JP2008213728A - スタビライザブッシュ - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数および製造コストを増大させることなく、車両の操縦安定性の維持と異音の発生の抑制とを両立させることができるスタビライザブッシュを提供する。
【解決手段】スタビライザブッシュ1は、筒状本体部11と、一対の第一軸状凸部121、122とを備える。筒状本体部11は、筒状のゴム弾性体からなり、内径がスタビライザバー2の外径より大きく形成され、スタビライザバー2を挿通し、且つ、ブラケット3により外周面を押圧されて車両ボディ5に固定される。第一軸状凸部121、122は、筒状本体部11に一体成形されるゴム弾性体からなり、筒状本体部11の内周面のうち車両上下端から径方向内方へ向かって突出し、筒状本体部11の軸方向に延在するように形成され、且つ、径方向内方端面がスタビライザバー2の外周面に当接してスタビライザバー2を保持する。
【選択図】図5

Description

本発明は、スタビライザブッシュに関するものである。
スタビライザブッシュは、自動車等の車両において、操縦安定性や乗り心地等を向上させるために用いられている。一般に、スタビライザブッシュは、車両左右両側のサスペンションアームを連結するスタビライザバーを車両ボディに弾性支持せしめるものである。通常、スタビライザブッシュは、筒状のゴム弾性体にて構成され、その内周にスタビライザバーが挿通される一方、その外周面が適当な締結部材によって車両ボディに取り付けられるようになっている。
ところで、かかるスタビライザブッシュは、スタビライザバーを挿通した状態において、スタビライザバーの捩り(軸心回りの回転)が生じた際、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザバーの外周面との間の摺動抵抗が大きいと、異音が発生するなどといった不具合のおそれがある。
そこで、例えば、特開平4−316730号公報(特許文献1)に記載されたスタビライザブッシュでは、その内周面に合成繊維からなる筒状ライナーが接合されている。これにより、スタビライザブッシュとスタビライザバーとの摺動性が向上し、異音発生が抑えられると考えられる。
一方、スタビライザバーには、車両の旋回時等にロール(車両前後方向を軸とする回転)が発生する。これにより、スタビライザバーを挿通した状態において、スタビライザブッシュには、およそ車両上下方向の力が加えられる。このとき、スタビライザブッシュが、当該車両上下方向の力に対する十分な反力(アンチロール力)を有していないと、車両の操縦安定性は損なわれることになる。
そこで、例えば、特開平11−291736号公報(特許文献2)に記載されたスタビライザブッシュでは、車両ボディへの組付け時に車両上下方向を圧縮し、当該車両上下方向の接触面圧を高くしている。これにより、スタビライザブッシュのアンチロール力が高まり、車両の操縦安定性を向上させている。
特開平4−316730号公報 特開平11−291736号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスタビライザブッシュでは、その内周面に、起毛したナイロン等の合成繊維を筒状に編んだ筒状ライナーを接合しなければならない。このスタビライザブッシュでは、摺動性を向上させるために、ゴム弾性体とは別部材のものを新たに製造し、且つ、内周面に接合させる必要がある。つまり、部品点数および部品等の製造コストの面で問題がある。
また、特許文献2に記載のスタビライザブッシュでは、その内周面がスタビライザバーの全周に亘って面圧を付加している。つまり、このスタビライザブッシュでは、内周面のすべてがスタビライザバーと接触している。これにより、必然的に、当該内周面の全体においてスタビライザバーとの摺動抵抗が発生することになり、摺動性の向上には限界がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、部品点数および製造コストを増大させることなく、車両の操縦安定性の維持と異音の発生の抑制とを両立させることができるスタビライザブッシュを提供することを目的とする。
本発明のスタビライザブッシュは、筒状本体部と、一対の第一軸状凸部とを備える。筒状本体部は、筒状のゴム弾性体からなり、内径がスタビライザバーの外径より大きく形成され、スタビライザバーを挿通し、且つ、締結部材により外周面を押圧されて車両ボディに固定される。一対の第一軸状凸部は、筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、筒状本体部の内周面のうち車両上下端から径方向内方へ向かって突出し、筒状本体部の軸方向に延在するように形成され、且つ、径方向内方端面がスタビライザバーの外周面に当接してスタビライザバーを保持する。なお、径方向とは、筒状本体部の径方向を意味する。
スタビライザバーは、例えば、鋼の棒材からなる。そして、スタビライザバーは、車両左右方向に延びる軸状部と、軸状部の両端からそれぞれ車両左右の車輪に向けて延びる連結部とを備える。一般に、連結部とサスペンションアームとが連結し、スタビライザブッシュは、軸状部の両端側にそれぞれ配置される。
ここで、筒状本体部は、内径がスタビライザバーの外径より大きく形成される。従って、筒状本体部の内周面とスタビライザバーとは、挿通状態下において、直接接触しない。そして、当該内周面の車両上端および車両下端にそれぞれ一体成形される第一軸状凸部が、スタビライザバーに当接し、当該スタビライザバーを保持する。つまり、スタビライザバーは、スタビライザブッシュに挿通された状態において、車両上下方向にある一対の第一軸状凸部に当接し保持される。この第一軸状凸部は、それぞれ筒状本体部の軸方向に延在するように形成される。つまり、車両上下方向には高いばね定数を得ることになる。
