JP5224113B2 - 積層型アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極間に電位差を与えると変形を生じるアクチュエータに係り、特に電界によるイオンの移動に伴い変形を生じる高分子積層体を複数枚重ねて構成される積層型アクチュエータ及びその製造方法に関する。
複数のイオン交換樹脂を用いた積層型の高分子アクチュエータとしては、例えば以下の特許文献1に記載された技術が存在する。
かかる特許文献1に記載のアクチュエータは、一対の電極体の間にイオン交換樹脂を配置したアクチュエータ素子を板厚方向に複数段積層することにより構成されている。
特開平8−280187号公報
しかし、各アクチュエータの一方の面に形成された電極体と他方の面に形成された電極体を電源に接続する必要があるところ、特許文献1に記載された積層型アクチュエータでは、白金リード線からなる導電体14a,14bを各アクチュエータの両面に設けられたそれぞれの電極体に対して導電性のエポキシ樹脂からなる電気供給部15a,15bに対して個別に接続する構成であった。
このため、配線の引き回しが煩雑であり、製造工程を簡素化しにくいという問題があった。
しかも、直形0.08mmの細い線材(白金シード線)を用いて接続する構成であったため、アクチュエータの内部で電気供給部15a,15bでの接触不良やリード線の切断などによる接続不良が発生するという可能性があった。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、電極間の引き回しを簡素化することができるとともに、接続不良が起き難くした積層型アクチュエータ及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、第1の電極層と第2の電極層とを有し、これらの間に電解質層を挟んだ三層構造を基本とする一組の積層体が、板厚方向に複数組み重ねられた積層型アクチュエータにおいて、
前記積層体を形成する前記第1の電極層には、前記第1の電極層の縁部から第1の方向に突出する第1の突出部がそれぞれ設けられ、
同じく前記積層体を形成する前記第2の電極層には、前記第2の電極層の縁部から前記第1の方向に突出するとともに前記第1の方向と直交する平面方向において、前記第1の電極層と一定の間隔を置いて設けられた第2の突出部が形成されており、
個々の積層体に形成された前記第1の突出部同士が前記板厚方向に重なる状態で電気的に接続され、同じく前記第2の突出部同士が前記板厚方向に重なる状態で電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明では、リード線などの配線部材を設けることなく、積層体間の電極同士を接続することができるため、配線構造を簡素化することができる。
上記において、前記板厚方向に重なる積層体と積層体との間に絶縁層が設けられているものである。
上記手段では、板厚方向に重ねられた各積層体の同じ極性の電極同士の電気的な接続を確保しつつ積層体を挟んで対向する一対の電極間の絶縁状態を確保することができる。
また、前記絶縁層が低摩擦係数のシートで形成されているものが好まく、例えば、前記絶縁層はポリテトラフルオロエチレンである。
上記手段では、絶縁性を維持しつつ積層体の円滑な動作を確保することができる。
上記において、前記第1および第2の突出部に延長部がそれぞれ設けられ、この延長部を少なくとも1回以上折り返すことによって折り返し部を形成し、この折り返し部を介して前記板厚方向に重なる個々の前記突出部同士が電気的に接続されるものとすることができる。
上記手段では、対向する一対の一方の電極層と他方の電極層間の隙間寸法が、電極層または突出部の板厚寸法よりも大きな場合であっても、折り返し部を一方の突出部と他方の突出部との間を接続する接続部材として利用することが可能となり、配線構造を簡素化することができる。
または板厚方向に隣接する前記第1の突出部と前記第1の突出部とが対向する隙間内に、前記第2の突出部を切断することにより形成される接続片が設けられ、この接続片を介して前記板厚方向に隣接する前記第1の突出部と前記第1の突出部との間が電気的に接続されるものである。
