JP5243117B2 - 高分子アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、電極間に電位差を与えると変形を生じるアクチュエータに係り、特に電界によるイオンの移動に伴い変形を生じる高分子アクチュエータに関する。
従来、高分子アクチュエータの1つとして、イオン交換樹脂層と、このイオン交換樹脂層の表面に相互に絶縁状態で形成された金属電極層とを備えたイオン伝導アクチュエータが知られている(例えば、下記特許文献1)。この高分子アクチュエータは、金属電極層の間に電位差をかけて、イオン交換樹脂層に湾曲及び変形を生じさせることで、アクチュエータとして機能させるというものである。
また、イオン液体とカーボンナノチューブで構成したゲルを電極層に用いるアクチュエータも知られている(例えば、下記特許文献2)。
特開平11−235064号公報 特開2005−176428号公報
しかし、高分子アクチュエータは、比較的柔らかく、脆い素材で形成されているため、高分子アクチュエータを積層体だけで駆動する場合すると、耐久性が低く動作寿命が短いという難点があった。
また設計通りに高分子アクチュエータを変形させることが難しく、期待通りの駆動力および変形量を得にくいという問題がある。さらに、高分子アクチュエータでは配線構造が複雑化しやすいという問題もあった。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、優れた耐久性を有し且つ動作寿命の長い高分子アクチュエータを提供することを目的としている。
また本発明は、配線構造が簡単で、且つ設計自由度が大きくなることで、期待通りの駆動力および変形量が得やすい高分子アクチュエータを提供することを目的としている。
本発明は、与えられた電界に応じて内部のイオンが移動する電解質層と、前記電解質層の一方の面に設けられた第1の電極層と、他方の面に設けられた第2の電極層とが積層されたアクチュエータ素子と、前記アクチュエータ素子が取り付けられるフレキシブルシートとを備えた高分子アクチュエータにおいて、
前記フレキシブルシートに、切欠孔と、前記切欠孔の一端から前記切欠孔内に突出する撓曲部とが形成されており、
前記湾曲部が突出する方向を縦方向としたときに、前記アクチュエータ素子の縦方向の寸法が前記湾曲部の縦方向の寸法よりも長く、前記アクチュエータ素子が前記撓曲部に重ねられて固定され、前記アクチュエータ素子の一部が前記湾曲部から突出して前記切欠孔に延び出ていることを特徴とするものである。
本発明では、フレキシブルシート上の切欠孔内に形成された撓曲部にアクチュエータ素子を接合するという簡単な構成であるため、低コストで安定的に動作する高分子アクチュエータとすることができる。さらには、従来に比較して、優れた耐久性を有し且つ動作寿命の長い高分子アクチュエータとすることができる。
上記において、前記フレキシブルシートには、前記第1の電極層および第2の電極層に接続される導体路が形成されているものが好ましい。
上記手段では、フレキシブルシートに配線パターンとを一体化することにより、配線構造を簡単とすることができる。
上記においては、前記アクチュエータ素子とフレキシブルシートとの間が弾性を有する接着剤を介して接合されているものが好ましい。
上記手段では、変形する際にアクチュエータ素子と一体に固定されたフレキシブルシートとの間に弾性によるズレを生じさせることが可能となるため、変形時の動作をスムーズに行わせることができる。
この場合、前記接着剤が、ハイドロゲル又は導電シリコーンであるものが好ましい。
また前記撓曲部に補強部材が設けられるものとすることができる。
上記手段では、フレキシブルシートを薄型化しても撓曲部として必要な弾性や強度を調整することができる。
また上記においては、前記フレキシブルシートが、ポリイミドフィルムまたはPETフィルムで形成されているものが好ましい。
これらのフィルムシートは、撓曲部として必要な可撓性および絶縁性の機能を有するため、薄手のフィルムシートを使用することにより薄型の高分子アクチュエータを構成することが可能となる。
本発明の高分子アクチュエータでは、優れた耐久性を有し且つ動作寿命の長い高分子アクチュエータとすることができる。また配線構造が簡単で、且つ期待通りの駆動力および変形量を得ることが可能となる。
