JP2013067323A - 車軸用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハブボルト圧入によるハブフランジの車輪取付け面の平面度の悪化を抑えることにより、ブレーキのジャダー発生を抑止できる車軸用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブフランジ13bの車輪側端部に車輪17とブレーキディスク19が固定される車輪取付け面13hを有する車軸用軸受装置1において、ハブフランジ13bの車輪取付け面13hと軸方向反対側の側面の円周方向に複数のボルト穴13lの間に軸方向に窪む薄肉部13iが形成され、複数のボルト穴13lの周囲に放射状の厚肉部13kが形成され、薄肉部13iの軸方向厚さが厚肉部13kの軸方向厚さの1/3以下に形成され、かつ、薄肉部13iを形成する窪みの半径方向内方縁部13jは、隣接するボルト穴13lの中間点の半径方向外方に曲率中心を持ち、径方向の最小位置がボルト穴13lの中間点に等しいアーチ形状に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は自動車等の車輪を支持する車軸用軸受装置に関する。
自動車の車輪が装着される車軸用軸受装置においては、例えば、車体側に固定される外輪部材の内側に2列の転動体を介して、内輪部材が回転自在に支持されている。内輪部材の軸端側にはハブフランジが形成されており、ここに、車輪やブレーキディスが装着される。
ハブフランジには車輪やブレーキディスクをハブフランジに固定するためのハブボルトが円周方向に等間隔で複数本設けられている。このハブボルトは、ハブフランジに形成されたボルト穴に、圧入することにより取り付けられる。ハブボルトの圧入により、ハブフランジの車輪取付け面のボルト穴の周囲が変形し、車輪取付け面の平面度を損なう。この平面度の悪化によって回転中に振れが生じ、この振れが要因となって、ジャダーと称されるブレーキの振動が発生することがある。
また、ハブボルトの圧入によってハブフランジの外周部に車輪やブレーキディスクと逆方向の倒れが生じ、車輪取付け面の平面度が悪化することがある。このとき、ハブボルト締め付け後も車輪取付け面の外周部にブレーキディスクとの間のすきまが残り、ブレーキディスクの振動を抑えきれず、前記ジャダーが促進される。
そこで、ボルト穴の内径に軸方向に通り抜ける溝を設けて、取付け面の盛り上がり等の変形を軽減し、平面度の悪化を軽減する構造が提案されている。(特許文献1参照。)
特開2008−137428号公報
しかしながら、前記提案の構造では、ボルト穴とハブボルトの固定力が不足する可能性があり、その対策にキー等の部材が必要となり、生産上の問題が生じる可能性がある。また、前記提案の構造ではハブフランジの倒れによる車輪取付け面の平面度の悪化を抑えることはできない。
この発明の目的は、ハブボルト圧入によるハブフランジの車輪取付け面の平面度の悪化を抑えることにより、ブレーキのジャダー発生を軽減できる車軸用軸受装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、外輪部材と、内輪部材とが、転動体を介して軸心回りに相対回転可能に配置され、外輪部材または内輪部材のうち一方に径方向外方に拡径したハブフランジが形成され、前記ハブフランジの所定の位置に複数のハブボルトを嵌入する為の複数のボルト穴が形成され、前記ハブフランジの車輪側端部の前記ボルト穴に圧入によって嵌入されるハブボルトを挿通して、車輪とブレーキディスクが固定される車輪取付け面を有する車軸用軸受装置において、前記ハブフランジの軸方向に車輪側と反対側の側面の、円周方向に前記複数のボルト穴の中間に軸方向に窪む薄肉部が形成され、前記複数のボルト穴の周囲に放射状の厚肉部が形成され、前記薄肉部の軸方向厚さが前記厚肉部の軸方向厚さの1/3以下に形成され、かつ前記薄肉部を形成する窪みの円周方向内方部は隣接する前記ボルト穴の中間点の半径方向外方に曲率中心を持ち、径方向の最小位置が前記ボルト穴の中間点に等しいアーチ形状に形成されていることである。
