JP5126206B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車用の自動変速機として利用するトロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、トラニオンに対するパワーローラの変位を円滑に行わせて、高い伝達効率を確保でき、しかも、優れた耐久性を確保できる構造の実現を図るものである。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。特に、特許文献1には、各種構造のトロイダル型無段変速機が記載されている。図5に、この特許文献1に記載されており、現在実施されているトロイダル型無段変速機の基本構成を示している。先ず、この従来構造の第1例に就いて、簡単に説明する。1対の入力側ディスク1a、1bを入力回転軸2に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する入力側内側面3、3同士を互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。
又、上記入力回転軸2の中間部周囲に、中間部外周面に出力歯車4を固設した出力筒5を、この入力回転軸2に対する回転を自在に支持している。又、この出力筒5の両端部に出力側ディスク6、6を、スプライン係合により、この出力筒5と同期した回転自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する、上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7が、上記両入力側内側面3、3に対向する。
又、上記入力回転軸2の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、7同士の間部分(キャビティ)に、それぞれの周面を球状凸面としたパワーローラ8、8を、2個ずつ配置している。これら各パワーローラ8、8は、それぞれトラニオン9、9の内側面に、基半部と先半部とが偏心した支持軸10、10と複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸10、10の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸10、10の基半部を中心とする若干の揺動変位自在に支持されている。
又、上記各トラニオン9、9は、それぞれの長さ方向(図5の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン9、9毎に互いに同心に設けられた傾転軸を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン9、9を揺動(傾斜)させる動作は、油圧式のアクチュエータにより、これら各トラニオン9、9を上記各傾転軸の軸方向に変位させる事により行う。変速時には、上記各アクチュエータへの圧油の給排により、上記各トラニオン9、9を上記各傾転軸の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ8、8の周面と上記入力側、出力側各内側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化する(サイドスリップが発生する)ので、上記各トラニオン9、9が上記各傾転軸を中心として揺動変位する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸11により一方(図5の左方)の入力側ディスク1aを、ローディングカム式の押圧装置12を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸2の両端部に支持された1対の入力側ディスク1a、1bが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ8、8を介して前記両出力側ディスク6、6に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
上記入力回転軸2と上記出力歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸2と出力歯車4との間で減速を行う場合には、上記各トラニオン9、9を図5に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記各入力側ディスク1a、1bの入力側内側面3、3の中心寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行う場合には、上記各トラニオン9、9を図5と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記両入力側ディスク1a、1bの入力側内側面3、3の外周寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の中心寄り部分とにそれぞれ当接させる。上記各トラニオン9、9の揺動角度を中間にすれば、上記入力回転軸2と出力歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、入力側、出力側各ディスク1a、1b、6と上記各パワーローラ8、8とが、前記押圧装置12が発生する押圧力(推力)に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、上記各ディスク1a、1b、6が軸方向に変位する。又、上記押圧装置12が発生する押圧力は、上記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って上記各部材の弾性変形量も多くなる。従って、上記トルクの変動に拘らず、上記入力側、出力側各側面3、7と上記各パワーローラ8、8の周面との接触状態を適正に維持する為に、これら各パワーローラ8、8を上記各トラニオン9、9に対し、上記各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位させる機構が必要になる。図5に記載した従来構造の第1例の場合には、上記各パワーローラ8、8を支持した前記各支持軸10、10の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、上記各パワーローラ8、8を上記軸方向に変位させる様にしている。