さらに、様々な特性を有するアクチュエータの調整または制御を低コストで行うことができる。
以下、本発明に係る高分子アクチュエータについて説明する。
図1は本発明の高分子アクチュエータの基本原理を説明するアクチュエータ素子の断面図であり、(A)は非駆動状態、(B)は駆動状態を示している。
以下に示すアクチュエータ素子1は、イオン交換樹脂を用いた高分子型である。図1(A)に示すアクチュエータ素子1は、電解質層4と、この電解質層4の一方の面に設けられた第1の電極層2と、電解質層4の他方の面に設けられた第2の電極層3とが、重ねられて構成される。
電解質層4は、イオン交換が可能な電解質層であり、陽イオン交換樹脂に電解質である電解液が含浸されたものである。陽イオン交換樹脂は、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基やカルボキシル基などの親水性官能基が導入されたものである。電解液は、塩を含有する分極性有機溶媒やイオン性液体などである。電解質層4内では、陰イオンが陽イオン交換樹脂内に結合し、陽イオンのみが自由に移動できる状態である。第1の電極層2および第2の電極層3は、前記陽イオン交換樹脂に電解液を含浸した電解質層4の表面(表層)に、金などの導電性材料をスパッタやメッキすることで形成されている。
図1(B)に示すように、第1の電極層2が陽極側になり第2の電極層3が陰極側となるように、電解質層4に電界が与えられると、電解質層4内の陽イオンおよび極性分子が陰極側である第2の電極層3へ移動する。その結果、第2の電極層3側において電解質層4の体積が膨張し、曲げ応力が発生して、アクチュエータ素子1に曲げが発生する。
次に、上記アクチュエータ素子1を用いたアクチュエータについて説明する。
図2は、アクチュエータの基本構成を示し、(A)はアクチュエータの平面図、(B)は(A)のB−B線におけるアクチュエータの矢視断面図、図3はアクチュエータ素子とフレキシブルシートとの接合状態を示すアクチュエータの断面図であり、(A)はアクチュエータ素子の全面が接合される場合、(B)は基端部のみが接合される場合、(C)は基端部と先端部とが接合される場合を示している。
図2(A),(B)に示すように、高分子アクチュエータ10Aは、上述のアクチュエータ素子1と、フレキシブルシート6と、フレキシブルシート6に形成された導電路8とを有して形成されている。
フレキシブルシート6は、例えばポリイミド、PET(Polyethylene terephthalate)など可撓性および絶縁性を有する薄手のフィルムシートで形成されている。フレキシブルシート6には略U字形状に切り欠かれて形成された切欠孔6Aが設けられている。切欠孔6Aには、一方の端部から他方の端部に向かって突出する舌状の撓曲部6Bが一体形成されている。そして、撓曲部6Bの根元部分には基端部6B1が設けられ、撓曲部6Bの先端部6B2は切欠孔6Aの他方の端部に対向している。したがって、撓曲部6Bは、基端部6B1を支点として先端部6B2が板厚方向に撓み変形可能な状態で片持ち支持されている。なお、撓曲部6BのY方向およびX方向の縦寸法および横寸法は、それぞれアクチュエータ素子1の長手方向(Y方向)の縦寸法およびこれと直交するX方向の横寸法とほぼ同じ寸法で形成されている。
図3(A)に示すように、アクチュエータ素子1はこの撓曲部6Bの上に固定されている。すなわち、アクチュエータ素子1の第2の電極層3の全面が、撓曲部6Bを形成するフレキシブルシート6の上面に接着剤11を用いて固着されている。接着剤11は、接着後に弾性を発揮するものが好ましく、例えばハイドロゲル、導電アクチュエータなどの導電ポリマーなどの使用が考えられる。アクチュエータ素子1が撓み変形するときには、平面方向に沿うズレがアクチュエータ素子1と撓曲部6Bとの間に生じるが、弾性を有する接着剤11を用いて接合した場合には、接着後の動作においてもこのようなズレを許容することができる。このため、アクチュエータ素子1が変形しょうとする動作が、撓曲部6Bによって拘束することが少なくなるため、撓曲部6B上に固着されたアクチュエータ素子1が容易に変形することが可能となる。よって、図3(A)に示す構成では、所望の変形量および駆動力を得ることが可能なアクチュエータとすることができる。
