度に、カウント値を加算する。図10(a)に示す検出信号は、搬送ローラ15に偏芯がなく、搬送ローラ15の搬送量の変動誤差がない状態時に得られる検出信号である。搬送ローラ15に偏芯がない場合は、搬送ローラ15の搬送量が一定になるため、図10(a)に示すように一定間隔の検出信号が得られることになる。また、図10(b)に示す検出信号は、搬送ローラ15に偏芯があり、搬送ローラ15の搬送量の変動誤差がある状態時に得られる検出信号である。搬送ローラ15に偏芯がある場合は、搬送ローラ15の搬送量が変動するため、図10(b)に示すように一定間隔の検出信号が得られないことになる。
CPU40は、読取センサ30がマーク101を検出すると、マーク101のカウント値をFPGA43のRAM430から読み出すと共に、そのときのエンコーダ値をDSP47から読み出してフラッシュメモリ41に保存する(ステップA4)。これにより、図11に示す対応テーブルをフラッシュメモリ41で管理することが可能となる。図11に示す対応テーブルは、カウント値とエンコーダ値とが対応付けられて構成している。例えば、読取センサ30が一つ目のマーク101を検出すると、カウント値=1をFPGA43のRAM430から読み出すと共に、そのときにDSP47にカウントされたエンコーダ値=αをDSP47から読み出してフラッシュメモリ41に保存する。同様に、読取センサ30が二つ目のマーク101を検出すると、カウント値=2をFPGA43のRAM430から読み出すと共に、そのときにDSP47にカウントされたエンコーダ値=βをDSP47から読み出してフラッシュメモリ41に保存する。
次に、CPU40は、フラッシュメモリ41に記憶した図11に示す対応テーブルの情報を基に、所望のマーク101に対応する送り量と、所望のマーク101検出時の搬送ローラ15の回転角度(回転位置)と、の関係を示す関係情報を算出する(ステップA5)。
CPU40は、テストチャート100に配列されたマーク101のライン間隔;lを予め把握しているため、マーク101のカウント値にライン間隔;lを乗算することで、所望のマーク101に対応する送り量を得ることが可能である。例えば、マーク101のカウント値が3の場合は、その時の送り量は、3×lとなる。また、CPU40は、副走査エンコーダ32から取得したエンコーダ値を基に、搬送ローラ15の回転角度(回転位置)を算出する。例えば、搬送ローラ15が一回転した場合に、副走査エンコーダ32は、38400カウントすると仮定する。この場合、FPGA43は、副走査エンコーダ32から取得したエンコーダ値;Aを基に、搬送ローラ15の回転角度;Bを、B=(A/38400)×360°で算出することが可能である。これにより、CPU40は、図12に示す対応テーブルをフラッシュメモリ41で管理し、実際の搬送ローラ15の送り量が得られることになる。実際の搬送ローラ15の送り量の算出結果をグラフに示すと、図13(A)に示す(b)の値となる。図13(A)の縦軸は、実際の搬送ローラ15の送り量を示し、図13(A)の横軸は、搬送ローラの回転角度(送り角度)を示す。図12に示す送り量が図13(A)の縦軸に該当し、図12に示す搬送ローラの回転角度が図13(A)の横軸に該当する。
次に、CPU40は、図13(B)に示す搬送ローラ15の送り量誤差を算出する(ステップA6)。
CPU40は、テストチャート100に配列されたマーク101のライン間隔;lを予め把握しているため、偏芯無しの場合の搬送ローラ15の送り量(理想の搬送ローラ15の送り量)を予め把握している。このため、CPU40は、搬送ローラ15の送り量誤差を以下の式(1)で算出することができる。理想の搬送ローラ15の送り量は、図13(A)に示す(a)の値である。
搬送ローラの送り量誤差=−(理想の搬送ローラの送り量)−(実際の搬送ローラの送り量)・・・式(1)
CPU40は、式(1)を用いて搬送ローラ15の送り量誤差を算出することで、図13(B)に示す関係式を得ることができる。
図13(B)に示すように、送り量誤差が基準位置から0になっている搬送ローラ15の回転角度を偏芯位相;φとし、送り量誤差の最大振幅値を正弦波近似の振幅;Aとすると、搬送ローラ15の送り量誤差は、以下の式(2)で表すことができる。
送り量誤差=A×sin(θ−φ)・・・式(2)
このため、図13(B)に示す送り量誤差の関係式は、以下の式(3)で表すことができる。
送り量誤差=10×sin(θ−45°)・・・式(3)
これにより、CPU40は、搬送ローラ15の送り量誤差を得ることができる。
次に、CPU40は、上記算出した搬送ローラ15の送り量誤差を基に、搬送ローラ15の送り量誤差の補正量を算出する(ステップA7)。
例えば、図14に示すように、搬送ローラ15の現在の回転位置が『3』の状態で、搬送ローラ15を回転させ、搬送ローラ15の回転位置を目標位置(移動先)『7』まで移動させたいと仮定する。搬送ローラ15に偏芯がない場合は(偏芯無しの場合)、図13(A)に示すように、搬送ローラ15の送り量は、54-18=36[mm]となる。しかし、搬送ローラ15に偏芯がある場合は(偏芯有りの場合)、搬送ローラ15の送り量が変動し、送り量誤差が発生する。