従来、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入により生じる前記車輪取付け面の振れに対して、前記薄肉部の厚さの影響は小さいと考えられていた。しかし、各種検討の結果、本発明の寸法範囲、すなわち前記薄肉部の軸方向厚さが前記厚肉部の軸方向厚さの1/3以下であり、かつ前記薄肉部を形成する窪みの円周方向内方部は前記アーチ形状に形成されてれば、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入により生じる車輪取付け面の平面度の悪化は従来品にくらべ大幅に改善することが判明した。これは前記薄肉部によって、前記厚肉部周囲の車輪取付け面の軸方向の変形が減少し、かつ、前記薄肉部によって隣接する厚肉部の変形が規制されるためである。
上記の課題を解決するため、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記ハブフランジの前記車輪取付け面と軸方向反対側の側面の円周方向に前記複数のボルト穴の間に軸方向に窪む薄肉部が形成され、前記複数のボルト穴周囲に放射状の厚肉部が形成され、前記厚肉部の前記複数のボルト穴のPCD上における円周方向の幅が前記ボルト穴の内径寸法の2.5倍より小さいことである。
従来前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入による前記車輪取付け面の変形に対して、前記厚肉部の円周方向の幅の影響は小さいと考えられていた。しかし、本発明者による各種検討の結果、本発明の寸法範囲、すなわち前記厚肉部の前記複数のボルト穴のPCD上における円周方向の幅が前記ボルト穴の内径寸法の2.5倍より小さい範囲において、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入による前記車輪取付け面の平面度の悪化が大幅に減少することが解った。これは、前記厚肉部の円周方向の幅が前記ボルト穴の内径寸法の2.5倍より小さい場合、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入による前記ボルト穴周りの膨張量が、軸方向すなわち前記車輪取付け面方向より、円周方向すなわち薄肉部方向に大きくなるためである。
上記の課題を解決するため、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、前記複数のボルト穴の内径部の軸方向の一部に前記内径部の他部位より径の小さいボルト圧入部が形成され、前記ボルト圧入部の軸方向中心は前記ハブフランジの軸方向中央より前記車輪取付け面側に偏った、計算上最もハブボルト圧入による車輪取付け面の振れが小さくなる位置であり、前記車輪取付け面は前記ハブボルト圧入前の状態において、半径方向内方が軸方向に車輪およびブレーキディスクから離反する凹面であり、前記ボルト穴PCDより径方向外方の凹面傾斜角が前記ボルト穴PCDより内方の凹面傾斜角より大きいことである。
本発明の車軸用軸受装置によると、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入によって生じる車輪取付け面の円周上の変形が他の圧入位置に比べ最小となる。また、本発明者による各種検討の結果、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入によって、前記ハブフランジの車輪取付け面は外径側が車輪から遠ざかる方向に倒れ、前記倒れは前記ボルト穴のPCDより外方が前記ボルト穴のPCDより内方より大きいことが解った。本発明の車軸用軸受装置によると、圧入前に凹面形状である前記ハブフランジの前記車輪取付け面が、前記ハブフランジへの前記ハブボルトの圧入によって前記凹面形状を補正する方向に変形する。このため、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入による車輪取付け面の平面度の悪化は大幅に改善される。
