JP5185182B2 - 樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いた多層構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、延伸性を改善したエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物の樹脂組成物(EVOH樹脂組成物)に関し、フィルム、シート、ボトル、カップ、チューブ等、特にボトルやカップといった延伸処理を伴う成形品に好適な多層構造体に用いられるEVOH樹脂組成物に関する。
エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(以下、「EVOH樹脂」と称することがある)は、ポリビニルエステルのケン化物であるポリビニルアルコール(以下、「PVA」と称することがある)と同様にガスバリヤ性に優れる。しかもPVAが水溶性で、融点が分解点と近接していて溶融成形できないのに対して、EVOH樹脂は水不溶性であり、融点と分解点の差が大きいので溶融成形できることから、食品包装材料、医薬品包装材料など、各種包装用途に広く用いられている。EVOH樹脂フィルムは、それ自体、単独で用いることもできるが、吸湿によりガスバリヤ性、フィルム強度が低下することから、通常、水分を透過し難い熱可塑性樹脂フィルム等で外表面層を構成した多層構造体として用いられる。
シート等の多層構造体は、強度アップのために延伸されることが好ましく、またEVOH樹脂層も延伸により分子鎖が高密度状態で整列すると、ガスバリヤ性が向上することができることから、通常、多層構造体は延伸処理されて用いられる。
しかしながら、EVOH樹脂層を含む多層構造体を延伸処理した場合、EVOH樹脂層は、熱可塑樹脂層に比べて伸びがよくない。このため、一軸延伸、二軸延伸等の延伸処理時、EVOH樹脂層が均一に延伸されにくく、外表面層の伸びに追随できず、延伸処理した多層構造体に、スジが発生したり、ひどい場合には破断したりするという問題がある。
EVOH樹脂層を有する多層構造体の延伸性を改善するために、例えば、特開昭63−114645には、特定のポリアミド樹脂を含有させたEVOH樹脂組成物が提案されている。
また、特開平8−311276では、エチレン含有量が異なる2種類のEVOH樹脂を混合した樹脂組成物を用いることが提案されている。
特開昭63−114645号公報 特開平8−311276号公報
上記のように、EVOH樹脂に他の熱可塑性樹脂を混合したり、EVOH樹脂自体の構成を工夫することで、延伸性を改良しているが、未だ改善の余地がある。特に、多層構造体を用いて、深絞り成形や真空圧空成形といった成形法によって、カップ形状の容器を成形する場合のように、延伸処理を伴う成形方法で、しかも、延伸時に加わる張力が部位によって異なるといったような成形に適用した場合、EVOH樹脂層の伸びが均一でなく、厚みムラを生じたり、厚みムラがスジのようにみえたりして外観に影響を及ぼすような場合がある。さらに厚みムラは、延伸後のポリマーの均一性を損なう原因となるため、成形品全体のガスバリヤ性にも影響を与える。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、深絞り成形や真空圧空成形といった成形法のように、部位により異なる大きさの張力が加わり、しかも短時間で大きな張力が加わるような延伸処理を含んだ成形法を適用しても、EVOH樹脂層の厚みのばらつきが少なく、且つガスバリヤ性に優れた成形品を提供できるEVOH樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いた多層構造体を提供することにある。
本発明者らは、EVOH樹脂の延伸性を改善するために、種々の樹脂を検討した結果、特定構造を有するポリビニルアルコールを添加することにより、延伸性、ガスバリヤ性を改善できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の樹脂組成物(エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物)は、エチレン含有率が20〜60モル%である水不溶性のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物に、一般式(1)で示される側鎖1,2−ジオール構造単位を含有する水溶性のポリビニルアルコールを配合してなるものである。(1)式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは単結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。
Figure 0005185182
前記ポリビニルアルコールの配合量は、前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂100重量部に対して、1重量部以上100重量部未満であることが好ましく、前記ポリビニルアルコールにおける一般式(1)で示される側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率は1〜30モル%であることが好ましい。
本発明の多層構造体は、上記本発明のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物層及びエチレン−ビニルエステル共重合体以外の熱可塑性樹脂層を、それぞれ少なくとも1層有するものであり、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物以外の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の多層構造体は、熱可塑性樹脂層/エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物層の厚み比が1超〜30であることが好ましく、多層構造体の厚みは1〜30000μmであることが好ましい。
本発明の多層構造体は、延伸処理されていてもよく、本発明の多層構造体を加熱延伸成形してなる成形物も、本発明の範囲に包含される。前記加熱延伸成形としては、金型成形が好ましく、金型成形の場合、絞り比を0.1〜3とすることが好ましい。
