JP4397981B2 - ポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法の改良に関し、さらに詳しくは、液晶表示装置用スペーサや標準粒子などとして好適な粒径(4〜10μm程度)で、かつ粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン微粒子を、所望の粒径のものが得られるように効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粒径分布が単分散状のシリカ粒子(以下、単に単分散シリカ粒子ということがある)は、各種充填材やセラミックス原料などとして有用であることが知られているが、特に最近では、液晶表示装置のスペーサとしての用途が注目され、使用され始めている。
【0003】
液晶表示装置のスペーサには、従来ガラスファイバーチップあるいは合成樹脂の微粒子が用いられてきた。しかしながらガラスファイバーチップはファイバー径精度には優れているものの、その長さにばらつきが大きく、余りに長いものは目視され画質を低下するおそれがあり、またその端部が鋭利であるため、基板上に成形された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいは電気素子などを傷つけてしまうおそれがある。また、合成樹脂の微粒子は粒径精度が劣るため、液晶表示装置用スペーサとして要求される性能を満たし得ないことがある。したがって、より高度のギャップ精度を要求される場合には、粒径精度が良く、かつ球形で、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはITO導電膜等の電気素子を傷つけるおそれのないものが要求される。
【0004】
これらの要求を満たすものとして、シリコンアルコキシドを加水分解・重縮合することによって得られたシリカ粒子が提案されている。このシリカ粒子は、
(1)純度が高く、溶出成分による液晶への影響が少ない
(2)粒径精度が良く、下式
CV(%)=[微粒子径の標準偏差(μm)]
/[平均粒子径(μm)]×100
で得られるCV値(変動係数)を10%以下とすることができる
(3)ほとんど完全な真球にすることができるため、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはITO導電膜等の電気素子などを傷つけるおそれがない
などの利点を有している。
【0005】
シリコンアルコキシドの加水分解・重縮合により得られたシリカ粒子は上記のような利点を有するため、これまで数多くの製造方法が提案されている。
例えば、球状ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法として、メチルトリアルコキシシランやその部分加水分解縮合物と、アンモニアやアミンを含む水溶液または水と有機溶剤との混合溶剤溶液とを、実質上混合することなく、2層状態を保持しながら反応させる方法が提案されている(特公平4−70335号公報)。
【0006】
しかしながら、この方法においては、生成するポリメチルシルセスキオキサン粒子の粒径は、仕込み時の下層中のアンモニアやアミンの濃度によって制御されるが、核粒子の生成が不確定なため、発生粒子核数にバラツキが生じやすく、同一反応条件で反応を行っても、最終的に得られる粒子の径が目的とする粒径にならないという問題がある。例えば、平均粒径が5μmの粒子を得る目的で、同一条件で10回製造を行った場合、目的の粒径に対して40%程度(約±2.0μm)のバラツキが生じる。
このように、所望の粒径が得られないと、厳密にその粒径精度が要求される液晶表示装置用スペーサなどには使用しにくいという問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明者らは、粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン微粒子を、所望の粒径のものが得られるように、効率よく製造する方法について研究を重ね、先に、ノニオン性界面活性剤の存在下に、非加水分解性基をもつアルコキシシランを加水分解・縮合させる方法を見出し、特許を出願した(特願平9−234859号)。
【0008】