上記の課題を解決するため、請求項4に係る発明の構成上の特徴は、外輪部材と、内輪部材とが、転動体を介して軸心回りに相対回転可能に配置され、外輪部材または内輪部材のうち一方に径方向外方に拡径したハブフランジが形成され、前記ハブフランジの所定の位置に複数のハブボルトを圧入する為の複数のボルト穴が形成され、前記ハブフランジの車輪側端部に前記ボルト穴に圧入によって挿入されるハブボルトを挿通して、車輪とブレーキディスクが固定される車輪取付け面を有する車軸用軸受装置において、前記複数のボルト穴の内径部の軸方向の一部に前記内径部の他部位より径の小さいボルト圧入部が形成され、前記ボルト圧入部の軸方向中心は前記ハブフランジの軸方向中央より前記車輪取付け面側に偏った、計算上最もハブボルト圧入による車輪取付け面の振れが小さくなる位置であり、前記車輪取付け面は前記ハブボルト圧入前の状態において、半径方向内方が軸方向に車輪およびブレーキディスクから離反する凹面であり、前記ボルト穴PCDより径方向外方の凹面傾斜角が前記ボルト穴PCDより内方の凹面傾斜角より大きいことである。
本発明の車軸用軸受装置によると、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入によって生じる車輪取付け面の円周上の変形が他の圧入位置に比べ最小となる。また、本発明者による各種検討の結果、前記ハブボルトの前記ボルト穴への圧入によって、前記ハブフランジの車輪取付け面は外径側が車輪から遠ざかる方向に倒れ、前記倒れは前記ボルト穴のPCDより外方が前記ボルト穴のPCDより内方より大きいことが解った。本発明の車軸用軸受装置によると、圧入前に凹面形状である前記ハブフランジの前記車輪取付け面が、前記ハブフランジへの前記ハブボルトの圧入によって前記凹面形状を補正する方向に変形し、平面度の悪化は大幅に改善される。
本発明によれば、ハブボルト圧入によるハブフランジの車輪取付け面の平面度の悪化、を抑えることにより、ブレーキのジャダー発生を抑止できる車軸用軸受装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の車軸用軸受装置の軸方向の断面図である。 本発明の第1の実施形態の車軸用軸受装置のハブフランジの平面図である。 本発明の第1の実施形態の車軸用軸受装置の効果を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態の車軸用軸受装置の効果を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置の軸方向の断面図である。 本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置のハブフランジのボルト穴の拡大図である。 本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置のハブフランジ23bの仮想断面図である。 本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置の作用、効果を説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置の作用、効果を説明する説明図である。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。図1、図5、図6、図7において左側はインボード側、右側はアウトボード側を示す。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の車軸用軸受装置の軸方向の断面図である。
図1における車軸用軸受装置1は外輪部材としての外輪11と、内輪部材としてのハブ軸13と、同じく内輪部材としての内輪12と、転動体としての複数の玉14と、2個の保持器15と、複数のハブボルトを有する。
外輪11は環状でインボ−ド側端部に半径方向外方に拡径して、車軸用軸受装置1を車体18に取付けるための固定フランジ11cを有し、固定フランジ11cには固定用ボルト18aが貫通する複数の通し穴11dが設けられている。外輪11のインボード側の内周部には、インボード側外輪軌道11a、アウトボード側の内周部にはアウトボード側外輪軌道11bが形成されている。
ハブ軸13は軸方向中央の外周部にアウトボード側内輪軌道13a、アウトボード側端部の外周面に半径方向外方に拡径するハブフランジ13bを有している。ハブフランジ13bのアウトボード側端面は車輪17、ブレーキディスク19が取付けられる車輪取付け面13hとなっている。ハブフランジ13bには所定の位置に円周上等間隔に複数のボルト穴13lが貫通して形成されている。前記複数のボルト穴13lの内径部には、両端部より径の小さいボルト圧入部13mを有している。
