以下、図面を参照しながら、本発明に係る電気光学装置及び電子機器の各実施形態を説明する。なお、以下では、本発明に係る電気光学装置の一例として液晶装置を挙げる。
<1:液晶装置>
<1−1:液晶装置の全体構成>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置1の平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。
図1及び図2において、液晶装置1では、本発明の「基板」の一例であるTFTアレイ基板10と、対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、複数の画素部が設けられる表示領域たる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
TFTアレイ基板10上の周辺領域には、後述する光センサを含むセンサ部を制御するためのセンサ制御回路部201が形成されている。外部回路接続端子102は、外部回路及び液晶装置1を電気的に接続する接続手段の一例であるフレキシブル基板(以下、FPCと称す。)200に設けられた接続端子に接続されている。液晶装置1が有するバックライトは、FPC200に搭載されたIC回路等から構成されるバックライト制御回路202によって制御される。尚、センサ制御回路部201及びバックライト制御回路202の夫々は、液晶装置1に内蔵されていてもよいし、液晶装置1の外部に形成されていてもよい。
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。液晶装置1によって表示される画像は、対向基板20の両面のうち液晶層50に面しない側の表示面20sに表示される。尚、本実施形態では、説明の便宜上、偏光板及びカラーフィルタの図示を省略しているが、対向基板20上に偏光板及びカラーフィルタが配置されている場合には、図中において、液晶装置1の最上面が表示面になる。
液晶装置1は、図中TFTアレイ基板10の下側に配置されたバックライト206を備えている。バックライト206は、本発明の「光源」の一例であり、表示面20sの裏面側に配置されていることになる。バックライト206は、発光ダイオードの一例である点状光源の半導体発光素子が平面的に配列されることによって構成されている。バックライト206は、有機EL素子等の発光ダイオードを含んで構成されていてもよい。また、導光体により側面に配置された光源からの光を面状に発光させるサイドライト方式のバックライトが用いられてもよい。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
<1−2:液晶装置の回路構成>
次に、図3及び図4を参照しながら、液晶装置1の回路構成を説明する。図3は、液晶装置1の主要な回路構成を示したブロック図であり、図4は、センサ制御回路部201の詳細な回路構成を示したブロック図である。
図3及び図4において、液晶装置1は、センサ制御回路部201、バックライト制御回路部202、本発明の「制御手段」の一例である表示制御回路部203、本発明の「光センサ部」の一例であるセンサ部204、表示部205、及びバックライト206を備えて構成されている。
表示部205は、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成された複数の画素部から構成されている。表示制御回路部203は、走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101を備えて構成されており、外部回路部207から供給される画像信号を含む各種信号に応じた画像を表示部205が表示可能なように表示部205の動作を制御する。センサ部204は、表示部205と共に、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。
センサ制御回路部201は、センサ部204の動作を制御すると共に、バックライト206から出射される光源光の光強度を変更するための信号をバックライト制御回路部202に供給する。
ここで、図4を参照しながら、センサ制御回路部201の詳細な構成を説明する。図4に示すように、センサ制御回路部201は、画像処理回路部201a、及びメモリ201bを備えて構成されている。画像処理回路部201aは、指等の指示手段が検出される際に、指示手段が撮像された画像のデータを処理する。メモリ201bは、画像処理回路部201aから供給されたデータを記憶する。画像処理回路部201aは、メモリ201bに記憶されたデータを適時読み出し、指示手段の位置を特定する際に利用する。
再び、図3において、バックライト制御回路部202は、外部回路部207及びセンサ制御回路部201の夫々から供給された信号に基づいてバックライト206の動作を制御する。バックライト206は、バックライト制御回路部202の制御下において、液晶装置1の表示面20sを指等の指示手段が指示したことを検知するための光源光を表示面20sに出射する。
バックライト206は、外部回路部207からバックライト制御回路部202を介して供給される画像信号に応じた画像を表示面に表示するための表示光を出射する表示用光源として兼用されている。
したがって、尚、指示手段を検出するための光源光は、画像表示領域10aに所望の画像を表示するために各画素部に供給される画像信号とは別の信号が画素部、或いは光源に供給されることによって、表示面20Sから指示手段に向かって出射される。加えて、このような光源光は、画像表示領域10aに所望の画像を表示する互いに連続した一連のフレーム中に挿入される。黒画像もこれら一連のフレーム中に挿入される。
なお、バックライト206によれば、別途指示手段を検出ための検出用の光を出射するための光源を設ける必要がないため、液晶装置1の構成を簡便なものにすることができる。
<1−3:画素部の構成>
