JP5116604B2 - 高分子アクチュエータ - Google Patents

高分子アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP5116604B2
JP5116604B2 JP2008203567A JP2008203567A JP5116604B2 JP 5116604 B2 JP5116604 B2 JP 5116604B2 JP 2008203567 A JP2008203567 A JP 2008203567A JP 2008203567 A JP2008203567 A JP 2008203567A JP 5116604 B2 JP5116604 B2 JP 5116604B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing member
fixing
polymer actuator
fixed
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008203567A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010041862A (ja
Inventor
高橋  功
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2008203567A priority Critical patent/JP5116604B2/ja
Publication of JP2010041862A publication Critical patent/JP2010041862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5116604B2 publication Critical patent/JP5116604B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Description

本発明は、電極間に電位差を与えると変形を生じるアクチュエータに係り、特に電界によるイオンの移動に伴い変形を生じる高分子アクチュエータに関する。
特許文献1には、イオン交換樹脂を用いたアクチュエータが記載されている。
同文献の図6には、輪状からなるアクチュエータ素子の内側に複数の脚部が一体形成されており、リード線などを介して脚部に電圧を与えると前記脚部を屈曲させることができるというものである。
また特許文献2には、C型形状からなるイオン交換樹脂を用いたアクチュエータが記載されている。このアクチュエータでは、電極間に電圧を印加すると、負電極が凸状に、正電極凹状となるように変形することから、アクチュエータ全体を略円錐形状に変形させることができるというものである。
特許文献1に記載されたアクチュエータでは一度に複数の脚部を用いることにより、特許文献2に記載されたアクチュエータでは内周側に駆動力を集中することにより、ともに大きな駆動力を得ることが可能とされている。
特開平2004−282992号公報 特開平2005−27444号公報(図1)
しかし、特許文献1に記載のものでは、脚部と輪状部分とが一体に形成されており、脚部が屈曲すると、支持部を形成する輪状のアクチュエータ素子の内周側が脚部とともに軸中心線と平行を成す上下方向に変形しやすい形状である。しかも、特許文献1にも記載されているように、複数の脚部の変位量に差が生じた場合には、アクチュエータ素子自体がウェーブ状に変形してしまう。
このため、このようなアクチュエータを安定的に駆動するためには、支持部(輪状のアクチュエータ素子)を強固に保持固定することが必要であり、このため固定部材の大型化および複雑化を招き、コストが高騰しやすいという問題がある。
一方、固定部材により支持部を強く保持固定しすぎると、脚部の動きが拘束されやすくなる、このため、アクチュエータの変位量が小さくなり、または大きな駆動力を発生することができなくなるという問題が生じる。
また脚部の数を増やすと駆動力を増強することが可能となるが、限られたスペース内で安定的に駆動できるように多数の脚部を配置するには限界があり、アクチュエータの利用効率を高め難いという問題もある。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、積層体の固定端を確実に固定するとともに、限られたスペース内でより大きな駆動力を発生することが可能な高分子アクチュエータを提供することを目的としている。
本発明は、電解質層の両面に一対の電極層がそれぞれ積層された積層体からなる高分子アクチュエータにおいて、
中心から放射状に延びる複数の固定部を備えた固定部材が設けられ、
