JP5016306B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、鉛蓄電池に関し、さらに詳しくは、アイドルストップシステムや回生ブレーキシステムを搭載した車両に用いられる鉛蓄電池の寿命特性の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉛蓄電池は、車両のエンジン始動用やバックアップ電源用などに用いられている。その中でもエンジン始動用の鉛蓄電池は、エンジン始動用セルモータとともに車両に搭載された各種電気・電子機器へ電力を供給する役割を有する。エンジン始動後、鉛蓄電池はオルタネータによって充電される。そして、鉛蓄電池のSOC(充電状態)が90〜100%に維持されるよう、オルタネータの出力電圧および出力電流が設定されている。
【0003】
近年、環境保全の観点から車両の燃費向上に対する要求が高まっている。これに対しては、例えば、車両の一時的な停車中にエンジンを停止するアイドルストップシステムを搭載した車両や、車両の減速時に車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを蓄える回生ブレーキシステムを搭載した車両などが検討されている。
【0004】
アイドルストップシステムを搭載した車両では、アイドルストップ時には鉛蓄電池は充電されない。このような状態で、鉛蓄電池は搭載機器へ電力を供給する場合がある。このため、従来のエンジン始動用鉛蓄電池と比較して、必然的に鉛蓄電池のSOCは低くなる。回生ブレーキシステムを搭載した車両では、回生(減速)時に鉛蓄電池によって電気エネルギーが蓄えられるため、鉛蓄電池のSOCを50〜90%程度に低めに制御しておく必要がある。
【0005】
いずれのシステムにおいても、従来よりもSOCが低い領域で頻繁に充電と放電が繰り返される。さらに、車両部品の電動化に伴う暗電流の増加により、長期間の停車中に鉛蓄電池の放電が進行し、過放電する可能性がある。
従って、これらのシステムを搭載した車両に用いられる鉛蓄電池に対しては、SOCが低い領域において頻繁に充放電を繰り返す使用モードでの寿命特性を向上させる必要がある。
【0006】
このような使用モードでの鉛蓄電池の劣化要因は、主に鉛蓄電池の充電受入性の低下による充電不足が挙げられる。車両における充電システムは、定電圧制御を基本としているため、負極板の充電受入性が低下すると、充電初期に負極電位が低下して、設定電圧値まで電圧がすぐに上昇し、電流が早めに減少する。そのため、鉛蓄電池の充電電気量を十分確保することができなくなり、充電不足となる。
【0007】
このような劣化を抑制する方法としては、例えば、Pb−Ca−Sn合金の正極格子表面にSnおよびSbを含有する鉛合金層を形成することが提案されている(特許文献1)。これにより、正極活物質の劣化および正極活物質と正極格子との界面における不働態層の形成が抑制される。
【0008】
また、正極格子の表面に存在するSbは、その一部が電解液に溶出し、負極板上に析出する。負極活物質上に析出したSbにより負極板の充電電位が上昇して、充電電圧が低下するため、鉛蓄電池の充電受入性が向上する。その結果、充放電サイクル中の充電不足による鉛蓄電池の劣化が抑制される。
この方法は、SOCが90%を超える状態で用いられる始動用鉛蓄電池において非常に有効であり、寿命特性は飛躍的に改善される。
【0009】
しかし、鉛蓄電池を、上記のアイドルストップシステムや回生ブレーキシステムを搭載した車両に用いる場合は、すなわち、SOCが低い領域で充放電を繰り返す使用モードにおいては、充電受入性を確保することはできるが、寿命末期において電解液中の水分量が急激に減少するという問題があった。
このように電解液中の水分量が減少すると、負極棚や負極格子の耳が電解液から露出し、大気中の酸素に曝露されることによって、その棚と耳との溶接部が腐食し、断線する可能性がある。
【0010】
また、負極棚および負極格子の耳が電解液に浸漬した状態であっても、正極格子中に含まれるSb、および正極棚と、正極柱または正極接続体とからなる正極接続部材中に含まれるSbが電解液中に溶出し、負極格子の耳の表面に微量のSbが析出することにより、負極格子の耳が腐食しやすくなる。
【特許文献1】
