JP2006002882A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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    • F16H57/049Friction gearings of the toroid type

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Abstract

【課題】 ローディングカム式の押圧装置の機能を損なうことなく、また、押圧装置のローラのカム面上における位置とは無関係に、ローラとカム面との接触部に対して常に十分な潤滑油を供給することができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】 ローディングカム式の押圧装置45の保持器47は、ローディングカム46の所定部位の外周に被嵌する環状の本体47aを有し、本体47aの内周面には、ローディングカム46に形成された潤滑油供給用の油穴224と連通する油溝300が全周にわたって形成されるとともに、この油溝300は、保持器47に形成された複数の油路302を介して、ローラ48と各カム面2b,46aとの接触部で開口し、油溝300および油路302が形成される保持器47の径方向内側部位Aの側壁304は、カム面2b,46aの形状に対応する形状を成してカム面2b,46aと対向している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トロイダル型無段変速機、特に各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
自動車用変速機として、図5および図6に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸(傾転軸)5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持(転接)されている。
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内周面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内周面2a,4aに当接されている。
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図5および図6の左側面)には、周方向に亙って凹凸面(波状面)であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図5および図6の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、一対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図5に示すように、入力側ディスク2の内周面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内周面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図6に示すように、入力側ディスク2の内周面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内周面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図5と図6との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
図7および図8には、より具体化されたダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の一例が示されている。なお、図5および図6と共通する構成部材に関しては、以下、同一符号を付して、その詳細な説明または図示を省略する。
これらの図に示すように、ケーシング101の内側には、入力軸200が回転自在に支持されている。入力軸200の両端寄り部分には、第1および第2の入力側ディスク2,2がそれぞれ、ボールスプライン96を介して支持されている。この場合、第1および第2の入力側ディスク2,2は、その内周面2a,2a同士を互いに対向させた状態で同心的に配置されるとともに、ケーシング101の内側で互いに同期して回転できる。
入力軸200の中間部の周囲には、第1および第2の出力側ディスク4,4がスリーブ109を介して支持されている。スリーブ109の中間部の外周面には、出力歯車110が一体に設けられている。この出力歯車110は、入力軸200と同心的に配置されるとともに、入力軸200の外径よりも大きな内径を有している。また、出力歯車110は、一対の転がり軸受112を介して、ケーシング101内に設けられた支持壁111に回転自在に支持されている。
第1および第2の出力側ディスク4,4は、スリーブ109の両端部にスプライン係合されている。この場合、出力側ディスク4,4は、それぞれの内周面4a,4aを互いに反対方向に向けた状態で配置されている。したがって、入力側ディスク2と出力側ディスク4は、その内周面2a,4a同士が互いに対向している。
図8に示すように、ケーシング101の内側であって、出力側ディスク4,4の側方位置には、両ディスク4,4を両側から挟む状態で一対のヨーク113a,113bが支持されている。これら一対のヨーク113a,113bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン6の両端部に設けられた枢軸5を揺動自在に支持するため、ヨーク113a,113bの四隅には、円形の支持孔118が設けられるとともに、ヨーク113a,113bの幅方向の中央部には、円形の係止孔119が設けられている。