このため、CPU40は、上記式(3)の送り量誤差の関係式と、移動前の搬送ローラ15の回転位置の情報『3』と、移動後の搬送ローラ15の回転位置の情報『7』と、を基に、搬送ローラ15の送り量誤差の補正量を算出する。
現在位置『3』における送り量誤差は、以下の値となる。
送り量誤差=10×sin(90°−45°)=10×sin45°=10×0.707=7.07[mm]
目標位置(移動先)『7』における送り量誤差は、以下の値となる。
送り量誤差=10×sin(270°−45°)=10×sin225°=10×−0.707=−7.07[mm]
このため、送り量誤差の補正量は、以下の値となる。
送り量誤差の補正量=(目標位置(移動先)の送り量誤差−現在位置の送り量誤差)=(−7.07−7.07)=−14.14[mm]
CPU40は、実際の搬送ローラ15の送り量が、上記算出した送り量誤差の補正量を反映した送り量となるために必要な目標エンコーダ値をDSP47に設定し、搬送ローラ15の回転角度(送り角度)を調整する(ステップA8)。目標エンコーダ値は、搬送ローラ15の回転角度(送り角度)が目標エンコーダ値になった場合に、搬送ローラ15の送り量が、送り量誤差の補正量を反映した値となるように調整するためのエンコーダ値である。
送り量誤差の補正量を反映した送り量は、以下の値となる。
送り量誤差の補正量を反映した送り量=偏芯無しの場合の搬送ローラ15の送り量−送り量誤差の補正量=36−(−14.14)=50.14[mm]
CPU40は、実際の搬送ローラ15の送り量が50.14[mm]となるために必要な目標エンコーダ値をDSP47に出力し、搬送ローラ15の回転角度(送り角度)を調整する。
DSP47は、図15に示すように、CPU40から入力された目標エンコーダ値と、DSP47にカウントされたエンコーダ値と、を基に、ドライバ48の電圧を調整する。例えば、DSP47は、副走査エンコーダ32から得られるエンコーダ値が、CPU40から入力された目標エンコーダ値と一致した場合に、搬送ローラ15の送り量が『50.14[mm]』になるようにドライバ48の電圧を調整する。ドライバ48は、DSP47から入力された電圧を基に、副走査モータ17を駆動し、搬送ローラ15の回転角度を調整し、単位時間当たりの搬送ローラ15の送り量を一定にするように制御する。
このように、CPU40は、上記式(3)の送り量誤差の関係式と、移動前の搬送ローラ15の回転位置の情報と、移動後の搬送ローラ15の回転位置の情報と、を基に、送り量誤差の補正量を算出する。そして、その算出した送り量誤差の補正量を基に、搬送ローラ15の回転角度を調整し、単位時間当たりの搬送ローラ15の送り量を一定にすることになる。
なお、図12に示す対応テーブルの情報は、CPU40が予め作成するのではなく、補正時にCPU40が演算するように構築することも可能である。また、上記実施形態では、副走査エンコーダ32の値をDSP47に入力する構成にしたが、副走査エンコーダ32の値をFPGA43に入力する構成にすることも可能である。
<本実施形態の記録装置の作用・効果>
このように、本実施形態の記録装置は、搬送ローラ15を回転させ、図6に示すテストチャート100に配列されているマーク101を読取センサ30で検出する。記録装置は、読取センサ30で検出したマーク101のカウント値と、そのマーク101検出時の搬送ローラ15のエンコーダ値と、の情報を基に、所望のマーク101に対応する送り量と、その所望のマーク101検出時の搬送ローラ15の回転角度(回転位置)と、の関係を示す図12に示す対応テーブルを作成する。記録装置は、図12に示す対応テーブルを基に、搬送ローラ15の送り量誤差を算出し、その算出した搬送ローラ15の送り量誤差を基に、補正量を算出する。そして、その補正量を基に、搬送ローラ15の回転角度を調整する。
これにより、本実施形態の記録装置は、ノズル抜け、ノズル曲がりの問題がある場合にも搬送ローラ15による副走査方向の搬送量の変動を低減し、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量を一定にすることが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、テストチャート100をプラテン板31上に設け、上述した図9に示す処理動作を行い、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御した。
第2の実施形態では、実際に画像を記録する記録媒体16上にテストチャート100を重ねて搬送し、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御する。テストチャート100を搬送ローラ15の手前から挟んで搬送すると、ウォームギアとウォームホイールががたつくために搬送量にばらつきが発生する。しかし、実際に画像を記録する記録媒体16は、バックテンションがかかっているため、ギアとホイールのがたつきによる搬送量のばらつきが発生しない。このため、実際に画像を記録する記録媒体16上にテストチャート100を重ねて搬送することで、実際の搬送状態に近い状態でテストチャート100を搬送し、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の記録装置について詳細に説明する。
