JP4737041B2 - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁 Download PDF

Info

Publication number
JP4737041B2
JP4737041B2 JP2006303375A JP2006303375A JP4737041B2 JP 4737041 B2 JP4737041 B2 JP 4737041B2 JP 2006303375 A JP2006303375 A JP 2006303375A JP 2006303375 A JP2006303375 A JP 2006303375A JP 4737041 B2 JP4737041 B2 JP 4737041B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
plunger
pressure
solenoid
damper chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006303375A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008121721A (ja
Inventor
雅邦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006303375A priority Critical patent/JP4737041B2/ja
Publication of JP2008121721A publication Critical patent/JP2008121721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4737041B2 publication Critical patent/JP4737041B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Valves (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Description

本発明は電磁弁に関し、特に車両用液圧ブレーキ装置等の液圧回路に用いられる液圧制御弁として好適な電磁弁に関する。
従来より、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させて、ホイールシリンダにその液圧回路内の液圧を供給することにより車両の車輪に制動力を付与する車両用液圧ブレーキ装置が知られている。このような液圧ブレーキ装置には、そのホイールシリンダの手前に増圧弁や減圧弁等の電磁弁が設けられており、これらの電磁弁を開閉制御することによってホイールシリンダへの作動液の給排量を調整して液圧を制御し、各車輪に適切な制動力を付与している。
このような液圧ブレーキ装置に用いられる電磁弁は、弁部を内蔵したボディとソレノイドとを一体に組み付けて構成されている。ボディの内部において作動液が導入・導出される通路には弁座が設けられており、その弁座に着脱して弁部を開閉可能な弁体が配設されている。弁体は、ソレノイドを構成するプランジャに一体動作可能に支持されている。
たとえば常閉型の電磁弁であれば、ソレノイドに通電がされると、ソレノイドの固定鉄心とプランジャとの間に吸引力(以下、「ソレノイド力」ともいう)が発生し、弁体が弁座から離間する開弁方向に動作する。プランジャと固定鉄心との間には、ソレノイド力に抗してプランジャひいては弁体を固定鉄心から離間させる閉弁方向に付勢するスプリングが介装されている。このため、ソレノイドへの通電が遮断されると、弁体が弁座に着座して閉弁状態を保持する。ソレノイドに通電がなされた制御中においては、弁体に負荷される前後差圧による力、ソレノイド力、およびスプリングによる荷重がバランスするように弁開度が調整される。
ところで、このような電磁弁は一般に、ブレーキペダルの操作等に起因する前後差圧の変動による自励振動の問題をかかえている。例えば、ブレーキをかけて車両が停止している状態から発進しようとする場合、ブレーキペダルの操作が緩められると、制御部による減圧弁の開弁制御によりブレーキシリンダから作動液がリザーバに流入する。この場合、減圧弁の弁部において弁体が弁座から離間する際に、両者間の摩擦抵抗が急減するため、減圧弁の自励振動が発生しやすくなる。
より詳細には、ソレノイドに通電がされてプランジャの動作とともに弁体が弁座から離間すると、作動液が高圧の一次圧側から低圧の二次圧側へ流れる。特に、開弁直後は弁部における作動液の流れが変動するため、弁体ひいてはプランジャがその変動する流れによる流体力を受けることになる。この過渡的な力のアンバランスにより、プランジャが振動する。一方、開弁直後は弁部の圧力が上昇するが、その圧力の上昇がスプリングの収容されたばね室に及ぶまで、つまり高圧の作動液がプランジャの弁部と反対側に回りこむまでには時間的な遅れがある。このため、プランジャにはその弁体の前後差圧による力が加わる。このような弁部を流れる作動液の流体力と差圧による力が自励振動を発生させるエネルギー源となる。なお、増圧弁等の他の電磁弁においても、その前後差圧が大きく変動することにより、同様に自励振動の問題が発生し得る。
