JP4923935B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車用の自動変速機として利用するトロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、変速動作を軽い力で円滑に行なわせて、動力損失を低く抑え、且つ、優れた耐久性を確保できる構造の実現を図るものである。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1、2、非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。図17は、現在実施されているトロイダル型無段変速機の基本構成を示している。先ず、この従来構造に就いて、簡単に説明する。1対の入力側ディスク1a、1bを入力回転軸2に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する入力側側面3、3同士を互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。
又、上記入力回転軸2の中間部周囲に、中間部外周面に出力歯車4を固設した出力筒5を、この入力回転軸2に対する回転を自在に支持している。又、この出力筒5の両端部に出力側ディスク6、6を、スプライン係合により、上記出力筒5と同期した回転自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する、上記両出力側ディスク6、6の出力側側面7、7が、上記両入力側側面3、3に対向する。
又、上記入力回転軸2の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、7同士の間部分(キャビティ)に、それぞれの周面を球状凸面としたパワーローラ8、8を、2個ずつ配置している。これら各パワーローラ8、8は、それぞれトラニオン9、9の内側面に、基半部と先半部とが偏心した支持軸10、10と複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸10、10の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸10、10の基半部を中心とする若干の揺動変位自在に支持されている。
又、上記各トラニオン9、9は、それぞれの長さ方向(図17の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン9、9毎に互いに同心に設けられた傾転軸を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン9、9を揺動(傾斜)させる動作は、油圧式のアクチュエータにより、これら各トラニオン9、9を上記各傾転軸の軸方向(図17の表裏方向)に変位させる事により行なう。変速時には、上記各アクチュエータへの圧油の給排により、上記各トラニオン9、9を上記各傾転軸の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ8、8の周面と上記入力側、出力側各内側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化する(サイドスリップが発生する)ので、上記各トラニオン9、9が上記各傾転軸を中心として揺動変位する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸11により一方(図17の左方)の入力側ディスク1aを、ローディングカム式の押圧装置12を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸2の両端部に支持された1対の入力側ディスク1a、1bが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ8、8を介して前記両出力側ディスク6、6に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
上記入力回転軸2と上記出力歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸2と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図17に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記各入力側ディスク1a、1bの入力側側面3、3の中心寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側側面7、7の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図17と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記両入力側ディスク1a、1bの入力側側面3、3の外周寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側側面7、7の中心寄り部分とにそれぞれ当接させる。上記各トラニオン9、9の揺動角度を中間にすれば、上記入力回転軸2と出力歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、動力の伝達に供される各部材、即ち、入力側、出力側各ディスク1a、1b、6と上記各パワーローラ8、8とが、前記押圧装置12が発生する押圧力(推力)に基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に伴って、上記各ディスク1a、1b、6が軸方向に変位する。又、上記押圧装置12が発生する押圧力は、上記トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなる程大きくなり、それに伴って上記各部材の弾性変形量も多くなる。従って、上記トルクの変動に拘らず、上記入力側、出力側各側面3、7と上記各パワーローラ8、8の周面との接触状態を適正に維持する為に、これら各パワーローラ8、8を上記各トラニオン9、9に対し、上記各ディスク1a、1b、6の軸方向に変位させる機構が必要になる。図17に記載した従来構造の第1例の場合には、上記各パワーローラ8、8を支持した前記各支持軸10、10の先半部を、同じく基半部を中心として揺動変位させる事により、上記各パワーローラ8、8を上記軸方向に変位させる様にしている。
一方、特許文献3には、変速比の変更と、入力側、出力側各ディスクの軸方向への各パワーローラの変位とを、全く別の機構により行なわせる様にした、トロイダル型無段変速機が記載されている。この従来構造の第2例のトロイダル型無段変速機は、図18〜19に示す様な変速機構を備える。この図18〜19に示した従来構造の第2例の場合、入力回転軸2の周囲で入力側、出力側両ディスク1、6同士の間部分に揺動フレーム13を、この入力回転軸2を中心とする揺動を可能に設けている。そして、この揺動フレーム13の径方向外端部に設けた支持板部14、14同士の間に、それぞれの内側面にパワーローラ8a、8aを回転自在に支持した3個のトラニオン9a、9aを、それぞれの両端部に設けた傾転軸15、15を中心とする揺動のみ可能として支持している。これら各トラニオン9a、9aは、先に述べた図17に示した構造とは異なり、上記揺動フレーム13に対し傾転軸15、15の軸方向に変位する事はない。この状態で上記各パワーローラ8a、8aの中心軸の延長線α、αは、上記両ディスク1、6の中心軸β上で交差する。
又、上記各傾転軸15、15のうち、図18〜19の上端部に位置する2本の傾転軸15、15を除く残りの傾転軸15、15には、セクター歯車16、16aを固定している。そして、円周方向に隣り合うトラニオン9a、9aに関するセクター歯車16、16a同士を噛合させている。この構成により、総てのトラニオン9a、9aが、変速比を変える方向に関して同じ方向に、同じ角度だけ傾斜する様にしている。更に、上記各セクター歯車16、16aのうちの何れか1個(図18〜19の右下部)のセクター歯車16aを、カム装置17及びアクチュエータ18により、当該セクター歯車16aを固定した傾転軸15を中心として揺動させる様にしている。
上記カム装置17は、上記1個のセクター歯車16aに支持したカムフォロア19と、トロイダル型無段変速機を収納したハウジング20の内面に固定したカム部材21とから成る。そして、このカム部材21に設けたカム溝22と上記カムフォロア19とを係合させている。又、上記アクチュエータ18は、油圧複動型のもので、ピストン23に設けた長孔に係合したピン24の動きを、結合ブラケット25を介して前記揺動フレーム13に伝達し、この揺動フレーム13を、前記入力回転軸2を中心として揺動させる。この揺動フレーム13の揺動に伴って、上記1個のセクター歯車16aに支持したカムフォロア19と上記カム溝22との位置関係が変化し、このセクター歯車16aが上記傾転軸15を中心として揺動する。更に、このセクター歯車16aの動きが、残りのセクター歯車16、16を介して総てのトラニオン9a、9aに伝わる。この結果、これら各トラニオン9a、9aの内側面に支持された、前記各パワーローラ8a、8aが、前記入力側、出力側両ディスク1、6同士の間の変速比を変える方向に関して、同じ方向に同じ角度だけ揺動し、この変速比が所望値に調整される。