これにより、本発明のスタビライザブッシュは、ロールによる車両上下方向の力に対して十分な反力(すなわち、アンチロール力)を得ることができる。さらに、スタビライザブッシュとスタビライザバーとは、一対の第一軸状凸部とスタビライザバーとが接触しており、少なくとも一対の第一軸状凸部の周方向隣接部位においては非接触となる。このため、当該接触の面積は、従来のようにスタビライザブッシュの内周面すべてが接触するのに比べて、減少する。従って、スタビライザブッシュとスタビライザバーとの摺動抵抗は減少し、当該摺動性を向上させることができる。その結果、異音の発生を抑制することができる。
すなわち、本発明のスタビライザブッシュは、車両の操縦安定性を維持しつつ、異音の発生を抑えることができる。また、本発明では、ライナー等を用いることなく、上記効果を得ることができるため、部品点数および製造コストの増大を抑えることができる。
ここで、本発明のスタビライザブッシュにおいて、さらに、筒状本体部の内周面の車両上端と筒状本体部の外周面の車両上端との間、および、筒状本体部の内周面の車両下端と筒状本体部の外周面の車両下端との間に、それぞれ離隔して配置され、筒状本体部の軸方向へ延在するように筒状本体部の内部にインサート成形される一対の補強板を備えてもよい。
補強板は、筒状本体部よりも大きいばね定数(剛性)を有するものであり、例えば、金属または樹脂等からなる。これにより、車両上下方向におけるばね定数は大きくなり、スタビライザブッシュの車両上下にかかるアンチロール力はさらに大きくなる。すなわち、操縦安定性はさらに向上する。
そして、車両上側の補強板と、車両上側の第一軸状凸部との位置関係について説明する。ここで、スタビライザバーの捩れ軸を通り車両上下方向および捩れ軸方向に平行な平面を第一平面と定義する。また、車両上側の第一軸状凸部の周方向端部とスタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第二平面と定義する。また、車両上側の補強板の周方向端部とスタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第三平面と定義する。
スタビライザバーの捩れ軸とは、捩り(回転)に対する回転軸を意味する。すなわち、スタビライザバーの捩れ軸は、スタビライザバーの軸状部の中心軸に相当する。捩れ軸方向とは、捩れ軸が延びる方向である。また、第一軸状凸部の周方向端部とは、スタビライザバーの軸方向(車両左右側)から見た場合に、スタビライザバーの周方向における第一軸状凸部の端部である。また、補強板の周方向端部とは、スタビライザバーの軸方向から見た場合に、スタビライザバーの周方向における補強板の端部である。つまり、周方向端部とは、捩れ軸を中心とした周方向の端部である。
そして、本発明において、第三平面と第一平面とのなす鋭角は、第二平面と第一平面とのなす鋭角以上であり、45度以下であることが好ましい。
第三平面と第一平面とのなす鋭角を第二平面と第一平面とのなす鋭角以上とすることにより、車両上側の第一軸状凸部とスタビライザバーとの接触面積を増加させることなく、車両上側の第一軸状凸部にかかるばね定数を確実に大きくすることができる。また、第三平面と第一平面とのなす鋭角を45度以下とすることにより、車両前後方向のばね定数に対する車両上方のばね定数の比を大きくすることができる。従って、車両上側の補強板により、車両前後方向のばね定数を大きくすることなく、車両上方のばね定数を大きくできる。従って、摺動性を損なうことなく、スタビライザブッシュの車両上方のばね定数を確実に大きくすることができる。
そして、車両下側の補強板と、車両下側の第一軸状凸部との位置関係について説明する。ここで、車両下側の第一軸状凸部の周方向端部とスタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第四平面と定義し、車両下側の補強板の周方向端部とスタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第五平面と定義する。そして、本発明において、第五平面と第一平面とのなす鋭角は、第四平面と第一平面とのなす鋭角以上であり、45度以下であることが好ましい。これにより、車両前後方向のばね定数に対する車両下方のばね定数の比を大きくすることができる。従って、車両下側の補強板により、車両前後方向のばね定数を大きくすることなく、車両下方のばね定数を大きくできる。また、スタビライザブッシュにおける摺動性も損なうことはない。
次に、車両上側の第一軸状凸部自体の角度について説明する。すなわち、本発明において、第二平面と第一平面とのなす鋭角は、車両の最大ロール角に応じた角度であることが好ましい。つまり、第一軸状凸部は、車両の最大ロール角に応じた角度範囲に形成されることが好ましい。ロール角とは、車両が旋回したときに車両ボディが傾く角度である。そして、最大ロール角は、スタビライザやサスペンション等により車両毎に設定されるロール角の最大値のことである。車両が旋回する際、スタビライザバーの両端部分は、それぞれ車両上下方向からずれた方向に力が加わる。これは、車両上下方向からロール角分ずれた方向への力である。
ここで、第二平面と第一平面とのなす鋭角を最大ロール角に対応(例えば、等しく)させることにより、たとえ車両が最大ロール角となった場合であっても、第一軸状凸部が確実に当該力に対抗することができる。すなわち、本発明は、ロール時においても、アンチロール力を損なわせることなく、操縦安定性をより確実に確保することができる。
また、車両下側の第一軸状凸部自体の角度について説明する。すなわち、第四平面と第一平面とのなす鋭角は、車両の最大ロール角に対応する角度であることが好ましい。これにより、たとえ車両が最大ロール角となった場合であっても、アンチロール力を損なわせることがなく、操縦安定性の確保はより確実になる。
ここで、本発明のスタビライザブッシュは、さらに第一周状凸部を備えることが好ましい。第一周状凸部は、筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、筒状本体部の内周面のうち開口端よりも軸方向中央側において周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出しており、内周面を径方向に切断した断面がスタビライザバーの外径以下の内径からなる円形に形成される。