前記積層体の固定端が前記固定部に固定されており、前記積層体の自由端が隣接する固定部と固定部との間に配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、限られたスペース内に複数の積層体をしっかりと固定して配置することができるため、大きな駆動力を安定的に発生することができる。あるいは耐荷重を安定的に高めることができる。
上記において、前記積層体が前記固定部の両側に突出しているものが好ましい。
上記手段では、さらに駆動力を発生させる積層体の数を実質的に増やすことができるため、アクチュエータ全体としての駆動力を高めることができる。
さらには、前記固定部が円弧形状で形成されているものが好ましい。
上記手段では、積層体を固定する固定端の面積を広げることができるため、積層体を確実に保持固定することができる。
また前記積層体の自由端が二辺を有して形成されており、一方の辺の長さ寸法と他方の辺の長さ寸法との間に寸法差が形成されているものが好ましい。
上記手段では、先端の押上部に捩じれを積極的に形成されるようになるため、さらに大きな駆動力を発生させることができる。
または、前記積層体の自由端が三辺を有して形成されており、固定部と対向する辺が他の二辺より短く形成され、他の二辺のうちの一方の辺の長さ寸法と他方の辺の長さ寸法との間に寸法差が形成されているものが好ましい。
このように積層体の形状を三角形ではなく台形形状とすると、自由端の先端が三角形の角部ではなく、台形の上底部が形成されるようになり、三角形の場合に比較して捩じれが発生しやすくなり、より大きな駆動力を得ることが可能となる。
上記においては、前記固定部材が、導電性の第1の固定部材と第2の固定部材とで形成されており、前記積層体の固定端側が前記第1の固定部材の固定部と第2の固定部材の固定部との間に挟持されているものが好ましい。
上記手段では、積層体を上下方向から挟み込むことにより確実に固定することができる。
また前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とが導電材料で形成されており、第1の固定部材が前記電解質層の一方の面に形成された電極層に接続され、第2の固定部材が他方の面に形成された電極層に接続され、且つ第1の固定部材と第2の固定部材との間が絶縁されているものとすることができる。
上記手段では、第1の固定部材および第2の固定部材を配線部材として利用することができる。このため、配線構造を容易化することができ、製造コストの低廉化が可能となる。
本発明では、積層体の固定端を確実に固定することができる。またこのように固定しても、大きな駆動力または耐荷重を高めることができる。
また限られたスペース内における利用効率を高め、より大きな駆動力を安定的に発生することができる。
図1はイオン導電型の高分子アクチュエータの基本原理を説明するための断面図であり、(A)駆動前の状態、(B)は駆動状態を示している。
まず、高分子アクチュエータの基本構成について説明する。
図1(A)(B)に示すイオン導電型の高分子アクチュエータ1は、電解質層2と、この電解質層2の一方の面に設けられた第1の電極層3と、電解質層2の他方の面に設けられた第2の電極層4とが重ねられた積層体1Aとして構成されている。
電解質層2は、イオン交換が可能な樹脂層であり、陽イオン交換樹脂に電解質である電解液が含浸されたものである。陽イオン交換樹脂は、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基やカルボキシル基などの親水性官能基が導入されたものである。電解液は、塩を含有する分極性有機溶媒やイオン性液体などである。また、電解質層2が、ポリフッ化ビニリデンなどのベースポリマーにイオン性液体が混入されてゲル状とされたものであってもよい。
第1の電極層3および第2の電極層4は、電解質層2と同じ電解質層に導電性フィラーが含まれているものである。すなわち、第1の電極層3と第2の電極層4は、電解液が含浸されたイオン交換樹脂に、さらにカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの導電性フィラーが混入されて構成されている。あるいは陽イオン性液体を含んだ前記ゲル状の層の内部に導電性フィラーが混入されているものであってもよい。
前記電解質層2となるシート状の樹脂と、導電性フィラーが混入されたシート状の第1の電極層3およびシート状の第2の電極層4とが積層されることで、図1(A)に示す3層構造の積層体1Aを形成することができる。この積層体1Aは、電解質層2と第1の電極層3との境界面、および電解質層2と第2の電極層4との境界面は強い密着状態で結合された構造となっている。
