JP5007600B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面に、それぞれ当接させている。
上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けている。
又、上記各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面(パワーローラを設けた側と反対側の面)から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に設けている。
又、この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置している。
そして、上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入し、この凹溝を構成する上記両側面によりこの凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内する。
この様な請求項1に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記各トラニオンに形成した凹溝の底面に、各トラニオンの傾転軸の方向に対し直交する方向への移動を可能とした保持器に保持された複数のローラを設けて、直動型の転がり軸受を構成する。そして、これら各直動型の転がり軸受により、各パワーローラの軸方向に加わる力を支承する。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各ディスク並びに各パワーローラの弾性変形に基づき、これら各パワーローラをこれら各ディスクの軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラを回転自在に支持している各スラスト転がり軸受の外輪が、それぞれの外側面に設けた凸部を、各トラニオンに設けた凹溝の各側面により案内させつつ変位する。この様に各パワーローラの変位を、前述の図8、9に示した構造の様な、先半部と基半部とが互いに偏心した支持軸を用いずに行なう事ができる。この為、これら各パワーローラの変位の為の機構を簡素に構成でき、部品点数の低減、組立工程数の低減、加工の容易化に基づくコストの低減を図れる。又、上記各トラニオンに、上述の様な支持軸を支持する為の支持孔を設ける必要もなくなり、加工工程の省略に伴う加工コストの低減の他、上記各トラニオンの強度を確保し易くでき(トラニオンの許容荷重を大きくでき)、トロイダル型無段変速機のトルク容量の増大を図れる。又、同じトルク容量であれば、上記各トラニオンをより小型に構成する(形状の単純化、肉厚の低減等を図る)事もできる。
図1、2は、請求項1、2、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例を含め、本発明のトロイダル型無段変速機の特徴は、トラニオン9bに対しパワーローラ8を、入力側、出力側各ディスク1、6(図8参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にある。トロイダル型無段変速機全体としての構造及び作用は、前述の図8〜9に示した構造を含め、従来から知られている構造と同様であるから、従来と同様に構成する部分に就いては、図示並びに説明を、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各ディスク1、6並びに各パワーローラ8の弾性変形に基づき、これら各パワーローラ8をこれら各ディスク1、6の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ8を回転自在に支持している各スラスト転がり軸受15の外輪16aの外側面に設けた凸部23が、トラニオン9bに設けた凹溝21の各側面22、22並びに底面30に案内されつつ、上記外輪16aの本体部分及び上記各パワーローラ8と共に変位する。この様にこれら各パワーローラ8の変位を、前述の図8、9に示した構造の様な、先半部と基半部とが互いに偏心した支持軸10(図8、9参照)を用いずに行なう事ができる。この為、上記各パワーローラ8の変位の為の機構を簡素に構成でき、部品点数の低減、組立工程数の低減、加工の容易化に基づくコストの低減を図れる。又、上記トラニオン9bに、上述の様な支持軸10を支持する為の支持孔を設ける必要もなくなり、加工工程の省略に伴う加工コストの低減の他、このトラニオン9bの強度を確保し易くでき(トラニオン9bの許容荷重を大きくでき)、トロイダル型無段変速機のトルク容量の増大を図れる。又、同じトルク容量であれば、上記トラニオン9bをより小型に構成する(形状の単純化、肉厚の低減等を図る)事もできる。
図3は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、トラニオン9cを円柱状のものとしている。そして、この様な円柱状のトラニオン9cの軸方向両端部を、それぞれ傾転軸11a、11aとしている。本例の場合は、これら各傾転軸11a、11aの直径寸法を、このトラニオン9cの本体部分の直径寸法と同じにしている。そして、この様な傾転軸11a、11aを設けたトラニオン9cの軸方向中間部に凹溝21を、これら各傾転軸11a、11aの中心軸に直交する方向に設けている。この様な本例の場合も、トラニオン9cを形状が単純な円柱状のものとしている為、加工コストの低減を図れる。又、この円柱状のトラニオン9cの両端部をそのまま傾転軸11a、11aとしている為、この面からも加工コストの低減を図れる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である為、重複する説明は省略する。
図4は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の場合には、トラニオン9dの軸方向中間部に設けた凹溝21aの幅方向寸法を、前述の本発明の実施の形態の第1例や上述の第2例の凹溝21(図1、3参照)に比べ、大きくしている。そして、この様な凹溝21aの各側面22a、22aにより、各パワーローラ8を回転自在に支持する為のスラスト転がり軸受15の外輪16bの外周面を、案内する様にしている。この様な本参考例の場合には、この外輪16bの外側面を単なる平坦面とし、前述の第1、2例の様な凸部23(図1、2参照)を設けてない。一方、上記凹溝21aを構成する1対の側面22a、22aには、直動型の転がり軸受(スライド軸受)31、31を、それぞれ設けている。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である為、重複する説明は省略する。
図5は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合は、上述した参考例の第1例の構造のうち、四角柱状のトラニオン9d(図4参照)に代えて、円柱状のトラニオン9eを採用している。この様な本参考例の場合も、前述の本発明の実施の形態の第2例と同様に、円柱状のトラニオン9eの軸方向両端部を、そのまま傾転軸11a、11aとしている。
その他の構成及び作用は、上述した参考例の第1例、並びに、前述した本発明の実施の形態の第2例と同様である為、重複する説明は省略する。
図6は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合は、トラニオン9fの両端部に設けた傾転軸11b、11bを、このトラニオン9fの本体部分と別体のものとしている。即ち、本例の場合は、上記トラニオン9fの本体部分の両端面に、これら両端面から突出する状態で突部32を設けている。一方、このトラニオン9dの本体部分と別体の上記傾転軸11b、11bは、円板状(乃至は円柱状)の素材の側面に、上記突部32と係合する係合部33を設けて成るものとしている。そして、この様な係合部33に上記突部32を圧入する事により、上記傾転軸11b、11bを上記トラニオン9fに結合固定している。この様な本参考例の場合には、トラニオン9fをフライス加工やブローチ加工のみで造れる為、このトラニオン9fの強度の確保と加工コストの低減とを、更に高次元で図れる。
