JP2007062655A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロック機構の作動時におけるロックアーム及びロックホルダの損傷を防止してその高い信頼性を確保することのできる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】 マイコン71は、ロック機構30をロック状態とすべき所定条件が成立したか否かを判定するロック条件検出部73と、ロック信号を出力すべきか否かを判定するロック判定部74とを備え、ロック判定部74には、ロック条件検出部73の出力するロックON信号S_LonとともにEPS異常信号が入力される。そして、ロック判定部74は、モータ軸の回転速度が所定速度以上である場合には、ロックON信号S_Lon又はEPS異常信号の入力がある場合であってもロック信号を出力しない。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ステアリングと操舵輪との間の伝達比(ギヤ比)を変更可能な伝達比可変装置に設けられ入力軸と出力軸とを相対回転不能にロックするロック機構を備えた車両用操舵装置に関するものである。
従来、モータを駆動源として、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置があり、このような伝達比可変装置には、入力軸と出力軸とを相対回転不能にロック可能なロック機構が設けられたものがある。
例えば、特許文献1に記載の伝達比可変装置は、入力軸とともに一体回転するハウジングと、該ハウジング内に回転可能に軸支されたモータ軸と、ハウジングに固定されモータ軸及び出力軸に連結されることにより入力軸の回転を出力軸に伝達するとともに、モータ軸の回転を減速して同出力軸に伝達する差動機構とを備えている。そして、この伝達比可変装置において、ロック機構は、前記ハウジング側に設けられたロックアームと、モータ軸に固定されるともに周面にロックアームが係合される係合溝が形成されたロックホルダとにより構成されている。即ち、ロックアームをロックホルダの係合溝に係合させることにより、モータ軸とハウジングとを相対回転不能に連結する。そして、これにより、入力軸と同ハウジングに連結された出力軸とを相対回転不能にロックするようになっている。
特開2003−320943号公報
ところが、ロック機構の作動時に、必ずしもモータ軸が停止しているとは限らない。即ち、回転するロックホルダの係合溝内にロックアームが挿入される瞬間には、同ロックアーム及びロックホルダ(特にその係合部分)に大きな衝撃荷重がかかることとなり、その衝撃荷重はロックホルダ、即ちモータ軸が高速回転しているときほど大きなものとなる。このため、ロックアーム及びロックホルダについては、通常使用時に想定される以上の衝撃荷重にも耐えうるように高い強度が確保されている。
しかしながら、例えば、縁石等の障害物への衝突時等、操舵輪への外部入力があった場合には、その荷重が出力軸からモータ軸へと伝達されることで、モータ軸が上記の想定範囲を超えて高速回転する可能性がある。このため、こうした状況においてロック機構を作動させようとすれば、その係合時に加わる衝撃荷重によりロックアーム及びロックホルダが破損するおそれがある。そして、特に、パワーステアリング装置の失陥が併発した場合には、その外部入力荷重をアシスト力で相殺することができず、この外部入力荷重がそのままモータ軸に伝達されことで同モータ軸が極めて高速に回転することから、上記のような破損を招く可能性はより一層高いものとなる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ロック機構の作動時におけるロックアーム及びロックホルダの損傷を防止してその高い信頼性を確保することのできる車両用操舵装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記伝達比可変装置は、入力軸に固定され該入力軸とともに一体回転するハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に軸支されたモータ軸と、前記ハウジングに固定され前記モータ軸及び出力軸に連結されることにより前記入力軸の回転を前記出力軸に伝達するとともに前記モータ軸の回転を減速して該出力軸に伝達する差動機構と、前記モータ軸と前記ハウジングとを連結することにより前記入力軸と出力軸とを相対回転不能にロック可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記ハウジングに設けられたロックアームと、前記モータ軸に固定されるとともに前記ロックアームが係合される係合溝が形成されたロックホルダとを有し、前記制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記ロックアームを前記係合溝に係合させて前記ロック機構をロック状態とすべく前記制御する車両用操舵装置であって、前記制御手段は、前記モータ軸の回転速度が所定速度以上である場合には、前記所定条件が成立した場合であっても、前記ロック機構をロック状態としないこと、を要旨とする。
請求項2に記載の発明は、ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記伝達比可変装置は、前記入力軸又は出力軸と同軸配置されたモータ軸と、前記モータ軸、前記入力軸及び出力軸に対して回転伝達可能に連結されることにより前記入力軸の回転を前記出力軸に伝達するとともに前記モータ軸の回転を減速して該出力軸に伝達する差動機構と、前記モータ軸と該モータ軸と前記同軸配置された前記出力軸又は出力軸とを連結することにより前記入力軸と出力軸とを相対回転不能にロック可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記モータ軸側、又は前記入力軸若しくは前記出力軸側のうち該モータ軸と同軸配置された側の一方と一体回転可能に設けられたロックアームと、前記ロックアームが設けられた側の他方側と一体回転に設けられるとともに前記ロックアームが係合される係合溝が形成されたロックホルダとを有し、前記制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記ロックアームを前記係合溝に係合させて前記ロック機構をロック状態とすべく前記制御する車両用操舵装置であって、前記制御手段は、前記モータ軸の回転速度が所定速度以上である場合には、前記所定条件が成立した場合であっても、前記ロック機構をロック状態としないこと、を要旨とする。
上記各構成によれば、モータ軸の回転速度が所定速度よりも小さくなるまでロック作動が行われない。従って、ロックアーム及びロックホルダにその耐用限界を超える衝撃荷重がかかることがなく、その結果、ロック作動時におけるロックアーム及びロックホルダの損傷を防止して高い信頼性を確保することができる。
請求項3に記載の発明は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するアシスト力付与手段と、該アシスト力付与手段の異常を検出する異常検出手段とを備え、前記所定条件は、前記アシスト力付与手段の異常が検出された場合を含むこと、を要旨とする。
即ち、アシスト力付与手段の停止により外部入力荷重を相殺できない状態においては、その外部入力荷重によってモータ軸が通常使用の範囲を超えて高速回転しやすい。従って、こうした状況においてロック機構をロック状態とするのが望ましい。しかし、アシスト力付与手段の停止と外部入力が同時に起こり、モータ軸が高速回転している状況下においてロック作動を行うとすればロックアームやロックホルダが損傷するおそれがある。この点、上記構成によれば、モータ軸が高速回転している場合には、上記請求項1、2の構成によりロック作動が行われないため、ロックアーム及びロックホルダが損傷することがない。そして、モータ軸の回転が低速となった後にロック状態とすることで、以降、外部入力荷重によってモータ軸が通常使用の範囲を超えて高速回転することを防止することができる。
本発明によれば、ロック機構の作動時におけるロックアーム及びロックホルダの損傷を防止してその高い信頼性を確保することの可能な車両用操舵装置を提供することができる。
以下、本発明をギヤ比可変システムを備えた車両用操舵装置(ステアリング装置)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のステアリング装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により操舵輪6の舵角、即ちタイヤ角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
また、本実施形態のステアリング装置1は、ステアリングホイール2の舵角(操舵角)に対する操舵輪6の舵角(タイヤ角)の比率、即ち伝達比(ギヤ比)を可変させる伝達比可変装置としてのギヤ比可変アクチュエータ7と、該ギヤ比可変アクチュエータ7の作動を制御する制御手段としてのIFSECU8とを備えている。
図2に示すように、本実施形態のギヤ比可変アクチュエータ7は、駆動源としてのモータ11と、差動機構としてのハーモニックドライブ(登録商標)12とを備えており、第1シャフト9の回転を第2シャフト10に伝達するとともにモータ11の回転を減速して第2シャフト10に伝達する。そして、ステアリング操作に伴う第1シャフト9の回転に、モータ駆動に基づく回転を上乗せして第2シャフト10に伝達することにより、ラックアンドピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)し、これにより操舵角に対する操舵輪6の伝達比を可変させる。
詳述すると、モータ11を収容するハウジング13は、略有底筒状に形成されており、モータ11は、そのモータ軸11aとハウジング13とが同軸になるように同ハウジング13内に固定されている。また、ハウジング13の上壁部13aには、同ハウジング13と同軸となる位置に筒状の嵌合部14が設けられており、同嵌合部14は、その軸方向外側(図中上方向)に向かって延設されている。そして、ハウジング13は、その嵌合部14と第1シャフト9の一端とが嵌合されることにより同第1シャフト9に固定され、これにより、第1シャフト9とともに一体回転するようになっている。
一方、ハーモニックドライブ12は、同軸に並置されたステータギヤ21及びドリブンギヤ22と、これらの各ギヤと噛み合うように同軸配置された筒状のフレキシブルギヤ23とを備えている。ステータギヤ21は、ハウジング13と同軸となるように同ハウジング13に固定されており、ドリブンギヤ22は、連結部材25を介して第2シャフト10と同軸に連結されている。ステータギヤ21及びドリブンギヤ22には、互いに異なる歯数が設定されており、フレキシブルギヤ23は、楕円状に撓められた状態でこれら各ギヤの内側に配置されることにより、その外歯が該各ギヤの内歯とそれぞれ部分的に噛合されている。そして、ハウジング13とともにステータギヤ21が回転し、そのステータギヤ21の回転がフレキシブルギヤ23を介してドリブンギヤ22に伝達されることにより、ステアリング操作に伴う第1シャフト9の回転が第2シャフト10に伝達されるようになっている。
また、フレキシブルギヤ23の内側には、上記ステータギヤ21及びドリブンギヤ22とともにハーモニックドライブ12を構成する波動発生器27が配置されている。波動発生器27は、モータ軸11aに連結されており、モータ軸11aの回転に伴いフレキシブルギヤ23の内側を回転することにより、上記撓められたフレキシブルギヤ23の楕円形状、即ちステータギヤ21及びドリブンギヤ22との噛合部を回転させる。そして、ステータギヤ21とドリブンギヤ22との間の歯数差に基づいて、ドリブンギヤ22が波動発生器27の回転と逆方向に回転することにより、モータ軸11aの回転が減速されて第2シャフト10に伝達されるようになっている。尚、本実施形態のギヤ比可変アクチュエータ7では、ハウジング13の上壁部13aにスパイラルケーブル装置24が設けられている。そして、このスパイラルケーブル装置24により、所定の回転範囲(許容回転範囲)においてモータ11とIFSECU8、並びに後述するロック機構30のソレノイド37とIFSECU8とが電気的に接続されるようになっている。
また、ギヤ比可変アクチュエータ7は、入力軸である第1シャフト9と出力軸である第2シャフト10とを相対回転不能にロック可能なロック機構30を備えており、同ロック機構30は、ハウジング13側に設けられたロックアーム31と、モータ軸11aの一端に固定され該モータ軸11aとともに一体回転するロックホルダ32とを備えている。
図3に示すように、本実施形態では、ロックホルダ32は環状に形成され、モータ軸11aと同軸に固定されている。そして、その周面には、ロックアーム31が係合される被係合部として、その厚み方向(軸方向)に延びる複数の係合溝33が凹設されている。一方、図2及び図3に示すように、ロックアーム31は、ロックホルダ32の外側において、回動可能にハウジング13内に軸支されている。具体的には、ハウジング13(詳しくはハウジング13に固定されたモータハウジング11の一端)には、モータ軸11aの軸線方向に沿って延びる回動軸34が設けられており、ロックアーム31は、この回動軸34により、ロックホルダ32と対向する位置(ロックホルダ32の回転平面と略同一の平面上)において回動可能に軸支されている。本実施形態では、ロックアーム31の一端(フック部31a)には、ロックホルダ32の周面に向かって突出する係合爪35が設けられている。そして、ロックアーム31は、その回動により、この係合爪35がロックホルダ32側の係合溝33と係合するようになっている。
本実施形態のロック機構30では、ロックアーム31は、コイルバネ36の弾性力により、そのフック部31aがロックホルダ32側に向かって回動するよう付勢されている。尚、本実施形態では、回動軸34に遊嵌された捻りコイルバネを用いるが、説明の便宜のため、図中では、その機能のみを概念的に図示するものとする。そして、ロックアーム31の他端、即ち回動軸34を挟んで上記係合爪35と対向する側の端部(カウンタバランサ部31b)には、ロック機構30の駆動源であるソレノイド37のプランジャ38が連結されている。具体的には、ソレノイド37は、ロックホルダ32の外側において、そのプランジャ38がモータ軸11aの軸線方向と略直交する方向に突出するように配設されており、同プランジャ38の先端は、ロックアーム31のカウンタバランサ部31bと回動可能に連結されている。本実施形態では、プランジャ38の基端部が収容されるソレノイド本体39の底部には、コイルバネ40が配設されており、プランジャ38は、このコイルバネ40の弾性力により、その先端がソレノイド本体39から突出する方向に付勢されている。そして、本実施形態のソレノイド37は、その励磁コイル41への通電がなされる、即ちオン状態となることにより、コイルバネ40の弾性力に抗してプランジャ38をソレノイド本体39の内部へと引き込むようになっている。
即ち、本実施形態のロック機構30では、非ロック時には、ソレノイド37をオン状態とし、ロックアーム31のカウンタバランサ部31bに連結されたプランジャ38を引き込むことにより、そのフック部31aがロックホルダ32から離間する方向にロックアーム31を回動させる。また、ロック時には、ソレノイド37をオフ状態とすることにより、コイルバネ36の弾性力によって、そのフック部31aがロックホルダ32に近接する方向にロックアーム31を回動させる。そして、この回動によって、フック部31a先端の係合爪35をロックホルダ32側の係合溝33と係合させることにより、ロックアーム31が設けられたハウジング13とロックホルダ32が設けられたモータ軸11aとを相対回転不能に連結し、これにより、第1シャフト9と第2シャフト10とを相対回転不能にロックするようになっている。
また、図1に示すように、ステアリング装置1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ47と、該EPSアクチュエータ47の作動を制御するEPSECU48とを備えている。本実施形態のEPSアクチュエータ47は、その駆動源であるモータ49がラック5と同軸に配置される所謂ラック型のEPSアクチュエータであり、モータ49の発生するアシストトルクは、ボール送り機構(図示略)を介してラック5に伝達される。そして、EPSECU48は、このモータ49が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する。即ち、本実施形態では、EPSアクチュエータ47及びEPSECU48によりアシスト力付与手段が構成されている。
本実施形態では、上記のギヤ比可変アクチュエータ7を制御するIFSECU8、及びEPSアクチュエータ47を制御するEPSECU48は、車内ネットワーク(CAN:Controller Area Network)50を介して接続されており、該車内ネットワーク50には、車両状態量を検出するための複数のセンサが接続されている。具体的には、車内ネットワーク50には、操舵角センサ51、トルクセンサ52、及び車速センサ53が接続されている。そして、上記各センサにより検出される複数の車両状態量、即ち操舵角θs(操舵速度ωs)、操舵トルクτ、車速Vは、車内ネットワーク50を介してIFSECU8及びEPSECU48に入力される。尚、本実施形態では、操舵速度ωsは、操舵角θsを微分することにより求められる。また、IFSECU8及びEPSECU48は、車内ネットワーク50を介した相互通信により、制御信号の送受信を行う。そして、IFSECU8及びEPSECU48は、車内ネットワーク50を介して入力された上記各車両状態量及び制御信号に基づいて、ギヤ比可変アクチュエータ7並びにギヤ比可変アクチュエータの作動を制御する。
次に、本実施形態のステアリング装置の電気的構成及び制御態様について説明する。
図4は、本実施形態のステアリング装置1の制御ブロック図である。同図に示すように、IFSECU8は、モータ制御信号を出力するマイコン61と、モータ制御信号に基づいてモータ11に駆動電力を供給する駆動回路62とを備えている。尚、本実施形態では、ギヤ比可変アクチュエータ7の駆動源であるモータ11は、ブラシレスモータであり、駆動回路62は入力されるモータ制御信号に基づいてモータ11に三相(U,V,W)の駆動電力を供給する。また、以下に示す各制御ブロックは、マイコン61(71)が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
詳述すると、マイコン61は、ギヤ比可変制御演算部63及び微分ステア制御演算部64を備え、これら各制御演算部は、それぞれ入力される車両状態量に基づいてACT角θtaの制御目標成分を演算する。
具体的には、ギヤ比可変制御演算部63には、操舵角θs及び車速Vが入力され、微分ステア制御演算部64には、車速V及び操舵速度ωsが入力される。そして、ギヤ比可変制御演算部63は、車速Vに応じてギヤ比を可変させるための制御目標成分であるギヤ比可変ACT指令角θgr*を演算し、微分ステア制御演算部64は、操舵速度に応じて車両の応答性を向上させるための制御目標成分である微分ステア指令角θls*を演算する。
ギヤ比可変制御演算部63及び微分ステア制御演算部64により演算されたギヤ比可変ACT指令角θgr*及び微分ステア指令角θls*は、加算器65へと入力される。そして、この加算器65において、これらギヤ比可変ACT指令角θgr*及び微分ステア指令角θls*が重畳されることによりACT角θtaの制御目標であるACT指令角θta*が演算される。
加算器65にて演算されたACT指令角θta*は、モータ11に設けられた回転角センサ66の出力信号に基づき検出されるACT角θtaとともに、位置制御演算部67に入力される。位置制御演算部67は、入力されたACT指令角θta*及びACT角θtaに基づくフィードバック演算により電流指令εを演算し、その電流指令εをモータ制御信号出力部68に入力する。そして、モータ制御信号出力部68が、その電流指令εに基づくモータ制御信号を生成し、駆動回路62が入力されたモータ制御信号に基づく駆動電力をギヤ比可変アクチュエータ7のモータ11に供給することにより、同ギヤ比可変アクチュエータ7の作動が制御されるようになっている。
また、本実施形態では、IFSECU8は、ギヤ比可変制御用のマイコン61及び駆動回路に加え、ロック制御用、即ちソレノイド37に駆動電力を供給する駆動回路70と、該駆動回路70にロック機構30をロックすべき旨を示す信号、即ちロック信号を出力するマイコン71とを備えている。そして、駆動回路70は、マイコン71からロック信号が入力された場合に、ロック機構30をロック状態とすべくソレノイド37への電力供給を停止する。
詳述すると、本実施形態のマイコン71は、ロック機構30をロック状態とすべき所定条件が成立したか否かを判定するロック条件検出部73と、このロック条件検出部73の出力するロックON信号S_Lonに基づいてロック信号を出力すべきか否か、即ちロック機構30をロック状態とすべきか否かを判定するロック判定部74とを備えている。
本実施形態では、ロック条件検出部73は、ギヤ比可変アクチュエータ7のモータ11及び該モータ11に駆動電力を供給する駆動回路62が継続して高負荷状態となるのを防止する高負荷防止制御演算部75、これらの過熱を防止する過熱保護制御演算部76、及びギヤ比可変アクチュエータ7の異常を検出する異常検出部77を備えている。そして、ロック条件検出部73は、これら高負荷防止制御演算部75、過熱保護制御演算部76、及び異常検出部77の何れかが条件成立フラグをセットした場合に、ロック判定部74に対しロックON信号S_Lonを出力する。
尚、本実施形態では、モータ制御信号出力部68は、駆動回路62に対しモータ制御信号を出力するとともに、ロック条件検出部73にそのduty比を出力する。また、本実施形態では、駆動回路62には温度センサ78が設けられており、ロック条件検出部73には、ギヤ比可変アクチュエータ7の出力する異常信号とともに、この温度センサ78により検出される駆動回路62の温度Tが入力される。そして、本実施形態では、高負荷防止制御演算部75は、モータ制御信号出力部68の出力するduty比に基づいてモータ11及び駆動回路62の高負荷判定(推定)を行い、過熱保護制御演算部76は、duty比(duty比により算出されるモータ11の発熱量の積算値)、及び検出された駆動回路62の温度Tに基づいてその過熱判定を行う。
本実施形態では、ロック判定部74には、上記ロック条件検出部73の出力するロックON信号S_Lonとともに、車内ネットワーク50を介して異常検出手段としてのEPSECU48が出力するEPS異常信号が入力される。そして、ロック判定部74は、ロックON信号S_Lon又はEPS異常信号の入力があった場合にロック信号を出力する。即ち、本実施形態では、ロック機構30をロック状態とすべき所定条件には、EPSアクチュエータ47又はEPSECU48の異常が含まれる。
また、本実施形態では、ロック判定部74には、上記ロックON信号S_Lon及びEPS異常信号に加え、回転角センサ66の出力信号に基づき検出されるモータ軸11aの回転速度ωm(回転角速度[rad/s])が入力される。そして、ロック判定部74は、この入力される回転速度ωmが所定速度ω0以上である場合には、ロックON信号S_Lon又はEPS異常信号の入力がある場合であってもロック信号を出力しない。
具体的には、図5のフローチャートに示すように、ロック判定部74は、先ずロックON信号S_Lonの入力があるか否かを判定し(ステップ101)、その入力がない場合(ステップ101:NO)には、続いてEPS異常信号の入力があるか否かを判定する(ステップ102)。そして、上記ステップ101においてロックON信号S_Lonの入力があると判定した場合(ステップ101:YES)、又は上記ステップ102においてEPS異常信号の入力があると判定した場合(ステップ102:YES)には、検出されるモータ軸11aの回転速度ωmが所定速度ω0より小さいか否かを判定する(ωm<ω0、ステップ103)。そして、回転速度ωmが所定速度ω0よりも小さいと判定した場合(ωm<ω0、ステップ103:YES)にロック信号を出力し(ステップ104)、回転速度ωmが所定速度ω0以上であると判定した場合(ωm≧ω0、ステップ103:NO)には、ステップ104を実行せず、ロック信号を出力しない。
(作用・効果)
次に、上記のように構成された本実施形態のステアリング装置の作用・効果について説明する。
上述のように、ロック作動時、即ち回転するロックホルダ32の係合溝33内にロックアーム31の係合爪35が挿入される瞬間には、同ロックアーム31及びロックホルダ32に大きな衝撃荷重がかかる。このため、こうしたロック作動時において、外部入力等によりモータ軸11aが高速回転していた場合には、その耐用限界を超える衝撃荷重によってロックアーム31及びロックホルダ32が破損するおそれがある。そして、特にEPSアクチュエータ47やEPSECU48の失陥が併発した場合には、外部入力の荷重をアシスト力で相殺することができないことから、このような破損を招く可能性がより一層高くなる。
この点を踏まえ、本実施形態のステアリング装置1では、
(1)ロック判定部74は、モータ軸11aの回転速度ωmが所定速度ω0以上である場合には、ロックON信号S_Lon又はEPS異常信号の入力がある場合であってもロック信号を出力しない。
このような構成とすれば、モータ軸11aの回転速度ωmが所定速度ω0よりも小さくなるまでロック作動が行われない。従って、ロックアーム31及びロックホルダ32にその耐用限界を超える衝撃荷重がかかることがなく、その結果、ロック作動時におけるロックアーム31及びロックホルダ32の損傷を防止して高い信頼性を確保することができる。
(2)ロック判定部74には、ロック条件検出部73の出力するロックON信号S_Lonとともに、車内ネットワーク50を介して異常検出手段としてのEPSECU48が出力するEPS異常信号が入力される。そして、ロック判定部74は、EPS異常信号の入力があった場合にもロック信号を出力する。即ち、ギヤ比可変アクチュエータ7及びIFSECU8の他、EPSアクチュエータ47やEPSECU48の異常が生じた場合にも、ロック機構30をロック状態とする。
このような構成とすれば、EPSアクチュエータ47の停止により外部入力荷重を相殺できない状態においてその外部入力荷重によってモータ軸11aが通常使用の範囲を超えて高速回転することを未然に防止することができる。そして、外部入力とEPSアクチュエータ47の停止とが同時に起こった場合であっても、上記(1)の制御によりロック作動時におけるロックアーム31及びロックホルダ32の損傷を未然に防止することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、本発明を、モータ軸11aと同軸に固定されたロックホルダ32と、ロックホルダ32の外側においてハウジング13内(モータハウジング11の一端)に軸支されたロックアーム31により構成されるロック機構30に具体化した。しかし、これに限らず、ロックホルダは、モータ軸、又は入力軸若しくは出力軸側のうち該モータ軸と同軸配置された側の一方と一体回転可能に設けられ、ロックアームは、ロックホルダが設けられた側の他方側と一体回転に設けられた構成であれば、ロックアーム31とロックホルダ32との配置が本実施形態と異なる構成のロック機構に具体化してもよい。
・本実施形態では、ステアリング装置1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ47と、該EPSアクチュエータ47の作動を制御するEPSECU48とを備えることとした。しかし、これに限らず、その故障検出が可能なものであれば、油圧式等、EPS以外のパワーステアリング装置に具体化してもよい。