また、第1の電極層3と第2の電極層4を形成する他の方法として、メッキ浴や金属錯体の溶液を使用して、電解質層2を構成する陽イオン交換樹脂の両面に金や銀または銅などの導電性金属を付着させて、第1の電極層3および第2の電極層4を形成してもよい。この場合に、前記導電性金属は、その一部が電解質層2を構成する樹脂内に入り込んだ構造である。
図1(B)に示すように、第1の電極層3が陽極側となり、第2の電極層4が陰極側となるように、電解質層2に電界が与えられると、電解質層2内の陽イオンが陰極側である第2の電極層4へ移動する。第1の電極層3と第2の電極層4とが、電解質層2と同様にイオン交換可能な層の内部に導電性フィラーが混入されたものである場合には、第1の電極層3と第2の電極層4内で解離した陽イオンも第2の電極層4側に移動する。
その結果、電解質層2の内部では、第2の電極層4側に偏った位置で体積が膨張しようとする。つまり、第2の電極層4側において膨張応力が発生しこれに基づいて膨張歪みが発生するために、積層体1Aに曲げ応力が発生して、図1(B)に示すように、積層体1Aに曲げが発生し、高分子アクチュエータ1として機能する。
以下の説明においては、図1(B)に示すように、高分子アクチュエータ1を形成する積層体1Aと同じ構成からなる積層体の一端を固定端1aとし、他端を自由端1bとして説明する。特に、自由端1bの先端部分は、例えばキートップなどの被押し上げ部材を持ち上げるための押上部Aとして利用される。
なお、変形量ΔHとは、固定端1aを基準として自由端1bをZ方向に曲げ変形させたときに、自由端1bの初期状態におけるZ方向の位置と変形後のZ方向の位置との差を意味する。変形量は固定端1aと自由端1bとの間の距離に比例する。また駆動力とは、高分子アクチュエータ1の自由端1bを持ち上げることができる最大の力、または自由端1bに加えた荷重を大きくしたときに変形量ΔH=0を維持することができる最大荷重(耐荷重量)を意味する。
以下、上記の基本構成を備えた高分子アクチュエータについて説明する。
図2は本発明の高分子アクチュエータの固定方法の基本原理を説明するものであり、(A)は積層体と固定部材との一例を示す分解斜視図、(B)は接続状態を示す側面図である。
図2(A)に示す高分子アクチュエータは、例えば略半円形状からなる積層体10を有して形成されている。積層体10は、直線形状を部分が固定端11であり、逆側の凸形状を有する側が自由端12である。
積層体10は固定端11が一対の固定部材21,21により上下方向から挟まれて固定されている。一対の固定部材21,21は共に導電性の金属材料で形成されている。
一方の固定部材21と他方の固定部材21とが対向する面のうち、固定端11が配置されない接合面上に非導電性の接着剤61が塗布され、この接着剤61により積層体10の固定端11が固定部材21,21に強固に固定されている。あるいは、一方の固定部材21と他方の固定部材21との間を非導電性のネジ(図示せず)を使用してネジ止めすることにより、固定端11が強固に挟持されて固定される構成であってもよい。
このように、非導電性の接着剤61またはネジを用いて接合すると、固定した後において一方の固定部材21と他方の固定部材21との間の絶縁性を維持することができる。同時に、一方の固定部材21と積層体10の一方の面に形成された第1の電極層3とが接触し、他方の固定部材21と積層体10の他方の面に形成された第2の電極層4とを接触させることができる。これにより、一方の固定部材21と第1の電極層3との間、および他方の固定部材21と第2の電極層4との間をそれぞれ導通接続させることが可能となる。このため、一対の固定部材21,21を、第1の電極層3と第2の電極層4との間に電圧を印加するための配線部材として使用することが可能となる。このため、別途配線パターンやリード線を設ける必要がなくなり、配線構造を容易化することが可能となる。
図2(B)に示すように、積層体10の両面に設けられた第1の電極層3と第2の電極層4との間に所定の電圧を印加して電解質層2に上下方向から電界を与えると、電圧の向きに応じて積層体10に曲げ変形が発生する。このとき、積層体10は、固定端11を基準として自由端12側が電界の方向に応じて面と直交する方向に撓み変形する。
このように、本発明の高分子アクチュエータでは、積層体10の固定端11を固定部材21,21間に強固に挟み込むことにより、積層体10を確実に固定することができ、安定した動作を実現することができる。
図3は本発明の第1の実施の形態として、複数の積層体を使用して構成した高分子アクチュエータを示す平面図である。