次に、図5乃至図9を参照しながら、液晶装置1の画素部の構成を詳細に説明する。図5は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図6は、画素部と共にセンサ部204の等価回路を示した等価回路である。図7は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図8は、図7のVIII−VIII´断面図である。図9は、図7のIX−IX´断面図である。尚、図8及び図9においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図5において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72の夫々は、赤色を表示するサブ画素部72R、緑色を表示するサブ画素部72G、及び青色を表示するサブ画素部72Bを含んで構成されている。したがって、液晶装置1は、カラー画像を表示可能な表示装置である。サブ画素部72R、72G及び72Bの夫々は、画素電極9a、TFT30、及び液晶素子50aを備えている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。蓄積容量70は、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
図6において、センサ部204は、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aにおいて画素部72毎に形成されており、TFT211a、211b及び211c、フォトダイオード212、並びに容量素子213を備えて構成されている。
TFT211aのゲートは、センサプリチャージ制御線302に電気的に接続されている。TFT211aのソース及びドレインの夫々は、プリチャージ線301、及びフォトダイオード212、並びに容量素子213に電気的に接続されている。
TFT211aは、センサ制御回路部201からセンサプリチャージ制御線302を介して供給されたプリチャージ制御信号に応じてオンオフが切り換えられる。フォトダイオード212は、プリチャージ線301及びTFT211aを介して供給されたプリチャージ電圧によってプリチャージされる。
TFT211bのゲートは、フォトダイオード212に電気的に接続されており、フォトダイオード212に蓄電された電荷量の変化を増幅する増幅用素子である。フォトダイオード212に生じる電荷量の変化は、フォトダイオード212が検出する光に起因して生じる。
TFT211cのゲートは、センサ出力制御線303に電気的に接続されている。TFT211cは、センサ出力制御線303を介して供給される出力制御信号に応じてオンオフが切り換えられ、フォトダイオード212で生じた電荷量の変化に対応した出力信号をセンサ出力線304を介してセンサ制御回路部201に出力する。
次に、図7乃至図9を参照して、画素部を構成するサブ画素部72sの具体的な構成を説明する。以下では、後述する指示手段の位置検出方法において黒画像及び青色画像の夫々を所定のタイミングで表示する画素部の主要な構成と、黒画像及び青色画像の夫々が表示された際に表示面20sに入射する光を検出するフォトダイオード212の構成とを詳細に説明し、これら画素部の構成要素及びフォトダイオード212と同層或いは異なる層に形成されたTFT211a、211b及び211c等の半導体素子の具体的な構成を省略する。尚、TFT211a等の半導体素子は、TFT30と同様に画素部の開口領域を透過する光が照射されないように、各画素部の開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成されている。
図7及び図8において、液晶装置1のTFTアレイ基板10上には、X方向及びY方向に対してマトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a´により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。指等の指示手段は、液晶装置1の表示面20sに接触、或いは表示面20sの所望の領域を指示することによって液晶装置1に各種情報を入力できる。
走査線3aは、半導体層1aのうち図7中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するように配置されている。走査線3aとデータ線6aとが交差する個所の夫々には画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
データ線6aは、その上面が平坦化された第2層間絶縁膜42を下地として形成された下地膜42aa上に形成されており、コンタクトホール81を介してTFT30の高濃度ソース領域に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30を遮光する機能を有している。
蓄積容量70は、高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部容量電極71と、固定電位側容量電極としての上部容量電極300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
図7及び図8に示すように、上部容量電極300は、例えば金属又は合金を含む上側遮光膜(内蔵遮光膜)としてTFT30の上側に設けられている。上部容量電極300は、固定電位側容量電極としても機能する。上部容量電極300は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)、Al(アルミニウム等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。上部容量電極300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持っていてもよい。
下部容量電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜や、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなり画素電位側容量電極として機能する。下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極300とTFT30との間に配置される、光吸収層或いは上側遮光膜の他の例としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を持つ。但し、下部容量電極71も、上部容量電極300と同様に、金属又は合金を含む単一層膜若しくは多層膜から構成されていてもよい。
容量電極としての下部容量電極71と上部容量電極300との間に配置される誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。