<テストチャートに配列されたマークを検出する際に使用する記録装置の機構部の構成例>
まず、図16を参照しながら、テストチャート100に配列されたマーク101を検出する際に使用する記録装置の機構部の構成例について説明する。
本実施形態の記録装置は、記録媒体16を保管する給紙トレイ300を設けて構成している。給紙トレイ300の構成及びその制御動作については公知であるため、具体的な機構及び制御動作については省略する。
本実施形態の記録装置は、ロール301に巻回された記録媒体16を給紙クラッチ301、搬送ローラ15等によりプラテン板31上に搬送する。そして、そのプラテン板31上に搬送した記録媒体16上にテストチャート100を重ねて搬送ローラ15で副走査方向に搬送し、テストチャート100に配列されたマーク101を読取センサ30で検出する。そして、読取センサ30で検出した検出信号を基に、テストチャート100の送り量を算出する。また、読取センサ30がマーク101を検出した時の搬送ローラ15のエンコーダ値をDSP47から取得し、そのエンコーダ値を基に搬送ローラ15の回転角度を算出する。
本実施形態の記録媒体16は、バックテンションがかかっているため、記録媒体16とテストチャート100は、図17に示すように、搬送ローラ15の一部に巻き付いて搬送されることになる。記録媒体16とテストチャート100とが搬送ローラ15の一部に巻き付いて搬送されると、図18に示すように、実質送り半径;Rは、R=r+Δrとなる。rは、搬送ローラ15の半径であり、Δrは、送り半径誤差であり、Δr=(t1+t2/2π)×βで算出できる。送り半径誤差;Δrは、テストチャート100の層厚;t1、記録媒体の層厚;t2、巻き付き角;βに比例して増加する。
本実施形態の記録装置は、記録媒体16とテストチャート100とが搬送ローラ15の一部に巻き付いて搬送されると、第1の実施形態で得られるテストチャート100の搬送量(実際の搬送ローラ15の送り量)よりもLだけ搬送量が増加することになる。テストチャート100の搬送増加量;Lは、以下の式(4)で算出できる。Ltは、目標送り量であり、図13(A)に示す縦軸の送り量に該当する。
L=(t1+t2)×β×Lt/(2π×r)・・・式(4)
例えば、搬送ローラ15の送り量;50mmに対応するテストチャート100の搬送増加量;Lは、L=(t1+t2)×β×50/(2π×r)となる。
本実施形態の記録装置は、上記算出したテストチャート100の搬送増加量;Lを基に、実際の搬送ローラ15の送り量;Ltを補正する。例えば、第1の実施形態で得られた実際の搬送ローラ15の送り量が図19の(b)の値と仮定する。図19の(b)の値は、偏芯有りの場合の搬送ローラ15の送り量を示す。図19の(a)の値は、偏芯無しの場合の搬送ローラ15の送り量を示す。この場合、本実施形態の記録装置は、図19(b)に示す実際の搬送ローラ15の送り量(例えば、50mm)から、上記算出した搬送増加量;L=(t1+t2)×β×50/(2π×r)を減算する(50mm−L)。これにより、テストチャート100の搬送増加量;Lを基に、図19の(b)の所望の搬送距離;Ltを補正することが可能となる。図19の(b)に示す搬送ローラ15の送り量を、テストチャート100の搬送増加量;Lを基に補正した値を図20に示す。
図20の(a)の値は、図19の(b)の偏芯有りの値を示し(厚さ分補正前)、図20の(b)の値は、図20の(a)の値を、テストチャート100の増加量;Lを基に補正した状態の値を示す(厚さ分補正後)。この図20(b)の値を用いて、搬送ローラ15の回転角度を調整し、単位時間当たりの搬送ローラ15の送り量を一定にする。これにより、実際に画像を記録する記録媒体16の搬送量を一定にすることが可能となる。
<本実施形態の記録装置の作用・効果>
このように、本実施形態の記録装置は、給紙トレイ300から給紙された記録媒体16上にテストチャート100を重ねて搬送し、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御する。給紙トレイ300から給紙された記録媒体16は、バックテンションがかかっているため、テストチャート100がずれることがない。このため、本実施形態の記録装置は、実際の搬送状態に近い状態でテストチャート100を搬送し、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御することが可能となる。
また、本実施形態の記録装置は、テストチャート100の層厚;t1に応じて、所望の搬送距離;Ltを補正する。これにより、実際に画像を記録する記録媒体16の搬送量が一定となるように制御することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、テストチャート100を人手操作でプラテン板31上に置き、そのテストチャート100を搬送ローラ15で副走査方向に搬送し、上述した図9に示す処理動作を行い、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御した。
