JP5076714B2 - 伝達比可変装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリングの操舵角に対する操舵輪の転舵角を運転状況に応じて変更する伝達比可変装置に関するものである。
従来より、ステアリングの操舵角に対する操舵輪の転舵角を運転状況に応じて変更する伝達比可変装置として、例えば、下記特許文献1に示す、伝達比可変操舵装置が知られている。この伝達比可変操舵装置は、操舵ハンドル(ステアリング)の操舵により上部ステアリングシャフトとともにモータ自体を回転させるときに、このモータを駆動させてモータ軸を上部ステアリングシャフトに対し相対回転させる。このモータ軸の回転が波動歯車機構により減速されて下部ステアリングシャフトに伝達されることにより、操舵角と転舵角との間の伝達比が可変された状態で転舵系に転舵角が伝達される。
また、伝達比可変装置はロック機構を備えており、このロック機構は、モータ軸の一端に固定されるロックホルダのロック溝に、ハウジング等を介し上部ステアリングシャフトに相対回転不能に固定されるロックレバーの係合爪部を係合させることにより、モータ軸と上部ステアリングシャフトとをロック(連結)する。
特開2005−053446号公報
ところで、モータの駆動によりモータ軸やロータ等(以下、回転体ともいう)が高速で回転しているときにモータ軸と上部ステアリングシャフトとをロック機構によりロックすると、高速で回転する回転体が急停止することとなり、ロックホルダに大きな衝撃トルクが生じることとなる。特に、回転体のイナーシャが大きい場合にはロック時に過剰な衝撃トルクが生じることとなり、モータ軸とロックホルダとの位置ずれ等、ロック機構に不具合が生じてしまう。
このロック時に生じる過剰な衝撃トルクを抑制するためには、回転体のイナーシャを小さくすることが考えられる。一般に回転体のイナーシャを小さくすると当該回転体の回転速度が速くなる。回転体のイナーシャをさらに小さくして回転体の回転速度をさらに速くした場合には、ロックホルダの回転速度も同様に速くなる。このため、ロックレバーの係合爪部がロックホルダの係合すべきロック溝に係合できずに他のロック溝に係合してしまい、ロック位置がずれることからロック位置精度が悪化してしまうことが考えられる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ロック時の過剰な衝撃トルクおよびロック位置精度の悪化を抑制する伝達比可変装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の伝達比可変装置では、ステアリング(12)と操舵輪(FR、FL)とを連結する車両の操舵系(14、16)の途中に設けられ、前記ステアリング側の入力軸(14)に連結されたモータ(34)であってこのモータの駆動により前記入力軸に対し相対回転する回転体(35)を前記操舵輪側の出力軸(16)に連結して前記入力軸と前記出力軸との間の伝達比を回転駆動により変化させるモータと、前記回転体の外周部に配設された被係合部材(71)の係合溝(71a)に前記入力軸に連結された係合片(76)を係合させてロックしたことにより前記入力軸と前記出力軸とを連結するロック機構(70)とを備える伝達比可変装置(30)であって、前記回転体に1または2以上の中空部分を設け当該中空部分が占める体積を増減することで、当該回転体のイナーシャが第1の閾値より大きく、かつ、第2の閾値未満になり、前記第1の閾値は、前記被係合部材の回転速度が、ロック時に前記係合片が前記被係合部材の係合すべき係合溝に係合できずに他の係合溝に係合してしまう程のロック位置精度に影響する程度のイナーシャに相当し、前記第2の閾値は、ロック時に前記被係合部材が前記回転体に対し反回転方向に位置ずれする程の過剰な衝撃トルクが前記被係合部材に生じる程度のイナーシャに相当することを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、モータの駆動により入力軸に対し相対回転する回転体のイナーシャは、当該回転体の外周部に配設された被係合部材の回転速度がロック位置精度に影響する程度、具体的には、被係合部材の回転速度が速すぎるためロック時に係合片が被係合部材の係合すべき係合溝に係合できずに他の係合溝に係合してしまう程度のイナーシャに相当する第1の閾値より大きく、かつ、ロック時に被係合部材に過剰なトルクが生じる程度、具体的には、ロック時に被係合部材が回転体に対し反回転方向に位置ずれする程の衝撃トルクが生じる程度のイナーシャに対応する第2の閾値未満である。
