JP5229192B2 - 筒内圧センサの診断装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の筒内圧を測定する筒内圧センサの診断装置に関する。
内燃機関の筒内圧を測定するための手段として、筒内圧センサが用いられている。筒内圧センサの出力は内燃機関の燃焼制御に用いられていることから、筒内圧センサの出力特性に何等かの変化が生じた場合にはその変化を速やかに検出することが望まれる。
筒内圧センサの出力特性の変化の1つの態様として、出力値に生じるヒステリシスが知られている。ここでいうヒステリシスとは、筒内圧をある値から変化させて再び元の値に戻した場合に、筒内圧センサの出力値が起点と終点で一致しないことを意味する。このような異常が起きる原因としては、筒内の燃焼で発生したデポジットが筒内圧センサの周辺に固着することによって受圧部の摺動抵抗となったことや、筒内圧センサの構成部品が劣化したこと等が挙げられる。このようなヒステリシスが筒内圧センサの出力値に生じてしまうと、筒内圧の変化を正確に測定することができなくなり、内燃機関の燃焼制御を行う際に種々の問題を生ずる可能性がある。
ヒステリシスの発生を精度良く検出するためには、その程度を数値化して定量的に判定できるようにする必要がある。この点に関して、特開2009−203938号公報に開示された技術(以下、従来技術)では、内燃機関をモータリングしたときの筒内圧波形と基準の筒内圧波形との圧力差を所定のクランク角位相毎に絶対値として取得し、それらを積算した値をヒステリシス量として算出している。このヒステリシス量を閾値と比較することで、筒内圧センサの出力値に生じているヒステリシスが許容できる範囲かどうか、定量的に判定することが可能となる。
特開2009−203938号公報 特開2007−303293号公報 特開平11−082148号公報
上記の従来技術では、基準の筒内圧波形として、内燃機関の運転状態、具体的には、エアフローメータによって得られる吸入空気量や、エンジン回転数や、あるいはエンジン負荷などに応じて数種類のものが用意されている。そして、用意されている基準筒内圧波形のうち、筒内圧センサによる測定時点での内燃機関の運転状態に対応したものが選択され、筒内圧センサによって測定された筒内圧波形との比較に使用されるようになっている。
しかし、内燃機関が採り得る全ての運転状態について基準筒内圧波形を用意することは現実的ではない。このため、筒内圧センサによる測定時点での運転状態に対応する基準筒内圧波形が用意されていない場合もあり得る。その場合、測定時点での運転状態に最も近い運転状態に対応する基準筒内圧波形で近似することが考えられるが、その近似による誤差は最終的な算出値であるヒステリシス量の精度を低下させることになる。
また、内燃機関の運転状態を表す物理量のうち多数が筒内圧波形に影響することになるが、実際に取得できる物理量の種類には限度がある。このため、限られた種類の物理量に基づいて選択した基準筒内圧波形が、必ずしもその時点の運転状態における真の基準筒内圧波形に合っているとは限らない。選択した基準筒内圧波形の精度が十分に高くなければ、最終的な算出値であるヒステリシス量の精度も高くはならない。
以上のように、従来技術には、筒内圧センサの出力値に生じるヒステリシスの検出精度、より一般的にいえば、筒内圧センサの出力特性の変化の検出精度において改善の余地があった。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、筒内圧センサの出力特性の変化を精度良く検出することができる診断装置を提供することを目的とする。
上記目的のために、第1の発明の診断装置は、
内燃機関の筒内圧を測定する筒内圧センサの診断装置であって、
前記内燃機関の非燃焼回転時において、前記筒内圧センサが取り付けられた気筒が圧縮行程にあるときの前記筒内圧センサによる測定データと、同気筒が膨張行程にあるときの前記筒内圧センサによる測定データとをそれぞれ取得する手段と、
前記の各測定データを予め用意された計算モデルに入力することによって、前記筒内圧センサの出力特性の変化の程度を示す指標を算出する手段とを備え、
前記計算モデルは、
圧縮行程で得られた測定データから圧縮行程におけるポリトロープ指数(以下、圧縮ポリトロープ指数)を計算する要素と、
膨張行程で得られた測定データから膨張行程におけるポリトロープ指数(以下、膨張ポリトロープ指数)を計算する要素と、