上記手段では、配線構造を簡素化することができるとともに、他方の第2の突出部に形成される腕部の一部を接続片として利用することで、部材を効率良く利用して部品点数を削減することができる。
また本発明たる積層型アクチュエータの第1の製造方法は、
第1の突出部を有する第1の電極層と第2の突出部を有する第2の電極層との間に電解質層を挟み込んだ状態でプレスして三層構造の積層体を形成する第1の工程と、
隣接配置された一方の積層体と他方の積層体との間に絶縁層を設けて積み重ねる第2の工程と、
複数の前記積層体と前記絶縁層を積み重ねた状態でプレスすることにより、各積層体を一体化する第3の工程と、
を有することを特徴とするものである。
上記第1の製造方法では、最初に積層体を形成し、次にこの積層体を重ねて積層型のアクチュエータとするものであり、接続不良などに基づく動作不良の起き難いアクチュエータを製造することができる。
また本発明の積層型アクチュエータの第2の製造方法は、第1の突出部を有する第1の電極層と第2の突出部を有する第2の電極層との間に電解質層を挟み込んで三層構造の積層体を得る第1の工程と、
隣接配置された一方の積層体と他方の積層体との間に絶縁層を設けて積み重ねる第2の工程と、
複数の前記積層体と前記絶縁層を積み重ねた状態でプレスすることにより一体化するとともに、同時に板厚方向に隣接する前記第1の突出部同士および前記第2の突出部同士をそれぞれ電気的に接続する第3の工程と、
を有することを特徴とするものである。
第2の製造方法では、一度のプレス加工によりアクチュエータを製造することができるため、製造工程を簡素化することができる。
本発明の積層型アクチュエータでは、積層された電極に対して個々にリード線による配線する必要がないため、配線構造を簡素化することができる。
また接続不良の起き難いアクチュエータを得ることができる。
図1は本発明のアクチュエータを構成する積層体の基本的な構成を示し、(A)は積層体の分解斜視図、(B)は積層後の状態を示す積層体の斜視図、図2は図1(B)のII−II線における断面図であり、(A)は非駆動状態、(B)は駆動状態を示している。
図1(A)(B)に示す積層体1は、電解質層2と、この電解質層2の一方の面に設けられた第1の電極層3と、電解質層2の他方の面に設けられた第2の電極層4とを重ねたものである。
電解質層2は、イオン交換が可能な樹脂層であり、陽イオン交換樹脂に電解質である電解液が含浸されたものである。陽イオン交換樹脂は、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基やカルボキシル基などの親水性官能基が導入されたものである。電解液は、塩を含有する分極性有機溶媒やイオン液体などである。また、電解質層2が、ポリフッ化ビニリデンなどのベースポリマーにイオン液体が混入されてゲル状とされたものであってもよい。
第1の電極層3および第2の電極層4は、電解質層2と同じ電解質層に導電性フィラーが含まれているものである。すなわち、第1の電極層3と第2の電極層4は、電解液が含浸されたイオン交換樹脂に、さらにカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの導電性フィラーが混入されて構成されている。あるいはイオン液体を含んだ前記ゲル状の層の内部に導電性フィラーが混入されているものであってもよい。
前記電解質層2となるシート状の樹脂と、導電性フィラーが混入されたシート状の第1の電極層3およびシート状の第2の電極層4とが積層されることで、図1(B)に示す3層構造の積層体1が形成される。この積層体1は、電解質層2と第1の電極層3との境界面、および電解質層2と第2の電極層4との境界面が強い密着性を有した構造となっている。
図1(A)に示すように、第1の電極層3には第1の方向である図示Y1方向に突出する第1の突出部3aが第1の方向と直交するX1方向の一方の縁部に形成されている。同様に、第2の突出部4aには第1の方向に突出する第2の突出部4aが第1の方向と直交するX2方向の他方の縁部に形成されている。第1の突出部3aと第2の突出部4aとは、X方向に一定の間隔が設けられている。
