JP4432483B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の変速機等として適用されるトロイダル型無段変速機の技術分野に属する。
従来、トロイダル型無段変速機のパワーローラは、トラニオンのパワーローラ収納面と外輪の背面との間に介装された背面ベアリング(=直動軸受)を介し、トラニオンの傾転軸に対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられている。この背面ベアリングとしては、パワーローラ収納面と外輪の背面とのそれぞれに、パワーローラ中心軸を挟む両側位置においてトラニオン傾転軸に対して傾斜する主軸方向の傾斜面を形成し、前記対向する傾斜面間にニードルローラを配置した一対のスラストニードル軸受を用いている。そして、パワーローラ中心軸を挟む両側位置のスラストニードル軸受により、パワーローラに働くスラスト力とラジアル力を支持している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−12574号公報
しかしながら、従来のトロイダル型無段変速機にあっては、背面ベアリングとして一対のスラストニードル軸受のみを用いた構成であるため、パワーローラにスラストニードル軸受の作用点を中心とするモーメントが働き、かつ、スラストニードル軸受が入力トルクや変速比の変化によって転動すると、スラストニードル軸受の作用点を中心とするパワーローラの傾きが容易に発生してしまう。そして、パワーローラが傾くと、動力伝達部におけるパワーローラとディスクの転動方向が一致しなくなり、接触面にすべり摩擦を生じて動力伝達効率が悪化するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、低い加工精度としながら、伝達力によるパワーローラの傾きを防止することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、パワーローラは、入力ディスクの動力を出力ディスクに伝達する内輪と、トラニオンに支持された外輪と、該外輪に対して内輪を回転自在に支持するパワーローラ軸受と、を有し、トラニオンのパワーローラ収納面と外輪背面との間に介装された背面ベアリングを介し、トラニオンの傾転軸に対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機において、
前記背面ベアリングを、主にスラスト力を受けるスラストニードル軸受と、主にラジアル力を受けるボールスプラインと、の組み合わせにより構成した。
よって、本発明のトロイダル型無段変速機にあっては、背面ベアリングを、主にスラスト力を受けるスラストニードル軸受と、主にラジアル力を受けるボールスプラインと、の組み合わせにより構成したため、背面ベアリングとして2つの傾斜面への1対のスラストニードル軸受に、1つの平面へのスラストニードル軸受を加えてパワーローラの傾きを抑える場合に比べ、低い加工精度とすることができる。
加えて、パワーローラにスラストニードル軸受の作用点を中心とするモーメントが働き、かつ、スラストニードル軸受が入力トルクや変速比の変化によって転動しようとしても、ボールスプラインによりパワーローラに働くラジアル力が受けられることで、伝達力によるパワーローラの傾きを防止することができる。
以下、本発明のトロイダル型無段変速機を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のトロイダル型無段変速機の変速機構を示す概略図で、エンジンからの回転駆動力は、図外のトルクコンバータおよび前後進切換え機構を介して入力軸1に入力される。
前記入力軸1と同軸上にトルク伝達軸2が配置され、該トルク伝達軸2の両端部位置には、第1入力ディスク3と第2入力ディスク4とを、軸方向移動可能にスプライン結合している。
前記第1入力ディスク3の背面と入力軸1との間には、入力トルクに応じて軸方向推力を発生するローディングカム5を介装している。
前記第2入力ディスク4の背面とトルク伝達軸2の端部に螺合されたナット6との間には、両入力ディスク3、4にプリロードを付与する皿ばね7を介装している。
前記両入力ディスク3、4の中間位置には、トルク伝達軸2に遊装した出力ディスク8を配置している。この出力ディスク8は、2つの出力ディスクの背面を互いに合わせて一体結合したもので、出力ディスク8の外周部には出力ギア9を形成している。
前記第1入力ディスク3の出力ディスク8側対向面と、前記第2入力ディスク4の出力ディスク8側対向面には、トロイド状溝3a、4aを形成している。同様に、前記出力ディスク8の両入力ディスク3、4に対向する対向面には、トロイド状溝8a、8bを形成している。
