JP5233950B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に設けられた車輪に付与する制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
近年、車両に搭載される複数の車輪の各々に与える制動力を電子的に制御することにより走行安定性や車両安全性の向上を図る電子制御ブレーキシステムの開発が盛んに進められている。電子制御ブレーキシステムには、ホイールシリンダ圧の増圧および減圧のために、コイルに電流を供給して開弁および閉弁させる電磁弁が広く用いられている。
ところで、電磁弁に多量の流体が流れると電磁弁の可動部材に自励振動が発生する場合がある。このような自励振動が発生すると異音が生じて運転者に不快感を与えてしまうおそれがある。
特許文献1には、車両用ブレーキ装置において液圧制御アクチュエータの自励振動が発生しうる状況を低減するため、決定される目標液圧が所定液圧より大きいとき、同決定される目標液圧を目標液圧の液圧変化率の上限が小さくなるように設定することで、液圧制御アクチュエータに多量の作動液が流れることを回避することが開示されている。
特許文献2には、プランジャの振動を抑制するため、プランジャの側面に凸部を設け、その凸部が設けられた箇所のプランジャの透磁率を変更した電磁弁が開示されている。
特開2005−247092号公報 特開2008−39157号公報
特許文献1に記載の技術は、目標液圧の勾配を制限する制御であり、制動応答性を対価として自励振動の発生を低減している。特許文献2に記載の技術においては、プランジャの側面に設けた凸部が、振動が発生していない状態においても開弁動作または閉弁動作に対して抵抗力として作用するため、自励振動が発生していないときの制御性がプランジャの振動を抑制するための対価となっている。
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電磁弁に発生しうる振動を抑制することができるブレーキ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置であって、ブレーキ液が供給されて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、ホイールシリンダに流路を介して接続され、通電制御により開度が調整される電磁弁と、パルス幅変調制御されたパルス信号を電磁弁に通電する制御をする制御部と、を備える。制御部は、電磁弁における自励振動の発生が予測された場合に、電磁弁に通電するパルス信号の周波数を所定の通常周波数より高くする。
この態様によると、パルス幅変調制御により駆動されている電磁弁に対して、パルス信号の周波数を制御することにより、電磁弁の自励振動を抑制することができる。
本発明の別の態様もまた、ブレーキ制御装置である。この装置は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御し、ブレーキ液が供給されて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、ホイールシリンダに流路を介して接続され、通電制御により開度が調整される電磁弁と、電磁弁への通電制御をする制御部と、を備える。制御部は、パルス幅変調制御したパルス信号を電磁弁に通電する第1駆動回路と、直流電流を電磁弁に通電する第2駆動回路と、を備える。制御部は、電磁弁における自励振動の発生が予測された場合に、電磁弁の駆動回路を第1駆動回路から第2駆動回路に切り替えて電磁弁に通電する。
この態様によると、電磁弁の自励振動を抑制しつつ、電磁弁の制御性を高めることができる。
制御部は、電磁弁に通電するパルス信号の周波数を所定の通常周波数より低くし、前記電磁弁に自励振動が生じるか否かを検出してもよい。これにより、電磁弁への空気の混入を検出することができる。
本発明に係るブレーキ制御装置によれば、電磁弁に発生しうる振動を抑制することができる。
実施形態に係るブレーキ制御装置の系統図である。 実施形態に係る電磁弁の断面図である。 実施形態に係るECUの機能構成を示す図である。 実施形態に係る電磁弁に通電するパルス信号の周波数と、プランジャとスリーブに生じる摩擦力の関係を示す図である。 実施形態に係る自励振動予測処理を示すフローチャートである。 実施形態に係る自励振動抑制処理の制御結果を示す図である。 実施形態に係るECUの機能構成の変形例を示す図である。 実施形態に係る駆動回路切替処理を示すフローチャートである。 実施形態に係る自励振動抑制処理の変形例の制御結果を示す図である。 実施形態に係る空気混入検査処理を示すフローチャートである。
図1は、実施形態に係るブレーキ制御装置10の系統図である。ブレーキ制御装置10には電子制御式ブレーキシステム(ECB)が採用されており、運転者によるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に設定する。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動液としてのブレーキオイルを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。また、ブレーキペダル12には、その踏込ストロークを検出するストロークセンサ46が設けられている。更に、マスタシリンダ14にはリザーバタンク26が接続されており、マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、電磁弁23を介して運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。電磁弁23はいわゆる常閉型のリニアバルブであり、電流が供給されていない状態では閉弁し、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作が検出された場合に電流が供給され開弁する。
