JP5184828B2 - 弾性波デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、入力側及び出力側電極との間で弾性波を繰り返し反射させる弾性波デバイスに関する。
弾性波デバイスであるSAW(surface acoustic wave)フィルタは例えば携帯端末の送受信部に用いられており、その一つとして共振器型一方向性電極を用いたものがある。この種のSAWフィルタの構造を図10に示すと、11は圧電基板であり、その圧電基板11には入力側の共振器型一方向性電極12、出力側の共振型一方向性電極13及びシールド電極14が設けられている。各共振器型一方向性電極12,13はバスバー15a、15bと、SAWを反射させるための多数の励振用の交叉指状電極16と、交叉指状電極16よりも短い、励振に寄与しない多数のダミー電極17と、を備えている。ダミー電極17の役割については後で説明する。一般に一方向性電極は、電極の反射が弱いとトランスバーサル型フィルタの特性である広帯域特性を示すが、反射を強くすると、内部反射が強くなり、共振器型フィルタに近い狭帯域の特性を示す。
内部反射が強い共振器型一方向性では、SAWのエネルギーを閉じ込める反射面がSAWの伝搬方向(バスバーの伸長方向)に存在しており、この反射面は入力側、出力側夫々の交差指状電極16におけるSAWの伝搬方向の中央付近に存在している。そして一方向性電極12、13は、その反射面間における多重反射を利用して、SAWを入力側から出力側への一方向だけに強く伝搬させることができるように構成され、そのようにSAWを伝搬できるように交叉指状電極16の幅や配置間隔が適切に調整されている。
しかしそのように内部反射が強い共振器型一方向性電極12,13を有するSAWフィルタ1においては、SAWのエネルギーが前記反射面間に集中し、次のような問題が起こる。例えば図11(a)に示すように図中点線で囲った電極指群形成領域18を伝搬する表面波10aは本来矩形で進行するはずであるが、波が反射し、伝搬するに従ってその波形が崩れ、波が電極指群形成領域18とバスバー15a,15bとの境界面に入射することがある。電極指群形成領域18を一つの媒質として捉えると、バスバー15a,15bと電極指群形成領域18とでは互いに媒質が異なっており、その媒質の違いによって、その境界面に入射した波の反射が起こり、電極指群形成領域18が導波路となってSAWの伝搬方向に対して垂直方向に分布する横モードの波が立ち、矩形波10aは図11(b)に示したように一次モード(通常モード)である正弦波10bになり、さらに3次モードの波10cや図示していない5次モード、7次モードなどの横モードの高次波が出現する。
そして正弦波10bだけが電極指群形成領域18を進行するとした場合、SAWフィルタ1は図12(a)に実線で示すような帯域特性を示すが、上記の各高次波は、交叉指状電極16に誘起する電荷の符号が互いに逆になる振動部位を有する。つまり高次波は電極指群形成領域18を伝搬するときに、例えばある交叉指状電極16には正電荷を、他の交叉指状電極16には負電荷を誘起させて電極指群形成領域18における電荷のエネルギーのバランスを崩す。そうなると電荷のエネルギーが、電極指群形成領域18の中央部側からバスバー付近に漏れ出し、交叉指状電極16の励振に影響して、例えば図12(a)に一点鎖線及び二点鎖線で示すような、正弦波10bの中心周波数よりも高域側にピークの出る振幅特性が現れることになる。そして正弦波10b及び高次波が電極指群形成領域18において反射を繰り返すことで共振して共振モードになると、各波の特性が加算され、図12(b)に示すようなフィルタ特性となる。つまりSAWフィルタ1は、点線で囲った位置に示されるように、通過帯域よりも高域側の減衰帯域にスプリアスが現れる特性を持ってしまうことになる。このように横モードの高次波が発生すること及び共振が起きることは非特許文献1のシミュレーションにより実証されている。
そこでSAWフィルタ1においては、交叉指状電極16の長さが調節されると共にダミー電極17が設けられ、さらに各バスバー15a,15bからの電極指の交差幅(W)/電極指の開口長(W0)の比率が調整されており、高次波が伝搬するときにダミー電極17にはその延長線上に存在する交叉指状電極16に誘起される電荷と反対の電荷を誘起させて、電極指群形成領域18における正負の電荷を相殺してゼロに近づけ、交叉指状電極16の励振の低下を防ぐことで、スプリアスの抑圧が図られている。このような電極構造(W/W0構造)は特許文献1に記載されている。