前記トロイド状溝3aとトロイド状溝8aとの間には、左右位置に2個配置された第1パワーローラ10、10を、動力の受け渡しを可能に挟持している。同様に、トロイド状溝4aとトロイド状溝8bとの間には、左右位置に2個配置された第2パワーローラ11、11を、動力の受け渡しを可能に挟持している。
そして、第1入力ディスク3と出力ディスク8(トロイド状溝8a)と第1パワーローラ10、10により第1トロイダル変速部12を構成している。また、第2入力ディスク4と出力ディスク8(トロイド状溝8b)と第2パワーローラ11、11により第2トロイダル変速部13を構成している。
上記変速機構において、各パワーローラ10、10、11、11は、後述する作動により目標変速比に応じた傾転角が得られるようにそれぞれ傾転される。つまり、両入力ディスク3、4の入力回転を、各パワーローラ10、10、11、11を介し、無段階(連続的)に変速して出力ディスク8に伝達する。
図2は実施例1のトロイダル型無段変速機の変速制御系を示す概略図で、第1パワーローラ10、10は、トラニオン14、14の一端に支持されていて、パワーローラ回転軸15、15を中心として回転自在である。このトラニオン14、14の他端部には、トラニオン14、14を傾転軸Lの方向にオフセット移動させて各パワーローラ10、10を傾転軸Lの回りに傾転させる油圧アクチュエータとしてのサーボピストン16、16を設けている。
なお、第2パワーローラ11、11も同様に、図外のトラニオンの一端に支持されていて、トラニオンを傾転軸の方向にオフセット移動させて各パワーローラ11、11を傾転軸Lの回りに傾転させる油圧アクチュエータとしてのサーボピストンを設けている。そして、各パワーローラ10、10、11、11を支持する4個のトラニオンは、これらが同期して動くように図外の同期ワイヤにより連結されている。
前記サーボピストン16、16は、ピストン16a、16aによりハイ側油室16b、16bとロー側油室16c、16cに画成される。前記サーボピストン16、16を作動制御する油圧制御系として、変速制御弁19が設けられている。この変速制御弁19とサーボピストン16、16とは、ハイ側油室16b、16bに接続されるハイ側油路17と、ロー側油室16c、16cに接続されるロー側油路18により接続されている。
前記変速制御弁19には、ハイ側油路17を接続するポート19aと、ロー側油路18を接続するポート19bとを有する。前記変速制御弁19のライン圧ポート19cには、図外のオイルポンプ及びリリーフ弁を有する油圧源からのライン圧が供給される。
前記変速制御弁19の変速スプール19dは、レバー20及びプリセスカム21と連動すると共に、ステップモータ22により軸方向に変位するように駆動される。前記プリセスカム21は、1つのトラニオンシャフトの下端部に設けられ、トラニオン14の傾転軸方向位置及び傾転角度位置を検知し、変速制御弁19にフィードバックする。
前記ステップモータ22を駆動制御する電子制御系として、CVTコントロールユニット23が設けられている。このCVTコントロールユニット23には、スロットル開度センサ24、エンジン回転センサ25、入力ディスク回転センサ26、出力軸回転センサ(車速センサ)27、インヒビタースイッチ28、油温センサ29等からの入力情報が取り込まれる。
図3は実施例1のトロイダル型無段変速機に採用されたトラニオン14及びパワーローラ10を示す断面図、図4は実施例1のトロイダル型無段変速機に背面ベアリングとして採用されたボールスプラインを示す拡大断面図である。なお、パワーローラ11についても同じ構造である。
前記パワーローラ10は、入力ディスク3の動力を出力ディスク8に伝達する内輪30と、トラニオン14に支持された外輪31と、該外輪31に対して内輪30を回転自在に支持する玉軸受32(パワーローラ軸受)と、を有し、トラニオン14のパワーローラ収納面14aと外輪31の背面31aとの間に介装された背面ベアリング33を介してトラニオン14の傾転軸Lに対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられている。なお、外輪31には、内輪回転軸部31bが一体に形成され、ラジアル軸受34を介して内輪30がパワーローラ回転軸15を中心として回転可能に支持されている。
前記背面ベアリング33は、図3に示すように、主にスラスト力を受けるスラストニードル軸受331,331と、主にラジアル力を受けるボールスプライン332と、の組み合わせにより構成している。