特開平3−37962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、充電受入性を改善し、かつ充放電の繰り返しにともなう電解液量の減少を抑制して、負極格子の耳の腐食を抑制することにより、SOCが低い領域で充放電を頻繁に繰り返す使用モードにおいて高い信頼性を有する長寿命の鉛蓄電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、耳を有する負極格子に負極活物質層が保持された複数の負極板、耳を有する正極格子に正極活物質層が保持された複数の正極板、および前記正極板と負極板とを隔離する複数のセパレータからなる極板群と、
前記極板群の各正極板の耳が接続された正極棚、および前記正極棚に設けられた正極柱または正極接続体からなる正極接続部材と、
前記極板群の各負極板の耳が接続された負極棚、および前記負極棚に設けられた負極柱または負極接続体からなる負極接続部材とを具備する鉛蓄電池であって、
前記正極格子、前記負極格子、前記正極接続部材、および前記負極接続部材はCaおよびSnの少なくとも1つを含み、実質上Sbを含まない(ただし、前記正極格子および前記正極接続部材は0.002重量%以下のSbを不純物として含んでもよく、前記負極格子および前記負極接続部材は0.001重量%未満のSbを不純物として含んでもよい)Pb合金からなり、
前記負極活物質層は、負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.003重量部のSbを含み、
前記正極格子は、前記正極活物質層と接する表面の少なくとも一部に、正極活物質100重量部あたり0.01〜0.2重量部のSbを含む鉛合金層を有することを特徴とする。
【0013】
前記鉛合金層のSb含有量は、正極活物質100重量部あたり0.01〜0.15重量部であるのが好ましい。
前記負極活物質層のSb含有量は、負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.002重量部であるのが好ましい。
前記セパレータは、耐酸性を有するガラス繊維または合成繊維からなるのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、充電受入性が改善され、かつ負極格子の耳の腐食が抑制されるため、SOCが比較的低い領域で頻繁に充放電を繰り返す使用モードにおいて高い信頼性を有する長寿命の鉛蓄電池が得られる。充放電サイクルにともなう電解液量の減少が抑制されるため、メンテナンスフリー性に優れた鉛蓄電池が得られる。上記の使用モードにおいては電池が過放電状態となる場合があるが、本発明によると、過放電時においても負極格子の耳の腐食を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、アイドルストップシステムまたは回生ブレーキシステムを搭載した車両用の鉛蓄電池に関し、正極格子、正極接続部材、負極格子、および負極接続部材に、負極格子の耳の腐食を進行させるSbを実質上含まないPb合金を用いる。そして、負極活物質層に負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.003重量部のSbを含ませ、正極格子の正極活物質層と接触する表面の少なくとも一部に、正極活物質100重量部あたり0.01〜0.2重量部のSbを含む鉛合金層を形成する。これにより、SOCが低い領域で頻繁に充放電を繰り返す上記システムの使用モードに対する電池寿命を大幅に延ばすことができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の鉛蓄電池の一部を切り欠いた斜視図である。
鉛蓄電池1の電槽12は隔壁13により複数のセル室14に仕切られており、各セル室14には極板群11が1つずつ収納されている。極板群11は、複数枚の正極板2および負極板3をセパレータ4を介して積層することにより構成されている。正極板2は正極接続部材10に接続され、負極板3は負極接続部材9に接続されている。
【0017】
