JP5240406B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制動力の制御を行う車両制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば車両がスプリット路を走行中に、高油圧側輪のブレーキ油圧の増大を制限することにより、左右輪の制動力差が過大になることを防止して、車両に加わるヨートルクを抑制する装置が提案されている(特許文献1参照)。
或いは、スプリット路面が検出されたことにより、車両の後輪のブレーキ圧力が独立制御に切り換えられた際に、少なくとも最初の制御サイクル期間中、制動摩擦係数の高い方の後輪のブレーキ圧力の上昇勾配を通常時よりも小さくする装置が提案されている(特許文献2参照)。
或いは、走行路面の摩擦係数に基づいて定めた基本制御周期に、アンチロックブレーキ制御開始時の推定車体速度が小となるのに応じて小となる1以下の第1係数と、アンチロックブレーキ制御中の推定車体速度が小となるのに応じて小となる1以下の第2係数とを乗じて得た制御周期で液圧制御弁手段の作動を周期的に制御する装置が提案されている。ここでは特に、基本制御周期は、摩擦係数が低くなるのに応じて大となるように定められていることが開示されている(特許文献3参照)。
特開平9−249111号公報 特開平1−244953号公報 特開2000−229563号公報
しかしながら、上述の背景技術よれば、車両のヨー方向の偏向の低減及び、制動性能の向上が十分ではないという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、好適に、車両のヨー方向の偏向を抑制しつつ、制動能力を向上させることができる車両制御装置を提案することを課題とする。
本発明の車両制御装置は、上記課題を解決するために、車輪に制動力を付与可能な油圧式の制動力付与手段と、前記車輪がロックされないように、前記制動力付与手段の油圧を制御可能な油圧制御手段と、前記油圧制御手段による油圧の増減周期を変更可能な油圧増減周期変更手段と、前記油圧制御手段により左右制動力差が生じた場合、路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の増減周期を、前記左右制動力差が生じない場合から変更するように前記油圧増減周期変更手段を制御する制御手段と、を備える。
本発明の車両制御装置によれば、油圧式の制動力付与手段は、車両が備える複数の車輪各々に制動力を付与可能である。尚、制動力付与手段は、複数の車輪に夫々付与される制動力の大きさを個別に調整可能に構成されている。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる油圧制御手段は、複数の車輪が夫々ロックされないように、制動力付与手段の油圧を制御可能である。具体的には例えば、油圧制御手段は、一の車輪の減速度が所定値を超えた場合、該一の車輪がロックされないように、該一の車輪に対応する油圧を低減する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる油圧増減周期変更手段は、油圧制御手段に起因する制動力付与手段の油圧の増減周期を変更可能である。油圧制御手段は、一の車輪の減速度に応じて、周期的に(例えば、数ミリ秒毎に)、該一の車輪に対応する油圧を増加したり低減したりする。このため、制動力付与手段の油圧は周期的に増減することとなる。油圧増減周期変更手段は、例えば上記所定値(即ち、油圧制御手段が一の車輪がロックされないように該一の車輪に対応する油圧を低減し始める該一の車輪の減速度)を変更することによって、増減周期を変更する。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる制御手段は、油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する油圧の増減周期を、左右制動力差が生じない場合から変更するように油圧増減周期変更手段を制御する。
車両がスプリット路を走行している場合、該スプリット路における低摩擦係数側の路面(即ち、路面摩擦係数が低い路面)(以降、適宜“低μ路”と称する)と接している車輪は、該スプリット路における高摩擦係数側の路面(即ち、路面摩擦係数が高い路面)(以降、適宜“高μ路”と称する)と接している車輪に比べて、ロックされやすい。このため、油圧制御手段により、低μ路と接している車輪に対応する油圧は、高μ路と接している車輪に対応する油圧よりも低くされる。この結果、低μ路と接している車輪に生じる制動力と、高μ路と接している車輪に生じる制動力との間に差が生じる(つまり、左右制動力差が生じる)。
すると、左右制動力差に起因して車両にヨーモーメントが生じ、車両の挙動が不安定になる可能性がある。これに対し、所謂アクティブステアリング(つまり、転舵輪の舵角を、該舵角の変化を促す運転者による操舵から独立して変化させることが可能な機構)により左右制動力差に起因するヨーモーメントを打ち消す技術が提案されている。しかしながら、制動力付与手段に係る油圧の増減周期が、車両に係るヨー共振周波数に対応する周期に相当する場合、ヨー方向の振動が増幅され車両の挙動がより不安定になる可能性があることが、本願発明者の研究により判明している。