図2(A)(B)に示すように、第1の電極層3が陽極側となり、第2の電極層4が陰極側となるように、電解質層2に電界が与えられると、電解質層2内の陽イオンおよび極性分子が陰極側である第2の電極層4へ偏移する。第1の電極層3と第2の電極層4とが、電解質層2と同様にイオン交換可能な層の内部に導電性フィラーが混入されたものである場合には、第1の電極層3と第2の電極層4内で解離した陽イオンおよび極性分子も第2の電極層4側に偏移する。
その結果、電解質層2の内部では、第2の電極層4側に偏った位置で体積が膨張しようとする。つまり、第2の電極層4側において膨張応力が発生しこれに基づいて膨張歪みが発生するために、積層体1に曲げ応力が発生して、図1(B)の実線に示すように、積層体1に曲げが発生し、高分子アクチュエータとして機能する。
次に、上記積層体を利用した積層型アクチュエータの構成について説明する。
図3の(A)は積層型アクチュエータの分解斜視図、(B)は積層後の状態を示すアクチュエータの斜視図、(C)は突出部をプレス加工した後のアクチュエータの斜視図である。
図3(A)ないし図3(C)に示す実施の形態は、2枚の積層体1により形成された積層型アクチュエータ10を示している。すなわち、第1の積層体1Aと第2の積層体1Bとが設けられ、これらを板厚(Z)方向に重ねることにより形成されている。ただし、積層体1の数は2枚に限られるものではなく、3枚以上であってもよい。
図3(A)に示すように、第1の積層体1Aと第2の積層体1Bとの間には絶縁層6が設けられている。絶縁層6は第1の突出部3aおよび第2の突出部4aを除いた領域、すなわち第1の電極層3および第2の電極層4とが対向する領域にのみ設けられており、第1の突出部3aと第2の突出部4aと対向する領域には設けられていない。この絶縁層6により、第1の積層体1Aの第2の電極層4と第2の積層体1Bの第1の電極層3との間が絶縁されている。
絶縁層6は、絶縁性以外に摩擦係数の小さなシートであることが好ましく、例えば、いわゆるテフロン(登録商標)と称されるポリテトラフルオロエチレンなどが好適である。
一般に、曲げ応力を用いた積層型アクチュエータが変形しようとするときには、一方の積層体の伸びが生じている面と、他方の積層体の縮みが生じている面が接するため、互いに拘束し合って積層型アクチュエータ全体の動きが妨げられやすい。
しかし、このように絶縁層6に低摩擦係数のシートを使用すると、絶縁層6の一方の面に接する第1の積層体1Aの第2の電極層4の表面、および絶縁層6の他方の面に接する第2の積層体1Bの第1の電極層3の表面との間にそれぞれ滑りが発生しやすくなる。このため、互いの動きが拘束され難くすることができるため、積層型アクチュエータ全体としての動作を円滑化することができる。したがって、大きな変位量ΔHおよび大きな駆動力を発生するアクチュエータとすることができる。
図3(C)に示すように、各積層体1A,1Bにそれぞれ設けられた第1の突出部3aおよび第2の突出部4aは、プレス加工によって板厚(Z)方向に折り曲げられており、隣接する第1の積層体1Aと第2の積層体1Bの第1の突出部3a同士が面接触することにより電気的に接続され、同様に第2の突出部4a同士も電気的に接続されている。このため、第1の突出部3a同士はすべて同電位に、第2の突出部4a同士もすべて同電位にそれぞれ設定されている。各第1の突出部3aには同じ極性(例えば、+極)からなる一方の電源端子が接続され、各第2の突出部4aには前記とは異なる同じ極性(例えば、−極)の電源端子が接続される。
このため図示しない電源の±端子(+端子および−端子)を、第1の突出部3aと第2の突出部4aとにそれぞれ接続することにより、すべての積層体1A,1Bの第1の突出部3aと第2の突出部4aとの間に所定の電圧を印加することができ、各積層体1A,1B間に設けられている電解質層2に所定の電界をそれぞれ与えることが可能となる。
このように、各積層体1A,1B間の第1の突出部3a同士、および第2の突出部4a同士を接続するための引き回し用の配線を用いなくとも各第1の突出部3aおよび各第2の突出部4aに電圧を印加することができる。特に、積層体1の数を多くした多段の積層型アクチュエータの場合には、配線構造を大幅に簡素化することが可能となる。