極板群11における正極板2の正極格子の耳22は正極棚6に接続され、負極板3の負極格子の耳32は負極棚5に接続されている。1つのセル室14内の極板群11の正極棚6に連設された正極接続体8は、隔壁13に設けられた透孔を介して隣接するセル室14内の極板群11の負極棚に連設された負極接続体と接続されている。これにより、極板群11は隣接するセル室14内の極板群11と直列に接続されている。電槽12の一方の端部の正極棚には正極柱が形成され、他方の端部の負極棚5には負極柱7が形成されている。
【0018】
すなわち、正極接続部材10は、正極格子の耳22が接続された正極棚6、および正極棚6に設けられた正極柱または正極接続体8からなり、負極接続部材9は、負極格子の耳32が接続された負極棚5、および負極棚5に設けられた負極柱7または負極接続体からなる。
電槽12の開口部には、正極端子16および負極端子17が設けられた蓋15が装着されている。正極柱および負極柱は、それぞれ正極端子16および負極端子17に接続されている。蓋15に設けられた注液口には、電池内部で発生したガスを電池外に排出するための排気口を有する排気栓18が装着されている。
【0019】
ここで、正極板2の正面図を図2に示す。
正極板2は、耳22を有する正極格子21、および正極格子21に保持された正極活物質層24からなる。正極活物質層24は主に正極活物質(PbO2)からなり、正極活物質層24中には正極活物質以外に、例えば、カーボン等の導電剤や結着剤などが少量含まれていてもよい。正極格子21は、正極活物質層24を保持するエキスパンド網目25、エキスパンド網目25の上端部に設けられた枠骨23、および枠骨23に連接された耳22からなるエキスパンド格子である。
【0020】
正極格子21および正極接続部材10は、CaおよびSnの少なくとも1つを含むPb合金からなる。
Pb合金としては、耐食性および機械的強度の観点から、0.01〜0.10重量%のCaを含むPb−Ca合金、0.05〜3.0重量%のSnを含むPb−Sn合金、またはCaおよびSnを含むPb−Ca−Sn合金を用いることができる。正極格子は、0.03〜0.10重量%のCaおよび0.6〜1.8重量%のSnを含むPb−Ca−Sn合金からなるのが好ましい。さらに好ましくは、Pb−Ca−Sn合金は、Snを0.8〜1.8重量%含む。
【0021】
なお、正極格子や正極接続部材に用いられるCaおよびSnの少なくとも1つを含むPb合金は、実質上Sbを含まない。ただし、鉛合金中に、減液量および自己放電量の増大による電池性能への悪影響がない程度のSbを不純物として0.002重量%以下含んでいてもよい。正極格子および正極接続部材中のSb含有量がこの程度であれば、Sbが負極板へ移動することはない。
【0022】
また、正極格子の耐食性を改善するために、正極格子体の鉛合金が0.01〜0.08重量%のBaや0.001〜0.05重量%のAgを含んでいてもよい。Caを含む鉛合金を用いる場合、溶融鉛合金からのCaの酸化消失を抑制するために0.001〜0.05重量%程度のAlを添加してもよい。また、0.0005〜0.005重量%程度のBiを不純物として含んでいてもよい。
【0023】
正極格子21は、正極活物質層と接する表面の少なくとも一部に、Sbを正極活物質量100重量部あたり0.01〜0.2重量部含む鉛合金層を有する。 深い放電後または過放電後における正極板の充電受入性が改善され、寿命特性が向上する。
正極板に含まれるSbは、正極格子の表面に形成された鉛合金層中に上記の範囲で限定的に存在するため、自己放電量の増大および電解液量の減少が抑制される。したがって、負極格子の耳の腐食が進行を抑制することができる。
【0024】
鉛合金層中のSb含有量が、正極活物質100重量部あたり0.01重量部未満であると、寿命特性が低下する。鉛合金中のSb含有量が正極活物質100重量部あたり0.2重量部を越えると、電解液量の減少速度が増大し、負極格子の耳の腐食が徐々に進行する。
負極格子の耳の腐食を抑制する効果および電解液量の減少を抑制する効果が顕著に得られるため、鉛合金層は、Sbを正極活物質100重量部あたり0.01〜0.15重量部含むのが好ましい。
【0025】
正極活物質層と正極格子との界面における不働態層の生成が抑制されるため、鉛合金層が、さらにSnを2.0〜7.0重量%含むのが好ましい。正極格子がSnを含む場合、鉛合金層中のSn含有量は正極格子中のSn含有量よりも多いのが好ましい。例えば、正極格子がSnを1.6重量%含む場合、鉛合金層は少なくとも1.6重量%を超えるSnを含むのが好ましく、さらに鉛合金層中のSn含有量は3.0〜6.0重量%であるのがより好ましい。正極格子よりも鉛合金層のほうがSn含有量が少ないと、正極格子と正極活物質との界面においてSn含有量の少ない鉛合金層が存在することにより、上記のSnによる効果が小さくなる。