これに対し、たとえばプランジャの軸方向の移動速度を緩和するためのダンパ機構を設けた電磁弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電磁弁は、スリーブに内挿されたプランジャの軸線方向中央部に、スリーブの内周面との摺動面が形成されている。この摺動面は、スリーブの内周面との共働により、弁部が設けられた側の弁室とスプリングが配置された側のダンパ室とを液密的にシールしている。摺動面には窪みによる絞り部が一体形成され、その絞り部を介してのみダンパ室内の作動液が弁室内へ移動できるようになっており、これがダンパ機構を構成している。
特開2002−147639号公報
しかしながら、このような電磁弁であっても、その絞り部により形成される作動液の通路の大きさは固定されており、一定のダンピング効果しか得られなかった。このため、たとえば弁部の開閉時の作動音を低減するといった目的についてはある程度実現することはできても、自励振動を防止または抑制する観点からは十分ではなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、比較的簡易な構成で自励振動を効果的に抑制できる電磁弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電磁弁は、内部に弁部が設けられたボディと、弁部の開度を制御するためのソレノイドとが一体に設けられた電磁弁において、ボディ内に設けられた弁座に着脱可能に配置されて弁部を開閉可能な弁体と、弁体を弁部の開閉方向に支持するとともに、弁体と反対側でソレノイドの固定鉄心に対向配置されてソレノイドの吸引力を受けるプランジャと、プランジャを弁体の閉弁方向に付勢する付勢手段と、プランジャに対して固定されるとともに、ボディの内周面との間に絞り通路を形成することにより、ボディ内を弁部が配置される弁室とプランジャの動きに対して抵抗を付与するためのダンパ室とに区画する可撓性を有する弾性体と、を備える。弾性体は、弁体、プランジャまたは両者の接続部材の外周面に嵌合されたリング状の本体を有し、その本体のダンパ室側の面に環状溝が形成されることによりダンパ室側の剛性が弁室側の剛性よりも小さくなるようにされ、環状溝の形成によりその外周部が薄肉化されて形成されたリップ部を有し、そのリップ部とボディの内周面との間に絞り通路を形成されるように設けられている。
なお、ここでいう「弁部」は、弁体と弁座とにより構成されて作動液が流れる通路を開閉する部分を意味する。また、「弾性体がプランジャに対して固定される」との表現には、弾性体がプランジャに直接または間接的に固定される構成を含み得る。すなわち、弾性体は、プランジャに直接固定されていてもよいし、弁体に固定されることによりプランジャに間接的に固定されていてもよい。あるいは、プランジャと弁体とをつなぐ別の部材に固定されることによりプランジャに間接的に固定されていてもよい。
この態様によれば、弁体がプランジャに一体的に支持されており、ソレノイドの非通電時には付勢手段の付勢力によって閉弁状態が保持されるが、ソレノイドに通電されると、その吸引力によって開弁状態へ移行される。その際、一次圧側の作動液が弁部を介して弁室に導入され、二次圧側へ導出される。弁室に導入された作動液の一部は、絞り通路を介してダンパ室へ導入される。この態様では、絞り通路が作動液の流通抵抗となっており、プランジャが弁部の開閉方向に移動する際には、その作動液の粘性抵抗に応じたダンピング機能が作用する。その結果、プランジャに振動が発生しても、効果的に減衰される。
一方、特に開弁直後においては、弁体が弁座から離間することにより弁部の摩擦抵抗が急減する。また、絞り通路の存在により弁室側の圧力がダンパ室側に回り込んで伝わるまでに時間的な遅れが生じる。このため、一般的には開弁直後からその弁開度が比較的安定するまでの過渡期においては自励振動が発生し易くなる。
しかし、この態様によれば、その絞り通路を規定するものが可撓性を有する弾性体であるため、その圧力上昇の時間的なずれが速やかに解消される。すなわち、弁室側とダンパ室側との差圧が大きくなると、この弾性体が作動液の流れ方向に撓み変形して絞り通路の断面を若干大きくする。このため、作動液が弁室側からダンパ室側へ一時的に移動しやすくなり、差圧が速やかに小さくなるように作用する。その結果、プランジャに負荷される圧力が速やかにバランスするようになり、自励振動の発生が効果的に抑制される。また、絞り通路の規定に剛体ではなく弾性体を用いたことで、ボディ内で摺動したときに場合によっては弾性体それ自体が弾性変形可能であり、プランジャの動きに対する過度な規制を防止することができる。
また、ダンパ室側の剛性を小さくすることで、弾性体がダンパ室側に撓み変形し易くなる。その結果、上記圧力上昇の時間的なずれをより速やかに解消することができる。
また、この弾性体は、弁部の開弁動作時に生じた差圧によりダンパ室側に弾性変形して絞り通路の断面積を大きくすることができる。また、環状溝により剛性が小さくされたことにより、仮に自励振動が誘起されたとしても、その振動に伴って環状溝より外側の部分が開いてボディの内面に対して張り出すように変形し、ダンパ室内の作動液を閉じこめるように作用する。このため、その作動液の粘性抵抗によるダンピング効果を大きく保持することができ、自励振動を効果的に抑制することができる。