図3に示す高分子アクチュエータは、共に導電性を有する第1の固定部材22と第2の固定部材23を有して形成されている。なお、図3は第2の固定部材23の上に第1の固定部材22を重ねた状態の平面図であり、第1の固定部材22のみを図示している。第2の固定部材23の構成は第1の固定部材22と同様であり、図中の括弧内は第2の固定部材23を構成する各部位の符号を示している。
第1の固定部材22は車輪形状をしており、外周側に向けられたリング部22bと、リング部22bの内側に環の中心から放射状に延びる複数の固定部22aとを有して構成されている。同様に、第2の固定部材23も円環状に形成されたリング部23bと、このリング部23bの内側に環の中心から外方向に向かって放射状に延びる複数の固定部23aを有して構成されている。
第1の固定部材22において隣接する固定部22aと固定部22aとの間の中心角、および第2の固定部材23において隣接する固定部23aと固定部23aとの間の中心角αはともに一定であり、図3に示すものでは中心角αが45度の場合を示している。
第1の固定部材22と第2の固定部材23とは、互いの固定部22aと固定部23aが周方向に位置合わせされた状態で重ねられている。このとき、板厚方向にて対向する第1の固定部材22の固定部22aと第2の固定部材23の固定部22aとの間に、略半円形状からなる積層体10の固定端11が挟持される。
図3に示す実施の形態では、第1の固定部材22側に設けられた8ヶの固定部22aと第3の固定部材23側に設けられた8ヶの固定部23aとの間に8ヶの積層体10がそれぞれ固定されている。各積層体10は、固定端11を固定部22aと固定部23aとの間に挟み込んだときに、周方向に隣接する一方の固定部23aと他方の固定部23aとの間に略扇型形状として形成されたスペース24に向かって突出する状態で固定されている。なお、すべての積層体10は、自由端12が周方向において同じ向き(図3では反時計回り方向)となるように、各スペース24内に突出している。
この場合における積層体10の固定方法は、図2(A)の場合と同様である。すなわち、第1の固定部材22と第2の固定部材23とを対向させたときに、積層体10の固定端11が配置されない接合面上に、例えばリング部22bの接合面上および環の中心部の接合面上に非導電性の接着剤を塗布することにより固定されている。
これにより、各積層体10に形成されている第1の電極層3と第1の固定部材22の各固定部22aとの間が導通接続され、同様に各積層体10の第2の電極層4と第2の固定部材23の各固定部23aとの間がそれぞれ導通接続される。同時に、第1の固定部材22と第2の固定部材23との間の絶縁状態が維持される。
よって、第1の固定部材22と第2の固定部材23との間に所定の電圧を印加すると、これらの間に固定されているすべての積層体10の電解質層2に対して板厚方向から電界を与えることができる。このため、すべての積層体10を同じ方向に同時に曲げ変形させることができる。
この高分子アクチュエータでは、このような複数の積層体10がそれぞれ駆動力を発生するため、アクチュエータ全体として発生する駆動力を積層体10の数に比例して増大させることができる。
よって、個々の積層体10が発生する駆動力は小さくても、これらの駆動力を集約することで高分子アクチュエータ全体として大きな駆動力を発生させることが可能となる。このように、本願発明では、限られたスペース内に複数の積層体10を配置することにより、効率性に優れた高分子アクチュエータとすることができる。
図4Aは本発明の第2の実施の形態のうち第1の変形例を示す図3同様の平面図、図4Bは本発明の第2の実施の形態のうち第2の変形例を示す図3同様の平面図、図4Cは本発明の第2の実施の形態のうち第3の変形例を示す図3同様の平面図である。なお、図4Aないし図4Cではハッチングで示す部分が積層体10である。
図4Aに示す高分子アクチュエータが図3に示す高分子アクチュエータと異なる点は、固定部22a,23aが直線形状ではなく湾曲した円弧形状で形成されている点にある。この変形例では、リング部22bとその中心部とを結ぶ固定部22a,23aの半径方向の実質的な長さ寸法を、図3の実施の形態における長さ寸法に比較して長くすることができる。このため、積層体10の固定端11を広い面積で固定することが可能となり、積層体10の固定状態を安定させることができ、また、変位動作長Laを長くすることが可能となるため、変位量を増やすことができる。また、図4B、図4Cのような形状とすることにより、さらに変位動作長Laを長くすることができる。
図5の(A)は本発明の第2の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、(B)は高分子アクチュエータを構成する積層体を拡大して示す平面図、図6は積層体の他の形状を示す図5の(B)同様の平面図である。