上述の様な特許文献3に記載された構造では、変速時に上記各パワーローラ8a、8aは、前記揺動フレーム13との相対位置関係に関しては、図19の表裏方向に揺動するのみである。言い換えれば、変速動作の為にこれら各パワーローラ8a、8aが上記揺動フレーム13に対して、(この揺動フレーム13と共に上記入力回転軸2の回転方向又は反回転方向に変位する事はあっても)上記各傾転軸15、15の軸方向(延長線α、αに対し直角方向)に変位する事はない。又、上記揺動フレーム13は、上記入力側、出力側両ディスク1、6同士の間位置に、変速の為に必要な角度だけ揺動変位可能に支持されているのみであり、上記両ディスク1、6の軸方向(図19の表裏方向)に変位する事はない。従って、上記各トラニオン9a、9aも、上記両ディスク1、6の軸方向に変位する事はない。
一方、トロイダル型無段変速機の運転時には、上記両ディスク1、6の内側面3、7と上記各パワーローラ8a、8aの周面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を確保する為に加える力により、上記各部材1、6、8aが弾性変形する。そして、このうちの各パワーローラ8a、8aは、図19の表裏方向に変位する。前述の図17に示した構造の場合には、各パワーローラ8、8を各トラニオン9、9に対し、基半部と先半部とを互いに偏心した支持軸(偏心軸)10、10により揺動変位可能に支持する事により、構成各部材の弾性変形に伴う上記各パワーローラ8、8の変位を可能にしていた。但し、図18〜19に示した構造の場合には、単に偏心軸により上記各パワーローラ8a、8aの揺動変位を許容するだけの構造は、採用できない。
この理由は、単に偏心軸によりこれら各パワーローラ8a、8aを揺動させただけの構造では、偏心量を回転半径とする円弧運動に基づいてこれら各パワーローラ8a、8aが、上記各傾転軸15、15の軸方向(延長線α、αに対し直角方向)に、僅かとは言え変位する為である。前述の図17に示した構造部分で説明した通り、上記各パワーローラ8a、8aが上記各傾転軸15、15の軸方向に変位すると、上記各トラクション部にサイドスリップが発生し、上記各パワーローラ8a、8aを介して前記各トラニオン9a、9aに、上記各傾転軸15、15を中心に揺動させる方向(変速比を変える方向)の力が加わる。この様な力は、上記変位が0.1〜0.2mm程度の場合でも発生する。上述の様なサイドスリップが発生し、上述の様な力が加わったままの状態でトロイダル型無段変速機の運転を継続する事が好ましくないのは当然である。具体的には、上記サイドスリップは伝達効率及び耐久性の低下に、上記力は実際に変速比を変更する際に必要とされる力の増大に、それぞれ結び付く。
この為に前記特許文献3に記載された構造では、図20〜22に示した様な構造により、上記各部材1、6、8aの弾性変形に伴って、このうちの各パワーローラ8a、8aを、入力側、出力側両ディスク1、6の軸方向(図19の表裏方向)にのみ変位させる様にしている。この構造に使用する、トラニオン9aに対し上記パワーローラ8aを回転自在に支持する為の支持軸10aは、互いに偏心した基部26と支持軸部27とを備える。一方、上記トラニオン9aの内側面中間部に、円形凹部28を形成している。そして、この円形凹部28に円形の(厚肉円盤状の)クランク部材29を、回転可能に内嵌している。又、このクランク部材29の一部で、このクランク部材29の中心から外れた位置に、円孔30を形成している。これらクランク部材29の外周面の中心軸X29と円孔30の中心軸X30との偏心量δ2 は、上記基部26の中心軸X26と支持軸部27の中心軸X27との偏心量δ1 と等しい(δ2 =δ1 )。そして、上記基部26を、上記円孔30に、がたつきなく、且つ、揺動可能に内嵌している。従って、上記基部26の中心軸X26と上記円孔30の中心軸X30とは互いに一致する。
更に、上記トラニオン9aの一部で、上記円形凹部28の底部片隅部に整合する部分に、前記傾転軸15、15の軸方向に長い長孔31を、この円形凹部28の底面と上記トラニオン9aの外側面とを連通する状態で形成している。そして、前記支持軸10aのうちで上記基部26の基端面{図21の(B)の右端面}の片隅部に突設したガイドロッド32を上記長孔31に、この長孔31の長さ方向(前記各傾転軸15、15の軸方向、図21の上下方向)の変位を可能に支持している。
前記特許文献3に記載された構造の場合、上述の様な構成により、前記入力側、出力側両ディスク1、6の軸方向片側面である、入力側、出力側両内側面3、7の軸方向変位に伴って、上記パワーローラ8aを、図22の(A)に矢印aで示す様に、この軸方向にのみ変位させる。このパワーローラ8aがこの矢印a方向に変位する際、上記ガイドロッド32は、図22の(B)に矢印bで示す様に、上記長孔31の内側で、上記各傾転軸15、15の軸方向に変位する。この際、クランク部材29の外周面の中心軸X29を中心とする円孔30の中心軸X30の偏心量δ2 に基づく円弧運動と、基部26の中心軸X26と支持軸部27の中心軸X27との偏心量δ1 に基づく円弧運動とを相殺して、上記支持軸部27に直線運動させる。
前述の図17に示した従来構造の第1例の場合には、変速比を変更させる為のアクチュエータを、各トラニオン9、9毎に設ける必要がある。この為、大きな動力を伝達すべく、パワーローラ8、8及びこれら各パワーローラ8、8を支持する為のトラニオン9、9の数を多くすると、必要となるアクチュエータの数が多くなり、トロイダル型無段変速機の小型化を図りにくくなる。これに対して、図18〜19に示した従来構造の第2例の場合には、1個のアクチュエータ18により複数個の(図示の例では3個)のトラニオン9a、9aを揺動変位させられる為、大型化を防止しつつパワーローラ8a、8aの数を増やす面からは有利である。
但し、上記図18〜19に示した従来構造の第2例にしても、小型・軽量化、伝達効率向上、変速動作の迅速性確保、トラクション面の疲労抑制を高度に並立させる面からは、改良の余地がある。この理由は、次の通りである。上記従来構造の第2例による変速動作は、各パワーローラ8a、8aの周面と入力側ディスク1の入力側側面3及び出力側ディスク6の出力側側面7との転がり接触部(トラクション部)に作用する力の大きさ及び方向とは関係なく、言わば強引に、各トラニオン9a、9aを傾斜させる事により行なう。この為、これら各トラニオン9a、9aを傾斜させる為に要する力が大きくなり、傾斜動作の為の動力源であるアクチュエータ18として大型のものが必要になる。大型のアクチュエータ18を使用すると、その分、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図りにくくなるだけでなく、上記アクチュエータ18に圧油を供給する為のポンプにより、動力損失が増大し、上記トロイダル型無段変速機の伝達効率が実質的に低下する。
又、変速時に上記各トラニオン9a、9aを、上記トラクション部に作用する力の大きさ及び方向とは関係なく傾斜させる為、素早い変速動作を行なう場合には、上記トラクション部に無理な力が加わり、このトラクション部を構成する上記各面を傷める(これら各面が早期に疲労する)可能性がある。一方、これら各面を傷めない様に、上記変速動作を緩徐に行なうと、トロイダル型無段変速装置の利点の一つである、素早い変速動作を行なえなくなる。
更に、図17に示した従来構造の第1例にしても、図18〜22に示した従来構造の第2例にしても、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各ディスク1、1a、1b、6と上記各パワーローラ8、8の周面との接触状態を適正に維持する為、各パワーローラ8、8aを各ディスク1、1a、1b、6の軸方向に変位させる為の構造が複雑である。この為、この構造部分の部品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、コストが嵩む事が避けられない。特許文献4には、トラニオンの内側面と、パワーローラを回転自在に支持する為のスラスト玉軸受の外輪との間に直動型の転がり軸受を設ける事で、上記パワーローラの各ディスクの軸方向の変位を許容する構造が記載されている。この様な特許文献4に記載された構造にしても、同様の問題を生じる。