一対のヨーク113a,113bは、ケーシング101の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト20a,20bにより、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト20a,20bはそれぞれ、入力側ディスク2の内周面2aと出力側ディスク4の内周面4aとの間にある第1キャビティ21および第2キャビティ22にそれぞれ対向する状態で設けられている。なお、ポスト20aには、トラニオン6の傾転量を規制する傾転ストッパ150が設けられている。
したがって、ヨーク113a,113bは、各支持ポスト20a,20bに支持された状態で、その一端部が第1キャビティ21の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ22の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ21,22は同一構造であるため、以下、第1キャビティ21のみについて説明する。
第1キャビティ21には、一対のトラニオン6が設けられている。トラニオン6の両端部には同心的に枢軸5が設けられており、これらの枢軸5は一対のヨーク113a,113bの一端部に揺動且つ軸方向に変位自在に支持されている。すなわち、枢軸5は、ヨーク113a,113bの一端部に形成された支持孔118の内側に、ラジアルニードル軸受26によって支持されている。ラジアルニードル軸受26は、その外周面が球状凸面で且つその内周面が円筒面である外輪27と、複数本のニードル28とから構成されている。
トラニオン6の中間部にはそれぞれ、円孔30が設けられている。また、各円孔30には変位軸31が支持されている。変位軸31はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した第1の軸部33と第2の軸部34とを有している。このうち、第1の軸部33は、円孔30の内側に、ラジアルニードル軸受35を介して支持されている。また、第2の軸部34の周囲には、別のラジアルニードル軸受38を介して、パワーローラ11が支持されている。
なお、第1および第2キャビティ21,22毎に一対ずつ設けられた変位軸31は、第1および第2キャビティ21,22毎に、入力軸200に対して180度反対側に位置して設けられている。また、変位軸31の各第2の軸部34が各第1の軸部33に対して偏心している方向は、入力側ディスク2,2と出力側ディスク4,4の回転方向に関して同方向となっている。また、偏心方向は入力軸200の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、パワーローラ11は、入力軸200の長手方向に沿って僅かに変位できるように支持されている。その結果、トロイダル型無段変速機により伝達されるトルクの変動に基づく構成部材の弾性変形量の変動等に起因して、パワーローラ11が入力軸200の軸方向に変位する傾向となった場合でも、構成部材に無理な力が加わることがなく、その変位を吸収することができる。
また、パワーローラ11の外周面とトラニオン6の中間部内周面との間には、パワーローラ11の外側面から順に、スラスト玉軸受39と、滑り軸受あるいはニードル軸受等のスラスト軸受40とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受39は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11の回転を許容する。また、スラスト軸受40は、パワーローラ11からスラスト玉軸受39の外輪41に加わるスラスト荷重を支承しつつ、第2の軸部34および外輪41が第1の軸部33を中心に揺動することを許容する。
トラニオン6の一端部にはそれぞれ、駆動ロッド42が結合されている。また、これらの駆動ロッド42の中間部外周面には、駆動ピストン43が固着されている。この駆動ピストン43は、駆動シリンダ44内に油密に嵌装されている。そして、駆動ピストン43がトラニオン5を軸方向に変位させるためのアクチュエータを構成している。
図7に示すように、駆動軸310と一方の入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置45が設けられており、この押圧装置45によって、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、この入力側ディスク2を回転駆動自在としている。また、この押圧装置45は、駆動軸310と共に回転するローディングカム(カム板)46と、保持器47により転動自在に保持された複数個(例えば4個)のローラ(転動体)48とから構成されている。ローディングカム46の片側面(図7の右側面)には、円周方向に亙る凹凸(波状部)であるカム面46aが形成され、入力側ディスク2の外側面(図7の左側面)にも、同様の形状を有するカム面2bが形成されている。なお、駆動軸310の端部とローディングカム46との間には、スラスト荷重を支承自在なアンギュラ型の玉軸受(アンギュラ軸受)210が介挿されている。また、ローディングカム46は、その爪部46bが駆動軸310の嵌合部310aと嵌合状態で結合している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の運転時、駆動310の回転は、押圧装置45を介して、一方の入力側ディスク2に伝えられ、この入力側ディスク2と他方の入力側ディスク2とが互いに同期して入力軸200と共に回転する。入力側ディスク2,2の回転は、パワーローラ11を介して、出力側ディスク4,4に伝えられる。出力側ディスク4,4の回転は、出力歯車110により取り出される。