上部容量電極300は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。
TFT30の下側に下地絶縁膜12を介して格子状に設けられた下側遮光膜11aは、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30のチャネル領域1a´及びその周辺を遮光する。下側遮光膜11aは、上部容量電極300と同様に、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。
下地絶縁層12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。画素電極9aは、下部容量電極71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。
図7及び図8に示すように、液晶装置1は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。例えば、画素電極9aはITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなり、配向膜16は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
対向基板20には、格子状又はストライプ状の遮光膜を設けるようにしてもよい。このような構成を採ることで、上部容量電極300として設けられた上側遮光膜と併せ、TFTアレイ基板10側からの入射光のチャネル領域1a´ないしその周辺への侵入を阻止するのをより確実に阻止することができる。
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。
図8において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ゲート電極3a2、走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eは、半導体層1aの不純物領域を構成しており、チャネル領域1a´の両側にミラー対称に形成されている。
ゲート電極3a2は、ポリシリコン膜等の導電膜や、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等によって形成されており、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに重ならないように絶縁膜2を介してチャネル領域1a´上に設けられている。したがって、TFT30では、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eとゲート電極3a2とのオフセットが十分に確保されている。
尚、ゲート電極3a2の縁は、平面的に見て低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cとチャネル領域1a´との境界に重なっており、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cと、ゲート電極3a2との間に生じる寄生容量が低減されている。これにより、TFT30トランジスタの高速動作が可能となり、液晶装置1の表示性能が高められている。
加えて、液晶装置1では、ゲート電極3a2上にTFT30を覆うように形成された上部容量電極300によって、ゲート電極3a2のみによって遮光する場合に比べて効果的に低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを遮光できる。
このように、液晶装置1によれば、光リーク電流が低減されたTFT30を用いて、フリッカ等の画像表示を行う際に発生する不具合を低減でき、高品位で画像を表示できる。加えて、TFT30は、LDD構造を有しているため、TFT30の非動作時において低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに流れるオフ電流が低減され、且つTFT30の動作時に流れるオン電流の低下が抑制されている。よって、液晶装置1によれば、LDD構造の利点及び光リーク電流が殆ど流れないことを利用して高品位で画像を表示できる。
下側遮光膜11a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
第1層間絶縁膜41上には下部容量電極71及び上部容量電極300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及び85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
本実施形態における第2層間絶縁膜42は、例えばBPSG膜からなり、加熱による流動化状態を経ることによって上面が平坦化されている。即ち、その成膜時の上面には、下層側の蓄積容量70やTFT30、走査線3a、更には下地遮光膜11aの存在によって段差が生じているが、一旦流動化されることで、上面は段差による凹凸が均された状態となっている。尚、第2層間絶縁膜42は、感光性のアクリル樹脂などを用いて段差が軽減されていてもよい。
更に、データ線6aの上から第2層間絶縁膜42の全面を覆うように、コンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が、例えばBPSG膜により形成されている。画素電極9a及び配向膜16は、第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。尚、第3層間絶縁膜42は、感光性のアクリル樹脂などを用いて段差が軽減されていてもよい。
次に、図7及び図9を参照しながら、フォトダイオード212について詳細に説明する。
図7及び図9に示すように、フォトダイオード212は、画像表示領域10aにおいて、実質的に画像表示に寄与する開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成されている。開口領域は、バックライト206から出射された表示用光が透過する領域である。このような開口領域は、データ線6a等の非透過性膜が形成された非開口領域に囲まれている。開口領域において、バックライト206から出射された表示用光は、液晶層50の配向状態に応じて変調され、変調光として表示面20sから出射される。