この態様によれば、弾性体のリップ部が、その外周面の先端部とボディの内周面との間に絞り通路を形成する。この外周面の形状を突状あるいは膨出状にすれば、リップ部とボディの内面との摺動時の面圧を高めることもできる。リップ部は、弁室とダンパ室との差圧が大きくなると、内方に閉じるように撓み変形して絞り通路を大きくし、その差圧が小さくなると、元の形状に戻って絞り通路を小さくする。このように、リップ部の変形によって絞り通路の大きさを変化させる構成を容易に実現することができる。
また、リップ部がボディの内面をダンパ室側に摺動したときには、その摺動によって弾性変形した部分が元に戻る際に、その周囲の作動液をダンパ室側にかき込むように動作するいわゆる自己ポンプ機能を発揮する。このため、ダンパ室によるダンピング効果をさらに高めることができる。
また、高温時には一般に作動液の粘性抵抗が低くなり、その流体力によるエネルギーが増して自励振動が発生し易くなるが、弾性体を弁体およびプランジャよりも線膨張係数が大きい部材で構成することにより、その自励振動の発生を抑制することができる。すなわち、弾性体が高温時に膨張して絞り通路を狭くするため、ダンパ室内の作動液を閉じこめる。その結果、ダンピング効果が高められて自励振動を効果的に抑制できる。
本発明の電磁弁によれば、比較的簡易な構成で自励振動を効果的に抑制できる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。 図1は、本発明の実施の形態に係る電磁弁が適用される液圧ブレーキ装置の液圧回路を表す説明図である。
液圧ブレーキ装置10は、車両用の電子制御式ブレーキシステムを構成しており、運転者によるブレーキペダル12の操作量に基づいて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に制御するものである。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動液としてのブレーキフルードを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストロークセンサ46が設けられている。マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。マスタシリンダ14とストロークシミュレータ24とを接続する流路には、シミュレータカット弁23が設けられている。また、マスタシリンダ14には、ブレーキフルードを貯留するためのリザーバタンク26が接続されている。
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されている。このブレーキ油圧制御管16は、右前輪用のホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されている。このブレーキ油圧制御管18は、左前輪用のホイールシリンダ20FLに接続されている。右前輪用のブレーキ油圧制御管16には、右電磁開閉弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18には、左電磁開閉弁22FLが設けられている。これらの右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは、いずれも非通電時に開状態にあり、通電時に閉状態に切り換えられる常開型電磁弁である。
また、右前輪用のブレーキ油圧制御管16には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧力センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18には、左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。
一方、リザーバタンク26には、油圧給排管28の一端が接続されている。この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるオイルポンプ34の吸込口が接続されている。また、オイルポンプ34の吐出口は、高圧管30に接続されている。この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。
アキュムレータ50は、オイルポンプ34によって昇圧されたブレーキフルードを蓄える。アキュムレータ50におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキフルードは油圧給排管28へと戻される。更に、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
そして、高圧管30は、増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RRおよび左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。以下、適宜、ホイールシリンダ20FR〜20RLを総称して「ホイールシリンダ20」といい、適宜、増圧弁40FR〜40RLを総称して「増圧弁40」という。増圧弁40は、いずれも非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。