しかしそのW/W0構造において、交差幅Wが広い場合は前記横モードのスプリアスが複数発生しやすくなってしまい、交差幅Wが狭くすることで前記スプリアスを抑圧できるが、そうするとインピーダンスが高くなったり、帯域幅が広がるなどして所望のフィルタ特性が得られなくなるという問題があり、従ってW/W0の比率をコントロールすることについては制約があることから、依然として高次波により生じる電荷のエネルギーを十分に抑圧できず、抑圧されきれなかったエネルギーが横モードの分布方向の中央部側からバスバー15a,15b付近へと漏れ出し、スプリアスが発生していた。
また特許文献2には波の伝搬方向に平行なバスバー部に吸音材を塗布した構成のSAWフィルタが示されている。しかしこのSAWフィルタはアポダイズ電極を用いたトランスバーサル型フィルタであり、電極指群形成領域における内部反射が発生しない構造を有している。そして前記吸音材はSAWの伝搬方向に平行なチップ端面からの反射波を防止する目的で用いられており、高次横モードのスプリアスを抑圧する目的で用いられておらず、特許文献2に記載される発明は上記のスプリアスが発生する問題を解決できるものではない。また特許文献3には入出力電極のバスバーに吸音材が塗布された、バルク波と擬似弾性表面波との結合を防いでスプリアスの発生を抑えたSAWフィルタについて記載されているが、そのバスバーにおける吸音材の位置については言及されていない。
特開平9−260996 特開平9−205341 特開平6−232682 Marc Solal et al. Design Modeling and Visualization of Low Transverse Modes R-SPUDT Devices 2006 IEEE Ultrasonics Symposium
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は共振器型一方向性電極からなる入力側電極及び出力側電極を備えた弾性波デバイスにおいて、横モードによるスプリアスを低減し、良好な通過帯域特性が保たれる弾性波デバイスを提供することである。
本発明の弾性波デバイスは、圧電基板上に互いに対向する一対の入力側バスバーと、各入力側バスバーから各々交叉するように櫛歯状に伸び出した多数の励振用の電極指と、を備えた共振器型一方向性電極である入力側電極と、
前記圧電基板上に、前記各入力側バスバーの延長線上に設けられ、互いに対向した一対の出力側バスバーと、これらバスバー間において各々交叉するように櫛歯状に伸び出した多数の励振用の電極指と、を備えた共振器型一方向性電極である出力側電極と、を備え、
前記入力側電極及び出力側電極の励振用の電極指により、各バスバーの伸長方向に沿った前記入力側電極の中央部と前記出力側電極の中央部との間で弾性波を繰り返し反射させ、増幅させて前記入力側電極から前記出力側電極に伝搬させる弾性波デバイスにおいて、
弾性波の進行方向における前記入力側電極の中央部と弾性波の進行方向における前記出力側電極の中央部との間の領域における前記入力側バスバー、前記出力側バスバーの少なくともいずれか一方に吸音材が設けられていることを特徴とする。
なお本願でいう弾性波は表面を伝搬するものに限られるものではない。
入力側バスバーの入力側の端部と出力側バスバーの出力側の端部との中心から吸音材の塗布される位置との距離を、その中心から入力側バスバーの入力側の端部またはその中心から出力側バスバーの出力側の端部までの距離で除した値が例えば0.2以下である。例えば吸音材は、電極指にかからないように塗布され、また、入力側バスバー及び出力側バスバーにおける励振用の電極指の延長上には対向するバスバーから伸長した、入力側バスバー、出力側バスバー夫々により囲まれる電極指群形成領域の電荷を中和するためのダミー電極が設けられていてもよい。また入力側電極及び出力側電極の間に介在するシールド電極を備えていてもよい。