このように、本発明では、積層型アクチュエータの配線構造を簡素化できるとともにスムーズ動きを確保することができる。
次に、上記積層型アクチュエータの製造方法について説明する。
まず第1の工程では、第1の電極層3と第2の電極層4との間に電解質層2を挟み込んだ三層構造の積層体1A,1Bを形成する。
すなわち、第1の電極層3と第2の電極層4との間に電解質層2を挟み込んだ状態でプレスすることにより、各部材が互いに密着して一体化された第1の積層体1Aおよび第2の積層体1Bが出来上がる。
次の工程では、図示しない所定の治具を用いて、隣接する一方の第1の積層体1Aと他方の第2の積層体1Bとの間に絶縁層6を設けて積み重ねる。
次の工程では、複数の積層体1A,1Bを積み重ねた状態で板厚(Z)方向にプレスする。これにより、第1の積層体1A、絶縁層6および第2の積層体1Bが一体化される。同時に、第1の突出部3a同士及び第2の突出部4aが所定の方向に折り曲げられてそれぞれ電気的に接続される。これにより、積層型アクチュエータ10が出来上がる。
なお、最初に三層構造の第1,第2の積層体1A,1Bを製造しなくとも、下層から上層に向かって、第1の積層体1Aを構成する第1の電極層3、電解質層2および第2の電極層4を積層し、その上に絶縁層6を重ね、さらにその上に第2の積層体1Bを構成する第1の電極層3、電解質層2および第2の電極層4を積み重ねた状態を形成し、次の工程で一度にプレスしても構わない。この構成では、積層型アクチュエータ10を1回のプレスで製造することができるため、製造構成をより簡素化することが可能である。
このように、本発明では所定の治具を用いて各部材を順番に重ねてプレスするという簡単な方法により、積層型アクチュエータ10を製造することができる。
図4は本発明の第2の実施の形態を示す積層型アクチュエータの斜視図、図5は図4の積層型アクチュエータを構成する積層体とその製造工程を示しており、(A)は積層体の分解斜視図、(B)積層後の状態を示す積層体の斜視図、(C)は切断後の積層体の斜視図である。
図4に第2の実施の形態として示す積層型アクチュエータ20の基本的な構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同じであり、以下においては異なる点を中心に説明する。
第2の実施の形態に示す積層型アクチュエータ20では、隣接する第1の積層体1Aの第1の突出部3aと第2の積層体1Bの第1の突出部3aとが板厚方向にて対向する隙間5内に接続片4bが介在しており、この接続片4bを介して一方の第1の突出部3aと他方の第1の突出部3aとが電気的に接続されている。
同様に、隣接する第1の積層体1Aの第2の突出部4aと第2の積層体1Bの第2の突出部4aとが板厚方向に対向する隙間5内に接続片3bが設けられており、この接続片3bを介して一方の第2の突出部4aと他方の第2の突出部4aとが電気的に接続されている。
接続片3bと接続片4bは、共に第1の電極層3及び第2の電極層4と同じ材料、すなわち電解液が含浸されたイオン交換樹脂に、さらにカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの導電性フィラーが混入された構成、あるいはイオン液体を含んだゲル状の層の内部に導電性フィラーを混入せることにより形成されている。
この構成では、隣接する一方の第1の突出部3aと他方の第1の突出部3aとの間に接続片4bが介在する構成であり、第1の電極層3および第2の電極層4部分の板厚寸法と、第1の突出部3aおよび第2の突出部4aの板厚寸法とをほぼ同じ寸法に設定することができる。すなわち、ほぼ均一な面からなる積層型アクチュエータ20とすることができる。
次に、第2の実施の形態に示す積層型アクチュエータ20の製造方法について説明する。
なお、図5(A)ないし(C)では一組の積層体を用いて説明するが、複数組の積層体の場合も同様である。
まず、図5(A)に示すような形状を有する第1の電極層3と第2の電極層4とを用意する。すなわち、X1方向の一方の縁部に設けられた第1の突出部3aから他方の縁部に向かって突出形成された腕部3a’が設けられた複数の第1の電極層3と、同様に第1の電極層3とは異なるX2方向の他方の縁部に設けられた第2の突出部4aから他方の縁部に向かって突出形成された腕部4a’が設けられた複数の第2の電極層4とを用意する。