この第一周状凸部は、径方向に切断した断面(以下、径方向断面とも称する)がリング状のゴム弾性体であり、筒状本体部の内周面に一体成形される。第一周状凸部の内径は、スタビライザバーの外径以下である。つまり、スタビライザバーは、スタビライザブッシュに挿通された状態において、第一周状凸部の内周面全周に当接する。これにより、スタビライザバーの挿通時および挿通後におけるスタビライザバーの位置決めがより確実となる。従って、車両ボディにスタビライザバーを組付けた状態および車両走行時等において、スタビライザバーは、さらに安定する。なお、第一周状凸部は、筒状本体部の軸方向において、その両端よりも中央側に位置する。
また、第一周状凸部は、筒状本体部の軸方向に複数形成されてもよい。例えば、第一周状凸部が軸方向に1個の場合と、2個の場合とについて説明する。ここで、1個の場合における第一周状凸部の幅と、2個の場合における2個の第一周状凸部の合計幅とは、同一とする。従って、両者の第一周状凸部による摺動抵抗は同一である。しかし、第一周状凸部が軸方向2個の場合の方が、スタビライザブッシュに対してスタビライザバーが傾斜する場合に、スタビライザバーが傾斜することを抑制する力が大きくなる。つまり、スタビライザバーの位置決め効果が大きい。このように、スタビライザバーの位置決めは、さらに確実なものとなる。
ここで、上述においては、スタビライザバーの位置決め効果を発揮するために、本発明のスタビライザブッシュは、第一周状凸部を備えるようにすることについて説明した。この第一周状凸部を備える場合の他に、以下のようにしてもよい。すなわち、本発明のスタビライザブッシュは、第二軸状凸部を備えてもよい。第二軸状凸部は、筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、筒状本体部の内周面のうち第一軸状凸部に対して周方向にずれた位置から径方向内方へ向かって突出し、筒状本体部の軸方向に延在するように形成され、且つ、径方向内方端面がスタビライザバーの外周面に当接してスタビライザバーを保持する。
第二軸状凸部は、例えば、第一軸状凸部と同形状であって、筒状本体部の内周面における車両上側の第一軸状凸部と車両下側の第一軸状凸部との間に形成される。つまり、第一軸状凸部と第二軸状凸部とからなる軸状凸部が、周方向に少なくとも3個配置されることになる。これにより、スタビライザバーの位置決めが確実となる。つまり、第一周状凸部を備えなくとも、第一軸状凸部と第二軸状凸部によりスタビライザバーを容易に位置決めすることが可能となる。さらに、スタビライザブッシュの内部において、第一軸状凸部とそれに隣り合う第二軸状凸部との間全体に亘って軸方向に空間を形成することで、スタビライザバーとの摺動性も確保できる。
ここで、第二軸状凸部は、筒状本体部の内周面のうち一対の第一軸状凸部の間のそれぞれの面に形成されることが好ましい。これにより、第一軸状凸部と第二軸状凸部によって、スタビライザバーの外周をその周方向の4箇所以上の位置で保持でき、スタビライザバーの位置決めがより容易かつ確実になる。例えば、車両上下方向に対である第一軸状凸部と、車両前後方向に対になった第二軸状凸部との4箇所により、スタビライザバーの位置決めは確実なものとなる。また、第二軸状凸部を、一対の第一軸状凸部の間のそれぞれの面に2箇所以上形成する場合は、第一軸状凸部と第二軸状凸部とが合計で6箇所となる。例えば、隣り合う軸状凸部間の角度を60度とする。これにより、よりスタビライザバーの位置決めが確実なものとなる。なお、第二軸状凸部は、車両前後方向において、面対称に形成されるとよい。
さらに、本発明のスタビライザブッシュは、第二周状凸部を備えることが好ましい。第二周状凸部は、筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、筒状本体部の内周面のうち両側の開口端において周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出し、且つ、内周面を径方向に切断した断面がスタビライザバーの外径より小さい内径からなる円形に形成される。
第二周状凸部は、径方向断面がリング状のゴム弾性体からなり、その内径がスタビライザバーの外径以下であり、筒状本体部の軸方向の両端の内周面に形成される。スタビライザブッシュの両側の開口端(軸方向両端)において、第二周状凸部は、スタビライザバーに全周に亘って密接し、スタビライザバーを保持する。つまり、第二周状凸部は、車両上下方向のばね定数を高くするための補助として機能する。このことに加えて、第二周状凸部は、スタビライザブッシュの内部に砂やごみ等が侵入することを抑制するシール機能をも有する。
さらに、第一周状凸部を備える場合には、第二周状凸部の内径は、第一周状凸部の内径より小さくするとよい。これにより、第二周状凸部が、確実に、ばね定数を高くするための補助機能およびシール機能を発揮するようにできる。
ここで、第二周状凸部は、内径が筒状本体部の軸方向外方に向かって徐々に縮径するように形成されることが好ましい。軸方向外方とは、筒状本体部の軸方向において、中央から開口端に向かう方向である。つまり、筒状本体部の両側の開口端に形成される第二周状凸部のうち、一方の第二周状凸部の内径は、筒状本体部の当該一方の開口端に向けて緩やかに縮径している。
これにより、スタビライザブッシュを製造する際に、金型の取り外しがよりスムーズになる。つまり、スタビライザブッシュの捩れ軸部分(軸状部挿通部分)の金型を取り外す際、当該金型を軸方向に引く抜く場合に第二周状凸部による抵抗が小さくなる。また、スタビライザブッシュに切り割りが設けられている場合、切り割りを開いて当該金型を取り外す際も、第二周状凸部による抵抗は小さくなる。