また図3(B)に示すように、アクチュエータ素子1が、撓曲部6Bの基端部6B1でのみフレキシブルシート6素子と直接接合され、先端部6B2はフレキシブルシート6素子に接合されないようにした構成であってもよい。図3(B)に示す構成では、先端部6B2において、アクチュエータ素子1が撓曲部6Bからの拘束力を受けないため、先端部6B2ほど曲がり易くすることが可能である。このため、図3(B)に示す構成でも所望の変形量および駆動力を得ることが可能なアクチュエータとすることができる。
あるいは図3(C)に示すように、撓曲部6Bは基端部6B1と先端部6B2の両端においてのみフレキシブルシート6と接合され、撓曲部6Bの中間部分はフレキシブルシート6に接合されていない構成とすることもできる。
図3(C)に示す構成では、アクチュエータ素子1は、基端部6B1と先端部6B2の両端においてのみ撓曲部6Bからの拘束力を受け、基端部6B1と先端部6B2との間の中央部は拘束されない構成である。このため、アクチュエータ素子1の変形動作が、撓曲部6B全体によって妨げられることなく、その一部によって部分的にのみ拘束されるため、図3(A)に比較して変形させ易くすることができる。よって、この図3(C)に示す構成によっても、所望の変形量および駆動力を得ることが可能なアクチュエータとすることができる。
導電路8は、フレキシブルシート6の表面および裏面に、スクリーン印刷またはエッチングなどの手段を駆使することにより一体形成されている。これにより、配線構造を簡単にすることが可能とされている。導電路8はフレキシブルシート6の表面または裏面を通り、その先端は撓曲部6Bまで達している。フレキシブルシート6の表面に配線された導電路8Aは、アクチュエータ素子1の上面に形成された第1の電極層2に導通接続される。またフレキシブルシート6の裏面に配線された導電路8Bは、撓曲部6Bに形成されたスルーホール6aを介して表面に達し、アクチュエータ素子1の下面に形成された第2の電極層3に導通接続される。
このため、導電路8A,8B間に所定の電圧を印加して第1の電極層2と第2の電極層3との間に電界を与えると、図2(B)に点線で示すように、アクチュエータ素子1が基端部6B1側を支点として先端部6B2側が撓み変形し、変形させられる。このとき、フレキシブルシート6の一部で形成される撓曲部6Bも前記アクチュエータ素子1とともに一体的に変形する。
この形態では、フレキシブルシート6の撓曲部6Bにアクチュエータ素子1を変形可能な状態で固定し、且つアクチュエータ素子1の第1,第2の電極層2,3に接続するための導電路8A,8Bをフレキシブルシート6に一体的に形成するようにしたため、小型で且つ薄型のアクチュエータとすることができ、さらには配線構造を簡素化することができる。
次に、上記のような基本的構成を備えたアクチュエータの他の構造について説明する。
図4および図5高分子アクチュエータの断面図を示し、図4はアクチュエータ素子よりも撓曲部の方が長い場合、図5はアクチュエータ素子よりも撓曲部の方が短い場合を示している。図5は本発明の第1の実施の形態である。
図4に示す高分子アクチュエータ10Bでは、フレキシブルシート6側の撓曲部6Bの長手方向(Y方向)の縦寸法L2が、アクチュエータ素子1の縦寸法L1よりも長く形成されている点で上記基本構成と相違する。
図4に示す高分子アクチュエータ10Bでは、アクチュエータ素子1が変形するときには、第2の電極層3の外面に伸び又は縮みが発生するが、フレキシブルシート6の撓曲部6Bに対して第2の電極層3の全面が接合されているため、前記撓曲部6Bが第2の電極層3の変形動作を拘束する。このため、この高分子アクチュエータ10Bでは、アクチュエータ全体の変形量および発生する駆動力を低く抑えることができる。
これとは逆に、図5示す高分子アクチュエータ10Cでは、アクチュエータ素子1の長手方向(Y方向)の縦寸法L1が、フレキシブルシート6側の撓曲部6Bの縦寸法L2よりも長く形成されている点で上記基本構成と相違する。
図5に示す高分子アクチュエータ10Cでも、アクチュエータ素子1が変形するときに、一方の基端部6B1はアクチュエータ素子1の第2の電極層3が変形しようとする力を、これに接合されている撓曲部6Bの基端部が拘束するが、他方の先端部6B2は第2の電極層3は撓曲部6Bとが接合されていないため、アクチュエータ素子1は先端ほど自由に変形することが可能である。このため、この高分子アクチュエータ10Cでは、先端部6B2を大きな変形量および駆動力で変形させることができる。