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されている。ブレーキ油圧制御管16は、右前輪に制動力を付与する右前輪用ホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されている。ブレーキ油圧制御管18は左前輪に制動力を付与する左前輪用ホイールシリンダ20FLに接続されている。
ブレーキ油圧制御管16の中途には右マスタ弁22FRが設けられており、ブレーキ油圧制御管18の中途には左マスタ弁22FLが設けられている。右マスタ弁22FRおよび左マスタ弁22FLは、何れもいわゆる常開型のリニアバルブであり、電流が供給されている状態では閉弁してマスタシリンダ14と右前輪用ホイールシリンダ20FRまたは左前輪用ホイールシリンダ20FLとの連通を阻止し、電流の供給が減少または停止されることにより開弁してマスタシリンダ14と右前輪用ホイールシリンダ20FRまたは左前輪用ホイールシリンダ20FLとを連通させる。以下、必要に応じて右マスタ弁22FRおよび左マスタ弁22FLをマスタ弁22と総称する。
また、ブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧センサ48FRが設けられている。左前輪用のブレーキ油圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を検出する左マスタ圧センサ48FLが設けられている。ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、右マスタ圧センサ48FRおよび左マスタ圧センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。電子制御ユニット(以下、「ECU」という)200は、ストロークセンサ46の故障などを考慮して、フェイルセーフの観点から右マスタ圧センサ48FRおよび左マスタ圧センサ48FLの検出結果からマスタシリンダ圧を監視する。
リザーバタンク26には油圧給排管28の一端が接続されている。この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるポンプ34の吸込口が接続されている。ポンプ34の吐出口は高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。第1の実施形態では、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる2体以上のピストン(図示せず)を備えた往復動ポンプがポンプ34として採用されている。また、アキュムレータ50として、ブレーキ液の圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるアキュムレータが採用されている。
アキュムレータ50は、ポンプ34によって例えば14〜22MPa程度にまで昇圧されたブレーキ液を蓄える。また、リリーフバルブ53の弁出口は、油圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50におけるブレーキ液の圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキ液は油圧給排管28へと戻される。更に、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50におけるブレーキ液の圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
高圧管30は、右前輪用増圧弁40FR、左前輪用増圧弁40FL、右後輪用増圧弁40RR、および左後輪用増圧弁40RL(以下、必要に応じてこれらを総称して「増圧弁40」という)を介して、右前輪用ホイールシリンダ20FR、左前輪用ホイールシリンダ20FL、右後輪用ホイールシリンダ20RR、および左後輪用ホイールシリンダ20RL(以下、必要に応じてこれらを総称して「ホイールシリンダ20」という)にそれぞれ接続されている。増圧弁40の各々はいわゆる常閉型のリニアバルブ(電磁弁)であり、電流が供給されていない状態では閉弁してホイールシリンダ圧を増圧させず、電流が供給されることにより開弁してホイールシリンダ圧を増圧させる。ホイールシリンダ20は、ブレーキ液が供給されることで車輪に制動力を付与する。
右前輪用ホイールシリンダ20FR〜右後輪用ホイールシリンダ20RRは、それぞれ右前輪用減圧弁42FR、左前輪用減圧弁42FL、右後輪用減圧弁42RR、および左後輪用減圧弁42RL(以下、必要に応じてこれらを総称して「減圧弁42」という)に接続されている。