そこで、本発明では、油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、制御手段により、高μ路と接している車輪に対応する油圧の増減周期を、左右制動力差が生じない場合から変更するように油圧増減周期変更手段が制御される。
このため、本発明によれば、ヨー方向の振動を抑制することができるので、所謂アクティブステアリングを制御すれば、左右制動力差に起因するヨーモーメントを好適に抑制することができる。加えて、制動力差を低減するように制動力制御をする従来技術と比べて、左右制動力差を大きくすることができるので、車両に比較的大きな制動力を生じさせることができる。
尚、「スプリット路」とは、車両の左右一方の車輪が接している路面の摩擦係数と、左右他方の車輪が接している路面の摩擦係数とが互いに異なっている道路を意味する。
本発明の車両制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の増減周期を、前記左右制動力差が生じない場合に比べて長くするように前記油圧増減周期変更手段を制御する。
この態様によれば、比較的容易にして、車両のヨー方向の偏向を抑制することができる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の増減周期を、前記車両に係るヨー共振周波数に対応する周期とは異ならしめるように前記油圧増減周期変更手段を制御する。
この態様によれば、比較的容易にして、車両のヨー方向の偏向を抑制することができる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記油圧制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の変動幅が小さくなるように、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する制動力付与手段の油圧を制御する。
この態様によれば、制動時における車両の挙動安定性の向上と、停止距離の短縮とを図ることができる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記油圧増減周期変更手段は、前記油圧制御手段に係る減圧基準、減圧量及び増圧勾配のうち一つを変更することによって、前記油圧の増減周期を変更する。
この態様によれば、比較的容易にして、油圧の増減周期を変更することができる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している後輪に対応する前記油圧の増減周期を、前記左右制動力差が生じない場合から変更するように前記油圧増減周期変更手段を制御する。
この態様によれば、車両が走行している道路が、例えばスプリット路から、該スプリット路ではない比較的高摩擦係数を有する路面(例えば、アスファルト舗装路、コンクリート舗装路等)へ変化する場合であっても、スプリット路上における車両の挙動安定性の確保と、路面切り替わり時の車両応答性の確保とを両立することができる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記車輪のうち転舵輪の転舵を促す操舵力を補助する補助トルクを、前記転舵輪に対し左右独立して出力可能な補助トルク付与手段を更に備え、前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の変動に応じて、前記補助トルク付与手段により前記転舵輪の少なくとも一方に対して付与される補助トルクを補正する。
この態様によれば、制動力付与手段の油圧の変動に起因する操舵反力の変化を抑制することができる。この結果、運転者が違和感を覚えることを抑制することができ、実用上非常に有利である。
補助トルク付与手段を備える態様では、前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の減圧時に、路面摩擦係数が低い路面と接している転舵輪に補助トルクを付与するように前記補助トルク付与手段を制御してよい。
このように構成すれば、比較的容易にして、制動力付与手段の油圧の変動に起因する操舵反力の変化を抑制することができる。
補助トルク付与手段を備える態様では、前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の減圧時に、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の増減周期に応じて、操舵反力にダンピングを付与してよい。
このように構成すれば、比較的容易にして、制動力付与手段の油圧の変動に起因する操舵反力の変化を抑制することができる。尚、「操舵反力にダンピングを付与」とは、転舵輪の少なくとも一方の付与される補助トルクを減衰(即ち、ダンピング)させることを意味する。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