ハブ軸13のアウトボード側内輪軌道13aからインボード側の外周面にはハブ軸外径面13eが形成されている。ハブ軸外径面13eのインボード側の端部から径方向に縮径する内輪嵌合部側面13f、内輪嵌合部側面13fの内径隅部13gからインボード側に延在する内輪嵌合部13cが形成されている。
内輪12は環状で、軸方向中央の外周部にインボード側内輪軌道12a、インボード側の外周部に大外径部12c、アウトボード側の外周部に小外径部12dが形成され、内周部に内輪軌道12aと同心の内径面12bを有している。また、小外径部12dのアウトボード側の端部から直径方向内方に向けて小端面12eが延在している。さらに、大外径部12cのインボード側の端部から直径方向内方に内径面12bに向けて大端面12fが延在している。
内輪12は小端面12eをハブ軸13の嵌合部側面13fに当接してハブ軸13の内輪嵌合部13cに外嵌装着されている。さらに、ハブ軸13の端部には筒状の端部を直径方向外方に屈曲変形させて内輪12の大端面12fに押し付け、内輪12の抜け止めを行うかしめ部13dが形成されている。
2列の複数の転動体としての玉14はそれぞれ保持器15に円周方向に所定の間隔に保持されて、前記外輪11のインボード側外輪軌道11aと前記内輪12のインボード側内輪軌道12aの間、および、前記外輪11のアウトボード側外輪軌道11bと前記ハブ軸13のアウトボード側内輪軌道13aの間を転動する。
複数のハブボルト16はインボード側端部に円盤状のボルト頭16a、ボルト頭16aの基部からアウトボード側に、ハブフランジ13bのボルト穴13lの圧入部13mに対してしめしろを持つセレーション16bが形成されている。アウトボード側端部にはハブナット17aと螺合し車輪17、ブレーキディスク19を車輪取付け面13hに固定するためのねじ部16cが形成されている。複数のハブボルト16はセレーション16bがハブフランジ23bのボルト穴23lの圧入部23mに圧入され、ハブフランジ13bのボルト穴13lに嵌入されている。
図2は、本発明の第1の実施形態の車軸用軸受装置1のハブフランジ13bをインボード側から見た平面図である。ハブフランジ13bのインボード側の端面には円周方向に複数のボルト穴13lの間に軸方向に窪む薄肉部13iが形成され、複数のボルト穴周囲に放射状の厚肉部13kが形成され、厚肉部13kのボルトPCD上における円周方向の幅Bはボルト穴13lの直径dの2.5倍以下に、薄肉部13iの軸方向の厚さが厚肉部13kの軸方向厚さの1/3以下に形成され、かつ、薄肉部13iを形成する窪みの半径方向内方縁部13jは隣接するボルト穴13lの中間点の半径方向外方に曲率中心を持ち、径方向の最小位置がボルト穴13lの中間点に等しい曲率半径Rのアーチ形状に形成されている。
図3は、車軸用軸受装置の作用を説明する説明図である。図3のグラフはボルト穴にハブボルトを圧入挿入したときのハブフランジの厚肉部の幅と車輪取付け面の振れの関係をFEMで求めた結果を示している。このグラフから、ハブフランジの厚肉部の幅が36mmを下回ると取付け面の振れが急激に減少することがわかる。この時のボルト穴径は14.4mmであり、ハブフランジの厚肉部の幅が36mmはボルト穴径の2.5倍にあたる。
第1の実施形態の車軸用軸受装置1のハブフランジ13bの厚肉部13kの幅Bはボルト穴13lの直径dの2.5倍以下に形成されている。例えば、ハブフランジ13bの厚肉部13kの幅Bがボルト穴13lの直径dの2倍であれば、図3におけるハブフランジの厚肉部の幅28.8mmに相当する。この時の車輪取付け面の振れは約0.025mmであり、ハブフランジの厚肉部の幅が36mmすなわちボルト穴径の2.5倍以上の時の車輪取付け面13hの振れ約0.032mmに比べ約25%減少することがわかる。
図4は、車軸用軸受装置の作用を説明する説明図である。図4のグラフはボルト穴にハブボルトを圧入挿入したときのハブフランジの外周部の円周方向の位置と車輪取付け面の軸方向の変位の関係をFEMで求めた結果を示している。点線は従来品で、実線は本発明の形状品を示している。横軸の目盛りは円周方向の位置を角度で表しており、36°は隣接するボルト穴の中間位置に相当する。