この方法によれば、ポリオルガノシロキサン微粒子の製造を繰り返し行った場合、目的の粒径に対するバラツキが10%以下であって、前記の特公平4−70335号公報記載の方法に比べて、粒径制御の精度が大幅に向上しており、好ましい方法である。ところで、最近においては、液晶表示装置用スペーサー用途として好適な粒径(4〜10μm程度)のポリオルガノシロキサン微粒子を粒径精度良く得ることが求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、特に液晶表示装置用スペーサとして好適な粒径(4〜10μm程度)を有し、かつ粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン微粒子を、所望の粒径のものが得られるように、効率よく製造する方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、非加水分解性基と加水分解性のアルコキシル基がケイ素原子に結合したケイ素化合物を、アンモニアやアミンの水性溶液中で加水分解・縮合させる際に、加水分解反応を特定の初期pHにて、かつpHの低下度がある値になるまで行いシード粒子を生成させたのち、これを希釈し、次いでこの希釈液に上記ケイ素化合物を添加してシード粒子の成長を行う操作を1回以上行うことにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、一般式(I)
R1nSi(OR2)4-n ・・・(I)
(式中、R1は非加水分解性基であって、炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるケイ素化合物を加水分解、縮合させ、ポリオルガノシロキサン微粒子を製造するに当たり、
(A)反応開始時の反応液のpHを9.7〜11.7に調整し、該pHが0.7〜1.5低下するように、ケイ素化合物量を設定して加えて加水分解反応を行い、反応終了時のpHが8.2〜11.0の範囲でシード粒子を生成させたのち、この反応液を希釈してシード粒子液となすシード粒子液調製工程、及び
(B)この(A)工程で得られたシード粒子液に、上記一般式(I)で表されるケイ素化合物を添加してシード粒子を成長させる操作を1回以上行うシード粒子成長工程、
を施すことを特徴とするポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法を提供するものである。
【0012】
また、本発明を実施するための好ましい態様は、上記製造方法において、成長後の最終粒子径R(μm)を、関係式(II)
R=r[K(M/m)+1]1/3 ・・・(II)
[ただし、rはシード粒子径(μm)、Kはシード粒子の希釈倍率、M及びmは、それぞれ(B)工程及び(A)工程で使用されるケイ素化合物の濃度(重量%)である。]
に従って制御することである。
【0013】
特に好ましい態様は、(A)工程において、シード粒子を生成させる際に、HLB値が好ましくは8〜20のノニオン性界面活性剤を添加し、かつ成長後の最終粒子径R(μm)を、関係式(III)
R=C[{K(M/m)+1}/x]1/3 ・・・(III)
[ただし、xはシード粒子生成時のノニオン性界面活性剤濃度(重量%)、Cはシード粒子生成時の反応条件によって決定される定数であり、K、Mおよびmは関係式(II)で定義したとおりである。]
に従って制御することである。
【0014】
また本発明を実施するための、他の好ましい態様は、加水分解、縮合後に得られた粒子について焼成処理を行うことである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の方法においては、原料として、一般式(I)
R1nSi(OR2)4-n ・・・(I)
で表されるケイ素化合物が用いられる。
【0016】
上記一般式(I)において、R1は炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基としては、上記置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。この置換基を有するアルキル基の例としては、γ−アクリロイルオキシプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数2〜20のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、また、このアルケニル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられる。炭素数6〜20のアリール基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、炭素数7〜10のものが好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0017】
一方、R2は炭素数1〜6のアルキル基であって、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。nは1〜3の整数であり、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、またOR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0018】