第2の実施の形態に示す高分子アクチュエータの固定部材も、上記第2,3の実施の形態に示すアクチュエータと同様である。すなわち、リング部22bの内側に複数の固定部22aを放射状に備えた第1の固定部材22と、リング部23bの内側に複数の固定部23aを放射状に備えた第3の固定部材23とを、周方向に位置合わせした状態で板厚方向に重ねて組み立てられている。
ただし、第2の実施の形態では、積層体10が半円形状ではなく、自由端を構成する二辺の長さ寸法が互いに異なる略三角形で形成されている点で、上記第1の実施の形態および変形例に示す高分子アクチュエータと相違している。
すなわち、図5(B)に示すように、積層体10は固定端11を底辺とし、半径方向に延びる第1辺12aと、周方向に延びる第2辺12bとを有する略三角形として形成されている。そして、三角形の一辺を構成する固定端11が第1の固定部材22の固定部22aと第2の固定部部材23の固定部23aとの間の挟持されている。第1辺12aの長さ寸法L1は第2辺12bの長さ寸法L2よりも長く(L1>L2)、両者の間には寸法差(L1−L2)が設けられている。
このような積層体10の両面に設けられた第1の電極層3と第2の電極層4との間に電圧を与えて電解質層2に電界を付与して積層体10に曲げ変形を生じさせると、積層体10の先端である押上部Aに前記寸法差(L1−L2)に起因する捩じれが発生する。このため、押上部Aには通常の曲げ変形による駆動力に加えて捩じれ変形による力の成分が加わり、より大きな駆動力が発生する。
よって、第2の実施の形態に示す高分子アクチュエータは、このような積層体10を複数備えているため、全体としても上記第1の実施の形態および変形例に示す高分子アクチュエータに比較してより大きな駆動力を発生することができる。
さらに積層体10の形状は、図6に示すような形状であってもよい。
図6に示す積層体10は、左右に設けられた長さ寸法の異なる第1辺12a,第2辺12bと、上底部12cおよび下底部12dとからなる台形形状で形成されている。このうち、下底部12d側が固定部22b,23bによって固定される固定端11を構成している。
そして、固定部22b,23bから隣接する扇型形状のスペース24に向かって突出する自由端12は、第1辺12a,第2辺12bおよび上底部12cの三辺を有して構成される。固定部22b,23bと対向する上底部12cは、他の三辺(第1辺12a,第2辺12bおよび下底部12d)よりも短く形成されており、この部分が押上部として機能する部分である。
この実施の形態においても、上底部12cの両端に連続する第1辺12aと第2辺12bとの間に寸法差を設けるようにしたため、積層体10に電圧を印加して動作させたときに、上底部12cに大きな捩じれを発生し、より大きな駆動力を発生させることが可能である。
図7は本発明の第3の実施の形態を示す図3同様の平面図である。
第3の実施の形態に示す高分子アクチュエータも、第1、第2の実施の形態同様の第1,第2の固定部材22,23を有して構成されており、積層体10の形状のみが相違している。
積層体10は略二等辺三角形で形成されており、第1の固定部材22の固定部22aと第2の固定部材23の固定部23aとの間に挟持されている。
具体的には、第1の固定部材22の固定部22aと第2の固定部材23の固定部23aとは板厚方向に重なり合うように周方向に位置合わせされている。一方の固定部22aと他方の固定部23aとは、積層体10を形成する二等辺三角形の頂点(環の中心部)を通るとともに外周側の底辺を垂直に二等分するように配置されており、積層体10は一方の固定部22aと他方の固定部23aとの間に挟まれた状態で強固に固定されている。
このため、第4の実施の形態では、第1の固定部材22の固定部22aと第2の固定部材23の固定部23aとで挟持された部分が積層体10の固定端11であり、それ以外の部分が自由端12を形成している。自由端12は、第1の固定部材22の固定部22aと第2の固定部材23の固定部23aとの重なり合った部分から両側方向のスペース24,24内にそれぞれ突出している。両側のスペース24,24内に突出する自由端12,12の形状は直角三角形であり、固定部22aおよび固定部23aに対して左右対称である。
積層体10の固定方法は上記の実施の形態と同様である。このため、第1の固定部材22と第2の固定部材23との間に所定の電圧を印加すると、積層体10内に電界が発生し、両側に向けられた自由端12,12に曲げ変形を生じさせることができる。
しかも、上記第2の実施の形態同様に、自由端12,12部分を形成する第1辺12aと第2辺12bの長さ寸法には寸法差が形成されている。このため、押上部Aには,通常の曲げ変形による駆動力に加えて、捩じれ成分による力が加わる。よって、個々の積層体10の駆動力および耐荷重量を増大させることができ、より大きな駆動力を取り出すことが可能となる。