なお、本発明において、定義した平面のうち、第一軸状凸部または補強板の周方向端部を通る平面とは、その周方向端部の一部を通る平面も含む意味である。つまり、当該周方向端部は、径方向に平行な面でなくてもよい。例えば、周方向端部の形状が、径方向に平行な端面でない場合、定義される平面は、当該端面と直線で交わることになり、これも含まれる。
本発明のスタビライザブッシュによれば、部品点数および製造コストを増大させることなく、車両の操縦安定性の維持と異音の発生の抑制とを両立させることができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態のスタビライザブッシュ1の概要について、図1および図2を参照して説明する。図1は、スタビライザブッシュ1を車両ボディ5に組付けた状態を軸方向(車両左右側)から見た図である。図2は、車両に搭載されたスタビライザバー2を車両上方から見た図である。
図1に示すように、スタビライザブッシュ1は、筒状のゴム弾性体からなる。このスタビライザブッシュ1のゴム弾性体のゴム材料としては、摺動性の良好な自己潤滑ゴム等が好適に用いられる。スタビライザブッシュ1には、その内周面から側部外周面に至る切り割り1aが設けられている。そして、この切り割り1aを開いてその内部にスタビライザバー2を挿通して組付ける。
ここで、スタビライザバー2は、図2に示すように、鋼材からなり、車両上方から見た場合に車両後方側に開口するコの字型であって、外径が同径の丸棒からなる。すなわち、スタビライザバー2は、軸状部21と、軸状部21の両端に一体的に屈曲形成された連結部22、23とから構成される。この連結部22、23は、軸状部21の両端からそれぞれ車両後方に延伸している。さらに、連結部22、23の端部が、それぞれ左右の車輪を支持するサスペンションアーム(図示せず)に連結される。そして、スタビライザブッシュ1は、スタビライザバー2の軸状部21の両端のそれぞれに配置される。なお、図1に示すスタビライザバー2の捩れ軸Oは、図2に示す軸状部21の中心軸に対応する。
そして、図1に示すように、スタビライザブッシュ1は、略U字形のブラケット3で保持され、ブラケット3の両端部は、車両ボディ5の取付け面にボルト4で固定されている。つまり、スタビライザブッシュ1は、ブラケット3で圧縮されて車両ボディ5に組み付けられている。ここでは、車両ボディ5の取付け位置の形状は、スタビライザブッシュ1の外周面に対応する形状となっている。
次に、スタビライザブッシュ1の具体的な構成について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、スタビライザブッシュ1単体の軸方向に切断した断面図である。具体的には、図3(a)は、スタビライザブッシュ1を車両上下方向に切断した断面図であり、図3(b)は、スタビライザブッシュ1を車両前後方向に切断した断面図である。なお、図3(a)(b)には、スタビライザブッシュ1に挿入する前のスタビライザバー2を示している。図4は、スタビライザブッシュ1にスタビライザバー2を組み付けた状態の軸方向に切断した断面図である。具体的には、図4(a)は、図1のA−A断面図であり、図4(b)は、図1のB−B断面図である。図5は、図3(a)のC−C断面図である。なお、以下、軸方向に切断した断面を軸方向断面と称する。
図3(a)(b)に示すように、スタビライザブッシュ1は、筒状本体部11と、一対の第一軸状凸部121、122と、第一周状凸部13と、一対の第二周状凸部141、142とを備えている。
筒状本体部11は、筒状のゴム弾性体からなる。この筒状本体部11は、図3(a)(b)に示すように、内径(R1)がスタビライザバー2の外径(R2)より大きく形成されている。そして、図4(a)(b)および図5に示すように、筒状本体部11は、スタビライザバー2を挿通し、且つ、ブラケット3により外周面を押圧されて車両ボディ5に固定されている。
第一軸状凸部121、122は、筒状本体部11に一体成形されるゴム弾性体からなっている。図3(a)(b)に示すように、一方の第一軸状凸部121は、筒状本体部11の内周面のうち車両上端から径方向内方へ向かって突出し、筒状本体部11の軸方向に延在するように形成されている。他方の第一軸状凸部122は、筒状本体部11の内周面のうち車両下端から径方向内方へ向かって突出し、筒状本体部11の軸方向に延在するように形成されている。ここでは、車両上側の第一軸状凸部121と車両下側の第一軸状凸部122とは、同形状となっている。
第一軸状凸部121、122の径方向の長さは、筒状本体部11の内径半径からスタビライザバー2の外径半径を引いた(減算)値よりも、僅かに大きくなっている。つまり、第一軸状凸部121、122の径方向の長さは、(R1−R2)/2よりも僅かに大きい(図3(a)参照)。そして、図4(a)および図5に示すように、第一軸状凸部121、122は、径方向内方端面がスタビライザバー2の外周面に当接してスタビライザバー2を保持している。なお、径方向とは、筒状本体部11の径方向を意味する。
ここで、図5に示すように、スタビライザバー2の捩れ軸O(軸状部21の中心軸)を通り車両上下方向および捩れ軸方向(捩れ軸Oが延びる方向)に平行な平面を第一平面F1と定義する。また、車両上側の第一軸状凸部121の周方向端部とスタビライザバー2の捩れ軸Oとを通る平面を第二平面F2と定義する。そして、第一実施形態においては、第一平面F1と第二平面F2とのなす鋭角θ1が15度に設定されている。
また、車両下側の第一軸状凸部122の周方向端部とスタビライザバー2の捩れ軸Oとを通る平面を第四平面F4と定義する。ここで、第一平面F1と第四平面F4とのなす鋭角θ1は、車両上側同様、15度に設定されている。第一実施形態では、第二平面F2と第四平面F4とは同一平面となる。なお、第一軸状凸部121、122の周方向端部は、径方向にほぼ平行な端面となっており、第二平面F2および第四平面F4は、当該端面を通る平面となる。