第3の実施形態では、図21に示すように、テストチャート100を保管する給紙トレイ200を設け、その給紙トレイ200に保管されているテストチャート100を給紙クラッチ203、搬送ローラ15等により自動的にプラテン板31上に搬送する。そして、そのテストチャート100を搬送ローラ15で副走査方向に搬送し、上述した図9に示す処理動作を行い、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御する。これにより、テストチャート100を人手操作でプラテン板31上に設けることなく、テストチャート100をプラテン板31上に自動的に搬送し、上述した図9に示す処理動作を行うことが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の記録装置について詳細に説明する。
<テストチャートに配列されたマークを検出する際に使用する記録装置の機構部の構成例>
まず、図21を参照しながら、テストチャート100に配列されたマーク101を検出する際に使用する記録装置の機構部の構成例について説明する。
本実施形態の記録装置は、テストチャート100を保管する専用の給紙トレイ200と、実際に画像を記録する記録媒体16を保管する給紙トレイ300と、を設けて構成している。
給紙トレイ200は、テストチャート100が巻回されたロール201と、巻戻クラッチ202と、給紙クラッチ203と、を有して構成している。巻戻クラッチ202は、テストチャート100をロール201に巻き戻すものである。給紙クラッチ203は、ロール201に巻回されたテストチャート100を搬送ローラ15側に搬送するものである。
給紙トレイ300は、記録媒体16が巻回されたロール301と、巻戻クラッチ302と、給紙クラッチ303と、を有して構成している。巻戻クラッチ302は、記録媒体16をロール301に巻き戻すものである。給紙クラッチ303は、ロール301に巻回された記録媒体16を搬送ローラ15側に搬送するものである。給紙トレイ300の構成及びその制御動作については公知であるため、具体的な機構及び制御動作については省略する。また、給紙トレイ200も給紙トレイ300とほぼ同様に構成するため、具体的な機構及び制御動作については省略する。
本実施形態の記録装置は、上述した図9に示す処理動作を開始するための開始ボタンを設け、その開始ボタンが押下された場合に、給紙トレイ300から給紙トレイ200に切り替える。そして、ロール201に巻回されたテストチャート100を給紙クラッチ201、搬送ローラ15等によりプラテン板31上に搬送し、上述した図9に示す処理動作を開始する。これにより、テストチャート100をプラテン板31上に自動的に搬送し、上述した図9に示す処理動作を行うことが可能となる。
また、給紙トレイ200から給紙されたテストチャート100は、バックテンションがかかっているため、テストチャート100がずれることがない。このため、本実施形態の記録装置は、実際の搬送状態に近い状態でテストチャート100を搬送し、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御することが可能となる。
なお、上述した図9に示す処理動作が終了した場合は、プラテン板31上に搬送したテストチャート100を搬送ローラ15、巻戻クラッチ202等によりロール201に巻き戻すように制御する。そして、給紙トレイ200から給紙トレイ300に切り替え、給紙トレイ300に保管されている記録媒体16を用いて画像を記録媒体16に記録する。これにより、テストチャート100を再利用することが可能となるため、資源の有効活用を図ることが可能となる。
なお、上述した処理では、開始ボタンが押下された場合に、テストチャート100をプラテン板31上に搬送し、上述した図9に示す処理動作を開始することにした。しかし、記録装置の電源投入時や、記録装置の環境状態が変化した場合に、上述した図9に示す処理動作を開始するように構築することも可能である。環境状態の変化を検出する方法としては、温度センサを設け、記録装置内の温度変化量が所定の値を超えた場合に、環境状態が変化したと検出する方法が挙げられる。
なお、給紙トレイ200から給紙されたテストチャート100は、バックテンションがかかっているため、テストチャート100は、図17に示すように、搬送ローラ15の一部に巻き付いて搬送されることになる。テストチャート100が搬送ローラ15の一部に巻き付いて搬送されると、図18に示すように、実質送り半径;Rは、R=r+Δrとなる。rは、搬送ローラ15の半径であり、Δrは、送り半径誤差であり、Δr=(t1/2π)×βで算出できる。送り半径誤差;Δrは、テストチャート100の層厚;t1、巻き付き角;βに比例して増加する。巻き付き角;βは、記録媒体16の弛みを吸収する機構(テンションガイド板)が用紙搬送中に動くことによって発生する。巻き付き角;βは、10°〜40°程度になる。
本実施形態の記録装置は、テストチャート100が搬送ローラ15の一部に巻き付いて搬送されると、第1の実施形態で得られるテストチャート100の送り量よりもL1だけ搬送量が増加する。テストチャート100の搬送増加量;L1は、以下の式(5)で算出できる。Ltは、目標送り量であり、図13(A)に示す縦軸の送り量に該当する。