特開平3−74667号公報 特開2001−165262号公報 独国特許出願公開第10246432号明細書(DE10246432A1) 特開2003−294099号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑み、少なくとも小型・軽量化、伝達効率向上、変速動作の迅速性確保、トラクション面の疲労抑制を高度に並立させる事ができるトロイダル型無段変速機の実現を目的としている。更に、必要に応じて、各パワーローラを各ディスクの軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各パワーローラの周面とこれら各ディスクとの接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成可能にする事を意図している。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同期手段と、変位駆動手段とを備える。
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、軸方向に関して上記各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の、これら各ディスクの回転方向に関して複数個所に、それぞれの両端部に互いに同心に設けられてこれら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各トラニオンの中間部で上記各ディスクの径方向内側部分に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させている。
又、上記同期手段は、上記各トラニオンの揺動角度を機械的に同期させる為のものである。
更に、上記変位駆動手段は、上記各トラニオンのうちの少なくとも1個のトラニオンを、当該トラニオンの両端部に設けた上記傾転軸を中心として揺動変位させる為のものである。
又、上記各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの軸方向両端面のうちで上記各ディスクの径方向外側の端面に設けた内輪軌道と、上記各トラニオンの中間部に支持された外輪の軸方向両端面のうちで上記各ディスクの径方向内側の端面に設けた外輪軌道との間に、複数個の転動体を設けて成るものである。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪を上記各トラニオンに、これら各トラニオンの両端部に設けた上記各傾転軸の方向に対し5〜15度傾斜した方向に配設された傾斜軸を中心とする揺動変位を自在に支持している。そして、上記各パワーローラを上記各トラニオンに対し、上記傾斜軸を中心とする揺動変位を自在に支持している。
言い換えれば、上記各パワーローラの揺動中心軸を、上記各トラニオンの揺動中心軸に対し、5〜15度のキャスタ角を持たせた状態で設けている。
上述の様な本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記同期手段を、上記各トラニオンの端部に設けた上記傾転軸に、この傾転軸と同期した傾転を自在に固定されたセクター歯車を含んで構成する。そして、上記各ディスクの回転方向に関して互いに隣り合うトラニオンの端部に設けたセクター歯車同士を互いに噛合させる。
上述の様な本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の内側面中央部に支持軸を突設する。そして、この支持軸の周囲に各パワーローラを、ラジアルニードル軸受により回転自在に支持する。
そして、この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、上記各スラスト転がり軸受を構成する上記各外輪の外側面部分に上記各傾斜軸を、これら各外輪の直径方向に支持固定する。そして、これら各傾斜軸を上記各トラニオンに対し、上記各パワーローラで伝達する動力に見合うスラスト荷重に基づいて、軸方向の変位を可能に弾性支持する。この場合に、上記各パワーローラに最大伝達動力(最大伝達トルク)が加わった状態でも(各傾斜軸に最大伝達動力に見合うスラスト荷重が加わった状態でも)、上記各傾斜軸が軸方向に変位し切らない様にする{弾性支持する為の弾性材(例えば皿板ばね)が弾性変形し切らない様にする}。又、この様に各傾斜軸(延いては各パワーローラ)を弾性支持する事により、例えば取付位置(初期位置)のずれ等に基づいて上記各パワーローラで伝達するトルクに差が生じた場合に、このトルクの差に基づく上記スラスト荷重の違いに応じて当該傾斜軸を軸方向に変位させる。そして、上記トルクの差が低減する方向(各パワーローラで分担する伝達トルクが均等になる方向、取付位置のずれが低減する方向)に、上記各パワーローラを傾転させる(変速させる)。
又、上述した本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、上記各トラニオンを、1対の傾転軸と、支持梁部とを備えたものとする。
これら両傾転軸は、これら各トラニオンの両端部に互いに同心に設けられたものとする。
又、上記支持梁部は、上記両傾転軸同士の間に存在する。そして、少なくとも上記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、これら両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも上記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とする。
又、上記各トラニオンの支持梁部と上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪との間に、揺動ブロックを配置する。
この揺動ブロックは、外側面に設けられた部分円筒面状の凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、上記各トラニオンに対し、上記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持する。
又、この場合に、例えば請求項6に記載した発明の様に、上記傾斜軸と上記揺動ブロックの外側面に設けた凹部とを、ラジアルニードル軸受を介して係合させる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、上記各トラニオンの傾転軸の仮想中心線と、各トラニオンに設けた傾斜軸の仮想中心線とを交差させる。言い換えれば、これら両仮想中心線を同一の仮想平面上に位置させる(捩れの関係とはしない)。又、上記各トラニオンの傾転軸の仮想中心と傾斜軸の仮想中心とを常に一致させる。
又、本発明を実施する場合に、例えば請求項8に記載した発明の様に、軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されたディスクを、2対設ける。そして、これら2対4個のディスクのうちで軸方向両端に配置した2個の外側ディスクを、回転軸を介して互いに同期した回転を自在に組み合わせる。又、同じく軸方向中央部に配置した2個の内側ディスクを上記回転軸の周囲に、互いに同期した回転及びこの回転軸に対する相対回転を自在に設ける。更に、一方の対の外側ディスクと内側ディスクとの間に配置した複数個のトラニオンのうちの何れかのトラニオンを傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段と、他方の対の外側ディスクと内側ディスクとの間に配置した複数個のトラニオンのうちの何れかのトラニオンを傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段とを、互いに同期させる。
上述の様な請求項8に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項9に記載した発明の様に、上記1対の変位駆動手段を、送りねじ杆と、回転駆動手段と、第一の送りナットと、第二の送りナットと、伝達機構とを備えたものとする。
このうちの送りねじ杆は、上記各ディスクの中心軸と平行に配置され、軸方向片半部に順方向のねじを、軸方向他半部に逆方向のねじを、それぞれ設けたものとする。
又、上記回転駆動手段は、上記送りねじ杆を、両方向に回転駆動する。
又、上記第一の送りナットはこの送りねじ杆の軸方向片半部に、上記第二の送りナットは同じく軸方向他半部に、それぞれ螺合させる。
更に、上記伝達機構には、上記送りねじ杆の軸方向に関するこれら両送りナットの動きを、それぞれのトラニオンに伝達する役目を持たせる。
そして、上記送りねじ杆の回転に基づいて上記各トラニオンを、それぞれ傾転軸を中心として揺動変位させる。