右前輪用減圧弁42FRおよび左前輪用減圧弁42FLはいわゆる常閉型のリニアバルブ(電磁弁)であり、電流が供給されていない状態では閉弁してホイールシリンダ圧を減圧させず、電流が供給されることにより開弁してホイールシリンダ圧を減圧させる。一方、左後輪用減圧弁42RLおよび右後輪用減圧弁42RRはいわゆる常開型のリニアバルブ(電磁弁)であり、電流が供給されている状態では閉弁してホイールシリンダ圧を減圧させず、電流の供給が減少または停止されることにより開弁してホイールシリンダ圧を減圧させる。リニアバルブは、ホイールシリンダ20に流路を介して接続され、通電制御により開度が調整される。
右前輪用ホイールシリンダ20FR、左前輪用ホイールシリンダ20FL、右後輪用ホイールシリンダ20RR、および左後輪用ホイールシリンダ20RL付近の油圧配管には、それぞれ対応するホイールシリンダ20の液圧を検出する右前輪用ホイールシリンダ圧センサ44FR、左前輪用ホイールシリンダ圧センサ44FL、右後輪用ホイールシリンダ圧センサ44RR、および左後輪用ホイールシリンダ圧センサ44RL(以下、必要におうじてこれらを総称して「ホイールシリンダ圧センサ44」という)がそれぞれ設けられている。
上述のマスタ弁22、増圧弁40、減圧弁42、ポンプ34、アキュムレータ50、マスタ圧センサ48、ホイールシリンダ圧センサ44、アキュムレータ圧センサ51などによって油圧アクチュエータ80が構成される。油圧アクチュエータ80はECU200によってその作動が制御される。さらに、常閉型の電磁弁である増圧弁40および減圧弁42について具体的に説明する。
図2は、実施形態に係る電磁弁100の断面図である。電磁弁100は、ECU200により、供給される電流値を調整され、弁の開度が調整される。電磁弁100は、閉弁電流が供給されている状態では閉弁し作動液の流通を遮断し、電流の供給が減少または停止されることにより開弁して作動液を流通させる常開型の電磁弁である。
電磁弁100は、ガイド110、シャフト112、ロッド114、プランジャ116、シート118、スリーブ120、コイルバネ122、コイルヨーク126、リングヨーク128、およびコイル130を備える。シャフト112、ロッド114およびプランジャ116が付勢力や電磁力により可動する可動部材として機能する。なお、便宜上、図面における下方向を第1方向として、上方向を第2方向として説明する。第1方向はロッド114の先端部114aが弁座118bに向かう方向であり、第2方向はロッド114の先端部114aが弁座118bから離間する方向である。
ガイド110は円柱状に形成された磁性体であり、軸方向の略中央から第2方向側にシート嵌込孔110aが、第1方向側にシャフト摺動孔110cが、ガイド110の中心軸と同軸となり且つ相互に貫通するよう設けられている。シャフト摺動孔110cの第2方向側の端部には、シャフト摺動孔110cよりも内径が微小に大きい挿通孔110dが設けられている。また、ガイド110には、シート嵌込孔110aの内壁から外面へと径方向に貫通する導出ポート110bが設けられている。導出ポート110bはブレーキ回路の液圧給排管と連通し、作動液を液圧給排管に導出する。
シャフト112は非磁性体によって形成され、第2方向側の端部から所定長さにわたって他の部分より径の細いシャフト嵌挿部112aが設けられる。シャフト112の第1方向側の端部には、有底孔であるロッド嵌挿孔112bが中心軸と同軸に設けられている。
ロッド114は、非磁性体によって形成され、ロッド端部114aは半球状に形成されている。ロッド114は、中心軸方向に移動し、ロッド端部114aがシート118の弁座118bに着座または離間することで、作動液の流通を遮断または連通する。
ロッド端部114aとは逆の第2方向側の端部から所定長さにわたってロッド嵌挿部114bが設けられており、このロッド嵌挿部114bがシャフト112のロッド嵌挿孔112bに嵌挿され、ロッド114がシャフト112に同軸に固定される。
プランジャ116は円筒状に形成された磁性体であり、シャフト嵌挿孔116aが中心軸と同軸に貫通して設けられている。プランジャ116には、他の外周面よりも径が小さい挿通部116bが第1方向側の端部から所定長さにわたって設けられている。挿通部116bが設けられた第1方向の端部側からシャフト112のシャフト嵌挿部112aがシャフト嵌挿孔116aに嵌挿されることにより、プランジャ116がシャフト112に固定される。
シート118は、円柱状に形成された非磁性体である。シート118は、ガイド110のシート嵌込孔110aに挿入され、ガイド110から抜けることのないよう嵌め込まれる。
シート118には、中心軸と同軸に導入ポート118aが設けられ、導入ポート118aの上端に連通孔が形成される。その連通孔が形成された逆側には、テーパ状の弁座118bが形成される。
スリーブ120は、円柱状に形成された磁性体である本体部120aに円筒部が同軸となるよう一体的に結合されたカップ形状に形成される。この円筒部は、非磁性体によって形成されたガイド部120bを有する。ガイド部120bは、第1方向側の開口端部から所定長さにわたって設けられる。
スリーブ120の円筒部内部に、プランジャ116が挿入された後、挿通孔110dが設けられた側からガイド110がスリーブ120の円筒部内部に嵌め込まれて、ガイド110がスリーブ120に固定される。そして、シャフト112、ロッド114およびシート118が順に所定の孔に挿入され、ロッド端部114aが弁座118bに向かう方向および弁座118bから離間する方向に移動可能に設けられる。