・本実施形態では、ロック機構30は、駆動源であるソレノイド37のオンにより非ロック状態となり、ソレノイド37のオフにより非ロック状態となることとした。しかし、これに限らず、ソレノイドのオンによりロック状態となるものに具体化してもよく、ソレノイド以外を駆動源とするものに具体化してもよい。
ステアリング装置の概略構成図。 ギヤ比可変アクチュエータの概略構成を示す断面図。 ロック機構の概略構成を示す模式図。 ステアリング装置の制御ブロック図。 ロック判定の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…ステアリング装置、2…ステアリングホイール(ステアリング)、3…ステアリングシャフト、6…操舵輪、7…ギヤ比可変アクチュエータ、8…IFSECU、9…第1シャフト、10…第2シャフト、11…モータ、11a…モータ軸、12…ハーモニックドライブ、13…ハウジング、30…ロック機構、31…ロックアーム、32…ロックホルダ、33…係合溝、37…ソレノイド、47…EPSアクチュエータ、48…EPSECU、49…モータ、70…駆動回路、71…マイコン、73…ロック条件検出部、74…ロック判定部、ωm…回転速度、ω0…所定速度、S_Lon…ロックON信号。

Claims (3)

  1. ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記伝達比可変装置は、入力軸に固定され該入力軸とともに一体回転するハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に軸支されたモータ軸と、前記ハウジングに固定され前記モータ軸及び出力軸に連結されることにより前記入力軸の回転を前記出力軸に伝達するとともに前記モータ軸の回転を減速して該出力軸に伝達する差動機構と、前記モータ軸と前記ハウジングとを連結することにより前記入力軸と出力軸とを相対回転不能にロック可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記ハウジングに設けられたロックアームと、前記モータ軸に固定されるとともに前記ロックアームが係合される係合溝が形成されたロックホルダとを有し、前記制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記ロックアームを前記係合溝に係合させて前記ロック機構をロック状態とすべく前記制御する車両用操舵装置であって、
    前記制御手段は、前記モータ軸の回転速度が所定速度以上である場合には、前記所定条件が成立した場合であっても、前記ロック機構をロック状態としないこと、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  2. ステアリング操作に基づく入力軸の回転にモータ駆動に基づく回転を上乗せして出力軸に伝達する伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記伝達比可変装置は、前記入力軸又は出力軸と同軸配置されたモータ軸と、前記モータ軸、前記入力軸及び出力軸に対して回転伝達可能に連結されることにより前記入力軸の回転を前記出力軸に伝達するとともに前記モータ軸の回転を減速して該出力軸に伝達する差動機構と、前記モータ軸と該モータ軸と前記同軸配置された前記出力軸又は出力軸とを連結することにより前記入力軸と出力軸とを相対回転不能にロック可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記モータ軸側、又は前記入力軸若しくは前記出力軸側のうち該モータ軸と同軸配置された側の一方と一体回転可能に設けられたロックアームと、前記ロックアームが設けられた側の他方側と一体回転に設けられるとともに前記ロックアームが係合される係合溝が形成されたロックホルダとを有し、前記制御手段は、所定条件が成立した場合に、前記ロックアームを前記係合溝に係合させて前記ロック機構をロック状態とすべく前記制御する車両用操舵装置であって、
    前記制御手段は、前記モータ軸の回転速度が所定速度以上である場合には、前記所定条件が成立した場合であっても、前記ロック機構をロック状態としないこと、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するアシスト力付与手段と、該アシスト力付与手段の異常を検出する異常検出手段とを備え、
    前記所定条件は、前記アシスト力付与手段の異常が検出された場合を含むこと、
    を特徴とする車両用操舵装置。
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