本発明のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物(EVOH樹脂組成物)及び当該樹脂組成物層を有する多層構造体は、部位により異なる大きさの張力が加わるような延伸処理成形に適用しても、EVOH樹脂層の厚みのばらつきが少なく、且つガスバリヤ性に優れた成形品を提供できる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
はじめに本発明のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物(EVOH樹脂組成物)について説明する。
<EVOH樹脂組成物>
本発明のEVOH樹脂組成物は、エチレン含有率が20〜60モル%であるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(EVOH樹脂)に、側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するポリビニルアルコールを配合したものである。
〔EVOH樹脂〕
組成物の主成分となるEVOH樹脂は、エチレンとビニルエステル系モノマーとを共重合した、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化することによって得られる、水不溶性の熱可塑性樹脂である。該エチレン−ビニルエステル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、代表的には、酢酸ビニルが用いられる。場合によっては、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル、トリフルオロ酢酸ビニル等が挙げられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルである。これらのビニルエステル系モノマーは、通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
特にビニルエステル系モノマーとして酢酸ビニルを用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体をEVA樹脂と称する。
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH樹脂は、ISO4663に基づいて測定したエチレン含有率が20〜60モル%、好ましくは25〜55モル%、さらに好ましくは28〜48モル%である。エチレン含有率が少なすぎると、樹脂組成物の溶融成形性が低下する傾向にある。一方、エチレン含有率が高くなりすぎると、必然的にポリマー鎖中に含まれるOH基の割合が低下しすぎることになるため、ガスバリヤ性が不足する傾向にある。
また、ビニルエステル成分のケン化度は、JIS K6726(ただし、EVOH樹脂は水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて)に基づいて測定した値で、通常80〜100モル%であり、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。ケン化度が低くなると、ガスバリヤ性が低下する傾向にあるからである。
さらに、EVOH樹脂のメルトフローレート(MFRと表記することがある)においては、210℃、荷重2160g条件下で、通常1〜30g/分であり、好ましくは2〜15g/分であり、特に好ましくは3〜10g/分である。かかる値が大きすぎた場合、溶融粘度が低くなり、安定した溶融押出が困難となる傾向があり、小さすぎた場合もまた溶融粘度が高くなって安定した溶融押出が困難となる傾向がある。
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH樹脂としては、上記要件を充足するEVOH樹脂であれば、エチレン含有率、ケン化度が異なる2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明に用いられるEVOH樹脂としては、共重合体中に更に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などのヒドロキシ基含有α−オレフィン誘導体、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等のコモノマーを共重合したものであっても差し支えない。さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等「後変性」されていても差し支えない。
本発明で用いられるEVOH樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般にEVOH樹脂に配合する配合剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤などが含有されていてもよい。
〔ポリビニルアルコール〕
本発明の樹脂組成物に用いられるポリビニルアルコールは、一般式(1)で示される側鎖1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール(以下「側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVA」という)である。かかる樹脂は水溶性である。
Figure 0005185182