コイル130は、プランジャ116の外部を囲うよう、スリーブ120の外部において巻回される。コイルヨーク126はカップ状に形成された磁性体である。コイルヨーク126は、コイル130の径方向外側に、コイルヨーク126がコイル130を囲うように配置される。リングヨーク128は円板状の磁性体であり、中央の挿通孔がガイド110の外周に嵌め込まれることによりガイド110に固定される。コイルヨーク126は、スリーブ120の本体部120aおよびリングヨーク128に取り付けられる。こうしてコイル130は、磁性体であるコイルヨーク126およびリングヨーク128によってその外周が覆われる。
スリーブ120の本体部120aのうちガイド部120bに連結された側の端部には、有底のバネ収容孔120dが設けられている。コイルバネ122は、圧縮された状態で一端がスリーブ120のバネ収容孔120dの底部に当接し、他端がプランジャ116のバネ収容孔116eの底部に当接することにより、プランジャ116に第1方向に向かう付勢力を与える。したがって通常は、コイルバネ122の付勢力によってロッド114の先端部114aが弁座118bに着座した状態となっている。
プランジャ116には、第2方向側の端部として、外周近傍に円環状の上端部116cが設けられる。スリーブ120の底部120eは、コイル130に電流が供給されて発生する磁束の流れにより上端部116cとの間でプランジャ116に対し第1方向に吸引力を与えるようプランジャ116の第1方向側に位置する。すなわち、コイル130に電流が供給されて発生する電磁力は、プランジャ116に第2方向の力を与える。プランジャ116が電磁力により上下に移動すると、シャフト112およびロッド114の可動部材も一体的に、プランジャ116とともに上下に移動する。
図3は、実施形態に係るECU200の機能構成を示す図である。ブレーキECU200は、目標液圧演算部60と、液圧制御部61と、周波数設定部62と、駆動回路63とを備える。
目標液圧演算部60は、ストロークセンサ46およびマスタ圧センサ48の出力にもとづいて各ホイールシリンダ20に付与すべき制動力に応じた目標液圧を算出する。なお、目標液圧演算部60は、所与の運転支援制御部からの出力に応じた目標液圧を算出してもよい。
液圧制御部61は、目標液圧演算部60から目標液圧を受け取る。液圧制御部61は、目標液圧に応じて、ホイールシリンダ圧を制御する。具体的には、液圧制御部61は、目標液圧およびホイールシリンダ圧にもとづき、所定の制御マップを参照して増圧弁40および減圧弁42への通電電流値を算出する。液圧制御部61は、駆動回路63に算出した各電磁弁への通電電流値を供給する。なお、液圧制御部61は、所定の制御マップに代えて所定の計算式を用いて、増圧弁40および減圧弁42への通電電流値を算出してもよい。
液圧制御部61は、各電磁弁への通電電流値にもとづいて制御されたホイールシリンダ圧をホイールシリンダ圧センサ44から取得する。そして液圧制御部61は、ホイールシリンダ圧が目標液圧と異なる場合は、フィードバック制御によって、ホイールシリンダ圧を目標液圧に調整する。
また液圧制御部61は、増圧弁40および減圧弁42における自励振動の発生が予測されたかどうか判定し、その判定結果を周波数設定部62に供給する。
ここで増圧弁40および減圧弁42への通電電流は、パルス幅変調制御されているパルス信号である。このパルス信号の平均電流値が、目標液圧に応じて算出された増圧弁40および減圧弁42への通電電流値であってよい。液圧制御部61は、算出された増圧弁40および減圧弁42への通電電流値に応じてパルス信号のデューティ比を調整する制御をし、駆動回路63にデューティ比を供給してもよい。このパルス信号は、通常時において所定の通常周波数で出力される。液圧制御部61は、パルス幅変調制御されたパルス信号を電磁弁に通電するための制御をする。パルス幅変調制御により電磁弁を駆動することで、消費電力を低減することができる。
周波数設定部62は、液圧制御部61の判定結果を受け取り、増圧弁40および減圧弁42における自励振動の発生が予測された場合に、増圧弁40および減圧弁42に通電するパルス信号の周波数を大きくする。具体的には、周波数設定部62は、増圧弁40および減圧弁42における自励振動の発生が予測された場合に、所定の通常周波数より高い所定の振動抑制周波数をパルス信号の周波数として設定する。また、周波数設定部62は、増圧弁40および減圧弁42における自励振動の発生が予測されなければ、所定の通常周波数をパルス信号の周波数として設定する。
駆動回路63は、増圧弁40および減圧弁42にパルス信号を通電し、増圧弁40および減圧弁42の開度を調整する。駆動回路63により出力されるパルス信号の周波数は周波数設定部62により設定された周波数である。このような通電制御により、増圧弁40および減圧弁42の開度が調整される。
ところで、パルス幅変調制御されたパルス信号により電磁弁を駆動すると、電磁弁に自励振動が発生する可能性がある。この自励振動について具体的に説明する。パルス幅変調制御により電磁弁を駆動しているとき、電磁弁の可動部材であるシャフト112、ロッド114およびプランジャ116が常に微少に動く。このとき、電磁弁の下流側の液圧と上流側の液圧の差圧と、電磁弁に流れ込むブレーキ液の流量との関係でロッド端部114aと弁座118bとの距離が安定せずにプランジャ自身が振動を始めることがある。その場合、プランジャの振動によりブレーキ液自身が脈動し、その脈動が電磁弁を振動させ、あるいは電磁弁内の各部で音を発生させることになる。このような現象を自励振動といい、自励振動が発生すると異音が生じて運転者に不快感を与えてしまうおそれがある。
