JP5012061B2 - 永久磁石モータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石モータの制御装置,制御方法及びモジュールに関する。
永久磁石モータの高効率な制御運転の方法は、特開2000−209886号公報にモータのローター位置検出信号と、電源側の電流を検出して、所定時間毎に、前回と今回との間で、電流値および通電位相設定値の比較が行われ、比較結果に基づいて改たな通電位相が設定され、積極的に最適な通電位相を探索し、最高効率運転を実現する方法が記載されている。
特開2000−209886号公報
永久磁石モータに、位置センサを取り付け、位置や周波数の検出値を用いて、特開2000−209886号公報記載のように、d軸の電流Idとq軸の電流Iqを必要トルクに見合う最適な電流位相で制御すれば、高効率な制御運転を実現することはできる。
しかしながら、モータの位置センサを省略した「位置センサレス制御」に適用すると、抵抗の設定誤差(R−R* )が存在する場合、最適な電流位相を保てなくなり、高効率な運転は実現できなくなる。
位置センサレス制御では、制御基準の回転位相指令値θc* と永久磁石モータの回転位相値θとの偏差である軸誤差Δθ(θc* −θ)を、モータ定数とd軸およびq軸の電流検出値を用いて推定する。この演算値Δθcを用いて、周波数演算値ω1 を演算し、さらには回転位相指令値θc* を作成する。
しかし、d軸の電流指令値Id* や軸誤差の指令値Δθc* を「零」以外で発生させると、抵抗の設定誤差(R−R* )が存在する場合、Δθcに推定誤差が発生し、最適な電流位相が保てなくなる。
モータ電流は、真の電流最小点から外れた値で落ち着いてしまう課題があった。
本発明の目的は、抵抗の設定誤差(R−R* )やその他の制御定数に設定誤差が存在する場合でも、自動的に高効率運転を実現できる永久磁石モータの制御装置を提供することにある。
ベクトル制御演算や軸誤差推定演算に用いるインダクタンス値を変化させて、モータ電流の検出値が最小点となるインダクタンス値を探索するインダクタンス探索し、探索して得られたインダクタンス値を、ベクトル制御演算や軸誤差推定演算に設定することである。
抵抗の設定誤差(R−R* )やその他の制御定数に設定誤差が存在する場合でも、自動的に高効率運転を実現できる永久磁石モータの制御装置を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
〔第1の実施例〕
図1は、本発明の一実施例である「永久磁石モータの高効率速度制御装置」の構成例を示す。
永久磁石モータ1は、永久磁石の磁束によるトルク成分と電機子巻線のインダクタンスによるトルク成分を合成したモータトルクを出力する。
電力変換器2は、3相交流の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw* に比例した電圧を出力し、永久磁石モータ1の出力電圧と回転数を可変する。
電流検出器3は、永久磁石モータ1の3相の交流電流Iu,Iv,Iwを検出する。
座標変換部4は、前記3相の交流電流Iu,Iv,Iwの検出値Iuc,Ivc,Iwcと電力変換器2の回転位相指令値θc* からd軸およびq軸の電流検出値Idc,Iqcを出力する。
軸誤差推定演算部5は、電圧指令値Vdc*,Vqc*、インダクタンス値L* ,周波数演算値ω1 ,電流検出値Idc,Iqcおよびモータ定数に基づいて、電力変換器2の回転位相指令値θc* とモータ位相値θとの偏差である軸誤差の推定演算を行い、演算値
Δθcを出力する。
周波数演算部6は、「零」である軸誤差の指令値Δθc* と軸誤差の演算値Δθcとの偏差から周波数演算値ω1 を出力する。
位相演算部7は、周波数演算値ω1 を積分して、座標変換部4,12に回転位相指令値θc* を出力する。
速度制御演算部8は、速度指令値ωr *と周波数演算値ω1 との偏差から、q軸の電流指令値Iq* を出力する。
q軸の電流制御演算部9は、第1のq軸の電流指令値Iq* と電流検出値Iqcとの偏差から第2のq軸電流指令値Iq**を出力する。