L1=t1×β×Lt/(2π×r)・・・式(5)
例えば、搬送ローラ15の送り量;50mmに対応するテストチャート100の搬送増加量;L1は、L1=t1×β×50/(2π×r)となる。
なお、テストチャート100の層厚;t1と、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2と、が異なると、テストチャート100の搬送増加量;L1と、実際に画像を記録する記録媒体16の搬送増加量;L2と、が各々異なってしまうことになる。記録媒体16の搬送増加量;L2は、以下の式(6)で算出できる。
L2=t2×β×Lt/(2π×r)・・・式(6)
このため、テストチャート100を用いて上述した図9に示す処理動作を行い、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量を一定にしても、テストチャート100の層厚;t1と異なる層厚;t2の記録媒体16を用いて記録を行うと、テストチャート100の層厚;t1と記録媒体16の層厚;t2との差分(|t1−t2|)に応じた搬送ずれ(|t1−t2|×β×Lt/(2π×r))が発生してしまうことになる。
そこで、本実施形態の記録装置は、テストチャート100の層厚;t1と、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2と、の差分(|t1−t2|)に応じて、実際の搬送ローラ15の送り量の所望の搬送距離;Ltを補正する。これにより、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2がテストチャート100の層厚;t1と異なる場合でも、記録媒体16の搬送量が一定となるように制御することが可能となる。
なお、テストチャート100の層厚;t1が記録媒体16の層厚;t2より厚い(t1>t2)場合は、実際の搬送ローラ15の送り量の所望の搬送距離(例えば、50mm)から、上記差分(|t1−t2|)に応じた距離;ΔL=(|t1−t2|×β×Lt/(2π×r))を減算することになる(50mm−ΔL)。これにより、テストチャート100の層厚;t1と、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2と、の差分(|t1−t2|)に応じて、実際の搬送ローラ15の送り量の所望の搬送距離;Ltを補正することが可能となる。図19の(b)の値を、テストチャート100の層厚;t1と、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2と、の層厚の差分(|t1−t2|)に応じて補正した表を図22に示す。
図22の(a)の値は、図19に示す(b)の偏芯有りの値を示し(厚さ分補正前)、図22の(b)の値は、図22の(a)の値を、テストチャート100の層厚;t1と、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2と、の層厚の差分(|t1−t2|)に応じて補正した状態の値を示す(厚さ分補正後)。本実施形態の記録装置は、この図22の(b)の値を用いて、搬送ローラ15の回転角度を調整し、単位時間当たりの搬送ローラ15の送り量を一定にする。これにより、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2が、テストチャートの層厚;t1と異なる場合でも、記録媒体16の搬送量が一定となるようにすることが可能となる。
なお、上述した補正方法は、テストチャート100の層厚;t1が記録媒体16の層厚;t2より厚い(t1>t2)場合を例に説明した。しかし、テストチャート100の層厚;t1が記録媒体16の層厚;t2より薄い(t1<t2)場合は、所望の搬送距離(例えば、50mm)に対し、距離;ΔL=(|t1−t2|×β×Lt/(2π×r))を加算することになる(50mm+ΔL)。
<本実施形態の記録装置の作用・効果>
このように、本実施形態の記録装置は、テストチャート100を保管する給紙トレイ200を設け、その給紙トレイ200に保管されているテストチャート100をプラテン板31上に自動搬送し、図9に示す処理動作を行い、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御する。これにより、テストチャート100を人手操作でプラテン板31上に設けることなく、テストチャート100をプラテン板31上に自動的に搬送し、図9に示す処理動作を行うことが可能となる。また、給紙トレイ200から給紙されたテストチャート100は、バックテンションがかかっているため、テストチャート100がずれることがない。このため、本実施形態の記録装置は、実際の搬送状態に近い状態でテストチャート100を搬送し、搬送ローラ15の単位時間当たりの搬送量が一定となるように制御することが可能となる。
また、本実施形態の記録装置は、テストチャート100の層厚;t1と、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2と、が異なる場合は、その層厚の差分(|t1−t2|)に応じて、実際の搬送ローラ15の送り量の所望の搬送距離;Ltを補正する。これにより、実際に画像を記録する記録媒体16の層厚;t2がテストチャート100の層厚;t1と異なる場合でも、記録媒体16の搬送量が一定となるように制御することが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