そこで実施形態に係るECU200は、電磁弁における自励振動の発生が予測された場合に、所定の通常周波数より高い周波数のパルス信号を電磁弁に通電するよう制御する。すなわち、ECU200は電磁弁へのパルス信号の周波数をより大きい周波数に変更する。これにより、プランジャ116とスリーブ120とにより生じる摩擦力を大きくして、プランジャ116が振動することを抑制し、自励振動を抑えることができる。
図4は、実施形態に係る電磁弁に通電するパルス信号の周波数と、プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力の関係を示す。本図の縦軸に摩擦力を示し、横軸に周波数を示す。周波数fが通常周波数を示し、周波数fが振動抑制周波数を示す。また周波数fは、周波数がゼロであって、直流電流である場合を示す。一点鎖線は、パルス信号の周波数とプランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力の関係を示す。なお、周波数fについては後述する。
一般的なパルス幅変調制御では、パルス信号の周波数は、通常周波数fに固定されている。この通常周波数fは、以下のように定められる。まず、パルス信号の周波数が低い帯域には、電磁弁から異音が発生するために使用できない帯域がある。たとえば、周波数fより低い帯域の周波数が、異音により使用できない帯域である。一方、パルス信号の周波数を高くすると、デューティ比により制御できる電圧の制御幅が小さくなる。パルス信号の電圧とは、パルス信号の平均電圧であってよい。これらを考慮して所定の通常周波数fが定められる。
次に、振動抑制周波数fは、以下のように定められる。一点鎖線に示すように、電磁弁に通電するパルス信号の周波数を高くすると、プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力が大きくなる。これは、パルス信号の周波数が高くなると、プランジャ116等の動きが小さくなり、ディザによる摩擦低減効果が弱まり、プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力が大きくなるからである。周波数fに示すように、周波数がゼロであればディザによる摩擦低減効果が発揮されず、プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力は大きくなっている。
また、一点鎖線に示すように、パルス信号の周波数を非常に大きくしても、そのときの摩擦力は、周波数fの摩擦力と比べてあまり変化せず、代わりにデューティ比により制御可能な電圧の制御幅がさらに狭くなっていく。そこで、振動抑制周波数fは、パルス信号の周波数とプランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力の関係と、パルス信号の周波数と電圧の制御幅の関係にもとづいて定められる。このように振動抑制周波数fを定めることで、電圧の制御性を損なうことなく、電磁弁の自励振動を抑制することができる。
図5は、実施形態に係る自励振動予測処理を示すフローチャートである。本図に示す処理は、繰り返し実行されてよい。
液圧制御部61は、車速が所定車速以上であるかどうか判定する(S12)。車両が所定車速より小さい低速度で走行している場合、一般に、制動要求が多いことに加えて、大きな液圧が発生する可能性が高い反面、乗員が異音を聞き取りやすい状況にある。そこで、所定車速以下であるときに、自励振動を抑制する。
車速が所定車速以上でなければ(S12のN)、液圧制御部61は、自励振動予測フラグをオフする(S20)。自励振動予測フラグがオンになると、自励振動の発生が予測された場合となる。一方、車速が所定車速以上であれば(S12のY)、液圧制御部61は、ホイールシリンダ圧が所定圧以上であるかどうか判定する(S14)。ホイールシリンダ圧が高圧であれば、電磁弁に高い差圧が作用し、電磁弁に自励振動が発生しやすいからである。たとえば減圧弁42には、大気圧とホイールシリンダ圧の差圧が作用する。
ホイールシリンダ圧が所定圧以上でなければ(S14のN)、液圧制御部61は、自励振動予測フラグをオフする(S20)。一方、ホイールシリンダ圧が所定圧以上であれば(S14のY)、液圧制御部61は、制動要求が急制動であるかどうか判定する(S16)。制動要求が急制動であるかどうか、ストロークセンサ46の出力、マスタ圧センサ48の出力、および目標液圧演算部60により算出された目標液圧の変化率の少なくとも一つにもとづいて判定してよい。制動要求が急制動であれば、電磁弁に流れ込むブレーキ液の流量が多くなり、電磁弁に自励振動が発生しやすいからである。
制動要求が急制動でなければ(S16のN)、液圧制御部61は、自励振動予測フラグをオフする(S20)。一方、制動要求が急制動であれば(S16のY)、液圧制御部61は、自励振動予測フラグをオンする(S18)。これにより、自励振動の発生を予測することができる。なお、S12,S14,S16の判定条件は、適宜組み合わせて用いてよい。これらの判定条件は、ホイールシリンダ圧を調整するリニアバルブに対して適用可能である。図1に示したECBと異なる種類のECBを用いる場合は、S12,S14,S16の判定条件とは別の判定条件を用いてよい。すなわち、判定条件を変えれば、他の種類のECBに対して、実施形態に係る自励振動抑制処理が適用可能である。