このように回転体のイナーシャが第1の閾値より大きくかつ第2の閾値未満に調整されることにより、被係合部材の回転速度がロック位置精度に影響するほど速くなることもなく、ロック時に被係合部材に生じる衝撃トルクが過剰になることもない。
したがって、ロック時の過剰な衝撃トルクおよびロック位置精度の悪化を抑制することができる。
特に、回転体のイナーシャは、当該回転体に1または2以上の中空部分を設け当該中空部分が占める体積を増減させることで第1の閾値より大きくかつ第2の閾値未満に調整される。これにより、回転体のイナーシャを容易に調整することができる。
請求項の発明では、回転体のイナーシャは、上記中空部分の内周に適度な形状および質量等を有するバランサを装着することにより第1の閾値より大きくかつ第2の閾値未満に調整される。これにより、中部部分を回転体に形成した後であっても当該回転体のイナーシャを容易に調整することができる。
以下、本発明の伝達比可変装置を車両制御装置に適用した一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る伝達比可変装置30を適用した車両制御装置10の構成概要を示す説明図である。
車両制御装置10は、主に、ステアリングホイール12、第1ステアリングシャフト14、第2ステアリングシャフト16、トルクセンサ18、ピニオンギヤ20、ラック軸22、ロッド24、伝達比可変装置30、ECU80等から構成されている。
図1に示すように、ステアリングホイール12は、第1ステアリングシャフト14に固定され、第1ステアリングシャフト14は伝達比可変装置30の入力側に接続されており、第2ステアリングシャフト16は伝達比可変装置30の出力側に接続されている。トルクセンサ18は、第2ステアリングシャフト16の途中に設けられる図略のトーションバー等のねじれ量から操舵トルクや操舵角を検出し、これら操舵トルクや操舵角に対応した検出信号をECU80へ出力する。
第2ステアリングシャフト16の先端のピニオンギヤ20は、ラック軸22に噛合しており、第2ステアリングシャフト16の回転運動がラック軸22の直線運動に変換されている。このラック軸22の両端にはロッド24が連結され、さらにこのロッド24の端部には図略のナックル等を介して操舵輪FR、FLが連結されている。これにより、第2ステアリングシャフト16が回転すると、ラック軸22、ロッド24等を介して操舵輪FR、FLの転舵角を変化させることができるので、第2ステアリングシャフト16の回転量および回転方向に従った操舵輪FR、FLの操舵を可能にしている。
図2は、伝達比可変装置30の断面図である。
伝達比可変装置30は、操舵角に対する操舵輪FR、FLの転舵角を操舵状況に応じて変更する装置である。当該伝達比可変装置30は、一体に結合されているハウジング52、54、56内に、第1ステアリングシャフト14と第2ステアリングシャフト16との間の伝達比を回転駆動により変化させるモータ34と、ギヤ機構としての波動歯車機構40と、第1ステアリングシャフト14と第2ステアリングシャフト16とを連結可能とするロック機構70とが設けられ、ハウジング52外にはスパイラルケーブルユニット38が設けられている。第1ステアリングシャフト14の下端14aは、伝達比可変装置30の入力側となるハウジング52に接続され、これによりハウジング52と第1ステアリングシャフト14とが一体として回転するようになっている。一方、第2ステアリングシャフト16の上端16aが伝達比可変装置30の出力側に接続されている。
モータ34は、そのモータハウジング46にてハウジング54内に固定されることによりハウジング52、54を介して第1ステアリングシャフト14に連結されてこの第1ステアリングシャフト14とともに一体として回転する。モータハウジング46は、モータハウジング本体46aとモータエンドプレート46bとから構成されており、モータハウジング本体46aの第2ステアリングシャフト16側の中央には、カップ状の軸孔46cが形成されている。モータハウジング本体46aの第1ステアリングシャフト14側には、モータハウジング本体46aの開口部を塞ぐようにモータエンドプレート46bが固定されている。
