JP5007600B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば自動車用の自動変速機として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、構成各部材の弾性変形を吸収する為の機構(各パワーローラを各トラニオンに対し、各ディスクの軸方向に変位させる機構)を簡素に構成でき、しかも、各パワーローラの支持強度(支持剛性)の確保と加工コストの低減とを図れる構造の実現を図るものである。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1、2、非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。図8、9は、現在実施されているトロイダル型無段変速機の基本構成を示している。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、1対の入力側ディスク1、1を入力回転軸2に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する入力側内側面3、3同士を、互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。
又、上記入力回転軸2の中間部周囲に、中間部外周面に出力歯車4を固設した出力筒5を、この入力回転軸2に対する回転を自在に支持している。又、この出力筒5の両端部に1対の出力側ディスク6、6を、スプライン係合により、この出力筒5と同期した回転自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する、上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7が、上記両入力側内側面3、3に対向する。
又、上記入力回転軸2の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、7同士の間部分(キャビティ)毎に、それぞれの周面を球状凸面としたパワーローラ8、8を、2個ずつ、合計4個配置している。これら各パワーローラ8、8は、それぞれトラニオン9、9の内側面に、基半部と先半部とが偏心した支持軸10、10と複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸10、10の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸10、10の基半部を中心とする若干の揺動変位を自在に支持されている。又、上記各トラニオン9、9は、それぞれの長さ方向(図8の表裏方向、図9の上下方向)両端部にこれら各トラニオン9、9毎に互いに同心に設けられた、傾転軸11、11を中心として揺動変位自在である。
これら各トラニオン9、9を揺動(傾斜)させる動作は、油圧式のアクチュエータ12、12により、これら各トラニオン9、9を上記各傾転軸11、11の軸方向に変位させる事により行なう。即ち、変速時には、上記各アクチュエータ12、12への圧油の給排により、上記各トラニオン9、9を上記各傾転軸11、11の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ8、8の周面と上記入力側、出力側各内側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化する(サイドスリップが発生する)ので、上記各トラニオン9、9が上記各傾転軸11、11を中心として揺動変位する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸13により一方(図8の左方)の入力側ディスク1を、ローディングカム式の押圧装置14を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸2の両端部に支持された1対の入力側ディスク1、1が、互いに近付く方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ8、8を介して前記両出力側ディスク6、6に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
上記入力回転軸2と上記出力歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸2と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図8に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記両入力側ディスク1、1の入力側内側面3、3の中心寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図8と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記両入力側ディスク1、1の入力側内側面3、3の外周寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の中心寄り部分とにそれぞれ当接させる。上記各トラニオン9、9の揺動角度を中間にすれば、上記入力回転軸2と出力歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、入力側、出力側各ディスク1、6と上記各パワーローラ8、8とが、前記押圧装置14が発生する押圧力(推力)に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、上記各ディスク1、6が軸方向に変位する。又、上記押圧装置14が発生する押圧力は、上記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って上記各部材の弾性変形量も多くなる。従って、上記トルクの変動に拘らず、上記入力側、出力側各側面3、7と上記各パワーローラ8、8の周面との接触状態を適正に維持する(各トラクション部の法線力を等しくする)為に、これら各パワーローラ8、8を上記各トラニオン9、9に対し、上記各ディスク1、6の軸方向に変位させる機構が必要になる。図8に記載した従来構造の場合には、上記各パワーローラ8、8を支持した前記各支持軸10、10の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、上記各パワーローラ8、8を、上記各ディスク1、6の軸方向に変位させる様にしている。