前記一般式(I)で表されるケイ素化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。これらの中で、特にメチルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシランが好適である。
本発明においては、原料として、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
本発明の方法は、(A)シード粒子液調製工程と(B)シード粒子成長工程から構成されている。
【0020】
(A)シード粒子液調製工程
この(A)工程においては、反応開始時の反応液のpHを9.7〜11.7に調整し、pHが0.7〜1.5低下するように、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物量を設定して加水分解反応を行い、反応終了後のpHが8.2〜11.0の範囲でシード粒子を生成させる。これにより、生成したシード粒子の縮合度が、自動的に所望の好ましい範囲となる。次工程[(B)工程]におけるシード粒子の成長反応は、シード粒子が原料の加水分解縮合物の吸収を伴って進行するため、シード粒子の縮合度が高すぎると原料の加水分解縮合物の吸収が起こりにくくなり、この加水分解縮合物の反応系内への析出が起き、シード粒子以外の粒子発生の原因となる。さらに、縮合度が高まると、粒子表面の疎水化が進み、粒子の分散不良の原因となる。また、縮合度が低すぎる場合は、シード粒子の成長中に、粒子同士の合一化が起こり、粒度分布が悪くなる。次に、このようにしてシード粒子を生成させたのち、この反応液を、希釈倍率が2〜200倍程度になるように水性媒体で希釈して、シード粒子液を調製する。この時、新たに触媒成分を加えないで希釈した方が次に示す成長反応において新たな核粒子を発生させない上で好ましい。なお、上記pHは、いずれも30℃における値である。
【0021】
この工程において、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物を加水分解して、シード粒子を生成させるには、通常アンモニアおよび/またはアミン水性溶液の存在下に、該ケイ素化合物を加水分解、縮合させる方法が用いられる。この際用いられるアンモニアやアミンは、該ケイ素化合物の加水分解・縮合反応の触媒である。ここで、アミンとしては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミンなどを好ましく挙げることができる。このアンモニアやアミンは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、毒性が少なく、除去が容易で、かつ安価なことから、アンモニアが好適である。
【0022】
また、アンモニアおよび/またはアミン水性溶液としては、水または水と水混和性有機溶剤との混合溶剤にアンモニアおよび/またはアミンを溶解した溶液が挙げられる。ここで、水混和性有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、アセトンなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で水と混合してもよいし、2種以上を組み合わせて水と混合してもよい。
【0023】
本発明においては、このアンモニアやアミンの使用量は、反応開始時の水層のpH(初期pH)が9.7〜11.7、好ましくは9.7〜11.2の範囲になるように選定される。初期pHが上記範囲を逸脱すると本発明の目的が充分に達せられない。
この(A)工程における反応形式としては特に制限はなく、混合均一系反応および2層系反応のいずれも用いることができるが、CV値の小さい粒径精度の優れた粒子を得る上においては、2層系の方が有利である。
【0024】
上記混合均一系反応においては、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物と、アンモニアおよび/またはアミン含有水性溶液とを混合し、撹拌しながら、混合均一系にて、初期pH9.7〜11.7、好ましくは9.7〜11.2で、かつPHが0.7〜1.5低下するまで加水分解反応させ、反応終了時のpHが8.2〜11.0の範囲でシード粒子を生成させる。この際の反応温度は、原料のケイ素化合物の種類などに左右されるが、一般的には0〜50℃の範囲で選ばれる。
【0025】
一方、2層系反応においては、原料のケイ素化合物として、前記一般式(I)で表される単独物もしくは混合物の比重(23℃)が1以下であるものが用いられる。
まず、このケイ素化合物を、アンモニアおよび/またはアミン含有水性溶液と実質上混合させることなく、2層状態を保持しながら、初期pH9.7〜11.7、好ましくは9.7〜11.2で、かつpHが0.7〜1.5低下するまで界面で加水分解反応させる。