モータハウジング本体46aの内周面にはステータ34Sが固定されており、このステータ34S内には当該ステータ34Sによって回転駆動されるロータ34Rが設けられている。ロータ34R内にはモータ軸34Aが相対回転不能に固定されており、当該モータ軸34Aはロータ34Rの両端から軸方向に突出されている。また、モータ軸34Aの一端34aはモータエンドプレート46bとの間に設けたボール軸受48により支承されており、モータ軸34Aの他端34bはモータハウジング本体46aの軸孔46cとの間に設けたボール軸受58により支承されている。これにより、モータ軸34Aはモータハウジング本体46a、ハウジング52、54、56に対して同軸で回転可能になっている。
モータ軸34Aの一端34aには、当該モータ軸34Aと同軸的に形成される中空部分としての中空穴34cが設けられている。この中空穴34cは、モータ34の駆動により回転するモータ軸34Aやロータ34R等、モータ軸34Aとともに同じ速度で回転する部材(以下、回転体35ともいう)のイナーシャIMを所定の範囲内に調整するために形成されるものである。なお、このイナーシャIMの調整は、例えば、製品出荷時または部品組付時等に実施されるもので、この中空穴34cの形状と回転体35のイナーシャIMとの関係については後述する。
モータ軸34Aの他端34bには、ハーモニックドライブ(登録商標)により構成される波動歯車機構40が接続されている。当該波動歯車機構40は、モータ軸34Aの他端34bが嵌入されてモータ軸34Aと一体回転可能なウェーブジェネレータ64を有している。このウェーブジェネレータ64は、軸直角断面が略楕円形状のカム64aと、このカム64aの外周に設けられたボール軸受64bとを備えている。ボール軸受64bの内輪はカム64aの外周に固定されており、ボール軸受64bの外輪はボールを介して弾性変形可能である。ウェーブジェネレータ64の外周にはボール軸受64bの外輪と一体的に弾性変形可能な環状のフレクスプライン66が設けられている。このフレクスプライン66の外周には外歯66aが形成されている。
また、ハウジング54内のモータ34側には環状のステイサーキュラスプライン68が形成されている。ステイサーキュラスプライン68の内周にはフレクスプライン66の外歯66aの歯数(100)より多い歯数(102)の内歯68aが形成され、これによりステイサーキュラスプライン68はフレクスプライン66と噛合している。
ハウジング54内の第2ステアリングシャフト16側にはステイサーキュラスプライン68と隣接する環状のドライブサーキュラスプライン69が、軸受メタル54aを介して回転可能に支承されている。ドライブサーキュラスプライン69の内周にはフレクスプライン66の外歯66aと同数(100)の内歯69aが形成され、これによりドライブサーキュラスプライン69もフレクスプライン66と噛合している。
モータハウジング本体46aと波動歯車機構40との間には保護プレート67が設けられている。そして、ドライブサーキュラスプライン69には第2ステアリングシャフト16の上端16aが固定されている。
即ち、第1ステアリングシャフト14と共にハウジング52、54、56が回転するように構成されており、上述したハーモニックドライブ(登録商標)からなる波動歯車機構40により、第1ステアリングシャフト14の回転は、50/51にされて第2ステアリングシャフト16を回転させる。一方、上述したようにモータ34の回転は、(1/50)×(50/51)に減速されて第2ステアリングシャフト16を回転させる。このモータ34による第2ステアリングシャフト16の回転に伴って左右の操舵輪FR、FLの転舵角が変更される。
図3は、図2に示す3−3線相当の切断面による断面図である。
ロック機構70は、モータ軸34Aをハウジング52にロック(連結)可能な機構であって、当該ロック機構70は、図2および図3に示すように、モータ軸34Aの一端34aの外周に配設されて当該モータ軸34Aと一体となって回転するロックホルダ71と、モータエンドプレート46bに固定される略円板状のロックベース72と、ハウジング52に対して軸心と平行なロックピン73回りで金属製のブッシュ74を介して揺動可能に軸支され、ソレノイド75により駆動される単一のロックレバー76とを有している。
ロックホルダ71の外周には、複数のロック溝71aが形成されており、ロックレバー76の一端には各ロック溝71aに係合可能な単一の係合爪部76aが形成されている。ロックピン73の周囲には、一端がハウジング52に固定され、他端がロックレバー76の反ロックベース72側に固定される第1ねじりコイルばね73aが設けられている。また、そのロックピン73の周囲には、一端がロックレバー76のロックベース72側に固定され、他端がロックベース72に固定される第2ねじりコイルばね73bが設けられている。これら第1、第2ねじりコイルばね73a、73bは、ロックレバー76の係合爪部76aがロックホルダ71に近接するように当該ロックレバー76を付勢している。
このように構成されたロック機構70は、ソレノイド75が励磁されることによりロックレバー76が図3において反時計回りに揺動し、ロックレバー76の係合爪部76aとロックホルダ71のロック溝71aとの係合が解かれ、アンロック状態となる。また、ソレノイド75への励磁が停止されると、第1、第2ねじりコイルばね73a、73bの付勢力によってロックレバー76が時計回りに揺動し、ロックレバー76の係合爪部76aがロックホルダ71のロック溝71aに係合して、第1ステアリングシャフト14とモータ軸34Aとがロック(連結)されたロック状態となる。なお、ソレノイド75の励磁の有無は、ECU80により制御される。
スパイラルケーブルユニット38は、図示しない車体に保持される略筒状の筐体38aと、この筐体38aの内側に筐体38aに対して相対回転可能に設けられハウジング52外で当該ハウジング52に固定された内筒38bとを有している。また、筐体38aと内筒38bとの間には複数のリード線を絶縁被覆してなるフレキシブルフラットケーブル38cが設けられており、このフレキシブルフラットケーブル38cは、一端が内筒38bに接続されて当該内筒38bの周囲に巻回され、他端が筐体38aに接続されている。フレキシブルフラットケーブル38cと接続されて内筒38bから延出するリード線はモータ34のステータ34S等に接続され、フレキシブルフラットケーブル38cと接続されて筐体38aから延出するリード線は車体の図示しないバッテリ及びECU80にコネクタにより接続される。
ECU80は、モータ34を駆動制御するモータ駆動回路を含む制御装置であって、トルクセンサ18により検出される操舵トルクや操舵角等の操舵状況に応じてステアリングホイール12の操舵角に対する操舵輪FR、FLの転舵角が変化させるようにモータ34を駆動する。また、ECU80は、ステアリングホイール12の操舵角に対する操舵輪FR、FLの転舵角を変化させる場合にはロック機構70のソレノイド75を励磁し(アンロック状態)、ステアリングホイール12の操舵角に対する操舵輪FR、FLの転舵角の変化を一定にする場合にはロック機構70のソレノイド75の励磁を停止する(ロック状態)。
ここで、回転体35のイナーシャIMとモータ軸34Aの中空穴34cの形状との関係について、図4〜図7を用いて説明する。図4は、回転体35のイナーシャIMと回転速度Vとの関係を例示する説明図である。図5は、回転体35のイナーシャIMとロック時のロックホルダ71に生じる衝撃トルクTsとの関係を例示する説明図である。図6は、モータ軸34Aの中空穴34cの内径を大きくした伝達比可変装置30を例示する断面図である。図7は、モータ軸34Aの中空穴34cを廃止し中実に形成した伝達比可変装置30を例示する断面図である。
図4に示すように、一般に回転体35のイナーシャIMが小さくなるほど回転体35の回転速度Vが速くなる。回転体35の回転速度V、即ち、ロックホルダ71の回転速度Vが速くなりすぎてロックレバー76の係合爪部76aがロックホルダ71の係合すべきロック溝に係合できずに他のロック溝に係合する程の速度(以下、限界速度Vともいう)を超えてしまうと、ロック位置がずれてしまいロック位置精度が悪化することとなる。
