JP5170873B2 - 多層プリント基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態に係る多層プリント基板を図1乃至図5に基づいて説明する。
Sn電気めっきは、メルテックス製ロナスタンEC−Jを添加剤に用いた。
硫酸第一すず 40g/L
硫酸 100mL/L
添加剤 ロナスタンEC−J
温度 20℃
電流密度 2A/dm2
また、Snのみに限らず、Sn−Cu合金めっき(めっき浴:奥野製薬工業株式会社製トップフリードBRなど)でも構わない。Sn−Ag合金めっきでも構わない。
置換めっき:
塩化第一すず 18.8g/L
シアン化ナトリウム 188 g/L
水酸化ナトリウム 22.5g/L
温度 常温
すず酸ナトリウム 60g/L
シアン化ナトリウム 120g/L
水酸化ナトリウム 7.5g/L
温度 21〜65℃
塩化第一すず 6g/L
チオ尿素 55g/L
酒石酸 39g/L
温度 12〜14℃
○第1の導電スルーホール14により第1の樹脂フィルム15両面の導体パターン12が電気的に接続されると共に、3つの第1の樹脂フィルム15のうちの隣接する2つの第1の樹脂フィルム15,15間で対向する2つの導体パターン12,12が導電体23および第2の導電スルーホール25を介して電気的に接続される。このように、第1の樹脂フィルム15の第1の導電スルーホール14と、隣接する2つの第1の樹脂フィルム15、15間で対向する2つの導体パターン12,12と金属間結合した導電体23および第2の導電スルーホール25とを、層間接続に用いる構成であるため、層間接続信頼性が高い。また、第1の樹脂フィルム15両面の導体パターン12と第1の導電スルーホール14は一体に形成されているので、層間接続信頼性が高い。
次に、本発明の第2実施形態に係る多層プリント基板10Aを図6乃至図8に基づいて説明する。
この場合の工程は、上記(1)、(2)の工程を実施した後(図7(A)乃至(D)参照)、上記(3),(4)の工程を以下の工程(3A),(4A)で置き換えたものとなる。
○第1の導電スルーホール14により第1の樹脂フィルム15両面の導体パターン12が電気的に接続されると共に、3つの第1の樹脂フィルム15のうちの隣接する2つの第1の樹脂フィルム15,15間で対向する2つの導体パターン12,12が導電体23および第2の導電スルーホール25を介して電気的に接続される。このように、第1の樹脂フィルム15の第1の導電スルーホール14と、隣接する2つの第1の樹脂フィルム15、15間で対向する2つの導体パターン12,12と金属間結合した導電体23および第2の導電スルーホール25とを、層間接続に用いる構成であるため、層間接続信頼性が高い。また、第1の樹脂フィルム15両面の導体パターン12と第1の導電スルーホール14は一体に形成されているので、層間接続信頼性が高い。
(実施例1)
<多層プリント基板10或いは10Aの製造方法>
各第2の導電スルーホール25の両ランド部25a上と内壁にSnめっきをおこなった。Snめっきは1ミクロン厚のSnめっき層23Aを形成した。
スルーホール11は、炭酸ガスレーザだけでなく、小径ではUV-YAGレーザを用いてもよく、エキシマレーザを用いても良い。また、機械ドリルでスルーホール11を加工してもよい。
フィルム粗面化・デスミア:
穴あけ加工した第1の樹脂フィルム15を強アルカリに浸して表面を溶解し粗面化した。
無電解めっき:
コンディショナー処理は、奥野製薬工業株式会社製のOPC−350コンディショナーにより、高分子フィルムの表面を洗浄した。ここで、パラジウムを含む触媒付与液として奥野製薬工業株式会社製のOPC−80キャタリスト、活性化剤としてOPC−500アクセラレーターを用いた。
銅電気めっき:
さらに銅電気めっきを行い、導体13の導体層13bを1〜10ミクロン厚に形成した。銅(Cu)の電気めっき処理は、導体層13bの導体厚が5ミクロンになるように銅を形成した。銅電気めっき液は下記を用いた。尚、添加剤として、荏原ユージライト株式会社製のキューブライトTH−RIIIを使用した。