【0026】
正極活物質層と接する表面の少なくとも一部にSbを含む鉛合金層を有する正極格子は、例えば、次のようにして得られる。Pb合金からなる母材シートとともにSbを含む鉛合金箔を一対の圧延ローラー間に供給して、鉛合金箔を母材シート上に圧着させることにより、母材層と鉛合金層からなる複合シートを得る。このとき、母材シートにおける後述するエキスパンド加工により少なくともエキスパンド網目を形成する部分に鉛合金箔を圧着させる。次に、この複合シートをエキスパンド加工することによりエキスパンド格子を得る。複合シートにおける母材層の好ましい厚さは0.7〜1.3mmであり、鉛合金層の好ましい厚さは1〜20μmである。
【0027】
ここで、負極板3の正面図を図3に示す。
負極板3は、耳32を有する負極格子31、および負極格子31に保持された負極活物質層34で構成される。負極活物質層34は主に負極活物質(Pb)からなり、負極活物質層34中には負極活物質以外に、例えば、リグニンや硫酸バリウム等の防縮剤、カーボン等の導電剤、または結着剤が少量含まれていてもよい。負極格子31は、負極活物質層34が保持されたエキスパンド網目35、エキスパンド網目35の上端部に設けられた枠骨33、および枠骨33に連接された耳32からなるエキスパンド格子である。
【0028】
負極格子31および負極接続部材9は、実質上Sbを含まず、CaおよびSnの少なくとも1つを含むPb合金からなる。ただし、Pb合金中に0.001重量%未満の微量のSbを不純物として含んでいてもよい。Sb含有量がこの程度の量であれば、自己放電量および電解液の減液量は増大しない。また、負極格子の耳の腐食は進行しない。
【0029】
負極格子には、正極格子と同様にPb−Ca−Sn合金を用いてもよいが、負極格子は正極板に比べて腐食しにくいため、Snを必ずしも含む必要はない。負極格子の強度を向上させたり、格子作製時の溶融鉛の湯流れ性を改善するために、負極格子にSnを0.2〜0.6重量%含むPb合金を用いてもよい。また、機械的強度の観点から、Caを0.03〜0.10重量%含むPb合金を用いてもよい。
【0030】
負極活物質層34は、Sbを負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.003重量部含む。負極活物質層が負極活物質よりも水素過電圧の低いSbを含むことにより、負極板の充電電位が貴に移行するため、負極板の充電受入性が大幅に改善される。また、負極活物質層中のSbは電解液中に溶出しにくいため、負極格子の耳の腐食を抑制することができる。
【0031】
特に、負極活物質層中のSb含有量が、負極活物質100重量部あたり0.0001重量部以上であると寿命特性が改善される。一方、負極活物質層中のSb含有量が、負極活物質100重量部あたり0.003重量部を超えると、負極格子の耳の腐食が徐々に進行する。
負極格子の耳の腐食を抑制する効果および充放電サイクルにともなう電解液量の減少を抑制する効果が顕著に得られるため、負極活物質層中のSbの含有量は、負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.002重量部であるのが好ましい。
【0032】
負極活物質層へのSbの添加は、例えば、負極ペースト作製時に負極ペースト中にSb、Sbの酸化物もしくは硫酸塩、またはアンチモン酸塩等のSbを含む化合物を添加すればよい。また、これ以外に、負極板をSbイオンを含む電解液、例えば、硫酸アンチモンやアンチモン酸塩を含む希硫酸に浸漬して電解めっきすることにより、負極活物質上にSbを電析させてもよい。
【0033】
正極板2および負極板3は次のような方法で得られる。
未化成の正極板は、例えば、正極格子体に原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)、硫酸、および水等を混合した正極ペーストを充填した後、熟成乾燥することにより得られる。
【0034】
