JP5024380B2 - 車載実装用鉛フリーはんだと車載電子回路 - Google Patents

車載実装用鉛フリーはんだと車載電子回路 Download PDF

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Description

本発明は、温度変化の大きい過酷な条件で使用する鉛フリーはんだ、例えば自動車のエンジン近傍のように使用時と停止時に温度差が大きくなるような環境下で使用する鉛フリーはんだと、それを使用した車載電子回路に関する。
鉛は人体に悪影響を及ぼすことから鉛入りはんだが規制されるようになってきており、Sn主成分の鉛フリーはんだが広く使用されている。現在、テレビ、ビデオ、携帯電話、パソコン等の所謂「民生用電子機器」に多く使用されている鉛フリーはんだは、Sn−3Ag−0.5Cuはんだである。この鉛フリーはんだは、はんだ付け性が従来のPb−Snはんだよりも多少劣るが、フラックスやはんだ付け装置の改良で問題なく使用されており、民生用電子機器の耐用年数期間中の通常の使用時に剥離するような問題は発生していない。
民生用電子機器では、はんだ付け部の耐久試験としてヒートサイクル試験を採用している。民生用電子機器で多く採用しているヒートサイクル試験は、3.2×1.6×0.6(mm)の大きさのチップ抵抗部品をプリント基板にはんだ付けして、はんだ付け部を−40℃、+85℃の各高温度および低温度に30分間、保持する加熱・冷却の繰り返しを500サイクル行う。その後に、導体間の通電状態の測定を行い、通電していれば合格という程度のものである。
ところで自動車にもプリント基板に電子部品をはんだ付けした、つまり実装した電子回路(以下、車載電子回路という)が搭載されており、車載電子回路でもヒートサイクル試験を行っている。車載電子回路で採用されるヒートサイクル試験は、後述するが、前述の民生用電子機器でのヒートサイクル試験では考えられないほど、非常に過酷な条件での試験である。
従来においても耐ヒートサイクル性に優れた鉛フリーはんだは多数提案されていた。特許文献1ないし3参照。
しかしながら、車載電子回路のはんだ付け部に現在求められるようなヒートサイクル試験を行ったとき充分な耐ヒートサイクル性を示すものはなかった。
特開平5−228685号公報 特開平9−326554号公報 特開2000−349433号公報
実際、特許文献1ないし3の実施例に開示された具体的組成例について、今日求められている基準に基づいて、上述の−40℃から+85℃へのヒートサイクルを500サイクル行うヒートサイクル試験、および、−55℃から+125℃へのヒートサイクルを1500サイクル行うヒートサイクル試験を行ったところ、いずれも満足する結果が得られなかった。
例えば、はんだの耐ヒートサイクル性は、現在行われているバルクでの特性値試験、例えば、引張強度試験、クリープ試験、疲労試験では評価ができない。はんだ継手部の耐ヒートサイクル性を評価するには、実際に部品を実装したプリント基板のヒートサイクル試験を行うことがベストであるといわれている。特に、車載電子回路でのヒートサイクル試験は民生用電子機器でのヒートサイクル試験(−40℃〜+85℃の加熱・冷却500サイクルで通電するかどうかを測定)より厳しく、−55℃〜+125℃の加熱・冷却サイクルで、少なくとも1500サイクル、さらに好ましくは3000サイクルという非常に過酷なヒートサイクル試験において、所定の接合強度を有していることが求められる。しかし、従来の鉛フリーはんだでは、この基準を満足できるものはなかった。
ところで、車載電子回路は、エンジン、パワーステアリング、ブレーキ等を電気的に制御する機器に使用されており、自動車の走行にとって非常に重要な保安部品となっているため、長期間にわたって故障がなく安定した状態で稼働できるものでなければならない。特に、エンジン制御用の車載電子回路は、エンジン近傍に設置されているものもあり、使用環境としてはかなり厳しい。実際、このような車載電子回路が設置されるエンジン近傍は、エンジンの回転時には100℃以上という高温となり、エンジンの回転を止めたときには外気温度、例えば北米やシベリヤなどの寒冷地であれば冬季に−30℃以下という低温になる。従って、車載電子回路はエンジン運転とエンジン停止の繰り返しで−30℃以下、+100℃以上というヒートサイクルに曝される。
車載電子回路が、そのように温度が大きく変化する環境(以下、ヒートサイクル環境という)に長期間置かれると、はんだとプリント基板がそれぞれ熱膨張・収縮を起こす。しかしながら金属のはんだと樹脂製のプリント基板では熱膨張率が相違するため、両方にストレスがかかる。このとき樹脂製のプリント基板は伸縮するため問題はないが、金属のはんだは長期間の膨張・収縮により金属疲労を起こして、長期間経過後には、クラックが入って破断することがあった。
つまり、金属疲労は長期間のストレスで起こるため、車載電子回路では、新車の使用開始後しばらくは問題がなくても、長期間にわたり走行すると、はんだ付け部のはんだが剥離してしまうことも考えられる。この原因は、はんだ付け部がヒートサイクル環境において、破断するほどでもないが接合強度が弱くなっているところに、路面から受ける大きな衝撃やエンジンから受ける連続した小さな振動により剥離してしまうことによる。