上記一般式(1)において、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を表す。R〜Rは、すべて水素原子であることが望ましいが、樹脂特性を大幅に損なわない程度の量であれば有機基であってもよい。該有機基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、必要に応じてハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(1)中、Xは単結合又は結合鎖であり、熱安定性の点、高温下や酸性条件下での安定性の点から、単結合であることが好ましい。上記結合鎖としては、特に限定しないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素は、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていてもよい)の他、−O−、−(CHO)m−、−(OCH)m−、−(CHO)mCH−、−CO−、−COCO−、−CO(CH)mCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO−、−Si(OR)−、−OSi(OR)−、−OSi(OR)O−、−Ti(OR)−、−OTi(OR)−、−OTi(OR)O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等が挙げられるが(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である)が挙げられる。なかでも、製造時あるいは使用時の安定性の点で、炭素数6以下のアルキレン基、特にメチレン基、あるいは−CHOCH−が好ましい。
以上のような構成を有する側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAは、ケン化度、側鎖1,2−ジオール構造単位含有率にもよるが、一般に融点150〜205℃である。かかる融点が、ポリビニルエステルをケン化してなる通常のPVA(以下、「未変性PVA」という)よりも低いことから、延伸時の温度条件を幅広く選べるという特徴を有している。また、かかる側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAは、未変性PVAと同様に、ポリマー鎖中に含まれるOH基含有率及び1級水酸基に起因する水素結合の高さに基づいてガスバリヤ性を有するにもかかわらず、結晶化が未変性PVAよりも遅いという特徴を有する。その理由、機構は明らかではないが、側鎖1,2−ジオール構造の1級水酸基に起因する水素結合が強いため、主鎖の水酸基による結晶部位よりも、側鎖ジオール部の緩和時間が非常に長いためであると推測される。
このような側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAは、本発明の樹脂組成物中、EVOH樹脂量よりも少ない量だけ含有されていればよい。具体的に、EVOH樹脂100重量部あたりの側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAの含有量は、1重量部以上、100重量部未満であり、好ましくは3〜70重量部、より好ましくは5〜70重量部、特に好ましくは10〜50重量部である。
このように、水に不溶の熱可塑性樹脂であるEVOH樹脂に、水溶性樹脂であるPVA系樹脂を配合することは、耐水性の観点から通常行われることではなく、この点において、本発明の組成物は特徴的であるといえる。
上記のような側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAは、EVOH樹脂よりも高いガスバリヤ性を有することから、本発明のEVOH樹脂組成物で構成される層のガスバリヤ性を、EVOH樹脂単独からなる層のガスバリヤ性よりも高めることができる。
さらに、側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAを上記割合で含有してなるEVOH樹脂組成物層は、EVOH樹脂単独層よりも延伸性が良好になり、これにより、層全体に均一な張力をかけることが可能となる。また冷却時にも、部分的にすばやく結晶化することが抑制されるので、本発明のEVOH樹脂組成物層における結晶化度の均一性も高くなる。従って、延伸後のEVOH樹脂組成物層としては、均一に延伸されたことにより厚み等のばらつき少なくできるとともに、結晶化度の均一性が高められることによって、より優れたガスバリヤ性を達成できる。
側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAに含まれる側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率は、通常1〜30モル%が好ましく、より好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは3〜10モル%である。側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率が高くなりすぎると、押出成形時の熱安定性が低下する傾向にある。一方、側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率が低く成りすぎると、融点が高くなって溶融押出成形性が低下し、また、未変性PVAに近づくことになるため、延伸後、冷却時の結晶化がはやくおこるようになり、結果として、EVOH樹脂組成物層の均一化が妨げられることになる。
尚、PVA中の側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率は、PVAを完全にケン化したもののH−NMRスペクトル(溶媒:DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン)から求めることができ、具体的には、1,2−ジオール単位中の水酸基プロトン、メチンプロトン、及びメチレンプロトン、主鎖のメチレンプロトン、主鎖に連結する水酸基のプロトンなどに由来するピーク面積から算出すればよい。
本発明で用いられる側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAの重合度は、通常100〜5000でり、より好ましくは100〜1000、更に好ましくは300〜500である。重合度が高すぎると、溶融粘度が高くなり、安定した溶融押出が困難となる傾向にある。一方、重合度が低くなりすぎると、安定した溶融押出が困難となる傾向にある。
また、本発明で用いられる側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAのケン化度は、JIS K6726に基づいて測定した値で、通常80〜100モル%であり、好ましくは90〜100モル%であり、より好ましくは95〜100モル%である。ケン化度が低すぎると、ガスバリヤ性が低下し、側鎖1,2−ジオール含有PVA配合によるガスバリヤ向上効果が得られにくくなる。