この様な従来構造の第1例の場合、上記各パワーローラ8、8を上記軸方向に変位させる為の構造が複雑で、部品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩む事が避けられない。この様な問題を解決する為の技術として前記特許文献1には、図6〜11に示す様な構造が記載されている。本発明は、この図6〜11に示した従来構造の第2例を改良するものであるから、次に、この従来構造の第2例に就いて説明する。この従来構造の第2例の特徴は、トラニオン9aに対してパワーローラ8aを、入力側、出力側各ディスク1a、1b、6(図5参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にあり、トロイダル型無段変速機全体としての構造及び作用は、前述の図5に示した従来構造の第1例と同様である。
上記従来構造の第2例を構成するトラニオン9aは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸13、13と、これら両傾転軸13、13同士の間に存在し、少なくとも上記入力側、出力側両ディスク1a、1b、6の径方向(図7、9〜11の上下方向)に関する内側(図7、9〜11の上側)の側面を円筒状凸面14とした、支持梁部15とを備える。上記両傾転軸13、13は、それぞれラジアルニードル軸受16、16を介して、ヨーク(周知構造である為、図示せず)或いは揺動フレームの支持板部(特許文献1の図71、72の符号13、14参照)に、揺動を可能に支持する。
又、上記円筒状凸面14の中心軸イは、図7、10に示す様に、上記両傾転軸13、13の中心軸ロと平行で、これら両傾転軸13、13の中心軸ロよりも、上記各ディスク1a、1b、6の径方向に関して外側(図7、9〜11の下側)に存在する。又、上記支持梁部15とパワーローラ8aの外側面との間に設けるスラスト玉軸受17を構成する外輪18の外側面に、部分円筒面状の凹部19を、この外側面を径方向に横切る状態で設けている。そして、この凹部19と、上記支持梁部15の円筒状凸面14とを係合させ、上記トラニオン9aに対して上記外輪18を、上記各ディスク1a、1b、6の軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。上記凹部19の断面形状の曲率半径r19は上記円筒状凸面14の断面形状の曲率半径r14以上(r19≧r14)として、これら凹部19と円筒状凸面14とを、全面若しくはこの凹部19の底部近傍部分で、直接当接させている。
又、上記外輪18の内側面中央部に支持軸10aを、この外輪18と一体に固設して、上記パワーローラ8aをこの支持軸10aの周囲に、ラジアルニードル軸受20を介して、回転自在に支持している。又、上記外輪18及び上記支持軸10aの内部に、上記スラスト玉軸受17及び上記ラジアルニードル軸受20に潤滑油を供給する為の下流側給油路21を、上記支持梁部15の内部に、この下流側給油路21に繋がる上流側給油路22を、それぞれ設けている。これら両給油路21、22は、上記凹部19の中央部に形成した凹孔31を介して、この外輪18の揺動変位に拘らず互いに連通する様にし、更に、上記支持梁部15の外部に、上記上流側給油路22に繋がる給油パイプ23を設けている。この給油パイプ23の上流側端部は、上記トラニオン9aの端部に設けた、同期ケーブルを架け渡す為のプーリ24の内径側に開口させ、このプーリ24の内径側を通じて、潤滑油の供給を可能にしている。
更に、上記トラニオン9aの内側面のうち、上記支持梁部15の両端部と1対の傾転軸13、13との連続部に、互いに対向する1対の段差面25、25を設けている。そして、これら両段差面25、25と、前記スラスト玉軸受17を構成する外輪18の外周面とを、当接若しくは近接対向させて、前記パワーローラ8aからこの外輪18に加わるトラクション力を、何れかの段差面25、25で支承可能としている。
上述の様に構成する従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機によれば、上記パワーローラ8aを前記各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、このパワーローラ8aの周面と上記各ディスク1a、1b、6との接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、入力側、出力側各ディスク1a、1b、6、各パワーローラ8aの弾性変形に基づき、これら各パワーローラ8aをこれら各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ8aを回転自在に支持している前記スラスト玉軸受17の外輪18が、外側面に設けた部分円筒面状の凹部19と支持梁部15の円筒状凸面14との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面14の中心軸イを中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、上記各パワーローラ8aの周面のうちで、上記各ディスク1a、1b、6の軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位し、上記接触状態を適正に維持する。