共振器型一方向性電極からなる入力側電極及び出力側電極を備えた弾性波デバイスにおいて、弾性波の進行方向における入力側電極の中央部と出力側電極の中央部との間の領域に弾性波のエネルギーが集中するため、スプリアスを生じる成分となる横モードの高次波も同様にこの領域に集中することになる。そこで各電極の弾性波の伝搬方向における中央部間において入力側電極のバスバー、出力側電極のバスバーの少なくとも一方に吸音材を設けることにより、横モードの高次波の電荷のエネルギーがバスバー付近に漏れ出しても、そのエネルギーは前記吸音材により吸収される。従ってその電荷のエネルギーによって電極指の励振が影響を受けることが抑えられるため、スプリアスが低減される。
この構成は、高次波の次数が大きくなるほど、電極指群形成領域からバスバー付近へ染み出すエネルギーの量が多いので吸音材の効果が大きくなる。また、通常モードの波のエネルギーは、バスバー間の中央部付近に集中しているため、当該通常モードに与える影響が少ない。従ってスプリアスだけを低減でき、通過帯域特性に与える影響が少ない。
本発明の弾性波デバイスの一例であるSAWフィルタ2について図1を参照しながら説明する。このSAWフィルタ2は、STカット水晶ウエハを用いた比帯域0.18%のGSM基地局用に製造され、240MHz帯の特性を有するように構成されている。図中21は圧電基板であり、圧電基板21の表面にはシールド電極23を挟んで、入力側電極を構成する共振器型一方向性電極3Aと、出力側電極を構成する共振器型一方向性電極3Bとが左右に形成されている。
入力側の共振器型一方向性電極3Aは平面視上下に対向し、横方向(SAWの伝搬方向)に並行するように伸長した一対のバスバー32a,32bを備えている。バスバー32a,32bからはSAWを伝搬するための多数の交叉指状電極33a,33bが対向するバスバー32b,32aに向けて櫛歯状に伸長している。
これら交叉指状電極33a,33bは、背景技術の欄で述べたようにSAWの伝搬方向において共振器型一方向性電極3Aの中央付近と一方向性電極3Bの中央付近との間でSAWを多重反射させて入力側(図中左側)から出力側(図中右側)に強く伝搬させるように配列間隔及び幅の大きさ(バスバー32に並行する長さ)が設定されている。具体的にこれら交叉指状電極33a,33bは交互に等間隔で配列されているわけではなく、一本あるいは複数本の交叉指状電極33aが交叉指状電極33bに挟まれると共に一本あるいは複数本の交叉指状電極33bが交叉指状電極33aに挟まれた構造になっている。また各交叉指状電極33の幅の大きさ(バスバー32と並行する方向の長さ)も全て同一ではない。なお図1では交叉指状電極33a,33b及び後述のダミー電極34a,34bは模式的に示しており、実際にはその大きさ、数、配列間隔はこの図1とは異なっている。
励振電極33aの延長線上にはバスバー32bから伸長したダミー電極34aが、交叉指状電極33bの延長線上にはバスバー32aから伸長したダミー電極34bが夫々設けられており、各ダミー電極34a,34bの幅の大きさは、その延長線上の交叉指状電極33の幅の大きさと同じになるように形成されている。
各ダミー電極34は振動に寄与せず、背景技術の欄で示したように横モードの高次波が図中点線で囲った電極指群形成領域(グレーティング領域)35を伝搬するときに正または負に帯電することで、交叉指状電極に励起される電荷を中和し、電極指群形成領域35における正負の電荷のバランスをとり、そのエネルギーをゼロに近づけ、バスバー32a,32b付近に漏れ出す電荷のエネルギーを抑える役割を有している。
出力側の共振器型一方向性電極3Bは、入力側の共振器型一方向性電極3Aと同様に構成されており、その各部には一方向性電極3Aと同じ符号を付して示しており、その各交叉指状電極33a,33bの数、幅、及び配列間隔は、共振器型一方向性電極3Aの中央付近と一方向性電極3Bの中央付近との間でSAWを多重反射させて、入力側から出力側へとSAWを強く伝搬させるように設定されている。なおSAWの伝搬方向における共振器型一方向性電極3Aの入出力側の端部A1、A2間の距離L1と共振器型一方向性電極3Bの入出力側の端部B1、B2間の距離L2とは、この例では等しく記載しているが、等しくなくてもよく、各電極指33a,33b,34a,34bの数も等しくなくてよい。
一方向性電極3Aにおいて前記端部A1,A2間の中央部A3(A1、A3間の長さ=A3、A2間の長さ)付近に設けられた交叉指状電極33a,33b及び一方向性電極3Bにおいて前記端部B1,B2間の中央部B3(B1、B3間の長さ=B3、B2間の長さ)付近に設けられた交叉指状電極33a,33bは、背景技術において説明したようにSAWを反射するための反射面を構成し、これら反射面により電極指群形成領域35における各一方向性電極3A,3Bの各中央部A3、B3間にてSAWが多重反射して、SAWがフィルタ2の入力側から出力側の一方向に強く伝搬するように構成されている。