本発明における最も好ましい側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAの構造は、構造単位(1)におけるR〜Rのすべてが水素原子であり、Xが単結合の場合である。すなわち、下記構造式(1a)で示される構造単位を含むものが好ましい。
Figure 0005185182
そして、側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAの最も好ましい組成は、上記構造単位(1a)が3〜10モル%及びビニルアルコール由来の構造単位、およびケン化後に残存した微量のビニルエステル構造単位からなり、ケン化度95〜100%、重合度300〜500であるものである。
以上のような側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAの製造方法は特に限定しないが、(i)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法、(ii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(3)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(4)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法などにより、好ましく製造される。
Figure 0005185182

Figure 0005185182

Figure 0005185182
(2)(3)(4)式中、R〜Rは、いずれも(1)式の場合と同様である。R及びRは、それぞれ独立して水素またはR−CO−(式中、Rは、アルキル基である)。R10及びR11は、それぞれ独立して水素原子又は有機基である。
(i)、(ii)及び(iii)の方法については、例えば、特開2006−95825に説明されている方法を採用できる。
なかでも、共重合反応性及び工業的な取扱いにおいて優れるという点で(i)の方法が好ましく、特にR〜Rが水素原子、Xが単結合、R及びRがR−CO−であり、Rがアルキル基である、3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、更にその中でも特にRがメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。
また上述のモノマー(ビニルエステル系モノマー、一般式(2)(3)(4)で示される化合物)の他に、高度なガスバリヤ性、溶融押出性を損なわない範囲(例えば10モル%以下)であれば、共重合成分として、エチレンやプロピレン等のαーオレフィン;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などのヒドロキシ基含有α−オレフィン誘導体;イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル、アクリロニトリル等のニトリル類、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、AMPS等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩などの化合物、アリルアセテート、ブタジエン誘導体等が共重合されていてもよい。
〔その他の成分〕
本発明の樹脂組成物には、上記EVOH樹脂、側鎖1,2−ジオール構造含有PVA樹脂の他に、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜含有してもよい。
本発明の樹脂組成物は、以上のような成分を混合することによって製造される。かかる混合方法は、溶融混合、またはEVOH樹脂を水−アルコールやジメチルスルフォキサイド等の溶剤に溶解して溶液状態で混合する方法がある。
溶液混合法の場合、各成分の混合順序は、特に限定するものではなく、(i)各成分をドライブレンドした後に両樹脂の共通する良溶媒に溶解して混合する方法、(ii)一方の樹脂を溶媒に溶解した溶液に他方の樹脂を混合する方法、(iii)各々の樹脂を別々に良溶媒に溶解し、溶液状態で混合する方法が挙げられる。
溶融混合法の場合、各成分の混合順序は、特に限定するものではなく、(i)各成分をドライブレンドした後に溶融して混合する方法、(ii)一方の樹脂を溶融状態としたところに他方の樹脂を混合する方法、(iii)各々の樹脂を別々に溶融状態とし、溶融状態で混合する方法が挙げられる。
中でも、生産性の点で好ましくは溶融混合法である。溶融混合に際して、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。特に、水分や副生成物(熱分解低分子量物等)を除去するために、押出機に1個以上のベント孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸素の混入を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活性ガスを連続的に供給したりすることにより、熱着色や熱劣化が軽減された品質の優れた樹脂組成物を得ることができる。
以上のような組成を有する本発明のEVOH樹脂組成物は、水不溶性で且つガスバリヤ性を有しているというEVOH樹脂本来の特性に加えて、延伸処理後も外観に優れ、高度なガスバリヤ性を保持できる。
本発明のEVOH樹脂組成物は、単独で、フィルム、シート、容器、棒状体、管状体等の各種成形品材料として用いることもできるが、好ましくは、水分不透過性の熱可塑性樹脂を積層した多層構造体の各種成形品として用いられる。
本発明のEVOH樹脂組成物を用いた成形品は、上記混合方法によって混合した状態からそのまま各種成形品に成形してもよい。また、上記混合方法によって混合した状態から一旦ペレット化し、かかるペレットを各種成形品に成形してもよい。
<多層構造体>
本発明の多層構造体は、多層積層体と同義であり、上記本発明のEVOH樹脂組成物層(以下、単に「EVOH樹脂組成物層」という)と、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物以外の熱可塑性樹脂層(以下、本欄において、単に「熱可塑性樹脂層」といえば、当該層を意味する)を、それぞれ少なくとも1層有する多層構造体である。