【0026】
この反応においては、ケイ素化合物とアンモニアやアミン溶液層とが、実質上混合することなく、2層状態を保持するように穏やかに撹拌することが必要である。これにより、上層のケイ素化合物が加水分解され、反応終了時のpHが8.2〜11.0の範囲でシード粒子が生成する。この際の反応温度は、原料のケイ素化合物の種類などに左右されるが、一般的には0〜50℃の範囲で選ばれる。
【0027】
このようにして、混合均一系または2層系の反応により、シード粒子を生成させたのち、反応液を希釈倍率が、好ましくは2〜200倍、より好ましくは5〜100倍になるように水性媒体で希釈して、シード粒子液を調製する。この際、希釈に使用する水性媒体としては、水または水と水混和性有機溶剤との混合溶剤が用いられるが、前記加水分解反応において、反応媒体として用いたものと同じものを用いるのが好ましい。
【0028】
本発明においては、この(A)工程において、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物を加水分解、縮合させて、シード粒子を生成させる際に、ノニオン性界面活性剤を含有するアンモニアおよび/またはアミン水性溶液の存在下に、加水分解、縮合させるのが好ましい。
【0029】
このようにノニオン性界面活性剤を含有させることにより、シード粒子の粒径r(μm)を、関係式(IV)
r=C・x-1/3 ・・・(IV)
によって制御することが可能となる。ここでxは該水性溶液中のノニオン性界面活性剤の濃度(重量%)である。また、Cは定数であって、用いるノニオン性界面活性剤の種類(例えば、HLB値など)および反応条件(例えば、該水性溶液中のアンモニアおよび/またはアミンの濃度やpHなど)によって決定される。
【0030】
このCは、予備実験により、予め求めておき、実際のシード粒子の製造において、前記関係式(IV)に基づき、所望のシード粒子の粒径とC値から、xの値(水性溶液中のノニオン性界面活性剤濃度)を決定すればよい。このxとしては、ノニオン性界面活性剤の種類にもよるが、一般的には10-5〜5×10-2重量%の範囲で選ばれる。この界面活性剤濃度が上記範囲を逸脱すると本発明の効果が充分に発揮されないおそれがある。
【0031】
本発明においては、該ノニオン性界面活性剤として、HLB値が8〜20の範囲にあるものが好ましく用いられる。このHLBは、親水性と親油性のバランスを表す指標であり、その値が小さいほど、親油性が高い。HLB値が上記範囲を逸脱するものでは、本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。本発明の効果をよりよく発揮させるには、HLB値が10〜17の範囲にあるものが特に好ましい。
【0032】
該ノニオン性界面活性剤としては、HLB値が上記の範囲にあるものであればよく、特に制限されず、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型ノニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキシドなどの含窒素型ノニオン性界面活性剤などが挙げられるが、これらの中でエーテル型が好ましく、特にポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好適である。これらのノニオン性界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
(B)シード粒子成長工程
この(B)工程は、上記(A)工程で得られたシード粒子液に、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物を添加して、シード粒子を成長させる操作を1回以上行う工程である。
この工程における反応形式としては特に制限はなく、前記(A)工程と同様に混合均一系反応および2層系反応のいずれも用いることができる。
混合均一系反応においては、上記(A)工程で得られたシード粒子液に、一般式(I)で表されるケイ素化合物を添加し、撹拌しながら、混合均一系で反応させ、シード粒子を成長させる。この際の反応温度は、原料のケイ素化合物の種類などに左右されるが、一般的には0〜50℃の範囲で選ばれる。反応の停止は、反応系にアンモニアおよび/またはアミンを添加することにより行うことができる。
【0034】
このアンモニアやアミンの適正な添加時期は、原料の種類、反応温度、pHなどによって左右されるので、予め予備実験において、原料の種類、反応温度、pHなどと適正な添加時期との関係を調べておき、これを利用して、適正な時期にアンモニアやアミンを添加するのが望ましい。
一方、2層系反応においては、原料のケイ素化合物として、(A)工程の2層系反応と同様に、前記一般式(I)で表される単独物もしくは混合物の比重(23℃)が1以下であるものが用いられる。
【0035】
この2層系反応では、ケイ素化合物とシード粒子液とが、実質上混合することなく、2層状態を保持するように穏やかに撹拌することが必要である。これにより、上層のケイ素化合物が加水分解されて下層に移行し、そこでシード粒子が成長する。この際の反応温度は、原料のケイ素化合物の種類などに左右されるが、一般的には0〜50℃の範囲で選ばれる。
この2層系反応においては、上層が消失したのち、反応系にアンモニアおよび/またはアミンを添加し、反応を停止させるのが有利である。
【0036】
このような本発明の方法における2層系反応においては、成長後の最終的に得られるポリオルガノシロキサン粒子の粒子径R(μm)を、関係式(II)
R=r[K(M/m)+1]1/3 ・・・(II)
[ただし、rはシード粒子径(μm)、Kはシード粒子の希釈倍率、M及びmは、それぞれ(B)工程及び(A)工程で使用されるケイ素化合物の濃度(重量%)である。]
に従って制御することができるので、所望の粒径を有するポリオルガノシロキサン粒子を、極めて容易に製造することができる。すなわち、(A)工程で得られたシード粒子液におけるシード粒子の粒径及びシード粒子の希釈倍率、並びに(A)工程及び(B)工程で使用されるケイ素化合物の濃度によって、成長後の粒子径が決定される。
【0037】
特に、(A)工程におけるシード粒子の生成において、ノニオン性界面活性剤を用いた場合、シード粒子の粒径は、前記したように、関係式(IV)に従って、ノニオン性界面活性剤の濃度x(重量%)によって決まる。したがって、成長後の最終的に得られるポリオルガノシロキサン粒子の粒径R(μm)は、関係式(III)
R=C[{K(M/m)+1}/x]1/3 ・・・(III)
[ただし、Cはシード粒子生成時の反応条件によって決定される定数であり、K、M、mおよびxは前記で定義したとおりである。]
に従って制御することができ、有利である。すなわち、定数Cを前記したように予備実験により予め求めておけば、(A)工程で得られたシード粒子の粒径をわざわざ測定しなくても、成長後のポリオルガノシロキサン粒子の粒径を制御することができる。
【0038】
なお、上記(A)工程におけるpHの範囲は30℃におけるものであるが、アンモニアなどの電離度の小さい触媒を使用する場合は、温度により、公知のことではあるが、同一の触媒濃度でもpHが変化し、この(B)工程における成長反応に適したpHの範囲もその変化に応じて変化するので、反応温度による最適なpHに調整することが好ましい。30℃においてはpH8.0〜10.8が好ましい。
【0039】
本発明においては、(B)工程終了後、常法に従い生成した粒子を充分に洗浄したのち、必要ならば分級処理を行い、極大粒子または極小粒子を取り除き、乾燥処理を行う。分級処理方法としては特に制限はないが、粒径により沈降速度が異なるのを利用して分級を行う湿式分級法が好ましい。乾燥処理は、通常100〜200℃の範囲の温度で行われる。本発明においては、この乾燥処理において、粒子の凝集が実質上生じることはない。
【0040】
ポリオルガノシロキサン微粒子は、液晶装置用スペーサとして必要な圧縮強度を得るために、必要に応じ、焼成処理してもよい。この焼成処理は、窒素などの不活性雰囲気下または真空中において、200〜1000℃、特に300〜800℃の範囲の温度で行うのが好ましい。この温度が200℃未満では充分な圧縮強度が得られない場合があるし、1000℃を超えると粒子が硬くなりすぎる場合があり、好ましくない。焼成温度の選定は、粒子を構成する有機基の種類に依存しており、熱分解しやすい有機基を有する場合、上記焼成温度範囲において比較的低い温度で処理するのが望ましく、反対に熱分解しにくい有機基を有する場合には上記焼成温度範囲内で高温で処理するのが好ましい。いずれにしても、必要となる破壊強度や弾性率に応じて最適な条件を選定すればよい。また、焼成装置については特に制限はなく、電気炉やロータリーキルンなどを用いることができるが、粒子の攪拌が可能なロータリーキルン中で焼成するのが有利である。
【0041】
このような本発明の方法で得られたポリオルガノシロキサン微粒子は、平均粒径が、通常3〜15μm、好ましくは4〜10μmであり、また、粒度分布の変動係数(CV値)が、通常2.5%以下であって、真球状の単分散粒子である。
なお、変動係数(CV値)は下式により求められる。
CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
【0042】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例のpHは、30℃における値である。
【0043】
実施例1
(1)シード粒子液調製工程
300ミリリットルのプラスチック容器に、pH10.9に調整したアンモニア水溶液250ミリリットルを入れ、これを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。次いで、これを30℃にて上層が完全に消失するまで撹拌してシード粒子を生成させた。この際、反応液のpHは9.7であった。
このシード粒子の粒径を測定するために、反応液を少量採り、25重量%アンモニア水を添加して熟成したのち、コールターカウンターで粒径測定を行ったところ、平均粒径2.43μmで、CV値は2.0%であった。
上記反応液を純水で希釈倍率20倍になるように希釈することにより、シード粒子液を調製した。この際のpHは9.5であった。
【0044】
(2)シード粒子成長工程
上記(1)で調製したシード粒子液5リットルを、撹拌装置付の反応容器に入れ、20rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン500gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。30℃で上層が完全に消失するまで撹拌したのち、20重量%アンモニア水20ミリリットルを加えて反応を終了させた。
このようにして得られた粒子の粒径を測定したところ、平均粒径9.10μmで、CV値は1.8%であった。なお、前記関係式(II)に、シード粒子径及び反応条件を代入して算出した粒径は9.05μmであり、実験値とほぼ一致していた。
【0045】
比較例1
(1)シード粒子液調製工程
300ミリリットルのプラスチック容器に、pH11.8に調整したアンモニア水溶液250ミリリットルを入れ、これを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。次いで、これを30℃にて上層が完全に消失するまで撹拌してシード粒子を生成させた。この際、反応液のpHは10.6であった。
このシード粒子の粒径を測定するために、反応液を少量採り、25重量%アンモニア水を添加して熟成したのち、コールターカウンターで粒径測定を行ったところ、平均粒径2.0μmで、CV値は2.3%であった。
上記反応液を純水で希釈倍率20倍になるように希釈することにより、シード粒子液を調製した。この際のpHは10.4であった。
【0046】
(2)シード粒子成長工程
上記(1)で調製したシード粒子液5リットルを、撹拌装置付の反応容器に入れ、20rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン500gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。30℃で上層が完全に消失するまで撹拌したのち、25重量%アンモニア水20ミリリットルを加えて反応を終了させた。
このようにして得られた粒子の粒径を測定したところ、平均粒径3.1μmで、CV値2.0%と、平均粒径5.0μmでCV値1.9%の2種類の粒子が生成していた。なお、前記関係式(II)に、シード粒子径及び反応条件を代入して算出した粒径は5.6μmであり、実験値と大きな違いがみられた。
【0047】
比較例2
(1)シード粒子液調製工程
300ミリリットルのプラスチック容器に、pH9.6に調整したアンモニア水溶液250ミリリットルを入れ、これを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。次いで、これを30℃にて上層が完全に消失するまで撹拌してシード粒子を生成させた。この際、反応液のpHは8.4であった。
このシード粒子の粒径を測定するために、反応液を少量採り、25重量%アンモニア水を添加して熟成したのち、コールターカウンターで粒径測定を行ったところ、平均粒径2.7μmで、CV値は3.1%であった。
上記反応液を純水で希釈倍率20倍になるように希釈することにより、シード粒子液を調製した。この際のpHは8.2であった。
【0048】
(2)シード粒子成長工程
上記(1)で調製したシード粒子液5リットルを、撹拌装置付の反応容器に入れ、20rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン500gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。30℃で上層が完全に消失するまで撹拌したのち、25重量%アンモニア水20ミリリットルを加えて反応を終了させた。
このようにして得られた粒子の粒径を測定したところ、平均粒径7.4μmで、CV値は4.1%であり、反応中にシード粒子及び成長中の粒子の合一化が起こり、粒径分布の広い粒子が得られた。
【0049】
実施例2
(1)定数Cの算出
300ミリリットルのプラスチック容器に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤[第一工業製薬社製、商品名:ノイゲンEA−137、HLB13]0.00005重量%を含有するpH10.6に調整したアンモニア水溶液250ミリリットルを入れ、これを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。次いで、これを30℃にて上層が完全に消失するまで撹拌したのち、25重量%アンモニア水を加え反応を終了させた。
【0050】
上記操作をノイゲンEA−137の濃度を変化させて行った結果を以下に示す。
【0051】
ノイゲンEA-137の濃度(重量%) 0.00005 0.0001 0.00015 0.0002
生成粒子の平均粒径(μm) 2.70 2.17 1.88 1.69
この結果より、界面活性剤の濃度と生成粒子の平均粒径の関係式(IV)から、定数Cを求めると、C=0.099であった。
【0052】
(2)シード粒子液調製工程
300ミリリットルのプラスチック容器に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤[第一工業製薬社製、商品名:ノイゲンEA−137]0.0001重量%を含有するpH10.6に調整したアンモニア水溶液250ミリリットルを入れ、これを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。次いで、これを30℃にて上層が完全に消失するまで撹拌してシード粒子を生成させた。この際、反応液のpHは9.4であった。
上記反応液を純水で希釈倍率20倍になるように希釈することにより、シード粒子液を調製した。この際のpHは9.2であった。
【0053】
(3)シード粒子成長工程
上記(2)で調製したシード粒子液5リットルを、撹拌装置付の反応容器に入れ、20rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン500gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。30℃で上層が完全に消失するまで撹拌したのち、25重量%アンモニア水20ミリリットルを加えて反応を終了させた。
このようにして得られた粒子の粒径を測定したところ、平均粒径4.85μmで、CV値は1.8%であった。なお、前記関係式(III)に、先に求めたC=0.099及び反応条件を代入して算出した粒径は4.80μmであり、実験値とほぼ一致していた。
【0054】
実施例3
実施例2におけるシード粒子液調製工程において、希釈倍率を20倍から40倍に変更し、調整後のシード粒子液のpHを9.0にした以外は、実施例2と同様にして実施した。その結果、平均粒径5.85μmでCV値が1.7%の粒子が得られた。なお、前記関係式(III)に、先に求めたC=0.099及び反応条件を代入して算出した粒径は5.88μmであり、実験値とほぼ一致していた。
【0055】
実施例4
(1)シード粒子液調製工程
300ミリリットルのプラスチック容器に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤[第一工業製薬社製、商品名:ノイゲンEA−137]0.00005重量%を含有するpH10.6に調整したアンモニア水溶液250ミリリットルを入れ、これを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、ビニルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にビニルトリメトキシシラン層を形成させた。次いで、これを30℃にて上層が完全に消失するまで撹拌してシード粒子を生成させた。この際、反応液のpHは9.4であった。
このシード粒子の粒径を測定するために、反応液を少量採り、25重量%アンモニア水を添加して熟成したのち、コールターカウンターで粒径測定を行ったところ、平均粒径1.48μmでCV値は2.0%であった。
上記反応液を純水で希釈倍率20倍になるように希釈することにより、シード粒子液を調製した。この際のpHは9.2であった。
【0056】
(2)シード粒子成長工程
上記(1)で調製したシード粒子液5リットルを、撹拌装置付の反応容器に入れ、20rpmで撹拌しながら、ビニルトリメトキシシラン500gをゆっくり添加し、上層にビニルトリメトキシシラン層を形成させた。30℃で上層が完全に消失するまで撹拌したのち、25重量%アンモニア水20ミリリットルを加えて反応を終了させた。
このようにして得られた粒子の粒径を測定したところ、平均粒径4.07μmで、CV値は1.8%であった。なお、前記関係式(II)に、シード粒子径及び反応条件を代入して算出した粒径は4.06μmであり、実験値とほぼ一致していた。
【0057】
実施例5
(1)シード粒子の調製工程