前記圧縮ポリトロープ指数と前記膨張ポリトロープ指数との比を計算する要素と、
前記比と基準値との差を前記指標として算出する要素と、
前記内燃機関の回転数及び冷却水温に応じて前記基準値を決定する要素と、
を備えることを特徴としている。
の発明の診断装置は、第1の発明の診断装置において、
前記指標を閾値と比較することによって前記筒内圧センサの異常を判定する手段を備えることを特徴としている。
内燃機関の非燃焼回転時において筒内圧センサにより測定される筒内圧の波形は、理想的な断熱圧縮及び断熱膨張が行なわれる環境下では、TDCを基準にして膨張行程と圧縮行程とで対称になる。しかし、デポジット固着による摺動抵抗や構成部品の劣化等に起因して筒内圧センサの出力特性に変化が生じると、筒内圧センサにより測定される筒内圧の波形は膨張行程と圧縮行程とで非対称になる。したがって、圧縮行程と膨張行程のそれぞれにおいて筒内圧センサにより筒内圧を測定すれば、それら測定データから筒内圧センサの出力特性の変化を検出することができる。つまり、測定データと比較する基準データを用意しておく必要が無い。
ただし、実際の内燃機関における圧縮行程及び膨張行程は厳密には断熱ではなく、筒内から外界への熱損失がある。このため、筒内圧センサの出力特性には変化が無かったとしても、筒内圧センサにより測定される筒内圧の波形は必ずしも膨張行程と圧縮行程とで対称にはならない。したがって、前記の測定データから筒内圧センサの出力特性の変化を精度よく検出するために、筒内ガスの熱損失を考慮する必要がある。
この点に関し、第1の発明の診断装置では、筒内圧センサの出力特性の変化の程度を示す指標の計算に、内燃機関の回転数と冷却水温とがパラメータとして使用される。内燃機関の回転数と冷却水温は筒内ガスの熱損失を決定する主要因であることから、それらをパラメータとすることにより筒内ガスの熱損失を考慮した計算が可能となる。よって、第1の発明の診断装置によれば、算出される指標の値によって、筒内圧センサの出力特性の変化を精度良く検出することができる。また、第1の発明の診断装置では、圧縮行程と膨張行程のそれぞれにおけるポリトロープ指数の比をとることによって、圧縮行程で測定される筒内圧の波形と、膨張行程で測定される筒内圧の波形との対称性が数値化される。ただし、この比の値には、筒内圧センサの出力特性の変化が筒内圧波形の対称性に与える影響の分と、熱損失が筒内圧波形の対称性に与える影響の分とが含まれている。そこで、第1の発明の診断装置では、内燃機関の回転数及び冷却水温に応じて基準値を決定し、前記の比と基準値との差をとることによって、熱損失が筒内圧波形の対称性に与える影響の分を数値から排除する。こうして算出された数値が前記指標とされるので、第1の発明の診断装置によれば、筒内圧センサの出力特性の変化を精度良く検出することができる。
の発明の診断装置によれば、筒内圧センサに何等かの異常が生じているか、詳しくは、筒内圧センサの出力値にヒステリシスが生じているかどうかを正確に判定することができる。
本発明の実施の形態としての筒内圧センサの診断装置が適用される内燃機関を示す図である。 内燃機関の非燃焼回転時の筒内圧の変化を示すPV線図である。 図2の破線枠を拡大して示す図である。 冷却損失に係る補正係数KCOOLをエンジン回転数と冷却水温とから決定するためのマップの一例を示す図である。 本発明の実施の形態にて行なわれる筒内圧センサのヒステリシス異常判定の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図5の各図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態としての筒内圧センサの診断装置が適用される内燃機関(以下、単にエンジンという)を示す図である。図1に示すエンジンは、スパークプラグ6を備えた火花点火式の4ストロークレシプロエンジンである。また、筒内に燃料を直接噴射する燃料直噴インジェクタ7を備えた筒内直噴エンジンでもある。図1では1つの気筒のみが描かれているが、一般的な車両用のエンジンは複数の気筒から構成されている。そのうち少なくとも1つの気筒には筒内圧Pcを測定するための筒内圧センサ5が取り付けられている。また、このエンジンには、クランク軸の回転角に応じて信号CAを出力するクランク角度センサ8と、冷却水温Twを測定するための水温センサ9とが取り付けられている。クランク角度センサ8の信号CAからは、エンジン回転数(単位時間当たり回転数)や、ピストンの位置によって決まる筒内容積を計算することができる。気筒に接続された吸気通路の入口にはエアクリーナ1が設けられ、エアクリーナ1の下流にスロットル2が配置されている。スロットル2の下流にはサージタンク4が設けられていて、サージタンク4には吸気圧Pimを測定するための吸気圧センサ3が取り付けられている。また、このエンジンは演算処理装置10を備えている。演算処理装置10は各センサ3,5,8,9からの信号を処理し、その処理結果を各アクチュエータ2,6,7の操作に反映させている。