また、右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLとは、それぞれ減圧弁42FRまたは42FLを介して油圧給排管28に接続されている。減圧弁42FRおよび42FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。一方、右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLとは、常開型の電磁流量制御弁である減圧弁42RRまたは42RLを介して油圧給排管28に接続されている。以下、適宜、減圧弁42FR〜42RLを総称して「減圧弁42」という。
右前輪用、左前輪用、右後輪用および左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近には、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用するブレーキフルードの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧センサ44FR,44FL,44RRおよび44RLが設けられている。
上述の右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FL、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL、オイルポンプ34、アキュムレータ50等は、液圧ブレーキ装置10の油圧アクチュエータ80を構成する。そして、かかる油圧アクチュエータ80は、ECU200によって制御される。
液圧ブレーキ装置10では、ECU200により、ブレーキペダル12の踏み込み量を表すペダルストロークとマスタシリンダ圧とから車両の目標減速度が算出され、算出された目標減速度に応じて各車輪のホイールシリンダ圧の目標値である目標油圧、つまり目標ホイールシリンダ圧が求められる。そして、ECU200により増圧弁40および減圧弁42が制御され、各車輪のホイールシリンダ圧が目標ホイールシリンダ圧になるよう制御される。
また、アキュムレータ圧が予め設定された制御範囲の下限値未満であるときには、ECU200によりオイルポンプ34が駆動されてアキュムレータ圧が昇圧され、アキュムレータ圧がその制御範囲に入ればオイルポンプ34の駆動が停止される。
次に、増圧弁40および減圧弁42として使用される液圧制御弁の具体的構成について説明する。図2は、本実施の形態の液圧制御弁の構成を表す断面図である。なお、以下の説明では、便宜的に図示の状態を基準に各構成の位置関係を表現することがある。
液圧制御弁101は、内部に弁部が設けられたボディ102とその弁部の開度を制御するためのソレノイド103とが一体に設けられた電磁弁として構成されている。
ボディ102は、段付円筒状をなし、その上端開口部にはブレーキフルードを上流側(一次圧側)から導入する導入ポート104が設けられ、長手方向中央付近の側部にはそのブレーキフルードを下流側(二次圧側)へ導出する導出ポート105が設けられている。これら導入ポート104と導出ポート105とを連通する通路には、有底円筒状の弁座部材106が圧入されており、弁座部材106の底部中央には、これを軸線方向に貫通する弁孔107が設けられている。弁孔107の導出ポート105側の開口部はテーパ状に形成され、そのテーパ面によって弁座108が形成されている。
ボディ102内の弁座108の下方には、弁体109が配置されている。この弁体109は、段付円柱状のロッド部材111の一端部からなり、弁座108に対して導出ポート105側から着脱可能に配置されている。
また、弁座部材106の上端部には、導入ポート104を覆うようにフィルタ112が取り付けられており、ボディ102内への異物の侵入を防止している。同様に、ボディ102の側部にも、導出ポート105を覆うようにフィルタ113が取り付けられている。
一方、ソレノイド103は、ボディ102の下端部に接合された円筒状の固定鉄心121と、ボディ102と固定鉄心121とに囲まれた空間に配置された円柱状のプランジャ122と、固定鉄心121に対して外挿された電磁コイル123と、電磁コイル123を内部に収容するケース124とを備えている。ケース124は、その上端部がボディ102の下端部に固定され、下端部が固定鉄心121の下端部に固定されている。なお、本実施の形態において、ボディ102と固定鉄心121とを合わせたものを液圧制御弁101全体としてのボディと捉えることもできる。
プランジャ122は、その上端面中央に連結穴126が設けられている。そして、この連結穴126にロッド部材111の弁体109と反対側の端部を圧入することにより、弁体109がプランジャ122に対して一体に固定されている。また、プランジャ122の周縁部には、そのプランジャ122を軸線方向に貫通する複数の連通孔127が形成されており、作動液が固定鉄心121側にも導入されるようになっている。プランジャ122は、弁体109と反対側で固定鉄心121に対向配置されている。
