JP5064150B2 - 脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板に関する。
造船、建築、タンク、海洋構造物、ラインパイプなどの溶接構造物に用いられる厚鋼板には、構造物の致命的な破壊を防止するために、脆性破壊が伝播することを停止する能力である脆性き裂伝播停止性能(アレスト性)が求められる。近年、構造物の大型化に伴い、降伏応力355〜550MPa、板厚40〜100mmの高強度厚鋼板を使用するケースが多くなっている。しかし、上記したアレスト性は、一般に強度及び板厚それぞれに相反する傾向にある。このため、高強度厚鋼板においてアレスト性を向上させる技術が望まれている。
アレスト性を向上させる方法として、例えば結晶粒径を制御する方法、脆化第二相を制御する方法、及び集合組織を制御する方法が知られている。
結晶粒径を制御する方法としては、特許文献1に記載された技術、及び特許文献2、3に記載された技術がある。特許文献1〜3に記載された技術は、フェライトを母相としたものであり、このフェライトを細粒化することにより、アレスト性を向上させるものである。
また、脆化第二相を制御する方法としては、特許文献4に記載された技術がある。特許文献4に記載された技術は、母相となるフェライト中に微細な脆化第二相(例えばマルテンサイト)を分散させることにより、脆性き裂先端部において脆化第二相に微小き裂を発生させて、き裂先端の応力状態を緩和させるものである。
さらに、集合組織を制御する方法としては、特許文献5に記載された技術がある。特許文献5に記載された技術は、極低炭素(C<0.03%)のベイナイト単相鋼において、圧延面と平行に(211)集合組織を発達させるものである。
特開昭61−235534号公報 特開2003−221619号公報 特開平5−148542号公報 特開昭59−47323号公報 特開2002−241891号公報
特許文献1〜3に記載の技術では、フェライトの再結晶を利用してフェライトを母相にしているため、高強度で、かつ、板厚の厚い鋼板とすることが困難である。
また、特許文献4に記載の技術では、フェライト中にマルテンサイト分散させているので脆性き裂発性特性が著しく劣化してしまう。さらに、フェライトを母相としているため、高強度かつ板厚の厚い鋼板とすることが困難である。
また、特許文献5に記載の技術では、極低炭素ベイナイト単相鋼にして、板厚方向に均一な集合組織を発達させているため、アレスト性を飛躍的に向上させることが困難である。また、極低炭素鋼を得るための製鋼負荷も極めて大きい。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その課題は、製造コストが低く、強度が高く、HAZ靭性の劣化がない、脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板及びその製造方法を提供することにある。
高強度厚鋼板のアレスト性を向上させるためには板厚方向に集合組織が異なるような分布を形成させることによって、き裂伝播の抵抗となるような破面を形成させる集合組織制御が効果的である。このような集合組織制御に関し、本発明者らが鋭意検討した結果、鋼板の表裏面から板厚の10%未満の表裏層部とそれ以外の鋼板の板厚方向の中心部の三層に分けたとき、中心部領域において圧延面と平行な(111)又は/及び(211)X線面強度比が1.5以上2.0未満の集合組織、前記表裏層部領域において圧延面と平行な(100)X線面強度比が2.0以上の集合組織を形成させることによって、中心部領域で分岐き裂が発生し、その分岐き裂は外部応力と垂直な面に対し15°以上45°以下で伝播し、かつ、表裏層部領域で主き裂が発生し、その主き裂は外部応力と垂直方向に伝播する、すなわち中心部領域が脆性き裂の伝播抵抗となりアレスト性が飛躍的に向上することを知見し、本発明を完成した。
本発明に係る高強度厚鋼板は、以下の通りである。
(1)質量%で、
C :0.04〜0.15%、
Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.5〜2.5%、
P :≦0.02%、
S :0.001〜0.01%、
Al:0.001〜0.1%、
Nb:0.003〜0.05%、
Ti:0.005〜0.02%、
N :0.001〜0.008%
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物によって化学成分が構成された鋼板で、ミクロ組織がベイナイトを母相としたフェライト又は/及びパーライト組織であり、鋼板の表裏面から板厚の10%未満の表裏層部領域とそれ以外の中心部領域の三層に分けたとき、該中心部領域において圧延面と平行な(111)又は/及び(211)X線面強度比が1.5以上2.0未満の集合組織を有しており、前記表裏層部領域において圧延面と平行な(100)X線面強度比が2.0以上の集合組織を有していることを特徴とする脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