入力軸200と出力歯車110との間の回転速度比を変える場合には、制御弁(図示しない)の切換えに基づいて、第1および第2のキャビティ21,22に対応してそれぞれ一対ずつ設けられた駆動ピストン43を、各キャビティ21,22毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。これらの駆動ピストン43の変位に伴って、一対ずつ合計4個のトラニオン6がそれぞれ逆方向に変位し、一方のパワーローラ11が下側に、他方のパワーローラ11が上側にそれぞれ変位する。その結果、各パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2の内周面2a,2a、出力側ディスク4,4の内周面4a,4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、その力の向きの変化に伴って、トラニオン6がヨーク113a,113bに枢支された枢軸5を中心として逆方向に揺動する。この結果、パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2、出力側ディスク4,4との当接位置が変化し、入力軸200と出力歯車110との間の回転速度比が変化する。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機における前記ローディングカム式の押圧装置45では、ローラ48がカム面2b,46a上を転がる際、ローディングカム46の径方向で転がりに伴う移動量に差が生じるため、ローラ48の表面で転がり滑り運動が起こり、ローラ48およびカム面2b,46aの表面が摩耗等によって損傷し易いという問題がある。
このようなローラ48の表面での転がり滑り運動による表面損傷を防ぐためには、カム面2b,46aおよびローラ48の表面を十分に潤滑することが必要である。従来、カム面2b,46aおよびローラ48を潤滑する方法としては、図7に示すように、カム列数と同数の油穴224をカム46の底部近傍に設け、入力軸200の軸方向穴220及びこれと垂直な油孔222を通じて玉軸受210に供給される潤滑油を、駆動軸310の回転に伴う遠心力により油穴224を介してカム面2b,46aおよびローラ48に供給する方法が知られている。また、油穴224に連通する油溝を更に保持器47に設けることも提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平11−201251号公報 特開平11−193856号公報
以上のように、ローディングカム式の押圧装置45のローラ48への潤滑は、入力軸200の油穴224からの潤滑油を用いて行なわれるが、ローラ48は3条ないし4条程度であり、供給する潤滑油がローラ48の接触面に到達しにくい。そのため、ローラ48とカム面2b,46aとの間に油膜が形成されにくく、フレッチング摩耗やピーリング等の損傷が発生する虞がある。また、油膜の厚さが小さいことにより、あるいは、ピーリング等の損傷によってカム面2b,46aの摩擦損失が大きくなることにより、カム効率が低下する虞もある。
すなわち、特に産業用途に使用されるトロイダル型無段変速機においては、負荷変動時にのみ変速を行ない、定常運転時には一定の変速比で且つ一定の負荷で運転される場合が多い。このような運転条件では、押圧装置45のローラ48の乗り上げ量(カム面2b,46aの凸部への乗り上げ量)も一定となるため、ローラ48が回転せず、押圧装置45は一定の押付け力を発生し続ける。この時、押圧装置45全体が入力回転数に応じて回転するため、その際に発生する振動により、ローラ48とカム面2b,46aとの間にフレッチング摩耗が発生する場合がある。これが進行して、摩耗量が大きくなると、負荷変動時や変速時にローラ48が弾性変形に追従してカム面2b,46a上で転がることができなくなり、結果的に、予圧不足が発生する。予圧不足が大きくなると、トラクションでのグロススリップが発生し、トロイダル型無段変速機としての機能が著しく阻害される。
そのため、図9に示すように、ローディングカム46の油穴224に通じる油溝230を保持器47に形成するとともに、油溝230を複数の油路232を介してローラ48とカム面2b,46aとの接触部で開口させることにより、ローラ48の接触面に効率的に潤滑油を供給することも考えられる。しかしながら、図9の(b)に示すように、ローラ48がカム面2b,46aの凸部242,244に乗り上げてしまうと、油穴224と油溝230とがずれてしまい(油穴224と油溝230とが連通しなくなり)、潤滑油がローラ48の接触面に供給されなくなってしまう。このような問題は、図10に示すように、油溝230を軸方向に単に広げれば解消できそうであるが、この場合、油溝230を広げた分、保持器47の幅(軸方向寸法)も大きくなるため、保持器の側面とカム面2b,46aの凸部242,244とが干渉してしまい、カムの円滑な動作が妨げられてしまうという問題が生じる。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、ローディングカム式の押圧装置の機能を損なうことなく、また、押圧装置のローラのカム面上における位置とは無関係に、ローラとカム面との接触部に対して常に十分な潤滑油を供給することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、エンジンからの回転力が入力される入力軸と、この入力軸に結合されて入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力側ディスクの背面に配置され且つ前記入力側ディスクを軸方向へ押圧するローディングカム式の押圧装置とを備え、前記押圧装置は、ローディングカムと、このローディングカムのカム面と前記入力側ディスクのカム面との間で保持器により転動自在に保持された転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機であって、前記保持器は、前記ローディングカムの所定部位の外周に被嵌する環状の本体を有し、前記本体の内周面には、前記ローディングカムに形成された潤滑油供給用の油穴と連通する油溝が全周にわたって形成されるとともに、この油溝は、保持器に形成された複数の油路を介して、ローラと各カム面との接触部近傍で開口し、油溝および油路が形成される保持器の径方向内側部位の側壁は、カム面の形状に対応する形状を成してカム面と対向していることを特徴とする。