その他の構成及び作用は、前述した参考例の第1例と同様である為、重複する説明は省略する。
図7は、請求項1、4、6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、円柱状のトラニオン9gの外周面に凹溝21bを、この外周面から径方向内方に凹入する状態で、全周に亙り設けている。そして、この凹溝21bを構成する各側面22b、22bに、それぞれスラストニードル軸受34、34を設け、これら両スラストニードル軸受34、34を介して、スラスト転がり軸受15の外輪16aの外側面に設けた凸部23を案内する様にしている。尚、この様にスラストニードル軸受34、34を設ける場合には、上記凸部23の周囲にはラジアルニードル軸受25を設ける必要はない。但し、上記凹溝21bの各側面22b、22bにスラストニードル軸受34、34を設けずに、上記ラジアルニードル軸受25により、上記外輪16aの凸部23を案内する事もできる。上記スラストニードル軸受34、34にするか上記ラジアルニードル軸受25にするかは、例えばどちらが安価に構成できるか等により選択する。スラストニードル軸受34、34を選択した場合、或いは、別途直動式のスラストニードル軸受を選択した場合は、上記凸部23を四角柱状とする事もできる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例と同様である為、重複する説明は省略する。
2 入力回転軸
3 入力側内側面
4 出力歯車
5 出力筒
6 出力側ディスク
7 出力側内側面
8 パワーローラ
9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g トラニオン
10 支持軸
11、11a、11b 傾転軸
12 アクチュエータ
13 駆動軸
14 押圧装置
15 スラスト転がり軸受
16、16a、16b 外輪
17 転がり軸受
18 案内面
19 ローラ
20 被案内面
21、21a、21b 凹溝
22、22a、22b 側面
23 凸部
24 転がり軸受
25 ラジアルニードル軸受
26 ローラ
27 保持器
28 ニードル
29 保持器
30、30a、30b 底面
31 転がり軸受
32 突部
33 係合部
34 スラストニードル軸受
Claims (6)
- それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、
これら各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラと
を備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に円柱状の凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けると共に、この凸部の周囲にラジアルニードル軸受を設けており、
上記各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に設けており、
この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置し、
上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入すると共に、上記各ラジアルニードル軸受を構成する各ニードルを、上記各トラニオンに形成した凹溝の側面に転がり接触させて、この凹溝を構成する上記両側面により上記凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、これら各凹溝に沿って上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内する
事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 各トラニオンに形成した凹溝の底面に、各トラニオンの傾転軸の方向に対し直交する方向への移動を可能とした保持器に保持された複数のローラを設けて直動型の転がり軸受を構成し、これら各直動型の転がり軸受により、各パワーローラの軸方向に加わる力を支承する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
- それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、
これら各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラと
を備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に四角柱状の凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けており、
上記各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に設けると共に、上記各トラニオンに形成した各凹溝の側面に直動型のスラストニードル軸受を設けており、
この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置し、
上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入し、上記各スラストニードル軸受を構成する各ニードルを、上記各凹溝の側面と上記凸部の側面とに転がり接触させる事により、この凹溝を構成する上記両側面によりこの凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内し、
更に、上記各トラニオンに形成した凹溝の底面に、これら各トラニオンの傾転軸の方向に対し直交する方向への移動を可能とした保持器に保持された複数のローラを設けて直動型の転がり軸受を構成し、これら各直動型の転がり軸受により、上記各パワーローラの軸方向に加わる力を支承する
事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 円柱状のトラニオンに凹溝を設けた、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
- 四角柱状のトラニオンに凹溝を設けた、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
- それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、
これら各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラと
を備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けており、
上記各トラニオンは円柱状であって、これら各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に、上記各トラニオンの全周に設けると共に、この凹溝を構成する側面にスラストニードル軸受を設けており、
この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置し、
上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入し、この凹溝を構成する上記両側面によりこの凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内する
事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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