(2)質量%で、
Cu:0.05〜1%、
Ni:0.05〜2%、
Cr:0.05〜1%、
Mo:0.05〜0.5%、
V :0.005〜0.2%、
B :0.001〜0.003%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする上記(1)に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
(3)質量%で、
Ca:0.0003〜0.005%、
Mg:0.0003〜0.005%、
REM:0.0003〜0.005%
の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
(4)板厚が40mm以上である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
(5)前記中心部領域に分岐き裂が発生し、該分岐き裂は外部応力と垂直な面に対し15°以上45°以下で伝播し、前記表裏層部領域に主き裂が発生し、該主き裂は外部応力と垂直方向に伝播することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
本発明鋼によれば、脆性き裂伝播停止性能に極めて優れ、かつ、強度が高く、板厚が大きく、HAZ靭性の劣化がない鋼板となるので、溶接鋼構造物の低コスト化や安全性向上を図れる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る高強度厚鋼板は、ミクロ組織がベイナイトを母相としたフェライト又は/及びパーライト組織であり、かつ板厚方向の集合組織分布を制御することにより、脆性き裂伝播停止性能を向上させるものである。
鋼板が外部応力を受けた際に該鋼板に発生する脆性き裂は(100)のへき開面に沿って伝播することから、特定の集合組織を発達させることによってき裂の伝播方向を変化させることが可能である。ただし、板厚方向に均一な集合組織が形成されたとしてもマクロなき裂伝播方向を変化させることはできるが、アレスト性を飛躍的に向上させるには至らない。アレスト性を向上させるためには板厚方向に集合組織が異なるような分布を形成させることによって、き裂伝播の抵抗となるような破面を形成させることが効果的である。
このような集合組織制御に関し、本発明者らが鋭意検討した結果、鋼板の板厚方向の中心を中央として表面側及び裏面側に板厚の各々5%以上、25%未満、即ち、板厚の10%以上、50%未満の領域(中心部領域)において圧延面と平行な(111)又は/及び(211)X線面強度比が1.5以上2.0未満の集合組織、前記中心部領域より表面側及び裏面側の領域(表裏層部領域)において圧延面と平行な(100)X線面強度比が2.0以上の集合組織を形成させることによって、中心部領域で分岐き裂が発生し、その分岐き裂は外部応力と垂直な面に対し15°以上45°以下で伝播し、表裏層部領域で主き裂が発生し、その主き裂は外部応力と垂直(直角)方向に伝播する、即ち、中心部領域が脆性き裂の伝播抵抗となりアレスト性が飛躍的に向上することが明らかとなった。
本発明者らは、このアレスト性が飛躍的に向上する原因を解明するため、まず、アレスト性の優れた鋼板(−10℃のときのアレスト靭性値Kcaが6800N/mm1.5で板厚60mmの鋼板)を用いて、板幅500mmの温度勾配型ESSO試験を行った。
尚、温度勾配型の標準ESSO試験とは「WES 鋼種認定試験方法」(2000年3月改正版)の「7.脆性破壊伝播停止試験」に準拠する試験である。
この試験結果より、図1(a)に示すように、予め形成した切欠き(予切欠き)2を有する鋼板が外部からの引張応力(以下単に外部応力と称す)に対し、この予切欠き2から発生したマクロな脆性き裂3は、外部応力1に対して垂直(直角)方向(矢印4方向)に伝播していた。
また、板厚方向(図1(a)のA−A矢印方向)からこの破面を観察すると図1(b)に示すように、このマクロな脆性き裂3は、表裏層部領域8である表裏面から22.5mm(板厚の37.5%)までの領域に外部応力に対して垂直方向(矢印6方向)に伝播する主き裂5と、中心部領域9には鋼板内部にある角度を有して伝播している多数の小さなき裂(以下、分岐き裂と称す)7から構成されていることが観察された。そして、この分岐き裂7の発生領域は板厚中心Cを中央に挟んで15mm(板厚の25%)の領域であった。