図4のグラフにおいて、従来品の場合、ボルト穴位置ではインナー側に約0.005mm変位し、隣接するボルト穴の中間位置の変位が最大で0.035mmのアウター方向の変位となっている。すなわちハブフランジが回転したら、車輪取付け面の振れは0.040mmとなる。
第1の実施形態の車軸用軸受装置1の場合は、ボルト穴位置ではインナー側に約0.001mm変位し、隣接するボルト穴の中間位置はアウター方向に0.030mm変位する。最大の変位はボルト穴から約22°の位置で0.032mmのアウター方向の変位となっている。以上より、第1の実施形態の車軸用軸受装置1における、車輪取付け面13hの振れは0.033mmとなり、従来品に比べ約18%減少することがわかる。すなわち本発明品はハブボルト圧入によるハブフランジの車輪取付け面の平面度の悪化を抑えることにより、ブレーキのジャダー発生を抑止できる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置20の軸方向の断面図である。
第2の実施形態の車軸用軸受装置20はハブ軸の形状、構成が第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態の車軸用軸受装置20では、第1の実施の形態と同じものについては、第1の実施の形態と同一の符号を用い説明は省略する。また、第1の実施形態と共通の構成、作用効果については説明を省略することにし、第1の実施形態の車軸用軸受装置と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行う。
ハブ軸23は軸方向中央の外周部にアウトボード側内輪軌道23a、アウトボード側端部の外周面に半径方向外方に拡径するハブフランジ23bを有している。ハブフランジ23bのアウトボード側端面は車輪17、ブレーキディスク19が取付けられる車輪取付け面23hとなっている。ハブフランジ23bには所定の位置に円周上等間隔に複数のボルト穴23lが貫通して形成されている。ボルト穴23lの内径部には、両端部より径の小さいボルト圧入部23mを有している。
ハブ軸23のアウトボード側内輪軌道23aからインボード側の外周面にはハブ軸外径面23eが形成されている。ハブ軸外径面23eのインボード側の端部から径方向に縮径する内輪嵌合部側面23f、内輪嵌合部側面23fの内径隅部23gからインボード側に延在する内輪嵌合部23cが形成されている。
内輪12は小端面12eをハブ軸23の嵌合部側面23fに当接してハブ軸23の内輪嵌合部23cに外嵌装着されている。さらに、ハブ軸23の端部には筒状の端部を直径方向外方に屈曲変形させて内輪12の大端面12fに押し付け、内輪12の抜け止めを行うかしめ部23dが形成されている。
2列の複数の転動体としての玉14はそれぞれ保持器15に円周方向に所定の間隔に保持されて、前記外輪11のインボード側外輪軌道11aと前記内輪12のインボード側内輪軌道12aの間、および、前記外輪11のアウトボード側外輪軌道11bと前記ハブ軸23のアウトボード側内輪軌道23aの間を転動する。
複数のハブボルト16はインボード側端部に円盤状のボルト頭16a、ボルト頭16aの基部からアウトボード側に、ハブフランジ13bのボルト穴13lの圧入部13mに対してしめしろを持つセレーション16bが形成されている。アウトボード側端部にはハブナット17aと螺合し車輪17、ブレーキディスク19をハブフランジ23bの車輪取付け面23hに固定するためのねじ部16cが形成されている。複数のハブボルト16はセレーション16bがハブフランジ23bのボルト穴23lの圧入部23mに圧入され、ハブフランジ23bのボルト穴23lに嵌入されている。
図6は、本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置20のハブフランジ23bのボルト穴23lの拡大断面図である
ボルト穴23lの内径部には、両端部より径の小さいボルト圧入部23mを有しており、ボルト圧入部23mの軸方向中央位置CLmはハブフランジ23の軸方向中央位置CLbよりアウトボード側にΔだけ偏っている。
図7は、本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置20のハブフランジ23bの仮想断面図である。図6は説明を容易にするため、ハブフランジの軸中心に対する角度は誇大され、作用に直接影響しない部位は省略されている。