一方、特許文献3には、上記各ディスク1、6の軸方向に関する各パワーローラ8、8の変位を、上述の様な支持軸10、10を用いないで行なう構造が記載されている。即ち、この特許文献3に記載された構造の場合には、図10に示す様に、各トラニオン9aの内側面と、各パワーローラ8を回転自在に支持する為のスラスト転がり軸受(スラスト玉軸受)15の外輪16との間に、1対の直動型の転がり軸受17、17を設けている。そして、これら両直動型の転がり軸受17、17により、各ディスク1、6(図8参照)の軸方向(図10の表裏方向)に関する上記各パワーローラ8の変位を許容している。この様な構造を採用すれば、支持軸10(図8、9参照)を省略できる分、簡素に構成できる。又、上記各トラニオン9aにこの支持軸10を支持する為の支持孔を設けなくて済む分、これら各トラニオン9aの強度を確保し易くできる。
但し、上述の様な特許文献3に記載された構造の場合、次の様な不都合を生じる可能性がある。即ち、運転時に各パワーローラ8には、各ディスク1、6とのトラクション伝達に基づいて、所謂2Ftと呼ばれる力が、図10の上下方向に加わる。そして、この様な力は、これら各パワーローラ8を回転自在に支持する各スラスト転がり軸受15、並びに、上記各直動型の転がり軸受17、17を介して、上記各トラニオン9aにより支承する。但し、図10に示した構造の場合、この様な力を、これら各トラニオン9aの内側面のうちで、傾転軸11、11に近付く程上記パワーローラ8に近付く方向に傾斜した案内面18、18により支承する。
この様な、傾斜した案内面18、18により上記力を支承する場合、この力に対する上記各パワーローラ8の支持強度(支持剛性)を十分に確保できず、これら各パワーローラ8が、上記力に基づきがたつく(ずれる、不正規位置に変位する)可能性がある。この様なパワーローラ8のがたつきは、変速動作を不安定にする可能性がある為、好ましくない。又、上記各直動型の転がり軸受17、17に、上記力が均一に加わらなくなくなる可能性もある。即ち、これら各直動型の転がり軸受17、17を構成する各ローラ19、19に上記力が、これら各ローラ19、19の軸方向全体に亙って均一に加わらなくなり(各ローラ19、19の軸方向の一部に集中的に加わり)、これら各直動型の転がり軸受17、17の耐久性を確保しにくくなる可能性もある。更には、上記各トラニオン9aの内側面、並びに、上記各スラスト転がり軸受15を構成する外輪16の外側面に、所定方向に傾斜した案内面18並びに被案内面20を、それぞれ設ける必要もある為、これら各トラニオン9a並びに各外輪16の加工コストが嵩む可能性もある。
特開平11−153203号公報 特開2003−49914号公報 特開2003−294099号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、構成各部材の弾性変形を吸収する為の機構(各パワーローラを各トラニオンに対し、各ディスクの軸方向に変位させる機構)を簡素に構成でき、しかも、各パワーローラの支持強度(支持剛性)の確保と加工コストの低減とを図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、何れも、前述した様な従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、複数のパワーローラとを備える。
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面に、それぞれ当接させている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、
上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けている。
又、上記各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面(パワーローラを設けた側と反対側の面)から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に設けている。
又、この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置している。
そして、上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入し、この凹溝を構成する上記両側面によりこの凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内する。
そして、請求項1に記載した発明の場合には、上記各外輪の外側面に設けた凸部を円柱状とし、この凸部の周囲にラジアルニードル軸受を設け、これら各ラジアルニードル軸受を構成する各ニードルを、各トラニオンに形成した凹溝の側面に転がり接触させる事により、各スラスト転がり軸受の外輪をこれら各凹溝に沿った変位を可能に案内する。