また、未化成の負極板は、例えば、負極格子に原料鉛粉(鉛と鉛酸化物)、硫酸、水、およびリグニンや硫酸バリウムなどの防縮剤を混合した負極ペーストを充填した後、熟成乾燥することにより得られる。リグニンには、例えば、天然リグニン(例えば、日本製紙ケミカル(株)製のバニレックスN)やビスフェノールスルホン酸系縮合物(例えば、日本製紙ケミカル(株)製のビスパーズP215)等の合成リグニンが用いられる。
【0035】
そして、未化成の正極板および負極板を化成することにより、上記の正極板2および負極板3が得られる。化成は、未化成の正極板および負極板を用いて作製した鉛蓄電池の電槽内で行ってもよく、鉛蓄電池作製時の極板群を構成する前に行ってもよい。
上記では、正極格子および負極格子にエキスパンド格子を用いたが、鋳造格子を用いてもよい。
【0036】
セパレータ4には、微多孔性のポリエチレンシートが用いられる。イオン伝導性を向上させるために、ポリエチレンにカーボンを含ませてもよい。
微多孔性のポリエチレンシートは、電解液が透過可能である、孔径が0.01〜1μm程度の細孔を有する。孔径が1μmを超えると、活物質がセパレータを通過し易くなる。
【0037】
また、セパレータ4には、耐酸性を有する繊維マットが用いられる。繊維には、繊維径が0.1〜2μmであるガラス繊維または繊維径が1〜10μmであるポリプロピレン樹脂繊維などの合成繊維が用いられる。優れたサイクル寿命特性が得られる点で、セパレータは耐酸性を有する繊維マットからなるのが好ましい。繊維マットにより、正極活物質の正極板からの脱落が抑制される。
セパレータは、例えば、ポリエチレンシートまたは繊維マットを2つ折り(U字状)にし、その間に負極板を挟み込む。
【0038】
各セルには電解液が含まれ、正極棚、負極棚、および極板群の全体が電解液に浸漬されている。負極板や負極棚は、大気と接触しないため、酸化されにくい。本発明は、負極活物質層が負極活物質よりも水素過電圧の低いSbを含むため、酸素ガスを負極板で吸収する制御弁式鉛蓄電池には適用されない。本発明を制御弁式鉛蓄電池に適用すると、微量のガス発生により、電池内圧が増加し、制御弁が長時間開弁した状態となる。その結果、電池内に大気が流入し、負極板が酸化されて電池が劣化しやすくなる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0039】
実施例1
(1)正極板の作製
図2に示す正極板2を以下のように作製した。
原料鉛粉(鉛と鉛酸化物との混合物)と水と希硫酸とを重量比100:15:5の割合で混練することにより、正極ペーストを得た。
【0040】
(A)Sbを含まない正極格子を用いた場合
鋳造法により得られたPb−0.06重量%Ca−1.6重量%Sn合金からなる母材シートを厚さ1.1mmまで圧延し、この母材シート27に所定のスリットを形成した後、このスリットを展開してエキスパンド網目25(図4の(a))を形成し、エキスパンド格子体を得た(エキスパンド加工)。なお、母材シート27の中央部分は、後述する正極格子の耳22や枠骨23を形成する部分に用いられるため、エキスパンド加工しなかった。
【0041】
エキスパンド網目25に正極ペースト24aを充填し(図4の(b))、正極格子の耳22を有する極板形状に切断加工し(図4の(c))た。これを熟成、乾燥し、未化成の正極板2aを得た。そして、後述する電槽内で化成することにより、正極格子21に正極活物質層24が保持された正極板2を得た。
【0042】
(B)表面にSbを含む鉛合金層を有する正極格子を用いた場合
正極格子作製時の圧延工程において、図5に示すように一対の圧延ローラー45間に、母材シート27とともに鉛合金箔27aを供給し、圧延ローラー45により母材シート27および鉛合金箔27aを同時に圧延した。これにより、母材シート27上に鉛合金箔27aが圧着され、厚さ1.1mmの母材層の片面に厚さ20μmの鉛合金層を有する複合シートが得られた。鉛合金箔27aには、Sbを含む鉛合金を用いた。母材シート27には、Pb−0.06重量%Ca−1.6重量%Sn合金を用いた。
【0043】
母材シート27に鉛合金箔27aを圧着させる部位は、後述するエキスパンド加工におけるエキスパンド網目を形成する部分のみとし、図4に示す母材シート27における正極格子の耳22を形成する中央部分には鉛合金箔を圧着させなかった。