d軸の電流制御演算部10は、「零」である第1のd軸の電流指令値Id* と電流検出値Idcとの偏差から第2のd軸電流指令値Id**を出力する。
ベクトル制御演算部11は、永久磁石モータ1の電気定数と第2の電流指令値Id**,Iq**および周波数演算値ω1 、インダクタンス値L* に基づいて、d軸およびq軸の電圧指令値Vdc*,Vqc*を出力する。
座標変換部12は、電圧指令値Vdc*,Vdc*と回転位相指令値θc* から3相交流の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を出力する。
インダクタンス探索/設定部13は、q軸の電流検出値Iqcを入力し、軸誤差推定演算部5とベクトル制御演算部11の演算に用いるインダクタンス値L* を出力する。
直流電源21は、電力変換器2に直流電圧を供給する。
最初に、本発明を用いた位置センサレス制御方式の基本動作について説明する。
位置センサレス制御では、特願2006−178895号記載のように、抵抗の設定誤差比(R/R* )が、「1」の場合は、「最少のモータ電流で同一トルクを出力することができる」が、(R/R* )が「1」から外れるについて、「電流値が大きくなってしまう課題」がある。
これは、d軸の電流指令値Id* を「零」以外の所定値に設定すると、演算により求めた軸誤差の演算値Δθcに推定誤差が発生し、「最適な電流位相」を保てなくなるためである。
そこで、本発明では、永久磁石モータ1の抵抗値Rに対し、ロバスト化するため、
(1)「d軸の電流指令値Id*」や「軸誤差の指令値Δθc*」を「零」の設定にする。
(2)制御系(軸誤差推定演算部5やベクトル制御演算部11a)に設定するインダクタンス値L* を意図的に変化させて、軸誤差Δθを発生させる。
(3)L* を変化させている期間において、q軸の電流検出値Iqc(モータ電流I1 相当)を検出し、Iqcが最少となる(軸誤差Δθが、最大トルクを発生する最適な電流位相に一致する)点における前記インダクタンス値を探索する。
(4)探索したインダクタンス値を、改めて制御系に設定する。
この一連の動作により、高効率運転を実現することができる。
ここからは、本発明に係わる高効率制御の動作原理について説明する。
モータトルクτmを(数1)に示す。
Figure 0005012061
ここに、Pm:モータの極対数、 Ke:発電係数
Ld:d軸のインダクタンス値、Lq:q軸のインダクタンス値
Id:d軸の電流、 Iq:q軸の電流
図1の構成において、d軸の電流指令値Id* と軸誤差の指令値Δθc* を「零」に設定したままで、高効率な制御運転を実現できる軸誤差をΔθoptと定義する。
軸誤差Δθopt が発生した場合、制御軸(dc−qc)軸上の電流Idc,Iqcからモータ軸(d−q)軸上の電流Id,Iqへの座標変換行列は、(数2)となる。
Figure 0005012061
また、永久磁石モータ1が最大トルクを発生する電流位相θi(q軸の電流Iqとモータ電流I1 との位相角)を、(数3)のように定義する。
Figure 0005012061
つまり、「X」はトルク最大を実現する「q軸の電流Iqに対するd軸の電流Idの比率」、つまり、「Id/Iq」の値となる。
ここで、Δθoptが電流位相θiに一致した(Δθopt=θi)と仮定すると、(数2)を(数3)に代入し、d軸電流指令値Id*を「零」に設定している関係(Id*=Idc=0)から、
Figure 0005012061
(数4)からは、軸誤差が発生すると、Idcが「零」の状態でも、d軸の電流Idが流れることがわかる。
(数4)を、モータのトルク式である(数1)に代入すると、
Figure 0005012061
ここで、最大トルク発生時における電流比「X」について求めるには、(数6)を解けばよい。
Figure 0005012061
電流「X」について解くと、(数7)を得る。
Figure 0005012061
(数2)の電流位相θiをΔθopt として、(数7)を代入すると、(数8)を得ることができる。
Figure 0005012061
ここで、(数8)に示すような関係で軸誤差Δθopt が発生すれば、「同一トルクにおけるモータ電流の最小化」が行え、高効率な制御運転を実現することができる。
