JP5030082B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置に関するもので、特に、マテリアルロスを削減して軽量化を図ると共に、車輪取付フランジの面振れ精度を確保してブレーキジャダーの発生を抑制した車輪用軸受装置に関する。
一般にディスクブレーキの普及によって制動力が増大してきた反面、このディスクブレーキのロータをブレーキパッドにて挟持して制動を行う場合、特に車両低速走行時に振動が発生し、低周波の不快な騒音を誘発することがある。こうした現象はブレーキジャダーと呼ばれ、車両の高性能化や静寂化に伴って、近年、この分析および改善が新しい技術課題として着目されている。
ブレーキジャダーの明確なメカニズムはまだ詳細には解明されてはいないが、その一要因としてブレーキロータのパッド摺接面の振れ精度が挙げられている。この振れ精度は、ブレーキロータ単体の振れ精度だけでなく、ブレーキロータを取り付ける車輪取付フランジの面振れ精度、転がり軸受のアキシアル振れ、転走面の精度、および転がり軸受の組立精度等々が累積され、最終的にブレーキロータ側面の面振れ精度となって現れてくる。
また、近年、低コスト化は言うに及ばず、燃費向上のために軽量化を追求することにより、余肉を排除して車輪用軸受装置をスリム化させることと、操縦安定性のために車輪用軸受装置を剛性アップさせることがなされている。こうした、言わば両者相反する要求を満足しつつ、前述したブレーキロータ側面の面振れ精度対策が種々講じられている。
図9は従来の車輪用軸受装置を示し、(a)は側面図で、(b)はその縦断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で、車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図中右側)という。
この車輪用軸受装置は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55を一体に有し、外周にアウター側の内側転走面52aと、この内側転走面52aから軸方向に延びる小径段部54が形成されたハブ輪52、およびこのハブ輪52の小径段部54に圧入され、外周にインナー側の内側転走面53aが形成された内輪53からなる内方部材51と、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ61を一体に有し、内周に複列の転走面60a、60bが形成された外方部材60と、保持器62、62で円周等配され、両転走面間に転動自在に収容された複列のボール63、63とを備えている。また、車輪取付フランジ55の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト56が植設されている。
外方部材60の両端にはシール64、65が装着され、外方部材60と内方部材51との環状空間を密封し、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
車輪取付フランジ55のアウター側の側面55aには旋盤等の一次切削により環状溝57が形成されている。この環状溝57の溝幅中央部にはボルト穴58が円周等配に穿設されている。さらにハブボルト56の外径に形成されたナール56a部をこのボルト穴58に圧入固定した後、側面55aが旋盤等により二次切削されている。
このように、従来の車輪用軸受装置にあっては、環状溝57が側面55aに形成されていることにより、ハブボルト56の圧入による側面55aの変形等の影響を最小限に抑制することができると共に、ハブボルト56の圧入後、さらに側面55aが二次切削されているので、ハブボルト56の圧入によって増加した側面55aの面振れを可及的に抑制することができる。
特開2003−154801号公報
然しながら、前述した従来の車輪用軸受装置において、運搬時あるいは車両への組立時、装置が干渉した場合に打痕が付く、特に、図10(a)に示すように、硬化処理が施されていない車輪取付フランジ55の外径部が相手部品66に干渉すると、(b)に示すように、その打痕のカエリ67によって、側面55aの面精度が悪化するだけでなく、この側面55aにブレーキロータ(図示せず)が密着せず傾くことになる。そして、このブレーキロータの傾きによってブレーキジャダーが発生する恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マテリアルロスを削減して軽量化を図ると共に、車輪取付フランジの面振れ精度を確保してブレーキジャダーの発生を抑制した車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジの外縁部に、当該車輪取付フランジのアウター側の側面が切削により平坦面に形成され、この側面に対して所定の段差を有し、打痕によるカエリの発生する前記外縁部に当該カエリを許容する逃げ部が鍛造加工によって形成されている。