この複合シートにエキスパンド加工を施す以外は、上記と同様の方法により正極板2を得た。この正極板は、図6に示すように断面が菱形のエキスパンド網目25の表面にSbを含む鉛合金層25aを有する。
【0044】
(3)負極板の作製
図3に示す負極板3を以下のように作製した。
原料鉛粉、水、希硫酸、ならびに防縮剤として天然リグニン(日本製紙ケミカル(株)製、バニレックスN)および硫酸バリウムを重量比100:15:3.5:2.5:2.5の割合で加えて混練することにより、負極ペーストを得た。
【0045】
一方、鋳造法により得られたPb−0.07重量%Ca−0.25重量%Sn合金からなる母材シートを厚さ0.7mmまで圧延し、この母材シートを上記と同様の方法によりエキスパンド加工した。エキスパンド網目に負極ペーストを充填し、上記と同様の方法により未化成の負極板を得た。そして、後述する電槽内で化成することにより、負極格子31に負極活物質層34が保持された負極板3を得た。
【0046】
(4)鉛蓄電池の作製
以下の方法により、図1に示す構造の鉛蓄電池1を作製した。図1は、鉛蓄電池の一部を切り欠いた斜視図である。
上記で得られた5枚の負極板3と、4枚の正極板2とをセパレータ4を介して交互に積層することにより極板群11を得た。このとき、セパレータ4には、厚さ1.0mmのガラス繊維マット(平均繊維径0.8μm)を用い、このガラス繊維マットを2つ折りにし、その間に負極板を挟み込むようにして、セパレータ4を配置した。
【0047】
その後、同極性の耳22および32をそれぞれ集合溶接して、正極棚6および負極棚5を形成した。極板群11を、電槽12の隔壁13によって区画された6つのセル室14にそれぞれ1つずつ収納し、正極棚6に連設された正極接続体8を隣接する極板群の負極棚に連設された負極接続体と接続することにより、隣接する極板群を直列に接続した。なお、本実施例では、極板群間の接続は、隔壁13に設けられた透孔(図示せず)を介して行った。
【0048】
両端のセル室14に収納された極板群の一方の正極棚に正極柱を設け、他方の負極棚5に負極柱7を設けた。そして、電槽12の開口部に蓋15を装着するとともに、蓋15に設けられた正極端子16および負極端子17と、正極柱および負極柱7とを溶接した。その後、蓋15に設けられた注液口より、電解液として濃度が34重量%の硫酸を所定量注液し、電槽内で化成を行った。化成後、電池内部で発生したガスを電池外に排出するための排気口を有する排気栓18を注液口に装着し、JIS D5301に規定する34B19形(12V−27Ah)の鉛蓄電池(以下、電池と表す)を作製した。なお、化成後は、極板群11、正極棚6、および負極棚5の全体が電解液に浸漬された状態であった。
【0049】
上記の表面に鉛合金層を有する正極格子を用いた正極板の作製時において、鉛合金層中のSb含有量を正極活物質100重量部あたり0.005重量部、0.01重量部、0.1重量部、0.15重量部、0.2重量部、または0.25重量部と変えた。
上記の負極ペースト作製時において、化成終了時点での負極活物質層中のSb含有量が、負極活物質100重量部あたり、0(検出限界である0.0001重量%未満)、0.0001重量部、0.002重量部、0.003重量部、または0.004重量部となるように、負極ペースト中に硫酸アンチモンを添加した。
【0050】
正極接続部材および負極接続部材には、Pb−2.5重量%Sn合金を用いた。なお、Pb−2.5重量%Sn合金中のSb量について定量分析した結果、Sb含有量は検出限界(0.0001重量%)未満であった。
そして、表1および2に示すように、Sb含有量の異なる鉛合金層を表面に有する正極格子、Sb含有量の異なる負極活物質層を保持する負極板とを種々に組み合わせて、電池A1〜A4、B1〜B5、C1〜C5、D1〜D5、E1〜E5、F1〜F5、G1〜G5を作製した。
【0051】
正極接続部材および負極接続部材にPb−2.5重量%Sb合金を用いた以外は、電池D1〜D5と同様の構成の電池D1’〜D5’を作製した。
正極板作製時において、正極活物質100重量部あたり0.1重量部のSbと、5重量%のSnを含む鉛合金箔を用いた以外は、電池D1〜D5と同様の構成の電池H1〜H5を作製した。