上述した第1〜第3の実施形態では、テストチャート100が図23(a)に示す正常な状態で搬送されることを前提として説明した。しかし、テストチャート100が図23(b)に示すようにφだけ傾いた状態で搬送されることも想定される。図23(b)に示すようにφだけ傾いた状態で搬送されるテストチャート100から得られる検出信号は、図23(a)に示す正常な状態で搬送されるテストチャート100から得られる検出信号とは異なってしまう。このため、テストチャート100が図23(b)に示すようにφだけ傾いた状態で搬送された場合には、搬送ローラ15の搬送量が一定となるように制御することができないことになる。
本実施形態の記録装置は、テストチャート100が図23(b)に示すようにφだけ傾いた状態で搬送されたことを検出した場合に、その傾斜角;φを特定し、その特定した傾斜角;φを基に、図23(b)に示すテストチャート100から得られた検出信号を、図23(a)に示すテストチャート100から得られる検出信号に補正する。これにより、テストチャート100が図23(b)に示すようにφだけ傾いた状態で搬送された場合でも、図23(a)に示す正常な状態で搬送された状態に補正し、搬送ローラ15の回転量を調整し、搬送ローラ15の搬送量を一定にすることが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の記録装置について詳細に説明する。
図23(a),(b)に示す矢印は、テストチャート100が正常、または、φだけ傾いた状態で搬送された場合に読取センサ30がマーク101を読み取る軌跡を示している。図23(a)は、テストチャート100が正常な状態で搬送された場合の軌跡を示しており、図23(b)は、テストチャート100がφだけ傾いた状態で搬送された場合の軌跡を示している。
テストチャート100が図23(b)に示すφだけ傾いた状態で搬送されると、図23(a)に示す正常な状態で搬送された場合に比べて、1/cosφ倍だけライン間隔;lが広がることになる。このため、搬送ローラ15が一回転するまでにカウントされるマーク数(カウント値)は、図23(a)に示す正常な状態で搬送された場合(図23のc)よりも、図23(b)に示すφだけ傾いた状態で搬送された場合(図23のd)の方が少なくなる。図23(c)は、テストチャート100が正常な状態で搬送された場合(図23のaの場合)に得られる検出信号を示し、図23(d)は、テストチャート100がφだけ傾いた状態で搬送された場合(図23のbの場合)に得られる検出信号を示す。
このため、搬送ローラ15が一回転するまでにカウントされるマーク数(カウント値)が、図23(a)に示す正常な状態で搬送された時にカウントされるマーク数(カウント値)よりも少ない場合は、図23(b)に示すように、テストチャート100がφだけ傾いた状態で搬送されたと判断し、傾斜角;φを特定し、その特定した傾斜角;φを用いてスキュー補正を行い、図23(b)に示す状態で得られた搬送距離を、図23(a)に示す状態で得られる搬送距離に変換する。傾斜角;φは、以下の式(7)で算出できる。
カウント数の差分=[L(1-cosφ)/l]・・・式(7)
カウント数の差分は、図23(a)に示す正常な状態で搬送された時にカウントされるマーク数(カウント値)と、図23(b)に示すφだけ傾いた状態で搬送された時にカウントされるマーク数(カウント値)と、の差分である。図23では、カウント数の差分は2となる。なお、カウント数の差分は、搬送ローラ15を二回転以上した際のカウント値を用いたり、600dpiの万線チャートをマーク101として用いる場合は、白黒を共にカウントした際のカウント値を用いたりすることも可能である。これにより、カウント数の差分の精度を向上させることが可能となる。
Lは、搬送ローラ15が一回転する際に得られる搬送距離(図23のaに示す正常時)である。
lは、マーク101のライン間隔である。
スキュー補正は、上記式により算出される傾斜角;φを基に、図23(b)に示すφだけ傾いた状態で得られた搬送距離;Lに1/cosφを乗算することで、図23(b)に示す状態で得られた搬送距離;Lを、図23(a)に示す状態で得られる搬送距離;L×1/cosφに変換することが可能となる。
図23(b)に示す状態で得られる値と、図23(a)に示す状態で得られる値と、を図24に示す。図24の(b)は、図23(b)に示す状態で得られる値を示し(スキュー補正前)、図24の(a)は、図23(a)に示す状態で得られる値を示す(スキュー補正後)。図23の(b)に示す値をスキュー補正することで、図23の(a)に示す値に変換することが可能となる。この図23(a)に示す値を用いて、搬送ローラ15の回転角度を調整し、単位時間当たりの搬送ローラ15の送り量を一定にする。これにより、テストチャート100が図23(b)に示すようにφだけ傾いた状態で搬送された場合でも、図23(a)に示す正常な状態で搬送された状態に補正し、搬送ローラ15の回転量を調整し、搬送ローラ15の搬送量を一定にすることが可能となる。
