JP2008209563A - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、タッチパネル機能を有する液晶装置の開口率を向上させる。
【解決手段】スペーサ151は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の間隔、言い換えればこれら基板間の基板間ギャップを一定に維持するために、TFTアレイ基板10及び対向基板20間において受光素子150に重なるように配置されている。したがって、スペーサ151は、画像表示に寄与しない領域である非開口領域に配置されていることになり、画素の開口率を低下させることがない。
【選択図】図6
【解決手段】スペーサ151は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の間隔、言い換えればこれら基板間の基板間ギャップを一定に維持するために、TFTアレイ基板10及び対向基板20間において受光素子150に重なるように配置されている。したがって、スペーサ151は、画像表示に寄与しない領域である非開口領域に配置されていることになり、画素の開口率を低下させることがない。
【選択図】図6
Description
本発明は、例えば、タッチパネル機能を有する液晶装置、及びそのような液晶装置を具備してなる電子機器の技術分野に関する。
この種の液晶装置では、液晶層を挟持するTFTアレイ基板及び対向基板間の間隔(所謂、基板間ギャップ)を一定に維持するためにこれら基板間にスペーサが配置される。例えば、特許文献1は、柱状スペーサを備えた液晶表示装置を開示している。特許文献2は、対向基板に形成された凹部に凸状のスペーサを重なるように配置することによって、TFTアレイ基板及び対向基板相互の位置ずれを低減する技術を開示している。
一方、この種の液晶装置では、指等の入力手段が液晶装置の表示面に触れたこと、或いは表示面上で動いたことを検知することによって情報の入力が可能なタッチパネル機能を有するものが知られている。このようなタッチパネル機能を有する液晶装置では、複数の画素からなる表示領域に配置された受光素子によって表示面側から入射する光を検出し、指等の入力手段が表示面に触れたこと、或いは表示面上で動いたことを検知する。受光素子は、表示領域内において画像表示に寄与する光を透過させる開口領域とは別に設けられた非開口領域、即ち画像表示に寄与しない領域に設けられる。
しかしながら、この種の液晶装置では、TFTアレイ基板及び対向基板間に配置されたスペーサによって画像表示に寄与する開口領域が拡げることができない問題点がある。より具体的には、TFTアレイ基板及び対向基板間に配置されたスペーサが、本来画像表示に寄与すべき位置に配置される液晶層の邪魔になり、スペーサのサイズに応じてTFTアレイ基板及び対向基板間において画像表示に寄与すべき領域が狭められてしまう。したがって、TFTアレイ基板上の画素のうち実質的に開口領域として使用できる割合(即ち、開口率)を低下してしまう。このような問題点は、たとえスペーサが光透過性を有する材料を用いて形成されている場合であっても、基板間にスペーサが配置される限り、画像表示に寄与すべき領域において液晶が占める領域が狭められてしまう回避困難な問題である。
また、受光素子を備えた液晶装置では、指等の入力手段の動きに応じて変化する入射光を受光素子によって検出する際に、当該入射光を受光素子に集光できないために入力手段の動きを正確に検知できない場合もある。したがって、当該入力手段の動きに応じた情報が液晶装置の表示面を介して正確に検出されなくなる問題が生じることもある。
加えて、液晶装置の表示面には、当該表示面に対して向かってあらゆる方向から光が入射するため、受光素子によって入力手段の動きを検知することが困難になる場合がある。特に、受光素子の光感度が低い場合には、入力手段の動きが誤って検出される可能性が高くなり、受光素子に対応した入力手段の動きを検知することに対する困難さがより一層顕著になる。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、指等の入力手段の動きを正確に検知可能であるタッチパネル機能を有し、且つ実質的に画像表示に寄与する開口領域を拡げること、即ち開口率を向上させることが可能な液晶装置、及びそのような液晶装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、基板と、前記基板上において前記基板に対向するように配置された対向基板と、前記基板及び前記対向基板間に挟持された液晶層と、前記基板上の表示領域を構成する複数の画素の夫々の開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成された受光素子と、前記基板及び前記対向基板間において前記受光素子に重なるように配置されたスペーサとを備える。
本発明に係る液晶装置によれば、基板は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等の画素スイッチング用素子が形成されたTFTアレイ基板である。当該液晶装置の動作時には、例えば、TFTアレイ基板に形成された画素電極と、対向基板に形成された対向電極との間に挟持された液晶層の配向が制御されることによって、表示領域に所望の画像が表示される。
受光素子は、基板上の表示領域を構成する複数の画素の夫々の開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成されている。ここで、「開口領域」とは、基板に設けられた遮光膜或いは配線等によって規定されており、画像表示に寄与する光が透過可能な画素内の領域、あるいは外光を利用した反射モードでの表示領域をいう。逆に、画素内に配線、遮光膜等が形成されており、表示に寄与しない領域、即ち開口領域を互いに隔てる領域は、「非開口領域」と呼ばれることになる。受光素子は、例えば対向基板の両面のうち液晶層に面しない側である表示面から入射する入射光を検出することによって当該表示面における指等の入力手段の動きを検知する。
