JP5048410B2 - スタビライザーの支持構造 - Google Patents

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本発明は、左右のサスペンション装置を連結するスタビライザーのトーション部の外周面に筒状のスタビライザーブッシュの内周面を嵌合し、前記スタビライザーブッシュの外周面を車体の取付部と該車体に固定される固定部材との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造に関する。
左右のサスペンション装置を連結するスタビライザーのトーション部の外周にスタビライザーブッシュの筒体を嵌合し、この筒体を取付ブラケットで車体に支持するものにおいて、スタビライザーブッシュの筒体の開口端に環状リップ部を形成することで、スタビライザーブッシュの筒体とスタビライザーとの摺動面に砂粒や泥水が侵入するのを阻止するものが、下記特許文献1により公知である。
実公昭63−32490号公報
ところで上記従来のものは、スタビライザーブッシュの筒体が軸線方向に延びるスリット部を備えているため、左右の車輪が逆位相で上下動してスタビライザーが捩じれ変形したときに、スタビライザーからスタビライザーブッシュの筒体に径方向の荷重が加わり、スリット部が開いてスタビライザーとの摺動面に砂粒や泥水が侵入する可能性があった。そしてスタビライザーブッシュとスタビライザーとの摺動面に砂粒や泥水が侵入すると、異音の原因となったり、スタビライザーの表面の摩耗が促進されたりするという問題が発生してしまう。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、スタビライザーブッシュに形成したスリットが開いてスタビライザーとの摺動面に砂粒や泥水が侵入するのを阻止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、左右のサスペンション装置を連結するスタビライザーのトーション部の外周面に筒状のスタビライザーブッシュの内周面を嵌合し、前記スタビライザーブッシュの外周面を車体の取付部と該車体に固定される固定部材との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造において、前記スタビライザーブッシュの内周面の軸線方向の一端部に、前記スタビライザーのトーション部に連なる湾曲部の一部が嵌合しており、前記スタビライザーブッシュは外周面から内周面まで軸線に沿って切断したスリットを備えると共に、該スリットが前記スタビライザーの湾曲部の湾曲方向に対して逆方向に配置され、前記スタビライザーブッシュの内周面の少なくとも前記一端部の開口端における前記スリットを挟む位置のみに、前記スリットが該内周面と交差する位置から径方向外方及び円周方向両側に向けてそれぞれ次第に浅くなる面取部を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記面取部は、前記スリットを挟んで対称に形成された滑らかな凹曲面であることを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記スタビライザーブッシュの軸線と前記面取部とが成す鋭角は、45°〜75°であることを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される
た請求項に記載された発明によれば、請求項1〜請求項の何れか1項の構成に加えて、前記スタビライザーブッシュの外周面における少なくとも軸線方向端部を除く部分に、径方向に窪む凹部を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される。
また請求項に記載された発明によれば、請求項1〜請求項の何れか1項の構成に加えて、前記スタビライザーブッシュの側面における前記スリットの近傍を避ける位置に、軸線方向に窪む凹部を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される。
また請求項に記載された発明によれば、請求項の構成に加えて、前記凹部は、前記スリットの近傍を避けて軸線の周囲を囲むように形成されることを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される。
請求項1の構成によれば、スタビライザーブッシュは、スタビライザーのトーション部の外周面に嵌合して車体の取付部と固定部材との間に挟圧されて固定される。スタビライザーブッシュはその軸線に沿って切断したスリットを備え、スタビライザーブッシュの内周面の開口端における前記スリットを挟む位置のみに、前記スリットが該内周面と交差する位置から径方向外方及び円周方向両側に向けてそれぞれ次第に浅くなる面取部を形成したので、スタビライザーブッシュが車体の取付部と固定部材との間に挟圧されて径方向内向きに圧縮されたときに、その内周面の開口端のスリットを挟む位置に軸線方向内向きの荷重を発生させ、開口端がめくれ上がるように開くのを防止することができる。これにより、スタビライザーブッシュの内周面とスタビライザーのトーション部との間に砂粒や泥水が侵入するのを阻止し、異音の発生やスタビライザーの摩耗を防止することができる。しかもスタビライザーブッシュは薄肉のリップを持たないので耐久性が向上する。