上記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定しないが、例えば具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンが挙げられる。これらのうち、特にポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が水分不透過性の点で好ましく用いられ、より好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。このような水分不透過性の熱可塑性樹脂層と組み合わせた多層構造体は、ガスバリヤ性を有する包装フィルム、容器、チューブ、パイプ等として好ましく用いられる。
本発明の多層構造体は、EVOH樹脂組成物層、熱可塑性樹脂層の他、さらに紙、金属箔、1軸又は2軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木質面などが積層されていてもよく、またこれらの層間、層表面にアルミやシリカ蒸着がなされていてもよい。
これらの多層構造体を得るためには、通常、EVOH樹脂組成物を加熱し溶融した状態で成形する溶融成形法が採用される。
かかる溶融成形法としては、例えば具体的には、EVOH樹脂組成物のフィルム、シートに熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、熱可塑性樹脂等の基材にEVOH樹脂組成物層を溶融押出する方法、EVOH樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを共押出する方法、EVOH樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを共射出する方法が挙げられる。
この他にも、EVOH樹脂組成物フィルムと熱可塑性樹脂フィルム等の基材とを、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン系化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法、接着性樹脂層を介層させてラミネートする方法等が挙げられる。
接着性樹脂層を構成する接着性樹脂としては特に限定されず、種々のものを使用することができるが、一般的には、カルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体が挙げられる。かかる重合体は、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体(前述の広義のポリオレフィン系)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得ることができる。不飽和カルボン酸またはその無水物として、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。
以上のように、延伸前の本発明の多層構造体は、本発明に係るEVOH樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを、それぞれ少なくとも1層含むものであればよく、その構成は特に限定しないが、EVOH樹脂組成物層をa(a1、a2、・・・)、EVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、通常3〜15層、好ましくは3〜7層、特に好ましくは5〜7層の層構造を有する。例えば具体的には、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1/a/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能である。
また、該多層構造体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層をRとするとき、b/a/R、R/b/a、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能である。
上記した多層構造体の層間には公知の接着性樹脂を用いても良い。
中でも、樹脂組成物層のガスバリヤ性能の低下防止のため、樹脂組成物層への水分の透過を防止できるように、樹脂組成物層が中間層となるような多層構造がより好ましい。具体的には、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH樹脂組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層を構成単位とする多層構造体が好ましい。
本発明の多層構造体の厚みは、通常1〜30000μm、好ましくは3〜13000μm、さらに好ましくは1〜3000μm、特に好ましくは1〜1300μmである。当該構成を有する多層構造体において、熱可塑性樹脂層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜10000μm、好ましくは0.1〜5000μm、さらに好ましくは0.1〜1000μm、特に好ましくは1〜500μmである。EVOH樹脂組成物層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜5000μm、好ましくは0.1〜1000μm、さらに好ましくは0.1〜500μm、特に好ましくは1〜100μmである。接着性樹脂層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜2500μm、好ましくは0.1〜1000μm、さらに好ましくは0.1〜250μm、特に好ましくは0.1〜100μmである。
また、熱可塑性樹脂層/EVOH樹脂組成物層の厚み比は、各層が複数ある場合は、最も厚みの厚い層同士の比で、通常1超〜30であり、好ましくは2〜20である。接着性樹脂層/EVOH樹脂組成物層の厚み比は、通常0.1〜1であり、好ましくは0.25〜1である。熱可塑性樹脂層/EVOH樹脂組成物層の厚み比が小さすぎる場合、防湿性や強度などの低下となる傾向があり、大きすぎる場合、透明性の低下や生産コストの増加傾向がある。