従って、車載電子回路に用いるはんだには、ヒートサイクル環境において、優れた耐ヒートサイクル性を示すものが要求されている。車載電子回路のはんだ付けとして、民生用電子機器にすでに用いられているSn−3Ag−0.5Cuの鉛フリーはんだを用いるのが好ましい。しかし、この鉛フリーはんだは過酷なヒートサイクル環境に対して充分な耐ヒートサイクル性を有していないため、自動車のように高温度と低温度との差が非常に大きい厳しいヒートサイクル環境となるところには使用できない。
そこで、本発明にあっては、車載電子回路用として現状からは厳しいと考えられる−55℃〜+125℃のヒートサイクルを基準にしてそれの1500サイクルに耐えられるはんだ合金の開発を目標とした。
ところで、車載電子回路に使用するはんだとしては、当然、はんだ付け性に優れているばかりでなく、はんだ付け時に電子部品やプリント基板に熱影響を与えない温度ではんだ付けできるものでなければならない。一般に、はんだ付け温度は、はんだの液相線+10〜30℃といわれており、はんだの液相線温度が高くなると、はんだ付け温度も高くせざるをえず、はんだ付け温度が高いと電子部品やプリント基板を熱損傷させたり、機能劣化させたりする。電子部品やプリント基板をリフローはんだ付けする場合、はんだ付け温度が250℃以下であれば電子部品やプリント基板を熱損傷させない。従って、250℃以下のはんだ付け温度が必要であるとすると、液相線温度は240℃以下、好ましくは235℃以下となる。
さらに車載電子回路に用いるはんだとしては、固相線温度が170℃以上であることが望ましい。その理由は、はんだ付け部が置かれた環境が高温となったときに、その高い温度とはんだの固相線温度が近いほど、はんだの接合強度が弱くなるからである。つまり車載電子回路が設置される箇所がエンジンルーム内であるとエンジンルーム内は100℃に近い高温となることから、固相線温度はエンジンルームの温度よりも少なくとも70℃以上高い170℃以上が好ましい。
ここに、本発明の目的は、車載電子回路のはんだ付けに使用でき、高い信頼性を発揮する鉛フリーはんだおよびそれを使用した車載電子回路を提供することである。
より具体的には、本発明は、−55℃および+125℃の各温度に30分保持するヒートサイクル試験において、1500サイクル経過後もはんだ継手部にクラックの貫通が見られない、優れた耐ヒートサイクル性を発揮する車載電子回路用の鉛フリーはんだ合金およびそれを使用した車載電子回路を提供することである。
パワーモジュールやセラミックス基板や金属基板を使用したハイブリッド半導体回路は、入力電源の電圧や電流や周波数を変換する機能が主要である。その入力電源は、高出力のリチウムイオン電池や、自動車や二輪車に使用される鉛蓄電池や、自動車や電車などのモータによる発電や送電線や、100Vから220Vの家庭用電源である。これらの入力電源を変換することでモータの駆動部を稼動させたり、自動車のヘッドライトのような大電力を必要とするヘッドライトを点灯させたり、さらに、モータ制動時に電磁コイルから発生する電池を変換し、リチウム電池や鉛蓄電池に充電したりする。そのため、回路内から発する熱量が多い。また、電子回路形成上必須の抵抗やコンデンサーなどのチップ部品も、3216サイズのような大型な部品が使用される。したがって、これらの電子回路では、プリント基板との接合部がヒートサイクルによって破壊され易い。
パワーモジュールは、その電子回路内にパワートランジスタを使用した回路で、電源回路などに用いられる。放熱板などが配置されることが多く、大電流が流れるので、その配線は太く、接合部の面積が広いのが特徴である。
ハイブリッド半導体回路は、混成集積回路とも言い、配線と抵抗やコンデンサなどを形成したセラミックス基板に半導体チップを付けたものである。このような電子回路は、一世代前の集積回路であるが、シリコンウエハを使用した集積回路は熱に弱いという欠点を有しているので、大電流が流れ、また熱に強いハイブリッド半導体回路は、車載用としてはまだ用いられている。このようなハイブリッド半導体回路では、使用されるチップ部品も大型のものが用いられる。
本発明は、パワーモジュールやハイブリッド半導体回路に最も適した車載電子回路用の鉛フリーはんだ合金およびそれを使用した車載用パワーモジュールやハイブリッド半導体回路を提供することである。
本発明者は、従来の耐ヒートサイクル性に優れているといわれている鉛フリーはんだでは車載電子回路用として、更なる高信頼性を満足できず、更なる改良の必要なことを知った。したがって、本発明者は、各種組成および組織のはんだ合金について、実際に、電子部品を実装したプリント基板を使い、ヒートサイクル試験後の電子部品と基板との接合強度を測定したところ、特定組成のはんだ合金、特に、析出復元型固溶体組織をもった合金が、ヒートサイクル試験による接合強度の劣化抑制に効果のあることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、固溶元素を含有するSn−Ag−Cu系はんだ合金であって、且つ、室温では過飽和固溶体、もしくは、固溶元素が析出した固溶体からなる合金組織を有し、ヒートサイクル環境における高温時には、低温で析出した固溶元素がSnマトリックス中に再固溶する固溶体からなる合金組織を有する合金からなる鉛フリーはんだである。
本発明によれば、ヒートサークル環境での使用中のはんだの強度を著しく改善できる。
本明細書では、本発明合金の備える上述のような合金組織を、高温下および室温下の場合も含めて、また、固溶体または過飽和固溶体からなる合金組織の場合も含めて、包括的に「析出物復元型固溶体組織」と言う。