<本実施形態の記録装置の作用・効果>
このように、本実施形態の記録装置は、搬送ローラ15が一回転するまでに読取センサ30でカウントされるマーク数(カウント値)が、図23(a)に示す正常な状態で搬送された時にカウントされる所定のマーク数(カウント値)よりも少ない場合は、図23(b)に示すように、テストチャート100がφだけ傾いた状態で搬送されたと判断し、傾斜角;φを特定する。そして、その特定した傾斜角;φを用いてスキュー補正を行い、図23(b)に示す状態で得られた搬送距離を、図23(a)に示す状態で得られる搬送距離に変換し、図24(a)に示す値を作成する。そして、その図24(a)に示す値を用いて、搬送ローラ15の回転角度を調整し、単位時間当たりの搬送ローラ15の搬送量を一定にする。これにより、テストチャート100が図23(b)に示すようにφだけ傾いた状態で搬送された場合でも、図23(a)に示す正常な状態で搬送された状態に補正し、搬送ローラ15の回転角度を調整し、搬送ローラ15の搬送量を一定にすることが可能となる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、テストチャート100に配列されたマーク101を検出する方法としては、図25(a)に示す矢印の軌跡に沿って1回だけ検出したり、または、図25(b)に示す矢印の軌跡に沿って複数回検出したりすることも可能である。なお、図25(b)に示すように3回検出した場合は、その3回の検出信号から得られる補正表の平均値を用いて、搬送ローラ15の回転量の調整を行うことが好ましい。これにより、搬送ローラ15の回転量の調整を精度良く行うことが可能となる。
また、テストチャート100は、図6に示す構成に限定するものではなく、所定のマーク101が複数配列されていればあらゆるマーク101を配列することも可能である。また、図6では、マーク101を等間隔で配列することにしたが、不連続に配列するようにすることも可能である。但し、本実施形態の記録装置は、マーク101を検出して得られる検出信号(カウント値)を基に、搬送ローラ15の搬送距離を算出するため、記録装置は、カウント値と、そのカウント値に対応する搬送距離と、を対応付けてフラッシュメモリ41等のメモリで管理し、そのメモリで管理する情報を用いて、搬送ローラ15の搬送距離を特定するように構築することになる。具体的には、記録装置は、最初のカウント値から順に検出できるように構築し、そのカウント値に対応する搬送距離をメモリから取得し、搬送ローラ15の搬送距離を特定することになる。
また、上述した本実施形態の記録装置を構成する各部の制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
また、本実施形態における記録装置は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
本発明は、インクジェット方式の記録装置に好適である。
5 キャリッジ
6 印字ヘッド
15 搬送ローラ
17 副走査モータ
30 読取センサ(第2の検出手段)
31 プラテン板
32 副走査エンコーダ(第1の検出手段)
33 従動ローラ
40 CPU(制御手段)
47 DSP(第1の検出手段)
48 ドライバ
100 テストチャート
101 マーク
200 給紙トレイ(テストチャート専用)
201 ロール
202 巻戻クラッチ
203 給紙クラッチ(搬送手段)
300 給紙トレイ(記録媒体専用)
301 ロール
302 巻戻クラッチ
303 給紙クラッチ(搬送手段)
特開2007−261262号公報

Claims (12)

  1. インクを吐出する印字ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録する記録装置であって、
    前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラを制御する制御手段と、
    前記搬送ローラの回転位置を検出する第1の検出手段と、
    前記搬送ローラの搬送量を調整する際に使用するテストチャートを前記搬送ローラで搬送させた場合に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出する第2の検出手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記第2の検出手段が前記マークを検出して得られる各マークの実際の送り量と、予め定められた各マークの理論上の送り量と、の誤差を前記搬送ローラの回転位置に対応させて求め、前記搬送ローラの回転位置と前記誤差との関係を基に、前記搬送ローラの搬送量を補正するための補正量を算出し、該算出した補正量を用いて前記搬送ローラの搬送量を制御することを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記搬送ローラの回転位置と前記誤差との関係を基に、前記搬送ローラの現在の回転位置に該当する第1の前記誤差と、前記搬送ローラの移動先の回転位置に該当する第2の前記誤差と、を特定し、前記第2の前記誤差と前記第1の前記誤差との差分から前記補正量を算出することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記搬送ローラの現在の回転位置から前記搬送ローラの移動先の回転位置までに移動した場合の前記搬送ローラの理論上の送り量から前記補正量を減算した送り量を、搬送ローラの実際の送り量とみなし、前記搬送ローラの搬送量が、前記搬送ローラの実際の送り量となるように前記搬送ローラを制御することを特徴とする請求項2記載の記録装置。