この様な請求項1に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記各トラニオンに形成した凹溝の底面に、各トラニオンの傾転軸の方向に対し直交する方向への移動を可能とした保持器に保持された複数のローラを設けて、直動型の転がり軸受を構成する。そして、これら各直動型の転がり軸受により、各パワーローラの軸方向に加わる力を支承する。
又、請求項3に記載した発明の場合には、上記各外輪の外側面に設けた凸部を四角柱状とし、上記各トラニオンに形成した各凹溝の側面に直動型のスラストニードル軸受を設ける。そして、これら各スラストニードル軸受を構成する各ニードルを、上記各凹溝の側面と上記各外輪の外側面に設けた凸部の外周面とに転がり接触させる事により、これら各外輪を上記各凹溝に沿った変位を可能に案内する。更に、上記各トラニオンに形成した凹溝の底面に、上記各トラニオンの傾転軸の方向に対し直交する方向への移動を可能とした保持器に保持された複数のローラを設けて、直動型の転がり軸受を構成する。そして、これら各直動型の転がり軸受により、各パワーローラの軸方向に加わる力を支承する。
上述の様な請求項1〜3に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項4に記載した発明の様に、円柱状のトラニオンに、上記凹溝を設ける。或いは請求項5に記載した発明の様に、四角柱状のトラニオンに上記凹溝を設ける。
更に、請求項6に記載した発明の場合には、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設ける。そして、上記各トラニオンを円柱状とし、これら各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に、上記各トラニオンの全周に設けると共に、この凹溝を構成する側面にスラストニードル軸受を設ける。又、この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置する。更に、上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入し、この凹溝を構成する上記両側面によりこの凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内する。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、各パワーローラを各ディスクの軸方向に変位させる為の機構を簡素に構成できると共に、これら各パワーローラの支持強度(支持剛性)の確保と、加工コストの低減とを図れる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各ディスク並びに各パワーローラの弾性変形に基づき、これら各パワーローラをこれら各ディスクの軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラを回転自在に支持している各スラスト転がり軸受の外輪が、それぞれの外側面に設けた凸部を、各トラニオンに設けた凹溝の各側面により案内させつつ変位する。この様に各パワーローラの変位を、前述の図8、9に示した構造の様な、先半部と基半部とが互いに偏心した支持軸を用いずに行なう事ができる。この為、これら各パワーローラの変位の為の機構を簡素に構成でき、部品点数の低減、組立工程数の低減、加工の容易化に基づくコストの低減を図れる。又、上記各トラニオンに、上述の様な支持軸を支持する為の支持孔を設ける必要もなくなり、加工工程の省略に伴う加工コストの低減の他、上記各トラニオンの強度を確保し易くでき(トラニオンの許容荷重を大きくでき)、トロイダル型無段変速機のトルク容量の増大を図れる。又、同じトルク容量であれば、上記各トラニオンをより小型に構成する(形状の単純化、肉厚の低減等を図る)事もできる。
又、上述の様に外輪を案内する為の凹溝の各側面を、傾転軸に直交する方向に平行に配置している。この為、上記各パワーローラを介して上記各スラスト転がり軸受の外輪に加わる、所謂2Ftと呼ばれる力(最大で3トン程度)を、この力が加わる方向に対して直角に対向する、上記凹溝の各側面により支承できる。この為、前述の図10に示した構造の様な、傾斜した案内面により支承する場合に比べ、上記各パワーローラの支持強度(支持剛性)を確保し易くできる。この為、これら各パワーローラが、上記力に基づきがたつく(ずれる、不正規位置に変位する)事を防止して、安定した変速動作を行なえる。
又、請求項1、3に記載した発明の様に、各スラスト転がり軸受の外輪の外側面に設けた凸部を、ラジアルニードル軸受やスラストニードル軸受の如き転がり軸受を介して案内する場合には、これら各外輪(延いてはパワーローラ)の変位を円滑に行なえる。しかも、この転がり軸受を、上記力に対して直交する、上記凹溝の各側面と上記凸部との間に設ける事ができる為、この転がり軸受により上記力を均一に受ける事ができ、この転がり軸受の耐久性を確保し易くできる。又、上記各トラニオンの内側面や上記外輪の外側面に、上述の様な所定方向に傾斜した案内面や被案内面を設ける必要がない為、上記各トラニオンや上記各外輪の加工コストが徒に増大する事も防止できる。特に、請求項4〜6に記載した発明の様な、円柱状、或は、四角柱状のトラニオンを用いる場合には、形状の単純化による更なる加工コストの低減を図れる。
[実施の形態の第1例]