硫酸銅 120 g/L
硫酸 150 g/L
濃塩酸 0.125mL/L(塩素イオンとして)
導体パターン12の作製:
導体パターン12は、サブトラクティブ法で第1の樹脂フィルム15の両面(導体13の導体層13b)に回路を形成した。感光レジストを塗布し、紫外線にて露光し、現像を行った。次に、エッチング工程を行い、導体パターンを形成した後、レジストを剥離した。なお、さらに微細な回路形成には、電気銅めっき厚(導体厚)を2〜3ミクロン厚にして、めっきレジストを形成してから導体パターン部に電気銅めっきを行うセミアディティブ法を用いても構わない。
各第2の導電スルーホール25の両ランド部25a上に導電ペースト33Aを、スクリーン印刷にて塗布した。
実施例6,9では、実施例3と同様のフィルム基材を用いた。
(比較例)
比較例1〜6として、銅箔とフィルムを張り合わせた片面積層板、および、両面積層板を用い、層間接続には、フィルムに形成したブラインドビアホールに導電ペーストを充填したものを熱融着プレスして多層基板を作製した。条件を下記の表2に示す。
導電ペーストをフィルムのビアホールにスクリーン印刷法にて塗布した。
導電ペーストを埋め込んだフィルムを融着したものを複数枚重ね合わせ、一括熱融着プレスをおこなった。プレス温度は230〜350℃の範囲、プレス圧力0.5〜10MPaの範囲でおこなった。このプレスにおいて、フィルム同士を融着することと、フィルムのビアホールに充填した導電ペーストを硬化させ、導電ペーストとフィルムの導体パターンとを電気的に接続させた。導電ペーストはAgペーストとして、藤倉化成のドータイトXA−824を用いた。また、導電ペーストはAgSnペーストを用いた。ペーストの詳細は、特許3473601号公報の段落0075に記載のものを用いた。
JIS C 5012の付図2.1のLに準じる導体パターンの6層基板を作製した。ただし層間接続部の穴径100ミクロンとし、ランド径は0.5mm、配線幅は0.3mmとし、スルーホールの間隔は7.62mmとした。比較例では、本発明と同じスルーホールの位置に100ミクロン径のビアホールを作製し導電ペーストを充填した。本発明では、JIS C 5012の9.1.3記載条件1に該当する温度サイクル試験を実施し、層間接続信頼性について調査した。初期抵抗に対し20%以上抵抗値が増加した時点で接続不良とみなした。
融着プレス後のプレス厚さ変形量が小さい。
スルーホールの接続信頼性が高い。
・上記各実施形態において、樹脂フィルム15の積層数は「3」に限らず、本発明は、樹脂フィルム15を複数枚重ね合わせた多層プリント基板に広く適用可能である。
11:スルーホール
12:導体パターン
13:導体
13a:下地金属層
13b:導体層
14:第1の導電スルーホール
15:第1の樹脂フィルム
21:スルーホール
22:第2の樹脂フィルム
23,33:導電体
23A:Snめっき層
33A:導電ペースト
25:第2の導電スルーホール
25a:第2の導電スルーホールのランド部
41,42:レジスト膜
41a,42a:貫通孔
Claims (8)
- スルーホールと、両面に形成された導体パターンと、前記スルーホールの内壁に前記導体パターンと一体に形成された第1の導電スルーホールとを有する第1の樹脂フィルムと、
スルーホールを有し、該スルーホールの内壁に第2の導電スルーホールが形成された両面に導体パターンの無い第2の樹脂フィルムと、が交互に重ね合わされており、
150〜350℃、0.5〜10MPaでプレスすることにより前記導体パターンと前記第2の導電スルーホールの両ランド部との間にそれぞれ設けた導電体が、前記導体パターンおよび前記第2の導電スルーホールと金属間結合しており、