図6は、実施形態に係る自励振動抑制処理の制御結果を示す図である。図6(a)は目標液圧およびホイールシリンダ圧の制御結果を示し、図6(b)は増圧弁40への通電電流を示し、図6(c)は増圧弁40への通電電圧を示す。図6(a)に示す実線66は目標液圧を示し、一点鎖線67はホイールシリンダ圧を示す。
図6(a)の実線66に示す目標液圧において、時刻tから勾配が大きくなり急制動が生じている。そして、図6(a)の一点鎖線67に示すホイールシリンダ圧が時刻tから所定圧以上となり、時刻tから自励振動を抑制する処理が開始されている。
目標液圧の増加に伴って、常閉型の増圧弁40は開度が大きくなるように制御され、図6(b)に示す増圧弁40への通電電流は、徐々に大きくなっている。また、パルス幅変調制御を実行しているため通電電流は、パルス信号の周期に応じて振動しているような値となっている。
図6(c)に示す増圧弁40への通電電圧において、自励振動抑制処理が開始された時刻tから、周波数が通常周波数からより大きい振動抑制周波数に変更されている。本図に示す実施形態では、振動抑制周波数は通常周波数の約2倍の大きさであるが、この大きさは電磁弁の種類や個体差に応じて調整されてよい。なお、自励振動抑制処理によってはパルス信号のデューティ比が変更されることはなく、デューティ比は通常時と同様に目標液圧にもとづいて調整される。このように、パルス信号の周波数を変更するというシンプルな制御で電磁弁の自励振動を抑制することができる。
なお、図6では、パルス信号の周波数を通常周波数から振動抑制周波数に切り替える制御を示したが、制御を円滑にするため、ECU200はパルス信号の周波数を通常周波数から徐々に振動抑制周波数になるように漸増させてよい。
ところで、図4において、パルス信号の周波数fがゼロのとき、すなわち電磁弁を駆動するための通電電流が直流電流である場合、プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力は、通常周波数fを用いた場合と比べて大きくなる。これは以下の理由による。
パルス幅変調制御においてプランジャ116がパルス信号のオンおよびオフに応じて常に微少に動いているため、ディザの摩擦低減効果によりプランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力が小さくなる。一方、直流電流により電磁弁を駆動すると、パルス幅変調制御のようにプランジャ116がパルス信号のオンおよびオフに応じて動くことがないため、ディザの摩擦低減効果がなくなり、プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力が大きくなる。パルス信号の周波数を大きくすればするほど、図4の一点鎖線は、直流電流により電磁弁を駆動したときの摩擦力に近づく。プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力が大きければ、電磁弁に発生する自励振動を抑制することが可能である。
そこで、実施形態の変形例において、ECU200は、電磁弁における自励振動の発生が予測された場合に、電磁弁へ電流を供給するための駆動回路をパルス幅変調制御する第1駆動回路から直流電流を供給可能な第2駆動回路に切り替えて電磁弁に通電する。これにより、電磁弁における自励振動の発生が予測された場合に、自励振動を抑制することができる。
図7は、実施形態に係るECU200の機能構成の変形例を示す図である。ブレーキECU200は、目標液圧演算部60と、液圧制御部70と、第1駆動回路71と、第2駆動回路72とを備える。
目標液圧演算部60は、ストロークセンサ46およびマスタ圧センサ48の出力にもとづいて各ホイールシリンダ20に付与すべき制動力に応じた目標液圧を算出する。液圧制御部70は、目標液圧演算部60から目標液圧を受け取る。液圧制御部70は、目標液圧に応じて、ホイールシリンダ圧を制御する。具体的には、液圧制御部70は、目標液圧およびホイールシリンダ圧にもとづき、所定の制御マップを参照して増圧弁40および減圧弁42への通電電流値を算出する。液圧制御部70は、通常時、第1駆動回路71に算出した各電磁弁への通電電流値を供給する。この液圧制御部70が第1駆動回路71に供給する通電電流値はデューティ比であってよい。なお、フィードバック制御など通常の液圧制御は、液圧制御部61での制御と同様であり、パルス幅変調制御が実行されている。
また液圧制御部70は液圧制御部61と同様に、増圧弁40および減圧弁42における自励振動の発生が予測されたかどうか判定する。増圧弁40および減圧弁42における自励振動の発生が予測されれば、液圧制御部70は、電磁弁へ電流を供給するための駆動回路を第1駆動回路71から第2駆動回路72に切り替える。そして自励振動抑制処理中は、液圧制御部70は、第1駆動回路71に通電電流値を供給せず、第2駆動回路72に算出した各電磁弁への通電電流値を供給する。第2駆動回路72は各電磁弁に対して個別に設けられてよく、各電磁弁のうちいずれか複数の電磁弁に対して共通に設けられてもよい。複数の電磁弁に対して共通に第2駆動回路72を設けることで、コストを抑えることができる。
第1駆動回路71は、液圧制御部70から受け取ったデューティ比に応じてパルス幅変調制御したパルス信号を電磁弁に通電し、増圧弁40および減圧弁42の開度を調整する。このパルス信号は、所定の通常周波数で出力される。なお第1駆動回路71を用いた場合、第2駆動回路72を用いた場合と比べて、消費電力を低減できる。