  4. 前記記録媒体を保管する給紙トレイと、
    前記給紙トレイで保管する前記記録媒体を前記第2の検出手段の位置まで搬送する搬送手段と、を有し、
    前記第2の検出手段は、
    前記搬送手段により前記第2の検出手段の位置まで搬送された前記記録媒体上に重ねられている前記テストチャートを前記搬送ローラで搬送させた場合に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記テストチャートの層厚に応じて、各マークの実際の送り量を補正することを特徴とする請求項4記載の記録装置。
  6. 前記テストチャートを保管する給紙トレイと、
    前記給紙トレイで保管する前記テストチャートを前記第2の検出手段の位置まで搬送する搬送手段と、を有し、
    前記第2の検出手段は、
    前記搬送手段により前記第2の検出手段の位置まで搬送された前記テストチャートを前記搬送ローラで搬送した際に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記テストチャートの層厚と前記記録媒体の層厚との差分に応じて、各マークの実際の送り量を補正することを特徴とする請求項6記載の記録装置。
  8. 前記制御手段は、
    搬送方向に対して任意の角度だけ傾いた状態で搬送された前記テストチャートに配列されている複数のマークを前記第2の検出手段が検出した場合に、前記任意の角度に応じて、各マークの実際の送り量を補正することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の記録装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記第2の検出手段が検出する前記マークのカウント数が所定のカウント数よりも少ない場合に、搬送方向に対して任意の角度だけ傾いた状態で搬送された前記テストチャートに配列されている複数のマークを前記第2の検出手段が検出したと判断することを特徴とする請求項8記載の記録装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記第2の検出手段が検出する前記マークのカウント数と、所定のカウント数と、の差分に応じて前記任意の角度を特定し、該特定した任意の角度に応じて、各マークの実際の送り量を補正することを特徴とする請求項8または9記載の記録装置。
  11. インクを吐出する印字ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録する記録装置で行う制御方法であって、
    前記記録媒体を搬送する搬送ローラの回転位置を検出する第1の検出工程と、
    前記搬送ローラの搬送量を調整する際に使用するテストチャートを前記搬送ローラで搬送させた場合に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出する第2の検出工程と、
    前記搬送ローラを制御する制御工程と、を有し、
    前記制御工程は、
    前記第2の検出工程が前記マークを検出して得られる各マークの実際の送り量と、予め定められた各マークの理論上の送り量と、の誤差を前記搬送ローラの回転位置に対応させて求め、前記搬送ローラの回転位置と前記誤差との関係を基に、前記搬送ローラの搬送量を補正するための補正量を算出し、該算出した補正量を用いて前記搬送ローラの搬送量を制御することを特徴とする制御方法。
  12. インクを吐出する印字ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録する記録装置に実行させるプログラムであって、
    前記記録媒体を搬送する搬送ローラの回転位置を検出する第1の検出処理と、
    前記搬送ローラの搬送量を調整する際に使用するテストチャートを前記搬送ローラで搬送させた場合に、当該テストチャートに配列されている複数のマークを検出する第2の検出処理と、
    前記搬送ローラを制御する制御処理と、をコンピュータに実行させ、
    前記制御処理は、
    前記第2の検出処理が前記マークを検出して得られる各マークの実際の送り量と、予め定められた各マークの理論上の送り量と、の誤差を前記搬送ローラの回転位置に対応させて求め、前記搬送ローラの回転位置と前記誤差との関係を基に、前記搬送ローラの搬送量を補正するための補正量を算出し、該算出した補正量を用いて前記搬送ローラの搬送量を制御することを特徴とするプログラム。
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