このように、高分子アクチュエータでは、アクチュエータ素子1の縦寸法L1とフレキシブルシート6側の撓曲部6Bの縦寸法L2と調整することにより、変形量や発生する駆動力を制御することが可能となる。
図6(A)ないし(C)は、アクチュエータの平面図であり、図6(C)は本発明の第2の実施の形態を示している。
図6(A)ないし(C)に示す各高分子アクチュエータ10Dでは、いずれも撓曲部6Bの基端部6B1側の長手方向(Y方向)と直交するX方向の横寸法W2を、アクチュエータ素子1の横寸法W1よりも幅広く形成した点で上記基本構成と相違している。
図6(A)に示す高分子アクチュエータ10Dは、基端部6B1と先端部6B2の横寸法が共に同じ横寸法W2からなる撓曲部6Bであり、アクチュエータ素子1は撓曲部6Bと同じような形状であるが、それよりも小さな面積(略相似形)で形成されている。また図6(B)に示す高分子アクチュエータ10Eは、基端部6B1の横寸法が、先端部6B2の横寸法よりも幅広い略三角形状の撓曲部6Bとして形成されている。さらに図6(C)に示す高分子アクチュエータ10Fは、撓曲部6Bの縦寸法L2が、アクチュエータ素子1の縦寸法L1よりも短く形成されている。
図6(A)に示す高分子アクチュエータ10Dでは、アクチュエータ素子1の動作と共に変位するフレキシブルシート6の撓曲部6Bが、アクチュエータ素子1のY方向の全長より長いため、アクチュエータ素子1の板厚方向の動作長(変位量)が大きくなる。また、アクチュエータ素子1の面積が少なくて済むので低コスト化が図れる。さらにアクチュエータ素子1自体が駆動される対象(被動作物品)に直接触れない状態(先端部6B2のみが触れる状態)で駆動することができるため、耐久性が向上し、被動作物との接触部(先端部6B2)を小さく且つ薄くでき、さらには細かい変位動作が可能となる。
一方、図6(B)に示す高分子アクチュエータ10Eは、特に基端部6B1側の横寸法W2が高分子アクチュエータ10Dよりも広いため、基端部6B1側の剛性が高まり、いわゆる腰の強い高分子アクチュエータとすることができる。このため、図6(A)の高分子アクチュエータ10Dよりも大きな発生力を得たいときに有効な構造である。
さらに図6(C)に示す高分子アクチュエータ10Fは、アクチュエータ素子1の途中までしかフレキシブルシート6の撓曲部6Bが接合されない構成である。このため、撓曲部6Bと接合される基端部6B1側で腰が強く、撓曲部6Bと接合されない先端部6B2側で板厚方向に大きな変位が得られる。高分子アクチュエータ10Fでは、このような特性を利用することにより、変位・力・速度等の設計自由度を向上させることができる。また、高分子アクチュエータ10Fでは、アクチュエータ素子1の先端部が被動作物に直接接触する構造となるが、アクチュエータ素子1の先端部は低弾性率を有する構造であるため、上記のような特性を有しつつ、被動作物に対するダメージ又はストレスを低減することができる。
図7Aないし図7Eは、アクチュエータの裏面側を示す背面図である。図7A〜図7Eに示す符号20は,フレキシブルシート6の撓曲部6Bに形成した補強部材を示している。
図7A〜図7Cおよび図7Eは、撓曲部6B上の仮想中心線Vに対し補強部材20を左右対称に形成した例を示しており、図7Dは仮想中心線Vに対し左右非対称に形成した例を示している。
このような補強部材20は、たとえば撓曲部6Bの裏面側(Z2側の面)に対してメッキ処理、あるいはエッチング処理などを施すことによる銅泊パターンで形成することができる。フレキシブルシート6の撓曲部6Bの弾性(または剛性)は、補強部材20の形状や面積などにより調整することが可能とされている。
図7Aのように、撓曲部6Bの裏面(Z2側の面)側に補強部材20を形成した高分子アクチュエータ10Gにおいては、たとえば、撓曲部6Bの表側(Z1側の面)に撓曲部6Bと同じ形状および面積からなるアクチュエータ素子1を有する構成とした場合であっても、上記図6(A)の場合、すなわちアクチュエータ素子1の面積を撓曲部6Bより小さくし、且つ先端部6B2にアクチュエータ素子1を形成されない場合と同じような効果を得ることができる。
また図7Bに示すように、先端部6B2にのみ補強部材20を形成した高分子アクチュエータ10Hの場合には、先端部6B2の剛性が高まるため、先端部6B2よりも中央付近、さらには基端部6B1がよく曲がるようになる。