第2駆動回路72は、液圧制御部70から受け取った通電電流値に応じて直流電流を電磁弁に通電する。なお第2駆動回路72を用いた場合、第1駆動回路71を用いた場合と比べて、電流の制御レンジが拡がって電流の分解能が高まるため、通電電流の制御性を高めることができる。したがって、第2駆動回路72を用いることで、電磁弁の開度を調整するための制御性を向上することができる。
図8は、実施形態に係る駆動回路切替処理を示すフローチャートである。本図に示す処理は繰り返し実行される。
液圧制御部70は、駆動回路の電源部に省電力が必要であるかどうか判定する(S22)。たとえば、駆動回路の電源部の電源電圧が所定値以下であれば、省電力が必要であると判定する。
駆動回路の電源部に省電力が必要でなければ(S22のN)、液圧制御部70は、第2駆動回路を用いることを選択する(S30)。省電力が必要でない場合に第2駆動回路72を用いることで、電磁弁の制御性を向上することができる。一方、駆動回路の電源部に省電力が必要であれば(S22のY)、液圧制御部70は、車速が所定車速以上であるかどうか判定する(S24)。
車速が所定車速以上でなければ(S24のN)、液圧制御部70は、第1駆動回路を用いることを選択する(S32)。一方、車速が所定車速以上であれば(S24のY)、液圧制御部70は、ホイールシリンダ圧が所定圧以上であるかどうか判定する(S26)。
ホイールシリンダ圧が所定圧以上でなければ(S26のN)、液圧制御部70は、第1駆動回路を用いることを選択する(S32)。一方、ホイールシリンダ圧が所定圧以上であれば(S26のY)、液圧制御部70は、制動要求が急制動であるかどうか判定する(S28)。
制動要求が急制動でなければ(S28のN)、液圧制御部70は、第1駆動回路を用いることを選択する(S32)。一方、制動要求が急制動であれば(S28のY)、電磁弁における自励振動の発生が予測された場合であるとして、液圧制御部70は、第2駆動回路を用いることを選択する(S30)。これにより、省電力が必要でない場合、および自励振動の発生を予測した場合に、自励振動を抑制可能な第2駆動回路72を用いることができる。なお、S24,S26,S28の判定条件は、適宜組み合わせて用いてよい。これらの判定条件は、ホイールシリンダ圧を調整するリニアバルブに対して適用可能である。図1に示したECBと異なる種類のECBを用いる場合は、S24,S26,S28の判定条件とは別の判定条件を用いてよい。
図9は、実施形態に係る自励振動抑制処理の変形例の制御結果を示す図である。図9(a)は目標液圧およびホイールシリンダ圧の制御結果を示し、図9(b)は増圧弁40への通電電流を示し、図9(c)は増圧弁40への通電電圧を示す。図9(a)に示す実線66は目標液圧を示し、一点鎖線67はホイールシリンダ圧を示す。
図9(a)は、図6(a)と同様であり、時刻tから自励振動を抑制する処理が開始されている。目標液圧の増加に伴って、常閉型の増圧弁40は開度が大きくなるように制御され、図9(b)に示す増圧弁40への通電電流は、徐々に大きくなっている。図9(b)において、時刻tから自励振動を抑制する処理が開始されると、増圧弁40への通電電流が直流電流に変更されている。
図9(c)に示す増圧弁40への通電電圧は、自励振動抑制処理が開始された時刻tから、パルス信号から直流電圧に変更されている。このように制御することで、電磁弁の自励振動を抑制し、電磁弁の制御性を向上することができる。
ところで、図4において説明したように、電磁弁に供給するパルス信号の周波数を変化させると、プランジャ116とスリーブ120に生じる摩擦力が変化し、電磁弁の自励振動の発生率が変化する。すなわち、電磁弁に供給するパルス信号の周波数を変化させることで、電磁弁の自励振動の発生率を制御することができる。
電磁弁の内部に空気が混入すると、電磁弁を駆動したときに自励振動の発生率が高まる。そこで、実施形態に係るECU200は、電磁弁に通電するパルス信号の周波数を所定の通常周波数より低くして電磁弁に生じる自励振動を検出することによって、電磁弁への空気の混入を検出する。これにより、電磁弁に混入した空気を検出することができる。また、周波数設定部を自励振動抑制処理および空気混入検査に共通に使えることができる。
具体的に図3および図4を参照しながら説明する。周波数設定部62は、液圧制御部61の指令に応じてパルス信号の周波数を通常周波数fから図4に示す検査用周波数fに変更する。この検査用周波数fは、通常周波数fより低い。また、検査用周波数fよりさらに低い周波数にすると磁歪音が生じるため、検査用周波数fは、磁歪音が生じないような値に定められる。なお、図4の一点鎖線が記載されていない低周波数帯域が、磁歪音が生じる周波数帯域である。
図10は、実施形態に係る空気混入検査処理を示すフローチャートである。まず、液圧制御部61は、空気混入検査モードであるかどうか判定する(S34)。たとえば外部診断機がECU200に接続され、外部診断機からの指令に応じて空気混入検査モードが開始される。液圧制御部61は、空気混入検査モードでなければ(S34のN)、本処理を終了する。
空気混入検査モードであれば(S34のY)、液圧制御部61はその判定結果を周波数設定部62に送出し、周波数設定部62はパルス信号の周波数を通常周波数から検査用周波数に設定する(S36)。そして、液圧制御部61は自励振動発生制御を実行する(S38)。