本発明の実施形態に係る車両制御装置が搭載される車両の構成を示すブロック図である。 制動装置に供給される油圧の時間変動の一例を示す図である。 車両に生じる制動力等の一例を示す概念図である。 ヨーモーメントが増幅された場合の車両の挙動の一例を示す概念図である。
以下、本発明に係る車両制御装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
(車両の構成)
先ず、本実施形態に係る車両の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両制御装置が搭載される車両の構成を示すブロック図である。尚、図1では、本実施形態に直接関係のある部材のみを示し、その他の部材については図示を省略している。
図1において、車両10は、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRの各車輪を備えている。車両10は、操舵輪である左前輪FL及び右前輪FRの舵角変化と、左後輪FL及び右後輪FRの舵角変化によって所望の方向に進行することが可能な構成となっている。
車両10は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)100、エンジン200、駆動力分配装置300、VGRSアクチュエータ400、EPSアクチュエータ500、ECB600、カーナビゲーション装置700及びARSアクチュエータ800を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットである。
エンジン200は、車両10の動力源である。エンジン200の駆動力出力軸たるクランク軸は、駆動力分配装置の一構成要素たるセンターデファレンシャル装置310に接続されている。尚、エンジン200の詳細な構成は、本実施形態の要旨との相関が薄いため、ここではその詳細を割愛する。
駆動力分配装置300は、エンジン200から前述のクランク軸を介して伝達されるエンジントルクを、前輪及び後輪に所定の比率で分配可能に構成されている。駆動力分配装置300は、センターデファレンシャル装置310(以降、適宜“センターデフ310”と称する)、フロントデファレンシャル装置320(以降、適宜“フロントデフ320”と称する)及びリアデファレンシャル装置330(以降、適宜“リアデフ330”と称する)を備えて構成されている。
センターデフ310は、エンジン200から供給されるエンジントルクを、フロントデフ320及びリアデフ330に分配するLSD(Limited Slip Differential:差動制限機能付き差動機構)である。
センターデフ310は、前後輪に作用する負荷が略一定な条件下では、前後輪に対し分配比50:50(一例であり限定されない)でエンジントルクを分配する。また、前後輪のうち一方の回転速度が他方に対し所定以上高くなると、当該一方に対し差動制限トルクが作用し、当該他方へトルクが移譲される差動制限が行われる構成となっている。即ち、センターデフ310は、所謂回転速度感応式(ビスカスカップリング式)の差動機構である。
尚、センターデフ310は、このような回転速度感応式に限らず、入力トルクに比例して差動制限作用が大きくなるトルク感応式の差動機構であってもよい。また、遊星歯車機構により差動作用をなし、電磁クラッチの断続制御により差動制限トルクを連続的に変化させ、所定の調整範囲内で所望の分配比率を実現可能な分配比率可変型の差動機構であってもよい。いずれにせよ、センターデフ310は、前輪及び後輪に対しエンジントルクを分配可能な限り、公知非公知を問わず各種の実践的態様を採ってよい。
フロントデフ320は、センターデフ310によりフロントアクスル(前輪車軸)側に分配されたエンジントルクを、更に、左右輪に所定の調整範囲内で設定される所望の分配比率で分配可能な分配比率可変型のLSDである。
フロントデフ320は、リングギア、サンギア及びピニオンキャリアからなる遊星歯車機構と、差動制限トルクを与える電磁クラッチを備え、この遊星歯車機構のリングギアにデフケースが、サンギア及びキャリアに夫々左右の車軸が連結された構成を採る。また、差動制限トルクは、電磁クラッチに対する通電制御により連続的に制御され、フロントデフ320の物理的電気的構成上定まる所定の調整範囲内で、トルクの分配比率が連続的に可変に制御される構成となっている。
フロントデフ320は、ECU100と電気的に接続されており、電磁クラッチへの通電制御もECU100により制御される構成となっている。従って、ECU100は、フロントデフ320の駆動制御を介して、所望の前輪左右駆動力差を生じさせることが可能である。
尚、フロントデフ320の構成は、左右輪に所望の分配比率で駆動力(尚、トルクと駆動力とは一義的な関係にある)を分配可能な限りにおいて、ここに例示されるものに限定されず、公知非公知を問わず各種の態様を有し得る。いずれにせよ、このような左右駆動力配分作用は公知であり、ここでは、説明の煩雑化を防ぐ目的からここではその詳細については触れないこととする。