図1は、本発明にかかる合金の高温度、低温度環境下での温度変化に伴う組織変化の説明図である。十分な固溶限が確保できる高温状態ではSnマトリックス中にBiが固溶し固溶体を呈する。しかし、状態図上ではこれが冷却されるとBiの析出が起こり、更に、Biの様にSn中に多く固溶する元素はその析出物は簡単に粗大化し、Bi自信はSnの機械的特性にほとんど寄与しないはずである。しかしながら、本発明では、有限の時間で高温低温環境を繰り返し負荷するヒートサイクル試験では、一旦、高温下でSnに固溶したBiは冷却時においても、粗大に析出することなく、過飽和固溶体、もしくは、走査型電子顕微鏡では観察できないほどの過飽和固溶体からの微細な析出物としてSn中に存在することが判明した。しかし、Biの配合量が少ないと室温で過飽和固溶体もしくは、過飽和固溶体からの微細な析出物としてBiは存在できないため、ヒートサイクル試験でのクラック進展は抑制できず、Biが多すぎると、凝固初期のBi偏析により、クラックの進展が著しく早くなる場合がある。本発明の場合、合金組成を調整することで常に室温で過飽和となる割合でBiが配合されているから、ヒートサイクル環境が冷却段階に入るとただちに過飽和固溶体となる。
−55℃および+125℃の各温度に30分保持するヒートサイクルにおいて上述のような「析出物復元型固溶体組織」を呈するということは予想外であった。状態図においては常に平衡状態を考えているため、本発明にかかる組成を持った合金が、いずれも室温や低温環境でBiの粗大化が進行されることは予測できるが、上述のように加熱30分、冷却30分というヒートサイクルを1500から3000サイクル繰り返した後にも、Biの粗大化を抑制でき、更に、過飽和固溶体、もしくは、過飽和固溶体からの微細な析出物としてBiがSn中に存在し続けること、そして、それによって、これまで考えられなかったような優れた作用効果が発揮されることは全くの予想外であった。
更に、凝固初期の粗大なBiに関しても、125℃、200時間の熱処理や-55℃〜+125℃の500サイクルで各30分のヒートサイクル試験をすることで、室温においても過飽和固溶体、もしくは、過飽和固溶体からの微細な析出物としてBiをSn中に分散させることができ、ヒートサイクルや高温放置などの熱負荷を付与することで、接合部の信頼性が向上することも予想外であった。
ここに、本発明における過飽和固溶体からのBiの析出と、凝固の際の偏析による粗大なBiの偏析とではその効果は異なり、前者ではSnマトリックス中に過飽和固溶体もしくは、過飽和固溶体からの微細な析出物として、均一に微細なBiが存在することで、機械的強度が向上するが、後者では、最終凝固部、結晶粒界、そしてデンドライトアーム間に、それぞれ、固溶元素であるBiが粗大に偏析するため、転移の移動を抑制して強度を改善する効果は期待できない。このような「凝固偏析型合金組織」は上述の「析出物復元型固溶体組織」とは、その生成機構、冶金学的組織、作用効果の点からも明確に区別される。
換言すれば、本発明にあっては、そのようなBiの偏析が生じないように合金を調製する必要がある。具体的には、Bi含有量を調整したり、合金調製時に当たって急冷凝固を行ったり、あるいは、はんだ付けに際しても溶融はんだの急速凝固を図ることやパワーデバイスの様に熱負荷が大きな基板実装に使用し、導通時に熱処理を行うことや熱負荷の小さい部品に関しては一旦、125℃で50〜300時間の熱処理を行い凝固偏析で発生した粗大なBiを過飽和固溶体や過飽和固溶体からの微細な析出物に改善するなどの手段が好ましい。さらにデンドライト結晶の成長は排除するのが好ましい。
更に、本発明者は、Sn−Ag−Cu共晶近傍の合金ではCu含有量により信頼性が変化することを突き止めた。すなわち、Cu0.8質量%以上の添加で車載電子回路用のはんだとして信頼性が改善されることを見出すと共に、Bi添加と併用することで、電子部品を実装した車載電子回路に求められる耐ヒートサイクル性が満足されることを確認した。
本明細書に言う「車載電子回路に求められる耐ヒートサイクル性」は、一般には自動車使用時に経験されるヒートサイクル環境においても長期間安定して使用できるということであるが、具体的には、はんだ継手を−55℃および+125℃の各温度に30分保持するヒートサイクル試験を行ったとき、はんだ付け部に1500サイクル経過後もクラックの貫通が見られない特性を言う。
このように、本発明にかかる析出物復元型固溶体組織によれば、固溶体が冷却されると、マトリックス中の固溶限を超過した固溶元素が過飽和固溶体による通常の固溶体では得られない程度の固溶体硬化や過飽和固溶体から微細に析出する析出強化により強度が改善される。これは、金属間化合物の析出による強度改善効果と同様であるが、金属間化合物ではヒートサイクルの進行と共に微細な針状結晶から塊状結晶の化合物となり、強度改善効果が著しく低下する。しかしながら、上記「析出物復元型固溶体組織」における過飽和固溶体や過飽和固溶体から析出したBiでは、固溶元素がヒートサイクル環境の高温時には再度固溶し、一方、室温や低温では、再度、Biは過飽和固溶体や過飽和固溶体から微細に析出するBiとしてSnマトリックス中に析出する。したがって、上記析出物復元型固溶体組織によれば、熱疲労の進行によらず、過飽和固溶体や過飽和固溶体から析出したBiによる強度改善効果が期待できる。つまり、過飽和固溶体や過飽和固溶体から析出したBi組織は、ヒートサイクル環境での使用中に繰り返し復元されるため、強度改善効果が半永久的に持続するのである。したがって、ヒートサイクル環境下における接合強度劣化を抑制でき、耐ヒートサイクル性を向上させることができる。