第3の実施の形態に示す高分子アクチュエータでは、一つの積層体10に二つの自由端12,12が設けられている。このため、一つのスペース24内に倍の押上部Aを配置することができ、高分子アクチュエータ全体としても発生する駆動力を第1,2の実施の形態に比較して大きくすることが可能となる。
このような高分子アクチュエータは、例えばキーボード装置内に配列されたキーをアクティブ状態に設定する装置として利用することが考えられる。あるは、積層体10を動作させると、開口部を形成するスペース24の面積を変更することが可能となるため、例えば配管用の流量調整装置として利用することが考えられる。
イオン導電型の高分子アクチュエータの基本原理を説明するための断面図であり、(A)駆動前の状態、(B)は駆動状態、 本発明の高分子アクチュエータの固定方法の基本原理を説明するものであり、(A)は積層体と固定部材との一例を示す分解斜視図、(B)は接続状態を示す側面図、 本発明の第1の実施の形態として、複数の積層体を使用して構成した高分子アクチュエータを示す平面図、 本発明の第2の実施の形態のうち第1の変形例を示す図3同様の平面図、 本発明の第2の実施の形態のうち第2の変形例を示す図3同様の平面図、 本発明の第2の実施の形態のうち第3の変形例を示す図3同様の平面図、 (A)は本発明の第2の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、(B)は高分子アクチュエータを構成する積層体を拡大して示す平面図、 積層体の他の形状を示す図5の(B)同様の平面図、 本発明の第3の実施の形態を示す平面図、
符号の説明
1 高分子アクチュエータ
2 電解質層
3 第1の電極層
4 第2の電極層
1A,10 積層体
11 固定端
12 自由端
12a 第1辺
12b 第2辺
12c 上底部
12d 下底部
22 第1の固定部材
23 第2の固定部材
22a 第1の固定部材の固定部
23a 第1の固定部材の固定部
22b 第2の固定部材のリング部
23b 第2の固定部材のリング部
24 スペース
61 接着剤
A 押上部

Claims (7)

  1. 電解質層の両面に一対の電極層がそれぞれ積層された積層体からなる高分子アクチュエータにおいて、
    中心から放射状に延びる複数の固定部を備えた固定部材が設けられ、
    前記積層体の固定端が前記固定部に固定されており、前記積層体の自由端が隣接する固定部と固定部との間に配置されていることを特徴とする高分子アクチュエータ。
  2. 前記積層体が前記固定部の両側に突出している請求項1記載の高分子アクチュエータ。
  3. 前記固定部が円弧形状で形成されている請求項1または2記載の高分子アクチュエータ。
  4. 前記積層体の自由端が二辺を有して形成されており、一方の辺の長さ寸法と他方の辺の長さ寸法との間に寸法差が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  5. 前記積層体の自由端が三辺を有して形成されており、固定部と対向する辺が他の二辺より短く形成され、他の二辺のうちの一方の辺の長さ寸法と他方の辺の長さ寸法との間に寸法差が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  6. 前記固定部材が、導電性の第1の固定部材と第2の固定部材とで形成されており、前記積層体の固定端側が前記第1の固定部材の固定部と第2の固定部材の固定部との間に挟持されている請求項1ないし5のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  7. 前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とが導電材料で形成されており、第1の固定部材が前記電解質層の一方の面に形成された電極層に接続され、第2の固定部材が他方の面に形成された電極層に接続され、且つ第1の固定部材と第2の固定部材との間が絶縁されている請求項6記載の高分子アクチュエータ。
JP2008203567A 2008-08-06 2008-08-06 高分子アクチュエータ Expired - Fee Related JP5116604B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203567A JP5116604B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 高分子アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203567A JP5116604B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 高分子アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010041862A JP2010041862A (ja) 2010-02-18