前記スラストニードル軸受331,331は、パワーローラ中心軸15を挟む両側位置において、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとの間の対向面間にニードルローラ331aをそれぞれ配置した構成であり、前記ボールスプライン332は、前記一対のスラストニードル軸受331,331の間のパワーローラ中心軸部に配置され、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとに形成したスプライン溝332a,332aと、該対向するスプライン溝332a,332aに介装されたボール332bと、による構成である。
前記ボールスプライン溝332a,332aは、図4に示すように、2つの円弧状面を組み合わせたゴシックアーチとし、前記ボール332bは、前記ボールスプライン溝332a,332aに対し4ヶ所の接触点CP1,CP2,CP3,CP4を持ち、前記ボール332bの中心点Cを通り、かつ、2つの接触点CP1,CP3と接触点CP2,CP4を結ぶボールスプライン接触線は、トラニオン傾転軸Lに対して傾斜角を持つ傾斜設定としている。
前記スラストニードル軸受331のニードルローラ331aと、前記ボールスプライン332のボール332bとは、同一の保持器35により保持している。なお、実施例1における前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aは、パワーローラ回転軸15に直交し、背面ベアリング33が設けられる領域では、互いに等間隔にて対向する平面としている。
次に、作用を説明する。
[変速比制御作用]
トロイダル型無段変速機は、トラニオン14、14を傾転軸Lの方向(図2の上下方向)に僅かに変位させると、この変位に伴いパワーローラ10、10が傾転することによって変速比を変える。
つまり、CVTコントロールユニット23からの目標変速比が得られる駆動指令によりステップモータ22を回転させることによって変速スプール19dが変位すると、サーボピストン16、16の一方のサーボピストン室に作動油が導かれ、他方のサーボピストン室から作動油が排出され、トラニオン14、14が傾転軸Lの方向に変位する。
これにより、パワーローラ回転軸15、15が、ディスク回転中心位置に対してオフセットする。このオフセットによりパワーローラ10、10と入出力ディスク3、8との接触部で発生するサイドスリップ力によりパワーローラ10、10が傾転する。
この傾転運動およびオフセットは、プリセスカム21及びレバー20を介して変速スプール19dに伝達される。よって、変速スプール19dは、ステップモータ22との釣り合い位置で静止し、目標変速比が得られる傾転角となった時点でトラニオン14、14に与えた変位が元のディスク回転中心位置に戻され、パワーローラ10、10の傾転動作を停止する。
なお、パワーローラ11、11についても同様の変速比制御作用を示し、変速比は、停止したパワーローラ10、10、11、11の傾転角により決まる。
[背面ベアリングによるパワーローラ支持作用]
トロイダル型無段変速機は入出力ディスク3,4,8とパワーローラ10,11を強い力で押し付け、その摩擦によって動力を伝達する。そのための押し付け力はローディングカム5が発生し、入力ディスク3,4を出力ディスク8の方向に押し付ける。入力ディスク3,4はパワーローラ10,11を押し付け、パワーローラ10,11は出力ディスク8を押し付ける。ここで入力トルクの変化により押し付け力が変動すると、各構成部品の弾性変形量が変化するため、それぞれの相対位置が変化する。ここで出力ディスク8はケースに対して軸方向に固定されており、入力ディスク3,4とパワーローラ10,11が前記相対位置変化を吸収するために変位する。入力ディスク3,4はローディングカム5との間に狭持されたカムローラがカム面を乗り上げることで前記変位を発生する。パワーローラ10,11については、パワーローラ10,11を支持するトラニオンは変速機の軸方向には移動不可能であるため、パワーローラとトラニオン14の間に背面ベアリング33を設け、トラニオン14がパワーローラ10,11を入出力ディスク3,4,8の回転軸方向に移動可能に支持することで、前記変位を可能としている。
従来例における背面ベアリングとしては、一対のスラストニードル軸受が用いられ、図5に示すように、トラニオン傾転軸に対して傾斜しており、パワーローラに働く押し付け力と伝達力、すなわちスラスト力とラジアル力を支持している。
しかしながら、図5に示す従来のトロイダル型無段変速機では、図6に示すように、スラストニードル軸受の作用点を中心とするパワーローラの傾きが容易に発生してしまう。ここで、作用点とは接触面における法線の交点である。以下、その理由を説明する。