このように車輪取付フランジの外縁部に、当該車輪取付フランジのアウター側の側面が切削により平坦面に形成され、この側面に対して所定の段差を有し、打痕によるカエリの発生する外縁部に当該カエリを許容する逃げ部が鍛造加工によって形成されているので、マテリアルロスを削減して軽量化を図ると共に、車輪取付フランジの面振れ精度を確保してブレーキジャダーの発生を抑制した車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記逃げ部の段差が少なくとも0.5mmに設定されていれば、運搬時あるいは車両への組立時に車輪取付フランジの外径縁が相手部品に干渉し、その打痕によるカエリが発生してもこの逃げ部で許容することができ、側面の面精度に悪影響を及ぼすことはない。したがって、ブレーキロータをこの側面に傾きなく密着して装着できる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記車輪取付フランジのアウター側の側面が、前記ハブボルトが圧入される部位が厚肉部となる花弁状のリブ形状に形成されていれば、制動時に高温となるブレーキロータとの接触面積が減少して熱伝導が抑えられると共に、逃げ部によりブレーキロータと車輪取付フランジとの間に大きな空間が形成されるため放熱効果が期待でき、軸受部の昇温を抑制することができる。したがって、グリースの劣化を防止して軸受の長寿命化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記車輪取付フランジのアウター側の側面が、前記ハブボルトが圧入された後に切削加工された切削面とされ、この側面の面振れが20μm以下に規制されていれば、ブレーキロータ側面の面振れ精度を所望の規定値に抑制することができ、ブレーキジャダーの発生を抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記車輪取付フランジのインナー側の側面に、ハブボルトが圧入される部位が厚肉部となる花弁状のリブが鍛造加工によって形成されていれば、軽量化を図りつつ、大きなモーメント荷重がこの車輪取付フランジに負荷されても強度・剛性を確保することができ、所望の耐久性を発揮することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジの外縁部に、当該車輪取付フランジのアウター側の側面が切削により平坦面に形成され、この側面に対して所定の段差を有し、打痕によるカエリの発生する前記外縁部に当該カエリを許容する逃げ部が鍛造加工によって形成されているので、マテリアルロスを削減して軽量化を図ると共に、車輪取付フランジの面振れ精度を確保してブレーキジャダーの発生を抑制した車輪用軸受装置を提供することができる。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジのアウター側の側面が、前記ハブボルトが圧入される部位が厚肉部となる花弁状のリブ形状に形成されると共に、前記車輪取付フランジの外縁部に、当該車輪取付フランジのアウター側の側面が切削により平坦面に形成され、この側面に対して所定の段差を有し、打痕によるカエリの発生する前記外縁部に当該カエリを許容する逃げ部が鍛造加工によって形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のA矢視図、図3(a)は、本発明に係る車輪用軸受装置が相手部品に干渉した状態を示す説明図、(b)は、(a)の干渉部分を示す要部拡大図、図4は、図1のB矢視図である。
この車輪用軸受装置は、内方部材1と外方部材10と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材1はハブ輪2と別体の内輪3とからなる。ハブ輪2は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる小径段部2bが形成されている。車輪取付フランジ4の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト5が植設されている。一方、内輪3は、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成され、ハブ輪2の小径段部2bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、この小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形(揺動加締)させて形成した加締部2cによって軸方向に固定されている。
外方部材10は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に前記内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが一体に形成されている。そして、これら両転走面2a、10aおよび3a、10a間には保持器7、7で円周等配された複列の転動体6、6がそれぞれ転動自在に収容されている。なお、外方部材10と内方部材1間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ハブ輪2はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面2aをはじめ、アウター側のシール8が摺接するフランジ基部4aから小径段部2bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。なお、加締部2cは鍛造後の生のままとされている。こうした高周波焼入れによりハブ輪2の強度が向上し、内輪3の嵌合面におけるフレッティング摩耗が防止されて耐久性が向上すると共に、塑性変形が容易にでき、また、揺動加締時にクラックが発生するのを防止することができる。
一方、内輪3および転動体6はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。また、外方部材10は、ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、ここでは、転動体6にボールを用いた複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、転動体6に円錐ころを用いた複列円錐ころ軸受であっても良い。