尚、上述の請求項8〜9に記載した発明を実施する場合に、2個の内側ディスクは、互いに独立したものを結合しても良いが、請求項10に記載した発明の様に、軸方向両側面をトロイド曲面とした一体型のディスクとする事もできる。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の変速比を変更する際には、変位駆動手段により何れかのトラニオンを揺動させ、各傾転軸を中心とする当該トラニオンの傾斜角度を、目標とする変速比に見合う角度とする。同時に、他のトラニオンの傾斜角度も、同期手段の働きにより、目標とする変速比に見合う角度とする。この際、上記各トラニオンの傾斜角度は、直ちに目標とする変速比に見合う角度に変更される。これに対して各パワーローラは、傾斜軸を中心として上記各トラニオンに対し揺動しつつ、そのままの位置に留まる傾向になる。この様な、上記傾斜軸を中心とする上記各パワーローラと上記各トラニオンとの揺動変位に伴って、これら各パワーローラが、各ディスクの回転方向に関して変位する。
この結果、前述の図17に示した従来構造の場合と同様に、上記各パワーローラの周面と上記各ディスクの軸方向片側面との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化し(サイドスリップが発生し)、上記各パワーローラが上記各傾斜軸を中心として揺動変位する。この様な、これら各傾斜軸を中心とするこれら各パワーローラの揺動変位は、これら各パワーローラの傾斜角度が、上記目標とする変速比に見合う角度になるまで行なわれる(目標とする変速比に見合う角度まで揺動してから停止する)。この様に各パワーローラが停止した状態で、これら各パワーローラと上記各トラニオンとの位置関係が、変速動作開始以前と同じ、中立状態となる。要するに、本発明のトロイダル型無段変速機により変速動作を行なう際には、先ず、上記各トラニオンの傾斜角度が目標とする変速比に見合う角度に変化する。次いで、これら各トラニオンの揺動変位を追う様にして、上記各パワーローラが揺動変位し、これら各パワーローラの傾斜角度が目標とする変速比に見合う角度になる。
上述の様に本発明のトロイダル型無段変速機は、トラニオンの傾斜角度を目標とする変速比に見合う角度にする事で、変速動作を開始させるが、このトラニオンの傾斜角度を変える動作は、変速比変更の為のきっかけに過ぎない。即ち、前述の図18〜19に示した従来構造の第2例とは異なり、上記変速動作に伴って上記各パワーローラを、トラクション部に作用する力の大きさ及び方向とは関係なく、傾斜させる事はない。従って、上記各トラニオンを傾斜させる為の変位駆動手段の出力は小さくて済み、この変位駆動手段を含むトロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。又、この変位駆動手段により上記各トラニオンを揺動変位させる為に要するエネルギが少なくて済む為、トロイダル型無段変速機のシステム全体として考えた場合の伝達効率を向上させる事ができる。
更に、目標とする変速比を実現する為に、上記各パワーローラの傾斜角度を変更する為の力は、前述の図17に示した従来構造の第1例の場合と同様に、トラクション部に発生するサイドスリップを利用する。このサイドスリップを利用した変速動作は、上記従来構造の第2例とは異なり、無理なく行なわれる。従って、変速動作を迅速に行なっても、トラクション部を構成する各面に有害な力が作用する事が殆どない。この為、変速動作の迅速性確保とトラクション面の疲労抑制とを高次元で両立させられる。
尚、本発明のトロイダル型無段変速機による変速動作の速度は、上記変位駆動手段により上記何れかのトラニオンの傾斜角度を変更する速度を変える事で、任意に調節できる。即ち、前述の図17に示した従来構造の第1例で周知の様に、パワーローラを各ディスクの回転方向にずらせる量を多くする程、トラクション部に生じるサイドスリップが大きくなり、変速動作の速度が速くなる。一方、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、前記傾斜軸を中心とする、上記各トラニオンと上記各パワーローラとの揺動変位量に比例して、上記各ディスクの回転方向に関するこれら各パワーローラのずれ量が多くなる。そこで、速い変速動作が必要な場合には上記変位駆動手段により上記各トラニオンの傾斜角度を変更する速度を速くし、変速動作を遅くする場合には、この傾斜角度を変更する速度を遅くする。遅い変速動作で大きな変速比変更を行なう際には、上記変位駆動手段及び同期手段により上記各トラニオンの傾斜角度を緩徐に変更すれば、上記各パワーローラがこれら各トラニオンの動きを少しだけ遅れた状態で追いかける様にして、揺動変位する。
又、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記各パワーローラをスラスト転がり軸受により支持し、これら各スラスト転がり軸受を構成する各外輪を上記傾斜軸を中心とする揺動変位を可能に支持しているので、上記各パワーローラの回転及び揺動変位を円滑に行なわせる事ができる。
又、本発明を実施する場合に、請求項2に記載した発明の様に、上記同期手段をセクター歯車を含んで構成すれば、この同期手段を小型且つ軽量に構成できる。
又、本発明を実施する場合に、請求項3に記載した発明の様に、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪の内側面中央部に突設した支持軸の周囲に上記各パワーローラを、ラジアルニードル軸受により回転自在に支持すれば、動力伝達に伴ってこれら各パワーローラに加わるラジアル荷重を効率良く支承できる。
そして、この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に、請求項4に記載した発明の様に、各傾斜軸を上記各トラニオンに対し弾性支持すれば、前記各ディスクの回転方向に関する、上記各パワーローラの取付位置が多少ずれた場合にも、このずれを或る程度吸収できる。そして、一部のパワーローラが過大な動力を伝達し、当該パワーローラの耐久性が損なわれる事を防止できる。
又、上述した本発明を実施する場合に、請求項5に記載した発明の様に各トラニオンとして、1対の傾転軸と支持梁部とを備えたものを使用すれば、上記各パワーローラを各ディスクの軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各パワーローラの周面とこれら各ディスクとの接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各ディスク、並びに、各パワーローラ等の弾性変形に基づき、これら各パワーローラをこれら各ディスクの軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラを回転自在に支持している各スラスト転がり軸受の外輪が、揺動ブロックの外側面に設けた部分円筒面状の凹部と支持梁部の円筒状凸面との係合部を中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、上記各パワーローラの周面のうちで、上記各ディスクの軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスクの軸方向に変位し、上記接触状態を適正に維持する。上記円筒状凸面の中心軸は、変速動作の際に各トラニオンの揺動中心となる傾転軸の中心軸よりも、上記各ディスクの径方向に関して外側に存在する。従って、上記円筒状凸面の中心軸を中心とする揺動変位の揺動半径は、上記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、各ディスク同士の間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
上述の様に接触状態を適正に維持する為に必要とされる、上記凹部と円筒状凸面との加工は容易であり、又、別途特殊な部品が必要になる事もない。この為、簡単で低コストに構成できる。
又、請求項6に記載した発明の様に、上記傾斜軸と上記揺動ブロックの外側面に設けた凹部とをラジアルニードル軸受を介して係合させれば、前述した様な、本発明の構造による変速動作を、より円滑に行なわせる事ができる。この場合に、上記ラジアルニードル軸受により上記揺動ブロックと上記傾斜軸との揺動変位に対する抵抗を小さくする事で、変速に必要な力を低減でき、例えば各トラニオンを傾転軸を中心に揺動させる為の変位駆動手段、回転駆動手段、同期手段{例えはセクタ歯車、送りねじ(ボールねじ)、アクチュエータ(電動モータ)等}の小型化を図れる。
又、本発明を実施する場合に、請求項7に記載した発明の様に、上記各トラニオンの傾転軸の仮想中心線と、各トラニオンに設けた傾斜軸の仮想中心線とを交差させれば、変速動作時に前記各パワーローラの周面を、ほぼ前記各ディスクの軸方向片側面に沿って変位させる事ができる。この為、これら各パワーローラの周面と各ディスクの軸方向片側面との転がり接触部であるトラクション部を円滑に変位させて、変速動作を安定させる事ができる。
又、本発明を実施する場合に、請求項8に記載した発明の様に、ディスクを2対設ける(ダブルキャビティ型とする)と共に1対の変位駆動手段とを互いに同期させれば、大きな動力を伝達可能な構造で、円滑な変速動作を行なわせる事ができる。