また、スタビライザーブッシュの内周面の軸線方向の一端部に、スタビライザーのトーション部に連なる湾曲部の一部が嵌合するので、スタビライザーブッシュを利用してスタビライザーを車幅方向に位置決めすることができる。しかも、車輪が上下動すると、スタビライザーのトーション部に対して湾曲部が上下動してスタビライザーブッシュの内周面をこじるが、スリットを湾曲部の湾曲方向に対して逆方向に配置したことで、前記こじりによるスリットの開きを防止して砂粒や土砂の侵入を効果的に阻止することができる。
また請求項2の構成によれば、スタビライザーブッシュの面取部をスリットを挟んで対称に形成された滑らかな凹曲面で構成したので、スリットの位置が面取部の中心線から円周方向に若干ずれても該面取部の機能が損なわれることがなく、よってスリットを形成する際に高い加工精度が不要になって加工コストの削減が可能になる。
また請求項3の構成によれば、スタビライザーブッシュの軸線と面取部とが成す鋭角を45°〜75°に設定したので、スタビライザーブッシュの面取部に異物が押し付けられたときに内周面の開口端が開き難くするとともに、面取部に挟まった異物が食い込むのを防止して排出され易くすることができる
た請求項の構成によれば、スタビライザーブッシュの外周面における軸線方向端部を除く部分に径方向に窪む凹部を形成したので、スタビライザーブッシュを車体の取付部と固定部材との間に挟圧して固定する際に、凹部が存在しないためにスタビライザーブッシュの剛性が高くなる軸線方向両端部で内周面をトーションバーに強く押し付け、面取部の部分でスリットが開くのを確実に防止することができる。しかも凹部が存在するためにスタビライザーブッシュの剛性が低くなる軸線方向中間部で内周面とトーションバーとの接触面圧を低下させ、スタビライザーブッシュに対してトーション部をスムーズに回転させて乗り心地性能を高めることができる。
また請求項の構成によれば、スタビライザーブッシュの側面におけるスリットの近傍を避ける位置に軸線方向に窪む凹部を形成したので、スタビライザーブッシュを車体の取付部と固定部材との間に挟圧して固定する際に、凹部が存在しないスリットの近傍の剛性を相対的に高めることで、面取部の部分でスリットを強く密着させて該スリットが開くのを確実に防止することができる。
また請求項の構成によれば、凹部をスリットの近傍を避けて軸線の周囲を囲むように形成したので、スリットの近傍の剛性だけを効果的に高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1はスタビライザーの車両への取付状態を示す斜視図、図2は図1の2方向拡大矢視図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5はスタビライザーブッシュの形状を示す図、図6はスタビライザーブッシュの面取部の作用説明図である。
図1に示すように、左右の車輪W,Wを懸架するストラット式のサスペンション装置S,Sは、サスペンションアーム10,10を介して車体に上下動自在に支持された左右のナックル11,11と、各ナックル11,11の上部に結合されて上方に延びるダンパー12,12と、各ダンパー12,12の上部外周に同軸に配置されたサスペンションスプリング13,13と、左右のナックル11,11の上部間を連結するスタビライザー14とを備える。
スタビライザー14は、車幅方向に直線状に延びるトーション部15と、トーション部15の両端から車体後方に直線状に延びる左右のアーム部16,16と、トーション部15およびアーム部16,16を滑らかに接続する左右の湾曲部17,17とを備える。左右のアーム部16,16の先端は、それぞれリンク22,22を介してダンパー12,12に接続される。左右の湾曲部17,17に隣接するトーション部15の両端に筒状のゴムよりなるスタビライザーブッシュ18,18が嵌合しており、それらのスタビライザーブッシュ18,18は車体19のU字状の取付部19a(図2参照)と、その取付部19aを覆うように車体19にボルト20,20で固定される板状の取付ブラケット21との間に挟まれて支持される。
図2〜図5から明らかなように、各スタビライザーブッシュ18は、平坦な第1外周面18aと、軸線Lに直交する方向の断面がU字状で軸線Lに沿う方向の断面が波形の第2外周面18bと、一対の側面18c,18cと、両側面18c,18cに開口してスタビライザー14のトーション部15が嵌合する円形断面の内周面18dとを備える。スタビライザーブッシュ18には、その軸線Lを含む平面内に配置されて第2外周面18bから内周面18dに達する割り溝状のスリット18eが形成される。また内周面18dがスタビライザーブッシュ18の側面18c,18cに開口する部分には、スリット18eを円周方向両側から挟むように面取部18f,18fが形成される。更に、スタビライザーブッシュ18の平坦な第1外周面18aの中央に、四角形の位置決め突起18gが突設される。