本実施形態では、ブレーキロータ(図示せず)が取り付けられる車輪取付フランジ4のアウター側の側面11が、旋盤等の一次切削により所定の平坦面に形成されると共に、車輪取付フランジ4にハブボルト5が圧入された後、この側面11が旋盤等により二次切削されている。そして、この二次切削により側面11の面振れが20μm以下に規制されている。これにより、車輪取付フランジ4に装着されたブレーキロータの側面の面振れ精度も高精度にすることができ、ブレーキジャダーの発生を抑制することができる。なお、この二次切削は旋盤に限らず、フライス盤や研削盤による切削であっても良い。
なお、ハブボルト5を圧入する前に、側面11が粗旋削と中仕上げ旋削からなる一次切削を行い、ハブボルト5の圧入後に二次切削(仕上げ旋削)を行っても良いし、ハブボルト5の圧入前に旋削を行わず鍛造肌のままとし、ハブボルト5の圧入後に切削(仕上げ旋削)を行っても良い。つまり、切削加工の回数は関係なく、ハブボルト5の圧入後に切削するものであれば良い。
ここで、車輪取付フランジ4の外径縁には、アウター側の側面11に対して所定の段差δを有する環状の逃げ部12が鍛造加工によって形成されている。逃げ部12の段差δは少なくとも0.5mmに設定されている。そして、図2に示すように、車輪取付フランジ4の外径縁が周方向に連続して略均一な肉厚に仕上げられている。この逃げ部12が形成されていることにより、図3(a)、(b)に示すように、運搬時あるいは車両への組立時に車輪取付フランジ4の外径縁が相手部品13に干渉し、その打痕によるカエリ14が発生してもこの逃げ部12で許容することができ、側面11の面精度に悪影響を及ぼすことはない。したがって、ブレーキロータをこの側面11に傾きなく密着して装着でき、ブレーキジャダーの発生を防止することができる。
また、本実施形態では、軽量化を図るために車輪取付フランジ4が薄肉に形成されると共に、図4に示すように、車輪取付フランジ4のインナー側の側面15には、鍛造工程において、ハブボルト5が圧入される部位に、厚肉部となる花弁状のリブ16が形成されている。これにより、軽量化を図りつつ、大きなモーメント荷重がこの車輪取付フランジ4に負荷されても強度・剛性を確保することができ、所望の耐久性を発揮することができる。
図5は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図6は、図5のC矢視図、図7は、図5の車輪用軸受装置にブレーキロータが装着された状態を示す縦断面図、図8は、図6に示すハブ輪の変形例である。なお、この実施形態は前述した実施形態(図1)と基本的にはハブ輪の構成が異なるのみで、その他同一部品、同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示す車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と称され、ハブ輪17とこのハブ輪17に圧入固定された内輪3とからなる内方部材18、および外方部材10と複列の転動体6、6を備えている。ハブ輪17は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ19を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる小径段部2bが形成されている。
本実施形態では、図6に示すように、車輪取付フランジ19のアウター側の側面20が花弁状のリブ形状に形成されている。すなわち、ハブボルト5が圧入される部位が厚肉部となるように形成され、この側面20に対して所定の段差δを有する逃げ部21が鍛造加工によって形成されている。逃げ部21は、車輪取付フランジ19の外周部(側面20の外接円径より外周側)に形成された環状部21aと、ハブボルト5の周辺を避けて、各ハブボルト5間に形成されたR形状の切欠き部21bからなる。
切欠き部21bは、環状部21aより内径側で、かつ隣接するハブボルト5の中心を結ぶ弦Lにその最深部21cが近接するように形成されている。これにより、マテリアルロスを削減して軽量化を図りつつ、車輪取付フランジ19の曲げ剛性が低下するのを防止することができると共に、前述した実施形態と同様、運搬時あるいは車両への組立時に車輪取付フランジ19の外径縁が相手部品に干渉し、その打痕によるカエリが発生してもこの逃げ部21で許容することができる。
さらに、アウター側の側面20が花弁状のリブ形状に形成されているため、図7に示すように、制動時に高温となるブレーキロータ22との接触面積が減少して熱伝導が抑えられると共に、この逃げ部21によりブレーキロータ22と車輪取付フランジ19との間に大きな空間が形成されるため放熱効果が期待でき、軸受部の昇温を抑制することができる。したがって、グリースの劣化を防止して軸受の長寿命化を図ることができる。
なお、ハブ輪17を密閉鍛造工法により加工した場合、通常、金型の接合部に数mm程度のバリが残るが、このバリが逃げ部21によって許容されるため、従来のようなバリ除去加工が不要となり加工工数が削減できる。
また、前述した実施形態のように、車輪取付フランジ19のアウター側の側面20が、旋盤等の一次切削により所定の平坦面に形成されると共に、車輪取付フランジ19にハブボルト5が圧入された後、この側面20が旋盤等により二次切削されている。そして、この二次切削により側面20の面振れが20μm以下に規制されている。