Cu添加量が1.5質量%ではBiの添加が無い場合でも車載電子回路用として満足する耐ヒートサイクル性が得られるが、液相線温度が250℃を超過するため、実装が困難であり、本発明において、一般のプリント基板を対象としたはんだ合金ではCu添加量の上限は1.2質量%までである。好ましくは1.0質量%以下である。
一般に、はんだのマトリックス中に金属間化合物が存在すると、耐ヒートサイクル性が向上するといわれている。本発明者が、金属間化合物が存在している鉛フリーはんだの耐ヒートサイクル性について鋭意研究を行った結果、金属間化合物が存在していても、その形状や大きさ、分布状況によって耐ヒートサイクル性が大きく左右されることが分かった。例えば、金属間化合物が針状結晶であると、クラックが発生した場合、この結晶があたかもコンクリート中の鉄筋の役目をしてクラックの進行を抑制する。しかしながら、その後ヒートサイクル環境での使用が続くと、この針状結晶が球状となって、しかもそれが数μm程度に粗大化すると、耐ヒートサイクル性に寄与しなくなる。
また、ヒートサイクル環境において、はんだ付け部のはんだにクラックが発生すると、クラックの進行方向に存在している金属間化合物はクラックの応力により球状化するとともに粗大化することが分かった。そのため粗大化した金属間化合物は、もはやクラックの進行を抑制できなくなる。
ここで、Sn主成分の鉛フリーはんだにおいて、AgやCuを添加した場合にSnマトリックス中に形成される金属間化合物であるAgSnやCuSnの微細な針状結晶が粗大化して、粒状結晶になるメカニズムを簡単に説明する。
AgSnやCuSnは微細な結晶状態では、Snマトリックスとの界面面積が非常に大きく、界面エネルギーの総和が非常に高い状態となっている。一方で、自然現象では高エネルギー状態から低エネルギー状態に反応が進行するため、AgSnやCuSnとSnマトリックスとの界面面積が小さくなる。つまり金属間化合物は、微細な針状結晶から大きな球状結晶に変化することとなる。このような金属間化合物の粗大化はヒートサイクル環境における高温時に起きやすく、この変化が進行すると、もはや金属間化合物による耐ヒートサイクル性の改善効果は期待できない。ちなみに、金属間化合物の粗大化は比較的応力が負荷されにくいフィレット先端部では殆ど発生せず、応力が集中するチップ部品の底部のような接合部で顕著である。そしてクラックが発生した場合は、金属間化合物の球状化と粗大化がクラックの進行方向に沿って起こり、粗大化した金属間化合物はクラックの進行を止められなくなる。
一方、本発明にかかる「析出物復元型固溶体組織」においても上述のような金属間化合物が少なければ、クラックの進展を抑制することが困難なため、少なくともAgSnとCuSnとSnの共晶組織の体積が40%以上を占める必要があり、Ag添加量は2.5%以上、Cu添加量は0.8%以上必要である。できれば、Ag添加量は2.8%以上、Cu添加量は0.9%以上が好ましい。
本発明者の知見によると、本発明にかかる析出物復元型合金組織におけるBiの作用効果は次の通りである。
本発明にかかるBiを固溶した固溶体、および、Bi過飽和固溶体、さらにBi微細析出物を含有する固溶体によれば、いずれの形態でも、鉛フリーはんだの耐ヒートサイクル性が向上する。ここに、固溶体は、溶媒金属の結晶格子の間の安定位置に溶質原子が割り込んだり、溶媒と溶質の原子が共通の結晶格子点を相互に置換したものである。本発明鉛フリーはんだではSnマトリックス中にBiが固溶するが、溶媒原子であるSnと溶質原子であるBiは、大きさが違うため歪みを起こして硬化する。ここで、過飽和固溶体からBiが析出する場合を考えると、はんだが完全に凝固したときには過飽和固溶体として凝固するが、その後の温度低下に伴い、固溶限を超過したBiが微細に析出し、そのときの析出物とSnマトリックス間の格子歪みにより硬化し、耐ヒートサイクル性が向上する。
従って、Snマトリックス中に微細な金属間化合物が存在するとともにSnにBiが固溶し、さらに、過飽和固溶体からBiが析出するするはんだ合金は、これらの相乗作用により、さらに耐ヒートサイクル性が向上するのである。
しかしながら、車載電子回路が前述のようにヒートサイクル環境に曝されて、鉛フリーはんだ中の金属間化合物が大きく球状化することにより、金属間化合物によるクラック抑制の効果がなくなる。しかし、Biを固溶したSnマトリックス自体、および、過飽和固溶体から微細なBiを析出したSnマトリックスが耐ヒートサイクル性向上の効果を有していれば、クラックの進行を抑制することができる。しかしながら、微細な金属間化合物が粗大化するまでは、クラック抑制効果は十分にあり、クラック進展を抑制させる効果を持続させるためには、少なくともAgSnとCuSnとSnの共晶組織の体積が40%以上を占める必要があり、Ag添加量は2.5%以上、Cu添加量は0.8%以上必要である。できれば、Ag添加量は2.8%以上、Cu添加量は0.9%以上が好ましい。
特に、Biは125℃ではSnマトリックス中に12質量%以上固溶するため、本発明におけるBi含有量では、室温に戻ると過飽和固溶体となり、Biの微細な析出物は熱疲労とは関係なく存在し、Ag3Sn、Cu6Sn 5などの金属間化合物の様に、ヒートサイクルの経過と共に合金の強度改善効果が低下することはない。