300ミリリットルのプラスチック容器に、pH10.9に調整したアンモニア水溶液250ミリリットルを入れ、これを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。次いで、これを30℃にて上層が完全に消失するまで撹拌してシード粒子を生成させた。この際、反応液のpHは9.7であった。
このシード粒子の粒径を測定するために、反応液を少量採り、25重量%アンモニア水を添加して熟成したのち、コールターカウンターで粒径測定を行ったところ、平均粒径2.43μmで、CV値は2.0%であった。
【0058】
(2)シード粒子成長工程
上記(1)で得られたシード粒子液を純水で希釈倍率5倍になるように希釈した。この際のpHは9.6であった。このうち、250ミリリットルを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。これを30℃で上層が完全に消失するまで撹拌し、第2シード液とした。この第2シード液のpHは9.5であった。
この第2シード粒子の粒径を測定するために、反応液を少量採り、25重量%アンモニア水を添加して熟成したのち、コールターカウンターで粒径測定を行ったところ、平均粒径4.36μmで、CV値は1.9%であった。また、前記関係式(II)に、シード粒子径および反応条件を代入して算出した粒子径は4.42μmであり、実験値とほぼ一致した。
【0059】
次に、上記第2シード粒子液を純水で希釈倍率10倍になるように希釈した。この際のpHは9.3であった。このうち、250ミリリットルを磁気撹拌装置で約60rpmで撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン25gをゆっくり添加し、上層にメチルトリメトキシシラン層を形成させた。これを30℃で上層が完全に消失するまで撹拌し、25重量%アンモニア水を添加して熟成したのち、コールターカウンターで粒径測定を行ったところ、平均粒径9.71μmで、CV値は1.7%であった。また、前記関係式(II)に、第2シード粒子径および反応条件を代入して算出した粒子径は9.82μmであり、実験値とほぼ一致していた。
【0060】
実施例6〜10
実施例1〜5で得られたポリオルガノシロキサン微粒子を表1に示す条件下に焼成処理し、焼成ポリオルガノシロキサン微粒子を得た。
【0061】
【表1】
【0062】
焼成後に得られたポリオルガノシロキサン微粒子は、表1に示すような破壊強度を有し、液晶表示装置用スペーサとして特に好適であることが明らかとなった。
【0063】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、比較的大きな粒径(4〜10μm程度)で、かつ粒径分布が単分散のポリオルガノシロキサン微粒子を、所望の粒径のものが得られるように、効率よく製造することができる。
本発明の方法で得られたポリオルガノシロキサン微粒子は、液晶表示装置用スペーサや標準粒子などとして好適である。
Claims (6)
- 一般式(I)
R1nSi(OR2)4-n ・・・(I)
(式中、R1は非加水分解性基であって、炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるケイ素化合物を加水分解、縮合させ、ポリオルガノシロキサン微粒子を製造するに当たり、
(A)反応開始時の反応液のpHを9.7〜11.7に調整し、該pHが0.7〜1.5低下するように、ケイ素化合物量を設定して加えて加水分解反応を行い、反応終了時のpHが8.2〜11.0の範囲でシード粒子を生成させたのち、この反応液を希釈してシード粒子液となすシード粒子液調製工程、及び
(B)この(A)工程で得られたシード粒子液に、上記一般式(I)で表されるケイ素化合物を添加してシード粒子を成長させる操作を1回以上行うシード粒子成長工程、
を施すことを特徴とするポリオルガノシロキサン微粒子の製造方法。 - (B)工程におけるシード粒子の成長反応を、pH8.0〜10.8の範囲に調整したのち、開始する請求項1に記載の方法。
- (A)工程において、シード粒子を生成させる際に、ノニオン性界面活性剤を添加する請求項1または2に記載の方法。
- ノニオン性界面活性剤がHLB値(親水性親油性バランス値)8〜20のものである請求項3に記載の方法。
- 一般式(I)で表されるケイ素化合物がメチルトリメトキシシランおよび/またはビニルトリメトキシシランである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
- 加水分解、縮合後に得られた粒子について焼成処理を行う請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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