さらに図7Cに示すように、ブーメラン形状からなる複数の補強部材20を撓曲部6B上に長手方向に沿って並べた構成からなる高分子アクチュエータ10Iでは、撓曲部6Bにアクチュエータ特性のアンバランス等で生じる変位のねじれを防止することができる。
これとは逆に、ねじれ変位を生じやすくするためには、補強部材20を図7Dや図7Eのような高分子アクチュエータ10J,10Kとすることが好ましい。
図7Dに示す高分子アクチュエータ10Jは、撓曲部6Bの横方向の一方(右(X2)側)にのみ長手方向に沿って並ぶ複数の線状の銅箔パターンによって補強部材20が形成され、横方向の他方(左(X1)側)には補強部材20を有しない左右非対称の構造である。
図7Dに示す高分子アクチュエータ10Jは、補強部材20で補強されていない撓曲部6Bの左(X1)側が、補強されている右(X2)側より大きく変位する為、撓曲部6B全体が右(X2)側を基部として左側を右上方向又は右下方向側に傾くようなねじり変形を生じさせることができる。
また図7Eに示す高分子アクチュエータ10Kは、逆T字形状からなる補強部材20の縦線20aを撓曲部6Bの中心に長手(Y)方向に沿って、横線20bを基端部6B1側の端部にX方向に沿ってそれぞれ形成した構成である。この高分子アクチュエータ10Kでは、補強部材20が撓曲部6Bの中心にのみ長手(Y)方向に沿って形成されているため、撓曲部6Bの両側部分よりも中心側の剛性を高めることができる。このため、撓曲部6Bの先端部6B2が基端部6B1を支点として紙面と直交する板厚方向に変位すると、それと同時に撓曲部6Bの両側部分を、補強部材20の縦線20aをX方向の両側から巻き込むように変位させることができる。
図7Dおよび図7Eに示すものでは、撓曲部6Bが変形するときに、撓曲部6Bに対して積極的なねじれを発生させることができる。
このように、補強部材20の形状や形成位置を調整することにより、高分子アクチュエータ10の変形後の形状を自在に制御することが可能となる。
図8(A)ないし(C)アクチュエータの側面図であり、(A)は第1の例を示す側面図、(B)は第2の例を示す側面図、(C)は第3の例を示す側面図である。
図8(A)ないし(C)に示す高分子アクチュエータ10L,10M,10Nでは、アクチュエータ素子1が、上下2枚のフレキシブルシート6,6によって挟まれた状態で固着されている点で上記基本構成と相違している。
すなわち、フレキシブルシート6,6は、切欠孔6Aとその内部に形成された撓曲部6Bとを有しており、アクチュエータ素子1の上面は一方のフレキシブルシート6に形成された撓曲部6Bに固着され、アクチュエータ素子1の下面は他方のフレキシブルシート6に形成された撓曲部6Bに固着されている。
図8(A)に示す高分子アクチュエータ10Lは,上下のフレキシブルシート6,6に形成された撓曲部6B,6Bとアクチュエータ素子1を同じ形状で形成した場合を示し、図8(B)に示す高分子アクチュエータ10Mは,上下の撓曲部6B,6Bをアクチュエータ素子1よりも短くした場合を示している。また図8(C)に示す高分子アクチュエータ10Nは上下の撓曲部6B,6Bをアクチュエータ素子1よりも短くすると共に、上側の撓曲部6Bと下側の撓曲部6Bとの間に寸法差を設けた場合を示している。
図8(A)ないし(C)に示す高分子アクチュエータ10L,10M,10Nでは、上下2枚のフレキシブルシート6,6上に導電路をそれぞれ形成することができるため、配線や配線接続の簡易化することが可能となる。またアクチュエータ素子1を上下両面から挟み込むことにより、アクチュエータ素子1の固定を安定化させることができる。
図9アクチュエータ変形例を示す平面図である。
図9に示す高分子アクチュエータ10Pは、X方向の横寸法を、基端部6B1側で狭く、先端部6B2側で広くした形状である。また長手(Y)方向の寸法については、撓曲部6Bをアクチュエータ素子1よりも長くした形状である。
図9では、高分子アクチュエータ10P全体の変位量が、撓曲部6Bの中央よりも基端部6B1側をより大きくすることができる。しかも、被動作物に接触する基端部6B1の先端部を幅広くすることができる。このため、この高分子アクチュエータ10Pにおいても、撓曲部6Bの形状を細かく調整することにより、様々な特性を発生させることができるようになり、設計自由度を高めることが可能となる。