ハブボルト16を嵌入する前のハブフランジ23bの車輪取付け面23hは、車輪取付け面根元23nから径方向外方にボルト穴23lのPCDまでα1の角度でアウター側に傾斜し、ボルト穴23lのPCDより径方向外方はα2の角度でアウター側に傾斜する凹面に形成されている。
図8は、車軸用軸受装置の作用を説明する説明図である。図8のグラフはボルト穴にハブボルトを嵌入したときの軸方向の圧入位置と車輪取付け面の振れの関係、および軸方向の圧入位置と車輪取付け面の倒れの関係を示している。車輪取付け面の倒れは、車輪取付け面の根元と車輪取付け面の最外周との軸方向の間隔で全円周の平均値であり、車輪取付け面の振れは車輪取付け面全面の円周方向における軸方向の凹凸の差の最大値である。
グラフは各距離における車輪取付け面の倒れと、車輪取付け面の振れはFEMで求められた値である。
横軸はボルト穴に形成される圧入部の軸方向中央位置からハブフランジの軸方向中央位置までの距離であり、右方向がインナー側で、左方向がアウター側である。
縦軸は右目盛りが線グラフに対応する車輪取付け面の倒れで、上方向がインナー側で、下方向がアウター側である。左目盛りが棒グラフに対応する車輪取付け面の振れである。
図8より、圧入部の軸方向中央位置からハブフランジの軸方向中央位置までの距離がアウター側に1.5mmのとき車輪取付け面の振れが最小になることがわかる。以上の検討結果より、図6における本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置20のボルト穴23lの圧入部23mの軸方向中央位置CLmのハブフランジ23bの軸方向中央位置CLbに対する偏りΔは車輪取付け面13hの振れが最小になるアウター側1.5mmとなっている。
また、図8より、車軸用軸受装置20のボルト穴23lにハブボルト16を嵌入したときの車輪取付け面23hの倒れはインナー側に約0.1mmであることがわかる。
図9は、本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置20の作用を説明する説明図である。図9のグラフは車輪取付け面23hの軸方向の形状と、ボルト穴23lにハブボルト16を嵌入したときの、車輪取付け面23hの軸方向変位を示している。横軸は車輪取付け面23hの根元からの半径方向の距離を最外周まで示している。
線Aは上述のFEMで求めたボルト穴23lにハブボルト16を嵌入したときの、各半径方向の位置における車輪取付け面23hの軸方向変位量の全円周の平均値である。車輪取付け面23hは半径方向にボルト穴位置より内方の変位は小さく、ボルト穴位置より外方が大きくインナー側に変形する倒れが生じることがわかる。
線Bは上述の各半径方向の位置における車輪取付け面23hの軸方向変位量を基に決められた、ボルト16を嵌入する前の車軸用軸受装置20の車輪取付け面23hの形状である。形状で車輪取付け面根元から径方向外方にボルト穴までα1の角度でアウター側に傾斜し、ボルト穴より径方向外方はα2の角度でアウター側に傾斜する凹面に形成されている。α1は0.1°〜0.2°で、α2はα1の約3倍で0.3°〜0.6°になっている。
線Cは上述の各半径方向の位置におけるハブボルト16を嵌入した後の車軸用軸受装置20の車輪取付け面23hの形状で、最外周部が0.05mmほどアウター側に傾斜する形状となっている。この形状は図5に示すように、嵌入されたハブボルト16を挿通の後ハブナット17aを締付け、車輪取付け面23hにブレーキディスク19および車輪17を固定した時、車輪取付け面23hとブレーキディスク19が全面に密着できる最良の形状であることがわかっている。
すなわち本発明の第2の実施形態の車軸用軸受装置20は、ハブボルト嵌入によるハブフランジの車輪取付け面の平面度の悪化を抑え、さらに車輪とブレーキディスクが固定された後、のハブフランジの車輪取付け面とブレーキディスクとの間のすきまをなくすことにより、ブレーキのジャダー発生を抑止できる。
(その他の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態における車軸用軸受装置は、転動体が玉で構成されているが、本発明においては転動体が円すいころ等のころで構成される車軸用軸受装置であっても良い。