さらに、板厚中心部9の圧延面方向(図1(b)のB−B矢印方向)から観察すると図1(c)に示すように、分岐き裂7は30°の傾斜角度θを有し、外部応力に対して傾斜して(矢印10方向)伝播していることが分かった。
次に、複数のアレスト靭性値Kcaの優れた鋼板(Kca:−10℃で6000N/mm1.5以上の鋼板)とアレスト靭性値Kcaの劣る鋼板(Kca:−10℃で6000N/mm1.5未満の鋼板)について、前記分岐き裂7の傾斜角度11と発生領域との関係について調査するために、前記同様の板幅500mmの温度勾配型ESSO試験を行った。この結果を図2に示す。なお、試験に使用した鋼板は板厚40〜100mm、降伏応力360〜540MPaである。
この図2から、前記アレスト性の優れた鋼板は、分岐き裂の傾斜角度は15°以上の範囲で、分岐き裂は中心部領域10%以上50%未満の領域内(板厚方向の中心を中央として表面側及び裏面側に各々5%以上、25%未満の領域内)に分布していることが分かる。一方、アレスト靭性値Kcaの劣る鋼板は分岐き裂が発生しない、または、分岐き裂の傾斜角度は15°以上であるが、分岐き裂は板厚の10%未満の領域に発生していることが分かる。また、分岐き裂の傾斜角度が15°未満で分岐き裂が発生する鋼板はなかった。また、分岐き裂が中心部領域における板厚の50%以上に及んで発生している鋼板もなかった。
このことから、アレスト性の優れた鋼板、すなわち、アレスト靭性値Kcaが―10℃で6000N/mm1.5以上を示す鋼板は、分岐き裂の傾斜角度が15°以上で、かつ、分岐き裂が板厚の10%以上50%未満の板厚中心部領域に発生することが分かる。
アレスト性が向上するメカニズムは、主き裂から分岐する分岐き裂が数mm以上の長さで複数発生することで主き裂先端の応力緩和や閉口応力の発生により、破面形成エネルギーを消費や脆性破壊に対する駆動力の低下に起因して、主き裂の伝播を抑制するものと推定される。
前記のように、本発明が分岐き裂の傾斜角度を15°以上としたのは、これ未満であると前記分岐き裂の発生が困難になり、破面形成エネルギーの消費が少なくなり主き裂の伝播阻止が困難になってアレスト性が低下するためである。また、45°以下としたのは、異方性が大きくなることを抑制するためである。
また、分岐き裂の発生領域を、板厚の中心部の10%以上50%未満としたのは、10%未満であると分岐き裂が形成されても、破面形成エネルギーの消費や脆性破壊に対する駆動力の低下代が少なく、主き裂の伝播を阻止する有効な抵抗になり難く、また板厚の50%以上では分岐き裂が発生せずに主き裂となり傾斜して伝播してしまうことから、アレスト性向上に適した伝播形態とはならず、前記同様にアレスト性が低下するためである。
図3は、上記同様に中心部領域において分岐き裂が板厚の10%以上50%未満の領域に発生するアレスト靭性値Kcaが−10℃で6000N/mm1.5以上を示す鋼板と、板厚中心部領域に分岐き裂が発生しないアレスト靭性値Kcaが−10℃で6000N/mm1.5未満の鋼板(各鋼板の板厚:40〜100mm)を用いて前記同様の板幅500mmの温度勾配型ESSO試験を行い、その結果から、板厚表層部の(100)X線面強度比と板厚中心部の(111)又は/及び(211)X線面強度比との関係を表したものである。なお、X線面強度比は、分岐き裂が発生した場合は、分岐き裂が発生していない表層部の中心部と分岐き裂が発生している板厚中心部を測定し、分岐き裂が発生していない場合は、表層から板厚の25%の位置と板厚中心部を測定した。そして、このX線面強度比とは、X線回折法により求めた(100)(111)(211)面回折強度のランダム方位試料の回折強度に対する相対比のことである。
この図3から、前記中心部領域に分岐き裂を有する鋼板、すなわち、アレスト性の優れた鋼板は、表層部の(100)面強度比が2.0以上、かつ、中心部の(111)又は/及び(211)面強度比が1.5以上、2.0未満の範囲に分布することが分かる。一方、中心部領域に分岐き裂を有しない鋼板は、上記以外の範囲に分布することが分かる。
つまり、中心部の(111)又は/及び(211)面強度比が1.5未満では分岐き裂がほとんど形成されないため有効な脆性破壊の抵抗になり難く、また2.0以上でも分岐き裂は発生せず主き裂となり伝播してしまうことから、中心部の(111)又は/及び(211)面強度比を1.5以上2.0未満の範囲とした。さらに、表層部の(100)面強度比が2.0未満では表裏層部の領域のき裂を外部応力と垂直(直角)方向に安定的に伝播させることが困難であり、中心部で分岐き裂を発生させるようなアレスト性向上に適した伝播形態にならないため、2.0以上とした。また、異方性が大きくなることを抑制するために、5.0を上限とすることが好ましい。
