JP5072239B2 - 複合スパウト - Google Patents
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図5のAに示すように、スパウトは雄型21と雌型31とによって成形され、雄型21には、基端側から先端側まで同一径で形成された円柱形状のコアー22が設けられ、コアー22の周囲には筒状スリーブ10が装着されている。雌型31は左右に開く分割型であり、内周面の形状が図3に示すスパウト本体2の外周面に対応する形状に形成される。
図5のCに示すように、一方の雌右型31bには図示しない射出成形機より溶融樹脂が射出されるゲート33が接続されている。
のスパウト本体2となる部分が形成され、スパウト本体2の内側に筒状スリーブ10が備えられた複合スパウト1が形成される。スパウト本体2と筒状スリーブ10の接着は、スパウト本体2の材料である溶融樹脂の熱による熱溶着によって接着される。
筒状スリーブ10の剥離は、容器内の内容物がスパウト本体2と筒状スリーブ10との間に回り込んでしまう。また、筒状スリーブ10の端面10gが容器内に露出することによって、機能性樹脂層10aから機能性樹脂が溶出し、内容物を充填した際に、衛生上の問題や、或いは内容物のフレーバー低下等を招く。
また、コアー22の基端側から先端側まで、コアー22の横断面が同一径である場合は、図5のDに示すように、射出成形機から射出される樹脂の流動圧によって、筒状スリーブ10がコアー22をガイド材として、コアー22の軸方向基端側へずれてしまうことがある。このように、筒状スリーブ10がコアー22の基台23面に当接したような場合は、筒状スリーブ10の端面10gが複合スパウト1の内部で露出してしまい、上述したように、機能性樹脂層10aから酸素吸収剤等の材料が溶出され、機能性樹脂が効率良く作用しないことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スパウト本体と筒状スリーブの接着面とを確実に接着できる複合スパウトを提供することを目的とする。
また、本発明の複合スパウトは、機能性樹脂層が中間層として配設されている筒状スリーブを中子として射出成形型のコアー部材に被嵌した状態でスパウト本体を射出成形することによって、該スパウト本体の内周面に該筒状スリーブが実質上その内周面のみを露呈させて埋設された形態に成形された複合スパウトにして、該スパウトの排出端部を構成している該スパウト本体の片端部において、該スパウト本体の内周面には、周方向の少なくとも一部において、該筒状スリーブの片端部の内周面を覆う内周面付加部が形成され、該筒状スリーブの片端部に対応する部位の該スパウト本体の外周面には、半径方向外方に突出した外周面付加部が環状に形成されている。
そして、上記複合スパウトの内周面付加部は環状に形成するとよい。
さらに、上記複合スパウトの内周面付加部は間隔を空けて複数形成することができる。
また、該スパウトがスパウトの基端部を構成するスパウト本体の他端部側から溶融樹脂を射出することにより成形されているとよい。
又、本発明の複合スパウトは、スパウト本体の内周面に筒状スリーブを有し、該スパウト本体の内周面に、周方向の少なくとも一部において、該筒状スリーブの片端部の内周面を覆う内周面付加部が形成され、該スパウト本体の外周面の該筒状スリーブの片端部に対応する部位に、半径方向外方に突出した外周面付加部が環状に形成されている。
このように、射出成形時において、スパウト本体と筒状スリーブとの溶着部に外周面付加部、或いは内周面付加部及び外周面付加部を形成することによって、溶融樹脂の熱がそれらを溶着するために充分に蓄えられているので、確実にスパウト本体と筒状スリーブとの接触面を溶着することができると共に、内容物を充填した際の筒状スリーブの機能性樹脂層からの機能性樹脂の溶出が防止され、衛生上の問題や、或いは内容物のフレーバー低下等を防止することができる。
なお、従来例で説明した筒状スリーブ10は、図4に示すように本実施の形態の筒状スリーブ10と同じ構造の接着層を含んで5層からなる多層筒状スリーブ10であるので、その詳細な説明を省略する。