そこで、回転体35の回転速度Vが限界速度Vと等しくなるときの回転体35のイナーシャIMを第1イナーシャIMとすると、当該回転体35のイナーシャIMを第1イナーシャIMより大きくすることにより、回転体35の回転速度Vを限界速度V未満にし得る。ここで、本実施形態においては、限界速度Vは、例えば、1000rad/sに設定されており、この限界速度Vに対応する第1イナーシャIMは、例えば、4.7×10−6kg・mに設定されている(図4参照)。
また、図5に示すように、一般に回転体35のイナーシャIMが大きくなるほど、モータ軸34Aとともに回転するロックホルダ71のロック溝71aにロックレバー76の係合爪部76aを係合するとき(以下、ロック時ともいう)の当該ロックホルダ71に生じる衝撃トルク(以下、衝撃トルクTsともいう)が増加する。この衝撃トルクTsが増加しすぎてロック時にロックホルダ71が回転体35に対し反回転方向に位置ずれする程の過剰な衝撃トルク(以下、限界トルクTsともいう)を超えてしまうと、モータ軸34Aとロックホルダ71との位置ずれ等、ロック機構70に不具合が生じることとなる。
そこで、衝撃トルクTsが限界トルクTsと等しくなるときの回転体35のイナーシャIMを第2イナーシャIMとすると、当該回転体35のイナーシャIMを第2イナーシャIM未満にすることにより、衝撃トルクTsを限界トルクTs未満にし得る。ここで、本実施形態においては、限界トルクTsは、例えば、30N・mに設定されており、この限界トルクTsに対応する第2イナーシャIMは、例えば、8.15×10−5kg・mに設定されている(図5参照)。
以上のことから、回転体35のイナーシャIMを第1イナーシャIMより大きくかつ第2イナーシャIM未満にすることで、回転体35の回転速度Vが限界速度V未満となり、かつ、ロック時の衝撃トルクTsが限界トルクTs未満となる。これにより、ロックホルダ71の回転速度Vがロック位置精度に影響するほど速くなることもなく、ロック時にロックホルダ71に生じる衝撃トルクTsが過剰になることもない。
本実施形態においては、回転体35のイナーシャIMが第1イナーシャIMより大きくかつ第2イナーシャIM未満になるように、モータ軸34Aの一端34aに形成される中空穴34cの形状、例えば、内径等が設定されている。回転体のイナーシャは、一般に当該回転体の径の二乗および質量に比例するからである。
また、回転体35のイナーシャIMを小さくする場合には、中空穴34cをその内径が大きくなるように形成する(図6参照)。一方、回転体35のイナーシャIMを大きくする場合には、中空穴34cをその内径が小さくなるように形成する。さらに回転体35のイナーシャIMを大きくする場合には、中空穴34cを設けることなくモータ軸34Aの一端34aを中実に形成する(図7参照)。このように、中空穴34cの形状を変更することにより、回転体35のイナーシャIMを調整し得る。
以上説明したように、本実施形態に係る伝達比可変装置30では、回転体35のイナーシャIMは、第1イナーシャIM(ロックホルダ71の回転速度Vがロック位置精度に影響する程度、例えば、回転速度Vが速すぎるためロック時にロックレバー76の係合爪部76aがロックホルダ71の係合すべきロック溝に係合できずに他のロック溝に係合してしまう程度のイナーシャ)よりも大きく、かつ、第2イナーシャIM(ロック時にロックホルダ71に過剰なトルクが生じる程度、例えば、ロック時にロックホルダ71が回転体35に対し反回転方向に位置ずれする程の衝撃トルクTsが生じる程度のイナーシャ)未満である。
このように回転体35のイナーシャIMが、例えば、製品出荷時または部品組付時等に、第1イナーシャIMより大きくかつ第2イナーシャIM未満に調整されることにより、ロックホルダ71の回転速度Vがロック位置精度に影響するほど速くなることもなく、ロック時にロックホルダ71に生じる衝撃トルクTsが過剰になることもない。
したがって、ロック時の過剰な衝撃トルクTsおよびロック位置精度の悪化を抑制することができる。さらに、ロック時の過剰な衝撃トルクTsが抑制されるため、モータ軸34Aとロックホルダ71との間に、トレランスリング等、所定値を超えるトルクの伝達を防止するトルクリミット機構を設ける必要もないので、部品点数が削減されて製造コストを低減することができる。