リアデフ330は、センターデフ310によりプロペラシャフト11を介してリアアクスル(後輪車軸)側に分配されたエンジントルクを、更に、左右輪に所定の調整範囲内で設定される所望の分配比率で分配可能な分配比率可変型のLSDである。
リアデフ330は、リングギア、サンギア及びピニオンキャリアからなる遊星歯車機構と、差動制限トルクを与える電磁クラッチを備え、この遊星歯車機構のリングギアにデフケースが、サンギア及びキャリアに夫々左右の車軸が連結された構成を採る。また、差動制限トルクは、電磁クラッチに対する通電制御により連続的に制御され、リアデフ330の物理的電気的構成上定まる所定の調整範囲内で、トルクの分配比率が連続的に可変に制御される構成となっている。
リアデフ330は、ECU100と電気的に接続されており、電磁クラッチへの通電制御もECU100により制御される構成となっている。従って、ECU100は、リアデフ330の駆動制御を介して、所望の後輪左右駆動力差を生じさせることが可能である。
尚、リアデフ330の構成は、左右輪に所望の分配比率で駆動力(尚、トルクと駆動力とは一義的な関係にある)を分配可能な限りにおいて、ここに例示されるものに限定されず、公知非公知を問わず各種の態様を有し得る。いずれにせよ、このような左右駆動力配分作用は公知であり、ここでは、説明の煩雑化を防ぐ目的からここではその詳細については触れないこととする。
VGRSアクチュエータ400は、ハウジング、VGRSモータ、減速機構及びロック機構(いずれも不図示)等を備えた操舵伝達比可変装置である。
VGRSアクチュエータ400において、VGRSモータ、減速機構及びロック機構は、ハウジングに収容されている。このハウジングは、操舵入力手段としてのステアリングホイル12に連結されたアッパーステアリングシャフト13の下流側の端部と固定されており、アッパーステアリングシャフト13と略一体に回転可能に構成されている。
VGRSモータは、回転子たるロータ、固定子たるステータ及び駆動力の出力軸たる回転軸を有するDCブラシレスモータである。ステータは、ハウジング内部に固定されており、ロータは、ハウジング内部で回転可能に保持されている。回転軸は、ロータと同軸回転可能に固定されており、その下流側の端部が減速機構に連結されている。このステータには、不図示の電気駆動回路から駆動電圧が供給される構成となっている。
減速機構は、差動回転可能な複数の回転要素を有する遊星歯車機構である。この複数の回転要素の一回転要素は、VGRSモータの回転軸に連結されており、また、他の回転要素の一は、前述のハウジングに連結されている。そして残余の回転要素が、ロアステアリングシャフト14に連結されている。
このような構成を有する減速機構によれば、ステアリングホイル12の操作量に応じたアッパーステアリングシャフト13の回転速度(即ち、ハウジングの回転速度)と、VGRSモータの回転速度(即ち、回転軸の回転速度)とにより、残余の一回転要素に連結されたロアステアリングシャフト14の回転速度が一義的に決定される。
この際、回転要素相互間の差動作用により、VGRSモータの回転速度を増減制御することによって、ロアステアリングシャフト14の回転速度を増減制御することが可能となる。即ち、VGRSモータ及び減速機構の作用により、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とは相対回転可能である。
尚、減速機構における各回転要素の構成上、VGRSモータの回転速度は、各回転要素相互間のギア比に応じて定まる所定の減速比に従って減速された状態でロアステアリングシャフト14に伝達される。
このように、車両10では、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト13の回転量たる操舵角と、ロアステアリングシャフト14の回転量に応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)操舵輪たる前輪の舵角との比たる操舵伝達比が、予め定められた範囲で連続的に可変となる。
尚、ロック機構は、VGRSモータ側のクラッチ要素とハウジング側のクラッチ要素とを備えたクラッチ機構である。両クラッチ要素が相互に係合した状態においては、アッパーステアリングシャフト13とVGRSモータの回転軸との回転速度が一致するため、必然的にロアステアリングシャフト14との回転速度もこれらと一致する。即ち、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とが直結状態となる。但し、ロック機構の詳細については、本実施形態との相関が薄いためここでは割愛する。
尚、VGRSアクチュエータ400は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