この様な請求項8に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項9に記載した発明の様に、上記1対の変位駆動手段を、送りねじ杆と回転駆動手段と第一、第二の送りナットと伝達機構とを備えた構造とすれば、簡単且つ小型・軽量に構成できる構造で、各キャビティに設けた各パワーローラの揺動変位を確実に同期させる事ができる。
尚、上述の請求項8〜9に記載した発明の構造を実施する場合に、請求項10に示した発明の様に、上記2個の内側ディスクを一体型のディスクとすれば、ダブルキャビティ型の構造の小型・軽量化を図れる。
図1〜16は、総ての請求項に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。本例のトロイダル型無段変速機は、図1〜2に示す様に、入力回転軸2の両端部に1対の入力側ディスク1a、1bを、それぞれがトロイド曲面である入力側側面3、3を互いに対向させた状態で、互いに同心に設けている。これら両入力側ディスク1a、1bのうちの一方(図1〜2の左方)の入力側ディスク1aは上記入力回転軸2の一端部にスプライン係合させ、抑えねじ筒33により、この入力回転軸2からの抜け止めを図っている。これに対して、他方(図1〜2の右方)の入力側ディスク1bは、上記入力回転軸2の他端部に、ボールスプライン34を介して支持すると共に、油圧式の押圧装置12aにより、上記一方の入力側ディスク1aに向け押圧自在としている。更に、上記一方の入力側ディスク1aの外側面に入力歯車35を、この入力側ディスク1aと同心に設けている。トロイダル型無段変速機の運転時には、上記押圧装置12aに油圧を導入して、上記両入力側ディスク1a、1bに互いに近付く方向の力を付与しつつ、上記入力歯車35及び上記入力回転軸2を介してこれら両入力側ディスク1a、1bを、互いに同期して回転させる。
又、上記入力回転軸2の中間部周囲に一体型の出力側ディスク6aを、この入力回転軸2に対する相対回転を自在に設けている。この出力側ディスク6aは、軸方向両側面を、それぞれがトロイド曲面である出力側側面7、7としたもので、中心孔36に上記入力回転軸2の中間部を、緩く挿通している。又、上記出力側ディスク6aの外周縁部には出力歯車37を設けて、上記トロイダル型無段変速機の運転時に、この出力側ディスク6aから動力を取り出せる様にしている。この様な出力側ディスク6aは、図15にその全体を示す様な支持フレーム38に、1対のスラスト転がり軸受39、39により、回転自在に支持している。尚、これら両スラスト転がり軸受39、39は、スラストアンギュラ型の玉軸受等、スラスト荷重の他、ラジアル荷重も支承可能なものを使用する。又、上記入力回転軸2の中間部2個所位置に設けたラジアルニードル軸受40、40により、この入力回転軸2を上記支持フレーム38に対し、回転自在に支持している。
上記両入力側ディスク1a、1bの入力側側面3、3と、上記出力側ディスク6aの出力側側面7、7との間部分(1対のキャビティ部分)には、それぞれ図3〜14に示す様なパワーローラユニット41、41を、各キャビティ毎に複数個ずつ(図示の例では3個ずつ合計6個)配置している。これら各パワーローラユニット41、41は、それぞれ、トラニオン9bと、揺動ブロック42と、スラスト転がり軸受43と、パワーローラ8bとを備える。
このうちのトラニオン9bは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸15、15と、これら両傾転軸15、15同士の間に存在する支持梁部44とを備える。この支持梁部44は、図11〜14に示す様に、少なくとも上記入力側、出力側各ディスク1a、1b、6aの径方向(例えば図3、4、6〜14の上下方向)に関する内側(例えば図7、9、11、13の上側、図8、10、12、14の下側)の側面を、円筒状凸面45としている。この円筒状凸面45の中心軸イは、図7に示す様に、上記両傾転軸15、15の中心軸ロと平行で、この傾転軸15、15の中心軸ロよりも、上記各ディスク1a、1b、6aの径方向に関して外側(例えば図7、9、11、13の下側、図8、10、12、14の上側)に存在する。
又、上記揺動ブロック42の外側面に、例えば図11〜14に示す様に、部分円筒面状の凹部46を、この外側面を径方向に横切る状態で設けている。そして、この凹部46と、上記支持梁部44の円筒状凸面45とを係合させて、上記トラニオン9bに対し上記揺動ブロック42を、上記入力側、出力側各ディスク1a、1b、6aの軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。尚、本例の場合には、この凹部46の軸方向両端部の断面形状の曲率半径と上記円筒状凸面45の断面形状の曲率半径とを一致させて、これら凹部46の軸方向両端部と円筒状凸面45とを、図13〜14に示す様に、直接当接させている。トロイダル型無段変速機の運転時に上記揺動ブロック42には、前記パワーローラ8bから前記スラスト転がり軸受43を介して、大きなスラスト荷重が加わる。従って、上記揺動ブロック42は上記支持梁部44に対し、軽い力で揺動変位する事はないが、或る程度大きな力が加わると揺動変位する。又、図示の例では、上記凹部46の軸方向中央部の断面形状の曲率半径を、上記円筒状凸面45の断面形状の曲率半径よりも大きくしている。従って、この円筒状凸面45の軸方向中央部と上記凹部46の軸方向中央部との間には、図7〜12に示す様に、半円筒状の隙間空間47が存在する。この隙間空間47は、上記トラニオン9bと上記揺動ブロック42との揺動変位に拘らず、このトラニオン9bから前記スラスト転がり軸受43側に潤滑油を供給し続ける為の潤滑油通路としての役目を有する。
上記パワーローラ8bは上記揺動ブロック42の内側面に、前記スラスト転がり軸受43により、回転自在に支持している。又、このスラスト転がり軸受43を構成する外輪48は上記揺動ブロック42の内側面(前記各ディスク1a、1b、6aの径方向内側の側面)に、図13〜14に示す様に、傾斜軸49を中心とする揺動変位を自在に支持している。従って、上記パワーローラ8bは上記揺動ブロック42の内側面に、揺動及び回転自在に支持されている。図示の例では、上記スラスト転がり軸受43は、アンギュラ型の玉軸受で、図7〜14に示す様に、上記パワーローラ8bの外側面(前記各ディスク1a、1b、6aの径方向外側の側面)に設けた内輪軌道50と、上記外輪48の内側面に設けた外輪軌道51との間に、それぞれが転動体である複数個の玉52、52を、90度から外れた接触角を付与した状態で設けて成る。又、図7〜12に示す様に、上記外輪48の内側面中央部に支持軸53を突設して、この支持軸53の周囲に上記パワーローラ8bを、ラジアルニードル軸受54により回転自在に支持している。この構成によりこのパワーローラ8bを上記外輪48に対し、スラスト、ラジアル、両方向に関して、大きな剛性を確保した状態で回転自在に支持している。
上記傾斜軸49は、図7〜14に示す様に、上記外輪48の外側面に、この外輪48の径方向に、且つ、前記両傾転軸15、15の中心軸ロに対し傾斜した状態で配置している。即ち、上記傾斜軸49は、上記外輪48の外側面に形成した凹部55に嵌合固定している。この外輪48の外側面中央部には、図7〜12に示す様に、アーチ状の抑え部56を、この凹部55を跨ぐ状態で形成している。上記傾斜軸49は、その内半部をこの凹部55に内嵌した状態でその軸方向中間部をこの凹部55と上記抑え部56との間に嵌合する事で、上記外輪48の外側面に支持固定している。又、この状態で、給油パイプ57を、上記抑え部56と上記傾斜軸49と上記外輪48とに挿通して、これら傾斜軸49が上記凹部55から抜け出ない様にしている。この様にして、この傾斜軸49を上記外輪48に結合固定した状態で、この傾斜軸49の中心軸ハは、図16に示す様に、上記両傾転軸15、15の中心軸ロに対し、所定角度α(5〜15度、図示の例では10度)だけ傾斜する。尚、これら両傾転軸15、15の中心軸ロと上記傾斜軸49の中心軸ハとは、同一の仮想平面上に位置する(これら両中心軸ロ、ハが互いに交差する)。
上記揺動ブロック42の内側面と上記外輪48の外側面との間隔は、図11〜14から明らかな通り、図11〜12に示した上記傾斜軸49の軸方向中央部及び図13〜14に示した軸方向両端部の何れの部分でも、この傾斜軸49から離れる程広くなる。又、この傾斜軸49の軸方向両端部と、上記揺動ブロック42の内側面でこの傾斜軸49の軸方向両端部に対向する部分に形成した断面半円弧状の凹部58、58とを、ラジアルニードル軸受59、59を介して係合させている。この構成により上記外輪48を上記揺動ブロック42に対し、前記トラニオン9bの中間部に設けた上記傾斜軸49を中心として、軽い力での揺動変位を可能に支持している。本例の場合には、この様な構成で、上記傾斜軸49に対し上記外輪48を揺動変位し易くしている。従って、上記揺動ブロック42が前記支持梁部44に対して揺動変位する事に対する抵抗は、この揺動ブロック42に対し上記外輪48及び前記パワーローラ8bが変位する事に対する抵抗よりも、遥かに大きい。但し、これら両抵抗が同じでも、本例の場合と同様の変速動作を行なえる。この理由は、上記トラニオン9bの傾転軸15、15の中心と上記傾斜軸49の中心とが一致しており(同心であり)、このトラニオン9bを傾転軸15、15を中心に揺動させた場合に、上記支持梁部44と揺動ブロック42とを揺動変位させる為のモーメントに比べて、この揺動ブロック42と上記外輪48及びパワーローラ8bとを揺動変位させる為のモーメントが大きくなる為である。