次に、第1の電極層3と第2の電極層4とを、第1の突出部3aおよび第2の突出部4aが異なる対辺(X1側とX2側)に位置するようにそれぞれ配置してZ方向に対向させる。そして、このように配置した第1の電極層3と第2の電極層4との間に電解質層2を介在させる。
そして、第1の電極層3と第2の電極層4とを板厚方向にプレスすることよって、第1の電極層3、電解質層2および第2の電極層4が密着し合った積層体1を一体的に形成する。この状態では、腕部3a’と腕部4a’とが板厚方向に積層された状態で電気的に接続されている。
続いて、図5(B)に一点鎖線で示す2本の切断線7a,7bにて腕部3a’,4a’を切断することにより、腕部3a’,4a’の一部を部分的に切除する。この切断により、図5(C)に示すように、腕部3a’が第1の突出部3aと接続片3bとに分離され、同じく腕部4a’が第2の突出部4aと接続片4bとに分離された積層体1が形成される。同時に、第1の突出部3a側と第2の突出部4a側との間の電気的な接続も遮断される。
積層型アクチュエータ20は、複数の積層体1の間に絶縁層6を介在させた状態で板厚方向に重ね、その後にプレスすることにより形成することができる。
本発明では、個別にプレス工程および切断工程を行って積層体1を形成した後に、さらにこれら積層体1を重ねた状態でプレスすることにより、板厚方向に隣接する第1の突出部3a同士および第2の突出部4a同士の間の電気的な接続を確保することができる。
あるいは、腕部3a’を有する第1の電極層3、絶縁層6および腕部4a’を有する第2の電極層4をこの順番で複数枚重ねて積層型アクチュエータの原型を形成した状態で、まとめてプレス加工を行って一体化し、その後に2本の切断線7a,7bに沿って切断するようにしてもよい。またプレス工程と切断工程とを同時に行うものであってもよい。
このような工程を経ることにより、図4に示すような積層型アクチュエータ20が出来上がる。
このように本発明では、きわめて簡単な方法により、個々の積層体1間では電解質層2を挟んで対向する第1の電極層3と第2の電極層4との間の絶縁を確保することができ、アクチュエータ全体では第1の電極層3同士間および第2の電極層4同士間の電気的な接続を確実に確保することができる。
図6は本発明の第3の実施の形態を示す積層型アクチュエータの斜視図である。
図6に第3の実施の形態として示す積層型アクチュエータ30の基本的な構成も上記第1の実施の形態とほぼ同じであり、以下には異なる点を中心に説明する。
図6に示すように、積層型アクチュエータ30は、第1の電極層3および第2の電極層4のY1側の縁部からY1方向(第1の方向)に延設された第1の突出部3aおよび第2の突出部4aの延長部分である折り返し部3a1,4a1を有しており、この折り返し部3a1,4a1を折り返すことにより形成されている。
この構成では、一方の第1の積層体1Aの第1の突出部3aとこれに隣接する他方の第1の積層体1Aの第1の突出部3aとの間に形成される隙間5内に、一方の折り返し部3a1が介在する。同様に、一方の第2の積層体1Bの第2の突出部4aとこれに隣接する他方の第2の積層体1Bの第2の突出部4aとの間に形成される隙間5内に、一方の折り返し部4a1が介在する。
このため、プレス加工により、一方の突出部3a,4aの折り返し部3a1,4a1を他方の突出部3a,4aにそれぞれ面接触させ。この状態で第1の積層体1Aおよび第2の積層体1B一体化させた積層型アクチュエータ30を得ることが可能となる。
よって、この場合も、折り返し部3a1,4a1を介して、隣接する一方の第1の積層体1Aの第1の突出部3aと他方の第1の積層体1Aの第1の突出部3aとの間、および隣接する一方の第1の積層体1Aの第2の突出部4aと他方の第2の積層体1Bの第2の突出部4aとの間を引き回し用の配線を使用することなく、それぞれ電気的に接続することができる。
なお、折り返し部3a1,4a1の折り返しの回数は、上記のような1回に限られるものではなく、一方の突出部と他方の突出部との間の隙間寸法および突出部3a,4a自身の板厚寸法に合わせて複数回折り返すようにした構成であってもよい。