車両10において、ロアステアリングシャフト14の回転は、ラックアンドピニオン機構に伝達される。ラックアンドピニオン機構は、ロアステアリングシャフト14の下流側端部に接続された不図示のピニオンギア及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー15を含む操舵伝達機構であり、ピニオンギアの回転がラックバー15の図中左右方向の運動に変換されることにより、ラックバー15の両端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して操舵力が各操舵輪に伝達される構成となっている。
EPSアクチュエータ500は、本発明に係る「補助トルク付与手段」の一具体例であり、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを含むDCブラシレスモータとしてのEPSモータを備えた操舵トルク補助装置である。
このEPSモータは、不図示の電気駆動装置を介した当該ステータへの通電によりEPSモータ内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にEPSトルクを発生可能に構成されている。
一方、EPSモータの回転軸たるモータ軸には、不図示の減速ギアが固定されており、この減速ギアはまた、ロアステアリングシャフト14に設けられた減速ギアと直接的に又は間接的に噛合している。このため、本実施形態において、EPSモータから発せられるEPSトルクは、ロアステアリングシャフト14の回転をアシストするトルクとして機能する。このため、EPSトルクが、ステアリングホイル12を介してアッパーステアリングシャフト13に与えられる運転者操舵トルクと同一方向に付与された場合には、運転者の操舵負担は、EPSトルクの分だけ軽減される。
尚、EPSアクチュエータ500は、ECU100と電気的に接続され且つその動作がECU100により制御されるモータのトルクによって運転者操舵トルクをアシストする、所謂電子制御式パワーステアリング装置であるが、車両10に備わるパワーステアリング装置は、油圧駆動装置を介して与えられる油圧駆動力により運転者の操舵負荷を軽減する、所謂油圧パワーステアリング装置であってもよい。
車両10には、操舵角センサ16及び操舵トルクセンサ17が備わる。操舵角センサ16は、アッパーステアリングシャフト13の回転量を表す操舵角を検出可能に構成された角度センサである。操舵角センサ16は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
操舵トルクセンサ17は、運転者からステアリングホイル12を介して与えられる運転者操舵トルクを検出可能に構成されたセンサである。より具体的に説明すると、アッパーステアリングシャフト13は、上流部と下流部とに分割されており、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。
このトーションバーは、車両10の運転者がステアリングホイル12を操作した際にアッパーステアリングシャフト13の上流部を介して伝達される操舵トルク(即ち、運転者操舵トルク)に応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達可能に構成されている。従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。
操舵トルクセンサ17は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して運転者操舵トルクに対応する電気信号として出力可能に構成されている。操舵トルクセンサ17は、ECU100と電気的に接続されており、検出された運転者操舵トルクは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
尚、操舵トルクの検出方式は、この種のトーションバー方式に限定されず、他の方式が採用されてもよい。
ECB600は、車両10の前後左右各輪に個別に制動力を付与可能に構成された電子制御式制動装置である。ECB600は、ブレーキアクチュエータ610並びに左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRに夫々対応する制動装置620FL、620FR、620RL及び620RRを備える。
ブレーキアクチュエータ610は、制動装置620FL、620FR、620RL及び620RRに対し、夫々個別に作動油を供給可能に構成された油圧制御用のアクチュエータである。ブレーキアクチュエータ610は、マスタシリンダ、電動オイルポンプ、複数の油圧伝達通路及び当該油圧伝達通路の各々に設置された電磁弁等から構成されており、電磁弁の開閉状態を制御することにより、各制動装置に備わるホイルシリンダに供給される作動油の油圧を制動装置各々について個別に制御可能に構成されている。作動油の油圧は、各制動装置に備わるブレーキパッドの押圧力と一対一の関係にあり、作動油の油圧の高低が、各制動装置における制動力の大小に夫々対応する構成となっている。