従って、Sn主成分の鉛フリーはんだではんだ付けしたものをヒートサイクル環境に置いた場合、Snマトリックス中に金属間化合物が存在するとともに、Biが固溶していると、それらの相乗効果により、初期のうちは優れた耐ヒートサイクル性を維持することができる。そしてヒートサイクル環境に長期間置かれて金属間化合物が大きな球状となり、例え、はんだ付け部のはんだにクラックが発生したとしても、Biを固溶したSnマトリックスがクラックの進行を抑制するため、はんだ付け部が完全に剥離するまでの寿命が延びる。
このようにSnマトリックス中にBiを固溶させた鉛フリーはんだでは、例えば−55℃〜+125℃の各温度に30分間、1500サイクルまたは3000サイクル曝すという民生用電子機器では考えられない非常に過酷なヒートサイクル環境に置いても、Snマトリックス中に存在するBiが固溶し、また、過飽和固溶体からの微細Biの析出物により優れた耐ヒートサイクル性を維持できる。特に、Biは、はんだ付け初期には凝固偏析により一部粗大に析出することがあるが、そのような場合であってもBi含有の鉛フリーはんだではんだ付けしたものをヒートサイクル環境に置くと、ヒートサイクル環境初期に粗大であったBiが時間の経過とともに徐々に微細になり、耐ヒートサイクル性を向上させる。しかし、好ましくは、当初よりBiの凝固偏析は可及的少量とする。
ここに、本発明は次の通りである。
(1)Ag:2.8〜4質量%、Bi:1.5〜6質量%、Cu:0.8〜1.2質量%、残部Snからなり、さらに具体的には、析出物復元型固溶体組織を備えたことを特徴とする、車載電子回路用鉛フリーはんだ。
(2)Ag:3〜3.4質量%、Bi:2.5〜5質量%、Cu:0.9〜1.1質量%、残部Snからなる、上記(1)記載の鉛フリーはんだ。
(3)Snの一部に代えて、Ni、FeおよびCoからなる群から選んだ少なくとも1種を合計量で0.005〜0.05質量%含有する、上記(1)または(2)記載の鉛フリーはんだ。
(4)Snの一部に代えて、P、GeおよびGaからなる群から選んだ少なくとも1種を合計量で、0.0002〜0.02質量%含有する、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の鉛フリーはんだ。
(5)Snの一部に代えて、In:1質量%以下含有する、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の鉛フリーはんだ。
(6)Snの一部に代えて、Zn:1質量%以下含有する、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の鉛フリーはんだ。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の鉛フリーはんだからなるはんだ継手部を有する車載電子回路。
(8)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の鉛フリーはんだからなるはんだ継手部を有する、ハイブリッド半導体回路である車載電子回路。
ここに、本発明におけるヒートサイクル試験は、プリント基板のはんだ付けパターン(1.6×1.2(mm))に鉛フリーのソルダペーストを150μmの厚さで印刷塗布し、3.2×1.6×0.6(mm)のチップ抵抗部品を載せて、ピーク温度が245℃のリフロー炉ではんだ付けし、その後、該チップ抵抗部品が実装されたプリント基板を−55℃〜+125℃にそれぞれ30分ずつ保持する操作を1サイクルとして、1500サイクル行うことである。
本発明において、「耐ヒートサイクル性に優れている」とは、上述のヒートサイクル試験後にプリント基板上のチップ抵抗部品に、接合強度試験機で横から水平方向に力を掛けてチップ抵抗部品を剥がし取り、そのときの強度が平均で20N(ニュートン)以上、最小値が15N以上であるとき、耐ヒートサイクル性に優れているとする。
本発明にかかるはんだ合金は、はんだを溶融させてフローはんだ付けに用いても、適宜フラックスを配合しソルダペーストとしてリフローはんだ付けに用いても、さらには、はんだ鏝ではんだ付けするヤニ入りはんだや、ペレット、リボン、ボールのようなプリフォームの形態で用いてもよく、特に制限はないが、好ましくは、ソルダペーストとして用いる。
本発明の鉛フリーはんだは、耐ヒートサイクル性に優れた組成を有しており、ヒートサイクル環境において、初期のうちは微細な針状結晶の金属間化合物の存在とSnマトリックス中にBiが固溶していることにより、そして、過飽和固溶体からのBiの微細析出物により、耐ヒートサイクル性を充分に発揮できるものである。
また本発明の鉛フリーはんだは、長期間にわたりヒートサイクル環境に置かれて、微細な針状結晶の金属間化合物が粗大な球状結晶となって、金属間化合物によるクラックの進行を抑制できなくなっても、Biが固溶していることや、過飽和固溶体から析出するBiが分散していることでマトリックス自体が良好な耐ヒートサイクル性を有しているため、長期間にわたって安定した信頼性を発揮できるものである。
一方で、本発明にかかる「析出物復元型固溶体組織」においても上述のような金属間化合物が少なければ、クラックの進展を抑制することが困難なため、少なくともAgSnとCuSnとSnの共晶組織の体積が40%以上を占める必要があり、Ag添加量は2.5%以上、Cu添加量は0.8%以上必要である。できれば、Ag添加量は2.8%以上、Cu添加量は0.9%以上が好ましい。
