JP4815756B2 - アクチュエータ - Google Patents

Description

本発明は、電子機器に用いられるアクチュエータに関するものである。

従来の電気式微少機械装置（以下、ＭＥＭＳと称す）としてのアクチュエータは、アクチュエータの駆動部となる駆動アームが基板上に支持され、この駆動アームに設けられた駆動電極（例えば圧電駆動方式における圧電駆動電極や静電駆動方式における静電用電極）に駆動電圧を印加することで駆動アームの動きを制御する構成が知られている。

なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献１が知られている。
特開２０００−１８８０５０号公報

そして、このようなＭＥＭＳ式アクチュエータの用途として携帯電話の送受信信号の接続を切り換えるスイッチや、光信号のオン−オフを行うスイッチなどが挙げられるようになり、その駆動領域の拡大が重要視されるようになってきている。

しかしながら、駆動アームにおける駆動領域は駆動アームの振幅により決定するため、その領域を拡大するためには駆動アームを長く設定しなければならず、アクチュエータが大型化してしまうという問題があった。

そこで本発明はこのような問題を解決し、駆動領域の大きいアクチュエータを提供するものである。

この目的を達成するために本発明は、特に、アクチュエータを構成する駆動アームの構成を駆動アームの幅を両端側より中程部分を狭く設定し、駆動電極を駆動アームの両端部分側に設けたのである。

この構成により、駆動アームに対して駆動力を与える駆動電極の面積を確保できるとともに駆動アームの撓りを与えることができ、結果としてアクチュエータの駆動領域を拡大することが出来るのである。

以下、本発明の一実施の形態について図を用いて説明する。

図１は本発明に係るアクチュエータ１を用いたスイッチ２の斜視図であり、その基本構成は基板３と、両端が基板３に設けられた一対の支持部５により支持された板状の駆動アーム４と、この駆動アーム４の下面両端側部分に設けられた駆動電極６と、駆動アーム４の下面中程に設けられ基板３に設けられた電極間を接続する接続電極７とから構成されている。

また、駆動電極６は図２に示されるように、一対の駆動電圧印加用の制御電極８ａ、８ｂで圧電体層９を挟み込むことで構成しており、制御電極８ａ、８ｂ間に駆動電圧を印加することにより圧電体層９が伸縮し、駆動アーム４が撓むという原理に基づき利用している。なお、この制御電極に対する電圧印加手段はワイヤボンディングや内層配線などの一般的な接続手段を用いて適宜接続すれば良いものでこの図１においては特に図示していない。

また、基板３や駆動アーム４の素材としてはシリコンを用いているが、基本的に表面が絶縁性を有するものであれば良く、金属板の表面に絶縁化処理を施したものでも代替え可能である。

また、駆動アーム４の下面両端側部分に駆動電極６を設けることにより、駆動させた後復元する際の駆動力を大きくすることができる。

そして、このスイッチ２を構成する駆動アーム４についてみれば、図３に示されるようにその幅が駆動電極６が設けられた両端側部分に比べて接続電極７が設けられた中程側が狭くなるように設定されている。これは駆動アーム４における振幅が最大となる駆動アーム４の中間位置を両端部分より狭くすることで、駆動時に撓りが生じその分駆動範囲が大きく出来るとともに、駆動源となる駆動電極が設けられる駆動アーム４の両端側の幅が広いことから駆動力を与える駆動電極の面積が稼げ、さらに駆動電極が支持部に近接することで駆動アーム４の撓みに伴う駆動力の低下を抑制できるので、駆動アーム４の駆動領域を効率良く拡大させることが出来るのである。

また、この駆動アーム４はその両端となる支持部側から中間位置に向けて連続的に挟めたテーパ形状としていることから、外周部分に破線で示されるような段差が構成されることがなくその段差部分における撓りに対する応力集中が抑制できるので、駆動アーム４の耐久性が向上できるのである。なお、特に図示はしていないがテーパ部分とストレート部分の境界部分においても面取りを行い湾曲状とすればさらに耐久性を向上させることが出来るのである。

なお、本実施の形態では、駆動電極６を駆動アーム４の下面側に設けたが、駆動アーム４の上面側に設けても良い。この場合、駆動領域をさらに大きくすることができる。

本発明にかかるアクチュエータは、駆動領域を拡大できるという効果を有し、特に小型でありながら大きな駆動領域が要望される用途において有用である。

本発明の一実施の形態におけるアクチュエータを用いたスイッチの斜視図 同スイッチの駆動状態を示す断面図 同スイッチを構成する駆動アームの下面図

符号の説明

１ アクチュエータ
２ スイッチ
３ 基板
４ 駆動アーム
５ 支持部
６ 駆動電極
７ 接続電極
８ａ、８ｂ 制御電極
９ 圧電体層

Claims (2)

1. 絶縁化された表面を有する基板と、この基板上に配置された一対の支持部と、この一対の支持部により両端部分が支持され、この両端部分の間に駆動領域を有する駆動アームと、前記駆動領域の下面中央に前記基板に対向して設けられた接続電極と、前記駆動領域の下面両端に設けられ、前記駆動領域に駆動力を与える駆動電極と、前記基板上において前記接続電極に対向し、互いに間隙を隔てて設けられた一対の電極とを備え、前記駆動領域は、前記両端部分よりも幅の狭い幅狭部と、この幅狭部の両側において、前記両端部分から前記幅狭部に向けて連続的に幅を狭くしたテーパー部とを有し、前記駆動電極は前記テーパー部に設けられ、前記駆動電極は圧電体層とその両面に制御電極を有し、前記駆動電極は接続電極側の幅が支持部側の幅よりも狭く、前記幅狭部は、前記接続電極を設けた領域と、その両側の接続電極および駆動電極を設けないたわみのための領域とを設けたことを特徴とするアクチュエータ。
2. 駆動アームが基板に垂直な方向にたわむことにより動作することを特徴とする請求項１記載のアクチュエータ。

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