図7に示すように、スラストニードル軸受において、接触面に平行な力が働いた場合、軸受が静止していれば摩擦力によってすべりが生じないよう保持できるが、 軸受が転動すると接線方向への摩擦力が発揮できず、容易にずれてしまう。したがって、パワーローラに作用点を中心とするモーメントが働き、かつスラストニードル軸受が入力トルクや変速比の変化によって転動すると、図8に示すように、パワーローラが傾いてしまう。
パワーローラには伝達力によるラジアル荷重が働き、その作用位置がスラストニードル軸受の作用点からずれているとモーメントが生じる。図6に示したように荷重点と作用点は大きく離れており、これらを一致させることは困難である。パワーローラが傾くと、図9に示すように、動力伝達部におけるパワーローラ転動方向とディスク転動方向が一致しなくなり、接触面にすべり摩擦を生じて動力伝達効率が悪化する。
したがって、伝達力によってパワーローラが傾き、効率が悪化する。これを対策するため、図10に示すように、一対のスラストニードル軸受に、傾きのないスラストニードル軸受を加えることも考えられるが、スラストニードル軸受は、線接触であるため接触点の剛性が高く、わずかな加工誤差によって、図11に示すように、一方の軸受が接触しなくなる。特に、傾いた軌道面は、角度と位置の両方を合わせる必要があり、平面部との位置合わせが困難である。
これに対し、実施例1では、図3に示すように、背面ベアリング33として、一対のスラストニードル軸受331a,331aと、ボールスプライン332と、を組み合わせた構成を採用した。
作用を説明すると、ボールスプライン332の接触線は、図4に示すように、傾いているため、ボールスプライン332は、スラスト荷重とラジアル荷重の両方を支持できる。したがって、伝達力によるラジアル荷重はボールスプライン332で支持され、パワーローラ10が傾くことはない。
なお、スラスト荷重は、スラストニードル軸受331,331とボールスプライン332の両方で分担して支持するが、スラスト荷重は数10kNにも及ぶ大きな荷重であり、ボールスプライン332の強度不足が懸念される。しかしながら、ボールスプライン332の接触部は、点接触であるため、線接触であるスラストニードル軸受331に対し剛性が低く、スラスト荷重の大部分はスラストニードル軸受331,331で支持される。したがって、ボールスプライン332は、数kNしかないラジアル荷重をだけを支持すればよく、強度が不足することはない。
また、ボールスプライン332の剛性が低く、変位に対する荷重の角度が小さいので、スラストニードル軸受331,331とのパワーローラ回転軸方向位置がずれていても、それぞれの荷重分担はほとんど変化しない。
次に、効果を説明する。
実施例1のトロイダル型無段変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) パワーローラ10は、入力ディスク3の動力を出力ディスク8に伝達する内輪30と、トラニオン14に支持された外輪31と、該外輪31に対して内輪30を回転自在に支持する玉軸受32と、を有し、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとの間に介装された背面ベアリング33を介し、トラニオン14の傾転軸Lに対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機において、前記背面ベアリング33を、主にスラスト力を受けるスラストニードル軸受331,331と、主にラジアル力を受けるボールスプライン332と、の組み合わせにより構成したため、低い加工精度としながら、伝達力によるパワーローラ10の傾きを防止することができる。
(2) 前記スラストニードル軸受331,331は、パワーローラ中心軸15を挟む両側位置において、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとの間の対向面間にニードルローラ331aをそれぞれ配置した構成であり、前記ボールスプライン332は、前記一対のスラストニードル軸受331,331の間のパワーローラ中心軸部に配置され、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとに形成したスプライン溝332a,332aと、該対向するスプライン溝332a,332aに介装されたボール332bと、による構成であるため、1対のスラストニードル軸受331,331に、1つのボールスプライン332を組み合わせるだけの簡単な構成としながら、伝達力によるパワーローラ10の傾きを確実に防止することができる。