ブレーキアクチュエータ610は、ECU100と電気的に接続されており、各制動装置から各車輪に付与される制動力は、ECU100により制御される構成となっている。尚、本実施形態に係る「制動装置620FL、620FR、620RL及び620RR」並びに「ブレーキアクチュエータ610」は、本発明に係る「制動力付与手段」の一例である。
車両10は、車載カメラ18及び車速センサ19を備える。車載カメラ18は、車両10のフロントノーズに設置され、車両10の前方における所定領域を撮像可能に構成された撮像装置である。車載カメラ18は、ECU100と電気的に接続されており、撮像された前方領域は、画像データとしてECU100に一定又は不定の周期で送出される構成となっている。
ECU100は、この画像データを解析し、例えば、LKA(車線維持走行のための操舵補助)制御に必要な各種データを取得可能である。尚、LKAには、公知の各種態様を適用可能であるので、ここでは、説明の煩雑化を防ぐ目的からここではその詳細については触れないこととする。
車速センサ19は、車両10の速度たる車速を検出可能に構成されたセンサである。車速センサ19は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
カーナビゲーション装置700は、車両10に設置されたGPSアンテナ及びVICSアンテナを介して取得される信号に基づいて、車両10の位置情報、車両10の周辺の道路情報(道路種別、道路幅、車線数、制限速度及び道路形状等)、信号機情報、車両10の周囲に設置された各種施設の情報、渋滞情報及び環境情報等を含む各種ナビゲーション情報を提供可能な装置である。カーナビゲーション装置700は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によりその動作状態が制御される構成となっている。
ARSアクチュエータ800は、左後輪RL及び右後輪RRの舵角である後輪舵角を、ステアリングホイル12を介して運転者が与える操舵入力とは独立して変化させることが可能な後輪操舵用アクチュエータである。
ARSアクチュエータ800は、ARSモータと減速ギア機構とを内蔵しており、このARSモータの駆動回路は、ECU100と電気的に接続されている。従って、ECU100は、この駆動回路の制御により、ARSモータの出力トルクであるARSトルクを制御することが可能である。
一方、減速ギアは、このARSモータのトルクを、減速を伴ってリアステアロッド20に伝達可能に構成されている。
リアステアロッド20は、左後輪RL及び右後輪RRと、夫々ジョイント部材21RL及び21RRを介して連結されており、ARSトルクによりリアステアロッド20が図示左右一方向に駆動されると、各後輪が一方向に転舵する構成となっている。
尚、ARSアクチュエータ800は、回転運動をストローク運動に変換可能な直動機構を備えていてもよい。この種の直動機構が備わる場合、リアステアロッド20は、この直動機構の左右方向のストローク運動に応じて後輪の舵角を変化させてもよい。
尚、後輪操舵装置の実践的態様は、後輪舵角を所定の範囲で可変とし得る限りにおいて、図示ARSアクチュエータ800のものに限定されない。
尚、本実施形態に係る車両10は、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ800により、前後輪の舵角を運転者側からの操舵入力から独立して制御することができる構成となっているが、本発明に係る車両は、このような車両構成に限定されない。例えば、本発明に係る車両は、車両10で言えばVGRSアクチュエータ400が存在しない、即ち、後輪舵角のみアクティブ制御可能な車両構成であってもよいし、ARSアクチュエータ800が存在しない、即ち、前輪舵角のみアクティブ制御可能な車両構成であってもよい。
(車両制御装置)
上述の如く構成された車両10に搭載された車両制御装置の一部としのECU100は、該車両10の運転者がブレーキペダル(不図示)を踏み込むことによって該車両10に制動力が生じる場合に、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRの各々がロックされないように、ブレーキアクチュエータ610により、制動装置620FL、620FR、620RL及び620RRに夫々供給される作動油の油圧を制御する。
ECU100は、ここでは不図示の回転センサ等により、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRの各々の回転をモニターしており、(i)左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRのうち一の車輪の回転が予め設定された減速度閾値を超えた場合、該一の車輪がロックされないように、該一の車輪に対応する制動装置に供給される作動油の油圧を低下させるようにブレーキアクチュエータ610を制御する。(ii)ECU100に係るクロック周波数により定まる所定周期後に、ECU100は、回転センサから出力に基づいて一の車輪の減速度を算出し、該算出された減速度に応じて、一の車輪に対応する制動装置に供給される作動油の油圧を変更する(典型的には、上昇させる)ようにブレーキアクチュエータ610を制御する。ECU100は、上記(i)及び(ii)の制御を繰り返し行う。このように、ECU100により、一の車輪に対応する制動装置に供給される作動油の油圧が制御されるため、該油圧は周期的に増減を繰り返すこととなる(図2参照)。