本発明の多層構造体は、さらに加熱延伸成形によって延伸処理されたものであることが好ましい。熱可塑性樹脂層との多層構造体では、延伸処理により、強度がアップするほか、EVOH樹脂組成物層のガスバリヤ性も高めることができる。特に、本発明の多層構造体に含まれるEVOH樹脂組成物層は、上述のように、延伸処理時にも伸びやすい。しかも結晶化速度を遅延させているので、高延伸しても、破断、ピンホール、クラック、偏肉等が生じず、均一性の高い層を保持できる。したがって、延伸処理後も外観に優れ、しかも、その均一性からガスバリヤ性や透明性にも優れている。
なお、上記延伸処理等については、公知の延伸方法を採用することができる。
例えば具体的には、多層構造体シートの両耳を把んで拡幅する一軸延伸、二軸延伸;多層構造体シートを金型を用いて延伸加工する深絞成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の金型を用いた成形法;パリソン等の予備成形された多層構造体を、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等で加工する方法が挙げられる。
上記加熱延伸成形を行う温度は、多層構造体の温度(多層構造体近傍温度)で、通常50〜300℃、好ましくは60〜160℃程度の範囲から選ばれる。延伸倍率は、面積比にて、通常2〜50倍、好ましくは2〜10倍である。
例えば一軸延伸、二軸延伸(同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる)の場合、該延伸を行う温度は、多層構造体の温度(多層構造体近傍温度)で、通常50〜300℃、好ましくは60〜160℃程度の範囲から選ばれる。延伸倍率は、面積比にて、通常2〜50倍、好ましくは2〜10倍である。
フィルムやシート状の成形物を目的とする場合、一軸延伸、二軸延伸法を採用することが好ましい。
また、深絞成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の金型成形方法の場合は、多層構造体のシートを、熱風オーブン、加熱ヒーター式オーブン又は両者の併用などにより均一に加熱して、チャック、プラグ、真空力、圧空力などにより、各種形状に均一に成形する。
かかる延伸成形法では、多層構造体の温度(多層構造体近傍温度)で、通常50〜300℃、好ましくは60〜160℃程度の範囲から選ばれる。
カップやトレイ等の、絞り比(成形品の深さ(mm)/成形品の最大直径(mm))が通常0.1〜3である成形物を目的とする場合、深絞成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の金型を用いて延伸加工する金型成形方法を採用することが好ましい。
特に、急激な延伸処理が含まれる真空圧空成形が採用されるが、真空圧空成形する場合、カップ側面部分と底面部分とでは、樹脂にかかる張力の大きさが異なる。このため、樹脂の延伸性が劣っていると、厚みムラが生じやすい。しかしながら、本発明の多層構造体に含まれるEVOH樹脂組成物層は、伸びやすく、しかも結晶化が遅いので、真空圧空成形によって製造しても、厚みムラが少ない成形品が得られる。したがって、本発明のEVOH樹脂組成物を用いることにより、真空圧空成形のように、一律に張力がかかりにくいような厳しい条件の延伸成形を採用したとしても、優れた外観、ガスバリヤ性を有する成形品を提供できる。
本発明のEVOH樹脂組成物を用いた成形物の絞り比(成形品の深さ(mm)/成形品の最大直径(mm))は、通常0.1〜3、好ましくは0.2〜2.5、特に好ましくは0.3〜2である。かかる値が大きすぎる場合、EVOH樹脂組成物層のクラック等が入りやすくなり、少なすぎる場合は延伸効果が十分に得られない傾向がある。
また、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等で加工する場合は、パリソン等の予備成形された多層構造体を、熱風オーブン、加熱ヒーター式オーブン又は両者の併用などにより均一に加熱して、チャック、プラグ、真空力、圧空力などにより、各種形状に均一に成形する。
かかる延伸成形法では、多層構造体の温度(多層構造体近傍温度)で、通常50〜300℃、好ましくは60〜160℃程度の範囲から選ばれる。
例えばガソリン等の燃料用、飲料用のタンク、ボトル等の中空容器を目的とする場合は、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等を採用することが好ましい。
上記延伸処理後の多層構造体の厚みは、通常1〜13000μm、好ましくは1〜7000μm、さらに好ましくは1〜1300μm、特に好ましくは3〜700μmである。熱可塑性樹脂層の厚みは、通常0.1〜5000μm、更にこおましくは0.1〜3000μm、より好ましくは0.1〜500μm、特に好ましくは1〜300μmである。EVOH樹脂組成物層の厚みは、通常、0.1〜1000μm、好ましくは0.1〜500μm、更に好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは1〜50μmである。接着性樹脂層の厚みは、通常、0.1〜1000μm、好ましくは0.1〜300μm、さらに好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.1〜30μmである。
また、EVOH樹脂組成物層と接着性樹脂層の厚み比、EVOH樹脂組成物層の厚み総計と熱可塑性樹脂層の厚み総計比は延伸前後で大きく変化するものではなく、上記した多層フィルムの場合と同様の値となる。
本発明の多層構造体は、種々の成形品材料として用いることができるが、上述のように、高延伸処理後も、EVOH樹脂組成物層の均一性を保持することができ、厚みのばらつきによる、目立ったスジや偏肉によるうねり等もなく、ひいてはガスバリヤ性も優れていることから、例えば、フィルム、シート、チューブ、パイプ、カップ、タンク、ボトルとして、例えば、医薬品、化粧品、工業薬品、農薬、燃料、電子部品、機械部品等の包装用途に用いられる。特に、上記のような加熱下で延伸処理する成形品材料に好適に利用できることから、最も好ましい絞り比0.3〜2の金型成形品を好適に提供できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
尚、例中「部」とあるのは、断りのない限り質量基準を意味する。
〔測定評価方法〕
(1)厚みのバラツキ(カップ)