表1および2中の電池C2〜C4、D2〜D4、E2〜E4、F2〜F4、H2〜H4が実施例であり、上記以外の電池は比較例である。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
正極格子に用いた母材シート、正極活物質層、および負極格子中のSb量について定量分析した結果、いずれもSb含有量は検出限界(0.0001重量%)未満であった。
上記で得られた各電池について、以下に示す評価を行った。
【0055】
(5)サイクル寿命特性の評価
サイクル寿命特性を評価するために、JIS D5301に基づく軽負荷寿命試験を以下のように行った。
試験前に電池重量を測定した。40℃雰囲気下、25Aの電流値で20分間放電し、ついで14.8Vの定電圧で10分間充電(最大充電電流25A)する工程を480回繰り返す充放電サイクルを行った。その後、再度電池重量を測定し、充放電サイクル前後における電池重量の減少量を求めた。そして、272Aの電流値で30秒間放電し、30秒目の放電電圧(以下、V30と表す)を求めた後、電池重量が減少した分量の水を電池に補充した。
【0056】
480サイクル毎にV30を求め、V30が7.2Vまで低下した時点を寿命とした。寿命サイクル数は以下の方法で求めた。n回目に計測したV30(充放電サイクル数は480×n)が、初めて7.2V以下となったとき、そのV30をVnとし、前回(n−1回目)のV30をVn−1とする。そして、縦軸をV30とし、横軸を充放電サイクル数としたグラフにおいて、座標(480(n−1)、Vn−1)と座標(480n、Vn)間を直線で結び、この直線とV30=7.2との交点における横軸の値を寿命サイクル数とした。
【0057】
(6)負極格子の耳の腐食率の測定
試験前の負極格子の耳の厚さを測定した。そして、25Aの電流値で60秒間放電した後、15Vの定電圧で60秒間充電する工程を150回繰り返した。そして、14.5Vの定電圧で1時間充電した後、6週間保存した。保存後の電池を解体し、負極格子の耳の厚さを再度測定した。
【0058】
負極格子の耳の腐食率(%)は、充放電を繰り返す前の初期状態の負極格子の耳の厚さをT0、充放電を繰り返した後の負極格子の耳の厚さをT1とし、(T0−T1)/T0×100の式より算出された。
負極格子の耳の厚さは、耳における幅方向の中央部を切断してマイクロスコープで測定することにより得られた耳の最薄部の厚さの寸法とした。
【0059】
(7)電解液の減液量の測定
27Aの電流値で60秒間放電した後、14.5Vの定電圧で90秒間充電(最大電流27A)する工程を500回繰り返した。減液量(%)は、充放電を繰り返す前の電解液量をE0、充放電を繰り返した後の電解液量をE1とし、(E0−E1)/E0×100の式より算出された。なお、電解液量は、各セル室の電解液量を合計した量である。
上記の試験結果を表1および2に示す。
【0060】
正負極接続部材にPb−2.5重量%Sb合金を用いた場合は、いずれの電池でも、負極格子の耳の腐食率が高く、サイクル寿命特性が低下した。これは、正負極接続部材に含まれるSbが電解液中に溶出し、この溶出したSbが負極格子の耳に析出したためであると考えられる。
【0061】
Pb−2.5重量%Sn合金からなる正負極接続部材、Sbを負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.003重量部含む負極活物質層、およびエキスパンド網目の表面にSbを正極活物質100重量部あたり0.01〜0.20重量部含む鉛合金層を有する正極格子を用いた本発明の電池C2〜C4、D2〜D4、E2〜E4、およびF2〜F4では、電解液量の減少が抑制され、負極格子の耳の腐食率が低下するとともに、寿命サイクル数が増大した。
【0062】
さらに、鉛合金層中のSb含有量が正極活物質100重量部あたり0.01〜0.15重量部であり、負極活物質層中のSb含有量が0.0001〜0.002重量部であると、サイクル寿命特性が改善するとともに、負極格子の耳における腐食を抑制する効果および電解液量の減少を抑制する効果が顕著に得られた。
Sbを含む鉛合金層がSnを含むと、正極格子と正極活物質層との界面における不働態層の形成が抑制されるため、サイクル寿命特性がさらに向上した。
【0063】
実施例2