また折り返し部3a1,4a1は、図6に示すように第1の突出部3aおよび第2の突出部4aをY1方向に延設する構成に限られるものではなく、その他例えばY1と直交するX1方向またはX2方向に延設した部分を折り返すようにした構成であってもよい。
本発明のアクチュエータを構成する積層体の基本的な構成を示し、(A)は積層体の分解斜視図、(B)は積層後の状態を示す積層体の斜視図、 図1(B)のII−II線における断面図であり、(A)は非駆動状態、(B)は駆動状態、 (A)は積層型アクチュエータの分解斜視図、(B)は積層後の状態を示すアクチュエータの斜視図、(C)は突出部をプレス加工した後のアクチュエータの斜視図、 本発明の第2の実施の形態を示す積層型アクチュエータの斜視図、 第2の実施の形態に示す積層型アクチュエータ20の製造方法を示す工程図、 本発明の第3の実施の形態を示す積層型アクチュエータの斜視図、
符号の説明
1,1A,1B 積層体
2 電解質層
3 第1の電極層
3a 第1の突出部
3a’ 腕部
3a1 折り返し部
3b 接続片
4 第2の電極層
4a 第2の突出部
4a’ 腕部
4a1 折り返し部
4b 接続片
5 隙間
6 絶縁層
7a,7b 切断線
10,20,30 積層型アクチュエータ

Claims (7)

  1. 第1の電極層と第2の電極層とを有し、これらの間に電解質層を挟んだ三層構造を基本とする一組の積層体が、板厚方向に複数組み重ねられた積層型アクチュエータにおいて、
    前記積層体を形成する前記第1の電極層には、前記第1の電極層の縁部から第1の方向に突出する第1の突出部がそれぞれ設けられ、
    同じく前記積層体を形成する前記第2の電極層には、前記第2の電極層の縁部から前記第1の方向に突出するとともに前記第1の方向と直交する平面方向において、前記第1の電極層と一定の間隔を置いて設けられた第2の突出部が形成されており、
    個々の積層体に形成された前記第1の突出部同士が前記板厚方向に重なる状態で電気的に接続され、同じく前記第2の突出部同士が前記板厚方向に重なる状態で電気的に接続されていることを特徴とする積層型アクチュエータ。
  2. 前記板厚方向に重なる積層体と積層体との間に絶縁層が設けられている請求項1記載の積層型アクチュエータ。
  3. 前記絶縁層が低摩擦係数のシートで形成されている請求項2記載の積層型アクチュエータ。
  4. 前記第1および第2の突出部に延長部がそれぞれ設けられ、この延長部を少なくとも1回以上折り返すことによって折り返し部を形成し、この折り返し部を介して前記板厚方向に重なる個々の前記突出部同士が電気的に接続される請求項1ないし3のいずれかに記載の積層型アクチュエータ。
  5. 板厚方向に隣接する前記第1の突出部と前記第1の突出部とが対向する隙間内に、前記第2の突出部を切断することにより形成される接続片が設けられ、この接続片を介して前記板厚方向に隣接する前記第1の突出部と前記第1の突出部との間が電気的に接続される請求項1ないし3のいずれかに記載の積層型アクチュエータ。
  6. 第1の突出部を有する第1の電極層と第2の突出部を有する第2の電極層との間に電解質層を挟み込んだ状態でプレスして三層構造の積層体を形成する第1の工程と、
    隣接配置された一方の積層体と他方の積層体との間に絶縁層を設けて積み重ねる第2の工程と、
    複数の前記積層体と前記絶縁層を積み重ねた状態でプレスすることにより、各積層体を一体化する第3の工程と、
    を有することを特徴とする積層型アクチュエータの製造方法。
  7. 第1の突出部を有する第1の電極層と第2の突出部を有する第2の電極層との間に電解質層を挟み込んで三層構造の積層体を得る第1の工程と、
    隣接配置された一方の積層体と他方の積層体との間に絶縁層を設けて積み重ねる第2の工程と、
    複数の前記積層体と前記絶縁層を積み重ねた状態でプレスすることにより一体化するとともに、同時に板厚方向に隣接する前記第1の突出部同士および前記第2の突出部同士をそれぞれ電気的に接続する第3の工程と、
    を有することを特徴とする積層型アクチュエータの製造方法。
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