図1、2は、請求項1、2、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例を含め、本発明のトロイダル型無段変速機の特徴は、トラニオン9bに対しパワーローラ8を、入力側、出力側各ディスク1、6(図8参照)の軸方向の変位を可能に支持する部分の構造にある。トロイダル型無段変速機全体としての構造及び作用は、前述の図8〜9に示した構造を含め、従来から知られている構造と同様であるから、従来と同様に構成する部分に就いては、図示並びに説明を、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のトロイダル型無段変速機を構成するトラニオン9bは、四角柱状の本体部分の両端部に、互いに同心に1対の傾転軸11、11を、例えば旋削加工により一体に設けて成る。又、上記トラニオン9bの一部で、パワーローラ8を回転自在に支持する為のスラスト転がり軸受(スラスト玉軸受)15を構成する外輪16aと対向する部分に、この外輪16aの外側面から離れる方向に凹入した凹溝21を、上記傾転軸11、11の中心軸に直交する方向に、例えばフライス加工により設けている。本例の場合、この凹溝21を構成する、互いに対向する1対の側面22、22同士を、上記傾転軸11、11に直交する仮想平面に対し平行に配置している。又、上記外輪16aの外側面に、この外側面から上記トラニオン9bに向けて突出する状態で、円柱状の凸部23を設けている。そして、上記凹溝21の上記各側面22、22により、上記スラスト転がり軸受15の外輪16a(に設けた凸部23)が、上記傾転軸11、11に直交する仮想平面に沿って、前記各ディスク1、6の軸方向に変位するのを案内する様にしている。
この為に本例の場合は、上記凹溝21の底面30に直動型の転がり軸受(スライド軸受)24を設けると共に、上記凸部23の周囲にラジアルニードル軸受25を設けている。このうちの直動型の転がり軸受24は、複数のローラ26、26と保持器27とから成り、このうちの保持器27を、上記凹溝21の底面30に支持(移動量を制限した状態で、上記傾転軸11、11に直交する方向への若干の移動を可能に係止)している。そして、この保持器27の各ポケットに上記各ローラ26、26を転動自在に保持した状態で、これら各ローラ26、26がこれら各ポケットから抜け出ない様に、これら各ポケットの内面と各ローラ26、26との寸法並びに形状を規制している。そして、上記パワーローラ8並びにスラスト転がり軸受15を介してこのパワーローラ8の軸方向に加わる力を、上記直動型の転がり軸受24を介して支承自在としている。尚、この力は、上記トラニオン9bの内側面(各ディスク1、6の径方向に関して内側の面)のうちで、上記スラスト転がり軸受15の外輪16aと対向する部分でも支承できる。
又、上記ラジアルニードル軸受25は、複数のニードル28、28と保持器29とから成る。このラジアルニードル軸受25に就いても、これら各ニードル28、28が上記保持器29の各ポケットから、この保持器29の径方向外方に抜け出ない様に、これら各ポケットの内面と各ニードル28、28との寸法並びに形状を規制している。そして、この様なラジアルニードル軸受25により、上記パワーローラ8に加わる、所謂2Ftと呼ばれる力(図1の上下方向の力)を、支承自在としている。尚、上記凸部23を四角柱状とし、この凸部23の側面と前記凹溝21の両側面22、22との間に直動型のスラストニードル軸受を設けて、上記2Ftを支承する事もできる(請求項3に記載した発明の構造)。
何れの構造を採用した場合でも、上記各スラスト転がり軸受15の外輪16aに設けた上記凸部23が、上記凹溝21内で、この凹溝21の各側面22、22に沿って変位する。図示の例の場合には、上記ラジアルニードル軸受25並びに上記直動型の転がり軸受24を介して、上記凸部23が上記各凹溝21の各側面22、22並びに底面30に案内される。この為、上記スラスト転がり軸受15を構成する外輪16a、延いては上記各パワーローラ8を、前記各ディスク1、6の軸方向(傾転軸11、11に直交する方向)に円滑に変位させられる。
上述の様に構成する本例の場合には、各パワーローラ8を各ディスク1、6の軸方向に変位させる為の機構を簡素に構成できると共に、これら各パワーローラ8の支持強度(支持剛性)の確保と、加工コストの低減とを図れる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各ディスク1、6並びに各パワーローラ8の弾性変形に基づき、これら各パワーローラ8をこれら各ディスク1、6の軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ8を回転自在に支持している各スラスト転がり軸受15の外輪16aの外側面に設けた凸部23が、トラニオン9bに設けた凹溝21の各側面22、22並びに底面30に案内されつつ、上記外輪16aの本体部分及び上記各パワーローラ8と共に変位する。この様にこれら各パワーローラ8の変位を、前述の図8、9に示した構造の様な、先半部と基半部とが互いに偏心した支持軸10(図8、9参照)を用いずに行なう事ができる。この為、上記各パワーローラ8の変位の為の機構を簡素に構成でき、部品点数の低減、組立工程数の低減、加工の容易化に基づくコストの低減を図れる。又、上記トラニオン9bに、上述の様な支持軸10を支持する為の支持孔を設ける必要もなくなり、加工工程の省略に伴う加工コストの低減の他、このトラニオン9bの強度を確保し易くでき(トラニオン9bの許容荷重を大きくでき)、トロイダル型無段変速機のトルク容量の増大を図れる。又、同じトルク容量であれば、上記トラニオン9bをより小型に構成する(形状の単純化、肉厚の低減等を図る)事もできる。
又、上述の様にスラスト転がり軸受15を構成する外輪16aを案内する為の凹溝21の各側面22、22を、傾転軸11、11に直交する仮想平面に対し平行に配置している。この為、上記各パワーローラ8を介して上記各スラスト転がり軸受15の外輪16aに加わる、所謂2Ftと呼ばれる力(最大で3トン程度)を、この力が加わる方向に対して直角に対向する、上記凹溝21の各側面22、22により支承できる。この為、前述の図10に示した構造の様な、テーパー面状の案内面18、18(図10参照)により支承する場合に比べ、上記各パワーローラ8の支持強度(支持剛性)を確保し易くできる。この為、これら各パワーローラ8が、上記力に基づきがたつく(ずれる、不正規位置に変位する)事を防止して、安定した変速動作を行なえる。