さらにまた本発明の鉛フリーはんだは、Sn−Ag−Cu合金中に液相線温度を下げるBiが適量、即ち固相線温度を下げすぎない量だけ含有されているため、現在電子機器のはんだ付けに多用されているSn−3Ag−0.5Cuの鉛フリーはんだと同じ条件ではんだ付けができ、既存のはんだ付け装置を使用できるばかりでなく、電子部品に対する熱影響が少ないという特長を有している。
本発明にかかるはんだ合金およびはんだ継手は、ヒートサイクル試験を1500サイクル行っても、信頼性を充分に発揮できるものである。
本発明の更なる態様にあっては、Ni、Fe、Coの少なくとも1種を合計で0.005〜0.05質量%さらに含有したことを特徴とする鉛フリーはんだは、ヒートサイクル試験を1500サイクル行っても、信頼性を充分に発揮できると同時に、はんだ鏝を使用した場合にその鏝先の寿命を向上できるのである。
本発明のさらに別の態様にあっては、P、Ge、Gaの少なくとも1種を合計で0.0002〜0.02質量%含有したことを特徴とする鉛フリーはんだは、ヒートサイクル試験を1500サイクル行っても、信頼性を充分に発揮できると同時に、はんだ付け後の高温環境ではんだ表面の変色を防止できるのである。
本発明の好適範囲のはんだでは、ヒートサイクル試験をさらに3000サイクル行っても、信頼性を充分に発揮できるものである。
本発明の鉛フリーはんだは、使用時に熱を発するパワートランジスターやコイルが実装された電子機器のはんだ付けにも使用できることはいうまでもなく、特に、車載電子回路用に用いることでその特性がより効果的に発揮される。ここに、車載電子回路とは、いわゆる自動車電子制御装置のセントラルコンピュータに組み込まれる回路であり、エンジン出力制御、ブレーキ制御などを制御を行うための装置であり、通常エンジン近傍に設けられる。
本発明において利用する「析出物復元型固溶体組織」の模式的説明図である。 実施例2の試験1で得られた試験基板の断面図である。 実施例2の試験2で得られた試験基板の断面図である。 実施例2の試験3で得られた試験基板の断面図である。
本発明においてはんだ組成を規定した理由について説明する。
Biの添加量の上限は6質量%であるが、Biをこれよりも多く添加するとはんだ付け時にBiの凝固偏析により生じたSn−Bi共晶組織が多くなり、ヒートサイクル環境下では、BiがSnに固溶せず、マトリックス中に晶出した過剰のBiが粗大化し、かえって耐ヒートサイクル性を低下させる。Bi添加量が1.5質量%より少ないと常温での固溶限過飽和固溶体からのBi析出が殆ど期待できず、目標の耐ヒートサイクル性を満足できない。つまり、Biの固溶体と過飽和固溶体からの析出の相互作用により、耐ヒートサイクル性が大きく改善されるのである。Bi含有量は、好ましくは、2.5〜5.5質量%である。より好ましくは、2.5質量%以上、5質量%未満である。
Agは、Snと金属間化合物AgSnを形成して耐ヒートサイクル性向上に寄与する。またAgは、はんだ付け時にはんだ付け部に対する濡れ性を良好にするとともに、Snの液相線温度を低下させる効果がある。Agの添加量が2.8質量%よりも少ないと、耐ヒートサイクル性が低下し、しかるに4質量%よりも多くなると、添加したほどの耐ヒートサイクル性や濡れ性の向上を期待できないばかりでなく、液相線温度が上昇し、はんだ付け性が低下する。更に、高価なAgの添加量が多くなることは経済的に好ましいものではない。Ag含有量は、好ましくは、3〜3.4質量%である。
Cuは、実装基板のCu回路や電子部品のCu電極の溶解を防止するために必要である。通常のはんだ付けでは接合部が複数回溶融し、修正工程では通常のはんだ付け温度より接合部の温度が高温となり、基板や部品のCuが溶解するというCu食われが起こる。特に、Sn主成分の鉛フリーはんだではCuの溶解が速く基板や部品のCuが浸食される。
本発明ではCuを含有させることでそのようなCu食われを防止する。
一方、半導体素子やセラミック基板のNiめっきにおいて、めっき厚が薄い場合はSn主成分の鉛フリーはんだを使って、はんだ付けを行うとNiの溶解が激しくNiめっき下地のメタルが露出し、Niめっきのバリア層としての機能が失われる。
特に、車載電子回路では安全上重要な実装基板や電子部品が多く、はんだ付け時に断線や電子部品の機能低下は完全に防ぐ必要があり、被はんだ付け部のCuの溶解を防ぐことは重要である。Cu食われを防ぐためにはCuは少なくとも0.8質量%以上の添加が必要である。しかしながらCuを1.2質量%超添加すると液相線温度が240℃を超えるため、はんだ付け温度を高くしなければならなくなり、電子部品やプリント基板をかえって熱損傷させてしまう。更に、Cu添加量はヒートサイクル環境における強度劣化を抑制する効果もあり、特に、Bi添加量が5質量%より少ない場合はCuの添加量が0.8質量%未満では信頼性が車載電子回路の基準まで達しない。好ましいCu含有量は、0.9〜1.0質量%である。
本発明では、耐ヒートサイクル性をさらに向上させるとともに、はんだ自体の機械的強度、Cu食われの抑制などの特性を向上させる目的で、Ni、Fe、およびCoからなる群から選んだ1種以上を合計で0.005〜0.05質量%添加することもできる。これらの添加物は合計で0.005質量%よりも少ないと上記特性向上効果は現れず、しかるに、合計で0.05質量%よりも多くなると液相線温度が240℃を越えてしまう。
さらに、本発明では、はんだの酸化を防止してはんだの変色を抑制するために、P、Ge、およびGaからなる群から選んだ1種以上を合計で0.0002〜0.02質量%添加することもできる。これらの添加量が合計で0.0002質量%よりも少ないと酸化防止の効果はなく、しかるに合計で0.02質量%を超えて添加すると、はんだ付け性を阻害するようになる。