また、本実施形態に係る伝達比可変装置30では、回転体35のイナーシャIMは、モータ軸34Aの一端34aに中空部分である中空穴34cを設け当該中空穴34cが占める体積を増減させることで第1イナーシャIMより大きくかつ第2イナーシャIM未満に調整される。これにより、回転体35のイナーシャIMを容易に調整することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)回転体35のイナーシャIMを調整するために、モータ軸34Aの一端34aに形成される中空穴34cの内径を変更することに限らず、モータ軸34Aの一端34aにスリット等の非円筒状である中空部分を設けてこの中空部分が占める体積を増減させることにより、回転体35のイナーシャIMを調整してもよい。
(2)回転体35のイナーシャIMを調整するために、モータ軸34Aの一端34aに形成される中空穴34cの内径を変更することに限らず、図8に示すように、モータ軸34Aの一端34aに円筒状または非円筒状である中空部分34dを2以上設けて当該中空部分が占める総体積を増減させることにより、回転体35のイナーシャIMを調整してもよい。
(3)回転体35のイナーシャIMを調整するために、モータ軸34Aの一端34aに形成される中空穴34cの内径を変更することに限らず、図9に示すように、この中空穴34cの内周に、例えば、円筒状のバランサ36を装着することにより回転体35のイナーシャIMを調整してもよい。これにより、中空穴34cをモータ軸34Aの一端34aに形成した後であっても回転体35のイナーシャIMを容易に調整することができる。
本実施形態に係る伝達比可変装置を適用した車両制御装置の構成概要を示す説明図である。 図1の伝達比可変装置の断面図である。 図2に示す3−3線相当の切断面による断面図である。 回転体のイナーシャと回転速度との関係を例示する説明図である。 回転体のイナーシャとロック時のロックホルダに生じる衝撃トルクとの関係を例示する説明図である。 モータ軸の中空穴の内径を大きくした伝達比可変装置を例示する断面図である。 モータ軸の中空穴を廃止し中実に形成した伝達比可変装置を例示する断面図である。 モータ軸に中空部分を2つ設けた伝達比可変装置を例示する断面図である。 モータ軸の中空穴の内周にバランサを装着した伝達比可変装置を例示する断面図である。
符号の説明
10…車両制御装置
14…第1ステアリングシャフト(入力軸)
16…第2ステアリングシャフト(出力軸)
30…伝達比可変装置
34…モータ
34A…モータ軸
34R…ロータ
34c…中空穴
35…回転体
70…ロック機構
71…ロックホルダ
71a…ロック溝
76…ロックレバー
76a…係合爪部
IM…イナーシャ
IM…第1イナーシャ(第1の閾値)
IM…第2イナーシャ(第2の閾値)
Ts…衝撃トルク
Ts…限界トルク
V…回転速度
…限界速度

Claims (2)

  1. ステアリングと操舵輪とを連結する車両の操舵系の途中に設けられ、
    前記ステアリング側の入力軸に連結されたモータであって、このモータの駆動により前記入力軸に対し相対回転する回転体を前記操舵輪側の出力軸に連結して前記入力軸と前記出力軸との間の伝達比を回転駆動により変化させるモータと、
    前記回転体の外周部に配設された被係合部材の係合溝に前記入力軸に連結された係合片を係合させてロックしたことにより前記入力軸と前記出力軸とを連結するロック機構とを備える伝達比可変装置であって、
    前記回転体に1または2以上の中空部分を設け当該中空部分が占める体積を増減することで、当該回転体のイナーシャが第1の閾値より大きく、かつ、第2の閾値未満になり、
    前記第1の閾値は、前記被係合部材の回転速度が、ロック時に前記係合片が前記被係合部材の係合すべき係合溝に係合できずに他の係合溝に係合してしまう程のロック位置精度に影響する程度のイナーシャに相当し、
    前記第2の閾値は、ロック時に前記被係合部材が前記回転体に対し反回転方向に位置ずれする程の過剰な衝撃トルクが前記被係合部材に生じる程度のイナーシャに相当することを特徴とする伝達比可変装置。
  2. 前記中空部分の内周にバランサを装着することにより前記回転体のイナーシャを前記第1の閾値より大きくかつ前記第2の閾値未満に調整することを特徴とする請求項1記載の伝達比可変装置。
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