本実施の形態では、演算処理装置10が筒内圧センサ5の診断装置として機能する。以下、演算処理装置10が実施する筒内圧センサ5の診断の方法について説明する。
図2は、エンジンをモータリング運転した場合の筒内圧と筒内容積との関係を示すPV線図である。縦軸には筒内圧センサ5で測定される筒内圧Pを対数表示し、横軸にはクランク角センサ8の信号から計算される筒内容積Vを対数表示している。図3は、図2の破線枠を拡大して示す図である。モータリング運転のような非燃焼回転時には、構成する気体の化学変化や燃焼による熱収支はない。このため、筒内では断熱圧縮及び断熱膨張が行なわれることになって、PV線図での圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡とは一致するはずである。しかしながら、実際には、各図に実線で示すように、圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡との間にはずれが生じる。
圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡との間にずれが生じる原因は次の2つである。1つ目の原因は、筒内圧センサ5の出力値にヒステリシスが生じていることである(以下、これをヒステリシス異常という)。筒内圧センサ5の出力値のヒステリシスは、デポジット固着による摺動抵抗や構成部品の劣化等に起因して筒内圧センサの出力特性に変化が生じることで生じる。もう1つの原因は、実際の圧縮行程及び膨張行程は断熱ではなく、筒内から外界への熱損失(冷却損失)が発生することである。したがって、筒内圧センサ5にヒステリシス異常が生じているかどうかは、筒内圧センサ5の測定データから得られた圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡とのずれが、冷却損失により発生するずれよりも大きいかどうかで判断することができる。各図において一点鎖線で示す軌跡は、筒内圧センサ5に異常が生じていない場合の膨張行程の軌跡、すなわち、冷却損失のみを考慮した場合の膨張行程の軌跡である。
現実に発生している圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡とのずれの程度は、圧縮行程と膨張行程のそれぞれにおける筒内ガスのポリトロープ指数を計算し、それらの比を計算することで数値化することができる。圧縮行程における筒内ガスのポリトロープ指数(以下、圧縮ポリトロープ指数)をηcomp、膨張行程における筒内ガスのポリトロープ指数(以下、膨張ポリトロープ指数)をηexpとすると、それぞれ以下の式によって算出することができる。
ηcomp=(lnP−lnP)/(lnV−lnV
ηexp=(lnP−lnP)/(lnV−lnV
上記のηcompの式において、P、Pは圧縮行程中の任意の異なる2点で得られた筒内圧センサ5の測定値であり、V、Vは各測定時点での筒内容積である。同様に、上記のηexpの式において、P、Pは膨張行程中の任意の異なる2点で得られた筒内圧センサ5の測定値であり、V、Vは各測定時点での筒内容積である。なお、ここではポリトロープ指数を計算するための筒内圧の測定点を2点としたが、3点以上の測定点をとって最小二乗法によってポリトロープ指数を計算してもよい。
次に、冷却損失によって生じる圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡とのずれの程度を数値化することについて検討する。圧縮行程では、燃焼によるエネルギー収支はないとはいえ、断熱圧縮によって筒内ガスの温度は上昇する。そして、ピストンがTDCを超えた以降の膨張行程では、高温になった筒内ガスから気筒壁面への放熱により冷却損失が発生する。この冷却損失の分だけ膨張ポリトロープ指数ηexpは圧縮ポリトロープ指数ηcompよりも小さくなり、その関係は次の式によって表される。