スペーサは、基板及び対向基板間の間隔、言い換えればこれら基板間の基板間ギャップを一定に維持するために、基板及び対向基板間において受光素子に重なるように配置されている。したがって、スペーサは、画像表示に寄与しない領域である非開口領域に配置されていることになり、画素の開口率を低下させることがない。
より具体的には、開口領域にはスペーサが配置されていないため、開口領域全体に液晶層が形成されていることになり、開口領域にスペーサが配置されることによって開口領域の一部において画像表示に寄与しない領域が形成されることを低減できる。
よって、本発明に係る液晶装置によれば、当該液晶装置の動作時に、開口領域全体が実質的に画像表示に寄与する領域として用いられることになり、基板及び対向基板間にスペーサを配置することによって低下する開口率を向上させることが可能になる。したがって、本発明に係る液晶装置によれば、画像の表示品位を高めることが可能である。
本発明に係る液晶装置の一の態様では、前記スペーサは、前記スペーサからみて前記対向基板側から前記スペーサに入射する光を前記受光素子に集光するレンズであってもよい。
この態様によれば、例えば、基板上の表示領域のうち受光素子に重なる領域、即ち非開口領域における指等の入力手段の動きを正確に検知することが可能である。より具体的には、対向基板の両面のうち液晶層に臨まない側の面である表示面に指等の入力手段が触れた際に、スペーサは、当該表示面において受光素子に重なる領域から入射する光のみを受光素子に集光する。したがって、表示面において受光素子に重なる領域の周辺領域から入射する光が受光素子に集光されないため、当該周辺領域から入射する光が受光素子によって誤って検出されることを低減でき、指等の入力手段を介して表示面から入力される情報を正確に検出することが可能である。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記スペーサは、前記対向基板から前記基板に向かって突出した凸部として前記対向基板に形成されていてもよい。
この態様によれば、例えば受光素子に集光可能なようにスペーサのレンズ面、言い換えれば対向基板側の表面を加工しておくことが可能である。
この態様では、前記基板は、前記受光素子の受光面が臨む凹部が形成された絶縁膜を備え、前記凸部が前記凹部に嵌合されていてもよい。
この態様によれば、例えば、基板及び対向基板を貼り合わせる際に、スペーサとして機能する凸部を凹部に嵌合させることによって、基板及び対向基板の位置ずれを低減できる。このような凸部は、これら基板を貼り合わせた際に予め凹部に重なるように対向基板に形成されていればよい。
前記スペーサは、前記基板から前記対向基板に向かって突出した凸部として前記基板に形成されていることを特徴とする。
この態様によれば、例えば受光素子に集光可能なようにスペーサのレンズ面、言い換えれば基板側の表面を加工しておくことが可能である。
前記対向基板は、凹部が形成された絶縁膜を備え、前記凸部が前記凹部に嵌合されていることを特徴とする。
この態様によれば、例えば、基板及び対向基板を貼り合わせる際に、スペーサとして機能する凸部を凹部に嵌合させることによって、基板及び対向基板の位置ずれを低減できる。このような凸部は、これら基板を貼り合わせた際に予め凹部に重なるように基板に形成されていればよい。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の液晶装置を具備してなる。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る液晶装置を具備してなるので、タッチパネル機能を有し、且つ高品位の表示が可能な、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末などの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら本発明に係る液晶装置及び電子機器の各実施形態を説明する。
<1:液晶装置>
<1−1:液晶装置の全体構成>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置1の平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。
<1−1:液晶装置の全体構成>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置1の平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素部が設けられる表示領域たる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等
からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。対向電極21は、固定電位とされる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
<1−2:画素部における構成>
次に、図3乃至図6を参照しながら、液晶装置1の画素部の構成を詳細に説明する。図3は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図4は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図5は、図4のV−V´断面図である。図6は、図4のVI−VI´断面図である。尚、図5及び図6においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