車両制御装置の一部としてのECU100は、更に、制動装置620FL、620FR、620RL及び620RRに夫々供給される作動油の油圧の増減周期を変更可能である。具体的には、ECU100は、例えば、(i)減圧基準(図2(a)の“P1”及び図2(b)の“P2”参照)を変更する、(ii)減圧量(図2(b)の“ΔP”参照)を変更する、或いは、(iii)増圧勾配を変更する、等によって、油圧の増減周期を変更する。
尚、図2は、制動装置に供給される油圧の時間変動の一例を示す図である。図2(a)は、通常時における油圧の時間変動の一例であり、図2(b)は、後述する左右制動力差が生じた場合における、高μ路と接している車輪に対応する制動装置に供給される油圧の時間変動の一例である。
車両10がスプリット路を走行している際に、ECU100により、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRの各々がロックされないように、制動装置620FL、620FR、620RL及び620RRに夫々供給される作動油の油圧が制御されると、スプリット路の低μ路と接している車輪に生じる制動力が、該スプリット路の高μ路と接している車輪に生じる駆動力よりも小さくなり、左右制動力差が生じる(図3(a)参照)。
この場合、生じた左右制動力差に起因して車両10にヨーモーメントが生じる。そこで、車両制御装置の一部としてのECU100は、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RR各々の舵角を夫々制御して生じたヨーモーメントを抑制するように、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ800を夫々制御する(図3(b)参照)。
ここで、本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、ヨーモーメントに起因する車両10のヨー方向の運動は、特定の周波数(即ち、ヨー共振周波数)の振動を増幅するという特徴を機械システムとして本質的に有している。このため、車両10に加えられる軽微な力であっても増幅されてしまう。加えて、制動力を適切に確保しようとする場合、上述した油圧の増減周期(図2(a)の“T1”参照)は、ヨー共振周波数に対応する周期(即ち、ヨー共振周波数の逆数)に近づく傾向がある。すると、左右制動力差に起因して生じたヨーモーメントを抑制するために、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ800が制御されると、ヨー共振周波数及び油圧の増減周期に起因して過渡的にヨーモーメントが増幅され、車両10の挙動が不安定になる可能性がある(図4参照)。
そこで、車両制御装置の一部としてのECU100は、特に、左右制動力差が生じた場合に、高μ路と接している車輪(ここでは、右前輪FR及び右後輪RR)に対応する制動装置に供給される作動油の油圧の増減周期(図2(b)の“T2”参照)を、ヨー共振周波数に対応する周期と異ならせるために、左右制動力差が生じない通常時(つまり、車両10が、例えばアスファルト舗装路等の一般道路を走行している場合)の増減周期よりも長くする。
この結果、車両制御装置によれば、一の車輪がロックされないように、該一の車輪に対応する制御装置に供給される作動油の油圧変動に伴うヨー方向の振動を抑制して、車両10の挙動の安定性を確保することができる。
本実施形態に係る「ECU100」は、本発明に係る「油圧制御手段」、「油圧増減周期変更手段」及び「制御手段」の一例である。本実施形態では、車両10の各種電子制御用のECU100の機能の一部を、車両制御装置の一部として用いている。
尚、図3は、車両に生じる制動力等の一例を示す概念図であり、図4は、ヨーモーメントが増幅された場合の車両の挙動の一例を示す概念図である。
ところで、上述の如く、左右制動力差に起因して生じたヨーモーメントを抑制するために、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ800が制御されると、左前輪FL及び右前輪FR各々の舵角が変更されることに起因して操舵反力が変化し、車両10の運転者が違和感を覚える可能性があることが、本願発明者の研究により判明している。
そこで、車両制御装置の一部としてのECU100は、左右制動力差に起因して生じたヨーモーメントを抑制するために、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ800を制御する際に、操舵反力の変動が抑制されるようにEPSアクチュエータ500を制御する。