この第一平面F1と第二平面F2(第四平面F4)とのなす鋭角θ1は、予め設定された車両の最大ロール角に設定されている。つまり、第一実施形態において、最大ロール角は15度である。なお、ロール角とは、一般に、車両が旋回したときに車両ボディ5が傾く角度である。このロール角の詳細については、後述する。
第一周状凸部13は、筒状本体部11に一体成形されるゴム弾性体からなっている。図3(a)(b)に示すように、第一周状凸部13は、筒状本体部11の内周面の軸方向中央において周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出している。つまり、第一周状凸部13は、筒状本体部11の内周面のうち、開口端(図3(a)、(b)の左右の端部)より軸方向中央側に位置している。
この第一周状凸部13は、径方向断面が円形であり、図3(b)に示すように、その内径(R3)がスタビライザバー2の外径(R2)と同一か当該外径(R2)より僅かに小さくなるように形成されている。つまり、第一周状凸部13は、図4(a)(b)に示すように、内周面の全周に亘ってスタビライザバー2の外周面に当接している。なお、第一実施形態では、第一軸状凸部121、122の径方向の長さは、(R1−R3)/2に等しくなっている。すなわち、第一軸状凸部121、122と第一周状凸部13とは、径方向内方への突出長さが等しくなっている。
第二周状凸部141、142は、筒状本体部11に一体成形されるゴム弾性体からなっている。図3(a)(b)に示すように、一方の第二周状凸部141は、筒状本体部11の内周面のうち車両左側の開口端において、周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出している。また、他方の第二周状凸部141は、筒状本体部11の内周面のうち車両右側の開口端において、周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出している。そして、第二周状凸部141、142は、径方向断面が円形であり、その内径(R4)がスタビライザバー2の外径(R2)より僅かに小さくなるように形成されている。さらに、その内径(R4)は、第一周状凸部13の内径(R3)よりも僅かに小さくなっている。つまり、図4(a)(b)に示すように、第二周状凸部141、142は、スタビライザブッシュ1の軸方向両端において、内周面の全周に亘ってスタビライザバー2の外周面を押圧し、第一周状凸部13よりも強固にスタビライザバー2を保持している。
なお、第一実施形態において、筒状本体部11、第一軸状凸部121、122、第一周状凸部13、および、第二周状凸部141、142は、すべて同一のゴム弾性体からなり、一体的に形成されている。
次に、ロール角について図6を参照して説明する。図6は、図2のスタビライザバー2を車両左側から見た図である。
そして、スタビライザバー2が車両に図2のように搭載されている場合、車両旋回時に発生するロール角は、図6に示す角度Xに相当する。すなわち、当該例示におけるロール角Xは、スタビライザバー2の軸状部21の中心軸(捩れ軸O)を通り車両前後方向に平行(車両ボディ5に水平)な平面と、連結部22とのなす鋭角を意味する。なお、このなす鋭角は、スタビライザバー2の軸状部21の中心軸(捩れ軸O)を通り車両前後方向に平行な平面と、連結部23とのなす鋭角と同一である。
図6の場合、車両が右に旋回する際に、サスペンションに連動して、車両左側の連結部22が車両上方に、車両右側の連結部23が車両下方にねじられる。このとき、図6の矢印で示すように、スタビライザバー2の左端が受ける力の方向は、車両上下方向から角度Xずれた方向(捩れ軸Oを中心とした円の接線方向)となる。つまり、車両がロール角をとったとき、スタビライザバー2の軸状部21の一端は車両上下方向からロール角分ずれた方向に力を受けることになる。
ここで、スタビライザブッシュ1の作用効果について説明する。車両ボディ5に固定されたスタビライザブッシュ1(図1参照)において、スタビライザバー2に当接してスタビライザバー2を保持しているのは、第一軸状凸部121、122、第一周状凸部13、および、第二周状凸部141、142である。筒状本体部11の内周面は、スタビライザバー2に当接していない。つまり、スタビライザブッシュ1の内周面の一部分が、スタビライザバー2の外周面に当接している。換言すると、スタビライザブッシュ1の内周面では、周状凸部を除いて車両前後方向が凹部となっている。
従って、スタビライザブッシュ1の内周面とスタビライザバー2の外周面との接触面積は、小さくなっている。当該接触面積が小さいことにより、摺動抵抗は低減し、スタビライザバー2の摺動性は向上する。これにより、スタビライザバーの捩りによる異音の発生を抑えることができる。
また、図5に示すように、スタビライザブッシュ1の内部には、車両上下方向にそれぞれ第一軸状凸部121、122が形成されている。スタビライザバー2は、第一軸状凸部121、122により、車両上下方向から保持されている。つまり、スタビライザブッシュ1は、車両上下方向に高いばね定数を有し、スタビライザバー2のロールによる車両上下方向の力に対して、反力(アンチロール力)を有している。
特に、スタビライザブッシュ1では、第一軸状凸部121、122が最大ロール角に相当する角度範囲に形成されている。これにより、車両旋回時において、スタビライザブッシュ1が車両上下方向からロール角分ずれた方向に力を受けても、第一軸状凸部121、122により高いばね定数を維持することができる。すなわち、ロール時に、アンチロール力を確実に発生させることができる。これにより、車両の操縦安定性は維持される。
また、スタビライザブッシュ1は、ブラケット3により圧縮されて固定されている。さらに、第一軸状凸部121、122の径方向の長さは、筒状本体部11の内径からスタビライザバー2の外径を引いた(減算)値よりも、僅かに大きくなっている。つまり、第一軸状凸部121、122は、車両上下方向において、スタビライザバー2を押圧して保持している。従って、車両上下方向においては、ロールに対するより大きなアンチロール力を得ている。