次に、図3乃至図6を参照しながら、液晶装置1の画素部の構成を詳細に説明する。図3は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図4は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図5は、図4のV−V´断面図である。図6は、図4のVI−VI´断面図である。尚、図5及び図6においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図3において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の夫々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。蓄積容量70は、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に付加されている。
次に、図4乃至図6を参照して、画素部の具体的な構成を説明する。図4において、液晶装置1のTFTアレイ基板10上には、X方向及びY方向に対してマトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a´により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。液晶装置1は、PINダイオード等の受光素子150と、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の基板ギャップを一定に維持するスペーサ151を備えている。
半導体層1aのうち図4中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するように走査線3aが配置されている。このように、走査線3aとデータ線6aとが交差する個所の夫々には画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
データ線6aは、その上面が平坦化された第2層間絶縁膜42を下地として形成された下地膜42aa上に形成されており、コンタクトホール81を介してTFT30の高濃度ソース領域に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30を遮光する機能を有している。
蓄積容量70は、高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部容量電極71と、固定電位側容量電極としての上部容量電極300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
図4及び図5に示すように、上部容量電極300は、例えば金属又は合金を含む上側遮光膜(内蔵遮光膜)としてTFT30の上側に設けられている。上部容量電極300は、固定電位側容量電極としても機能する。上部容量電極300は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)、Al(アルミニウム)等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。上部容量電極300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持っていてもよい。
下部容量電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜や、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなり画素電位側容量電極として機能する。下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極300とTFT30との間に配置される、光吸収層或いは上側遮光膜の他の例としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を持つ。但し、下部容量電極71も、上部容量電極300と同様に、金属又は合金を含む単一層膜若しくは多層膜から構成されていてもよい。
容量電極としての下部容量電極71と上部容量電極300との間に配置される誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。
上部容量電極300は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。
TFT30の下側に下地絶縁膜12を介して格子状に設けられた下側遮光膜11aは、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30のチャネル領域1a´及びその周辺を遮光する。下側遮光膜11aは、上部容量電極300と同様に、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。
下地絶縁層12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。画素電極9aは、下部容量電極71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。
図4及び図5に示すように、液晶装置1は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。対向基板20における図中下側の表面には、平坦化膜としての絶縁膜20aが形成されている。
TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。例えば、画素電極9aはITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなり、配向膜16は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
図6に示すように、対向基板20には、格子状又はストライプ状の遮光膜としてのブラックマトリクス153が設けられている。このような構成を採ることで、上部容量電極300として設けられた上側遮光膜と併せ、TFTアレイ基板10側からの入射光のチャネル領域1a´ないしその周辺への侵入を阻止するのをより確実に阻止することができる。
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。