具体的には、ECU100は、高μ路と接している前輪(ここでは、右前輪FR)に対応する制動装置(ここでは、制動装置620FR)に供給される作動油の油圧が減圧されるタイミングで、低μ路と接している前輪(ここでは、左前輪FL)側へステップ的に、本発明に係る「補助トルク」の一具体例としての、EPSトルクを付与するようにEPSアクチュエータ500を制御する。
この際、ECU100は、高μ路と接している前輪に対応する制動装置に供給される作動油の油圧の増減周期に応じて、操舵反力にダンピング力を付与する。より具体的には、ECU100は、例えばEPSトルクを演算するための演算式にダンピング項を加えること等によって、操舵反力にダンピング力を付与する。尚、ダンピング力は、例えばダンピング力を付与すべき車輪の転舵角度に応じて決定される。
尚、左右制動力差が生じている期間に、車両10が走行している道路が、スプリット路から一般道路へ変化する場合は、ECU100は、(i)左右制動力差に起因して生じたヨーモーメントを抑制するように、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ800を制御すると共に、(ii)高μ路と接している後輪に対応する制動装置に供給される作動油の油圧の増減周期のみを変更してよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
FL、FR、RL、RR…車輪、10…車両、11…プロペラシャフト、12…ステアリングホイル、13…アッパーステアリングシャフト、14…ロアステアリングシャフト、15…ラックバー、16…操舵角センサ、17…操舵トルクセンサ、100…ECU、200…エンジン、300…制駆動力分配装置、310…センターデファレンシャル機構、320…フロントデファレンシャル機構、330…リアデファレンシャル機構、400…VGRSアクチュエータ、500…EPSアクチュエータ、600…ECB、610…ブレーキアクチュエータ、620FL、620FR、620RL、620RR…制動装置、800…ARSアクチュエータ

Claims (8)

  1. 車輪に制動力を付与可能な油圧式の制動力付与手段と、
    前記車輪がロックされないように、前記制動力付与手段の油圧を制御可能な油圧制御手段と、
    前記油圧制御手段による油圧の増減周期を変更可能な油圧増減周期変更手段と、
    前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の増減周期を、車両に係るヨー共振周波数に対応する周期とは異ならしめるように前記油圧増減周期変更手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の増減周期を、前記左右制動力差が生じない場合に比べて長くするように前記油圧増減周期変更手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記油圧制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の変動幅が小さくなるように、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  4. 前記油圧増減周期変更手段は、前記油圧制御手段に係る減圧基準、減圧量及び増圧勾配のうち一つを変更することによって、前記油圧の増減周期を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している後輪に対応する前記油圧の増減周期を、前記左右制動力差が生じない場合から変更するように前記油圧増減周期変更手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  6. 前記車輪のうち転舵輪の転舵を促す操舵力を補助する補助トルクを、前記転舵輪に対し左右独立して付与可能な補助トルク付与手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の変動に応じて、前記補助トルク付与手段により前記転舵輪の少なくとも一方に対して付与される補助トルクを補正することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の減圧時に、路面摩擦係数が低い路面と接している転舵輪に補助トルクを付与するように前記補助トルク付与手段を制御することを特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記油圧制御手段が作動したことに起因して左右制動力差が生じた場合、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の減圧時に、前記路面摩擦係数が高い路面と接している車輪に対応する前記油圧の増減周期に応じて、操舵反力にダンピングを付与することを特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
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