前述した通り、上記円筒状凸面14の中心軸イは、変速動作の際に各トラニオン9aの揺動中心となる傾転軸13、13の中心軸ロよりも、上記各ディスク1a、1b、6の径方向に関して外側に存在する。従って、上記円筒状凸面14の中心軸イを中心とする揺動変位の揺動半径は、上記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、上記入力側ディスク1a、1bと出力側ディスク6との間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
上述の様な従来構造の第2例を実施する場合に、図11の(A)に示す様に、上記凹部19の断面形状の曲率半径r19を、上記円筒状凸面14の断面形状の曲率半径r14よりも大きく(r19>r14)する事が一般的である。この理由は、これら両曲率半径r19、r14を互いに等しく(r19=r14)すると、上記凹部19の内面と上記円筒状凸面14とが、互いに対向する部分の全面に亙り当接し、この当接部に潤滑油を送り込み難くなる為である。上記凹部19の内面と上記円筒状凸面14とは、大きな面圧で当接した状態のまま、互いに揺動変位する為、上記当接部への潤滑油の送り込みが不良になると、金属接触に基づく過大な摩耗を発生し易くなる。
但し、上記円筒状凸面14の断面形状の曲率半径r14よりも大きく(r19>r14)した場合にも、次の(1)(2)の様な問題を生じる。
(1) 上記凹部19の内面と上記円筒状凸面14とが局部的に摩耗し易い。
(2) 前記スラスト玉軸受17の耐久性を確保しにくい。
このうちの(1) の問題が生じる理由は、上記凹部19の内面と上記円筒状凸面14とが、図11の(A)に示す様に、この凹部19の底部若しくは底部近傍のみで、ほぼ線接触に近い状態で接触し、接触部の面圧が高くなる為である。
又、上記(2) の問題が生じる理由は、前記パワーローラ8aから上記スラスト玉軸受17に加わる大きなスラスト荷重に基づき、前記外輪18が、その内側面側を部分凸円筒とする方向に弾性変形する為である。トロイダル型無段変速機の技術分野で周知の様に、本発明の対象となるハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機の運転時に上記スラスト玉軸受17には、上記パワーローラ8aから大きなスラスト荷重が加わる。そして、このスラスト荷重に基づいて上記スラスト玉軸受17を構成する外輪18が、図11の(B)に誇張して示す様に、上記凹部19の内面を上記円筒状凸面14に倣わせる(これら両面をほぼ全面に亙り当接させる)方向に弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、上記外輪18の内側面に設けた外輪軌道28と、上記パワーローラ8aの外側面に設けた内輪軌道27との距離が、上記外輪18の円周方向に関して不同になる。そして、これら両軌道28、27の距離の相違に伴って、これら両軌道28、27と各玉26、26(図12参照)の転動面との転がり接触部の面圧が、上記外輪18の円周方向に関して著しく不同になる。具体的には、図12にα、αで示した、トラニオン9aの長さ方向(支持梁部15の軸方向)反対側2箇所位置で、上記両軌道28、27と各玉26、26の転動面との転がり接触部の面圧が過大になる。この結果、これら両軌道28、27の転がり疲れ寿命が、上記長さ方向反対側2箇所位置で著しく短くなり、トロイダル型無段変速機の耐久性確保の上で障害になる。
特開2008−25821号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、スラスト玉軸受を構成する外輪の外側面に形成した凹部の内面と、トラニオンを構成する支持梁部に設けた円筒状凸面との接触面積を確保して、これら両面の摩耗を抑え、しかも、上記外輪の弾性変形を抑えて、上記スラスト玉軸受の耐久性を確保し、トロイダル型無段変速機全体としての耐久性を向上させるべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述の特許文献1に記載されて従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、複数のパワーローラとを備える。
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、軸方向に関して上記各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
この様な上記各トラニオンは、両端部に互いに同心に設けられた上記1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも上記両ディスクの径方向に関する内側の側面を、上記両傾転軸の中心軸と平行でこの傾転軸の中心軸よりも上記両ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備える。
又、上記各パワーローラは、上記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させている。
又、上記各スラスト転がり軸受は、この支持梁部と上記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、この支持梁部側に設けられた外輪と、この外輪の内側面に設けられた外輪軌道と上記パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備える。そして、上記外輪は、この外輪の外側面に設けられた凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により上記各トラニオンに対し、上記両ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記外輪の外側面に設けられた凹部を、幅方向両側部分に設けられ、断面形状の曲率半径が上記円筒状凸面の曲率半径よりも大きな1対の側方凹曲面部を備えたゴシックアーチ状の断面形状を有するものとしている。そして、上記外輪の外側面に設けられた凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを、上記両側方凹曲面部で当接させている。