図5において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ゲート電極3a2、走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eは、半導体層1aの不純物領域を構成しており、チャネル領域1a´の両側にミラー対称に形成されている。
ゲート電極3a2は、ポリシリコン膜等の導電膜や、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等によって形成されており、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに重ならないように絶縁膜2を介してチャネル領域1a´上に設けられている。したがって、TFT30では、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eとゲート電極3a2とのオフセットが十分に確保されている。
尚、ゲート電極3a2の縁は、平面的に見て低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cとチャネル領域1a´との境界に重なっており、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cと、ゲート電極3a2との間に生じる寄生容量が低減されている。これにより、TFT30トランジスタの高速動作が可能となり、液晶装置1の表示性能が高められている。
加えて、液晶装置1では、ゲート電極3a2上にTFT30を覆うように形成された上部容量電極300によって、ゲート電極3a2のみによって遮光する場合に比べて効果的に低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを遮光できる。
このように、液晶装置1によれば、光リーク電流が低減されたTFT30を用いて、フリッカ等の画像表示を行う際に発生する不具合を低減でき、高品位で画像を表示できる。加えて、TFT30は、LDD構造を有しているため、TFT30の非動作時において低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに流れるオフ電流が低減され、且つTFT30の動作時に流れるオン電流の低下が抑制されている。よって、液晶装置1によれば、LDD構造の利点及び光リーク電流が殆ど流れないことを利用して高品位で画像を表示できる。
下側遮光膜11a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
第1層間絶縁膜41上には下部容量電極71及び上部容量電極300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及び85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
本実施形態における第2層間絶縁膜42は、例えばアクリル樹脂膜からなり、加熱による流動化状態を経ることによって上面が平坦化されている。即ち、その成膜時の上面には、下層側の蓄積容量70やTFT30、走査線3a、更には下地遮光膜11aの存在によって段差が生じているが、一旦流動化されることで、上面は段差による凹凸が均された状態となっている。
更に、データ線6aの上から第2層間絶縁膜42の全面を覆うように、コンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が、例えばアクリル樹脂膜により形成されている。画素電極9a及び配向膜16は、第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
次に、図4及び図6を参照しながら、受光素子150及びスペーサ151について詳細に説明する。
図4及び図6に示すように、受光素子150は、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aを構成する複数の画素の夫々の開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成されている。受光素子150は、対向基板20の両面のうち液晶層50に面しない側である表示面20Sから入射する入射光Lを検出することによって表示面20Sにおける指等の入力手段の動きを検知する。受光素子150は、TFTアレイ基板10側から順に下電極150e、N型半導体層150d、受光層150c及びP型半導体層150b、上電極150aが順次積層されてなるPINダイオードである。
スペーサ151は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の基板間ギャップを一定に維持するために、TFTアレイ基板10及び対向基板20間において受光素子150に重なるように配置されている。したがって、スペーサ151は、画像表示に寄与しない領域である非開口領域に配置されていることになり、画素の開口率を低下させることがない。
より具体的には、開口領域にはスペーサ151が配置されていないため、開口領域全体に液晶層50が形成されていることになり、開口領域にスペーサ151が配置されることによって開口領域の一部に形成される画像表示に寄与しない領域を低減できる。
よって、液晶装置1によれば、当該液晶装置1の動作時に、開口領域全体が実質的に画像表示に寄与する領域として用いられることになり、TFTアレイ基板10及び対向基板20間にスペーサ151を配置することによって低下する開口率を向上させることが可能になる。したがって、液晶装置1によれば、画像の表示品位を高めることが可能である。
加えて、液晶装置1では、スペーサ151は、スペーサ151からみて入射光Lを受光素子150に集光するレンズとして兼用されている。表示面20Sに指等の入力手段が触れた際に、スペーサ151は、当該表示面20Sにおいて受光素子150に重なる領域から入射する入射光Lのみを受光素子150に集光する。したがって、表示面20Sにおいて受光素子150に重なる領域の周辺領域から表示面20Sに入射する光が受光素子150に集光されないため、当該周辺領域から入射する光が受光素子150によって誤って検出されることを低減できる。よって、受光素子150は、指等の入力手段を介して表示面20Sから入力される情報を正確に検知することが可能である。