又、本例の場合には、前述した様に、上記外輪48の外側面に上記傾斜軸49を、前記給油パイプ57により、この外輪48の径方向の変位を阻止した状態で組み付けると共に、この傾斜軸49を上記トラニオン9bの内側面に、大きな力が作用した場合に、前記各傾転軸15、15の軸方向の変位を可能に支持している。この為に本例の場合には、上記トラニオン9bの一部で上記支持梁部44と上記1対の傾転軸15、15とを連続させる折れ曲がり部60、60の互いに対向する内面と上記傾斜軸49の軸方向両端面との間に、それぞれ鋼球61、61と皿板ばね62、62とを、上記両内面側から順番に、互いに直列に設けている。これら各皿板ばね62、62の弾力は、トロイダル型無段変速機の運転時に、前記各ディスク1a、1b、6aの側面3、7から前記パワーローラ8bを介して上記トラニオン9bに加わる、所謂2Ftと呼ばれる力でも撓み切らない程度に、十分に大きくしている。逆に言えば、上記傾斜軸49は、上記外輪48に加わる力、即ち、上記パワーローラ8bで伝達する動力に見合うスラスト荷重に応じて、軸方向に変位する。尚、上記各鋼球61、61と上記各折れ曲がり部60、60との当接面は、好ましくは、上記傾斜軸49の中心軸の延長線上に存在させる。
それぞれが以上に述べた様に構成する、複数組(図示の例では6組)の前記パワーローラユニット41、41は、図15に示す様な支持フレーム38に、それぞれの両端部に設けた前記傾転軸15、15を中心とする揺動変位のみ自在に支持する。即ち、トロイダル型無段変速機の組立時に、上記両傾転軸15、15は、それぞれ上記支持フレーム38の支持環部63、63に、ラジアル転がり軸受64、64を介して回転(揺動変位)のみ可能に支持し、図1〜2に示したトロイダル型無段変速機とする。尚、本例の場合には、上記各ラジアル転がり軸受64、64として、自動調心ころ軸受を使用する事により、負荷容量を確保すると共に、上記トラニオン9bの弾性変形時に、上記各ラジアル転がり軸受64、64内に存在する転がり接触部にエッジロードが発生する事を防止している。
上記各パワーローラユニット41、41は、上記支持フレーム38に揺動変位のみ自在に支持した状態で、次述する同期手段65により上記各トラニオン9b、9bの揺動角度を機械的に同期させつつ、後述する変位駆動手段66により所望角度揺動変位させられる様に構成している。
本例の場合には、上記同期手段65を構成する為、前述の図18〜19に示した従来構造の第2例と同様、図1〜10に示す様に、上記各トラニオン9b、9bの端部に設けた上記各傾転軸15、15に、それぞれセクター歯車16、16を固定している。そして、図1に示す様に、前記各ディスク1a、1b、6aの回転方向に関して互いに隣り合うトラニオン9b、9bの端部の各傾転軸15、15に設けたセクター歯車16、16同士を、互いに噛合させている。この構成により、同一キャビティ内に存在する3個ずつのトラニオン9b、9bを、互いに同方向に、同じ角度ずつ揺動変位させる、上記同期手段65を構成している。
一方、上記変位駆動手段66は、互いに異なるキャビティ内に存在する3個ずつのトラニオン9b、9bのうち、上記各ディスク1a、1b、6aの回転方向に関する位相が互いに一致する部分に存在する1個ずつ、合計2個のトラニオン9b、9bを、逆方向(変速比の変化方向に関して互いに同方向)に、同じ角度ずつ、互いに同期して揺動変位させる様に構成している。この為に本例の場合には、図1に示す様に、上記各ディスク1a、1b、6aの側方(これら各ディスク1a、1b、6aの外周縁よりも径方向外方に少しだけ外れた部分)に送りねじ杆67を、これら各ディスク1a、1b、6aの中心軸と平行に、回転のみ自在に支持した状態で、配置している。この送りねじ杆67は、軸方向片半部に順方向のねじを、軸方向他半部に逆方向のねじを、互いに同じピッチで、それぞれ設けたもので、端部に固定した従動歯車68に、正転、逆転自在な電動モータ等の回転駆動手段により回転駆動される駆動歯車を噛合させて、所望の方向に所望角度(360度以上を含む)だけ、回転駆動自在としている。
又、上記送りねじ杆67の軸方向片半部に形成した順方向のねじに第一の送りナット69を、軸方向他半部に形成した逆方向のねじに第二の送りナット70を、それぞれ螺合している。これら両送りナット69、70の一部で、上記2個のトラニオン9b、9bの端部の傾転軸15、15の端部に固定した1対のセクター歯車16、16の基部に対向する部分には、これら両セクター歯車16、16側が開口した抱持部71、71を形成し、これら両抱持部71、71の端縁に、係止切り欠き72、72を形成している。一方、上記両セクター歯車16、16の基部には、図3、4、7、8に示す様に、上記両抱持部71、71に向けて突出する揺動腕部73を形成し、これら両揺動腕部73、73の先端部に、係止ピン74の中間部を嵌合固定している。そして、これら両係止ピン74の両端部を、図1に示す様に、それぞれ上記各係止切り欠き72、72に係合させている。上記抱持部71、71と、これら各係止切り欠き72、72と、上記両揺動腕部73と、上記両係止ピン74、74とが、請求項9に記載した伝達機構を構成し、上記送りねじ杆67の軸方向に関する、上記第一、第二両送りナット69、70の動きを、それぞれのトラニオン9b、9bに伝達する。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の変速比を変更する際には、前記変位駆動手段66により、互いに異なるキャビティに設置した上記2個のトラニオン9b、9bを逆方向(変速比の変化方向に関して互いに同方向)に、同じ角度ずつ、互いに同期して揺動変位させる。本例の場合には、前記回転駆動手段により上記送りねじ杆67を所望方向に所望角度だけ回転させれば、上記第一、第二両送りナット69、70が互いに逆方向に移動(遠近動)し、上記両トラニオン9b、9bを、それぞれの両端部に設けた傾転軸15、15を中心として揺動変位させる。同時に、前記同期手段65により、上記両キャビティ毎に残り2個ずつ、合計残り4個のトラニオン9b、9bも、これら両キャビティ同士の間で逆方向(変速比の変化方向に関して互いに同方向)に、同じ角度ずつ、互いに同期して揺動変位させる。この様にして、合計6個のトラニオン9b、9bの傾斜角度を、目標とする変速比に見合う角度とする。
この様にして行なう変速動作の開始時に、上記6個のトラニオン9b、9bの傾斜角度は、直ちに目標とする変速比に見合う角度に変更される。同時に、前記各揺動ブロック42の傾斜角度も、上記各トラニオン9b、9bと同期して、上記目標とする変速比に見合う角度に変更される。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各トラニオン9b、9bの支持梁部44の円筒状凸面45と、上記各揺動ブロック42の凹部46の軸方向両端部とは、前記各ディスク1a、1b、6aの側面3、7と前記各パワーローラ8b、8bの周面との転がり接触部(トラクション部)から加わるスラスト荷重により、強く(大きな当接圧で)当接している。この為、上記変速動作時に上記各揺動ブロック42は、上記各トラニオン9b、9bに釣られて、これら各トラニオン9b、9bと同じ角度だけ揺動変位する。
これに対して、前記ラジアルニードル軸受59、59及び前記傾斜軸49を介して上記揺動ブロック42に対し支持された前記外輪48は、軽い力で、この揺動ブロック42に対し揺動する。又、この外輪48を含む前記スラスト転がり軸受43及び前記ラジアルニードル軸受54により回転自在に支持された上記各パワーローラ8b、8bの傾斜角度は、上記各トラクション部に作用する抵抗により、直ちに変化する事はない。この為、上記外輪48を含むスラスト転がり軸受43及び上記各パワーローラ8b、8bは、上記傾斜軸49を中心として、上記各揺動ブロック42に対し傾斜する。そして、この傾斜に伴って、これら各パワーローラ8b、8bが、前記各傾転軸15、15の方向に変位する。この変位の結果、上記トラクション部にサイドスリップが発生して、上記各パワーローラ8b、8bが、上記外輪48を含むスラスト転がり軸受43と共に、目標とする変速比に見合う角度に向けて揺動変位する。