作製したカップについて、口部付近側壁部3か所、底面部付近側面部3か所、底面部1か所、それぞれ1cm×1cmずつ切り取り、EVOH樹脂組成物層の厚みを測定し、平均厚み及び最大厚みと最小厚みの差を求めた。
また、最大厚みと最少厚みの差が10μm未満の場合を「○」、11〜19μmの場合を「△」、20μm以上の場合を「×」と評価した。
(2)外観(カップ)
作製したカップの外観を目視で観察し、「○」(縦筋、局部的な偏肉がほとんど認められない)、「△」(カップの側面部に縦筋あるいは局部的な偏肉が著しく認められた)、「×」(カップの側面部に縦筋及び局部的な偏肉が著しく認められた)の3段階で評価した。
(3)厚みのバラツキ(フィルム)
作製したフィルムについて、ランダムに6か所、それぞれ1cm×1cmずつ切り取り、EVOH樹脂組成物層の厚みを測定し、平均厚み及び最大厚みと最小厚みの差を求めた。
(4)外観(フィルム)
作成した3種5層フィルムについて、目視で外観を評価した。「○」(筋、波打ちなどがほとんど認められない)、「×」(筋、波打ちなどが認められる)の2段階で評価した。
(5)ガスバリヤ性(カップ)
カップの上面をアルミ金属板で密封して、MOCON社製の「OXTRAN2/20」を用いて、23℃、50%RH下での酸素透過量を測定した。(1)で算出した平均厚みで除することにより、EVOH樹脂組成物層20μmあたりの酸素透過量(cc/pkg・day・air)を算出した。
なお、pkgは、Packageの略称であり、酸素透過量の測定対象がカップ全体であることを意味し、airは酸素透過量の測定に使用したガスが空気(酸素分圧0.2atm)であることを示している。
(6)ガスバリヤ性(フィルム)
MOCON社製の「OXTRAN2/20」を用いて、23℃、50%RHでの多層フィルムのEVOH樹脂組成物層20μmあたりの酸素透過量(cc/m・day・atm)を測定した。
〔使用した樹脂〕
表1に示す特性を有する2種類のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH1、EVOH2)及び3種類のPVA樹脂(PVA1〜PVA3)を用いた。
PVA樹脂における(1a)で示される側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率は、H−NMRにより測定した値である。
ケン化度は、滴定法(JIS K6726)により測定した値である。
重合度は、水溶液粘度測定法(JIS K6726)により測定した値である。
Figure 0005185182
〔実施例1、比較例1−3〕
表2に示すように、樹脂を配合し、ドライブレンド後、ミキシングゾーンを2か所有する二軸押出機(φ30mm、L/D=43)に仕込み、溶融混練(押出機設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/H/D=200/210/230/230/230/230/230/230℃)後、ストランド状に押出し、カットして、ペレット状のEVOH樹脂組成物を得た。
押出機を3台備え、3種5層型フィードブロック、多層フィルム成形用ダイ及び引取機を有する共押出多層フィルム成形装置に、上記で調製したEVOH樹脂組成物ペレット、ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社「EA6A」)、及び接着性樹脂(三菱化学株式会社「MODIC−AP_P604V」)を供給して、共押出により、ポリプロピレン層/接着性樹脂層/EVOH樹脂組成物層/接着性樹脂層/ポリプロピレン層の3種5層構造の多層構造体を製造した。なお、成形装置のダイ温度は、全て230℃に設定した。また、得られた多層構造体の厚みは320μmであり、各層の厚みは、120μm/20μm/40μm/20μm/120μmである。
得られた多層構造体を、プラグアシスト型真空圧空成形機(浅野研究所)に供給して、ヒーター温度430℃で延伸成形加工を行って、カップ(上面径80mm、底面径48mm、深さ52mm、絞り比(成形品の深さ(mm)/成形品の最大直径(mm))が0.65)を作製した。作製したカップについて、上記測定評価方法に基づいて、厚みのばらつきを調べた。結果を併せて表2に示す。
また、作製したカップについて、上記測定評価方法に基づいて、外観、ガスバリヤ性を測定した結果を表3に示す。
Figure 0005185182
Figure 0005185182
表2からわかるように、EVOH樹脂単独からなる層を有する多層構造体(比較例1)では、底面部と口部付近の厚みの差が大きく、全体として厚みのばらつきが大きく、カップの側面部に縦筋あるいは局部的偏肉が著しく認められたのに対し、側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAを含有するEVOH樹脂組成物(実施例1)を用いた層を有する多層構造体を用いれば、底面部と口部付近の厚みの差が小さく、全体として厚みのばらつきが少ないカップを成形することができた。つまり、成形品のカップとして、実施例1では、縦筋、局部的な偏肉がほとんど認められなかった。また、表3からわかるように、カップ全体の酸素透過量は、実施例1のガスバリヤ層の方が比較例1のガスバリヤ層よりも薄いにもかかわらず小さい結果となり、実施例1の酸素透過量は比較例1の27%の値にまで低下し、ガスバリヤ性が向上した。同じ厚みあたりの酸素透過量を比べると、実施例1のEVOH樹脂組成物層の方が比較例1のEVOH樹脂層よりも少なく、実施例1の酸素透過量は比較例1の酸素透過量の22%の値にまで低下し、ガスバリヤ性がさらに向上したことがわかる。このことから、側鎖1,2−ジオール構造単位含有PVAを添加したEVOH樹脂組成物は、EVOH樹脂単独よりもガスバリヤ性に優れることがわかる。そして、単位厚みあたりの抑制効果よりも、カップ全体のガスバリヤ性向上効果の方が大きいというのは、厚みのばらつき低減により、組成物本来及び延伸処理に基づくガスバリヤ性向上効果が、より有効に発揮することができたためと思われる。
一方、側鎖1,2−ジオール構造単位を含有しないPVA2を含有させた樹脂組成物(比較例2)では、厚みのばらつきが大きいだけでなく、底面部ではEVOH樹脂層の破断が認められた。側鎖1,2−ジオール構造単位を含有しないPVA2は、1,2−ジオール構造単位含有PVAと比べて伸びにくいためと思われる。また、ガスバリヤ性についても、EVOH樹脂層が破断したために、PVA樹脂、EVOH樹脂が本来有するガスバリヤ性を発揮することができなかった。