又、本例の場合は、上記各スラスト転がり軸受15の外輪16aを、直動型の転がり軸受24並びにラジアルニードル軸受25(又は直動型のスラストニードル軸受)を介して案内している為、これら各外輪16a(延いては各パワーローラ8)の変位を円滑に行なえる。この為、押圧装置14(図8参照)の発生する押圧力のうちで、この変位の為に消費される力の割合を小さく抑えられ、トラクション部(転がり接触部)の押し付け力の低下に伴う、伝達効率の低下、延いては、このトラクション部で滑りが生じる事を防止できる。又、本例の場合には、上記2Ftと呼ばれる力の作用方向に対して直交する方向に存在する、上記凹溝21の各側面22、22と対向する部分に、上記ラジアルニードル軸受25を設ける事ができる為、このラジアルニードル軸受25により上記力を均一に受ける事ができる。又、この力を支承する事に伴い、上記外輪16aをずれ動かす方向の分力が発生しない。
即ち、上記力を受ける、このラジアルニードル軸受25を構成するニードル28が、この力を、このニードル28の軸方向全体に亙って受けられる(軸方向の一部に力が集中する事がない)。この為、このラジアルニードル軸受25の耐久性を確保し易くできる。又、前記外輪16aが不正規位置に変位しにくい。更に、上記トラニオン9bの内側面や上記外輪16aの外側面に、上述の図10に示した様な所定方向に向いた傾斜面(案内面18、被案内面20)を設ける必要もない為、これらトラニオン9bや外輪16aの加工コストが徒に増大する事も防止できる。しかも、本例の場合には、このトラニオン9bを、形状が単純な四角柱状のものとしている為、この面からも更なる加工コストの低減を図れる。即ち、四角柱状の素材に、旋削加工並びにフライス加工を施す事により、上述の様な凹溝21並びに傾転軸11、11を設けたトラニオン9bを形成できる為、このトラニオン9bを安価に構成できる。
[実施の形態の第2例]
図3は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、トラニオン9cを円柱状のものとしている。そして、この様な円柱状のトラニオン9cの軸方向両端部を、それぞれ傾転軸11a、11aとしている。本例の場合は、これら各傾転軸11a、11aの直径寸法を、このトラニオン9cの本体部分の直径寸法と同じにしている。そして、この様な傾転軸11a、11aを設けたトラニオン9cの軸方向中間部に凹溝21を、これら各傾転軸11a、11aの中心軸に直交する方向に設けている。この様な本例の場合も、トラニオン9cを形状が単純な円柱状のものとしている為、加工コストの低減を図れる。又、この円柱状のトラニオン9cの両端部をそのまま傾転軸11a、11aとしている為、この面からも加工コストの低減を図れる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である為、重複する説明は省略する。
[本発明に関する参考例の第1例]
図4は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の場合には、トラニオン9dの軸方向中間部に設けた凹溝21aの幅方向寸法を、前述の本発明の実施の形態の第1例や上述の第2例の凹溝21(図1、3参照)に比べ、大きくしている。そして、この様な凹溝21aの各側面22a、22aにより、各パワーローラ8を回転自在に支持する為のスラスト転がり軸受15の外輪16bの外周面を、案内する様にしている。この様な本参考例の場合には、この外輪16bの外側面を単なる平坦面とし、前述の第1、2例の様な凸部23(図1、2参照)を設けてない。一方、上記凹溝21aを構成する1対の側面22a、22aには、直動型の転がり軸受(スライド軸受)31、31を、それぞれ設けている。
これら各直動型の転がり軸受31、31は、上記凹溝21aの底面30aに設けた直動型の転がり軸受24と同様に、複数のローラ26、26と保持器27とから成り、このうちの各保持器27、27を、上記凹溝21aの各側面22a、22aに、それぞれ若干の変位を可能に支持している。そして、これら各保持器27、27の各ポケットに上記各ローラ26、26を転動自在に保持した状態で、これら各ローラ26、26がこれら各ポケットから抜け出ない様に、これら各ポケットの内面と各ローラ26、26との寸法並びに形状を規制している。この様な本例の場合は、上記スラスト転がり軸受15の外輪16bが、上記凹溝21a内で、この凹溝21aの各側面22a、22a並びに底面30aに沿って変位する。この場合に、3個の上記直動型の転がり軸受24、31、31を介して上記外輪16bが、上記各凹溝21aの各側面22a、22a並びに底面30に案内される為、この外輪16b、延いては各パワーローラ8を、各ディスク1、6(図8参照)の軸方向(傾転軸11、11に直交する方向)に円滑に変位させられる。尚、上記外輪16bの変位を円滑に行なえるのであれば、上記凹溝21aの各側面22a、22aに設ける直動型の転がり軸受31、31を省略する事もできる。又、上記外輪16bの外周形状を四角形とし、この外輪と直動型の転がり軸受31、31との接触範囲を広くする事もできる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である為、重複する説明は省略する。
[本発明に関する参考例の第2例]
図5は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合は、上述した参考例の第1例の構造のうち、四角柱状のトラニオン9d(図4参照)に代えて、円柱状のトラニオン9eを採用している。この様な本参考例の場合も、前述の本発明の実施の形態の第2例と同様に、円柱状のトラニオン9eの軸方向両端部を、そのまま傾転軸11a、11aとしている。