ηexp=KCOOL×ηcomp
上記の式において、KCOOLは冷却損失に係る補正係数(以下、冷損補正係数)である。ここで、モータリング運転中の冷却損失は、例えば、次の式によって表現することができる。
冷却損失=NE×Σ{S×h×(T−Tw)}
上記の冷却損失の式において、ΣはTDCから排気弁の開タイミング(例えばATDC120°)までの積算を意味する。NEはエンジン回転数、Sは燃焼室表面積、hは熱伝達係数、Tは圧縮端温度、Twは冷却水温である。
さらに、気体の状態方程式によれば、圧縮端温度Tは次の式によって表現することができる。
T=PMAX×VTDC/(n×R)=β×PMAX×VTDC/KL
上記のTの式において、βは一定の係数、PMAXは筒内圧力の最大値、VTDCはピストンがTDCのときの筒内容積、KLは充填効率である。このTの式を冷却損失の式に当てはめることで、冷却損失はNE、Tw、PMAX、KLによって決まることが分かる。
冷却損失がNE、Tw、PMAX、KLによって決まるということは、上記の冷損補正係数KCOOLもNE、Tw、PMAX、KLによって決まることを意味する。したがって、冷損補正係数KCOOLは以下に示すようにNE、Tw、PMAX、KLの関数fとして表現することができる。
COOL=f(NE、Tw、PMAX、KL)
ここで、冷損補正係数KCOOLを決定する変数のうち、PMAXとKLに関してはスロットル開度を予め設定した開度に設定する等、エンジンの運転状態を調整することによって略一定値にすることができる。したがって、冷損補正係数KCOOLは主としてエンジン回転数NEと冷却水温Twの関数とみなすことができる。図4は冷損補正係数KCOOLをエンジン回転数NEと冷却水温TWとから決定するためのマップの一例を示す図である。図4に示すように、冷損補正係数KCOOLの最大値は1で、エンジン回転数が低いほど、また、冷却水温TWが低いほど冷損補正係数KCOOLの値は小さくなる。
以上のようにして計算された冷損補正係数KCOOLは、冷却損失によって生じる圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡とのずれの程度を示している。一方、前述のように、圧縮ポリトロープ指数ηcompと膨張ポリトロープ指数ηexpとの比ηexp/ηcompは、現実に発生している圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡とのずれの程度を示している。したがって、冷損補正係数KCOOLとポリトロープ指数比ηexp/ηcompとの差をとることで、ヒステリシス異常のみによって生じた圧縮行程の軌跡と膨張行程の軌跡とのずれの程度を数値化することができる。そこで、本実施の形態では、次の式に示すように冷損補正係数KCOOLとポリトロープ指数比ηexp/ηcompとの差をヒステリシス量として定義する。このヒステリシス量は、筒内圧センサ5の出力値に生じているヒステリシスが許容できる範囲かどうか、すなわち、ヒステリシス異常が生じているかどうか定量的に判定するための指標となる。
ヒステリシス量=KCOOL−(ηexp/ηcomp
以下、演算処理装置10によって行なわれる筒内圧センサ5のヒステリシス異常判定の手順について、図5のフローチャートを用いて説明する。
最初のステップS2では、演算処理装置10は、車両が減速中であってエンジンの燃料カットが行われているかどうか判定する。燃料カットが行われることで車両は惰力走行となり、エンジンは駆動系からの逆入力によってモータリング運転されることになる。ステップS2の条件が満たされた場合に、演算処理装置10は、ステップS4以降の処理を実行する。
まず、ステップS4では、演算処理装置10は圧縮行程における筒内圧の測定データを筒内圧センサ5によって取得し、その測定データから圧縮ポリトロープ指数ηcompを算出する。次のステップS6では、演算処理装置10は膨張行程における筒内圧の測定データを筒内圧センサ5によって取得し、その測定データから膨張ポリトロープ指数ηexpを算出する。次のステップS8では、演算処理装置10はエンジン回転数NEと冷却水温Twとを取得して、それらをキーにして冷損補正係数KCOOLのマップを検索する。