また、上記各実施の形態では、電解質膜4にイオン交換樹脂を用いたタイプの高分子アクチュエータを使用したが、電解質膜4をイオン液体とポリマーからなるゲルとし、第1、第2の電極膜2,3をイオン液体とポリマーと導電性フィラーからなるゲルとしたタイプの高分子アクチュエータでも同様に用いることができる。
本発明の高分子アクチュエータの基本原理を説明するアクチュエータ素子の断面図であり、(A)は非駆動状態、(B)は駆動状態、 本発明高分子アクチュエータの基本構成を示し、(A)は高分子アクチュエータの平面図、(B)は(A)のB−B線における高分子アクチュエータの矢視断面図、 アクチュエータ素子とフレキシブルシートとの接合状態を示す高分子アクチュエータの断面図であり、(A)はアクチュエータ素子の全面が接合される場合、(B)は基端部のみが接合される場合、(C)は基端部と先端部とが接合される場合、 アクチュエータ素子よりも撓曲部の方が長い場合の高分子アクチュエータを示す断面図、 本発明の第の実施の形態を示すものであり、アクチュエータ素子よりも撓曲部の方が短い長い場合の高分子アクチュエータを示す断面図、 (A)ないし(C)は、高分子アクチュエータの平面図であり、(C)は本発明の第2の実施の形態を示す。 他の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、 他の構成例を示す高分子アクチュエータの平面図、 他の構成例を示す高分子アクチュエータの平面図、 他の構成例を示す高分子アクチュエータの平面図、 他の構成例を示す高分子アクチュエータの平面図、 他の形態を示す高分子アクチュエータの平面図であり、(A)は第1の例を示す側面図、(B)は第2の例を示す側面図、(C)は第3の例を示す側面図、 アクチュエータ変形例を示す平面図、
符号の説明
1 アクチュエータ素子
2 第1の電極層
3 第2の電極層
4 電解質層
6 フレキシブシート
6A 切欠孔
6B 撓曲部
6B1 基端部
6B2 先端部
8,8A,8B 導電路
10A〜10P 高分子アクチュエータ
11 接着剤
20 補強部材

Claims (7)

  1. 与えられた電界に応じて内部のイオンが移動する電解質層と、前記電解質層の一方の面に設けられた第1の電極層と、他方の面に設けられた第2の電極層とが積層されたアクチュエータ素子と、前記アクチュエータ素子が取り付けられるフレキシブルシートとを備えた高分子アクチュエータにおいて、
    前記フレキシブルシートに、切欠孔と、前記切欠孔の一端から前記切欠孔内に突出する撓曲部とが形成されており、
    前記湾曲部が突出する方向を縦方向としたときに、前記アクチュエータ素子の縦方向の寸法が前記湾曲部の縦方向の寸法よりも長く、前記アクチュエータ素子が前記撓曲部に重ねられて固定され、前記アクチュエータ素子の一部が前記湾曲部から突出して前記切欠孔に延び出ていることを特徴とする高分子アクチュエータ。
  2. 前記縦方向と直交する横方向の幅寸法は、前記湾曲部が前記アクチュエータ素子よりも大きい請求項1記載の高分子アクチュエータ。
  3. 前記フレキシブルシートには、前記第1の電極層および第2の電極層に接続される導体路が形成されている請求項1または2記載の高分子アクチュエータ。
  4. 前記撓曲部の前記縦方向と直交する横方向の中心を通って前記縦方向に延びる仮想線を中心線としたときに、前記アクチュエータ素子が前記中心線に対して左右対称となるように設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  5. 前記アクチュエータ素子とフレキシブルシートとの間が、接着後に弾性を発揮する接着剤を介して接合されている請求項1ないし4のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  6. 前記接着剤が、ハイドロゲル又は導電シリコーンである請求項記載の高分子アクチュエータ。
  7. 前記フレキシブルシートが、ポリイミドフィルムまたはPETフィルムで形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
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