各バスバー32aから伸びた交叉指状電極33aとバスバー32bから伸びた交叉指状電極33bとの交差幅(W)とバスバー32a,32b間の開口長(W0)との比率W/W0は0.85である。
シールド電極23は、夫々バスバー32a,32bに並行するバスバー24a,24bと各バスバー24a,24bとの間を接続する電極指25とを備えており、入力側の一方向性電極3Aと出力側の一方向性電極3Bとの電磁的かつ静電的結合を抑制して、帯域外のフロアレベルを改善する役割を有している。
続いて吸音材41について説明する。吸音材41は例えばシリコンの接着剤により構成されており、一方向性電極3Aのバスバー32a,32b上の出力側の端部及び一方向性電極3Bのバスバー32a,32bの入力側の端部の計4箇所に、各バスバー32a,32bの幅(図中上下方向)に合わせて円形に、電極指33a,33b,34a,34bにかからないように塗布されている。
上記したように電極指群形成領域35における各一方向性電極3A,3Bの中央部A3,B3間では図2に実線の矢印で示すようにSAWの多重反射が起こる。つまりSAWのエネルギーはこのA3,B3間における電極指群形成領域35領域に集中することになり、従ってこの領域においてはスプリアスを生じる原因となる高次モードが発生しやすい。そこで吸音材41を図のように塗布することにより、電極指群形成領域35に発生した高次モードにより生じ、バスバー32a,32b付近に漏れ出した電荷のエネルギーを抑える。
このように上記SAWフィルタ2においては、入力側共振器型一方向性電極3Aのバスバー32a,32bの出力側の端部と、出力側共振器型一方向性電極3Bのバスバー32a,32bの入力側の端部とに、吸音材41が夫々塗布されているので、SAWが一方向性電極3A,3BのSAWの伝搬方向における各中央部A3,B3間を多重反射することにより、横モードの高次波が発生し、その高次波により電極指群形成領域35に誘起された電荷のエネルギーがバスバー32a,32b付近に漏れ出しても、吸音材41がそのエネルギーを吸収するため、各交叉指状電極33a,33bの励振がそのエネルギーにより影響を受けることが抑えられる。従ってスプリアスが発生することによりSAWフィルタ2の振幅特性(フィルタ特性)が劣化することが抑えられる。
SAWフィルタ2では、各バスバー32a,32bの端部に吸音材41を塗布しているが、上記のようにSAWのエネルギーはこのA3,B3間における電極指群形成領域35領域に集中することになり、この領域においてはスプリアスを生じる原因となる高次モードが発生するため、吸音材41は、各バスバー32a,32bの端部に塗布されることに限られず、SAWの伝搬方向において一方向性電極3Aの中央部A3と一方向性電極3Bの中央部B3との間におけるバスバー32a,32b上に塗布されることで、スプリアスの発生を抑えることができる。
図に示すように円形に吸音材41a,41bを塗布する場合、円の中心がA3とB3との間の領域に入っていなくても、円の端部がその範囲に入っていれば本発明の効果が得られるので本発明の権利範囲に含まれる。またシールド電極23は設けられていなくてもよい。
上記のように吸音材41は、電極指群形成領域35からバスバー32a,32b付近に漏れ出すエネルギーを吸収するため、交叉指状電極33a,33bの伸長方向において各バスバー33a,33bの電極指群形成領域に近い位置にかかるように塗布することが好ましい。ただし吸音材41が各交叉指状電極33にかかると、挿入損失の劣化が起こるため、交叉指状電極33にかからないように塗布することが好ましい。
図3は他の実施の形態にかかるSAWフィルタ5を示している。図3においてSAWフィルタ2と同様に構成されている各部については同じ符号を付して示し説明を省略する。この図に示すように吸音材41は出力側の共振器型一方向性電極3Bのバスバー32a,32bのみに設けられており、その塗布位置はSAWフィルタ2における吸音材41の塗布位置よりも外側であるが、電極3BのSAWの伝搬方向における入力側の端部B2と、中央部B3との間の領域に含まれている。吸音材41は、このように入力側の一方向性電極3A、出力側の一方向性電極3Bのいずれか一方だけに塗布されていてもよい。またバスバー32a,32bのいずれか一方のみに吸音材41を設けてもよく、特にSAWフィルタ5が図中上下方向に非対称な結晶からなる場合、スプリアス導波モードのプロファイルも非対称となることがあるため、このようにバスバー32a,32bのいずれか一方のみに吸音材41を設けることで十分にスプリアスを抑えることができる場合があることが考えられる。