(3) 前記ボールスプライン溝332a,332aは、2つの円弧状面を組み合わせたゴシックアーチとし、前記ボール332bは、前記ボールスプライン溝332a,332aに対し4ヶ所の接触点CP1,CP2,CP3,CP4を持ち、前記ボール332bの中心点Cを通り、かつ、2つの接触点CP1,CP3と接触点CP2,CP4を結ぶボールスプライン接触線は、トラニオン傾転軸Lに対して傾斜角を持つ傾斜設定としているため、ボールスプライン332にてスラスト荷重とラジアル荷重の両方を受け持つことができる。しかも、点接触によるボールスプライン332にてスラスト荷重のうち、ほんの一部の荷重を分担すれば良いだけであるため、スラスト荷重に比べ低いラジアル荷重を主に受け持つボールスプライン332の強度不足も確実に防止される。
(4) 前記スラストニードル軸受331のニードルローラ331aと、前記ボールスプライン332のボール332bとは、同一の保持器35により保持したため、別々の保持器を使用する場合に比べ、部品点数の削減と低コスト化とを達成できる。
実施例2は、背面ベアリングとして用いたスラストニードル軸受331とボールスプライン332との位置関係を実施例1とは入れ替えた例である。
すなわち、図12に示すように、前記ボールスプライン332は、パワーローラ中心軸15を挟む両側位置において、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとに形成したスプライン溝332a,332aと、該対向するスプライン溝332a,332aに介装されたボール332bと、による構成であり、前記スラストニードル軸受331は、前記一対のボールスプライン332,332の間のパワーローラ中心軸15の位置に配置され、前記トラニオン14のパワーローラ収納面24aと前記外輪31の背面31aとの間の対向面間にニードルローラ331aを配置した構成である。なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2のトロイダル型無段変速機にあっては、実施例1の(1),(3),(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記ボールスプライン332は、パワーローラ中心軸15を挟む両側位置において、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとに形成したスプライン溝332a,332aと、該対向するスプライン溝332a,332aに介装されたボール332bと、による構成であり、前記スラストニードル軸受331は、前記一対のボールスプライン332,332の間のパワーローラ中心軸部に配置され、前記トラニオン14のパワーローラ収納面24aと前記外輪31の背面31aとの間の対向面間にニードルローラ331aを配置した構成であるため、1対のボールスプライン332,332に、1つのスラストニードル軸受331を組み合わせるだけの簡単な構成としながら、伝達力によるパワーローラ10の傾きを確実に防止することができる。
実施例3は、一対の傾斜面部にスラストニードル軸受331を配置し、該一対の傾斜面部の間の位置に形成された平面部にボールスプライン332を配置した例である。
すなわち、図13に示すように、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとをそれぞれ、パワーローラ中心軸15を挟む両側位置に形成された一対の傾斜面部14a-1,31a-1と、該一対の傾斜面部14a-1,31a-1の間の位置に形成され、パワーローラ中心軸15と直交する平面部14a-2,31a-2と、を有する対向面とし、前記傾斜面部14a-1,31a-1の対向面間に、スラストニードル軸受331を配置し、前記平面部14a-2,31a-2の対向面間にボールスプライン332を配置した。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
作用を説明すると、線接触であるため荷重容量が大きいスラストニードル軸受331にラジアル荷重の一部を負担させることで、点接触であるため比較的荷重容量が小さいボールスプライン332のラジアル荷重の負担分を補うことができる。なお、他の作用は実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3のトロイダル型無段変速機にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aと前記外輪31の背面31aとをそれぞれ、パワーローラ中心軸15を挟む両側位置に形成された一対の傾斜面部14a-1,31a-1と、該一対の傾斜面部14a-1,31a-1の間の位置に形成され、パワーローラ中心軸15と直交する平面部14a-2,31a-2と、を有する対向面とし、前記傾斜面部14a-1,31a-1の対向面間に、スラストニードル軸受331を配置し、前記平面部14a-2,31a-2の対向面間にボールスプライン332を配置したため、荷重容量が大きいスラストニードル軸受331にラジアル荷重の一部を負担させることで、ボールスプライン332のラジアル荷重の負担分を補うことができる。
実施例4は、外輪31およびトラニオン14に形成したボールスプライン溝332a,332aを互いに近づけ、組み付け状態でボール332bに与圧を与える例とした。
すなわち、図14に示すように、前記ボールスプライン332は、ボールスプライン溝332a,332aとボール332bとの間に予圧を与えて組み付けている。なお、他の構成は実施例1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
作用を説明すると、トラニオン14に対し、ボール332bとニードルローラ331aと外輪31を、荷重をかけないでセットした場合、図15に示すように、ボール332bのみが接触し、ニードルローラ331aとの間には隙間がある。トロイダル型無段変速機は、ローディングカム5と直列に与圧用の皿ばね7が設けられており、組立て状態においてはパワーローラ10に荷重が働いている。その与圧荷重により図15のスプライン溝332a,332aとボール332bと接触部は弾性変形し、スラストニードル軸受332が接触する(図14)。したがって、組立て状態においてパワーローラ10の外輪31はスラスト方向及びラジアル方向が共に隙間なく支持されており、ガタつくことがない。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例4のトロイダル型無段変速機にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記ボールスプライン332は、ボールスプライン溝332a,332aとボール332bとの間に予圧を与えて組み付けたため、パワーローラ10を傾転軸方向にガタなく支持することができる。
以上、本発明のトロイダル型無段変速機を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜実施例4では、スラストニードル軸受とボールスプラインの一方を1対設け他方を1列設ける例を示したが、スラストニードル軸受とボールスプラインのそれぞれを共に1対以上の複数列設けたり、スラストニードル軸受とボールスプラインとをそれぞれ1列のみ設ける例としても良い。
実施例1〜実施例4では、車両の変速機として適用されるトロイダル型無段変速機を示したが、無段変速機能を必要とする産業機械等にも適用することができる。
実施例1のトロイダル型無段変速機の変速機構を示す概略図である。 実施例1のトロイダル型無段変速機の変速制御系を示す概略図である。 実施例1のトロイダル型無段変速機に採用されたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図である。 実施例1のトロイダル型無段変速機における背面ベアリングとしてのボールスプラインを示す拡大断面図である。 従来例のトロイダル型無段変速機に採用されたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図である。 従来例における背面ベアリングの作用点を説明する図である。 従来例におけるスラストニードル軸受の摩擦力説明図である。 従来例におけるパワーローラの傾き説明図である。 従来例におけるパワーローラの傾きによる電力伝達部の滑り説明図である。 従来例の改良案のトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図である。 従来例の改良案における欠点説明図である。 実施例2のトロイダル型無段変速機に採用されたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図である。 実施例3のトロイダル型無段変速機に採用されたトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図である。 実施例4のトロイダル型無段変速機に採用された背面ベアリングを示す拡大断面図である。 実施例4のトロイダル型無段変速機に採用された背面ベアリングで荷重をかける前のセット状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
3 第1入力ディスク
4 第2入力ディスク
8 出力ディスク
10 第1パワーローラ
11 第2パワーローラ
14 トラニオン
14a パワーローラ収納面
15 パワーローラ回転軸
L 傾転軸
30 内輪
31 外輪
31a 背面
32 玉軸受(パワーローラ軸受)
33 背面ベアリング
331 スラストニードル軸受
331a ニードルローラ
332 ボールスプライン
332a スプライン溝
332b ボール
34 ラジアル軸受
35 保持器

Claims (7)

  1. 入力ディスクと、出力ディスクと、これら入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成されたトロイド状溝に挟持される複数のパワーローラと、該パワーローラを傾転可能に支持するトラニオンと、前記入出力ディスクからパワーローラに働く押付力を発生させるローディングカムと、前記パワーローラを傾転可能に支持するトラニオンと、を備え、
    前記パワーローラは、入力ディスクの動力を出力ディスクに伝達する内輪と、トラニオンに支持された外輪と、該外輪に対して内輪を回転自在に支持するパワーローラ軸受と、を有し、前記トラニオンのパワーローラ収納面と前記外輪の背面との間に介装された背面ベアリングを介し、トラニオンの傾転軸に対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機において、
    前記背面ベアリングを、主にスラスト力を受けるスラストニードル軸受と、主にラジアル力を受けるボールスプラインと、の組み合わせにより構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機において、
    前記スラストニードル軸受は、パワーローラ中心軸を挟む両側位置において、前記トラニオンのパワーローラ収納面と前記外輪の背面との間の対向面間にニードルローラをそれぞれ配置した構成であり、
    前記ボールスプラインは、前記一対のスラストニードル軸受の間のパワーローラ中心軸部に配置され、前記トラニオンのパワーローラ収納面と前記外輪の背面とに形成したスプライン溝と、該対向するスプライン溝に介装されたボールと、による構成であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機において、
    前記ボールスプライン溝は、2つの円弧状面を組み合わせたゴシックアーチとし、
    前記ボールは、前記ボールスプライン溝に対し4ヶ所の接触点を持ち、
    前記ボールの中心点を通り、かつ、2つの接触点を結ぶボールスプライン接触線は、トラニオン傾転軸に対して傾斜角を持つ傾斜設定としたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載されたトロイダル型無段変速機において、
    前記スラストニードル軸受のニードルローラと、前記ボールスプラインのボールとを、同一の保持器により保持したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  5. 請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機において、
    前記ボールスプラインは、パワーローラ中心軸を挟む両側位置において、前記トラニオンのパワーローラ収納面と前記外輪の背面とに形成したスプライン溝と、該対向するスプライン溝に介装されたボールと、による構成であり、
    前記スラストニードル軸受は、前記一対のボールスプラインの間のパワーローラ中心軸部に配置され、前記トラニオンのパワーローラ収納面と前記外輪の背面との間の対向面間にニードルローラを配置した構成であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  6. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載されたトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンのパワーローラ収納面と前記外輪の背面とをそれぞれ、パワーローラ中心軸を挟む両側位置に形成された一対の傾斜面部と、該一対の傾斜面部の間の位置に形成され、パワーローラ中心軸と直交する平面部と、を有する対向面とし、
    前記傾斜面部の対向面間に、スラストニードル軸受を配置し、前記平面部の対向面間にボールスプラインを配置したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載されたトロイダル型無段変速機において、
    前記ボールスプラインは、ボールスプライン溝とボールとの間に予圧を与えて組み付けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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