その他の構成及び作用は、上述した参考例の第1例、並びに、前述した本発明の実施の形態の第2例と同様である為、重複する説明は省略する。
[本発明に関する参考例の第3例]
図6は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合は、トラニオン9fの両端部に設けた傾転軸11b、11bを、このトラニオン9fの本体部分と別体のものとしている。即ち、本例の場合は、上記トラニオン9fの本体部分の両端面に、これら両端面から突出する状態で突部32を設けている。一方、このトラニオン9dの本体部分と別体の上記傾転軸11b、11bは、円板状(乃至は円柱状)の素材の側面に、上記突部32と係合する係合部33を設けて成るものとしている。そして、この様な係合部33に上記突部32を圧入する事により、上記傾転軸11b、11bを上記トラニオン9fに結合固定している。この様な本参考例の場合には、トラニオン9fをフライス加工やブローチ加工のみで造れる為、このトラニオン9fの強度の確保と加工コストの低減とを、更に高次元で図れる。
その他の構成及び作用は、前述した参考例の第1例と同様である為、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図7は、請求項1、4、6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、円柱状のトラニオン9gの外周面に凹溝21bを、この外周面から径方向内方に凹入する状態で、全周に亙り設けている。そして、この凹溝21bを構成する各側面22b、22bに、それぞれスラストニードル軸受34、34を設け、これら両スラストニードル軸受34、34を介して、スラスト転がり軸受15の外輪16aの外側面に設けた凸部23を案内する様にしている。尚、この様にスラストニードル軸受34、34を設ける場合には、上記凸部23の周囲にはラジアルニードル軸受25を設ける必要はない。但し、上記凹溝21bの各側面22b、22bにスラストニードル軸受34、34を設けずに、上記ラジアルニードル軸受25により、上記外輪16aの凸部23を案内する事もできる。上記スラストニードル軸受34、34にするか上記ラジアルニードル軸受25にするかは、例えばどちらが安価に構成できるか等により選択する。スラストニードル軸受34、34を選択した場合、或いは、別途直動式のスラストニードル軸受を選択した場合は、上記凸部23を四角柱状とする事もできる。
又、上記外輪16aの凸部23の先端面は、必要に応じて、上記凹溝21bの底面30bを構成する円筒面に倣った部分円筒状凹面とする事ができる。この場合に各パワーローラ8は、各ディスク1、6(図8参照)の軸方向に変位しつつ、これら各ディスク1、6の径方向にも変位する(凹溝21bの底面30bを構成する円筒面の中心軸を中心に回動する)。尚、上記凹溝21bの底面30aを構成する円筒面は、各傾転軸11a、11aと同心にする事ができる他、これら各傾転軸11a、11aよりも上記各ディスク1、6の径方向に関して外側に偏心させる事もできる。何れにしても、上記トラニオン9gを旋削加工のみで形成できる為、このトラニオン9gを更に安価に構成できる。
その他の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例と同様である為、重複する説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を模式的に示す要部斜視図。 パワーローラ並びにスラスト転がり軸受を取り出して模式的に示す断面図。 本発明の実施の形態の第2例を、トラニオンを取り出して模式的に示す斜視図。 本発明に関する参考例の第1例を示す、図1と同様の図。 同第2例を示す、図3と同様の図。 同第3例を示す、図1と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同様の図。 従来構造の第1例を示す断面図。 図8のA−A断面に相当する図。 従来構造の第2例を示す要部断面図。
1 入力側ディスク
2 入力回転軸
3 入力側内側面
4 出力歯車
5 出力筒
6 出力側ディスク
7 出力側内側面
8 パワーローラ
9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g トラニオン
10 支持軸
11、11a、11b 傾転軸
12 アクチュエータ
13 駆動軸
14 押圧装置
15 スラスト転がり軸受
16、16a、16b 外輪
17 転がり軸受
18 案内面
19 ローラ
20 被案内面
21、21a、21b 凹溝
22、22a、22b 側面
23 凸部
24 転がり軸受
25 ラジアルニードル軸受
26 ローラ
27 保持器
28 ニードル
29 保持器
30、30a、30b 底面
31 転がり軸受
32 突部
33 係合部
34 スラストニードル軸受

Claims (6)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
    軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、
    これら各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラと
    を備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
    上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に円柱状の凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けると共に、この凸部の周囲にラジアルニードル軸受を設けており、