この際の各部の挙動に就いて、図16を参照しつつ、更に詳しく説明する。変速動作を行なう際には、先ずトラニオン9b及び揺動ブロック42を、その両端部に設けた傾転軸15、15を中心として、図16の矢印α方向に、所望角度(変化させるべき変速比の大きさに見合う角度)だけ揺動変位させる。上述した様に、この様なトラニオン9b及び揺動ブロック42の揺動変位の直後には、上記外輪48及びパワーローラ8bは揺動変位せずにそのままの位置に留まる傾向になる。この為、このパワーローラ8bは上記揺動ブロック42に対し、傾斜軸49を中心として、図16の矢印β方向に揺動変位する。尚、実際には、パワーローラ8bが揺動変位せずに、上記揺動ブロック42がこのパワーローラ8bに対し揺動変位するが、このパワーローラ8bの動きを説明する面からは、同様に考えられる。
そして、上記パワーローラ8bが上記矢印β方向に揺動変位する結果、このパワーローラ8bの中心が、各ディスク1a(1b)、6aの回転方向に関して変位する。即ち、上記矢印β方向揺動変位に伴って上記パワーローラ8bの中心が、図16に矢印γで示す様に変位する。この矢印γの方向は、上記傾斜軸49の中心軸に対し直角方向であり、上記各ディスク1a(1b)、6aの中心軸の方向に対し傾斜している。従って、上記図16に矢印γ方向の変位に伴って上記パワーローラ8bの中心が、上記各ディスク1a(1b)、6aの回転方向に関して(例えば図16のδ分)変位する。
この結果、前述の図17に示した従来構造の場合と同様に、上記各パワーローラ8bの周面と上記各ディスク1a、1b、6aの軸方向片側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化し(サイドスリップが発生し)、上記各パワーローラ8bが上記各傾斜軸49を中心として揺動変位する。この様なサイドスリップに基づく揺動変位の方向は、変速動作の開始時に於ける上記矢印β、γ方向の変位を打ち消す方向(変速動作の開始時に於ける矢印β、γ方向とは逆方向で同じ変位量)になる。そして、この様な上記傾斜軸49を中心とする、上記パワーローラ8bの変速動作の開始時に於ける矢印β、γ方向とは逆方向の揺動変位は、このパワーローラ8bの傾斜角度が、上記目標とする変速比に見合う角度になるまで行なわれる。言い換えれば、上記パワーローラ8bが目標とする変速比に見合う角度まで揺動した状態で、このパワーローラ8b及び前記外輪48を含むスラスト転がり軸受43の揺動が停止する。この様に、このパワーローラ8b及びスラスト転がり軸受43の揺動が停止した状態で、このパワーローラ8bと上記トラニオン9bとの位置関係が、図11〜14に示す様な、変速動作開始以前と同じ、中立状態となる。但し、この状態では、前記支持フレーム38に対する(上記各ディスク1a、1b、6aに対する)、上記トラニオン9b(及びこのトラニオン9bに支持した上記パワーローラ8b)の位置関係は、変速動作開始以前と異なっている(変速比に見合う傾斜角度に変更されている)。
要するに、本例のトロイダル型無段変速機により変速動作を行なう際には、先ず、前記変位駆動手段66及び前記同期手段65により、前記両キャビティ毎に3個ずつ、合計6個のトラニオン9b、9bの傾斜角度を、目標とする変速比に見合う角度に変化させる。この状態で、これら各トラニオン9b、9bに支承した各パワーローラ8b、8bが、これら各トラニオン9b、9bに対し揺動しつつ各ディスク1a、1b、6aの回転方向に変位し、各トラクション部にサイドスリップを発生させる。そして、このサイドスリップにより、上記各パワーローラ8b、8bが、上記各トラニオン9b、9bの揺動変位を追う様にして揺動変位し、これら各パワーローラ8b、8bの傾斜角度が、目標とする変速比に見合う角度になる。
上述の様に本例のトロイダル型無段変速機は、上記各トラニオン9b、9bの傾斜角度を目標とする変速比に見合う角度にする事で、変速動作を開始させるが、これら各トラニオン9b、9bの傾斜角度を変える動作は、変速比変更の為のきっかけに過ぎない。即ち、前述の図18〜19に示した従来構造の第2例とは異なり、上記変速動作の開始に伴って上記各パワーローラ8b、8bを、トラクション部に作用する力の大きさ及び方向とは関係なく、傾斜させる事はない。従って、上記両キャビティ毎に1個ずつ、合計2個のトラニオン9b、9bを傾斜させる為の変位駆動手段66を構成する回転駆動手段の出力は小さくて済み、この変位駆動手段66を含むトロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。又、この変位駆動手段66により上記2個のトラニオン9b、9bを介して全部で6個の揺動変位させる為に要するエネルギが少なくて済む為、トロイダル型無段変速機のシステム全体として考えた場合の伝達効率を向上させる事ができる。特に、上記回転駆動手段を電動モータとすれば、変速比変更の為のエネルギによる損失を僅少に抑えられる。
更に、本例のトロイダル型無段変速機によれば、上記各パワーローラ8bを前記各ディスク1a、1b、6aの軸方向に変位させて、構成各部材の弾性変形量の変化に拘らず、これら各パワーローラ8b、8bの周面と上記各ディスク1a、1b、6aとの接触状態を適正に維持できる構造を、簡単で低コストに構成できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時には、上記各ディスク1a、1b、6a及び上記各パワーローラ8b、8b等が弾性変形する。そして、上記トロイダル型無段変速機が伝達するトルクの大きさが変動すると、この弾性変形の量も変化する。従って、上記各トラクション部の面圧を適正に維持する為には、上記トルクの変動に伴って、上記各パワーローラ8b、8bを上記各ディスク1a、1b、6aの軸方向に変位させる必要がある。
本例の場合には、この様な理由で、上記各パワーローラ8b、8bを上記各ディスク1a、1b、6aの軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ8bを回転自在に支持している前記揺動ブロック42が、外側面に設けた部分円筒面状の凹部46と前記支持梁部44の円筒状凸面45との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面45の中心軸イ(図7参照)を中心として揺動変位する。上記弾性変形に伴って、上記各パワーローラ8b、8bを上記各ディスク1a、1b、6aの軸方向に変位させようとする力は大きい。この為、前述した様に、各パワーローラ8a、8bから加わるスラスト荷重に基づき、上記凹部46と上記円筒状凸面45との間に作用する、比較的大きな摩擦力に拘らず、上記揺動ブロック42が確実に揺動変位する。
そして、この揺動変位に基づき、上記各パワーローラ8b、8bの周面のうちで、上記各ディスク1a、1b、6aの軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク1a、1b、6aの軸方向に変位し、上記接触状態を適正に維持する。前述した通り、上記円筒状凸面45の中心軸イは、変速動作の際に各トラニオン9bの揺動中心となる傾転軸15、15の中心軸ロよりも、上記各ディスク1a、1b、6aの径方向に関して外側に存在する。従って、上記係合部を中心とする揺動変位の揺動半径は、上記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、上記入力側ディスク1a、1bと出力側ディスク6aとの間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
この様に接触状態を適正に維持する為に必要とされる、上記凹部46と円筒状凸面45との加工は容易であり、又、別途特殊な部品が必要になる事もない。この為、簡単で低コストに構成できる。
更に、本例の場合には、上記各トラニオン9bの折れ曲がり部60、60の互いに対向する内面と上記傾斜軸49の軸方向両端面との間に、それぞれ前記鋼球61、61と前記皿板ばね62、62とを設けている為、上記各ディスク1a、1b、6aの回転方向に関する、上記各パワーローラ8b、8bの取付位置が多少ずれた場合にも、このずれを或る程度吸収できる。即ち、上記各皿板ばね62、62の弾力は、トロイダル型無段変速機の通常の運転状態で、前記各ディスク1a、1b、6aの側面3、7から前記各パワーローラ8b、8b及び前記スラスト転がり軸受43の外輪48を介して上記各トラニオン9bに加わる、所謂2Ftと呼ばれる力で撓み切らない程度に大きい。そして、この2Ftに応じて撓む事により、上記各ディスク1a、1b、6aの回転方向に関して上記各パワーローラ8b、8bの取付位置が変化する事を許容する。上記各パワーローラ8b、8bの取付位置がずれた場合には、一部のパワーローラ8bから当該パワーローラ8bを支持したスラスト転がり軸受43の外輪48に、他のパワーローラ8bを支持したスラスト転がり軸受43の外輪48よりも大きな力が加わる可能性があるが、この場合には、当該パワーローラ8bを支持した外輪48を当該トラニオン9bに対し、上記各ディスク1a、1b、6aの回転方向に変位させて、当該パワーローラ8bが過大な動力を伝達しない様にして、当該パワーローラ8bの耐久性が損なわれる事を防止する。