それぞれの面取部18fは、スリット18eを挟む両側部分だけに形成されており、軸線L方向に見た形状は、スタビライザーブッシュ18の内周面18dから径方向外側に向かって二等辺三角形状にテーパーし、その頂点がスリット18e上に位置している。そして、面取部18fの軸線L方向の深さは、スリット18eがスタビライザーブッシュ18の内周面18dと交差する位置で最も深く、そこから径方向外側に向かって次第に浅くなると同時に、円周方向両側に向かって次第に浅くなっている。
上述のような形状を有するスタビライザーブッシュ18は、そのスリット18eを弾性変形させて広げることで、スタビライザー14のトーション部15の外周面に嵌合することができる。そしてスタビライザーブッシュ18のU字状の第2外周面18bを車体19のU字状の取付部19aに嵌合し、その平坦な第1外周面18aを平坦な取付ブラケット21に当接して保持される。
このとき、スタビライザーブッシュ18の位置決め突起18gが取付ブラケット21の位置決め孔21aに嵌合し、かつ軸線Lに沿う方向の断面が波形の第2外周面18bが同形状の車体19の取付部19aに密着することで、スタビライザーブッシュ18は軸線L方向に移動不能に位置決めされる。しかもスタビライザーブッシュ18は車体19および取付ブラケット21間に挟持されて径方向内向きに所定の締め代で圧縮され、その内周面18dがスタビライザー14のトーション部15の外周面に圧接され、かつスリット18eが閉じるように圧接される。
スタビライザーブッシュ18の自由状態での内周面18dの直径はスタビライザー14のトーション部15の直径よりもh(図5(A)参照)だけ大きく(例えば、h=0.5mm)形成されており、取付ブラケット21で車体19の取付部19aに固定されるときに径方向内向きに圧縮されたとき、スタビライザーブッシュ18の内周面18dとトーション部15の外周面との接触面圧が必要以上に高くならないように考慮されている。これにより、スタビライザーブッシュ18を径方向内向きに圧縮する荷重をスリット18eに有効に作用させ、スリット18eが開かないように強く密着させることができる。
更にスタビライザー14のトーション部15の両端に連設された湾曲部17,17の一部が、左右のスタビライザーブッシュ18,18の内周面18d,18dの車幅方向外側端部に係合することにより、スタビライザー14に特別の位置決め部材を設けることなく、スタビライザー14を車幅方向に位置決めすることができる。
このように構成されたスタビライザー14は、左右の車輪W,Wが同位相で上下動する場合には、左右のアーム部16,16が同位相で上下動してトーション部15が捩じれないためにロールモーメントを発生しないが、左右の車輪W,Wが逆位相で上下動する場合には、左右のアーム部16,16が逆位相で上下動してトーション部15が捩じれるために車体のローリングを抑制するロールモーメントを発生し、車両の操縦安定性を高めることができる。
ところで、左右の車輪W,Wが逆位相で上下動してスタビライザー14のトーション部15が捩じれ変形するとき、それぞれスタビライザーブッシュ18,18で支持されたトーション部15の左右両端部が上下方向に移動しようとする荷重が発生するため、スタビライザーブッシュ18,18のスリット18e,18eが内周面18d,18dに連なる部分から開いてしまい、そこに発生する隙間から砂粒や泥水が侵入して異音や摩耗が発生する原因となる可能性がある。本実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向両端部におけるスリット18eを挟む位置に形成した面取部18f,18fの作用で、スリット18eが開くのを防止して砂粒や泥水が侵入を阻止することができる。
即ち、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向端部におけるスリット18eを挟む位置に面取部18fを設けたことで、図3において軸線Lに直交する方向の圧縮荷重Aが加わったときに軸線L方向内向きの荷重Bを発生させ、スリット18eを挟む位置での内周面18dの開口端のa部がトーション部15に接触する面圧を増加させることができる。その結果、トーション部15に径方向の荷重が作用しても、その外周面とスタビライザーブッシュ18の内周面18dとの間に隙間が発生するのを防止し、スリット18eの端部からの砂粒や泥水の侵入を阻止することができる。しかもスタビライザーブッシュ18は薄肉のリップを持たないので耐久性が向上する。
面取部18fが砂粒や泥水の侵入を阻止する機能は、スタビライザーブッシュ18の軸線Lと面取部18fとが成す鋭角θの大きさにより変化する。図6に示すように、砂粒Sが荷重Fで軸線L方向に面取部18fに押し付けられたとき、その荷重Fは面取部18fに直交する方向の成分F1と軸線Lに直交する方向の成分F2とに分解され、軸線Lに直交する方向の成分F2の反力F2′が面取部18fを押し開こうとする。
図6(A)および図6(B)は、それぞれ前記鋭角θが65°の場合および35°の場合を示している。鋭角θが大きい図6(A)の場合は面取部18fを押し開こうとする反力F2′が小さくなるが、鋭角θが小さい図6(B)の場合は面取部18fを押し開こうとする反力F2′が大きくなる。従って、鋭角θを大きくした方が異物が面取部18fに食い込み難くなり、かつ一旦食い込んだ異物がそこに留まらずに排出され易くなる。以上の理由から、鋭角θの下限値は45°が望ましい。