このように、(100)面強度比が大きい表裏層部領域では、へき開面が外部応力と垂直であり、かつ集合組織強度が中心部領域のそれよりも大きいことから、外部応力と垂直方向にき裂は伝播する。このとき(111)又は/及び(211)面強度比が大きい中心部領域では、へき開面が外部応力と垂直な面に対し傾斜していることから、主き裂より分岐き裂が発生する。しかし、分岐き裂は、主き裂に引っ張られ成長することはできず、さらに主き裂が伝播することにより数mm以上の長さの分岐き裂が次々と形成されていく。このように破面形成エネルギーが多数の分岐き裂発生により消費されることにより、アレスト性が向上する。さらに、分岐き裂自体が主き裂先端の応力緩和や閉口応力の発生により、脆性破壊に対する駆動力が低下し、アレスト性が向上する。
上記のようなアレスト性向上効果は、降伏応力が355〜550MPaである鋼板、及び板厚が40〜100mmの鋼板において特に顕著となる。この理由は、降伏応力が355MPa未満550MPa超、または板厚が40mm未満では、本発明で規定しているような板厚方向に集合組織が異なるような分布を形成させることが困難であるからである。また板厚が100mm超では、き裂先端の塑性拘束が大きくなり、応力が顕著に高揚するなど力学的条件が極めて厳しくなり、特に板厚中心部でのき裂伝播の駆動力が高まることによって、集合組織にほとんど依存せずに板厚中心部に分岐き裂を発生させることが困難であるため、本発明で規定するような伝播形態を得ることが困難となりアレスト性の飛躍的な向上が図れないからである。
以下、各元素の量を限定した理由について説明する。
Cは厚手母材の強度を確保するために0.04%以上必要であり、これが下限である。また、Cが0.15%を超えると良好なHAZ靭性を確保することが困難であることから、これが上限となるが、Cの上限は0.1%とすることが好ましい。
Siは脱酸元素及び強化元素として有効であるため、0.1%以上必要であるが、0.5%を超えるとHAZ靭性が著しく劣化するため、これが上限である。
Mnは厚手母材の強度と靭性を経済的に確保するために0.5%以上必要である。ただし、2.5%を超えて添加すると、中心偏析が顕著となってこの部分の母材とHAZ靭性が劣化するため、これが上限である。
Pは不純物元素であり、靭性を安定的に確保するために0.02%以下に低減する必要がある。
Sも不純物元素であり、Pと同様の理由で0.01%以下に低減する必要があるが、下限を実施例に記載の0.001%とした。
Alは脱酸を担い、不純物元素であるO(酸素)を低減するために必要である。Al以外にもSiやMnも脱酸に寄与するが、たとえこれらの元素が添加される場合でも、0.001%以上のAlがないと安定的にOを低減することは難しい。ただし、Alが0.1%を超えると、アルミナ系の粗大酸化物やクラスターが生成し、母材とHAZ靭性が劣化するため、これが上限である。
Nbは本発明において重要な元素である。所定の集合組織分布を形成させるためには、表裏層部以外の板厚中心部を含む領域において未再結晶オーステナイト域の上限側での圧延が必要となる。Nbはその未再結晶温度域を拡大させるために有効な元素であり、圧延温度を緩和し生産性向上に寄与できる。この効果を得るためには0.003%以上必要であるが、0.05%を超えるとHAZ靭性が劣化するため、これが上限である。
TiはTiNを形成することによって、鋼片加熱時や溶接時にオーステナイト粒径が大きくなることを抑制でき、母材とHAZ靭性を向上させる効果がある。この効果を得るためには0.005%以上必要である。しかし、過剰なTiの添加は、TiC形成によりHAZ靭性が劣化するため、0.02%を上限とする。
Nは上記したようにTiN形成による母材とHAZ靭性向上効果を得るために0.001%以上必要である。しかし、過剰なNの添加は鋳片割れや母材とHAZ靭性の劣化を招くため、0.008%を上限とする。
また、上記した添加元素の他に、質量%で、Cu:0.05〜1%、Ni:0.05〜2%、Cr:0.05〜1%、Mo:0.05〜0.5%、V:0.005〜0.2%、B:0.0002〜0.003%(なお、Bの下限は実施例に記載の0.001%とした)の少なくとも1種以上を化学成分として含有しても良い。これらを添加することにより、母材の強度と靭性が確保される。ただし、これらの元素が多すぎると母材とHAZ靭性や溶接性が低下するため、それぞれの元素に上限を設ける必要がある。
さらに、上記した添加元素の他に、質量%で、Ca:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%、REM:0.0003〜0.005%の少なくとも1種以上を化学成分として含有しても良い。これらを添加することにより、酸化物、硫化物がピン止め粒子となりオーステナイト粒の成長を抑制する、またはフェライト変態核となりHAZ組織を微細化することによりHAZ靭性が向上する。ただし、これらの元素が多すぎると粗大な介在物、クラスターが形成され、HAZ靭性が劣化するため、それぞれの元素に上限を設ける必要がある。
なお、以下に本発明である高強度厚鋼板の好ましい製造方法について説明する。
まず、上記した適切な化学成分組成に調整した溶鋼を、転炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造等の通常公知の鋳造方法で鋼素材である鋳片とする。
次に、鋼素材を950℃〜1250℃の温度に加熱し、オーステナイト単相化する。これは950℃未満ではオーステナイト単相化が不十分であり、1250℃超では加熱γ粒径が極端に粗大化して圧延後に微細な組織を得ることが困難となり靭性が低下するからである。この加熱した鋼素材は、オーステナイトの細粒化を目的に900℃以上での再結晶圧延を行っても良いが、圧延なしのままでも構わない。
引き続き行う圧延によって所定の板厚の鋼板を造り、圧延後に水冷する。このとき、670℃以上850℃以下の温度で累積圧下率30%以上67%以下の圧延を行い、650℃以上から、板厚平均で8℃/s以上の冷却速度で500℃以下の温度まで加速冷却を行うことが望ましい。
加速冷却後、強度と靭性を調整する目的で必要に応じ300〜650℃の温度で焼き戻しすることが可能である。
この製造方法によると、極低温圧延、及び複雑な熱処理工程を必要としないため、本発明に係る高強度厚鋼板を、生産性高く、かつ低コストで製造出来る。また、残留応力も抑制されるため、形状矯正に起因したコスト増加を抑制できるので好ましい。
以下実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
製鋼工程において溶鋼の化学成分調整を行った後、連続鋳造によって鋳片を製造した。表1に化学成分を示す。この鋳片を用いて板厚40〜100mmの厚鋼板を製造した。表2に各厚鋼板の製造方法示す。表2には板厚中心部のミクロ組織構成も合わせて示す。
Figure 0005064150
Figure 0005064150
各厚鋼板の集合組織強度、機械的特性(引張特性、衝撃特性)、アレスト性、及び脆性破面形態(板厚中心部の分岐き裂の外部応力と垂直な面に対する傾斜角度、及び分岐き裂領域の板厚方向長さ)を測定した。集合組織強度はX線回折法により、(100)(111)(211)面回折強度のランダム方位試料の回折強度に対する相対比を求めた。中心部に分岐き裂が発生した場合、表層部は表層から5mm下の位置と分岐き裂領域境界の板厚方向へ表層側に1mmの位置の2箇所の(100)面強度比を、中心部は分岐き裂領域境界の板厚方向へ中心側に1mmの位置と中心部の2箇所の(111)及び(211)面強度比をそれぞれ記載した。また中心部に分岐き裂が発生しなかった場合、表層部は表層から5mm下の位置と板厚の25%の位置の2箇所の(100)面強度比を、中心部は表層から板厚の40%の位置と50%の位置(板厚中心部)の2箇所の(111)及び(211)面強度比をそれぞれ代表して記載した。引張特性は、JIS Z 2241に準拠し、JIS Z 2201の丸棒引張試験片を板厚中心部から圧延方向と直角方向に2本採取し引張試験に供し、降伏応力(YP)及び引張強さ(TS)のそれぞれの平均値を記載した。また衝撃特性は、JIS Z 2242に準拠し、JIS Z 2202のVノッチシャルピー衝撃試験片を板厚中心部から圧延方向と平行に3本採取しシャルピー衝撃試験に供し、−40℃でのシャルピー吸収エネルギー(vE−40)の平均値を記載した。アレスト性は、板幅500mmの温度勾配型ESSO試験により、−10℃でのアレスト靭性値Kcaを求めた。脆性破面形態は、ESSO試験後の破面を用いて、板厚中心部の分岐き裂の外部応力と垂直な面に対する傾斜角度、及び分岐き裂領域の板厚方向長さを測定した。表3に測定結果を示す。
Figure 0005064150
鋼番1〜6は本発明の厚鋼板である。化学成分が本発明範囲内で、かつ、集合組織強度、分布、脆性破面形態も本発明要件を満足しているため、−10℃でのアレスト靭性値Kcaが6000N/mm1.5以上の優れた値を示していた。また、機械的性質も、降伏強度(YP)が380〜520MPa、引張強さ(TS)が500〜650MPaの高強度、−40℃シャルピー吸収エネルギー(vE−40)が150〜300Jの高靭性を示していた。
これに対し、鋼番7〜12は比較例となる厚鋼板である。そのうち、鋼番7は、ミクロ組織がフェライト主体組織となり母材強度や靭性が低い値を示し、かつ板厚中心部の集合組織強度が本発明の下限を下回り、中心部に分岐き裂が形成されなかったため、アレスト性は低下した。また、鋼番8は、表裏層部の集合組織強度が本発明の下限を下回り、さらに板厚中心部の集合組織強度が本発明の上限を上回っり、中心部に分岐き裂が形成されなかったため、アレスト性は大幅に低下した。