この請求項1に記載のトロイダル型無段変速機においては、油溝および油路が形成される保持器の径方向内側部位の側壁が、カム面の形状に対応する形状を成してカム面と対向しているため、カム面上におけるローラの位置にかかわらず常に前記ローディングカムに形成された潤滑油供給用の前記油穴と前記保持器に形成された前記油溝とが連通するように前記油溝を軸方向に広げても、保持器の側面とカム面とが干渉してカムの円滑な動作が妨げられるといった事態が生じることはない。
また、請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機において、前記油溝は、カム面上におけるローラの位置にかかわらず常に前記ローディングカムに形成された潤滑油供給用の前記油穴と連通するような幅をもって形成されていることを特徴とする。
この請求項2に記載のトロイダル型無段変速機においては、前記油溝が、カム面上におけるローラの位置にかかわらず常に前記ローディングカムに形成された潤滑油供給用の前記油穴と連通するような幅をもって形成されているため、たとえローラがカム面のどの位置にあろうとも、効率的に潤滑油をローラの接触面に供給することができる。これにより、カム面のフレッチング摩耗を抑え、予圧不足から生じるグロススリップを防止することができる。
また、請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機において、油溝および油路が形成される保持器の前記径方向内側部位は、前記本体と別体に形成されていることを特徴とする。
この請求項3に記載のトロイダル型無段変速機においては、油溝および油路が形成される保持器の前記径方向内側部位は、前記本体と別体に形成されている。すなわち、給油機構と保持器の本体とが分離されている。そのため、ローラに加わる遠心力を支持するための強度が必要な保持器本体と、給油手段を備える前記径方向内側部位とを、材料・熱処理の点で異ならせることができるとともに、樹脂の射出成形や2枚構造のプレス加工を行なうことも可能になり、その結果、製造コストの低減を図ることができる。
本発明のトロイダル型無段変速機では、油溝および油路が形成される保持器の径方向内側部位の側壁が、カム面の形状に対応する形状を成してカム面と対向し、また、前記油溝が、カム面上におけるローラの位置にかかわらず常に前記ローディングカムに形成された潤滑油供給用の前記油穴と連通するような幅をもって形成されているため、ローディングカム式の押圧装置の機能を損なうことなく、また、押圧装置のローラのカム面上における位置とは無関係に、ローラとカム面との接触部に対して常に十分な潤滑油を供給することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、ローディングカム式の押圧装置のローラに対する潤滑油の供給形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図5〜図10と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は、ローディングカム式の押圧装置45およびその周辺部分を示している。図1の(a)はローラ48がカム面2b,46aの凹部246,248に位置している状態、(b)はローラがカム面2b,46aの凸部242,244に乗り上がった状態をそれぞれ示している。また、図1の(c)は保持器からローラを取り外した状態を示している。この図1から分かるように、カム列数と同数の油穴224がローディングカム46の底部近傍に設けられている。この油穴224は、入力軸200の軸方向穴220及びこれと垂直な油孔222を通じて玉軸受210に供給される潤滑油を、入力軸200の回転に伴う遠心力によりローラ48へと供給するべく作用する。
また、図2および図3にも示すように、ローラ48を保持する保持器47は、ローディングカム46の所定部位(底部)46cの外周に被嵌する環状の本体47aを有している。カム面2b,46aと対向する本体47aの側壁には、ローラ48が収容されるポケット350を周方向に沿う4箇所に有しているとともに、複数の肉抜き穴352を周方向に沿って有している。また、本体47aの内周面には、ローディングカム46に形成された潤滑油供給用の油穴224と連通する油溝300が全周にわたって形成されている。この油溝300は、保持器47に形成された複数の油路302を介して、ローラ48と各カム面2b,46aとの接触部近傍で開口している。
なお、油路302は、油溝300からローラ48と各カム面2b,46aとの接触部へ向けて斜めに延び、ポケット350内で開口している。また、油溝300は、カム面2b,46a上におけるローラ48の位置にかかわらず常にローディングカム46に形成された潤滑油供給用の油穴224と連通するような幅(軸方向寸法)をもって形成されている
油溝300および油路302が形成される保持器47の径方向内側部位Aの側壁304は、カム面2b,46aの凹凸形状(波形状)に対応する形状を成してカム面2b,46aと対向している。具体的には、側壁304は、凸状部304aと凹状部304bとが周方向に沿って交互に連続してなる凹凸形状を成している。また、このような側壁304の凹凸形状に対応して、油溝300の幅も変化している。すなわち、油溝300は、凹状部304bに対応して位置する幅の狭い幅狭溝部300bと、凸状部304aに対応して位置する幅が広い幅広溝部300aとから成る。