JP5116604B2 true JP5116604B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=42013820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008203567A Expired - Fee Related JP5116604B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 高分子アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5116604B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4562507B2 (ja) * 2004-12-08 2010-10-13 イーメックス株式会社 伸縮駆動用素子
JP4732798B2 (ja) * 2005-05-19 2011-07-27 株式会社日立製作所 アクチュエーターおよびアクチュエーターモジュール
JP4821487B2 (ja) * 2006-08-02 2011-11-24 ソニー株式会社 アクチュエータ装置及びその駆動方法
JP5181143B2 (ja) * 2006-09-21 2013-04-10 イーメックス株式会社 面状デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010041862A (ja) 2010-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8421304B2 (en) Actuator and actuator structure
KR102032773B1 (ko) 이중 용접 구조를 가진 전지셀
JP4609732B2 (ja) 集電板、燃料電池、及びそれらの製造方法
JP5733964B2 (ja) 高分子アクチュエータ
JP2000133854A (ja) アクチュエータ
US20130052531A1 (en) Electric storage device
US20160141643A1 (en) Deformation absorption member and fuel cell
US7982368B2 (en) Polymer actuator and device equipped with polymer actuator
US8378551B2 (en) Actuator and method of manufacturing the same
US20140250881A1 (en) Actuator
JP2016212980A (ja) 電池モジュール
US20220416372A1 (en) Electrode plate of secondary battery and preparation method thereof, secondary battery
JP5116604B2 (ja) 高分子アクチュエータ
KR20170104826A (ko) 전극조립체 및 이를 포함하는 이차전지
KR20170104827A (ko) 전극조립체 및 이를 포함하는 이차전지
JP2010041792A (ja) 高分子アクチュエータ
JP5224113B2 (ja) 積層型アクチュエータ及びその製造方法
JP6149629B2 (ja) 蓄電デバイスおよび蓄電デバイスモジュール
CN108292761B (zh) 燃料电池堆
JP5255355B2 (ja) 高分子アクチュエータ
JP2015191801A (ja) 燃料電池
JP5243112B2 (ja) アクチュエータおよびその製造方法
JP2010115016A (ja) 高分子アクチュエータ
JP2008084957A (ja) アクチュエータの実装構造及び実装方法
JP2010192323A (ja) 二次電池、及び二次電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5116604

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees