JP5543722B2 - ポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の製造方法に関するものであり、より詳細には、所望の粒子径を有し、且つ、製造ロット間における粒子径の変動が少ないポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の製造方法に関する。
液晶表示装置などの表示ディスプレイやタッチパネルなどのセル間隙(またはパネル間隙)用のスペーサーや、マイクロ素子実装用の導電性接着剤、異方導電性接着剤などの導電性間隙部材などには、充填剤として重合体粒子が広く用いられている。これらの用途においては、粒子形状が略均一であること、柔軟で弾力性に優れることなどが求められており、かかる観点から、重合体粒子の材料として、有機材料や、有機成分と無機成分とを併用した有機無機複合材料が用いられている(特許文献1など)。
上記要求特性の中でも特に粒子径に対する要求は高く、粒度(粒子径)分布が狭い単分散の重合体粒子を製造する方法が多数検討されている。例えば、特許文献2には、ケイ素化合物を加水分解、縮合させて得られたポリオルガノシロキサン粒子を、特定の計算式により導き出される希釈倍率で希釈し、所望の粒径となるまで粒子径を測定しながら成長反応を行う方法が記載されている。また、特許文献3では、球状シリコーン微粒子の粒子径をばらつかせる原因が、反応系内に存在する塩素やイオン性物質にあるとして、反応系内に存在する塩素含有量や、イオン性物質量を低減させることが提案されている。
特開平11−199671号公報、特許請求の範囲など 特開2002−80598号公報、特許請求の範囲、[0006]など 特開平6−248081号公報、特許請求の範囲など
また、上記用途に用いられる重合体粒子は、最終製品間における品質のバラツキを抑える観点から、製造ロット間で粒子径の変動が少ないものであることが求められる。しかしながら、従来の方法では、同一の条件を採用していても、複数回重合体粒子の製造を行った場合には、目的とする粒子径に対して40%程度のバラツキが生じることが指摘されている(特許文献2)。このように製造ロット間で粒子径がばらつく場合には、当該重合体粒子を使用する製品、特に、上述のような画像表示装置におけるセル間隙用のスペーサーや、導電性間隙部材などに用いると、製品品質を一定に保つことが困難になるといった問題があった。
本発明は、上述のような問題に着目してなされたものであって、その目的は、所望の粒子径を有し、且つ、製造ロット間における粒子径の変動が少ないポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、ポリオルガノシロキサン粒子の合成反応系内に不可避的に存在し、目視では確認できないが、パーティクルカウンターなどでは観測される夾雑物(パーティクル)と、生成するポリオルガノシロキサン粒子の粒子径との間に相関関係があることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記課題を解決し得た本発明の方法とは、ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法であって、アルコールを必須とする混合溶媒中で、アルコキシシラン化合物の加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子を合成する合成工程を含み、上記合成工程において、不可避不純物である粒子径2μm以上のパーティクル量が5個/ml〜200個/mlのアルコールを用いるところに要旨を有する。
本発明の製造方法により、製造ロット間における粒子径のバラツキが抑えられ、所望の粒子径を有する粒子が精度良く得られる理由について、本発明者らは、以下のように考えている。上記本発明の製造方法では、まず、出発原料であるアルコキシシラン化合物の加水分解、縮合反応の進行により、微小な1次縮合体粒子が生成する。その後、反応系内では、引力と斥力(静電反発力)がつり合うところまで1次縮合体粒子の合一が進行し、その結果、核が生成する(合一による核形成)。次いで、生成した核の周囲で加水分解、縮合反応がさらに進行して、核が成長することにより、ポリオルガノシロキサン粒子が生成する。このような生成過程において、特定のサイズのパーティクルが存在する場合、このパーティクルを起点とする合一も進行すると考えられる。すなわち、反応系中の粒子数(核の数)は、パーティクル数の影響を受けるため、具体的には、パーティクルが少ないと生成する核の数は少なくなり、パーティクル数が多くなると生成する核の数も多くなる。したがって、たとえ、出発原料濃度やその他の反応条件を一定にそろえたとしても、製造ロット間において、反応系内に存在するパーティクル量が異なる場合には、各製造ロット間において、反応系中の粒子数が異なるため、各製造ロット間で生成する粒子の粒子径にバラツキが見られていたものと考えられる。すなわち、その他の反応条件が同一であれば、核の個数が多い場合には(パーティクル数が多い)、生成粒子の粒子径は小さくなり、一方、核の個数が少ない場合には(パーティクル数が少ない)、粒子径は大きいものとなるのである。なお、反応溶媒であるアルコール中に存在するパーティクルが核の形成に与える影響は、パーティクル数が一定量を超えると飽和して一定になるが、パーティクル数が少ない領域では、パーティクル数に応じて、核の生成量が変動する。市販のアルコールに含まれるパーティクル数は、核の生成量が変動する領域に含まれており、本発明者らは、上記反応溶媒中のパーティクルが、従来技術において、粒子径が大きく変動する原因であることを見出した。
本発明の製造方法では、上記合成工程を、アルコールを必須とする混合溶媒中でアルコキシシラン化合物の加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサンの1次シード粒子を生成させる生成工程と、上記生成工程で得られた1次シード粒子を含む反応溶液に、さらにアルコキシシラン化合物を添加して、1次シード粒子を成長させて2次シード粒子を得る成長工程の2段階に分けて行ってもよく、この場合、上記成長工程において添加するアルコキシシラン化合物量Aを下記式(I)により算出される量とすることが好ましい。
[上記式(I)中、Aは成長工程において添加するアルコキシシラン化合物の質量(g)、rは1次シード粒子径、Rは2次シード粒子の設定粒子径、Bは、生成工程で使用したアルコキシシラン化合物の質量(g)を意味する。]
これにより、製造ロット間における2次シード粒子の粒子径のバラツキが抑えられるため、結果として、最終目的物である有機無機複合粒子の粒子径の変動を一層低減させることができる。
上記アルコールは、メタノールであるのが望ましい。
本発明には、上記製法により得られたポリオルガノシロキサン粒子を用いた有機無機複合体粒子の製造方法も含まれ、当該製造方法とは、上記方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子に、ラジカル重合性ビニルモノマー成分を吸収させる吸収工程、および、上記吸収工程で吸収させたモノマー成分をラジカル重合させる重合工程を含むところに要旨を有する。
なお、本明細書において、「パーティクル」とは、反応系内あるいは反応溶媒中に存在する粒子径2μm以上の不可避不純物のことを意味し、上記「粒子径」とは、例えば、PAMAS社製の液体用パーティクルカウンターにより、観測される粒子径を意味し、粒子が球形である場合の直径を意味することはもちろんのこと、楕円や針状などの形状である場合には、各形状を球に近似した場合の直径を意味する。
本発明の製造方法によれば、所望の粒子径を有し、且つ、粒度分布の狭いポリオルガノシロキサン粒子が得られ、さらに、製造ロット間におけるポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の粒子径のバラツキも低レベルに抑えることができる。
図1は、実験例の結果を示すグラフである。
本発明のポリオルガノシロキサン粒子の製造方法とは、アルコールを必須とする混合溶媒中で、アルコキシシラン化合物の加水分解反応、縮合反応を行ってポリオルガノシロキサンの粒子を合成する合成工程を含み、上記合成工程において、不可避不純物である粒子径2μm以上のパーティクル量が5個/ml〜200個/mlのアルコールを用いるところに特徴を有するものである。
上述のように、合成工程で使用するアルコール中に存在する特定サイズのパーティクルは、ポリオルガノシロキサン粒子生成時の核形成数と相関すると考えられ、上記特定サイズのパーティクル量が製造ロット間で異なる場合には、生成するポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)の粒子径がばらつき、最終的に得られる有機無機複合粒子の粒子径に変動が生じる。そこで、本発明においては、ポリオルガノシロキサン粒子、ひいては、有機無機複合粒子の粒子径の変動を防ぐため、粒子径2μm以上のパーティクル数を上記範囲内とする。パーティクルの粒子径の上限は特に限定されないが、10μm以下とするのが好ましい。粒子径が10μmを超えるパーティクルの数は極めて少なくなるために検出が困難であり、合成に適するアルコールであるかどうかの判定に用いるには不適当である。
上記特定サイズのパーティクル量は5個/ml〜150個/mlであるのが好ましく、より好ましくは10個/ml〜100個/mlである。合成反応系内に存在するパーティクル量が上記範囲内であれば、ポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の粒子径の変動が抑制される。なお、パーティクル量が上記範囲を超えると、製造ロット間における粒子径に対する影響は小さくなるが、得られる粒子の特性(機械的特性、光学特性など)にバラツキが見られたり、所期の特性が得られない場合がある。また、パーティクル量が上記範囲内に満たない場合には、合成装置の汚れ、空気中を漂っている異物、合成装置等に備えられたパッキン類から発生する不純物など、合成工程においてある程度不可避的に混入する制御困難な不純物の影響により、製造ロット間における粒子径の変動が大きくなる虞がある。したがって、パーティクル量は上記範囲内とするのが好ましい。
なお、上記粒子径およびパーティクル数(個/ml)は、パーティクルカウンター(PAMAS社製の液体用パーティクルカウンター、本体部形式:SVSS-C-16、センサー部形式:HCB-LD-50/50)により測定される値であり、合成工程で使用する反応溶媒およびアルコールを測定試料として測定される値である。
尚、アルコール中に存在する特定サイズのパーティクル量は、予めアルコールを所定サイズの孔径を有するフィルター等でろ過することにより、上記範囲とすることができる。また、市販のアルコールであっても、特定サイズのパーティクルの含有量が上記範囲であれば、そのままポリオルガノシロキサン粒子の合成に用いることができる。
本発明に係る有機無機複合粒子は、無機質成分を含むポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)と有機質成分であるビニル系重合体とを必須としてなる複合体粒子である。上記ポリオルガノシロキサン粒子は、後述するように重合性不飽和結合を有するシリコン化合物を必須とする無機化合物原料を加水分解、縮合してなるポリシロキサン骨格構造からなる粒子、例えば、ビニル基、特に、(メタ)アクリロキシ基を有するポリオルガノシロキサン粒子であるのが好ましい。そして、上記有機質成分であるビニル系重合体は、このポリオルガノシロキサン粒子の中に含まれている。つまり、本発明に係る有機無機複合粒子とは、主として上記ポリオルガノシロキサンからなる成分と、ビニル系重合体からなる成分が混在している粒子である。なお、本発明でいうビニル系重合体は、ラジカル重合性ビニルモノマーを必須とするモノマー成分を、ラジカル重合してなるものである。
以下、本発明の製造方法について、各工程に分けて詳細に説明する。
〔ポリオルガノシロキサン粒子の合成工程〕
本発明に係るポリオルガノシロキサン粒子の合成工程とは、アルコールを必須とする混合溶媒の存在下において、アルコキシシラン化合物の加水分解、縮合反応を行って、ポリオルガノシロキサン粒子を得る工程である。なお、この縮合反応時には、触媒としてアンモニアなどの塩基性触媒を用いるのが好ましい。
上記ポリオルガノシロキサン粒子は、アルコキシシラン化合物を出発原料とするものであり、重合性不飽和結合と加水分解性シリル基とを有する加水分解性シリコン化合物群(以下、重合性シリコン化合物ということがある)を必須的に含む出発原料とするものであるのが好ましく、特に、上記重合性不飽和結合としてビニル基を有するものが好ましい。このような原料を用いれば、加水分解、縮合反応後に得られるポリオルガノシロキサン粒子は、ビニル基を有するものとなる。後述する重合工程において、ビニル基(ポリオルガノシロキサン粒子)とラジカル重合性ビニルモノマー間にも共重合による結合が形成されるため、得られる有機無機複合粒子の機械的特性が優れるものとなる。また、有機無機複合粒子の耐溶剤性が向上するため、当該粒子をインキ化して用いる用途にも好適となる。
上記重合性シリコン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等ビニル基を有するアルコキシシランを挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、下記式(1)で表される(メタ)アクリロキシ基を有するシリコン化合物(1)が好ましい。この(メタ)アクリロキシ基は、後述するラジカル重合性ビニルモノマーとの相溶性に優れるため、当該モノマー成分が、ポリオルガノシロキサン粒子へのラジカル重合性ビニルモノマーの吸収が容易となる。
(上記一般式(1)中、Raは、水素原子またはメチル基を表し、Rbは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を表し、Rcは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基および炭素数2〜5のアシル基よりなる群から選択される少なくとも1つの1価基を表す。Rdは、同一または異なって、炭素数1〜5のアルキル基およびフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1つの1価の基を示す。lは1または2であり、mは0または1である。)
重合性シリコン化合物(1)としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。上記(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシランの中でも、最も好ましいのは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
上記重合性シリコン化合物(1)と共に、必要に応じて、下記一般式(2)
e nSi(ORf4-n (2)
(上記一般式(2)中、Reは同一または異なって、炭素数1〜20のアルキル基と、エポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基と、炭素数2〜20のアルケニル基と、炭素数6〜20のアリール基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;Rfは同一または異なって、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。nは0〜3の整数である。)で示されるアルコキシシラン(以下、非重合性シリコン化合物(2)ということがある)を併用してもよい。
非重合性シリコン化合物(2)としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアセトキシシラン等の上記一般式(2)においてn=0の4官能性シラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の上記一般式(2)においてn=1の3官能性シラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルジシランジオール等の上記一般式(2)においてn=2の2官能性シラン;等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
シリコン化合物(1)および(2)の誘導体としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、シリコン化合物(1)および(2)が含有するORc 基またはORf 基に関してその少なくとも1つがβ−ジカルボニル基および/または他のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物と、シリコン化合物(1)および(2)および/またはそのキレート化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低縮合物と、からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましい。
本発明に係るポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)は、上記シリコン化合物群を、水を含む溶媒中で加水分解させ縮合させて得られる。加水分解および縮合については、一括、分割、連続等、任意の方法を採ることができる。加水分解および縮合をさせるにあたり、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよい。
上述のように、本発明の製法では、合成工程において、アルコールを必須とする混合溶媒を用いる。反応溶媒として用いるアルコールは特に限定されず、使用するシリコン化合物に応じて適宜変更すればよい。好ましいアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げられ、より好ましくはメタノールである。例えば、シリコン化合物としてメトキシシランを用いる場合には、メタノールを反応溶媒とするのが好ましく、また、エトキシシランをシリコン化合物として用いる場合には、エタノールを反応溶媒とすることが推奨される。
上記混合溶媒には、アルコールの他に、水、その他の有機溶剤が含まれていてもよい。好ましくは水である。混合溶媒に水が含まれる場合、水/アルコールの混合割合は、95/5〜50/50(質量比)であり、より好ましくは95/5〜60/40であり、さらに好ましくは90/10〜65/35である。
反応溶媒として使用する水としては、イオン交換水、超純水などが挙げられる。これらの中でも、電気伝導度1μS/cm以下の超純水が好ましい。なお、超純水は、イオン交換装置や逆浸透膜純水製造装置、限外ろ過装置などで、無機イオン、溶存気体、固形粒子などを除去して得られる。
その他の有機溶剤としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類などが好ましく挙げられる。これらは、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
なお、アルコール中の特定サイズのパーティクル数を所定範囲内とすることに代えて、各製造ロット毎に、反応溶媒として使用するアルコールを一部サンプリングして、小スケールで、ポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)の合成を行って、生成するポリオルガノシロキサン粒子の粒子径を確かめてもよい。このような事前検査は、より精度の高い粒子径制御を行うためには有効である。
加水分解および縮合反応時の条件は、特に限定はされないが、例えば、上記シリコン化合物群および有機溶剤等を、水を含む溶媒に添加し、0℃〜100℃、好ましくは0℃〜70℃、より好ましくは10℃〜50℃の温度範囲で、30分〜100時間攪拌することによって行われる。
上記加水分解および縮合を行うにあたっては、水濃度は50質量%〜99.99質量%、触媒濃度は0.01質量%〜10質量%、有機溶剤濃度は0質量%〜90質量%、上記シリコン化合物群の濃度は0.1質量%〜30質量%、上記シリコン化合物群の添加時間は0.001時間〜500時間、反応温度は0℃〜100℃に設定することが好ましい。
本発明に係る方法においては、このようにして、上記シリコン化合物群を、水を含む溶媒中で、適切な条件下で、加水分解および縮合させることにより、粒子が析出しスラリーが生成する。析出した粒子は、上述の重合性シリコン化合物を必須成分として用いて得られたものであるため、重合性不飽和結合を有するポリオルガノシロキサン粒子が得られる。ここで、適切な条件とは、特に限定はされないが、具体的には、例えば、得られたスラリーにおいて、重合性シリコン化合物(1)および非重合性シリコン化合物(2)の濃度(原料化合物に換算)が20質量%以下、水濃度が50質量%以上、触媒濃度が10質量%以下となるような条件が好ましい。
これまで、本発明に係る合成工程として、上記アルコキシシラン化合物を反応系に一時に添加して、1段階で加水分解、縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子を得る方法について述べてきたが、より精度の高い粒子径の制御を行う観点からは、合成工程を2段階以上の複数の工程に分けて行うことも、推奨される本発明の実施態様である。例えば、2段階の工程を採用してポリオルガノシロキサン粒子を得る場合であれば、上記合成工程は、ポリオルガノシロキサンの1次シード粒子を得る生成工程と、生成工程で得られた1次シード粒子を成長させて2次シード粒子を得る成長工程とに分けて行うことができる。粒子径の制御は、得られる有機無機複合粒子の物性を安定させる観点からも望まれることである。例えば、粒子径のバラツキ自体は、後述する吸収工程において、シード粒子に吸収させるモノマー成分量の使用量により、ある程度調整することができる。しかしながら、このような調整を行った場合、反応系中のシラン化合物濃度が変動するため、製造ロット間における粒子の収量が変動し、また、1次シード粒子があまりに小さい場合には粒子濃度が高くなりすぎるため、合一や凝集が生じやすくなる。また、同様の調整を行わなかった粒子とは、有機質成分量と無機質成分量との含有量が異なるため、有機無機複合粒子の物性(機械的特性、光学特性など)にバラツキが生じる。したがって、シード粒子径は製造ロット間におけるバラツキが小さいものであるのが好ましく、予め、生成および/または成長工程(あるいは合成工程)において、調整しておくことが好ましい。以下、合成工程を2段階で行う場合について説明する。
〔1次シード粒子の生成工程〕
上述のように1次シード粒子の生成工程とは、上記アルコキシシラン化合物の加水分解、縮合反応を行って、ポリオルガノシロキサン粒子の核となる縮合体を生成させる工程である。このとき使用可能なアルコキシシランとしては、上述のものと同様のものが用いられる。また、反応溶媒も、上記合成工程と同様の条件を採用すればよい。もちろん、この生成工程においても、反応系内に存在する特定サイズのパーティクル数は、上述の範囲内とするのが好ましいことは言うまでもない。
合成工程を2段階に分けて行う場合、1次シード粒子の生成工程において、出発原料である上記シリコン化合物群の濃度は、1質量%〜30質量%とするのが好ましい。より好ましくは2質量%〜20質量%であり、さらに好ましくは2質量%〜15質量%である。出発原料濃度が1質量%未満では反応が進行し難く、縮合体の生成に長時間要したり、あるいは得られる縮合体の粒子数が増加したりする虞がある。一方、濃度が高すぎる場合には、多数の粒子が生成し、後述する成長工程を採用しても、最終生成物である有機無機重合体の成長が不十分となり、所期サイズを有する粒子が得られなかったり、後述する吸収工程における原材料の増減が必要になり、経済的にも、また安定操業面からも望ましくない。
〔2次シード粒子への成長工程〕
2次シード粒子への成長工程とは、上記生成工程で得られた1次シード粒子含有水溶液に、さらに、出発原料であるアルコキシシラン化合物を添加して、所望の粒子径になるまで1次シード粒子径を増大(成長)させる工程である。このとき、添加するアルコキシシラン化合物は、上記生成工程で例示したものと同様のものが使用できる。なお、アルコキシシラン化合物の添加量は、下記式(I)を満足する量とするのが好ましい。
ここで、上記式(I)中、rは1次シード粒子径、Rは2次シード粒子の設定粒子径、Bは、生成工程で使用したアルコキシシラン化合物の質量(g)、Aは成長工程において添加するアルコキシシラン化合物量(g)を意味する。
このように、2段階の工程を採用することで、最初に生成し核となる縮合体の発生量のコントロールがより一層容易となる。また、成長工程では、すでに生成している縮合体を核として使用するため、新たな粒子の生成よりも、成長反応が優先して進行することとなる。
ところで、工業的にポリオルガノシロキサン粒子(あるいは有機無機複合体)を製造する場合、連続してシード粒子の合成を行うときには、通常、反応終了後の反応容器を洗浄して再び反応槽として用いる。このとき、洗浄溶剤としてメタノールのみを用いると、シード粒子径のロット間変動が大きくなることが本発明者らの検討により明らかになった。なお、実験室レベルの実施では、クレンザー等で反応容器を磨き、超純水ですすげば、1次粒子径を安定化させることは可能である。しかしながら、実操業レベルで同様の洗浄方法を実施することは現実的でない。そこで、本発明者らが検討を重ねたところ、反応容器をメタノールで洗浄した後、さらに、水/メタノール混合溶剤で洗浄するのが好ましいことが分かった。水/メタノールの混合比率は、3/7〜1/9とするのが好ましい。
〔ポリオルガノシロキサン粒子〕
上記1次および2次シード粒子(ポリオルガノシロキサン粒子)の数平均粒子径は、目的とする有機無機複合粒子(ビニル系モノマー重合後の最終生成物)の粒子径に応じて適宜決定すればよいが、例えば、3μm〜30μmの有機無機複合粒子を得たい場合であれば、1次シード粒子の粒子径は、0.3μm〜12μmであるのが好ましく、より好ましくは0.4μm〜10μmであり、2次シード粒子(ポリオルガノシロキサン粒子)の粒子径は、0.5μm〜12μmであるのが好ましく、より好ましくは0.6μm〜11μm、最も好ましくは0.7μm〜10μmである。ポリオルガノシロキサン粒子の平均粒子径が上記範囲内であれば、後述するビニル重合性モノマーの吸収が効率よく進行するといった有利な効果を発揮することができる。また、上記1次シード粒子(ポリオルガノシロキサン粒子)の平均粒子径が0.5μm未満であると、目的の粒子径にするための(2次シード粒子合成時)シラン化合物の添加量が多すぎて、シード粒子スラリーの濃度が濃くなりすぎるため、シード粒子の合一や凝集が生じやすくなる。一方、12μmを超えると、粒子の質量が大きくなって反応器中で重合体粒子の沈降が起こり、粒子同士が凝集し易くなる場合がある。なお、上記平均粒子径とは、コールター原理を採用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザーII」など)により測定される値である。
上記本発明に係る製造方法を採用すれば、ポリオルガノシロキサン粒子は、後述する実施例において記載する変動係数(CV値)で表される粒度分布のシャープさを15%以下とすることができる。このように、ポリオルガノシロキサン粒子の粒度分布が狭い場合には、後述する、吸収工程、重合工程を経て生成する有機無機複合体微粒子の粒度分布も狭いものとなる。なお、変動係数(CV値)が上記範囲内である場合は、後述するビニル重合性モノマーの吸収が効率よく行えるといった有利な効果も発揮することができる。15%を超える場合は、得られる有機無機複合粒子の粒子径のバラツキが大きくなる。
本発明でいうポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)は、上記シリコン化合物群を原料無機化合物として得られるものであるため、この無機化合物中のケイ素原子に由来する無機質部分(ポリシロキサン骨格)を含んでなり、(メタ)アクリロキシ基などの有機基を有する。本発明でいうポリオルガノシロキサン粒子は、該粒子中に、つまり、該粒子を構成するポリシロキサン骨格間に、後述するラジカル重合性ビニルモノマーを容易に吸収し、かつ、保持しておくことのできる粒子である。これは、ポリオルガノシロキサン粒子が有している(メタ)アクリロキシ基がビニルモノマー等の有機化合物との相溶性に非常に優れているからであり、また、上記ポリオルガノシロキサン粒子がビニルモノマーを吸収するのに好適な縮合度(分子量)となっているからであるともいえる。
〔有機無機複合粒子の製造方法〕
本発明の有機無機複合粒子は、上記合成工程に次いで、合成工程(あるいは、生成工程および/または成長工程)で得られたポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)に、ラジカル重合性ビニルモノマーを吸収させ(吸収工程)、次いで、上記吸収工程で吸収させたモノマー成分をラジカル重合させることで(重合工程)得られる。上記製造方法により得られたポリオルガノシロキサン粒子をシード粒子とすることで、製造ロット間における粒子径のバラツキが少ない有機無機複合粒子が得られる。以下、吸収工程から順に説明する。
〔吸収工程〕
吸収工程では、ポリオルガノシロキサン粒子に、ラジカル重合性ビニルモノマー成分を吸収させる。この吸収工程では、得られる有機無機複合粒子の粒子径をコントロールするため、吸収工程に導入するシード粒子量を調整してもよい。シード粒子とラジカル重合性ビニルモノマーの配合比率を変更することにより、1種類の粒子径のシード粒子から、様々な粒子径の有機無機複合粒子を製造することができる。
吸収工程では、ポリオルガノシロキサン粒子にラジカル重合性ビニルモノマーを必須とするモノマー成分を吸収させられれば良く、その実施形態は特に限定されない。したがって、ポリオルガノシロキサン粒子を分散させた溶媒中にモノマー成分を加える形態であってもよいし、また、モノマー成分を含む溶媒中にポリオルガノシロキサン粒子を加える形態であっても良い。最終的に、ポリオルガノシロキサン粒子と上記モノマー成分とが共存する状態で吸収工程を進行させるものであればよい。中でも、前者のように、予めポリオルガノシロキサン粒子を分散させた溶媒中に、モノマー成分を加える形態が好ましく、さらには、ポリオルガノシロキサン粒子を合成して得られたポリオルガノシロキサン粒子分散液から、ポリオルガノシロキサン粒子を取り出すことなく、該分散液にモノマー成分を加える形態は、複雑な工程が必要とならず、生産性に優れており、好ましい。
本発明で使用可能なラジカル重合性ビニルモノマーとしては、分子内に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を含有する化合物であれば、その種類等は特に限定されず、本発明に係る有機無機複合粒子が所望の物性を発揮できるよう、そのモノマー成分は適宜選択することができる。具体的なモノマー成分としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体類;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール成分を有する単量体類;(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のアルキル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタンフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロアミル(メタ)アクリレート等のフッ素原子含有(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等を用いることが好ましい。これらラジカル重合性ビニルモノマーは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記モノマー成分を効率よくポリオルガノシロキサン粒子に吸収させるためには、予め上記モノマー成分を乳化分散させてエマルションを生成しておくのが好ましい。また、上記モノマー成分として、架橋性モノマーを用いれば、得られる重合体粒子に関する機械的特性の調整が容易となるため好ましい。上記架橋性モノマーとしては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレートおよびその異性体、トリアリルイソシアヌレートおよびその誘導体、などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記吸収工程は、上述のモノマー成分がポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)の構造中に容易に吸収されるよう、種々の条件を設定し、その条件の下で行うことが好ましい。そのような条件としては、上記ポリオルガノシロキサン粒子およびモノマー成分のそれぞれの濃度や、上記ポリオルガノシロキサン粒子とモノマー成分との混合比、混合の処理方法・手段、混合時の温度や時間、混合後の処理方法・手段などが挙げられる。これらの条件は、用いるポリオルガノシロキサン粒子やモノマー成分の種類などに応じて、適宜決定すればよい。また、これらの条件は1種のみを採用しても、2種以上を組み合わせて採用してもよい。
上記吸収工程におけるモノマー成分の使用量は、ポリオルガノシロキサン粒子の原料として使用したシリコン化合物の質量に対して、質量で0.01倍〜100倍とするのが好ましい。上記添加量が0.01倍より小さい場合は、ポリオルガノシロキサン粒子のモノマー成分の吸収量が少なくなり所期の粒子径が得られ難くなったり、重合体粒子の機械的特性が損なわれたりするおそれがあり、一方、100倍を超える場合は、添加したモノマー成分をポリオルガノシロキサン粒子に完全に吸収させることが困難となり、未吸収のモノマー成分が残存するため、得られる最終組成物が有機無機複合粒子と有機粒子との混合物となり、また、後の重合段階において粒子間の凝集が発生しやすくなる虞がある。
吸収工程において、モノマー成分の添加方法は、特に限定されず、使用するモノマー成分の全量を一括で反応系に加えてもよく、数回に分けて加えてもよく、又、任意の速度でフィードしてもよい。さらに、このとき、モノマー成分のみを添加しても、あるいは、モノマー成分を溶媒に分散あるいは溶解させたモノマー成分溶液を添加してもよいが、モノマー成分を予め乳化分散させた状態でポリオルガノシロキサン粒子に加えることにより、ポリオルガノシロキサン粒子への吸収がより効率よく行われるため、好ましい。
上記乳化剤としては、特に限定はされないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、分子中に1個以上の重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する重合性界面活性剤等がある。なかでも、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が、ポリオルガノシロキサン粒子や、モノマー成分を吸収したポリオルガノシロキサン粒子や、重合体粒子の分散状態を安定化させることもできるので好ましい。これら乳化剤は、1種のみを使用しても2種以上を併用してもよい。
上記アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート類;アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート類;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、ナトリウムスルホシノエート、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩類、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート類;ナトリウムラウリレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩類;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート類;高級アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等を好ましく挙げることができる。
上記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン塩、4級アンモニウム塩、オキシエチレン付加型アンモニウム塩酸塩などが挙げられ、具体的には、トリメチルアルキルアンモニウム塩酸塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩酸塩、モノアルキルアミン酢酸塩、アルキルメチルジポリオキシエチレンアンモニウム塩酸塩などが例示できる。
上記非イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド類;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、エチレンオキサイドと脂肪酸アミン、アミドまたは酸との縮合生成物等を好ましく挙げることができる。
上記高分子界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、これらの重合体の構成単位である重合性単量体の2種以上の共重合体または他の単量体との共重合体、クラウンエーテル類の相関移動触媒等を好ましく挙げることができる。
上記重合性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、プロペニル−2−エチルヘキシルベンゼンスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンの硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステルのリン酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のノニオン性重合性界面活性剤等を好ましく挙げることができる。
上記乳化剤の使用量は、特に限定されるものではなく、具体的には、上記ラジカル重合性ビニルモノマーを必須に含むモノマー成分の総質量に対して0.01質量%〜10質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜8質量%、さらに好ましくは1質量%〜5質量%である。上記乳化剤の使用量が、0.01質量%未満の場合は、安定なモノマーの乳化分散物が得られないことがあり、10質量%を超える場合は、乳化重合等が副反応として併発してしまうおそれがある。上記乳化分散については、通常、上記モノマー成分を乳化剤とともにホモミキサーや超音波ホモジナイザー等を用いて水中で乳濁状態とすることが好ましい。
上記吸収工程において、モノマー成分が吸収されたかどうかの判断は、例えば、モノマーを加える前および吸収工程終了後の粒子径を顕微鏡で観察することにより容易に判断できる。すなわち、吸収工程終了後の粒子径が、吸収工程前の粒子径に比べて大きくなっていれば、ポリオルガノシロキサン粒子内にモノマー成分が吸収されているものと判断できる。
〔重合工程〕
重合工程では、上記吸収工程でシード粒子内に吸収されたラジカル重合性ビニルモノマーをラジカル重合させる。重合工程において、ラジカル重合する方法としては、特に限定はされないが、例えば、ラジカル重合開始剤を用いる方法、紫外線や放射線を照射する方法、熱を加える方法などが挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酢酸、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;などを好ましく挙げることができる。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、上記ラジカル重合性ビニルモノマーを必須に含むモノマー成分の総質量に対して、0.001質量%〜20質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.01質量%〜10質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜5質量%である。上記ラジカル重合開始剤の使用量が、0.001質量%未満の場合は、ラジカル重合性ビニルモノマーの重合度が上がらないことがある。上記ラジカル重合開始剤の上記溶媒に対する仕込み方については、特に限定はなく、最初(重合反応開始前)に全量仕込む態様(吸収工程において、上記モノマー成分にラジカル重合開始剤を溶解させ、これを乳化分散させておく態様、シード粒子に重合性成分を吸収させた後ラジカル重合開始剤を仕込む態様);最初に一部を仕込んでおき、残りを連続フィード添加する態様、または、断続的にパルス添加する態様、あるいは、これらの組み合わせる態様など、従来公知の方法はいずれも採用することができる。
上記重合工程において、ラジカル重合する際の反応温度は40℃〜100℃であることが好ましく、50℃〜80℃がより好ましい。上記反応温度が40℃未満では、重合度が十分に上がらず重合体粒子の機械的特性が得られ難い場合があり、100℃を超えると、重合中に粒子間の凝集が起こりやすくなる場合がある。上記重合工程において、ラジカル重合する際の反応時間は用いる重合開始剤の種類により適宜変更可能であるが、5分〜600分であることが好ましく、10分〜300分がより好ましい。反応時間が5分未満の場合は、重合度が十分に上がらない結果となり、600分を超える場合は、粒子間の凝集が起こり易くなる。
尚、これまで、ポリオルガノシロキサン粒子(シード粒子)を合成し、得られたシード粒子に、ラジカル重合性モノマー成分を吸収させた後、重合反応を行って有機無機複合粒子を製造する方法について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリオルガノシロキサン粒子が重合性不飽和結合(好ましくはビニル基)を有する場合には、上記吸収工程を経ることなく、重合反応を行って、有機無機複合粒子を得ても良い。すなわち、上記ポリオルガノシロキサン粒子の合成工程についで、重合工程を行うことも、本発明の好ましい態様の一つであり、当該態様においても本発明の効果は得られる。
〔有機無機複合粒子〕
上記本発明の製造方法により得られる有機無機複合粒子は、数平均粒子径3〜30μmである。また、本発明の製造方法によれば、得られる有機無機複合粒子について、変動係数(CV値)で表される有機無機複合粒子の粒度分布のシャープさを15%以下にすることができる。
なお、機械的特性や光学特性は、無機質成分、有機質成分の含有比、あるいは、使用するモノマー成分の種類や量等を調整することにより、各種用途に応じて所望の特性を有するように設計することができる。例えば、光学用途に用いる場合には、吸収させるモノマーの種類や配合量を選択することで、有機無機複合粒子の屈折率を調整できる。具体的には、シード粒子に吸収させるモノマー成分として、スチレンとメチルメタクリレートとを用いる場合であれば、スチレンの配合量を増加することで屈折率を高めることができ、一方、メチルメタクリレートの配合量を増加することで、屈折率を低下させることができる。
本発明の重合体粒子の形状は、特に限定されるわけではなく、具体的には、例えば、球状、針状、板状、鱗片状、粉砕(破砕)状、繭状、金平糖状などの形状を挙げることができる。本発明に係る重合体粒子は、染料および/または顔料などで着色されたものであってもよい。なお、本発明に係る有機無機複合粒子が着色されているものである場合、染料および/または顔料は、単に重合体粒子に含まれるものでもよく、あるいは、染料および/または顔料と重合体粒子を構成するマトリックスとが化学結合によって結び付けられた構造を有するものでもよいが、特にこれらに限定されない。
また、本発明に係る有機無機複合粒子は、その表面に導体層を形成すれば、導電性微粒子としても好ましく用いられる。このとき、導体層は、有機無機複合粒子表面の少なくとも一部に形成されていればよい。
本発明に係る有機無機複合粒子の用途は、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、液晶表示素子用面内スペーサー、液晶表示素子用シール部スペーサー、EL表示素子用スペーサー、タッチパネル用スペーサー、セラミックやプラスチック等の各種基板間の隙間を均一に保持し得る隙間保持材等の隙間距離保持用スペーサーや、導電性粒子などを好ましく挙げることができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「質量部」を単に「部」と記すことがある。また、「質量%」を「wt%」と記すことがある。まず、本発明の実施例において記載する測定値の定義、測定方法、評価基準について以下に示す。
[パーティクル数の測定方法]
メタノールおよび、反応溶液中のパーティクル数は、PAMAS社製の液体用パーティクルカウンター(本体部形式:SVSS-C-16、センサー部形式:HCB-LD-50/50)を用いて測定した。
[平均粒子径と、粒子径の変動係数]
ポリオルガノシロキサン粒子、および有機無機複合粒子の平均粒子径、ならびに粒子径の変動係数は、次のようにして求めた。下記実験例で得られたポリオルガノシロキサン粒子の分散液、または、有機無機複合粒子の反応溶液各0.1mlを、1%界面活性剤水溶液(「ハイテノール(登録商標) N−08」、第一工業製薬株式会社製)5mlに分散させた後、精密粒度分布測定装置(「コールターマルチサイザーII」、ベックマン・コールター社製)のeditモードにより、30000個の粒子の粒子径を測定し、平均粒子径(数平均)を求めた。
粒子径の変動係数は、下記式に従って求めた。
〔実験例1〕
(シルセスキオキサン(ポリオルガノシロキサン)粒子の合成)
攪拌羽根、還流管、滴下口および温度計を備えた容量2Lのステンレス製の反応容器に、予め調整した超純水451g(逆浸透膜装置(「ピュアライトPRA−0030」、オルガノ株式会社製)を通した後、超純水製造装置(「PURIC−MIX II」オルガノ株式会社製)を通した水、電気伝導度0.0549μS/cm)と、工業用メタノール193g(北港化学株式会社製、パーティクル数12.8個/ml、M1)を投入し、回転数120回転で攪拌混合した後、25%アンモニア水を1.64g加え、混合溶液の温度を28℃に調節した。次いで、この混合溶液の撹拌下、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン71.5gを10秒間かけて投入し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行ったところ、数分後に反応容器内が白濁した。そのまま60分間、加水分解縮合反応を行い、シルセスキオキサン粒子(ポリオルガノシロキサン粒子)の分散液を得た。
得られたシルセスキオキサン粒子(シード粒子)の数平均粒子径を測定したところ、数平均粒子径は4.96μm、変動係数(CV値)は4.0%であった。得られたシルセスキオキサン粒子の粒子径と、このとき使用したメタノール中に含まれるパーティクル数を表1に示す。
(モノマー懸濁液の調製)