以上のように、本実施形態においては、油溝300および油路302が形成される保持器47の径方向内側部位Aの側壁304が、カム面2b,46aの形状に対応する形状を成してカム面2b,46aと対向している。そのため、カム面2b,46a上におけるローラ48の位置にかかわらず常にローディングカム46の油穴224と保持器47の油溝300とが連通するように油溝300を軸方向に広げても、保持器37の側面とカム面2b,46aとが干渉してカムの円滑な動作が妨げられるといった事態が生じることはない。
また、本実施形態においては、油溝300が、カム面2b,46a上におけるローラ48の位置にかかわらず常にローディングカム46の油穴224と連通するような幅をもって形成されているため、たとえローラ48がカム面のどの位置にあろうとも(図1の(b)に示すようにローラ48がカム面2b,46aの凸部242,244に乗り上げても)、効率的に潤滑油をローラ48の接触面に供給することができる。これにより、カム面2b,46aのフレッチング摩耗を抑え、予圧不足から生じるグロススリップを防止することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、油溝300および油路302が保持器47の本体47aに対して一体に形成されているが、図4に示すように、油溝300および油路302が形成される保持器47の径方向内側部位Aが本体47aと別体に形成されていても良い。このように、給油機構と保持器47の本体47aとが分離されていれば、ローラ48に加わる遠心力を支持するための強度が必要な保持器47の本体47aと、給油手段を備える径方向内側部位Aとを、材料・熱処理の点で異ならせることができるとともに、樹脂の射出成形や2枚構造のプレス加工を行なうことも可能になり、その結果、製造コストの低減を図ることができる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などのハーフトロイダル型無段変速機の他、トラニオンを有さないフルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
本発明の実施形態に係るトロイダル無段変速機のローディングカム式の押圧装置およびその周辺部分を示しており、(a)はローラがカム面の凹部に位置している状態、(b)はローラがカム面の凸部に乗り上がった状態、(c)は保持器からローラを取り外した状態をそれぞれ示している。 保持器の斜視図である。 保持器の破断された一部を示す斜視図である。 保持器の本体と別体に形成された径方向内側部位の破断された一部を示す斜視図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。 従来の具体的構造の一例を示す断面図である。 図7のB−B線に沿う断面図である。 保持器に形成される従来の油溝構造を示す断面図であり、(a)はローラがカム面の凹部に位置している状態、(b)はローラがカム面の凸部に乗り上がった状態をそれぞれ示している。 保持器に形成される従来の他の油溝構造を示す断面図であり、(a)はローラがカム面の凹部に位置している状態、(b)はローラがカム面の凸部に乗り上がった状態をそれぞれ示している。
符号の説明
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a カム面
4 出力側ディスク
6 トラニオン
11 パワーローラ
45 押圧装置
46 ローディングカム
46a カム面
47 保持器
47a 本体
48 ローラ
200 入力軸
224 油穴
300 油溝
302 油路
304 側壁
A 径方向内側部位

Claims (3)

  1. エンジンからの回転力が入力される入力軸と、この入力軸に結合されて入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、この入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、前記入力側ディスクの背面に配置され且つ前記入力側ディスクを軸方向へ押圧するローディングカム式の押圧装置とを備え、前記押圧装置は、ローディングカムと、このローディングカムのカム面と前記入力側ディスクのカム面との間で保持器により転動自在に保持された転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機において、
    前記保持器は、前記ローディングカムの所定部位の外周に被嵌する環状の本体を有し、前記本体の内周面には、前記ローディングカムに形成された潤滑油供給用の油穴と連通する油溝が全周にわたって形成されるとともに、この油溝は、保持器に形成された複数の油路を介して、ローラと各カム面との接触部近傍で開口し、油溝および油路が形成される保持器の径方向内側部位の側壁は、カム面の形状に対応する形状を成してカム面と対向していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記油溝は、カム面上におけるローラの位置にかかわらず常に前記ローディングカムに形成された潤滑油供給用の前記油穴と連通するような幅をもって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 油溝および油路が形成される保持器の前記径方向内側部位は、前記本体と別体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
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