第1の実施形態および第2の実施形態における車軸用軸受装置は、従動輪用の車軸用軸受装置であるが、本発明においては駆動輪用の車軸用軸受装置であっても良い。
第1の実施形態および第2の実施形態における車軸用軸受装置は、ハブ軸が一個の内輪と一体の車軸用軸受装置であるが、本発明においてはハブ軸と内輪が別体の車軸用軸受装置であっても良い。
第1の実施形態および第2の実施形態における車軸用軸受装置は、ハブ軸が一個の内輪と一体の車軸用軸受装置であるが、本発明においてはハブ軸と内輪が別体の車軸用軸受装置であっても良い。
本発明においては、車軸用軸受装置は第1の実施形態と第2の実施形態の両方の特徴を併せ持つ車軸用軸受装置であっても良い。
1、20 ‥ 車軸用軸受装置
11 ‥ 外輪(外輪部材)
12 ‥ 内輪(内輪部材)
13、23 ‥ ハブ軸(内輪部材)
13b、23b ‥ ハブフランジ
13h、23h ‥ 車輪取付け面
13i ‥ 薄肉部
13j ‥ 内方縁部
13k ‥ 厚肉部
13l、23l ‥ ボルト穴
13m、23m ‥ 圧入部
14 ‥ 玉(転動体)
16 ‥ ハブボルト
17 ‥ 車輪
19 ‥ ブレーキディスク

Claims (4)

  1. 外輪部材と、内輪部材とが、転動体を介して軸心回りに相対回転可能に配置され、外輪部材または内輪部材のうち一方に径方向外方に拡径したハブフランジが形成され、前記ハブフランジの所定の位置に複数のハブボルトを嵌入する為の複数のボルト穴が形成され、前記ハブフランジの車輪側端部に前記ボルト穴に圧入によって嵌入されるハブボルトを挿通して、車輪とブレーキディスクが固定される車輪取付け面を有する車軸用軸受装置において、
    前記ハブフランジの前記車輪取付け面と軸方向反対側の側面の円周方向に前記複数のボルト穴の間に軸方向に窪む薄肉部が形成され、前記複数のボルト穴の周囲に放射状の厚肉部が形成され、前記薄肉部の軸方向厚さが前記厚肉部の軸方向厚さの1/3以下に形成され、かつ、前記薄肉部を形成する窪みの半径方向内方縁部は隣接する前記ボルト穴の中間点の半径方向外方に曲率中心を持ち、径方向の最小位置が前記ボルト穴の中間点に等しいアーチ形状に形成されていることを特徴とする車軸用軸受装置。
  2. 前記複数のボルト穴のPCD上における前記厚肉部の円周方向の幅が前記ボルト穴の内径寸法の2.5倍より小さいことを特徴とする請求項1に記載の車軸用軸受装置。
  3. 前記複数のボルト穴の内径部の軸方向の一部に他部位より径の小さいボルト圧入部が形成され、前記ボルト圧入部の軸方向中心は前記ハブフランジの軸方向中央より前記車輪取付け面側に偏った、計算上最もハブボルト圧入による車輪取付け面の振れが小さくなる位置であり、
    前記車輪取付け面は前記ハブボルト圧入前の状態において、半径方向内方が軸方向に車輪およびブレーキディスクから離反する凹面であり、前記ボルト穴PCDより径方向外方の凹面傾斜角が前記ボルト穴PCDより内方の凹面傾斜角より大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車軸用軸受装置。
  4. 外輪部材と、内輪部材とが、転動体を介して軸心回りに相対回転可能に配置され、外輪部材または内輪部材のうち一方に径方向外方に拡径したハブフランジが形成され、前記ハブフランジの所定の位置に複数のハブボルトを圧入する為の複数のボルト穴が形成され、前記ハブフランジの車輪側端部に前記ボルト穴に圧入によって挿入されるハブボルトを挿通して、車輪とブレーキディスクが重ねられる車輪取付け面を有する車軸用軸受装置において、
    前記複数のボルト穴の内径部の軸方向の一部に他部位より径の小さいボルト圧入部が形成され、前記ボルト圧入部の軸方向中心は前記ハブフランジの軸方向中央より前記車輪取付け面側に偏った、計算上最もハブボルト圧入による車輪取付け面の振れが小さくなる位置であり、
    前記車輪取付け面は前記ハブボルト圧入前の状態において、半径方向内方が軸方向に車輪およびブレーキディスクから離反する凹面であり、前記ボルト穴PCDより径方向外方の凹面傾斜角が前記ボルト穴PCDより内方の凹面傾斜角より大きいことを特徴とする車軸用軸受装置。
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