前記導体パターンと前記第1の導電スルーホールは、Ni−P合金でめっきを施して230℃〜250℃で30秒〜30分加熱することにより形成された下地金属層と、該下地金属層上に形成された導体層とを有し、前記導体パターンが前記導体層に形成されており、
前記第1の樹脂フィルムは、ガラス転移点および融点が150℃以上350℃以下である熱可塑性樹脂であることを特徴とする多層プリント基板。 - 前記下地金属層は、Pが2〜6%で厚さが0.05〜0.5ミクロンのNi−P合金で形成され、前記導体層は、Cuで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント基板。
- 前記第2の導電スルーホールの両ランド部に設けた前記導電体がSnを含む金属であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層プリント基板。
- スルーホールと、両面に形成された導体パターンと、前記スルーホールの内壁に前記導体パターンと一体に形成された第1の導電スルーホールとを有する第1の樹脂フィルムを作製する工程と、
スルーホールを有し、該スルーホールの内壁に第2の導電スルーホールが形成された両面に導体パターンの無い第2の樹脂フィルムを作製し、前記第2の導電スルーホールの両ランド部表面と前記第2の導電スルーホールの内壁とのうち少なくとも前記両ランド部表面にSnを含むめっきを施す工程と、
前記第1の樹脂フィルと前記第2の樹脂フィルムとを交互に積み重ね、これらの積層体を150〜350℃、0.5〜10MPaで熱融着プレスにより重ね合わせる工程と、
を備え、
前記第1の樹脂フィルムは、ガラス転移点および融点が150℃以上350℃以下である熱可塑性樹脂であり、
前記第2の樹脂フィルムを作製する際に、穴あけ加工された樹脂フィルムの両面、および前記スルーホール内壁にNi−P合金で無電解めっきを施して230℃〜250℃で30秒〜30分加熱することにより下地金属層を形成し、該下地金属層上に電気めっきによって導体を形成したのち、前記第2の導電スルーホール、および、前記ランド部以外をエッチングして両面の導体を除去することを特徴とする多層プリント基板の製造方法。 - 前記Snを含むめっきは、Snのほか、Ag、Cu、Zn、Biのいずれかを複数含むことを特徴とする請求項4に記載の多層プリント基板の製造方法。
- 前記Snを含むめっきは、電気めっき、または、置換めっきであることを特徴とする請求項4又は5に記載の多層プリント基板の製造方法。
- スルーホールと、両面に形成された導体パターンと、前記スルーホールの内壁に前記導体パターンと一体に形成された第1の導電スルーホールとを有する第1の樹脂フィルムを作製する工程と、
スルーホールを有し、該スルーホールの内壁に第2の導電スルーホールが形成された両面に導体パターンの無い第2の樹脂フィルムを作製する工程と、
導電ペースト或いは金属粉を、前記導体パターンと前記第2の導電スルーホールの両ランド部との間にそれぞれ介在させて、前記第1の樹脂フィルムと前記第2の樹脂フィルムとを交互に積み重ね、これらの積層体を150〜350℃、0.5〜10MPaで熱融着プレスにより重ね合わせる工程と、
を備え、
前記第1の樹脂フィルムは、ガラス転移点および融点が150℃以上350℃以下である熱可塑性樹脂であり、
前記第1の樹脂フィルムを作製する工程において、前記第1の樹脂フィルムの両面および前記スルーホール内壁にNi−P合金で無電解めっきを施して230℃〜250℃で30秒〜30分加熱することにより下地金属層を形成し、該下地金属層上に電気めっきによって導体層を形成した後、該導体層に前記第1の樹脂フィルムの両面の導体パターンを形成することを特徴とする多層プリント基板の製造方法。 - 前記導電ペーストが少なくともSn,Cu,Agを含む金属粉からなることを特徴とする請求項7に記載の多層プリント基板の製造方法。
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