セパレータに孔径が1μm以下の微多孔性のポリエチレンシート(厚さ0.2mm)を用い、このポリエチレンシートを2つ折りにし、その間に負極板を挟み込んだ以外は、実施例1の電池B1〜B5、C1〜C5、D1〜D5、E1〜E5、F1〜F5、およびG1〜G5と同様の構成である電池I1〜I5、J1〜J5、K1〜K5、L1〜L5、M1〜M5、およびN1〜N5をそれぞれ作製した。これらの電池について実施例1と同様の評価を行った結果を表3に示す。なお、電池J2〜J4、K2〜K4、L2〜L4、およびM2〜M4は実施例であり、表3中のこれら以外の電池は比較例である。
【0064】
【表3】
【0065】
Pb−2.5重量%Sn合金からなる正負極接続部材、Sbを負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.003重量部含む負極活物質層、およびエキスパンド網目の表面にSbを正極活物質100重量部あたり0.01〜0.20重量部含む鉛合金層を有する正極格子を用いた本発明の電池J2〜J4、K2〜K4、L2〜L4、およびM2〜M4では、電解液量の減少が抑制され、負極格子の耳の腐食率が低下するとともに、寿命サイクル数が増大した。
【0066】
さらに、鉛合金層中のSb含有量が正極活物質100重量部あたり0.01〜0.15重量部であり、負極活物質層中のSb含有量が0.0001〜0.002重量部であると、サイクル寿命特性が改善するとともに、負極格子の耳における腐食を抑制する効果および電解液量の減少を抑制する効果が顕著に得られた。
表1〜3より、優れたサイクル寿命特性が得られるため、セパレータにガラス繊維マットを用いるのが好ましいことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の鉛蓄電池は、SOCが低い領域で充放電を繰り返す使用モードにおいて、優れた寿命特性を有するため、アイドルストップシステムや回生ブレーキシステムを搭載した車両等に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例における鉛蓄電池の一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】同鉛蓄電池における正極板の正面図である。
【図3】同鉛蓄電池における負極板の正面図である。
【図4】母材シートをエキスパンド加工する工程を示す図である。
【図5】格子体を作るための複合シートを得る工程を示す図である。
【図6】表面に鉛合金層を有する正極格子体を用いた正極板の一部を示す縦断面図である。
Claims (5)
- 耳を有する負極格子に負極活物質層が保持された複数の負極板、耳を有する正極格子に正極活物質層が保持された複数の正極板、および前記正極板と負極板とを隔離する複数のセパレータからなる極板群と、
前記極板群の各正極板の耳が接続された正極棚、および前記正極棚に設けられた正極柱または正極接続体からなる正極接続部材と、
前記極板群の各負極板の耳が接続された負極棚、および前記負極棚に設けられた負極柱または負極接続体からなる負極接続部材とを具備する鉛蓄電池であって、
前記正極格子、前記負極格子、前記正極接続部材、および前記負極接続部材はCaおよびSnの少なくとも1つを含み、実質上Sbを含まない(ただし、前記正極格子および前記正極接続部材は0.002重量%以下のSbを不純物として含んでもよく、前記負極格子および前記負極接続部材は0.001重量%未満のSbを不純物として含んでもよい)Pb合金からなり、
前記負極活物質層は負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.003重量部のSbを含み、
前記正極格子は、前記正極活物質層と接する表面の少なくとも一部に、正極活物質100重量部あたり0.01〜0.2重量部のSbを含む鉛合金層を有することを特徴とする鉛蓄電池。 - 前記鉛合金層のSb含有量は、正極活物質100重量部あたり0.01〜0.15重量部である請求項1記載の鉛蓄電池。
- 前記負極活物質層のSb含有量は、負極活物質100重量部あたり0.0001〜0.002重量部である請求項1記載の鉛蓄電池。
- 前記セパレータは、耐酸性を有する繊維からなる請求項1記載の鉛蓄電池。
- 前記繊維は、ガラス繊維または合成繊維である請求項4記載の鉛蓄電池。
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