ところで、特開2001−251889号公報に記載されている軸誤差演算の基本となる(数9)は、Δθcの演算に、q軸のインダクタンス値Lqが使用されている。
Figure 0005012061
(数9)に示す軸誤差の演算値Δθcは、q軸のインダクタンスLq* のみに依存した推定誤差を発生する(つまりLq*の誤差により軸誤差Δθが発生する)。
そこで、軸誤差推定演算部5とベクトル制御演算部11に設定するq軸のインダクタンス設定値Lq* の代わりに、意図的に変化させるインダクタンス値L* を新たに導入する。
このL* を意図的に変化させることにより、軸誤差Δθが発生し、軸誤差Δθが電流位相θiに一致した時点で、モータ電流I1 は最小値となる。つまり、そのとき設定したインダクタンス値L* が、高効率な運転を実現できるインダクタンス値となる。
次に、インダクタンス値L*と軸誤差Δθの関係を説明する。
図1のベクトル制御演算部11では、第2のd軸およびq軸の電流指令値Id**
Iq**と周波数演算値ω1およびモータ定数の設定値と、q軸のインダクタンス値Lq*を用いて、(数10)に示すd軸およびq軸の電圧指令値Vdc*,Vqc*を演算する。
Figure 0005012061
ここで、軸誤差Δθが存在する場合、制御側で演算したモータの印加電圧Vd,Vqは(数11)となる。
Figure 0005012061
一方、d軸およびq軸のモータ印加電圧Vd,Vqは、軸誤差Δθ,電流検出値Idc,Iqcとモータ定数を用いて表すと(数12)となる。
Figure 0005012061
ここで、(数11)=(数12)の関係から、d軸の電流指令値Id* を「零」に設定(Id* =Idc=0)し、q軸の電流指令値Iq* を所定値(Iq* =Iqc)と考えると、d軸およびq軸の電流制御演算部9,10の出力値であるId**,Iq**は、(数13)となる。
Figure 0005012061
また、軸誤差推定演算部5においては、d軸およびq軸の電流検出値Idc,Iqcと周波数演算値ω1およびモータ定数とインダクタンス値L*を用いて、軸誤差演算値Δθcを、(数14)に従い演算する。
Figure 0005012061
ここで、(数14)に、(数10),(数13)を代入すると、
Figure 0005012061
周波数演算部6では、軸誤差推定演算部5の出力値である軸誤差演算値Δθcが、「零」である軸誤差の指令値Δθc* に一致するように、周波数ω1 を演算するので、一定速度では、(数15)の分子項は「零」となる。
Figure 0005012061
軸誤差Δθを含む(数16)には、モータの抵抗値Rの項が含まれておらず、周波数
ω1 の演算は、モータの抵抗成分の影響を受けない(ロバストである)ことがわかる。
さらに、軸誤差Δθについて整理すると、(数17)を得る。
Figure 0005012061
(数17)から、Δθは、設定値の中で「インダクタンス値L*のみに感度を持つ」ことがわかる。
つまり、L* を可変することにより、軸誤差Δθを意図的に発生させることができる。
図1中の、インダクタンス探索/設定部13では、L* を意図的に変化させて、その期間に発生するq軸の電流検出値Iqcの大きさが最小となるL* を選択し、改たに、ベクトル制御演算や軸誤差推定演算に用いることにする。
インダクタンス探索/設定部13の構成には、L* の「探索部」と「設定部」を設けており、所定の時間毎に、インダクタンスL*の「探索動作」と「設定動作」を行う。
「探索部」では、インダクタンスL* を、ステップ(階段状)的あるいはある傾きを持って、所定の時間で変化させて、このとき発生するモータのq軸の電流検出値Iqcを検出する。
次に、L* を変化させている期間において、検出値Iqcが最小となるIqcmin におけるインダクタンス値L* optを選択する。
探索動作の終了後は、L* optの設定動作に移る。
「設定部」では、信号L* optをL* に代入し、軸誤差推定演算部5とベクトル制御演算部11に出力する。このL* を用いて制御演算を行えば、同一トルクでの電流最小化が行え、自動的な高効率運転を実現することができる。