    上記各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に設けており、
    この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置し、
    上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入すると共に、上記各ラジアルニードル軸受を構成する各ニードルを、上記各トラニオンに形成した凹溝の側面に転がり接触させて、この凹溝を構成する上記両側面により上記凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、これら各凹溝に沿って上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内する
    事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 各トラニオンに形成した凹溝の底面に、各トラニオンの傾転軸の方向に対し直交する方向への移動を可能とした保持器に保持された複数のローラを設けて直動型の転がり軸受を構成し、これら各直動型の転がり軸受により、各パワーローラの軸方向に加わる力を支承する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
    軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、
    これら各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラと
    を備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
    上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に四角柱状の凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けており、
    上記各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に設けると共に、上記各トラニオンに形成した各凹溝の側面に直動型のスラストニードル軸受を設けており、
    この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置し、
    上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入し、上記各スラストニードル軸受を構成する各ニードルを、上記各凹溝の側面と上記凸部の側面とに転がり接触させる事により、この凹溝を構成する上記両側面によりこの凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内し、
    更に、上記各トラニオンに形成した凹溝の底面に、これら各トラニオンの傾転軸の方向に対し直交する方向への移動を可能とした保持器に保持された複数のローラを設けて直動型の転がり軸受を構成し、これら各直動型の転がり軸受により、上記各パワーローラの軸方向に加わる力を支承する
    事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 円柱状のトラニオンに凹溝を設けた、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 四角柱状のトラニオンに凹溝を設けた、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  6. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、
    軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、
    これら各トラニオンにそれぞれ、スラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記両ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラと
    を備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
    上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の外側面に凸部を、この外側面から上記各トラニオンに向けて突出する状態で設けており、
    上記各トラニオンは円柱状であって、これら各トラニオンの一部で、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪と対向する部分に、この外輪の外側面から離れる方向に凹入した凹溝を、上記傾転軸の中心軸に直交する方向に、上記各トラニオンの全周に設けると共に、この凹溝を構成する側面にスラストニードル軸受を設けており、
    この凹溝を構成する、互いに対向する1対の側面同士を、上記傾転軸に直交する仮想平面に対し平行に配置し、
    上記凹溝内に、上記外輪の外側面に設けた凸部を挿入し、この凹溝を構成する上記両側面によりこの凸部をこの凹溝に沿った変位を可能に案内する事で、上記スラスト転がり軸受の外輪が、上記各ディスクの軸方向に変位するのを案内する
    事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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