ロッド部材111の外周面には、リング状の本体を有する弾性体130が圧入により固定されている。この弾性体130は、本実施の形態では可撓性を有するゴムからなり、その外周面とボディ102の内周面との間に絞り通路131を形成する。この絞り通路131を境界として、弁体109側に弁室141が形成され、プランジャ122側にダンパ室142が形成されている。弾性体130のプランジャ122側の面には、所定の深さを有する円形の環状溝132が形成され、その部分の剛性が小さくなるようにされている。
固定鉄心121は、有底円筒状をなし、その内径が底部に向けて段階的に縮径されている。その固定鉄心121の底部とプランジャ122との間には、プランジャ122を上方の閉弁方向に付勢する付勢手段としてのスプリング136が介装されている。
次に、本実施の形態の液圧制御弁の主要部の構成および動作について説明する。
図3〜図5は、図2の液圧制御弁の弾性体周辺の構成を表す概念図である。図3は定常状態の様子を表し、図4は開弁直後の様子を表している。さらに、図5は、液圧制御弁が高温環境下におかれたときの様子を表している。
図3に示すように、弾性体130の外周面とボディ102の内周面との間に形成された絞り通路131を境界にして、弁部が配置される弁室141とスプリング136等が配置されるダンパ室142とが区画されている。ダンパ室142においては、プランジャ122の動きに対して作動液による粘性抵抗が付与される。
弾性体130は、プランジャ122の連通孔127を弁室141側から覆うように配置されている。また、上述した環状溝132の形成により、弾性体130のダンパ室142側の剛性が弁室141側の剛性よりも小さくなり、その弾性体130の外周部には可撓性を有する薄肉状のリップ部143が形成されている。リップ部143は、ボディの内周面側に膨らんだ外周面の先端部により絞り通路131を形成する一方、その前後差圧つまり弁室141とダンパ室142との圧力差によって内方に撓んで絞り通路131を大きくしたり、場合によっては外方に撓んで絞り通路131を閉じたりする。
すなわち、図4に示すように、たとえば開弁直後においては、弁部を介して高圧の作動液が導入されるが、絞り通路131の存在によりダンパ室142側の圧力上昇が弁室141側のそれよりも遅れる。しかし、弁室141の圧力とダンパ室142の圧力との差圧によって弾性体130のリップ部143が図示のように内方に撓む。このため、作動液が絞り通路131を通過し易くなり、ダンパ室142の圧力を速やかに上昇させる。この結果、弁室141の圧力とダンパ室142の圧力とが比較的速やかにバランスするため、プランジャ122に負荷される不安定な圧力差が速やかに解消される。その結果、自励振動の発生が抑制される。
開弁直後から弁開度が安定した定常状態となるまでの過渡期においては、プランジャ122の移動に応じてリップ部143が開閉したりするが、その際、そのリップ部143は、その開閉の際にその周囲の作動液をダンパ室142側にかき込むように動作するいわゆる自己ポンプ機能を発揮する。このため、ダンパ室142内の粘性抵抗が高まり、自励振動抑制のためのダンピング効果をさらに高めることができる。
弁開度が安定した定常状態になると、弾性体130のリップ部143が開いて図3に示した元の状態に戻り、絞り通路131による粘性抵抗の作用を有効に発揮させる。すなわち、プランジャ122が弁部の開閉方向に動作する際に、絞り通路131を通過する作動液の粘性抵抗によりその移動速度が抑えられる。このため、プランジャ122の動きも安定化される。
さらに、液圧制御弁101が高温環境下におかれたような場合、一般に作動液の粘性抵抗が低くなり、その流体力によるエネルギーが増して自励振動が発生し易くなる。しかし、本実施の形態においては、プランジャ122やロッド部材111が金属からなる一方、弾性体130がそれよりも線膨張係数の大きいゴムからなる。このため、図5に示したように、その高温環境下においてはリップ部143が図示のように外側に膨張して絞り通路131を閉塞する方向に作用する。このため、ダンパ室142の作動液が押し込められることにより、その粘性抵抗が増加する。その結果、ダンピング効果がさらに高められ、自励振動の発生を効果的に抑制することができる。
また、この場合にも、リップ部143がボディ102の内面を摺動する際、その摺動によって弾性変形した部分が元に戻るときに上述した自己ポンプ機能を発揮し得る。この自己ポンプ機能もダンピング効果の向上に寄与する。
以上に説明したように、本実施の形態の液圧制御弁101においては、弁室141とダンパ室142との間に配設された弾性体130によって絞り通路131が規定される。この弾性体130には、ダンパ室142側の面に環状溝132が設けられた結果、その外周部に可撓性のあるリップ部143が形成されている。リップ部143は、弁室141とダンパ室142との差圧が大きくなると内方に閉じるように撓み変形し、その差圧が小さくなると外方に開いて元の形状に戻る。それによって、絞り通路131の断面が拡大または縮小される。このため、たとえば弁部の開弁直後などその差圧が大きくなるときには、絞り通路131の断面積を大きくして弁室141の高圧の作動液を速やかにダンパ室142へ導入し、その圧力のバランスを安定化させることができる。また、開弁直後から弁開度が比較的安定するまでの過渡期において自励振動が発生しようとしても、そのプランジャ122の振動時にリップ部143が上述した自己ポンプ機構をも発揮し、ダンパ室142内の粘性抵抗を高める。その結果、ダンピング効果が高まり、自励振動の発生を効果的に抑制することができる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