さらに、図4(b)および図5に示すように、スタビライザブッシュ1の内部では、スタビライザバー2との間に、車両前後方向に一部空間ができる。つまり、車両前後方向のばね定数が低減され、スタビライザバー2の捩りによる車両前後方向への動きが許容される。これにより、スタビライザバー2がスタビライザブッシュ1の内周面を滑る前に当該動きが許容される。従って、当該滑り自体も抑制することができる。
また、第一周状凸部13および第二周状凸部141、142により、スタビライザバー2は、スタビライザブッシュ1内部において確実に位置決めされている。さらに、第一周状凸部13および第二周状凸部141、142により、スタビライザブッシュ1は、車両上下方向以外においても、ある程度のばね定数を持つことができる。第一周状凸部13にあっては、複数設けることで、スタビライザブッシュ2全体のばね定数を調整できる。すなわち、スタビライザバー2の保持安定性は向上する。
さらに、第二周状凸部141、142は、スタビライザブッシュ2の両側の開口端において、スタビライザバー2との間に隙間なく(全周)当接している。これにより、筒状本体部の内側に砂やごみ等が侵入することは、抑制される。第二周状凸部141、142は、スタビライザブッシュ1のシール性を確保する機能も担っている。
なお、第一軸状凸部121、122において、第一平面F1と第二平面F2(第四平面F4)のなす鋭角θ1を15度としたが、この限りではない。第一平面F1と第二平面F2(第四平面F4)とのなす鋭角θ1は、車両毎の最大ロール角に応じて適宜調整することが好ましい。また、第一周状凸部13は、筒状本体部11の内周面に複数形成されていてもよく、この場合、スタビライザバー2の位置決めはより安定する。
<第一実施形態の変形態様>
上述した第一実施形態のスタビライザブッシュ1の変形態様について図7を参照して説明する。当該変形態様においては、上述した第二周状凸部141、142を、第二周状凸部143、144に変更している。図7は、第二周状凸部141、142を第二周状凸部143、144に変更したスタビライザブッシュ1単体の軸方向断面図である。
この第二周状凸部143、144は、図7に示すように、筒状本体部11に一体成形される径方向断面が円形のゴム弾性体からなる。この第二周状凸部143、144は、第一実施形態の第二周状凸部141、142と同様に、筒状本体部11の内周面のうち車両両側の開口端において、周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出している。
この第二周状凸部143、144は、その内径が、筒状本体部11の軸方向外方に向かって徐々に縮径するように形成されている。つまり、第二周状凸部143の内径は車両左側に向かって徐々に縮径し、第二周状凸部144の内径は車両右側に向かって徐々に縮径している。
さらに具体的には、第二周状凸部143、144の軸方向内方端の内径は、R3(第一周状凸部13の内径)に等しく、第二周状凸部143、144の軸方向外方端の内径R5は、R4(第二周状凸部141、142の内径)より僅かに小さくなっている。そして、第二周状凸部143、144の内径は、軸方向外方に向かって、R3からR5へと緩やかに小さくなっている。
これにより、スタビライザブッシュ1の製造する際に、金型の取り外しがよりスムーズになる。つまり、スタビライザブッシュ1における軸状部21挿通部分の金型を切り割り1aを開いて当該金型を取り外す際、第二周状凸部143、144による抵抗は小さくなる。
<第二実施形態>
第二実施形態のスタビライザブッシュ10について、図8および図9を参照して説明する。図8(a)は、図1のA−A断面に相当するスタビライザブッシュ10の軸方向断面図である。図8(b)は、図1のB−B断面に相当するスタビライザブッシュ10の軸方向断面図である。図9は、図8(a)におけるD−D断面図である。
ここで、第二実施形態のスタビライザブッシュ10は、第一実施形態のスタビライザブッシュ1に一対の補強板61、62を加えたものである。そこで、第一実施形態と同一構成部分においては、同一符号を付して説明を省略する。
第二実施形態のスタビライザブッシュ10は、筒状本体部11と、一対の第一軸状凸部121、122と、第一周状凸部13と、一対の第二周状凸部141、142と、一対の補強板61、62とを備えている。
補強板61、62は、筒状本体部11よりも大きいばね定数を有するものであり、それぞれ弧状に湾曲した金属製インサート部材である。図8(a)および図9に示すように、補強板61は、筒状本体部11の内周面の車両上端と筒状本体部11の外周面の車両上端とのほぼ中間に配置されている。また、補強板62は、筒状本体部11の内周面の車両下端と筒状本体部11の外周面の車両下端とのほぼ中間に配置されている。つまり、補強板61、62は、それぞれ離隔して配置され、筒状本体部11の軸方向へ延在するように筒状本体部11の内部にインサート成形されている。
ここで、図9に示すように、車両上側の補強板61の周方向端部とスタビライザバー2の捩れ軸O(軸状部21の中心軸)とを通る平面を第三平面F3と定義する。また、車両下側の補強板62の周方向端部とスタビライザバー2の捩れ軸Oとを通る平面を第五平面F5と定義する。
補強板61は、具体的に、第一平面F1と第三平面F3とのなす鋭角θ2が45度となるように形成され、筒状本体部11の内部に配置されている。また、補強板62は、第一平面F1と第五平面F5とのなす鋭角θ2が45度となるように形成され、筒状本体部11の内部に配置されている。つまり、第二実施形態において、第三平面F3と第五平面F5とは同一平面となる。
定義された各平面の関係について、第三平面F3と第一平面F1とのなす鋭角(45度)は、第二平面F2と第一平面F1とのなす鋭角(15度)以上であり、45度以下となっている。同様に、第五平面F5と第一平面F1とのなす鋭角(45度)は、第四平面F4と第一平面F1とのなす鋭角(15度)以上であり、45度以下となっている。図8(b)および図9に示すように、車両前後方向には補強板61、62が配置されていない。
