JP5117145B2 - ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法およびシリカ粒子の製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法およびシリカ粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法およびシリカ粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、シード粒子などとして好適な比較的粒径が大きく(平均粒径2〜8μm程度)、CV値(粒度分布の変動係数)が4%未満程度の小さいポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく製造する方法、上記ポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として使用し成長させて、平均粒径が約10μmより大きく、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン粒子を効率よく製造する方法、およびこれらの方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子を焼成処理して、高い粒径精度のシリカ粒子を製造する方法に関するものである。
従来、粒径分布が単分散状のシリカ粒子(以下、単に単分散シリカ粒子ということがある)は、各種充填材やセラミックス原料などとして有用であることが知られているが、特に最近では、液晶表示装置のスペーサとしての用途が注目され、使用され始めている。
液晶表示装置のスペーサには、従来ガラスファイバーチップあるいは合成樹脂の微粒子が用いられてきた。しかしながらガラスファイバーチップはファイバー径精度には優れているものの、その長さにばらつきが大きく、余りに長いものは目視され画質を低下するおそれがあり、またその端部が鋭利であるため、基板上に成形された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいは電気素子などを傷つけてしまうおそれがある。また、合成樹脂の微粒子は粒径精度に劣り、かつ軟らかいため、液晶表示装置用スペーサとして要求される性能を満たし得ないことがある。したがって、より高度のギャップ精度を要求される場合には、粒径精度が良く、かつ球形で、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはITO導電膜等の電気素子を傷つけるおそれのないものが要求される。
これらの要求を満たすものとして、シリコンアルコキシドを加水分解・重縮合することによって得られたシリカ粒子が提案されている。このシリカ粒子に対する要求性能および製造上の課題としては、
(1)溶出成分による液晶への影響が少なく、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはITO導電膜等の電気素子などを傷つけるおそれをなくすために、純度が高く、ほとんど完全な真球にすること
(2)セルギャップの均一性を高くするために、粒径分布精度がよく、下式
CV値(%)={[粒子径の標準偏差(μm)]/[平均粒径(μm)]}×100
で得られるCV値(変動係数)を10%以下とすること
(3)セルギャップの再現性、あるいは製造歩留まりを高くするために、粒径がある程度任意に制御できること
(4)同一粒径を再現性よく製造できること
が挙げられる。
シリコンアルコキシドの加水分解・重縮合により得られるシリカ粒子はこれまで数多くの製造方法が提案されている。例えば、球状シリコーン微粒子の製造方法として、メチルトリアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物を加水分解・縮合させ、球状シリコーン微粒子を製造するにあたり、あらかじめメチルトリアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物と水とを攪拌し、均一溶液とした後、アルカリを添加することにより、球状シリコーン微粒子を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法は一段階反応であって、実施例から分かるように、生成するシリコーン微粒子の平均粒径が0.5〜5.2μm、CV値が6.5〜17%であり、大粒径で、かつ単分散のシリコーン微粒子が得られにくいという問題がある。
従来、大粒径のポリオルガノシロキサン粒子を製造する技術として、段階的に成長させる技術が知られている。しかしながら、この技術では、得られるシード粒子の粒径に上限があり、10μmを越える大粒径の製造は困難である。また、シード粒子を多段階(三段階合成)で成長させる方法では、工程数増加によるコスト増と、凝集による著しい歩留まりの低下がある。
従来の製造方法によって得られる粒径はシード粒子液の添加量によって決定されるため、大粒径を得ようとした場合、シード粒子合成液の添加量が少なくなってしまう。シード粒子合成液の添加量が少ないと、粒子成長液中の塩基性触媒量が減少し、反応時間が非常に長くなる。そのため、反応停止時期を見誤って凝集を発生させてしまい、その結果収量が非常に少なくなることがあった。
また、従来の方法では、シード粒子の粒径の再現性が悪く、したがって、このシード粒子を成長させても、目的の粒径を有する粒子の歩留まりが悪いという問題があった。
特開平4−88023号公報
本発明は、このような事情のもとで、シード粒子などとして好適な比較的粒径が大きく(平均粒径2〜8μm程度)、CV値(粒度分布の変動係数)が4%未満程度の小さいポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく製造する方法、前記ポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として使用し成長させて、平均粒径が約10μmより大きく、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン粒子を効率よく製造する方法、およびこれらの方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子を焼成処理して、高い粒径精度のシリカ粒子を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す知見を得た。
(a)非加水分解性基と加水分解性のアルコキシル基がケイ素原子に結合した特定構造のケイ素化合物を、水性媒体に溶解してケイ素化合物含有水性溶液を調製する工程、および(b)前記(a)工程で得られたケイ素化合物含有水性溶液を塩基性触媒水性溶液中に添加し、加水分解、縮合反応させる工程を有し、
(1)前記(a)工程におけるケイ素化合物含有水性溶液において、ケイ素化合物と水との割合が、従来よりも水の量が少ない特定の範囲にあり、かつ(b)工程における塩基性触媒水性溶液として、該ケイ素化合物に対して、ある値以上の量の水を含むものを用いることにより、平均粒径が2〜6μm程度で、CV値が4%未満程度のポリオルガノシロキサン粒子が再現性よく得られること、
(2)上記(a)工程におけるケイ素化合物含有水性溶液のガスクロマトグラフィー測定において、ROHとRSi(ORのピーク強度比またはピーク面積比が特定の範囲にあり、かつ(b)工程における塩基性触媒水性溶液として、該ケイ素化合物に対して、ある値以上の量の水を含むものを用いることにより、平均粒径が5〜8μm程度で、CV値が4%未満程度の大粒径ポリオルガノシロキサン粒子が再現性よく得られること、
(3)上記(1)および(2)において、(b)工程における塩基性触媒水性溶液に、さらにアニオン性および/またはノニオン性界面活性剤を含有させることにより、所望の粒径に制御されたポリオルガノシロキサン粒子が再現性よく得られること、
を見出した。
また、上記のようにして得られたポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子とし、これをさらに成長させることにより、平均粒径が約10μmよりも大きく、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン粒子が効率よく得られることを見出した。
さらに、上記ポリオルガノシロキサン粒子を特定の温度で予備焼成したのち、有機基の分解温度以上の温度で本焼成することにより、高い粒径精度のシリカ粒子が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(I)
Si(OR …(I)
(式中、Rは非加水分解性基であって、炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、3つのORはたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるケイ素化合物を水性溶液とし、塩基性触媒存在下で加水分解、縮合反応させて、ポリオルガノシロキサン粒子を製造する方法において、
前記ケイ素化合物を水性媒体に溶解して、ケイ素化合物と水とのモル比が1:0.23〜1:1.7の範囲にあるケイ素化合物含有水性溶液を調製したのち、前記ケイ素化合物に対して35倍モル以上の水と、塩基性触媒を含む塩基性触媒水性溶液中に添加し、加水分解、縮合反応させることにより、ポリオルガノシロキサン粒子を形成させることを特徴とする、ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法、
(2)ケイ素化合物含有水性溶液のガスクロマトグラフィー測定により、RSi(ORのピーク強度に対するROHのピーク強度の比が2.5〜5.0の範囲になるように、前記ピーク強度の比を調整する上記(1)項に記載の方法、
(3)ケイ素化合物含有水性溶液のガスクロマトグラフィー測定により、RSi(ORのピーク面積に対するROHのピーク面積の比が2.5〜10.0の範囲になるように、前記ピーク面積の比を調整する上記(1)項に記載の方法、
(4) 塩基性触媒水性溶液が、アニオン性および/またはノニオン性界面活性剤を含む上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の方法、
(5) 塩基性触媒がアンモニアである上記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の方法、
(6) 一般式(I)で表されるケイ素化合物が、メチルトリメトキシシランまたはビニルトリメトキシシランである上記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の方法、
(7) 上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の方法によりポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として形成する工程と、該シード粒子を成長させる工程を有することを特徴とするポリオルガノシロキサン粒子の製造方法、および
(8) 上記(1)〜(7)項のいずれか1項に記載の方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子を、その中に含まれる有機基の分解温度より150℃低い温度ないし有機基の分解温度未満の温度において予備焼成処理したのち、当該有機基の分解温度以上の温度で焼成処理することを特徴とするシリカ粒子の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、シード粒子などとして好適な比較的粒径が大きく(平均粒径2〜8μm程度)、CV値(粒径分布の変動係数)が4%未満程度の小さいポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく製造する方法、上記ポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として使用し成長させて、平均粒径が約10μmよりも大きく、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン粒子を効率よく製造する方法、およびこれらの方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子を焼成処理して、高い粒径精度のシリカ粒子を製造する方法を提供することができる。
本発明のポリオルガノシロキサン粒子の製造方法には、2つの態様、すなわち(1)一般式(I)
Si(OR …(I)
で表されるケイ素化合物を水性溶液とし、塩基性触媒存在下で加水分解、縮合反応させて、ポリオルガノシロキサン粒子を製造する方法において、
上記ケイ素化合物を水性媒体に溶解して、ケイ素化合物と水とのモル比が1:0.23〜1:1.7の範囲にあるケイ素化合物含有水性溶液を調製したのち、上記ケイ素化合物に対して35倍モル以上の水と、塩基性触媒を含む塩基性触媒水性溶液中に添加し、加水分解、縮合反応させることにより、ポリオルガノシロキサン粒子を形成させることを特徴とする、ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法(以下、POSO粒子の製造方法1と称する。)、および(2)上記(1)の方法によりポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として形成する工程と、該シード粒子を成長させる工程を有することを特徴とするポリオルガノシロキサン粒子の製造方法(以下、POSO粒子の製造方法2と称する。)がある。
本発明のポリオルガノシロキサン粒子の製造方法で、原料として用いられる上記一般式(I)で表されるケイ素化合物において、R1は炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基としては、上記置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。この置換基を有するアルキル基の例としては、γ−アクリロイルオキシプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数2〜20のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、また、このアルケニル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられる。炭素数6〜20のアリール基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、炭素数7〜10のものが好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
一方、Rは炭素数1〜6のアルキル基であって、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、3つのORは、たがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記一般式(I)で表されるケイ素化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中で、ポリオルガノシロキサン粒子として得られた後、加熱処理によってシリカ化する工程において、その粒径収縮が少ないことや有機分除去によるシリカ化の際の効率などから、有機成分の少ないものが好ましく、特にメチルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシランが好適である。
本発明においては、原料として、上記一般式(I)で表されるケイ素化合物を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[POSO粒子の製造方法1]
本発明のPOSO粒子の製造方法1においては、(a)上記一般式(I)で表されるケイ素化合物を水性媒体に溶解して、該ケイ素化合物と水とのモル比が1:0.23〜1:1.7の範囲にあるケイ素化合物含有水性溶液を調製する工程、および(b)上記(a)工程で得られたケイ素化合物含有水性溶液を、その中のケイ素化合物に対して35倍モル以上の水と、塩基性触媒を含む塩基性触媒水性溶液中に添加し、加水分解、縮合反応させることにより、ポリオルガノシロキサン粒子を形成させる工程を有する。
(a)工程で調製されたケイ素化合物含有水性溶液における水の量が、上記範囲にあり、かつ(b)工程における塩基性触媒水性溶液中の水の量が上記範囲にあれば、CV値が4.0%未満程度で、平均粒径が2〜6μm程度のポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく製造することができる。例えば、同一条件で10回製造を行った場合、CV値が4.0%未満程度の粒子を、10回の平均粒径の標準偏差0.3以下程度で得ることができる。これは、例えば、平均粒径が5μmの粒子を得る目的で、同一条件で10回製造を行った場合、目的の粒径に対して10%程度(約±0.5μm)のばらつきとなり、これまでに提案されてきたポリオルガノシロキサン粒子の製造方法に比べ、粒径分布が単分散のものを、再現性よく製造することができる。
上記ケイ素化合物含有水性溶液におけるケイ素化合物と水とのモル比は、CV値および粒径の再現性などの観点から、好ましくは1:0.5〜1:1.5、より好ましくは1:0.75〜1:1.30、さらに好ましくは1:0.75〜1:1.25であり、上記塩基性触媒水性溶液における水の量は、粒径の再現性および実用的な観点から、添加されるケイ素化合物に対して、好ましくは35〜150倍モル、より好ましくは35〜100倍モルである。
上記POSO粒子の製造方法1においては、上記ケイ素化合物含有水性溶液のガスクロマトグラフィー測定において、RSi(ORのピーク強度(ピーク高さ)に対するROHのピーク強度(ピーク高さ)の比(ROHのピーク強度(ピーク高さ)/RSi(ORのピーク強度(ピーク高さ))を2.5〜5.0の範囲に調整することが好ましく、2.5〜4.0の範囲に調整することがより好ましく、3.0〜3.5の範囲に調整することがさらに好ましい。また、上記ケイ素化合物含有水性溶液のガスクロマトグラフィー測定において、RSi(ORのピーク面積に対するROHのピーク面積の比(ROHのピーク面積/RSi(ORのピーク面積)を2.5〜10.0の範囲に調整することが好ましく、3.0〜9.5の範囲に調整することがより好ましく、3.5〜9.5の範囲に調整することがさらに好ましい。
上記ピーク強度の比を2.5〜5.0の範囲に調整したり、上記ピーク面積の比を2.5〜10.0の範囲に調整することにより、平均粒径が5〜8μm程度の大粒径ポリオルガノシロキサン粒子を形成することができる。
OHとRSi(ORのピーク強度比またはピーク面積比を、上記範囲にあるように調整する方法については特に制限はないが、例えばケイ素化合物含有水性溶液の調製において、温度を変化させる方法、該水性溶液に微量の塩基性触媒を添加する方法、あるいはその両方を施す方法などを用いることができる。
さらに、当該POSO粒子の製造方法1においては、上記(b)工程における塩基性触媒水性溶液に、アニオン性および/またはノニオン性界面活性剤を含有させることができる。該界面活性剤の含有量の増加に伴い、得られるポリオルガノシロキサン粒子の平均粒径が小さくなる傾向が見られる。したがって、該界面活性剤の含有量により、得られるポリオルガノシロキサン粒子の粒径制御が可能である。
上記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、例えばアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸アルカリ塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩などが挙げられる。これらの中で、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキル硫酸塩、アルキル基の炭素数が8〜18の脂肪酸アルカリ塩が好ましく、特にドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホネート、オレイン酸カリウムが好適である。
一方、ノニオン性界面活性剤としても、特に制限はなく、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型ノニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキシドなどの含窒素型ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
これらのアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記塩基性水性溶液におけるアニオン性及び/又はノニオン性界面活性剤の含有量としては、得られるポリオルガノシロキサン粒子の所望粒径により異なるが、アニオン性界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムを用いる場合、通常0.00004〜0.0020質量%程度、好ましくは0.0001〜0.0015質量%、より好ましくは0.0003〜0.0010質量%である。
本発明における水性媒体としては、水または水と水混和性有機溶剤との混合物を用いることができる。ここで、水混和性有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、アセトンなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で水と混合してもよいし、2種以上を組み合わせて水と混合してもよい。この水性媒体としては、水単独が好ましい。
また、塩基性触媒としては、アンモニアおよび/またはアミンを用いることができる。アミンとしては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミンなどを好ましく挙げることができる。このアンモニアやアミンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、毒性が少なく、除去が容易で、かつ安価なことから、アンモニアが好適である。
POSO粒子の製造方法1において、上記(a)工程におけるケイ素化合物含有水性溶液の調製は、例えば所定のケイ素化合物と所定量の水性媒体とを混合し、0〜50℃程度の温度で攪拌することにより、行うことができる。水性媒体に用いる水としては、イオン交換水や水道水などが挙げられるが、使用される用途上、電導度0.5×10−4S/cm以下のイオン交換水が好ましい。
一方、塩基性触媒水性溶液の調製は、例えばイオン交換水などの水を所定量含む水性媒体に、塩基性触媒、好ましくはアンモニアを、添加されるケイ素化合物に対して、通常5.0×10-3〜3.0×10-2倍モル、好ましくは1.0×10-2〜2.0×10-2倍モルになるように加えると共に、所望により、アニオン性やノニオン性界面活性剤を所定量加えることにより、行うことができる。
POSO粒子の製造方法1においては、(b)工程において、上記のようにして調製された塩基性触媒水性溶液中に、ケイ素化合物含有水性溶液を添加し、0〜50℃程度、好ましくは20〜30℃の温度にて、5〜40分間程度、好ましくは15〜25分間加水分解、縮合反応させることにより、平均粒径が2〜8μm程度で、CV値が4%未満程度のポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく形成させることができる。
[POSO粒子の製造方法2]
本発明のPOSO粒子の製造方法2においては、上述したPOSO粒子の製造方法1によりポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として形成する工程と、該シード粒子を成長させる工程を有する。
上記シード粒子の形成工程としては、POSO粒子の製造方法1を、そのまま適用することができ、形成されたポリオルガノシロキサン粒子含有液をシード粒子液とすればよい。
一方、シード粒子を成長させる工程においては、粒子成長用液の調製および粒子径の成長の操作が行われる。
上記工程における粒子径の成長操作は、一段階で行ってもよいし、必要に応じ、さらに粒径制御操作を施してもよい。
〈粒子成長用液の調製〉
この粒子成長用液の調製は、上記水性媒体中に所定のケイ素化合物を添加し、通常0〜50℃程度の温度で攪拌して実質上均一な水性溶液とすることにより、行われる。この際、ケイ素化合物の濃度は、20質量%以下が好ましく、特に5〜15質量%の範囲が、成長粒子の粒径および容積効率などの点から好適である。また、この粒子成長用液においては、ケイ素化合物の種類、その濃度及び水性媒体の種類などは、上記ケイ素化合物含有水性溶液のそれらと同一であってもよいし、異なっていてもよいが、作業性や得られる粒子の性状などの点から、同一であるものが好ましい。
さらに、上記粒子成長用液には、成長粒子の凝集などを防止する目的で、必要に応じ、アニオン性界面活性剤を添加することができる。このアニオン性界面活性剤としては、HLB値(親水性と親油性のバランスを表す指標)が15〜42の範囲にあるものが好ましく、さらに高級アルコール硫酸エステル塩(長鎖アルキル硫酸塩)が好ましく、特にドデシル硫酸ナトリウムが好適である。
なお、粒子径の成長操作に次いで、粒径制御操作を行う場合には、粒子成長用液と粒径制御用液は同一のものを用いてもよいし、別のものを用いてもよい。
〈粒子径の成長〉
上記の粒子成長用液を攪拌しながら、これに、上記シード粒子液を加え、粒子径を成長させる。この際の反応温度は、原料のケイ素化合物の種類などに左右されるが、一般的には0〜50℃の範囲で選ばれる。この粒子径の成長は、一般に3時間以内で十分である。
本発明においては、このようにして粒子を成長させたのち、必要に応じ、さらに粒径制御操作を施すことができる。この場合、上記粒子成長液を攪拌しながら、これに粒径制御用液(所定のケイ素化合物を含む水性溶液)を添加し、さらに粒径を成長させ、目的の粒子径を有するポリオルガノシロキサン粒子を得ることができる。
本発明においては、粒子径の成長の終了は、例えば光学顕微鏡ビデオミクロメーターで、連続的あるいは一定時間おきに粒子径を測定し、該粒子径の変化が実質上なくなった時点で、粒子径の成長が終了したと判断することができる。
このようにして、粒子成長工程終了後、粒子成長液に、塩基性触媒を添加して熟成を行う。この熟成は、原料のケイ素化合物の種類にもよるが、通常の0〜50℃の範囲の温度において、6〜24時間程度行われる。
この熟成操作終了後、常法に従い生成した粒子を十分に洗浄したのち、必要に応じ、その中に含まれる比率の高い粒径の粒子を分級して取り出し、乾燥処理を行う。分級処理方法としては特に制限はないが、粒径により沈降速度が異なるのを利用して分級を行う湿式分級法が好ましい。なお、ポリオルガノシロキサン粒子を最終的にシリカ粒子化する場合、上記の湿式分級は水を用いることが可能となるシリカ粒子化後に行うことが、コストや環境の面から好ましい。乾燥処理は、通常100〜200℃の範囲の温度で行われる。本発明においては、この乾燥処理において、粒子の凝集が実質上生じることはない。
このような本発明の方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子は、平均粒子径が、約10μmより大きく、粒度分布の変動係数(CV値)が、4%未満程度、好ましくは2.5%以下であって、真球状の単分散粒子である。
次に、本発明のシリカ粒子の製造方法について説明する。
[シリカ粒子の製造方法]
この方法は、ポリオルガノシロキサン粒子を焼成処理して、その中に含まれる有機基を分解し、シリカ粒子を製造する方法であって、上記ポリオルガノシロキサン粒子として、前述の製造方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子を用いる。
この方法においては、前述の方法(POSO粒子の製造方法1および製造方法2)で得られたポリオルガノシロキサン粒子を、その中に含まれる有機基の分解温度より150℃低い温度ないし有機基の分解温度未満の温度において予備焼成処理したのち、当該有機基の分解温度以上の温度で焼成処理してシリカ粒子を製造する。
該ポリオルガノシロキサン粒子に含まれる有機基の分解温度以上の温度に直ちに昇温して焼成すると、当該有機基の分解、脱離が急激に起こり、粒子の破壊強度が低下したり、場合によっては急激な収縮に耐えきれず、粒子が割れるなど、好ましくない事態を招来することがある。しかし、本発明のように、当該有機基の分解温度より150℃低い温度ないし有機基の分解温度未満の温度で予備焼成処理を行ってから、当該有機基の分解温度以上の温度で焼成処理することにより、上記の好ましくない事態を回避することができる。焼成温度の選定は、ポリオルガノシロキサン粒子を構成する有機基の種類に依存しており、熱分解しやすい有機基を有する場合、比較的低い温度で処理するのが望ましく、反対に熱分解しにくい有機基を有する場合には高温で処理するのが好ましい。いずれにしても、必要となる破壊強度や弾性率に応じて最適な条件を選定すればよい。具体的には、ポリメチルシルセスキオキサン(PMSO)粒子の場合、250〜350℃の範囲の温度において3〜50時間程度保持して予備焼成処理を行ったのち、500〜1000℃の範囲の温度において3〜50時間程度保持して焼成処理し、有機基を完全に分解する。
上記焼成処理における雰囲気としては、有機基を酸化分解してシリカ化するために、酸素濃度が一定以上、例えば10容量%以上であることが好ましい。また、焼成装置については特に制限はなく、電気炉やロータリーキルンなど公知の焼成装置を用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、ガスクロマトグラフィー測定および粒径測定は、以下の条件で行ったものである。
<ガスクロマトグラフィー測定>
装置 :島津製作所社製「GC−14B」
ソフトウェア:GC solution バージョン2.3
カラム :GL Sciences社製キャピラリーカラム「Inert Cap WAX」
フローコントローラー:水素70kPa、空気50kPa、キャリア50kPa、プライマリ400kPa
カラム流量 :1.4ml/min
スプリット流量:150ml/min
パージ流量 :6.7ml/min
INJECTION温度:85℃、FID温度:150℃、カラム温度:50℃
<粒径測定>
装置 :べックマン・コールター社製「マルチサイザーIII」
アパチャーチューブ径:50μm
実施例1
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
メチルトリメトキシシラン(以下、MTMSと略記):500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、40℃にて平羽根で攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
また、該水性溶液について、ガスクロマトグラフィー測定を行った結果、メタノールとMTMSのピーク強度比(MeOHのピーク強度(ピーク高さ)/MTMSのピーク強度(ピーク高さ))は3.04であった。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと、1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:6.473μm(CV値:2.15%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
実施例2
実施例1における(1)および(2)の操作を7回繰り返し行い、得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定した。結果を表1に示す。表1の平均粒径の標準偏差は0.29であった。
Figure 0005117145
実施例3
(1)粒子成長溶液の調製
イオン交換水:26,400gにMTMS:2,640gを添加して、30℃にて100rpmで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。ここにドデシル硫酸ナトリウム:13.2gを添加し、これを粒子成長溶液とした。
(2)粒子成長、反応停止
上記(1)で調製された粒子成長溶液全量を30℃で80rpmにて攪拌しながら、これに実施例1(2)で得られた25℃の粒子形成液を全量添加し、30℃で80rpmにて攪拌した。添加35分後、攪拌回転数を30rpmとした。
粒子形成液の添加から、120分後に2.5モル/Lアンモニア水溶液:2,306gを一気に添加して、一晩30℃にて攪拌した。
このようにして得られた粒子の粒径をコールターカウンターにより測定したところ、平均粒径:14.42μm(CV値:1.51%)であった。
実施例4
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:26.5gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,973.5gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:5.537μm(CV値:2.23%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
実施例5
実施例4における(1)および(2)の操作を9回繰り返し行い、得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定した。結果を表2に示す。表2の平均粒径の標準偏差は0.10であった。
Figure 0005117145
実施例6
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:6.6gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:0.25である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,993.4gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:2.332μm(CV値:3.16%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して76倍モルであった。
実施例7
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:39.7gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.5である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,960.3gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加15分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:2.100μm(CV値:3.79%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
実施例8
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、30℃にて平羽根で攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
また、該水性溶液について、ガスクロマトグラフィー測定を行った結果、メタノールとMTMSのピーク強度比(MeOHのピーク強度(ピーク高さ)/MTMSのピーク強度(ピーク高さ))は2.08であった。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと、1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:4.707μm(CV値:1.90%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
実施例9
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、50℃にて平羽根で攪拌した。約5時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
また、該水性溶液について、ガスクロマトグラフィー測定を行った結果、メタノールとMTMSのピーク強度比(MeOHのピーク強度(ピーク高さ)/MTMSのピーク強度(ピーク高さ))は5.54であった。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと、1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:5.069μm(CV値:2.41%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
実施例10
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、30℃にて回転数200rpmで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して25℃にて80rpmで攪拌し、これに1質量%に調整したドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDS略記)水溶液:5.0mLを添加し、塩基性触媒水性溶液を調製した。次いで、これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:3.275μm(CV値:2.69%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであり、また、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は9.0×10-4質量%である。
実施例11
(1)粒子成長溶液の調製
イオン交換水:33,000gにMTMS:3,300を添加して、30℃にて100rpmで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となり、これを粒子成長溶液とした。
(2)粒子成長、反応停止
上記(1)で調製された粒子成長溶液全量を30℃で20rpmにて攪拌しながら、これに実施例10(2)で得られた25℃の粒子形成液を3,010g添加し、30℃で80rpmにて攪拌した。添加76分後に、25質量%アンモニア水溶液:500gを50g/minで滴下し、30℃にて一晩攪拌した。
このようにして得られた粒子の粒径をコールターカウンターにより測定したところ、平均粒径:9.351μm(CV値:1.37%)であった。
実施例12
実施例10における(1)および(2)の操作を7回繰り返し行い、得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定した。結果を表3に示す。表3の平均粒径の標準偏差は0.20であった。
Figure 0005117145
実施例13
実施例10(2)において、1質量%SDS水溶液を0.2mLに変更した以外は、実施例10と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:5.739μm(CV値:2.14%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は3.6×10-5質量%である。
実施例14
実施例10(2)において、1質量%SDS水溶液を0.4mLに変更した以外は、実施例10と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:4.929μm(CV値:1.83%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は7.2×10-5質量%である。
実施例15
実施例10(2)において、1質量%SDS水溶液を0.5mLに変更した以外は、実施例10と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:4.714μm(CV値:1.81%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は9.0×10-5質量%である。
実施例16
実施例10(2)において、1質量%SDS水溶液を2.5mLに変更した以外は、実施例10と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:3.562μm(CV値:1.97%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は4.5×10-4質量%である。
実施例17
実施例10(2)において、1質量%SDS水溶液を7.5mLに変更した以外は、実施例10と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:3.103μm(CV値:1.80%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は1.4×10-3質量%である。
実施例18
実施例10(2)において、1質量%SDS水溶液を10.0mLに変更した以外は、実施例10と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:2.953μm(CV値:1.98%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は1.8×10-3質量%である。
実施例19
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:26.5gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,973.5gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、これに1質量%SDS水溶液:1.0mLを添加し、塩基性触媒水性溶液を調製した。次いで、これに上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:3.548μm(CV値:2.64%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであり、また、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は4.5×10-4質量%である。
実施例20
実施例19(2)において、1質量%SDS水溶液を2.0mLに変更した以外は、実施例19と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:3.061μm(CV値:1.99%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は9.0×10-4質量%である。
実施例21
実施例19(2)において、1質量%SDS水溶液を0.1mLに変更した以外は、実施例19と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:5.014μm(CV値:1.99%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のSDSの含有量は4.5×10-5質量%である。
実施例22
実施例19(2)において、1質量%SDS水溶液:1.0mLの代わりに、1質量%に調整したノニオン性界面活性剤「ノイゲンEA−137」[第一工業製薬社製]水溶液:0.4mLに変更した以外は、実施例19と同様にして実施した。得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒径:3.997μm(CV値:2.15%)であった。
なお、塩基性触媒水性溶液中のノイゲンEA−137の含有量は1.8×10-4質量%である。
実施例23
(1)アルコキシシラン水性溶液の調
MTMS:500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、25℃にて平羽根で撹拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
また、上記水性溶液について、ガスクロマトグラフィー測定を行った結果、メタノールとMTMSのピーク面積比(MeOHのピーク面積/MTMSのピーク面積)は3.56であった。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して、回転数:80rpmにて撹拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調整した。これに、上記(1)で調整したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:6.111μm(CV値:2.01%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
実施例24
(1)アルコキシシラン水性溶液の調
MTMS:500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、35℃にて平羽根で撹拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
また、該水性溶液について、ガスクロマトグラフィー測定を行った結果、メタノールとMTMSのピーク面積比(MeOHのピーク面積/MTMSのピーク面積)は9.03であった。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して、回転数:80rpmにて撹拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調整した。これに、上記(1)で調整したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:5.283μm(CV値:2.33%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
比較例1
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:5.3gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:0.2である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,994.7gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:3.727μm、CV値:4.31%であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して76倍モルであった。
比較例2
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:52.9gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:2.0である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,947.1gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:1.360μm、CV値:17.40%であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して74倍モルであった。
比較例3
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:2.7gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:0.1である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,997.4gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:2.514μm、CV値:4.00%であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して76倍モルであった。
比較例4
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:105.9gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:4.0である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:1,894.1gと、1モル/Lアンモニア水溶液:20mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに、上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:1.323μm、CV値:10.90%であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して72倍モルであった。
比較例5
(1)アルコキシシラン水性溶液の調製
MTMS:200gに、イオン交換水:26.5gを添加して、25℃にてスターラーで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1である。
(2)粒子の形成
イオン交換水:473.5gと、1モル/Lアンモニア水溶液:5mLを混合して、回転数80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調製した。これに上記(1)で調製したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:1.195μm、CV値:16.20%であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して18倍モルであった。
比較例6
(1)粒子合成液の調製
イオン交換水:5,000gに、MTMS:500gを添加して、25℃にて100rpmで攪拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
(2)粒子の形成
上記(1)で調製した粒子合成液に、攪拌速度を30rpmに下げて、1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを一気に添加し、25℃で反応させた。添加40分後の反応液:1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:3.045μm、CV値:2.03%であった。
比較例7
比較例6における(1)および(2)の操作を9回繰り返し行い、得られた粒子の粒径をコールターカウンターで測定した。結果を表4に示す。表4の平均粒径の標準偏差は0.63であった。
Figure 0005117145
比較例8
(1)アルコキシシラン水性溶液の調
MTMS:500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、20℃にて平羽根で攪拌した。約1時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
また、上記水性溶液について、ガスクロマトグラフィー測定を行った結果、メタノールとMTMSのピーク面積比(MeOH/MTMS)は2.35であった。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して、回転数:80rpmにて攪拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調整した。これに、上記(1)で調整したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:3.010μm(CV値:2.51%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
比較例9
(1)アルコキシシラン水性溶液の調
MTMS:500gに、イオン交換水:66.2gを添加して、40℃にて平羽根で撹拌した。約3時間後、MTMSは完全に溶解して均一溶液となった。
この水性溶液における、MTMS:水のモル比は1:1.0である。
また、該水性溶液について、ガスクロマトグラフィー測定を行った結果、メタノールとMTMSのピーク面積比(MeOH/MTMS)は14.58であった。
(2)粒子の形成
イオン交換水:4,934gと1モル/Lアンモニア水溶液:50mLを混合して、回転数:80rpmにて撹拌し、25℃の塩基性触媒水性溶液を調整した。これに、上記(1)で調整したアルコキシシラン水性溶液を一気に添加し、25℃にて反応を行った。添加20分後の反応液1.0mLを1モル/Lアンモニア水溶液:0.5mLに添加して、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:3.854μm(CV値:2.58%)であった。
上記塩基性触媒水性溶液中の水の量は、添加されるアルコキシシランに対して75倍モルであった。
実施例1〜2、4〜10、12〜24と、比較例1〜7とを対比することにより、本発明においては、ケイ素化合物と水とのモル比が1:0.23〜1:1.7の範囲にあるケイ素化合物含有水性溶液を用い、かつ、ケイ素化合物に対して35倍モル以上の水を添加して加水分解、縮合しているため、平均粒径が2〜6μm程度で、CV値が4%未満のポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく得られることが分かる。
また、実施例1〜2および実施例8〜9より、ケイ素化合物含有水性溶液において、ケイ素化合物であるRSi(ORのガスクロマトグラフピーク強度に対するROHのガスクロマトグラフピーク強度の比を2.5〜5.0の範囲に調整することにより、平均粒径が5〜8μm程度と大きく、CV値が4%未満のポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく得られることが分かり、実施例23〜24と、比較例8〜9とを対比することにより、ケイ素化合物含有水性溶液において、ケイ素化合物であるRSi(ORのガスクロマトグラフピーク面積に対するROHのガスクロマトグラフピーク面積の比を2.5〜10.0の範囲に調整することによっても、平均粒径が5〜8μm程度と大きく、CV値が4%未満のポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく得られることが分かる。
さらに、実施例3および11より、本発明においては、特定方法で作製したポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として用いているため、平均粒径が10μmより大きく、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン粒子を効率よく製造し得ることが分かる。
実施例25
実施例3で得られたポリオルガノシロキサン粒子(ポリメチルシルセスキオキサン粒子、平均粒径:14.42μm、CV値:1.51%)について、下記のようにしてシリカ化処理を行った。
空気流量1L/minの条件で、室温から340℃まで2.5℃/minで昇温し、その温度で18時間保持して予備焼成した後、530℃まで2.5℃/minで昇温し、その温度で13時間保持して本焼成を行った。本焼成後、室温まで冷却して焼成粒子を取り出し、コールターカウンターで粒径を測定したところ、平均粒径:11.61μm(CV値:1.54%)であった。
実施例25より、本発明においては、特定方法で作製したポリオルガノシロキサン粒子を用いていることから、粒径精度の高いシリカ粒子を製造し得ることが分かる。
本発明のポリオルガノシロキサン粒子の製造方法によれば、シード粒子などとして好適な比較的粒径が大きく(平均粒径2〜8μm程度)、CV値(粒度分布の変動係数)が4%未満程度の小さいポリオルガノシロキサン粒子を再現性よく製造することができ、また、上記ポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として使用し成長させることにより、平均粒径が約10μmより大きく、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン粒子を効率よく製造することができる。
本発明の方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子は、特に液晶表示装置のスペーサとして好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Si(OR …(I)
    (式中、Rは非加水分解性基であって、炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、3つのORはたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
    で表されるケイ素化合物を水性溶液とし、塩基性触媒存在下で加水分解、縮合反応させて、ポリオルガノシロキサン粒子を製造する方法において、
    前記ケイ素化合物を水性媒体に溶解して、ケイ素化合物と水とのモル比が1:0.23〜1:1.7の範囲にあるケイ素化合物含有水性溶液を調製したのち、前記ケイ素化合物に対して35倍モル以上の水と、塩基性触媒を含む塩基性触媒水性溶液中に添加し、加水分解、縮合反応させることにより、ポリオルガノシロキサン粒子を形成させること、および
    ケイ素化合物含有水性溶液のガスクロマトグラフィー測定により、R Si(OR のピーク面積に対するR OHのピーク面積の比が2.5〜10.0の範囲になるように、前記ピーク面積の比を調整することを特徴とする、ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法。
  2. ケイ素化合物含有水性溶液のガスクロマトグラフィー測定により、RSi(ORのピーク強度に対するROHのピーク強度の比が2.5〜5.0の範囲になるように、前記ピーク強度の比を調整する請求項1に記載の方法。
  3. 塩基性触媒水性溶液が、アニオン性および/またはノニオン性界面活性剤を含む請求項1または2に記載の方法。
  4. 塩基性触媒がアンモニアである請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 一般式(I)で表されるケイ素化合物が、メチルトリメトキシシランまたはビニルトリメトキシシランである請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法によりポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子として形成する工程と、該シード粒子を成長させる工程を有することを特徴とするポリオルガノシロキサン粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子を、その中に含まれる有機基の分解温度より150℃低い温度ないし有機基の分解温度未満の温度において予備焼成処理したのち、当該有機基の分解温度以上の温度で焼成処理することを特徴とする、シリカ粒子の製造方法。
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