たとえば、上記実施の形態では、弾性体130の片側面に環状溝132を形成してその弾性体130が撓み易い構成としたが、その他の形状の一または複数の凹部を形成することにより、弾性体130に可撓性をもたせるようにしてもよい。また、十分な可撓性が得られれば、あえて凹部を形成しなくてもよい。
また、上記実施の形態では、弾性体130のダンパ室142側の面に凹部を設けてその剛性を小さくしたが、弾性体130全体としての剛性を小さくするために弁室141側の面にも凹部を設けてもよい。
本発明の実施の形態に係る電磁弁が適用される液圧ブレーキ装置の液圧回路を表す説明図である。 本実施の形態の液圧制御弁の構成を表す断面図である。 図2の液圧制御弁の弾性体周辺の構成を表す概念図である。 図2の液圧制御弁の弾性体周辺の構成を表す概念図である。 図2の液圧制御弁の弾性体周辺の構成を表す概念図である。
符号の説明
10 液圧ブレーキ装置、 40 増圧弁、 42 減圧弁、 101 液圧制御弁、 102 ボディ、 103 ソレノイド、 108 弁座、 109 弁体、 111 ロッド部材、 121 固定鉄心、 122 プランジャ、 123 電磁コイル、 127 連通孔、 130 弾性体、 131 絞り通路、 132 環状溝、 136 スプリング、 141 弁室、 142 ダンパ室、 143 リップ部。

Claims (3)

  1. 内部に弁部が設けられたボディと、前記弁部の開度を制御するためのソレノイドとが一体に設けられた電磁弁において、
    前記ボディ内に設けられた弁座に着脱可能に配置されて前記弁部を開閉可能な弁体と、
    前記弁体を前記弁部の開閉方向に支持するとともに、前記弁体と反対側で前記ソレノイドの固定鉄心に対向配置されて前記ソレノイドの吸引力を受けるプランジャと、
    前記プランジャを前記弁体の閉弁方向に付勢する付勢手段と、
    前記プランジャに対して固定されるとともに、前記ボディの内周面との間に絞り通路を形成することにより、前記ボディ内を前記弁部が配置される弁室と前記プランジャの動きに対して抵抗を付与するためのダンパ室とに区画する可撓性を有する弾性体と、
    を備え、
    前記弾性体は、前記弁体、前記プランジャまたは両者の接続部材の外周面に嵌合されたリング状の本体を有し、その本体の前記ダンパ室側の面に環状溝が形成されることにより前記ダンパ室側の剛性が前記弁室側の剛性よりも小さくなるようにされ、前記環状溝の形成によりその外周部が薄肉化されて形成されたリップ部を有し、そのリップ部と前記ボディの内周面との間に前記絞り通路を形成されるように設けられていることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記プランジャを軸線方向に貫通する複数の連通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記弾性体は、前記弁体および前記プランジャよりも線膨張係数が大きい部材からなることを特徴とする請求項2に記載の電磁弁。
JP2006303375A 2006-11-08 2006-11-08 電磁弁 Expired - Fee Related JP4737041B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006303375A JP4737041B2 (ja) 2006-11-08 2006-11-08 電磁弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006303375A JP4737041B2 (ja) 2006-11-08 2006-11-08 電磁弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008121721A JP2008121721A (ja) 2008-05-29
JP4737041B2 true JP4737041B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=39506694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006303375A Expired - Fee Related JP4737041B2 (ja) 2006-11-08 2006-11-08 電磁弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4737041B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5271216B2 (ja) 2009-09-17 2013-08-21 日立オートモティブシステムズ株式会社 ノーマルオープン型電磁弁