一方、前述したように、鋭角θが直角に近づくと、スタビライザーブッシュ18を径方向内側に圧縮しようとする荷重で面取部18fが軸線L方向外側に押し出されてめくれ上がるように開くため、鋭角θの上限値は75°が望ましい。従って鋭角θを45°〜75°の範囲に設定すれば、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端を開き難くしながら、面取部18fに異物が食い込んだり、食い込んだ異物が排出され難くなったりするのを防止することができる。
次に、図7に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態の面取部18fは軸線L方向に見て二等辺三角形状に形成されているが、第2の実施の形態の面取部18fは軸線L方向に見て三日月状に形成されており、その他の構成は同一である。スリット18eを介しての砂粒や泥水の侵入を阻止する機能は、第1の実施の形態も第2の実施の形態も同じであるが、第2の実施の形態は製造時の作業性が向上するという効果を有している。
即ち、スタビライザーブッシュ18は金型成形された後に、カッターやレーザーによりスリット18eが切断加工される。このとき、図8(A)に示すように、第1の実施の形態の二等辺三角形状の面取部18fを設けたものでは、スリット18eの位置が円周方向に僅かにずれただけで二等辺三角形状の面取部18fの頂点から外れてしまい、面取部18fの機能が損なわれてしまう可能性がある。一方、図8(B)に示すように、第2の実施の形態の三日月状の面取部18fを設けたものでは、スリット18eの位置が円周方向に僅かにずれても殆ど影響がなく、面取部18fの機能を安定して発揮させることができる。
次に、図9に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
第1、第2の実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dが真っ直ぐな円筒状に形成されているが、上述したように、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向の一端部にはスタビライザー14の湾曲部17の一部が嵌合するため、第3の実施の形態ではスタビライザーブッシュ18の内周面18dの車幅方向外側の一部を、前記スタビライザー14の湾曲部17に倣うように湾曲させている。その理由は、次の通りである。
車輪Wが上下動するとスタビライザー14のアーム部16を介して湾曲部17が軸線Lを中心として上下に揺動するが、湾曲部17がスタビライザーブッシュ18の内周面18dに嵌合していると、その湾曲部17によって内周面18dがこじられるため、スリット18eが開き易くなる問題がある。しかしながら、本実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dをスタビライザー14の湾曲部17に倣うように湾曲させたことにより、湾曲部17の揺動によるスタビライザーブッシュ18の内周面18dのこじりを最小限に抑え、スリット18eを開き難くすることができる。
更に本実施の形態では、スタビライザーブッシュ18のスリット18eの位置を、スタビライザー14の湾曲部17が延びる方向と逆方向に配置している。この配置によっても、湾曲部17の揺動によるスタビライザーブッシュ18の内周面18dのこじりを最小限に抑え、スリット18eを開き難くすることができる。
次に、図10に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態は、スタビライザーブッシュ18の側面18c,18cを、その第1、第2外周面18a,18b側から内周面18dの開口端側に向けて、軸線L方向内側に傾斜させたものである。このように、スタビライザーブッシュ18の側面18c,18cを傾斜させると、面取部18fと同様の作用でスタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端がトーション部15に接触する面圧を増加させることができる。そして特に砂粒や泥水が侵入し易いスリット18eの両側部分に面取部18f,18fを設けることで更に接触面圧を増加させることができる。
次に、図11に基づいて本発明の第5の実施の形態を説明する。
第5の実施の形態は、スタビライザーブッシュ18の第2外周面18bにおけるスリット18eの近傍に、軸線Lと平行に延びる細長い溝状の凹部18hを形成したものである。凹部18hの範囲はスタビライザーブッシュ18の軸線L方向中央部に限られており、軸線L方向の両端部の手前で終わっている。
この実施の形態によれば、凹部18hを形成したスタビライザーブッシュ18の軸線L方向中央部の剛性が、軸線L方向両端部の剛性よりも低くなるため、スタビライザーブッシュ18を車体19および取付ブラケット21間に挟持して径方向内向きに圧縮したとき、その圧縮力は剛性の高いスタビライザーブッシュ18の軸線L方向両端部に強く作用し、スタビライザーブッシュ18の側面18c,18cにおいてスリット18e開くのを効果的に抑制することができる。