以上より、補強板61、62の周方向の延在幅は、第一軸状凸部121、122の周方向の延在幅よりも大きくなっている。従って、第一軸状凸部121、122とスタビライザバー2との接触面積を増加させることなく、第一軸状凸部121、122にかかるばね定数を確実に大きくすることができる。また、補強板61、62の周方向の延在幅が、第一平面F1から周方向へ45度以内に収まっているため、車両前後方向のばね定数に対する車両上下方向のばね定数の比を大きくすることができる。従って、車両上側の補強板61、62により、車両前後方向のばね定数を大きくすることなく、車両上下方向のばね定数のみを大きくすることができる。従って、摺動性を損なうことなく、アンチロール力のみを確実に大きくすることができる。
<第三実施形態>
第三実施形態のスタビライザブッシュ100について、図10および図11を参照して説明する。図10(a)は、図1のB−B断面に相当するスタビライザブッシュ100の軸方向断面図である。図10(b)は、第一軸状凸部121、122および第二軸状凸部151、152を除き、補強板61、62を含むスタビライザブッシュ100の軸方向断面図である。具体的に、図10(b)は、第二平面F2と第三平面F3の間の(第一平面F1から周方向に15度より大きく45度以下ずれた)軸方向断面図である。図11は、第二周状凸部141、142を除いたスタビライザブッシュ100の径方向断面図である。
ここで、第三実施形態のスタビライザブッシュ100は、第二実施形態のスタビライザブッシュ10から第一周状凸部13を除き、第二軸状凸部151、152を加えたものである。そこで、第二実施形態と同一構成部分においては、同一符号を付して説明を省略する。
第三実施形態のスタビライザブッシュ100は、筒状本体部11と、一対の第一軸状凸部121、122と、一対の第二周状凸部141、142と、一対の補強板61、62と、第二軸状凸部151、152とを備えている。
第二軸状凸部151、152は、筒状本体部11に一体成形されるゴム弾性体からなる。形状については、第一軸状凸部121、122とほぼ同様である。図11に示すように、筒状本体部11の内周面のうち車両前後方向に相当する位置から、径方向内方へ向かって突出している。つまり、第二軸状凸部151、152は、第一軸状凸部121、122に対して周方向にずれた位置にあり、第一軸状凸部121、122の間のそれぞれ(車両前方側と車両後方側)に形成されている。また、図10(a)に示すように、第二軸状凸部151、152は、筒状本体部11の軸方向に延在するように形成されている。
図11に示すように、第二軸状凸部151、152の周方向の幅は、第一軸状凸部121、122の周方向の幅よりも小さくなっている。つまり、第二軸状凸部151、152の周方向の角度範囲は、30度よりも小さい。第三実施形態では、およそ20度に設定している。
また、第二軸状凸部151、152の径方向の長さは、筒状本体部11の内径半径からスタビライザバー2の外径半径を引いた(減算)値と同一、もしくは当該引いた値より僅かに大きくなっている。つまり、第二軸状凸部151、152は、径方向内方端面がスタビライザバー2の外周面に当接してスタビライザバー2を保持している。すなわち、スタビライザブッシュ100の内周面(軸方向両端を除く)では、周方向の4箇所(第一軸状凸部121、122、第二軸状凸部151、152)によってスタビライザバー2に当接し、スタビライザバー2を保持している。
また、図10(b)および図11に示すように、スタビライザブッシュ100の内周面には、スタビライザバー2に当接していない空間ができる。すなわち、スタビライザブッシュ100の内周面では、第二周状凸部141、142を除いて、車両上下方向からずれたところで凹部となっている。そして、軸方向の両端では、第二周状凸部141、142によってスタビライザバー2を保持している。
以上より、スタビライザブッシュ100の内部においても、スタビライザバー2を4箇所で位置決めできる。すなわち、スタビライザバー2の位置決めがより確実となる。さらに、図10(b)および図11に示すように、スタビライザブッシュ100の内周面と、スタビライザバー2との間に一定の空間ができ、摺動性の向上も可能とする。
スタビライザブッシュ1を車両ボディ5に組付けた状態を軸方向から見た図である。 車両に搭載されたスタビライザバー2を車両上方から見た図である。 スタビライザブッシュ1単体の軸方向に切断した断面図である。 スタビライザブッシュ1にスタビライザバー2を組み付けた状態の軸方向に切断した断面図である。 図4(a)のC−C断面図である。 図2のスタビライザバー2を車両左側から見た図である。 第二周状凸部141、142を第二周状凸部143、144に変更したスタビライザブッシュ1単体の軸方向断面図である。 (a)は、図1のA−A断面に相当するスタビライザブッシュ10の軸方向断面図である。(b)は、図1のB−B断面に相当するスタビライザブッシュ10の軸方向断面図である。 図8(a)におけるD−D断面図である。 (a)は、図1のB−B断面に相当するスタビライザブッシュ100の軸方向断面図である。(b)は、第一軸状凸部121、122および第二軸状凸部151、152を除き、補強板61、62を含むスタビライザブッシュ100の軸方向断面図である。 第二周状凸部141、142を除いたスタビライザブッシュ100の径方向断面図である。
符号の説明
1、10、100:スタビライザブッシュ、
11:筒状本体部、 121、122:第一軸状凸部、 13:第一周状凸部、
151、152:第二軸状凸部、
141、142、143、144:第二周状凸部、
3:ブラケット、 4:ボルト、 5:車両ボディ、 61、62:補強板、
F1:第一平面、 F2:第二平面、 F3:第三平面、 F4:第四平面、
F5:第五平面、 O:捩れ軸、
2:スタビライザバー、 21:軸状部、 22、23:連結部

Claims (12)

  1. 筒状のゴム弾性体からなり、内径がスタビライザバーの外径より大きく形成され、前記スタビライザバーを挿通し、且つ、締結部材により外周面を押圧されて車両ボディに固定される筒状本体部と、
    前記筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、前記筒状本体部の内周面のうち車両上下端から径方向内方へ向かって突出し、前記筒状本体部の軸方向に延在するように形成され、且つ、径方向内方端面が前記スタビライザバーの外周面に当接して前記スタビライザバーを保持する一対の第一軸状凸部と、
    を備えることを特徴とするスタビライザブッシュ。
  2. 前記筒状本体部の内周面の車両上端と前記筒状本体部の外周面の車両上端との間、および、前記筒状本体部の内周面の車両下端と前記筒状本体部の外周面の車両下端との間に、それぞれ離隔して配置され、前記筒状本体部の軸方向へ延在するように前記筒状本体部の内部にインサート成形される一対の補強板を備える請求項1に記載のスタビライザブッシュ。
  3. 前記スタビライザバーの捩れ軸を通り車両上下方向および前記捩れ軸方向に平行な平面を第一平面と定義し、
    車両上側の前記第一軸状凸部の周方向端部と前記スタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第二平面と定義し、
    車両上側の前記補強板の周方向端部と前記スタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第三平面と定義し、
    前記第三平面と前記第一平面とのなす鋭角は、前記第二平面と前記第一平面とのなす鋭角以上であり、45度以下である請求項2に記載のスタビライザブッシュ。
  4. 前記スタビライザバーの捩れ軸を通り車両上下方向および前記捩れ軸方向に平行な平面を第一平面と定義し、
    車両下側の前記第一軸状凸部の周方向端部と前記スタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第四平面と定義し、
    車両下側の前記補強板の周方向端部と前記スタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第五平面と定義し、
    前記第五平面と前記第一平面とのなす鋭角は、前記第四平面と前記第一平面とのなす鋭角以上であり、45度以下である請求項2または3の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
  5. 前記スタビライザバーの捩れ軸を通り車両上下方向および前記捩れ軸方向に平行な平面を第一平面と定義し、
    車両上側の前記第一軸状凸部の周方向端部と前記スタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第二平面と定義し、
    前記第二平面と前記第一平面とのなす鋭角は、車両の最大ロール角に対応する角度である請求項1〜4の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
  6. 前記スタビライザバーの捩れ軸を通り車両上下方向および前記捩れ軸方向に平行な平面を第一平面と定義し、
    車両下側の前記第一軸状凸部の周方向端部と前記スタビライザバーの捩れ軸とを通る平面を第四平面と定義し、
    前記第四平面と前記第一平面とのなす鋭角は、車両の最大ロール角に対応する角度である請求項1〜5の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
  7. 前記筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、前記筒状本体部の内周面のうち開口端よりも軸方向中央側において周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出しており、内周面を径方向に切断した断面が前記スタビライザバーの外径以下の内径からなる円形に形成される第一周状凸部を備える請求項1〜6の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
  8. 前記第一周状凸部は、前記筒状本体部の軸方向に複数形成される請求項7に記載のスタビライザブッシュ。
  9. 前記筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、前記筒状本体部の内周面のうち前記第一軸状凸部に対して周方向にずれた位置から径方向内方へ向かって突出し、前記筒状本体部の軸方向に延在するように形成され、且つ、径方向内方端面が前記スタビライザバーの外周面に当接して前記スタビライザバーを保持する第二軸状凸部を備える請求項1〜6の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
  10. 前記第二軸状凸部は、前記筒状本体部の内周面のうち一対の前記第一軸状凸部の間のそれぞれの面に形成される請求項9に記載のスタビライザブッシュ。
  11. 前記筒状本体部に一体成形されるゴム弾性体からなり、前記筒状本体部の内周面のうち両側の開口端において周方向全周に亘って径方向内方へ向かって突出し、且つ、内周面を径方向に切断した断面が前記スタビライザバーの外径より小さい内径からなる円形に形成される第二周状凸部を備える請求項1〜10の何れか一項に記載のスタビライザブッシュ。
  12. 前記第二周状凸部は、内径が前記筒状本体部の軸方向外方に向かって徐々に縮径するように形成される請求項11に記載のスタビライザブッシュ。
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JP2014214836A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 東海ゴム工業株式会社 スタビライザブッシュ

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