JP5120419B2 (ja) 2010-06-10 2013-01-16 株式会社アドヴィックス 常閉型電磁弁
JP5573702B2 (ja) * 2011-01-26 2014-08-20 トヨタ自動車株式会社 電磁式リニア弁
JP6067587B2 (ja) * 2012-01-12 2017-01-25 イーグル工業株式会社 ソレノイドバルブ
JP5906499B2 (ja) * 2012-02-23 2016-04-20 株式会社デンソー 電磁弁
KR101784149B1 (ko) * 2015-10-08 2017-11-07 현대다이모스(주) 차량용 공압 밸브
KR102613629B1 (ko) 2017-02-16 2023-12-14 에이치엘만도 주식회사 브레이크 시스템용 솔레노이드 밸브
JP7133332B2 (ja) * 2018-03-27 2022-09-08 川崎重工業株式会社 逆止弁

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04266676A (ja) * 1990-11-10 1992-09-22 Robert Bosch Gmbh 電磁操作弁
JPH0875026A (ja) * 1994-08-31 1996-03-19 Fuji Koki:Kk 電磁弁
JP2002333077A (ja) * 2001-05-09 2002-11-22 Nidec Tosok Corp 電磁弁

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4706099B2 (ja) * 2000-11-14 2011-06-22 株式会社アドヴィックス 電磁開閉弁
JP4293133B2 (ja) * 2005-01-12 2009-07-08 トヨタ自動車株式会社 電磁弁

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04266676A (ja) * 1990-11-10 1992-09-22 Robert Bosch Gmbh 電磁操作弁
JPH0875026A (ja) * 1994-08-31 1996-03-19 Fuji Koki:Kk 電磁弁
JP2002333077A (ja) * 2001-05-09 2002-11-22 Nidec Tosok Corp 電磁弁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008121721A (ja) 2008-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4737041B2 (ja) 電磁弁
US20100213758A1 (en) Normally closed electromagnetic valve, a brake control system, a control method for a normally closed electromagnetic valve, and an electromagnetic valve
US8939430B2 (en) Electromagnetic linear valve
CN104948637B (zh) 缓冲器
JP4613907B2 (ja) 電磁弁
EP2407359A1 (en) Vehicular braking apparatus comprising a reservoir
JP5846017B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JP2010076747A (ja) 調圧リザーバ
US20180015914A1 (en) Vehicle brake device
JP6056812B2 (ja) 液圧制動装置
JP5541146B2 (ja) リザーバ
JP4900320B2 (ja) マスタシリンダ
JP4526727B2 (ja) マスタシリンダ
JP7013488B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
US20220017058A1 (en) Hydraulic control unit for vehicle brake system
JP5240119B2 (ja) 電磁弁
KR20150124691A (ko) 전자식 유압 브레이크
JP2018040465A (ja) 減衰弁およびシリンダ装置
JP5003338B2 (ja) 液圧検出装置および電磁弁
JP2008014397A (ja) 電磁弁
JP6354688B2 (ja) 調圧リザーバ
JP2006097876A (ja) パイロット型チェック弁およびこれを用いたサスペンション装置
JP7367372B2 (ja) 車両用制動装置
JP6355101B2 (ja) シリンダ装置及びブレーキシステム
WO2019189113A1 (ja) 車両の制動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4737041

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees