JP5193705B2 - 二軸配向積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は湿度変化に対する寸法安定性に優れ、しかも高温での加工時の伸びなどが抑制された二軸配向積層フィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、優れた熱特性および機械特性を有することから磁気記録媒体、コンデンサー、フレキシブル基板、光学部材、食品包装、装飾用などの様々な用途で用いられている。
ところで、磁気記録媒体、特にデータストレージ用磁気記録媒体において、テープの高容量化、高密度化に伴ってベースフィルムへの特性要求も厳しいものとなっている。QIC、DLT、さらに高容量のスーパーDLT、LTOのごとき、リニアトラック方式を採用するデータストレージ用磁気記録媒体では、テープの高容量化を実現するために、トラックピッチを非常に狭くしている。そのためテープ幅方向の寸法変化が起こると、トラックずれを引き起こし、エラーが発生するという問題をかかえている。これらの寸法変化には、温湿度変化によるものと、高張力下で高温高湿の状態で繰り返し走行させたときに生じる幅方向の経時収縮によるものとがある。この寸法変化が大きいと、トラックずれを引き起こし、電磁変換時のエラーが発生する。なお、説明の便宜上、フィルムが連続製膜されるときの進行方向を、製膜方向、連続製膜方向、縦方向、長手方向またはMD方向と称し、製膜方向に直交する面内方向を、横方向または幅方向と称することがある。
このような寸法変化を解決するために、特許文献1(特開2006−2142号公報)には、シンジオタクチックポリスチレンなどのポリオレフィンとブレンドまたは積層することが開示されている。
しかしながら、これらの公報で提案されている方法では、フィルムなどの製品とした後に高温で加工しようとすると、伸びてしまったりするという問題があった。
特開2006−2142号公報
本発明の目的は、湿度変化に対する寸法安定性と製品とした後の高温での加工時の寸法安定性とをともに高度に具備する二軸配向積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、芳香族ポリエステル(a)とガラス転移温度が110〜180℃のポリシクロオレフィンとを積層して用いると、湿度変化に対する寸法変化を極めて縮小しつつ、高温での加工時の寸法安定性を高度に維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、芳香族ポリエステル(a)からなるA層とガラス転移温度が110〜180℃の範囲にあるポリシクロオレフィン(b)からなるB層とが積層された積層フィルムであって、フィルム層Bの厚みの割合が、積層フィルム全体の厚みを基準として、2〜60%の範囲にあり、磁気記録媒体のベースフィルムに用いることを特徴とする二軸配向積層フィルムを提供するものである。さらに、その好ましい態様として、ポリシクロオレフィン(b)が、ノルボルネン系ポリシクロオレフィンである上記二軸配向積層フィルム、芳香族ポリエステル(a)の主たる繰り返し単位が、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸である上記二軸配向積層フィルム、芳香族ポリエステル(a)は、酸成分が下記構造式(I)および(II)からなり、下記構造式(I)の割合が、全酸成分のモル数を基準として、5〜80モル%の範囲にあること、およびグリコール成分が下記構造式(III)である上記二軸配向積層フィルムの少なくともいずれかを具備するものも提供される。
Figure 0005193705
(上記構造式(I)中のRは炭素数1〜10のアルキレン基を、上記構造式(II)中のRはフェニレン基またはナフタレンジイル基、上記構造式(III)中のRは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。)
本発明の二軸配向積層フィルムは、湿度変化に対する寸法変化を極めて小さくすることができ、しかも高温での加工時の伸びも小さい。よって、例えば本発明の二軸配向フィルムは、磁気記録媒体のベースフィルムとして好適に用いることができ、例えば磁気記録媒体とすれば、トラックずれを引き起こしにくく、高密度高容量化に優れるデータストレージ用磁気記録媒体などを安定的に得ることができる。
さらに本発明の二軸配向積層フィルムは、湿度変化に対する寸法変化を小さくできることからフィルムコンデンサーのベースフィルムとしても好適に用いることができ、また小型化や耐熱性を要する電気・電子機器用および自動車部品用フィルムコンデンサーとして好適である。
[芳香族ポリエステル(a)]
本発明における芳香族ポリエステル(a)は、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸成分との重縮合によって得られるポリマーである。かかる芳香族ジカルボン酸成分として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸などの6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸が挙げられ、またジオール成分として、例えばエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオールが挙げられる。
これらの中でも、高温での加工時の寸法安定性の点からは、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましく、特にエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましい。また、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルにポリイミドを10〜30重量%ブレンドしたものものも好ましい。
また、より環境変化に対する寸法安定性を向上させる観点から芳香族ポリエステル(a)は、酸成分が前記構造式(I)および(II)からなり、下記構造式(I)の割合が、全酸成分のモル数を基準として、5〜80モル%の範囲にあること、およびグリコール成分が下記構造式(III)であることが好ましい。
前述の構造式(I)で示される具体的な酸成分としては、Rの部分が炭素数1〜10のアルキレン基であるものであり、好ましくは6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、6,6’−(トリメチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分および6,6’−(ブチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分などが挙げられ、これらの中でも本発明の効果の点からは、上記構造式(I)におけるRの炭素数が偶数のものが好ましく、特にRの炭素数が2である6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が好ましい。
前述の構造式(II)で示される酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられる。これらの中でも、機械的特性などの点からテレフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。
また、前述の構造式(III)で示される具体的なグリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分などが挙げられ、機械的特性などの点からグリコール酸成分の90モル%以上はエチレングリコール成分であることが好ましく、さらに95〜100モル%がエチレングリコール成分であることが好ましい。
ところで、芳香族ポリエステル(a)の酸成分の内、5〜80モル%の範囲で上記構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が共重合されていることが好ましい。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合が下限未満では、共重合したことによる湿度膨張係数の低減効果などが発現されがたい。一方、上限は成形性などの観点から80モル%以下が好ましく、さらに50モル%未満であることが好ましい。また、驚くべきことに、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分による湿度膨張係数の低減効果は、少量で非常に効率的に発現され、50モル%以上添加しても湿度膨張係数の観点からの効果は飽和状態になるともいえる。そのような観点から、好ましい6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の共重合量の上限は、45モル%以下、さらに40モル%以下、よりさらに35モル%以下、特に30モル%以下であり、他方下限は、5モル%以上、さらに7モル%以上、よりさらに10モル%以上、特に15モル%以上である。
このような特定量の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した芳香族ポリエステル(a)を用いることで、より温度膨張係数と湿度膨張係数も小さい二軸配向積層フィルムとすることができる。
本発明における芳香族ポリエステル(a)は、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を含有しない場合はο-クロロフェノール中、35℃において、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を含有する場合はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒中、35℃において、測定したときの固有粘度が0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜1.0dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.4dl/g未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足することがある。一方固有粘度が1.0dl/gを超える場合は重合時の生産性が低下する。
[ポリシクロオレフィン(b)]
本発明におけるポリシクロオレフィン(b)は、得られる二軸配向積層フィルムの湿度膨張係数を低減するために必要であり、そのガラス転移温度は110〜180℃の範囲にあることが必要である。かかるポリシクロオレフィン(b)としてノルボルネン系のポリシクロオレフィンなどが挙げられる。具体的なノルボルネン系のポリシクロオレフィンとしては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ZEONEX」や商品名「ZEONOR」、またJSR株式会社製の商品名「ARTON」などが挙げられる。ガラス転移温度が上記範囲内にあることで、高温加工時の伸びを抑えつつ製膜性を維持しやすい。
本発明におけるポリシクロオレフィン(b)は高いガラス転移温度を有しつつも、前述の芳香族ポリエステル(a)と積層して製膜する際の製膜性を高度に維持しやすい点から、融点がない非晶質のものであることが好ましい。
[二軸配向積層フィルム]
本発明の二軸配向積層フィルムは、芳香族ポリエステル(a)からなるフィルム層Aと、その少なくとも片面に積層された前述のポリシクロオレフィン(b)からなるフィルム層Bとからなる。
本発明の二軸配向積層フィルムにおいて、フィルム層Aは、前述の芳香族ポリエステル(a)からなり、本発明の目的を損なわない範囲で、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下の範囲で、他の樹脂などを混合したものであっても良い。また、本発明の二軸配向積層フィルムにおいて、フィルム層Bは、前述のポリシクロオレフィン(b)からなり、本発明の目的を損なわない範囲で、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下の範囲で、他の樹脂などを混合したものであっても良い。
二軸配向積層フィルムにおけるフィルム層Bの割合は、積層フィルム全体の厚みを基準として、2〜60%、好ましくは3〜55%、より好ましくは3〜50%、さらに好ましくは5〜45%、特に好ましくは5〜30重量%の範囲である。フィルム層Bの厚みの割合が下限を下回ると、目的とする湿度変化に対する寸法安定性向上効果が乏しくなる。一方、フィルム層Bの厚みの割合が上限を越えると、得られる二軸配向フィルムが力学的特性の乏しいものとなったり、延伸製膜が難しくなることがある。
二軸配向積層フィルムは、好ましい層構成として、i)フィルム層Bの片面にフィルム層Aが積層された2層構成、ii)フィルム層Bの両面にフィルム層Aが積層された3層構成、iii)フィルム層Bとフィルム層Aとが全層数で少なくとも4層積層された多層構成が例示される。ii)の3層構成の場合、耐カール性がさらに改良される。また、iii)の多層構成の場合、異質の樹脂からなるフィルム層の積層であっても、層間の剥離などによる工程の悪化を生じることなく製膜することができる。iii)の多層構成の場合、好ましい全層数は、8層以上、さらに16層以上、特に32層以上であり、上限は特に制限されないが、工程の煩雑化を防ぐ観点から500層程度、好ましくは250層である。ここで、フィルム層Aとフィルム層Bとは、好ましくは交互に積層され、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の樹脂からなるフィルム層が積層されていてもよい。iii)の多層構成の場合、フィルム層Aの1層あたりの厚みは、0.02〜1.5μm、さらに0.04〜1.0μmの範囲にあることが好ましく、他方フィルム層Bの1層あたりの厚みは0.02〜1.5μm、さらに0.04〜1.0μmの範囲にあることが好ましい。フィルム層Aまたはフィルム層Bの1層あたりの厚みが下限を下回ると、極めて多くの層を積層させる必要があり、工程が煩雑化しやすい。他方、フィルム層Aまたはフィルム層Bの1層あたりの厚みが上限を超えると、層間の剥離が生じることがある。これらの厚みは、積層フィルムを厚み方向にミクロトームなどで切断して超薄片とし、それを透過型電子顕微鏡で観察することによって測定できる。
本発明における二軸配向積層フィルムは、具体例として上述の積層フィルムが挙げられ、また、用途によってさらに必要とされる特性に適する層構成を用いることができる。
また、本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルムの用途に応じて使用するそれ自体公知の不活性粒子などをフィルム中に含有させても良い。不活性粒子としては、例えば、周期律表第IIA、第IIB、第IVA、第IVBの元素を含有する無機粒子(例えば、カオリン、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素など)、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂粒子等のごとき耐熱性の高いポリマーよりなる微粒子などを含有させることができる。
[温度膨張係数:αt]
本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルムの幅方向の温度膨張係数αtが-10×10-6〜+15×10-6/℃の範囲にあることが好ましい。好ましいαtは、-8×10-6〜+10×10-6/℃、特に-5×10-6〜+5×10-6/℃の範囲である。αtが、下限よりも小さいと収縮してしまい、一方上限を超えると、温度変化によってフィルムが伸びてしまい、磁気記録媒体に用いた時にはトラックずれなどを惹起することがある。
このようなαtは、測定方向のヤング率を延伸により向上させ、かつポリシクロオレフィンの存在量を前述の上限以下にすることによって達成される。幅方向が未延伸の場合、幅方向のヤング率が低いため、ポリオレフィンが混在していても上述の範囲の温度膨張係数は得られない。
[湿度膨張係数:αh]
本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルムの幅方向の湿度膨張係数αhが0.1×10-6〜7×10-6/%RHの範囲にあることが好ましい。さらに好ましいαhは、0.5×10-6〜6×10-6/%RH、特に好ましくは、0.5×10-6〜5×10-6/%RHの範囲である。
αhを下限よりも小さくするには、過度にポリシクロオレフィン(b)を存在させたりすることになり、製膜性が低下し、また力学的特性が低下することがある。一方上限を超えると、湿度変化によってフィルムが伸びてしまい、磁気記録媒体に用いた時にトラックずれなどを惹起することがある。このようなαhは、測定方向のヤング率を延伸により向上させつつ、かつポリシクロオレフィン(b)を用いることによって達成される。幅方向が未延伸の場合、幅方向のヤング率が低いため、ポリシクロオレフィン(b)が存在していても上述の範囲の湿度膨張係数は得られない。
[ヤング率:Y]
本発明の二軸配向積層フィルムは、フィルムの製膜方向および幅方向のヤング率がともに4GPa以上であることが好ましい。どちらか一方でもヤング率が下限よりも小さいと、湿度変化による寸法変化が小さくても、磁気記録媒体としたときに係る負荷に耐えられなかったり、温湿度変化で変形しやすくなることがある。また、製膜方向と幅方向のヤング率の和は、高々22GPaであることが好ましい。製膜方向のヤング率と幅方向のヤング率の和が、上限を超えると、フィルム製膜時、延伸倍率が過度に高くなり、フィルム破断が多発し、製品歩留りが著しく悪くなる。好ましい製膜方向と幅方向とのヤング率の和の上限は、20GPa以下、さらに18GPa以下である。
ところで、リニアトラック方式の磁気テープ用として供する場合、製膜方向の伸びを少なくする観点からは、製膜方向のヤング率が4.5GPa以上、5GPa以上、特に6GPa以上であることが好ましい。また、幅方向の環境変化に対する寸法安定性を高める観点から、幅方向のヤング率は、7GPa以上、8GPa以上、特に9GPa以上であることが好ましい。
[表面層]
本発明の二軸配向積層フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、少なくとも一方の面に、他の機能を付与する目的でさらに他層が積層された積層体であってもよい。
例えば、磁気記録媒体に用いられる場合、磁性層側をより平坦な表面にするために、実質的に不活性粒子を含有しないポリエステルフィルム層を、本発明の二軸配向フィルムの磁性層側表面に積層しても良い。また、走行面(非磁性層)側をより走行性に優れた表面にするために、含有させる不活性粒子を比較的大きくしたり、量を多くしたポリエステルフィルム層を、本発明の二軸配向フィルムの非磁性層側表面に積層しても良い。このような積層フィルムは、磁気記録媒体としたときに、電磁変換特性とフィルムの巻取性とを両立させるのが容易である点から好ましい。
[製膜方法]
本発明の二軸配向積層フィルムは、以下の方法にて製造するのが好ましい。
本発明の二軸配向積層フィルムは、上述の芳香族ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)とをそれぞれ原料とし、共押出し法による方法が挙げられる。好ましくは、それぞれの層を構成する原料を溶融状態で共押出し法によりダイ内で積層してからシート状に押出すか、または2種以上の溶融ポリエステルをダイから押出した後に積層し、急冷固化して積層未延伸フィルムとする。また、4層以上の積層フィルムを製造する場合、例えば特開2000−326467号公報の段落0028で提案されたようなフィードブロックを用いた同時多層押出法により製造することができる。
すなわち、フィルム層Aを構成する芳香族ポリエステル(a)と、フィルム層Bを構成するポリシクロオレフィン(b)とを、乾燥後、芳香族ポリエステル(a)の融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で押出し300℃程度に加熱された押出機に供給し、フィードブロックを用いて、例えば各溶融物を交互に積層し、ダイに展開して押出して積層未延伸フィルムとする。
このようにして溶融状態でシート状に押出した積層未延伸フィルムを、テンター法、インフレーション法など公知の製膜方法を用いて延伸する。具体的には、未延伸フィルムを一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg(芳香族ポリエステル(a)のガラス転移温度:℃)−10)〜(Tg+70)℃の温度で所定の倍率に延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向(一段目が縦方向の場合には二段目は横方向となる)にTg〜(Tg+70)℃の温度で所定の倍率に延伸し、さらに熱処理する方法を用いて製造することができる。その際、延伸倍率、延伸温度、熱処理条件等は上記フィルムの特性から選択、決定される。熱固定温度は190〜250℃の範囲内から、また処理時間は1〜60秒の範囲内から決めるとよい。
かかる逐次二軸延伸法のほかに、同時二軸延伸法を用いることもできる。また逐次二軸延伸法において縦方向、横方向の延伸回数は1回に限られるものではなく、縦−横延伸を数回の延伸処理により行うことができ、その回数に限定されるものではない。例えば、磁気記録用途の場合、さらに機械特性を上げたい場合には、熱固定処理前の上記二軸延伸フィルムについて、(Tg+20)〜(Tg+70)℃の温度で熱処理し、さらにこの熱処理温度より10〜40℃高い温度で縦方向または横方向に延伸し、続いてさらにこの延伸温度より20〜50℃高い温度で横方向または縦方向に延伸し、縦方向の総合延伸倍率を3.0〜7.0倍、横方向の総合延伸倍率を3.0〜6.0倍にとすることが好ましい。
また、塗布層を設ける場合、前記した未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布するのが好ましい。
[磁気記録媒体]
本発明によれば、本発明の上記二軸配向積層フィルムをベースフィルムとし、その片面上に磁性層を有する磁気記録媒体が提供される。
磁気記録媒体としては、上記本発明の二軸配向フィルムをベースフィルムとしていれば特に限定されず、例えば、QICやDLTさらには高容量タイプであるS−DLTやLTO等のリニアトラック方式のデータストレージテープなどが挙げられる。なお、ベースフィルムが温湿度変化による寸法変化が極めて小さいので、テープの高容量化を確保するためにトラックピッチを狭くしてもトラックずれを引き起こし難い高密度高容量に好適な磁気記録媒体となる。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。各特性値ならびに評価法は下記の方法によって測定、評価した。
(1)融点、ガラス転移点
芳香族ポリエステル(a)またはポリシクロオレフィン(b)10mgを、測定用のアルミニウム製パンに封入し、DSC(TAインスツルメンツ社製、Q100)を用いて25℃から300℃まで20℃/minの昇温速度で測定し、芳香族ポリエステル(a)の融点(Tma)、および、それぞれのガラス転移点(芳香族ポリエステル(a)のガラス転移点:Tga、ポリシクロオレフィン(b)のガラス転移点:Tgb)を求めた。
(2)不活性粒子の平均粒径
島津製作所製CP−50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲線をもとに算出する各粒子の粒径とその存在量との累積曲線から、50マスパーセント(mass percent)に相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とする。
(3)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムから幅5mmのサンプルを切り出し、チャック間長さ15mmとなるように、ブルカーAXS製TMA4000SAにセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度20%RHと湿度80%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数(αh)を算出した。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L80−L20)/(L20×△H)
ここで、上記式中のL20は20%RHのときのサンプル長(mm)、L80は80%RHのときのサンプル長(mm)、△H:60(=80−20)%RHである。
(4)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムから幅4mmのサンプルを切り出し、チャック間長さ20mmとなるように、セイコーインスツル製TMA/SS6000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、80℃で30分前処理し、その後室温まで降温させた。その後30℃から80℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出した。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5×10−6
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5×10−6/℃は石英ガラスの温度膨張係数(αt)である。
(5)ヤング率
フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/min、チャート速度500mm/minでインストロンタイプの万能引張試験装にて引張り、得られる荷重−伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算する。
なお、測定方向が試料の長手方向で、10回測定した平均値を用いた。
(6)各層の厚み
積層フィルムを3角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋する。ミクロトーム(ULTRACUT−S)で、製膜方向と厚み方向とに平行な方向にカットして、厚み50nm薄膜切片にする。そして、透過型電子顕微鏡を用い、加速電圧1000kvにて観察し、倍率1万倍〜10万倍で撮影し、写真より各層の厚みを測定した。
(7)固有粘度
芳香族ポリエステル(a)の固有粘度は、o-クロロフェノール、35℃で測定した。なお、前記構造式(I)で示される構造単位を含むときなど、o−クロロフェノールでは均一に溶解するのが困難な場合は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて35℃で測定して求めた。
(8)TMA
セイコーインスツルメンツ製TMA/SS6000を用いて、フィルム製膜方向が長手方向となるようにして幅4mmに切り出したサンプルを、チャック間長さ20mmとなるようにセットし、20MPaの荷重をかけて、昇温速度5℃/分にて昇温し、115℃時のフィルム製膜方向におけるフィルムの伸び割合(%)を求めた。
伸び率が低いほど、高温での加工時の伸びが少なく優れているといえる。
(9)加工時の伸び(塗布斑)
幅500mmにスリットされた長さ500mのフィルムの一方の表面に、下記組成の非磁性塗料、磁性塗料をダイコータで同時に、乾燥後の非磁性層および磁性層の厚みが、それぞれ1.2μmおよび0.1μmとなるように膜厚を変えて塗布し、磁気配向させて乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングする。そして、得られた磁性層付フィルムについて、目視判定により、以下の基準で塗布斑を評価した。なお、目視判定は、フィルムの裏側に蛍光灯を設置し、磁性層の抜けによる光の漏れをカウントすることで行ない、この磁性層付フィルムを必要に応じてバックコート層などを設けた上で、幅12.65mmにスリットし、カセットに組み込みことで磁気記録テープにできる。
◎:塗布抜けが5個/250m未満
○:塗布抜けが5個/250m以上10個/250m未満
△:塗布抜けが10個/250m以上20個/250m未満
×:塗布抜けが20個/250m以上
非磁性塗料の組成
・二酸化チタン微粒子 :100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート): 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
磁性塗料の組成
・鉄(長さ:0.3μm、針状比:10/1、1800エルステッド)
:100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート):5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
(10)共重合量
(グリコール成分)試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解し、イソプロピルアミンを加えて十分に混合した後に、600MHzの1H−NMRを日本電子製、JEOL A600を用いて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
(酸成分)試料60mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、同じく日本電子製JEOL A600を用いて、150MHzの13C−NMRを140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
[参考例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルおよびエチレングリコールを酢酸マンガンの存在下、常法によりエステル交換反応を行った後、トリエチルフォスフォノアセテートを添加した。次いで三酸化アンチモンを添加して、常法により重縮合させてポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート樹脂(固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62、以下PEN1と略記する)を得た。本樹脂中の各元素の濃度を原子吸光法によって測定した結果、Mn=50ppm、Sb=300ppm、P=50ppmであった。なお、PEN1中には、重合段階で、樹脂組成物の重量を基準として、あらかじめ平均粒径0.5μmのシリコーン粒子を0.02重量%、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.3重量%添加した。
[参考例2]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の80モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の20モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分である共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、共重合PEN20と称する。)を得た。なお、該共重合PEN20には、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
[参考例3]
参考例2において、酸成分の88モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の12モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分となるように変更した以外は、同様な操作を繰り返し、共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、共重合PEN12と称する。)を得た。なお、該共重合PEN12には、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
[参考例4]
参考例2において、酸成分の73モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の27モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分となるように変更した以外は、同様な操作を繰り返し、共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、共重合PEN27と称する。)を得た。なお、該共重合PEN27には、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
[比較例1]
得られたPEN1を180℃で6時間乾燥後、300℃に加熱された押出機に供給し、T型押出ダイを用いて押出し、表面仕上げ0.3S、表面温度60℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて、未延伸フイルムを得た。この未延伸フィルムを75℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で14mm上方より830℃の表面温度の赤外線ヒーターにて加熱してフィルムの製膜方向に5.1倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、125℃にて横方向に4.8倍延伸した。さらに引き続いて240℃で10秒間熱固定した後、120℃にて横方向に1.0%弛緩処理をし、厚み4.5μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムのヤング率は縦方向8GPa、横方向6.5GPaであった。
得られた二軸配向フィルムおよび磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例1]