PVA樹脂に代えて、エチレン含有率が大きい部分ケン化EVOH樹脂(EVOH2)を含有させた樹脂組成物(比較例3)では、エチレン含有率の増大に伴って延伸成形性が向上し、厚みのばらつきはEVOH樹脂単独の場合よりも良好で、実施例1に匹敵する延伸成形性を示すことができた。しかしながら、樹脂組成物全体に含まれるOH基含有率が少なくなったためか、ガスバリヤ性は、EVOH樹脂単独の場合(比較例1)よりも劣っていた。
従って、カップの成形のような厳しい延伸成形品においても、EVOH樹脂本来が有するガスバリヤ性、さらにはそれを超える高度のガスバリヤ性を確保するためには、側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA樹脂を配合した本発明の樹脂組成物を用いることが好適であることがわかる。
〔実施例2、比較例4〕
1,2−ジオール構造単位含有率が同じで、重合度が異なるPVA樹脂(PVA3)を使用し、EVOH樹脂とPVA樹脂の配合比率を表4に示すように変更して製造したペレットをブレンドして、EVOH樹脂組成物(実施例2)を得た。
3種5層型フィードブロック、多層フィルム成形用ダイ及び引取機を有する共押出多層フィルム成形装置に、上記で調製したEVOH樹脂組成物ペレット、ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社「EA7A」)、及び接着性樹脂(三井化学株式会社「ADMER QF551」)を供給して、共押出により、ポリプロピレン層/接着性樹脂層/EVOH樹脂組成物層/接着性樹脂層/ポリプロピレン層の3種5層構造の多層構造体を製造した。なお、成形装置のダイ温度は、全て230℃に設定した。また、得られた多層構造体の厚みは140μmであり、各層の厚みは、50μm/10μm/20μm/10μm/50μmである。
製造した多層フィルムについて、2軸延伸機(BRUCKNER社製 KARO IV)に供給して、同時2軸延伸処理(延伸倍率縦横1.3倍、延伸速度100mm/秒、延伸温度155℃、予熱時間40秒、試験片:縦×横=9cm×9cm)後、上記評価方法に基づいて、外観、フィルムのガスバリヤ性を測定した。結果を表4に示す。
比較例4として、PVA3を含有させずに、EVOH1単独で、実施例2と同様にして作製した3種5層の多層構造体について測定した結果についても、併せて表4に示す。
Figure 0005185182
実施例2と比較例4とを比較した場合では、得られたフィルムのEVOH樹脂(組成物)層の平均厚みは同じであるにもかかわらず、最大厚みと最小厚みの差が比較例4では実施例2の2倍以上となり、実施例2の厚みのばらつきが小さいことがわかる。EVOH樹脂(組成物)層の厚みのばらつきの差異は、フィルムの外観の差となって現れるだけでなく、酸素透過量についても現れ、具体的には、比較例4は実施例2の1.5倍の値となり、実施例2のガスバリヤ性が優れていることがわかる。従って、側鎖1,2−ジオール構造単位を含有するPVA樹脂をEVOH樹脂に配合することで、延伸成形品の厚みのばらつきを小さくするとともに、成形品の表面外観を向上させ、さらにはガスバリヤ性も向上させることができることがわかる。
本発明のEVOH樹脂組成物で構成される層は、加熱延伸処理時における伸びに優れ、延伸処理後も厚みムラが少なく、且つガスバリヤ性に優れる。したがって、高延伸処理を採用しても、結晶化度の高いガスバリヤ性に優れたEVOH樹脂組成物層を提供できるので、例えば、真空圧空成形等の厚みムラが生じやすい急激な延伸処理が含まれる成形方法を適用しても、外観に優れ、高度なガスバリヤ性が要求される種々の成形品に利用できる。

Claims (8)

  1. エチレン含有率が20〜60モル%である水不溶性のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物に、一般式(1)で示される側鎖1,2−ジオール構造単位を含有する水溶性のポリビニルアルコールを配合してなるエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物。
    Figure 0005185182

    ((1)式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは単結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。)
  2. 前記ポリビニルアルコールの配合量は、前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂100重量部に対して、1重量部以上100重量部未満である請求項1に記載のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物。
  3. 前記ポリビニルアルコールにおける一般式(1)で示される側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率は1〜30モル%である請求項1又は2に記載のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物層及びエチレン−ビニルエステル共重合体以外の熱可塑性樹脂層を、それぞれ少なくとも1層有する多層構造体。
  5. エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物以外の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の多層構造体。
  6. 熱可塑性樹脂層/エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物樹脂組成物層の厚み比は、1超〜30である請求項4または5に記載の多層構造体。
  7. 厚みが1〜30000μmである請求項4〜6のいずれかに記載の多層構造体。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の多層構造体を加熱延伸成形してなる成形物。
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