その他、本発明においては、InやZnを必要により配合してもよい。溶融温度を低下させるためにInを配合する場合、1質量%を超えて添加すると、BiとInの双方が凝固偏析し、125℃以下で一部はんだが溶融する。125℃での高温下でSnマトリックス中に一部InとBiとが濃化したSnの液相が存在しても、強度は余り変わらないが、延性、いわゆる伸びは大きく低下し、1質量%より多い添加では延性がほぼなくなり、はんだ合金としては使用することは困難となる。そのため、Sn−Ag−Cu−Bi合金に対するInの添加量は1質量%以下である。
Znは酸化が激しい一方で、金属との反応性を高めるため、不活性雰囲気中でのはんだ付け性を良好にする。しかしながら、Znは、Sn−Ag−Cu−Bi合金に対して、過剰に添加すると液相線温度が上昇するため、その添加量は1質量%以下が好ましい。
本発明にかかる合金組成では、例えば100℃以上の高温時にはBi含有固溶体、必要により一部金属間化合物が分散しているBi含有固溶体として所用の強度を発揮し、一方、例えば25℃以下という低温ではBi過飽和固溶体により、またはBiの析出強化により所用の強度を発揮する。このような機能を備えたはんだ継手はこれまで見られなかった。
したがって、本発明は、そのようなはんだ継手部を備えた車載電子回路、特に、ハイブリッド半導体回路である。また、本発明は、はんだ継手部の優れた耐熱性を考慮すれば、パワーモジュールに使用することもできる。
本例では表1に示す各組成のはんだ合金を調製し、後述する要領でその特性を評価した。
本発明における実施例と比較例の特性評価の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005024380
表1における融点測定、ヒートサイクル試験、Cu食われ試験は下記の通りに行った。
融点測定(*1):
示差走査熱量測定装置(DSC)により、固相線温度と液相線温度を測定した。
示差走査熱量測定装置の昇温速度は5℃/min、サンプル量は約15gであった。
はんだ付け時に電子部品やプリント基板への熱影響を考慮すると、液相線温度は240℃以下が好ましい。また高温時における接合強度を弱めないためには、固相線温度は170℃以上である。
ヒートサイクル試験(*2):
表1に示すはんだ合金から平均粒径 30μm のはんだ粉末を調製し、下記組成のフラックスと配合・混合することでソルダペーストとした。
粉末はんだ : 89質量%
フラックス : 11質量%
フラックス組成:
重合ロジン 55質量%
水素添加ヒマシ油 7質量%
ジフェニルグアニジン HBr 1質量%
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル 37質量%
サイズが、1500mm×1400mm、厚さが1.6mmの6層FR−4のガラスエポキシ基板内のはんだ付けパターン(1.6×1.2(mm))に大きさが3.2×1.6×0.6(mm)のチップ抵抗部品をはんだ付けした。はんだ付けは、150μm厚のメタルマスクを用いて、ソルダペーストを電極部分に印刷後、ピーク温度が245℃に設定したリフロー炉で加熱した。その後、該チップ抵抗部品が実装されたプリント基板を、−55℃と+125℃にそれぞれ30分ずつ保持する条件に設定したヒートサイクル槽に投入し、1500サイクルと3000サイクル繰り返すヒートサイクル環境に曝した実装基板を試験試料とした。該試験試料のチップ抵抗部品に対して、シェア強度試験装置でせん断速度5mm/minでてチップ抵抗部品を剥がし取り、そのときの剥離強度(N:ニュートン)を測定した。試験試料数は各15〜20個行った。結果を表1に示す。表1のデータは、15〜20個の平均値及び最低値である。
ヒートサイクル試験では主にクラックの発生により接合強度は低下するが、クラックの進行が激しいほど接合強度は低くなる。このヒートサイクル試験ではクラックが完全に貫通すると、その強度は10N以下となる。1500サイクルのヒートサイクル試験では、平均で30N以上、且つ最小値が20N以上の接合強度があれば、クラックが完全に接合部を貫通しておらず、信頼性の面では充分である。そしてさらに厳しい条件である3000サイクルにおいても平均で30N以上、且つ最小値が20N以上の接合強度があれば、さらに長期間信頼性を約束できるものとなる。
Cu食われ試験(※3)
容量15Kgの小型噴流はんだ槽中に各合金を投入し、260℃の溶融状態にする。そして噴流はんだ槽の噴流口からの噴流高さが5mmになるように調整する。
本試験で使用する試験試料は、銅配線の厚さが35μmのFR−4ガラスエポキシ基板を適宜な大きさに裁断したものである。
試験方法は、試験試料の銅配線面にプリフラックスを塗布し、約60秒間予備加熱して基板温度を約120℃にする。その後、該試験試料を噴流はんだ槽の噴流口から2mm上部に置いて、噴流している溶融はんだ中に3秒間浸漬する。この工程を繰り返し行い、試験試料の銅配線のサイズが半減するまでの浸漬回数を測定する。車載電子回路の信頼性を考慮すると、浸漬回数が4回以上でも半減しないものでなければならない。浸漬回数が4回で半減しないものを「なし」、3回以下で半減したものを「あり」とした。
表1に示す結果からも分かるように、本発明の鉛フリーはんだは、耐ヒートサイクル性に優れているばかりでなく、Cu食われも起こらない。