スパウト本体2の外周面側には、排出開口6端側に封止キャップの雌ねじが螺着する雄ねじ7がほぼ螺旋状に形成され、雄ねじ7の下部には封止キャップに設けられるタンパーエビデントバンド(図示せず)と係止する係止部15とこの係止部15と間隔を空けてフランジ16が形成されている。フランジ16は、複合スパウト1の搬送時における把持、支持など機能的な役割を果たす。そして、フランジ16の下部にはパウチを取付ける取付部17を形成し、この取付部17によってパウチと複合スパウト1の接続部のシール性が維持される。
突部8は、導管孔(及び筒状スリーブ10)3の軸方向と直角に交差する規制面8aと排出開口6側に向く傾斜面(台形状円錐面若しくはテーパー面)8b、すなわち排出開口6側に向かって広がる傾斜面8bが形成されている。
このように、スパウト本体2の外周面に付加部12を形成することにより、溶融樹脂に蓄えられた熱量でスパウト本体2と筒状スリーブ10との接触面を確実に溶着できる。
内周面付加部9の形状は、傾斜面8bに連続する湾曲面9aと筒状スリーブ10の他端側10fへ筒状スリーブ10の半径方向外側へ広がる台形状の円錐面9bを有している。円錐面9bの軸方向長さは、湾曲面9aの長さに比べて長く、なだらかな傾斜角によって形成されている。
従って、筒状スリーブ10の一端側10e及び端面10gは、スパウト本体2の薄肉部6a、突部8及び内周面付加部9とで被覆され、筒状スリーブ10の機能性樹脂層10aが、導管孔3の内部空間に露出しないように形成されている。なお、突部8と内周面付加部9の境界は連続してつながっている。
このように、内周面付加部9、外周面付加部12を、筒状スリーブ10の内周面とスパウト本体2の外周面にそれぞれ形成することにより、スパウト本体2と筒状スリーブ10との接触面を確実に溶着でき、図1に示す複合スパウト1よりもスパウト本体2と筒状スリーブ10との接触面に熱を付加することができ、より確実に接触面を溶着できる。
2 スパウト本体
8 突部
8b 傾斜面
9 内周面付加部
9a 湾曲面
9b 円錐面
10 筒状スリーブ
10e 一端側
10f他端側
12 外周面付加部
21 雄型
22 コアー
22a大径部
22b小径部
22c傾斜面
25 内周面付加部形成凹部
25a湾曲面
25b円錐面
31 雌型
Claims (5)
- 機能性樹脂層が中間層として配設されている筒状スリーブを中子として射出成形型のコアー部材に被嵌した状態でスパウト本体を射出成形することによって、スパウト本体の内周面に該筒状スリーブが実質上その内周面のみを露呈させて埋設された形態に成形された複合スパウトにして、
該スパウトの排出端部を構成する該スパウト本体の片端部において、該スパウト本体の外周面の、該筒状スリーブの片端部に対応する部位には、半径方向外方に突出した外周面付加部が環状に形成されている、ことを特徴とする複合スパウト。 - 機能性樹脂層が中間層として配設されている筒状スリーブを中子として射出成形型のコアー部材に被嵌した状態でスパウト本体を射出成形することによって、該スパウト本体の内周面に該筒状スリーブが実質上その内周面のみを露呈させて埋設された形態に成形された複合スパウトにして、
該スパウトの排出端部を構成している該スパウト本体の片端部において、該スパウト本体の内周面には、周方向の少なくとも一部において、該筒状スリーブの片端部の内周面を覆う内周面付加部が形成され、該筒状スリーブの片端部に対応する部位の該スパウト本体の外周面には、半径方向外方に突出した外周面付加部が環状に形成されている、ことを特徴とする複合スパウト。 - 該内周面付加部が環状に形成されている請求項2に記載の複合スパウト。
- 該内周面付加部は周方向に間隔をおいて複数形成されている請求項2に記載の複合スパウト。
- 該スパウトがスパウトの基端部を構成するスパウト本体の他端部側から溶融樹脂を射出することにより成形されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合スパウト。
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