なお、ここでは、外周が円形に形成された車輪取付フランジ19を例示したが、これに限らず、例えば、図8に示すように花弁状に形成されていても良い。この車輪取付フランジ23は、ハブボルト5が圧入される部位を頂角とする多角形状(ここでは、5角形状)に形成されている。そして、側面20に対して所定の段差δを有する逃げ部25が鍛造加工によって形成されている。この逃げ部25は、車輪取付フランジ23の外周部に形成された花弁状の外周部25aと、ハブボルト5の周辺を避けて、各ハブボルト5間に形成されたR形状の切欠き部21bからなる。これにより、ハブ輪24の軽量・コンパクト化を一層図ることができると共に、運転中の放熱効果を高めて軸受部の昇温を一層抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、例えば、外方部材に車輪取付フランジを有する外輪回転タイプでも良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、一端部にブレーキロータを介して車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と、車輪を回転自在に支承する複列の転がり軸受とを備えた第1世代乃至第4世代のあらゆる構造において適用が可能である。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1のA矢視図である。 (a)は、図1の車輪用軸受装置が相手部品に干渉した状態を示す説明図である。 (b)は、(a)の干渉部分を示す要部拡大図である。 図1のB矢視図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図5のC矢視図である。 図5の車輪用軸受装置にブレーキロータが装着された状態を示す縦断面図である。 図6に示すハブ輪の変形例である。 従来の車輪用軸受装置を示し、(a)は側面図、(b)はその縦断面図である。 (a)は、従来の車輪用軸受装置が相手部品に干渉した状態を示す説明図である。 (b)は、(a)の干渉部分を示す要部拡大図である。
符号の説明
1、18・・・・・・・・・内方部材
2、17、24・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・・・・小径段部
2c・・・・・・・・・・・加締部
3・・・・・・・・・・・・内輪
4、19、23・・・・・・車輪取付フランジ
4a・・・・・・・・・・・フランジ基部
5・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・保持器
8、9・・・・・・・・・・シール
10・・・・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・・・・車体取付フランジ
11、20・・・・・・・・車輪取付フランジのアウター側の側面
12、21、25・・・・・逃げ部
13・・・・・・・・・・・相手部材
14・・・・・・・・・・・カエリ
15・・・・・・・・・・・車輪取付フランジのインナー側の側面
16・・・・・・・・・・・リブ
21a・・・・・・・・・・環状部
21b・・・・・・・・・・切欠き部
22・・・・・・・・・・・ブレーキロータ
25a・・・・・・・・・・外周部
51・・・・・・・・・・・内方部材
52・・・・・・・・・・・ハブ輪
52a、53a・・・・・・内側転走面
53・・・・・・・・・・・内輪
54・・・・・・・・・・・小径段部
55・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
55a・・・・・・・・・・側面
56・・・・・・・・・・・ハブボルト
56a・・・・・・・・・・ナール部
57・・・・・・・・・・・環状溝
58・・・・・・・・・・・ボルト穴
60・・・・・・・・・・・外方部材
60a、60b・・・・・・外側転走面
61・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
62・・・・・・・・・・・保持器
63・・・・・・・・・・・ボール
64、65・・・・・・・・シール
66・・・・・・・・・・・相手部品
67・・・・・・・・・・・カエリ
L・・・・・・・・・・・・ハブボルトの中心を結ぶ弦
δ・・・・・・・・・・・・逃げ部の段差

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    車輪を取り付けるためのハブボルトが周方向等配に植設された車輪取付フランジを一端部に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受装置において、
    前記車輪取付フランジの外縁部に、当該車輪取付フランジのアウター側の側面が切削により平坦面に形成され、この側面に対して所定の段差を有し、打痕によるカエリの発生する前記外縁部に当該カエリを許容する逃げ部が鍛造加工によって形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記逃げ部の段差が少なくとも0.5mmに設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記車輪取付フランジのアウター側の側面が、前記ハブボルトが圧入される部位が厚肉部となる花弁状のリブ形状に形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記車輪取付フランジのアウター側の側面が前記ハブボルトが圧入された後に切削加工された切削面とされ、この側面の面振れが20μm以下に規制されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記車輪取付フランジのインナー側の側面に、ハブボルトが圧入される部位が厚肉部となる花弁状のリブが鍛造加工によって形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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