尚、第5の実施の形態で、スリット18eを径方向外側が径方向内側よりも低くなるように傾斜させているのは、万一スリット18e内に砂粒や泥水が侵入した場合でも、前記傾斜により砂粒や泥水が径方向外側に移動して排出され易くするためである。
次に、図12に基づいて本発明の第6の実施の形態を説明する。
第5の実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の第2外周面18bにおけるスリット18eの近傍に一つの凹部18hを形成しているが、第6の実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の第2外周面18bにおけるスリット18eの近傍と、その反対側とに二つの凹部18h,18hを形成している。
この第6の実施の形態によっても、上述した第5の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
次に、図13に基づいて本発明の第7の実施の形態を説明する。
第7の実施の形態は、スタビライザーブッシュ18の各側面18cのスリット18eから遠い上部および下部に、軸線L方向に窪む凹部18i,18iを形成したものである。スタビライザーブッシュ18を車体19および取付ブラケット21間に挟持して径方向内向きに圧縮したとき、凹部18i,18iの近傍の剛性が低下しているため、凹部18i,18iから離れた剛性が高い部分に存在するスリット18eに強い圧縮荷重を作用させ、スタビライザー14のトーション部15に径方向の荷重が加わったときに、スリット18eが開放するのを効果的に抑制することができる。
次に、図14に基づいて本発明の第8の実施の形態を説明する。
第8の実施の形態は、上述した第7の実施の形態の変形であって、第7の実施の形態では2個の凹部18i,18iが設けられているのに対し、第8の実施の形態では軸線Lを囲むように配置されたC字状の凹部18jが、スリット18eの部分を避けるように形成されている。
この第8の実施の形態によれば、スリット18eの近傍の剛性だけを他の部分に比べて高めることで、スリット18eが開放するのを一層効果的に抑制することができる。
次に、図15に基づいて本発明の第9の実施の形態を説明する。
第9の実施の形態は、上述した第8の実施の形態の変形であって、第8の実施の形態ではC字状の凹部18jが溝で構成されているが、第9の実施の形態ではC字状の凹部18jの径方向外側部分がスタビライザーブッシュ18の第1、第2外周面18a,18bに開放している。即ち、C字状の凹部18jは、溝ではなく切欠きで構成されている。
この第9の実施の形態によっても、上述した第8の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
次に、図16に基づいて本発明の第10の実施の形態を説明する。
第10の実施の形態は、上述した第9の実施の形態の変形であって、第9の実施の形態ではスタビライザーブッシュ18の凹部18jが第1、第2外周面18a,18bに開放する部分が、軸線Lに対して直交しているが、第10の実施の形態ではそれが軸線Lに対して傾斜している。
この第10の実施の形態によっても、上述した第9の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
次に、図17に基づいて本発明の第11の実施の形態を説明する。
第11の実施の形態は、上述した第8の実施の形態の変形であって、第8の実施の形態ではスタビライザーブッシュ18の内周面18dが軸線L方向に一定の内径を有しているが、第11の実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端の内径が、他の部分(軸線L方向中間部分)よりも小さく、かつトーション部15の外径よりも小さく形成されている。これにより、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端をスタビライザー14の外周面に強く密着させ、砂粒や泥水の侵入を一層確実に阻止することができる。
次に、図18に基づいて本発明の第12の実施の形態を説明する。
第12の実施の形態は、上述した第11の実施の形態の変形であって、第11の実施の形態におけるC字状の凹部18jの溝幅を若干拡大したものである。
この第12の実施の形態によっても、上述した第11の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではストラット式のサスペンションSを例示したが、本発明のスタビライザー14は任意の型式のサスペンション装置に適用することができる。
また実施の形態では車体19に形成したU字状の取付部19aと平坦な取付ブラケット21との間にスタビライザーブッシュ18を挟んで支持しているが、車体19の平坦面にU字状の取付ブラケットを用いてスタビライザーブッシュ18を支持しても良い。