この様な本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記両側方凹曲面部同士の間に、断面形状の曲率半径が円筒状凸面の曲率半径よりも小さな中央凹曲面部を存在させる。そして、上記両側方凹曲面部の中央側端縁とこの中央凹曲面部の両側縁とを滑らかに連続させる。
尚、上記パワーローラから上記外輪に加わるトラクション力を支承する為の構造は特に問わない。但し、この構造を簡素に構成するには、前述した従来構造の第2例の場合と同様に、上記各トラニオンの内側面のうち、上記支持梁部の両端部と上記両傾転軸との連続部に、互いに対向する1対の段差面を設ける。そして、上記外輪をこれら両段差面同士の間部分に、上記パワーローラからこの外輪に加わるトラクション力を何れかの段差面で支承可能な状態に係合させる。
上述の様に構成する本発明によれば、十分な耐久性を有するトロイダル型無段変速機を実現できる。
即ち、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、スラスト玉軸受を構成する外輪の外側面に形成した凹部を、1対の側方凹曲面部を備えた、断面形状がゴシックアーチ状としている為、この凹部の内面とトラニオンを構成する支持梁部に設けた円筒状凸面とが、これら両面の円周方向に関して2箇所位置で当接する。この為、これら両面の接触面積を確保して、これら両面の摩耗を抑える事ができる。
又、上記両面を、これら両面の円周方向に離隔した2箇所位置で当接させている為、上記外輪に大きなスラスト荷重が加わった場合にも、この外輪が、上記凹部の開口幅を狭くする方向に弾性変形する事を抑えられる。従って、この外輪の内側面に設けた外輪軌道と、パワーローラの外側面に設けた内輪軌道との間隔が、これら両軌道の円周方向に関して不同になる程度を抑えられる。この為、これら両軌道と各玉の転動面との転がり接触部の面圧が、部分的に過大になる事を防止できる。この結果、上記スラスト玉軸受の耐久性、延てはこのスラスト玉軸受を組み込んだトロイダル型無段変速機の耐久性を確保できる。
又、請求項2に記載した発明の様に、両側方凹曲面部の中央側端縁と中央凹曲面部の両側縁とを滑らかに連続させれば、上記凹部の内面と上記支持梁部の円筒状凸面との押し付け合いに伴って、上記両側方凹曲面部同士の間に互いに離れる方向の大きな力が加わった場合でも、上記凹部の底部若しくはその近傍に加わる応力を低減できる。この結果、上記外輪に亀裂等の損傷が発生する事を防止できる。
本発明の実施の形態の1例を示す、スラスト玉軸受を介してパワーローラを支持したトラニオンを、各ディスクの径方向内側から見た斜視図。 図1の拡大X−X断面図。 スラスト玉軸受を構成する外輪を取り出し、図1と反対側から見た状態で示す斜視図。 図2からスラスト玉軸受を構成する外輪を取り出した状態で示す図。 従来構造の第1例を示す断面図。 従来構造の第2例を示す、スラスト玉軸受を介してパワーローラを支持したトラニオンを、各ディスクの径方向外側から見た斜視図。 同じく、ディスクの周方向から見た状態で示す正面図。 図7の上方から見た平面図。 図7の右方から見た側面図。 図8のY−Y断面図。 図7のZ−Z断面に相当する図で、パワーローラからスラスト玉軸受にスラスト荷重が加わる前の状態を示す図(A)と、スラスト荷重が加わった後の状態を示す図(B)。 外輪の弾性変形に伴って転がり接触部の面圧が高くなる部分を示す為、パワーローラ及びプーリを除いて図8と同方向から見た図。
図1〜4は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、外輪18aの外側面に、この外輪18aの直径方向に亙って形成した凹部19aの内面の形状を工夫する事により、この外輪18a及びこの外輪18aを含んで構成するスラスト玉軸受17aの耐久性を確保する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図6〜11に示した従来構造の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の構造では、上記凹部19aの内面を、単一円筒面ではなく、1対の側方凹曲面部29、29と中央凹曲面部30とを滑らかに連続させた、ゴシックアーチ状の断面形状を有するものとしている。このうち、上記両側方凹曲面部29、29は、上記凹部19aの幅方向両側部分に設けられており、断面形状の曲率半径r29が、トラニオン9aを構成する支持梁部15の円筒状凸面14の外周面の曲率半径r14よりも大きい(r29>r14)。これに対して、上記中央凹曲面部30は、上記凹部19aの幅方向中央部に設けられており、断面形状の曲率半径r30が、上記円筒状凸面14の外周面の曲率半径r14よりも小さい(r30<r14)。それぞれが上述の様な曲率半径r29、r30を有する、上記両側方凹曲面部29、29と上記中央凹曲面部30とは、これら両側方凹曲面部29、29のこの中央側端縁とこの中央凹曲面部の両側縁30とで互いの接線を共有する状態により、滑らかに連続している。
上記外輪18aと上記トラニオン9aとは、この外輪18a側の凹部19aにこのトラニオン9a側の支持梁部15を内嵌する状態に組み合わせる。この様に組み合わせた状態で、この支持梁部15の円筒状凸面14と上記両側方凹曲面部29、29とが、この支持梁部15の円周方向2箇所位置で当接する。これら両当接部に関する中心角θは、上記各曲率半径r29、r30、r14の比に基づいて任意に調節できる。この中心角θが大きくなる程、上記外輪18aが前述の図11の(B)に示す様に弾性変形するのを阻止する効果が大きくなる。但し、上記中心角θが大きくなる程、上記両側方凹曲面部29、29同士の間隔を拡げる方向に加わる力が大きくなり、上記凹部19aの底部乃至はその近傍部分に加わる引っ張り応力が大きくなる。逆に、上記中心角θを小さくする程、上記両側方凹曲面部29、29同士の間隔を拡げる方向に加わる力を抑え、上記凹部19aの底部乃至はその近傍部分に加わる引っ張り応力を小さくできる。但し、上記中心角θを小さくする程、上記外輪18aが前述の図11の(B)に示す様に弾性変形するのを阻止する効果が小さくなる。そこで、上記中心角θを、上記外輪18aの弾性変形を抑え、上記凹部19aの底部乃至はその近傍部分に加わる引っ張り応力が過大にならない範囲で、適正に規制する。具体的には、上記中心角θが90度±30度の範囲に収まる様に、上記各曲率半径r29、r30、r14の比を定める。