このようなスペーサ151は、対向基板20からTFTアレイ基板10に向かって突出した凸部として対向基板20に形成されている。したがって、液晶装置1では、スペーサのレンズ面151Sに合わせて対向基板20の表面に凹部を形成しておき、当該凹部にスペーサ151を形成することによって入射光Lを受光素子150に集光可能なようなレンズ面151Sを形成しつつ、スペーサ151を形成できる。
第3層間絶縁膜43のうち非開口領域に延びる部分には、凹部152が形成されている。凹部152の底面には、受光素子150の受光面150Sが臨んでいる。対向基板20からTFTアレイ基板10に向かって突出したスペーサ151は、凹部152の配置に合わせて対向基板20に形成されており、TFTアレイ基板10及び対向基板20を貼り合わせる際に、凹部152に嵌合され、TFTアレイ基板10及び対向基板20の位置ずれを低減できる。
尚、スペーサ151は、第3層間絶縁膜43の一部としてTFTアレイ基板10から対向基板20に向かって突出するように非開口領域に形成されていてもよい。スペーサ151を第3層間絶縁膜43の一部として形成することによって、第3層間絶縁膜43を精度良くパターニングしてスペーサ151となるべき凸部を受光素子150に重なるように形成することが可能である。このような凸部は、対向基板20側に形成された凹部に嵌合される。また、スペーサ151は、基板間ギャップを維持し、且つ受光素子150に重なるように形成されていればよく、平面的に見て受光素子150のサイズより大きくてもよいし、小さくてもよい。
以上説明したように、液晶装置1によれば、当該液晶装置1の動作時に、開口領域全体が実質的に画像表示に寄与する領域として用いられることになり、TFTアレイ基板10及び対向基板20間にスペーサ151を配置することによって低下する開口率を向上させることが可能になる。加えて、スペーサ151がレンズとして機能するため、受光素子150は、指等の入力手段を介して表示面20Sから入力される情報を正確に検知することが可能である。
<2:電子機器>
次に、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態を説明する。
次に、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態を説明する。
図7は、上述した液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図7において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されており、タッチパネル機能を有しており、且つ高い開口率によって表示品位が高められている。
次に、上述した液晶装置を携帯電話に適用した例について説明する。図8は、本実施形態の電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図8において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶装置と同様に受光素子上にスペーサが配置された液晶装置1005を備えている。携帯電話1300によれば、液晶装置が指等の入力手段の動きに応じた入射光を検出する受光素子及び当該受光素子上に配置されたスペーサを備えているため、開口率が高められており、高品位の画像表示が可能である。加えて、受光素子が指等の入力手段の動きを誤って検出しないようにスペーサが入射光を受光素子に集光するレンズとしても機能している。
1・・・液晶装置、10・・・TFTアレイ基板、20・・・対向基板、43・・・第3層間絶縁膜、150・・・受光素子、151・・・スペーサ、152・・・凹部
Claims (7)
- 基板と、
前記基板上において前記基板に対向するように配置された対向基板と、
前記基板及び前記対向基板間に挟持された液晶層と、
前記基板上の表示領域を構成する複数の画素の夫々の開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成された受光素子と、
前記基板及び前記対向基板間において前記受光素子に重なるように配置されたスペーサと
を備えたことを特徴とする液晶装置。 - 前記スペーサは、前記スペーサからみて前記対向基板側から前記スペーサに入射する光を前記受光素子に集光するレンズであること
を特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記スペーサは、前記対向基板から前記基板に向かって突出した凸部として前記対向基板に形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。 - 前記基板は、前記受光素子の受光面が臨む凹部が形成された絶縁膜を備え、
前記凸部が前記凹部に嵌合されていること
を特徴とする請求項3に記載の液晶装置。 - 前記スペーサは、前記基板から前記対向基板に向かって突出した凸部として前記基板に形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。 - 前記対向基板は、凹部が形成された絶縁膜を備え、
前記凸部が前記凹部に嵌合されていること
を特徴とする請求項5に記載の液晶装置。 - 請求項1から6の何れか一項に記載の液晶装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
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-
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- 2007-02-26 JP JP2007045088A patent/JP2008209563A/ja not_active Withdrawn
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