本発明の実施の形態の1例を示す、要部斜視図。 増速状態で示す、図1のイ−イ断面図。 変位駆動手段により変位駆動されるパワーローラユニットを取り出して示す斜視図。 同じく側面図。 図4の下方から見た図。 同じく右方から見た図。 図5のロ−ロ断面図。 図7と同位置で切断した状態で逆方向から見た斜視図。 図5のハ−ハ断面図。 図9と同位置で切断した状態で逆方向から見た斜視図。 図5のニ−ニ断面図。 図11と同位置で切断した状態で逆方向から見た斜視図。 図9のホ−ホ断面図。 図13と同位置で切断した状態で逆方向から見た斜視図。 支持フレームの斜視図。 トラニオンと揺動ブロックとの相対変位に基づいてパワーローラが各ディスクの回転方向に変位する状況を説明する為の模式図。 従来構造の第1例を示す断面図。 同第2例を示す要部斜視図。 図18の一部を取り出して各ディスクの軸方向から見た図。 トラニオンとパワーローラとを取り出した状態で示す分解斜視図。 組み立てた状態で、(A)はトラニオンの内側面側から見た図、(B)は断面図。 同じ状態で、(A)はトラニオンの内側面側から見た斜視図、(B)は一部を切断した状態で外側面側から見た斜視図。
符号の説明
1、1a、1b 入力側ディスク
2 入力回転軸
3 入力側側面
4 出力歯車
5 出力筒
6、6a 出力側ディスク
7 出力側側面
8、8a、8b パワーローラ
9、9a、9b トラニオン
10、10a 支持軸
11 駆動軸
12、12a 押圧装置
13 揺動フレーム
14 支持板部
15 傾転軸
16、16a セクター歯車
17 カム装置
18 アクチュエータ
19 カムフォロア
20 ハウジング
21 カム部材
22 カム溝
23 ピストン
24 ピン
25 結合ブラケット
26 基部
27 支持軸部
28 円形凹部
29 クランク部材
30 円孔
31 長孔
32 ガイドロッド
33 抑えねじ筒
34 ボールスプライン
35 入力歯車
36 中心孔
37 出力歯車
38 支持フレーム
39 スラスト転がり軸受
40 ラジアルニードル軸受
41 パワーローラユニット
42 揺動ブロック
43 スラスト転がり軸受
44 支持梁部
45 円筒状凸面
46 凹部
47 隙間空間
48 外輪
49 傾斜軸
50 内輪軌道
51 外輪軌道
52 玉
53 支持軸
54 ラジアルニードル軸受
55 凹部
56 抑え部
57 給油パイプ
58 凹部
59 ラジアルニードル軸受
60 折れ曲がり部
61 鋼球
62 皿板ばね
63 支持環部
64 ラジアル転がり軸受
65 同期手段
66 変位駆動手段
67 送りねじ杆
68 従動歯車
69 第一の送りナット
70 第二の送りナット
71 抱持部
72 係止切り欠き
73 揺動腕部
74 係止ピン

Claims (10)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の、これら各ディスクの回転方向に関して複数個所に、それぞれの両端部に互いに同心に設けられてこれら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、これら各トラニオンの中間部で上記各ディスクの径方向内側部分に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた、上記各トラニオンと同数のパワーローラと、これら各トラニオンの揺動角度を機械的に同期させる為の同期手段と、少なくとも1個のトラニオンを当該トラニオンの両端部に設けた上記傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段とを備え、上記各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの軸方向両端面のうちで上記各ディスクの径方向外側の端面に設けた内輪軌道と、上記各トラニオンの中間部に支持された外輪の軸方向両端面のうちで上記各ディスクの径方向内側の端面に設けた外輪軌道との間に、複数個の転動体を設けて成るものであるトロイダル型無段変速機に於いて、上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪を上記各トラニオンに、これら各トラニオンの両端部に設けた上記各傾転軸の方向に対し5〜15度傾斜した方向に配設された傾斜軸を中心とする揺動変位を自在に支持する事により、上記各パワーローラを上記各トラニオンに対し、上記傾斜軸を中心とする揺動変位を自在に支持した事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 同期手段は、各トラニオンの端部に設けた傾転軸に、この傾転軸と同期した傾転を自在に固定されたセクター歯車を含んで構成され、各ディスクの回転方向に関して互いに隣り合うトラニオンの端部に設けたセクター歯車同士を互いに噛合させて成る、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 各スラスト転がり軸受を構成する外輪の内側面中央部に支持軸が突設されており、この支持軸の周囲に各パワーローラを、ラジアルニードル軸受により回転自在に支持している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 各スラスト転がり軸受を構成する各外輪の外側面部分に各傾斜軸を、これら各外輪の直径方向に支持固定し、これら各傾斜軸を各トラニオンに対し、各パワーローラで伝達する動力に見合うスラスト荷重に基づいて軸方向の変位を可能に弾性支持している、請求項3に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 各トラニオンは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも各ディスクの径方向に関する内側の側面を、これら両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも上記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたものであり、この支持梁部とスラスト転がり軸受を構成する外輪との間に、揺動ブロックを配置しており、この揺動ブロックは、外側面に設けられた部分円筒面状の凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により上記各トラニオンに対し、上記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  6. 傾斜軸と揺動ブロックの外側面に設けた凹部とをラジアルニードル軸受を介して係合させている、請求項5に記載したトロイダル型無段変速機。
  7. 各トラニオンの傾転軸の仮想中心線と各トラニオンに設けた傾斜軸の仮想中心線とが交差する、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  8. 軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されたディスクを2対設けており、これら2対4個のディスクのうちで軸方向両端に配置した2個の外側ディスクを、回転軸を介して互いに同期した回転を自在に組み合わせており、同じく軸方向中央部に配置した2個の内側ディスクを上記回転軸の周囲に、互いに同期した回転及びこの回転軸に対する相対回転を自在に設けており、一方の対の外側ディスクと内側ディスクとの間に配置した複数個のトラニオンのうちの何れかのトラニオンを傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段と、他方の対の外側ディスクと内側ディスクとの間に配置した複数個のトラニオンのうちの何れかのトラニオンを傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段とを互いに同期させる、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  9. 1対の変位駆動手段が、各ディスクの中心軸と平行に配置され、軸方向片半部に順方向のねじを、軸方向他半部に逆方向のねじを、それぞれ設けた送りねじ杆と、この送りねじ杆を両方向に回転駆動する回転駆動手段と、この送りねじ杆の軸方向片半部に螺合した第一の送りナットと、同じく軸方向他半部に螺合した第二の送りナットと、上記送りねじ杆の軸方向に関するこれら両送りナットの動きをそれぞれのトラニオンに伝達する伝達機構とを備え、上記送りねじ杆の回転に基づいてこれら各トラニオンを、それぞれ傾転軸を中心として揺動変位させる、請求項8に記載したトロイダル型無段変速機。
  10. 2個の内側ディスクが、軸方向両側面をトロイド曲面とした一体型のディスクである、請求項8〜9のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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