別途用意した容量1Lのガラス製のフラスコに、スチレン150g、エチレングリコールジメタクリレート150g、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)6.6g、界面活性剤(「ハイテノール(登録商標)NF−08」、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、第一工業製薬株式会社製)1.5gおよびイオン交換水204gを添加し、ホモミキサー(「T.K.ホモミキサマークII」、プライミクス株式会社製)を用いて乳化分散させて、モノマー懸濁液を調整した。
(有機無機複合粒子の合成)
得られたシルセスキオキサン粒子の懸濁液301gを、攪拌羽根と還流管を備えた2Lのガラス製フラスコに加えて攪拌した。ここに、上記モノマー懸濁液を全量一度に添加し、室温で60分間攪拌することにより、シルセスキオキサンシード粒子にモノマー成分を吸収させ、有機モノマーを吸収した膨潤粒子を作製した。なお、モノマー成分の吸収は、モノマー懸濁液の添加から60分後にフラスコから取り出したシード粒子を顕微鏡で観察することにより、シード粒子の粒子径の増大を確認した。
シード粒子がモノマーを吸収したことを確認した後、モノマー成分を吸収して膨潤した粒子分散液を65℃まで昇温し、3時間重合反応を行って、有機無機複合粒子を得た。反応溶液を冷却した後、吸引濾過により固液分離を行い、得られたケーキを真空乾燥機で乾燥し、解砕機で解砕して凝集粒子を単粒子に戻して有機無機複合粒子の粉体を得た。得られた粒子の粒子径を表1に示す。
〔実験例2〜6〕
反応溶媒として、下記に示すM2〜M6のメタノールを用いたこと以外は、上記実験例1と同様にしてシルセスキオキサン粒子を製造した。3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの投入から60分後のシルセスキオキサン粒子の粒子径と、このとき用いた各メタノール中に含まれるパーティクル数および、反応開始から60分後のシルセスキオキサン粒子の粒子径およびその変動係数(CV値)、並びに、重合後の粒子径を下記表1に併せて示す。
(メタノールの種類)
M1:工業用メタノール(北港化学株式会社製)をそのまま用いた(2μm以上のパーティクル数12.8個/ml)。
M2:試薬級メタノール(試薬特級メタノール、和光純薬工業製)をそのまま用いた(2μm以上のパーティクル数99.8個/ml)。
M3:M2のメタノールを、0.1μmのフィルター(PTFEタイプメンブレンフィルター、T010A090C、アドバンテック東洋株式会社製)で6回濾過したものを用いた(2μm以上のパーティクル数5.2個/ml)。
M4:M1のメタノールに、圧縮空気を5分間バブリングさせたものを用いた(2μm以上のパーティクル数27.8個/ml)。なお、バブリングは、シード粒子の合成工程で、合成反応系内に混入する夾雑物を再現するために行ったものである。
M5:電子工業用メタノール(品名:ELメタノール、関東化学株式会社製)をそのまま用いた(2μm以上のパーティクル数0.6個/ml)。
M6:M5のメタノールに圧縮空気を5分間バブリングさせたものを用いた(2μm以上のパーティクル数13.8個/ml)。
表1中、「2μm以上のパーティクル数」とは、アルコール(メタノール)中に含まれる2μm以上のパーティクル数を示す。「60分後の粒子径」とは、加水分解縮合反応の開始から60分後のシード粒子の粒子径を意味する。「重合後」とは、シルセスキオキサン粒子(シード粒子)を合成するのに用いた3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに対して、質量で10倍のモノマー成分を吸収させて合成した有機無機複合粒子の数平均粒子径を意味する。「CV値」は、シルセスキオキサン粒子のCV値である。
図1のグラフに示すように、合成反応系内おける特定サイズのパーティクル量を所定範囲内とすることで、製造ロット間にけるポリオルガノシロキサン粒子の粒子径のバラツキを低減できることが分かる。
本発明の製造方法によれば、所望の粒子径を有し、且つ、粒度分布の狭いポリオルガノシロキサン粒子が得られるのみならず、製造ロット間におけるポリオルガノシロキサン粒子および有機無機複合粒子の粒子径のバラツキを低レベルに抑えることができる。従って、本発明の製造方法により得られたポリオルガノシロキサン粒子を用いれば、最終製品間における品質のバラツキをごく低レベルに抑えられるものと考えられる。また、本発明の製造方法により得られる有機無機複合粒子は、晶表示素子用面内スペーサー、液晶表示素子用シール部スペーサー、EL表示素子用スペーサー、タッチパネル用スペーサー、セラミックやプラスチック等の各種基板間の隙間を均一に保持し得る隙間保持材等の隙間距離保持用スペーサーや、導電性粒子などの用途に好適である。

Claims (5)

  1. ポリオルガノシロキサン粒子の製造方法であって、
    アルコールを必須とする混合溶媒中で、アルコキシシラン化合物の加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサン粒子を合成する合成工程を含み、
    上記合成工程において、不可避不純物である粒子径2μm以上のパーティクル量が5個/ml〜200個/mlのアルコールと、電気伝導度1μS/cm以下の超純水を含む混合溶媒を用いることを特徴とするポリオルガノシロキサン粒子の製造方法。
  2. 上記合成工程を、アルコールを必須とする混合溶媒中でアルコキシシラン化合物の加水分解縮合反応を行ってポリオルガノシロキサンの1次シード粒子を生成させる生成工程と、上記生成工程で得られた1次シード粒子を含む反応溶液に、さらにアルコキシシラン化合物を添加して、1次シード粒子を成長させて2次シード粒子を得る成長工程の2段階に分けて行い、且つ、
    上記成長工程において添加するアルコキシシラン化合物量Aを下記式(I)により決定するものである請求項1に記載のポリオルガノシロキサン粒子の製造方法。
    [上記式(I)中、Aは成長工程において添加するアルコキシシラン化合物の質量(g)、rは1次シード粒子径、Rは2次シード粒子の設定粒子径、Bは、生成工程で使用したアルコキシシラン化合物の質量(g)を意味する。]
  3. 上記アルコールがメタノールである請求項1または2に記載のポリオルガノシロキサン粒子の製造方法。
  4. 上記アルコールとして、予めフィルターでろ過したアルコールを用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオルガノシロキサン粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法で得られたポリオルガノシロキサン粒子に、ラジカル重合性ビニルモノマー成分を吸収させる吸収工程、および、
    上記吸収工程で吸収させたモノマー成分をラジカル重合させる重合工程を含むことを特徴とする有機無機複合粒子の製造方法。
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