(評価試験1)
評価試験1として先ず、圧電基板21上にSAWフィルタ2を構成する各電極3A,3B,23を形成し、そのフィルタの特性を測定した。その測定後に吸音材41を図1で示す各位置に塗布して、然る後再びフィルタの通過帯域を測定した。なお電極の交叉幅(W)と開口長(W0)との比率(W/W0)は0.85である。
図4は吸音材41の塗布前後での各測定結果を示しており、吸音材41塗布前のグラフは点線で、吸音材41塗布後のグラフは実線で夫々示している。これらのグラフから明らかなように塗布前、塗布後共に240MHzを通過帯域とし、その前後を減衰帯域とする。そして吸音材塗布前においては、240MHzよりも高域側の減衰帯域において鎖線で囲った部分に示すようにスプリアスが発生している。しかし、吸音材の塗布後はこのスプリアスが抑圧されている。この結果から、従来の電極構造では横モードによるスプリアスを抑圧しきれていないが、吸音材をバスバーの適所に設けることで、スプリアスが抑圧され、フィルタの帯域外特性(減衰特性)が改善されることが実証された。
(評価試験2)
評価試験2として圧電基板21上にSAWフィルタ5を構成する各電極3A,3B,23を形成し、そのフィルタの特性を測定した。そして測定後に吸音材41を図3で示す各位置に塗布して、評価試験1と同様に各電極を形成した後、吸音材の塗布前後で各々通過帯域を測定した。ただし電極の交叉幅(W)と開口長(W0)との比率(W/W0)は0.74とした。
図5は各測定結果を示しており、吸音材塗布前のグラフは点線で、吸音材塗布後のグラフは実線で夫々示している。評価試験1の結果と同様に吸音材塗布前においては、中心周波数である240MHzの高域側の減衰帯域において鎖線で囲って示すようにスプリアスが発生している。しかし吸音材の塗布後、そのスプリアスは抑圧されていることがグラフから分かる。従って評価試験1と同様に、吸音材をバスバーの適切な位置に塗布することでスプリアスが抑圧され、フィルタ特性が改善されることが分かる。なお、図5において鎖線で囲った領域に現れたスプリアスの特性(波形)は、図4において鎖線で囲った領域に現れたスプリアスの特性(波形)と異なっているが、これはSAWフィルタ2とSAWフィルタ5とでW/W0の比率が互いに異なるためである。
(評価試験3)
評価試験3として、先ず図6に示すようなSAWフィルタ20を構成した。SAWフィルタ20は吸音材41の塗布箇所が8箇所であることを除いて、最初に示した実施形態のSAWフィルタ2と同様に構成されている。SAWフィルタ20において吸音材41が塗布されている箇所のうち4箇所はSAWフィルタ2の吸音材の塗布箇所と同じであり、他の4つの塗布箇所はSAWの伝搬方向における一方向性電極3A,3Bの各バスバー32a,32bの中心A3,B3間よりも外側である。このSAWフィルタ20及びSAWフィルタ2の振幅特性(フィルタ特性)を調べ、その結果を互いに比較した。
図7においてはSAWフィルタ2のフィルタ特性を実線で、SAWフィルタ20のフィルタ特性を点線で夫々示している。この図に示されるように2つのフィルタ特性にはほとんど変化がなく、このことから吸音材をバスバーの適正な領域に塗布すればスプリアスを抑える効果が得られるが、さらに他の領域に吸音材を塗布しても効果が変わらないことが分かる。
(評価試験4)
複数の圧電基板21にSAWフィルタ5を構成する各電極を形成してフィルタのサンプルを作成し、評価試験2と同様に吸音材を塗布する前に各サンプルのフィルタ特性を測定した。その後各サンプルについて、出力側の共振器型一方向性電極3Bの各バスバー32a,32b上にサンプルごとに位置を変えて吸音材41を塗布し、塗布後にフィルタ特性を測定して、スプリアスの改善レベルを調べた。図8に示すように一方向性電極3Aの入力側の端部A1と一方向性電極3Bの出力側の端部B1との間の中心をP、その中心Pと電極3Bの出力側の端部B1との間の大きさをL3、吸音材41の塗布される位置の中心をQ、PQ間の大きさをL4として、吸音材41は、各サンプルのバスバー32a及び32bにL4/L3の値が各々0.1、0.2、0.4、0.6となる位置に夫々塗布した。