また、鋼番9は、表層部の集合組織強度が本発明の下限を下回り、かつ中心部に分岐き裂は生じたもののその形成領域が板厚の3.3%と本発明の下限を下回ったため、アレスト性は低下した。
また、鋼番10、11、12は、ミクロ組織はフェライト主体となり母材の強度が低い。さらに表層部の集合組織要件は満足しているものの、板厚中心部の集合組織強度が本発明の下限を下回り、中心部に分岐き裂が形成されなかったため、Kcaは低い値を示した。
以上の実施例から、本発明を適用することにより、降伏応力が355〜550MPa、板厚が40〜100mmm、かつ−10℃のアレスト靭性値Kcaが6000N/mm1.5以上である脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板を提供できることが確認された。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
板幅500mmの温度勾配型ESSO試験を行った後の脆性き裂の伝播挙動及び破面を示す模式図である。 板厚40〜100mmの鋼板を用いて板幅500mmの温度勾配型ESSO試験を行い、中心部の分岐き裂の傾斜角度と分岐き裂寸法の板厚に対する割合の関係によりどのようなアレスト性が得られるかを表したグラフである。 板厚40〜100mmの鋼板を用いて板幅500mmの温度勾配型ESSO試験を行い、表層部の(100)X線面強度比と中心部の(111)又は/及び(211)X線面強度比との関係によりどのようなアレスト性が得られるかを表したグラフである。
符号の説明
1:外部応力方向
2:予切欠き
3:マクロな脆性き裂
4:マクロな脆性き裂の伝播方向
5:表裏層部き裂
6:表裏層部き裂の伝播方向
7:中心部の分岐き裂
8:表裏層部
9:中心部
10:分岐き裂の伝播方向

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.04〜0.15%、
    Si:0.1〜0.5%、
    Mn:0.5〜2.5%、
    P :≦0.02%、
    S :0.001〜0.01%、
    Al:0.001〜0.1%、
    Nb:0.003〜0.05%、
    Ti:0.005〜0.02%、
    N :0.001〜0.008%
    を含有し、残部が鉄及び不可避不純物によって化学成分が構成された鋼板で、ミクロ組織がベイナイトを母相としたフェライト又は/及びパーライト組織であり、鋼板の板厚方向の中心を中央として板厚の10%以上、50%未満の中心部領域において圧延面と平行な(111)又は/及び(211)X線面強度比が1.5以上2.0未満の集合組織を有し、前記中心部領域より表裏面側の表裏層部領域において圧延面と平行な(100)X線面強度比が2.0以上の集合組織を有していることを特徴とする脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
  2. 質量%で、
    Cu:0.05〜1%、
    Ni:0.05〜2%、
    Cr:0.05〜1%、
    Mo:0.05〜0.5%、
    V :0.005〜0.2%、
    B :0.001〜0.003%
    の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする請求項1に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
  3. 質量%で、
    Ca:0.0003〜0.005%、
    Mg:0.0003〜0.005%、
    REM:0.0003〜0.005%
    の少なくとも1種以上を化学成分として含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
  4. 板厚が40mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
  5. 前記中心部領域に分岐き裂が発生し、該分岐き裂は外部応力と垂直な面に対し15°以上45°以下で伝播し、前記表裏層部領域に主き裂が発生し、該主き裂は外部応力と垂直方向に伝播することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の脆性き裂伝播停止性能に優れた高強度厚鋼板。
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