また実施の形態ではダンパー12,12にスタビライザー14のアーム部16,16を接続しているが、ナックル11,11あるいはサスペンションアーム10,10にスタビライザー14のアーム部16,16を接続しても良い。
第1の実施の形態に係るスタビライザーの車両への取付状態を示す斜視図 図1の2方向拡大矢視図 図2の3−3線断面図 図2の4−4線断面図 スタビライザーブッシュの形状を示す図 スタビライザーブッシュの面取部の作用説明図 第2の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第1、第2の実施の形態のスリットを加工するときの作用説明図 第3の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第4の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第5の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第6の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第7の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第8の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第9の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第10の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第11の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図 第12の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの形状を示す図
14 スタビライザー
15 トーション部
18 スタビライザーブッシュ
18a 第1外周面(外周面)
18b 第2外周面(外周面)
18d 内周面
18e スリット
18f 面取部
18h 凹部
18i 凹部
18j 凹部
19 車体
19a 取付部
21 取付ブラケット(固定部材)
L 軸線
S サスペンション装置

Claims (6)

  1. 左右のサスペンション装置(S)を連結するスタビライザー(14)のトーション部(15)の外周面に筒状のスタビライザーブッシュ(18)の内周面(18d)を嵌合し、前記スタビライザーブッシュ(18)の外周面(18a,18b)を車体(19)の取付部(19a)と該車体(19)に固定される固定部材(21)との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造において、
    前記スタビライザーブッシュ(18)の内周面(18d)の軸線(L)方向の一端部に、前記スタビライザー(14)のトーション部(15)に連なる湾曲部(17)の一部が嵌合しており、
    前記スタビライザーブッシュ(18)は外周面(18b)から内周面(18d)まで軸線(L)に沿って切断したスリット(18e)を備えると共に、該スリット(18e)が前記スタビライザー(14)の湾曲部(17)の湾曲方向に対して逆方向に配置され
    前記スタビライザーブッシュ(18)の内周面(18d)の少なくとも前記一端部の開口端における前記スリット(18e)を挟む位置のみに、前記スリット(18e)が該内周面(18d)と交差する位置から径方向外方及び円周方向両側に向けてそれぞれ次第に浅くなる面取部(18f)を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造。
  2. 前記面取部(18f)は、前記スリット(18e)を挟んで対称に形成された滑らかな凹曲面であることを特徴とする、請求項1に記載のスタビライザーの支持構造。
  3. 前記スタビライザーブッシュ(18)の軸線(L)と前記面取部(18f)とが成す鋭角は、45°〜75°であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスタビライザーの支持構造。
  4. 記スタビライザーブッシュ(18)の外周面(18b)における少なくとも軸線(L)方向端部を除く部分に、径方向に窪む凹部(18h)を形成したことを特徴とする、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のスタビライザーの支持構造。
  5. 前記スタビライザーブッシュ(18)の側面(18c)における前記スリット(18e)の近傍を避ける位置に、軸線(L)方向に窪む凹部(18i,18j)を形成したことを特徴とする、請求項1〜請求項の何れか1項に記載のスタビライザーの支持構造。
  6. 前記凹部(18i,18j)は、前記スリット(18e)の近傍を避けて軸線(L)の周囲を囲むように形成されることを特徴とする、請求項に記載のスタビライザーの支持構造。
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