上述の様に構成する本例の構造によれば、十分な耐久性を有するトロイダル型無段変速機を実現できる。
即ち、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、前記スラスト玉軸受17aを構成する上記外輪18aの外側面に形成した凹部19aの内面と上記支持梁部15に設けた円筒状凸面14とを、これら両面の円周方向に関して2箇所位置で当接させている。この為、上記凹部19aの内面と上記円筒状凸面14との接触面積を確保して、これら両面の接触部の面圧を低く抑え、これら両面の摩耗を抑える事ができる。
又、上記凹部19aの内面と上記円筒状凸面14とを、上記支持梁部15の円周方向に離隔した2箇所位置で当接させている為、上記外輪18aに大きなスラスト荷重が加わった場合にも、この外輪18aが、前述の図11の(B)に示す様に、内側面側が凸円筒面となる様に弾性変形する事を抑えられる。言い換えれば、上記外輪18aの内側面の高さが、周方向に関して変化しない状態にできる。従って、この外輪18aの内側面に設けた外輪軌道28と、パワーローラ8aの外側面に設けた内輪軌道27との間隔を、これら両軌道28、27の円周方向に関して、実質的に一定にできる(不同になる程度を抑えられる)。この為、上記両軌道28、27と各玉26、26の転動面との転がり接触部の面圧が、部分的に過大になる事を防止できる。この結果、上記スラスト玉軸受17aの耐久性、延てはこのスラスト玉軸受17aを組み込んだトロイダル型無段変速機の耐久性を確保できる。
更に本例の構造の場合には、前記両側方凹曲面部29、29の中央側端縁と前記中央凹曲面部30の両側縁とを滑らかに連続させているので、上記支持梁部15の円筒状凸面14との押し付け合いに伴って、上記両側方凹曲面部29、29同士の間に互いに離れる方向の大きな力が加わった場合でも、上記凹部19aの底部若しくはその近傍に加わる引っ張り応力を低減できる。この結果、上記外輪18aに亀裂等の損傷が発生する事を防止できる。又、上記中央凹曲面部30を設ける事で、上記凹部19aの底部若しくはその近傍に加わる引っ張り応力を低減できる分、上記外輪18aの損傷防止性能を同じとした場合に、前記中心角θを大きくする事が可能になる。そして、この中心角θを大きくする事により、上記外輪18aの弾性変形を抑える効果を大きくできる。
1a、1b 入力側ディスク
2 入力回転軸
3 入力側内側面
4 出力歯車
5 出力筒
6 出力側ディスク
7 出力側内側面
8、8a パワーローラ
9、9a トラニオン
10、10a 支持軸
11 駆動軸
12 押圧装置
13 傾転軸
14 円筒状凸面
15 支持梁部
16 ラジアルニードル軸受
17、17a スラスト玉軸受
18、18a 外輪
19、19a 凹部
20 ラジアルニードル軸受
21 下流側給油路
22 上流側給油路
23 給油パイプ
24 プーリ
25 段差面
26 玉
27 内輪軌道
28 外輪軌道
29 側方凹曲面部
30 中央凹曲面部
31 凹孔

Claims (2)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラとを備え、
    上記各トラニオンは、両端部に互いに同心に設けられた上記1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも上記両ディスクの径方向に関する内側の側面を、上記両傾転軸の中心軸と平行でこの傾転軸の中心軸よりも上記両ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたものであり、
    上記各スラスト転がり軸受は、この支持梁部と上記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、この支持梁部側に設けられた外輪と、この外輪の内側面に設けられた外輪軌道と上記パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであって、上記外輪は、この外輪の外側面に設けられた凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により上記各トラニオンに対し、上記両ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されているトロイダル型無段変速機に於いて、上記外輪の外側面に設けられた凹部は、幅方向両側部分に設けられ、断面形状の曲率半径が上記円筒状凸面の曲率半径よりも大きな1対の側方凹曲面部を備えたゴシックアーチ状の断面形状を有するものであり、上記外輪の外側面に設けられた凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とが、上記両側方凹曲面部で当接している事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 両側方凹曲面部同士の間に、断面形状の曲率半径が円筒状凸面の曲率半径よりも小さな中央凹曲面部が存在し、上記両側方凹曲面部の中央側端縁と中央凹曲面部の両側縁とが滑らかに連続している、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
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