図9は上記の測定結果を表したグラフであり、横軸にL4/L3の値を、縦軸に改善レベルを夫々とっている。このグラフに示すようにL4/L3の値が小さく、つまり吸音材41がSAWの伝搬方向における電極指群形成領域35の中央側に近いほど改善レベルが高く、そしてL4/L3の値が大きくなるにつれて改善レベルは低下し、0.6になると吸音材の効果がほとんどなくなってしまうことが分かる。L4/L3=0.4であるとき吸音材41は、一方向性電極3BのSAWの伝搬方向の中央部B3と入力側の端部B2との間の領域にかかっており、L4/L4=0.6であるとき吸音材41a,41bは前記領域から外れている。この評価試験から吸音材を塗布する位置によってスプリアスを改善レベルは変化し、中央部B3と入力側の端部B2との間の領域を外れるとほとんど改善されないことが分かる。
本発明の実施の形態に係るSAWフィルタの全体構成図である。 SAWの伝搬する様子と吸音材塗布領域を示した説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るSAWフィルタの全体構成図である。 評価試験におけるSAWフィルタの特性を示したグラフである。 評価試験におけるSAWフィルタの特性を示したグラフである。 評価試験に用いたSAWフィルタの全体構成図である 評価試験におけるSAWフィルタの特性を示したグラフである。 評価試験に用いたSAWフィルタの全体構成図である 吸音材を塗布する位置を変化させたときのスプリアスの改善レベルを示したグラフである。 従来のSAWフィルタの全体構成図である。 前記SAWフィルタにおける高次モードの弾性表面波が伝搬する様子を示した説明図である。 前記SAWフィルタを用いたときにスプリアスが発生する様子を説明するグラフである。
符号の説明
2 SAWフィルタ
3A 入力側共振器型一方向性電極
3B 出力側共振器型一方向性電極
32a,32b バスバー
33a,33b 交叉指状電極
34a,34b ダミー電極
41 吸音材

Claims (5)

  1. 圧電基板上に互いに対向する一対の入力側バスバーと、各入力側バスバーから各々交叉するように櫛歯状に伸び出した多数の励振用の電極指と、を備えた共振器型一方向性電極である入力側電極と、
    前記圧電基板上に、前記各入力側バスバーの延長線上に設けられ、互いに対向した一対の出力側バスバーと、これらバスバー間において各々交叉するように櫛歯状に伸び出した多数の励振用の電極指と、を備えた共振器型一方向性電極である出力側電極と、を備え、
    前記入力側電極及び出力側電極の励振用の電極指により、各バスバーの伸長方向に沿った前記入力側電極の中央部と前記出力側電極の中央部との間で弾性波を繰り返し反射させ、増幅させて前記入力側電極から前記出力側電極に伝搬させる弾性波デバイスにおいて、
    弾性波の進行方向における前記入力側電極の中央部と弾性波の進行方向における前記出力側電極の中央部との間の領域における前記入力側バスバー、前記出力側バスバーの少なくともいずれか一方に吸音材が設けられていることを特徴とする弾性波デバイス。
  2. 前記入力側電極及び出力側電極の間に介在するシールド電極を備えることを特徴とする請求項1記載の弾性波デバイス。
  3. 入力側バスバーの入力側の端部と出力側バスバーの出力側の端部との中心から吸音材の塗布される位置との距離を、その中心から入力側バスバーの入力側の端部またはその中心から出力側バスバーの出力側の端部までの距離で除した値が0.2以下であることを特徴とする請求項1または2記載の弾性波デバイス。
  4. 吸音材は、電極指にかからないように塗布されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の弾性波デバイス。
  5. 入力側バスバー及び出力側バスバーにおける励振用の電極指の延長上には対向するバスバーから伸長した、入力側バスバー、出力側バスバー夫々により囲まれる電極指群形成領域の電荷を中和するためのダミー電極が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の弾性波デバイス。
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