ここで自励振動発生制御について説明する。自励振動発生制御では、液圧制御部61は電磁弁の自励振動が発生しやすい制動制御を実行する。具体的には、液圧制御部61は、ホイールシリンダ圧を所定の検査圧以上に高圧にし、目標液圧の勾配を所定勾配以上に急勾配にし、目標液圧を上下させる制動制御を実行する。これにより、空気が混入している場合に電磁弁の自励振動が発生する。
そして、液圧制御部61は、自励振動発生制御中に電磁弁に所定の閾値以上の大きさの自励振動が発生しているかどうか判定する(S40)。具体的には、電磁弁の自励振動が発生すると、ブレーキ液も脈動するため、電磁弁と連通している流路の液圧に振動が発生しているかどうか判定する。たとえば、増圧弁40においては、自励振動発生制御中のホイールシリンダ圧センサ44の出力を、所定のハイパスフィルタに通して高周波帯域の出力を取り出し、その高周波帯域の出力が所定閾値以上に大きければ、増圧弁40に自励振動が発生していると判定する。
液圧制御部61は、自励振動発生制御中に電磁弁に自励振動が発生していなければ(S40のN)、本処理を終了する。一方、自励振動発生制御中に電磁弁に自励振動が発生していれば(S40のY)、液圧制御部61は、空気が混入しているとして空気の混入を示すフラグを立てて、空気が混入していることを示す情報を外部診断機などに表示する(S42)。このように電磁弁へのパルス信号の周波数を低くして制動制御を実行することで、空気の混入を検出することができる。
なお図7に説明した変形例のECU200は、液圧制御部70の指令に応じて第1駆動回路71が出力するパルス信号の周波数を設定する周波数設定部(不図示)をさらに備え、上述のように空気混入検査処理をする。空気混入検査処理において、自励振動発生制御を自動ではなく、ブレーキペダルを踏むことで検査者により手動で実行させてもよい。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 ブレーキ制御装置、 12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 16,18 ブレーキ油圧制御管、 20 ホイールシリンダ、 22 マスタ弁、 22FL 左マスタ弁、 22FR 右マスタ弁、 23 電磁弁、 24 ストロークシミュレータ、 26 リザーバタンク、 28 油圧給排管、 30 高圧管、 32 モータ、 34 ポンプ、 40 増圧弁、 42 減圧弁、 44 ホイールシリンダ圧センサ、 46 ストロークセンサ、 48 マスタ圧センサ、 50 アキュムレータ、 51 アキュムレータ圧センサ、 53 リリーフバルブ、 60 目標液圧演算部、 61 液圧制御部、 62 周波数設定部、 63 駆動回路、 70 液圧制御部、 71 第1駆動回路、 72 第2駆動回路、 80 油圧アクチュエータ、 100 電磁弁、 110 ガイド、 110a シート嵌込孔、 110b 導出ポート、 110c シャフト摺動孔、 110d 挿通孔、 112 シャフト、 112a シャフト嵌挿部、 112b ロッド嵌挿孔、 114 ロッド、 114a ロッド端部、 114b ロッド嵌挿部、 116 プランジャ、 116a シャフト嵌挿孔、 116b 挿通部、 116c 上端部、 118 シート、 118a 導入ポート、 118b 弁座、 120 スリーブ、 120a 本体部、 120b ガイド部、 122 コイルバネ、 126 コイルヨーク、 128 リングヨーク、 130 コイル、 200 ECU。

Claims (3)

  1. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置であって、
    ブレーキ液が供給されて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記ホイールシリンダに流路を介して接続され、通電制御により開度が調整される電磁弁と、
    パルス幅変調制御されたパルス信号を前記電磁弁に通電する制御をする制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記電磁弁における自励振動の発生が予測された場合に、前記電磁弁に通電するパルス信号の周波数を所定の通常周波数より高くすることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置であって、
    ブレーキ液が供給されて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記ホイールシリンダに流路を介して接続され、通電制御により開度が調整される電磁弁と、
    前記電磁弁への通電制御をする制御部と、を備え、
    前記制御部は、パルス幅変調制御したパルス信号を前記電磁弁に通電する第1駆動回路と、直流電流を前記電磁弁に通電する第2駆動回路と、を備え、
    前記制御部は、前記電磁弁における自励振動の発生が予測された場合に、前記電磁弁の駆動回路を前記第1駆動回路から前記第2駆動回路に切り替えて前記電磁弁に通電することを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 前記制御部は、前記電磁弁に通電するパルス信号の周波数を所定の通常周波数より低くし、前記電磁弁に自励振動が生じるか否かを検出することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
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