参考例1で得たPEN1をフィルム層A層用原料とし、日本ゼオン株式会社製の商品名「ZEONEX480R」をフィルム層B用原料とし、フィルム層Aの片面にフィルム層Bが積層され、これらの厚み比(フィルム層B/(フィルム層A+フィルム層B)が30%となるように共押出しで積層未延伸フィルムとしたほかは、比較例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2および3]
実施例1において、フィルム層AとBの厚み比を表1に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、フィルム層Aの両面に同じ厚みのフィルム層Bを積層し、厚み比(全フィルム層B/(フィルム層A+全フィルム層B)が30%となるように変更したほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、フィルム層Aとフィルム層Bと交互に201層(両表面にフィルム層Aが配置され、各フィルム層Aおよび各フィルム層Bの厚みはそれぞれの層の中で同じ)となるように積層し、厚み比(全フィルム層B/(全フィルム層A+全フィルム層B)を30%に変更したほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例6]
実施例1において、PEN1の変わりに、参考例2で得られた共重合PEN20を用いたほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例7]
実施例4において、PEN1の変わりに、参考例2で得られた共重合PEN20を用いたほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例8]
実施例4において、PEN1の変わりに、参考例3で得られた共重合PEN12を用いたほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例9]
実施例4において、PEN1の変わりに、参考例4で得られた共重合PEN27を用いたほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例10]
実施例5において、PEN1の変わりに、参考例2で得られた共重合PEN20を用いたほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
実施例5において、厚み比(全フィルム層B/(全フィルム層A+全フィルム層B)を75%に変更したほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
実施例5において、日本ゼオン株式会社製の商品名「ZEONEX480R」を、出光興産株式会社製シンジオタクチックポリスチレン(商品名ザレック130ZC)変更したほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムとした。
得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
Figure 0005193705
表1中のフィルム層Bの欄における、樹脂種Aは日本ゼオン株式会社製のポリシクロオレフィン(商品名「ゼオネックス480R」)、樹脂種Bは出光興産株式会社製のシンジオタクチックポリスチレン(商品名「ザレック130ZC」)を示す。また、表1中のENAは前記式(I)で示される6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を示し、その割合は、芳香族ポリエステル中の全酸成分に対するモル%を示す。さらにまた、二軸配向フィルムの欄にある、MDはフィルムの製膜方向、TDはフィルムの幅方向、B層の割合は、2層、3層または多層といった積層フィルムの場合にけるフィルム層Bの合計の厚みを二軸配向積層フィルムの全厚みで割ったものである。
本発明の二軸配向積層フィルムは、優れた寸法安定性と高温での加工性とを有することから、磁気記録媒体やコンデンサーのベースフィルムとして用いることができ、特にリニア記録方式の磁気記録テープのベースフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 芳香族ポリエステル(a)からなるA層とガラス転移温度が110〜180℃の範囲にあるポリシクロオレフィン(b)からなるB層とが積層された積層フィルムであって、フィルム層Bの厚みの割合が、積層フィルム全体の厚みを基準として、2〜60%の範囲にあり、磁気記録媒体のベースフィルムとして用いることを特徴とする二軸配向積層フィルム。
  2. ポリシクロオレフィン(b)が、ノルボルネン系ポリシクロオレフィンである請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
  3. 芳香族ポリエステル(a)の主たる繰り返し単位が、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
  4. 芳香族ポリエステル(a)は、酸成分が下記構造式(I)および(II)からなり、下記構造式(I)の割合が、全酸成分のモル数を基準として、5〜80モル%の範囲にあること、およびグリコール成分が下記構造式(III)であることを具備する請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
    Figure 0005193705
    (上記構造式(I)中のRは炭素数1〜10のアルキレン基を、上記構造式(II)中のRはフェニレン基またはナフタレンジイル基、上記構造式(III)中のRは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。)
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