フォトダイオード212は、表示面20sに接触する、或いは表示面20s上に位置する指示手段によって反射された反射光と外光とを検出する。センサ制御回路部201は、フォトダイオード212によって検出された反射光及び外光の夫々の光強度に基づいて指示手段の位置を特定する。フォトダイオード212は、TFTアレイ基板10側から順に下電極212e、N型半導体層212d、受光層212c及びP型半導体層212b、上電極212aが順次積層されてなるPINダイオードである。フォトダイオード212は、画像表示に寄与しない領域である非開口領域に配置されているため、画素の開口率を低下させず、各画素部の動作に応じた画像表示を阻害しない。第3層間絶縁膜43のうち非開口領域に延びる部分には、凹部152が形成されている。凹部152の底面には、フォトダイオード212の受光面212sが臨んでいる。また、対向基板20には、非開口領域を部分的に規定するブラックマトリックス153が形成されている。尚、フォトダイオード212は、TFT30と同層に水平方向に形成されていてもよい。フォトダイオード212及びTFT30を同層に形成することによって、これら素子の夫々を形成する工程を相互に共用でき、これら素子を別々の工程によって形成する場合に比べて工程を簡略化できる。
<2:指示手段の検出方法>
次に、図10乃至図12を参照しながら、液晶装置1が指示手段を検出する検出方法を説明する。図10は、表示面20sに表示される動画像を構成する一連のフレーム画像の関係を示した概念図である。
図10に示すように、表示面20sには、表示制御回路部203の制御下で各画素部の駆動が制御され、連続する一連のフレーム(図中第Nフレームから第N+5フレーム)によって、画像Gn、Gn+1、Gn+2、Gn+3、Gn+4、Gn+5が表示される。ここで、画像Gn+1は、表示面20s全体の画像部に一様に黒色が表示される黒画像であり、画像Gn+4は、表示面20s全体の画素部に一様に青色が表示される青色画像である。画像Gn、Gn+2、Gn+3、及びGn+5は、画像信号に応じて表示面20sに表示されるべき動画像等の画像を構成する画像である。画像Gn+4は、画像Gn+1に比べて高い輝度を有している。したがって、連続した一連のフレームのうち、本発明の「一のタイミング」の一例である第N+1フレームにおいて黒画像である画像Gn+1が表示され、本発明の「他のタイミング」の一例である第N+4フレームにおいて、本発明の「他の画像」の一例である画像Gn+4が表示される。
センサ部204は、第N+1フレームにおいて、表示面20sを指示する指示手段によって遮られなかった外光を検出する。センサ部204は、第N+4フレームにおいて、表示面20sから出射された青色光が指示手段によって反射された反射光を検出する。
したがって、液晶装置1によれば、外光の光強度が変化した場合でも、第N+1フレーム及び第N+4フレームの何れか一方のフレームにおいてセンサ部204によって検出された光によって指示手段を検出できる。
ここで、図10乃至図12を参照しながら、外光の光強度が変化した場合でも指示手段を検出できる原理を詳細に説明する。図11及び図12は、外光の強度に対して、タッチ部及び非タッチ部において検出される光の強度を示した一覧表である。尚、表1は、バックライトが点灯している状態、即ち表示面20sから一様に光が出射されている状態における光の検出状態を示しており、表2はバックライトが消灯している状態、即ち表示面20sから光が出射されていない状態における光の検出状態を示している。また、図11及び図12中におけるタッチ部は、指示手段によって表示面20sが指示された際に指示手段によって反射された光の強度を示しており、非タッチ部は指示手段によって遮られなかった外光の光強度を示す。
表1において、条件1及び3では、タッチ部及び非タッチ部の夫々において検出される光の強度が異なるため、指示手段を検出可能であるが、条件2ではタッチ部及び非タッチ部の夫々において検出される光強度が等しくなるため、指示手段の他の部分と識別して検出することができない。表2では、表1と同様に、条件6において指示手段を検出できない。
そこで、図10に示すように、本実施形態に係る液晶装置1によれば、互いに異なるタイミングで黒画像である画像Gn+1と、青色画像である画像Gn+4とが表示されるため、指示手段を検出できる。より具体的には、図11に示す表1中の条件2では、画像Gn+1が表示されることによって表2の条件5の状態の下で指示手段の影を検出でき、当該指示手段を他の部分と識別して検出できる。他方、図12に示す表2中の条件6では、画像Gn+4が表示されることによって表1の条件3の状態の下で指示手段によって反射された反射光を検出でき、当該指示手段を他の部分と識別して検出できる。
したがって、本実施形態に係る液晶装置1によれば、外光の光強度が変化した場合でも、表示面20sを指示する指等の指示手段を検出でき、当該検出された指示手段を介して当該液晶装置1に各種情報を確実に入力することが可能である。
加えて、本実施形態では、他の色光より検知され難い青色画像を一連のフレーム画像に挿入することから、一連のフレーム画像によって表示される動画像の表示品位を低下させることがない利点もある。
<3:電子機器>
次に、図13及び図14を参照しながら、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態を説明する。
図13は、上述した液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図13において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されており、外光の光強度が変化しても確実に情報を入力できるタッチパネル機能を有している。
次に、上述した液晶装置を携帯電話に適用した例について説明する。図14は、本実施形態の電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図14において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶装置と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。携帯電話1300によれば、指等の指示手段によって表示面を介して正確に情報を入力可能である。