さらに本発明の鉛フリーはんだは、固相線温度が180℃以上であるため、本発明の鉛フリーはんだではんだ付けした車載電子回路を自動車のボンネット近傍に設置して高温状態に置いても容易に剥離しない。さらに液相線温度が230℃以下であるため、はんだ付け時に電子部品やプリント基板を熱損傷することもない。
一方、耐ヒートサイクル性に優れているといわれている従来例の鉛フリーはんだでは、車載電子回路で要求される耐ヒートサイクル性を満足しなかったり、固相線温度や液相線温度が高すぎたり、低すぎたりするものであり、車載電子回路のはんだ付けには適していないものであった。
本例では、擬似的なハイブリッド半導体回路のはんだ継手部を本発明にかかる鉛フリーはんだで構成し、そのときのはんだ継手部の評価結果を示す。
試験1:
大きさ30mm×40mm×0.3mmの銅貼りアルミナ基板1と、50mm×50mm×3.5mmのCuベース基板(金属基板)2の間に、厚み200μm、30mm×40mmの板状の表2に記載のはんだ組成のはんだペレットを載せ、水素還元雰囲気中で260℃のピーク温度条件でリフローはんだ付けして、試験基板とした。
図2に、本試験で得た試験基板の断面図を示す。試験基板を−55℃〜+125℃で、移行時間がゼロ分で、−55℃と+125℃にそれぞれ30分ずつ保持する条件に設定したヒートサイクル槽に投入し、2000サイクル後のクラック進展率を断面で観察した。表2に2000サイクル後のはんだ継手部最大長の断面を光学顕微鏡で観察し、はんだ継手部最大長に対するクラック長さの平均値を示す。
試験2:
大きさ35mm×70mm×0.2mmアルミ貼りアルミナ基板5と50mm×120mm×3mmt Cuヘ゛ース基板6間に、厚み200μm、35mm×70mmの板状の表2に記載のはんだ組成のはんだペレットを載せ、水素還元雰囲気中で260℃のピーク温度条件でリフローはんだ付けして、試験基板とした。
図3に、本試験で得た試験基板の断面図を示す。試験1と同様の条件で、2000サイクル後のクラック進展率を断面で観察した。同じく表2に2000サイクル後のはんだ継手部最大長の断面を光学顕微鏡で観察し、はんだ継手部最大長に対するクラック長さの平均値を示す。
試験3:
大きさ7mm×7mm×400mmのSi素子9と20mm×20mm×0.3tCuリードフレーム10間に厚さ100μmで7mm×7mmの板状の表2に記載のはんだ組成のはんだペレットを設置後、水素還元雰囲気中で260℃のピーク温度条件でリフローはんだ付けして、試験基板とした。
図4に、本試験で得た試験基板の断面図を示す。試験1と同様の条件で、2000サイクル後のクラック進展率を断面で観察した。同じく表2に2000サイクル後のはんだ継手部最大長の断面を光学顕微鏡で観察し、はんだ継手部最大長に対するクラック長さの平均値を示す。
Figure 0005024380
表2からは、試験1,試験2及び試験3の何れの形式のハイブリッド半導体回路でも、Sn-Bi-Ag-Cu組成のはんだを用いて形成されたハイブリッド半導体回路は、比較例のSn-Ag-Cu組成のはんだを用いたハイブリッド半導体回路に比べて、クラック長さの成長が遅く、信頼性が高いことが解る。

Claims (11)

  1. Ag:2.8〜4質量%、Bi:1.5〜6質量%、Cu:0.8〜1.2質量%、Ni、FeおよびCoからなる群から選んだ少なくとも1種を合計量で0.005〜0.05質量%、残部Snからなることを特徴とする車載用鉛フリーはんだ。
  2. Ag:3〜3.4質量%、Bi:2.5〜5質量%、Cu:0.9〜1.1質量%である請求項1記載の車載用鉛フリーはんだ。
  3. 前記はんだが析出物復元型固溶体組織を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の車載用鉛フリーはんだ。
  4. Snの一部に代えて、P、GeおよびGaからなる群から選んだ少なくとも1種を合計量で、0.0002〜0.02質量%含有する、請求項1−3項のいずれかに記載の車載用鉛フリーはんだ。
  5. Snの一部に代えて、In:1質量%以下含有する、請求項1−4のいずれかに記載の車載用鉛フリーはんだ。
  6. Snの一部に代えて、Zn:1質量%以下含有する、請求項1−5項のいずれかに記載の車載用鉛フリーはんだ。
  7. パワーモジュールに用いられることを特徴とする請求項1−6項のいずれかに記載の車載用鉛フリーはんだ。
  8. Ag:3〜3.4質量%、Bi:2.5〜5質量%、Cu:0.9〜1.1質量%、残部Snからなることを特徴とする鉛フリーはんだを用いたことを特徴とする車載用ハイブリッド半導体回路。
  9. 前記鉛フリーはんだが、Snの一部に代えて、Ni、FeおよびCoからなる群から選んだ少なくとも1種を合計量で0.005〜0.05質量%含有する鉛フリーはんだからなるはんだ継手部を有することを特徴とする請求項8記載の車載用ハイブリッド半導体回路。
  10. 前記鉛フリーはんだが、はんだ組成が析出物復元型固溶体組織を有する鉛フリーはんだであることを特徴とする請求項8または9記載の車載用ハイブリッド半導体回路。
  11. 前記鉛フリーはんだが、Snの一部に代えて、P、GeおよびGaからなる群から選んだ少なくとも1種を合計量で、0.0002〜0.02質量%含有する、請求項8−10のいずれかに記載の車載用ハイブリッド半導体回路。
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