次のステップS10では、演算処理装置10は、ステップS4で算出した圧縮ポリトロープ指数ηcompと、ステップS6で算出した膨張ポリトロープ指数ηexpと、ステップS8で検索して得られた冷損補正係数KCOOLとを用いて上記の式で定義されるヒステリシス量を算出する。そして、演算処理装置10は、ヒステリシス量が所定の閾値αよりも大きいかどうか判定する。閾値αは許容できるヒステリシス量の限界値である。したがって、ヒステリシス量が閾値αを越えている場合には、筒内圧センサ5の出力値に生じているヒステリシスが許容できる範囲を超えている、すなわち、ヒステリシス異常が生じていると判断することができる。
ステップS10の判定の結果、ヒステリシス量が閾値αを越えている場合のみステップS12の処理が実行される。ステップS12では、演算処理装置10は筒内圧センサ5にヒステリシス異常が生じていると判断し、ダッシュボード内のMIL(マルファンクションインジケーターライト)を点灯させる。車両の使用者は、MILの点灯を見ることによってエンジンに何らかの異常が生じていることを認識する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施することもできる。
圧縮行程でのポリトロープ指数と膨張行程でのポリトロープ指数との比を計算する代わりに、圧縮行程で筒内圧センサ5により測定された筒内圧の積分値(圧縮仕事)と、膨張行程で筒内圧センサ5により測定された筒内圧の積分値(膨張仕事)との比を計算してもよい。或いは、圧縮行程において筒内容積が所定容積になったときの筒内圧センサ5による測定値と、膨張行程において筒内容積が所定容積になったときの筒内圧センサ5による測定値との比を計算してもよい。筒内圧センサ5の出力特性の変化の程度を示す指標を算出するにあたっては、圧縮行程での筒内圧センサ5による測定データと、膨張行程での筒内圧センサ5による測定データとを用いるのであれば、それら測定データの加工方法には限定はない。
上述の実施の形態では、筒内圧センサ5の診断結果、すなわち、ヒステリシス量の値に基づいてMILを点灯させているが、他の用途に診断結果を用いてもよい。例えば、診断結果を筒内圧センサ5の出力値の補正に用いることもできる。また、筒内圧センサ5にデポジットを除去するためのヒータが備えられているのであれば、診断結果に応じてヒータの通電を制御することもできる。
本発明が適用されるエンジンは、上述の実施の形態のような筒内直噴エンジンには限定されない。ポート噴射式のエンジンにも本発明の適用は可能である。また、火花点火式のエンジンに限らず、圧縮自着火式のエンジンにも本発明を適用することができる。
上述の実施の形態では、減速中の燃料カットの結果として起こるエンジンのモータリング運転を利用して筒内圧センサ5の診断を行っている。しかし、いわゆるハイブリッド車の場合には、エンジンを電動モータによって能動的にモータリング運転して筒内圧センサ5の診断を行ってもよい。
1 エアクリーナ
2 スロットル
3 吸気圧センサ
4 サージタンク
5 筒内圧センサ
6 スパークプラグ
7 燃料直噴インジェクタ
8 クランク角センサ
9 水温センサ
10 演算処理装置

Claims (2)

  1. 内燃機関の筒内圧を測定する筒内圧センサの診断装置であって、
    前記内燃機関の非燃焼回転時において、前記筒内圧センサが取り付けられた気筒が圧縮行程にあるときの前記筒内圧センサによる測定データと、同気筒が膨張行程にあるときの前記筒内圧センサによる測定データとをそれぞれ取得する手段と、
    前記の各測定データを予め用意された計算モデルに入力することによって、前記筒内圧センサの出力特性の変化の程度を示す指標を算出する手段とを備え、
    前記計算モデルは、
    圧縮行程で得られた測定データから圧縮行程におけるポリトロープ指数(以下、圧縮ポリトロープ指数)を計算する要素と、
    膨張行程で得られた測定データから膨張行程におけるポリトロープ指数(以下、膨張ポリトロープ指数)を計算する要素と、
    前記圧縮ポリトロープ指数と前記膨張ポリトロープ指数との比を計算する要素と、
    前記比と基準値との差を前記指標として算出する要素と、
    前記内燃機関の回転数及び冷却水温に応じて前記基準値を決定する要素と、
    を備えることを特徴とする筒内圧センサの診断装置。
  2. 前記指標を閾値と比較することによって前記筒内圧センサの異常を判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の筒内圧センサの診断装置。
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