この「探索動作」と「設定動作」を繰り返すことにより、どのような運転条件においても、高効率運転を実現することができる。
ここで、本発明の特徴的であるインダクタンス探索/設定部13のフローチャートを、図2を用いて説明する。
1)「探索モード」実行の判定
負荷トルクの変化があまり無く、大きさが略一定の場合や、予め負荷トルクの変化する周期がわかっていれば、制御演算内部のタイマーを用いて、例えば、数ms〜数分の「所定の時間毎」に、「探索モード」を実行する。
2)「探索モード」の実行
「探索モード」では、インダクタンス値L* を、所定のステップ幅、あるいは所定の傾斜を持つように、所定の時間内で変化させる。また、L* を変化させる期間において、発生しているq軸の電流検出値Iqc(あるいはq軸の電流指令値Iq* )も記憶する(数点から数十点あればよい)。
* を変化させる工程が終了すると、次に、探索期間において検出した電流検出値Iqcの最小点Iqcminを探索し、そのとき設定したインダクタンスL*を最適なインダクタンスL* optとして選択する。
3)「設定モード」の実行
「探索モード」で選択したインダクタンスL* optをL* に代入し、改たに、ベクトル制御演算部11,軸誤差推定演算部5に設定して運転を続ける。
図3に、本発明の特徴である「インダクタンス探索/設定部13」の効果の一例を示す。
図1の制御装置において、100%の負荷トルクが一定かかっている状態において、図2のフローチャートに示す「探索モード」と「設定モード」における各部の動作波形とモータ電流I1 の大きさを観測した。
図3(1)「探索モード」の動作において、a点において、「所定の時間毎」のタイマー動作により、探索モードが実行される。本実施例では、q軸インダクタンスLqがd軸インダクタンスLdより大きいモータに対して、一例として、L* を、q軸インダクタンス値Lqからd軸インダクタンス値Ld付近まで、階段状に変化させている。L* が変化するにつれて、モータ電流I1 が変化して行く様子がわかる。
次に、L* を変化させる工程が終了すると、探索モードの期間において検出した電流検出値の最小点(ここでは、b点)を探索する。
ここでは、d軸の電流指令値Id* は「零」に設定しているので、q軸の電流検出値
Iqcがモータ電流I1 相当になる(I1 =Iqc)。
また、探索モードの期間における、電流最少点b点で設定したc点でのL* を、最適なインダクタンス値L* optとして選択する。
図3(2)の「設定モード」では、このインダクタンス値L* optを新しいインダクタンス値L*として設定し、引き続き運転を行う。この時、モータ電流I1が電流最小点(80%電流)で運転できていることがわかる。
本実施例では、L* を、所定の変化幅で階段状に変化させたが、所定の傾斜を持つように変更しても、同様の効果は得られる。
また、L* は、d軸インダクタンス値Ldからq軸インダクタンス値Lqまで変化させもよい。
この後、負荷トルクが変化しても、所定の時間毎に、「探索モード」と「設定モード」の一連の動作を繰り返すことにより、負荷条件に応じて、自動的に高効率運転を実現することができる。
また、負荷トルクの変化がない用途であれば、インダクタンス探索/設定部の動作を1回起動し、その後は、探索した値L*をそのまま使い続けても良い。
〔第2の実施例〕
図4は、本発明の、「インダクタンス探索/設定部」における「探索モード」を、「負荷トルクの変化を検出した場合」に実行する。
実運転中に負荷トルクの変化がある用途に対して有効である。
図において、構成要素の1〜12,21は、図1のものと同一物である。
インダクタンス探索/設定部13aは、負荷トルクの変化を検出した場合に実行され、q軸の電流検出値Iqcを入力し、軸誤差推定演算部5とベクトル制御演算部11の演算に用いるインダクタンス値L* を出力する。
ここで、本発明の特徴的であるインダクタンス探索/設定部13aのフローチャートを、図5を用いて説明する。
1)「探索モード」実行の判定
「モータトルクの変化」の検出は、モータトルクに比例するq軸の電流検出値Iqc
(あるいは電流指令値Iq* )が、「所定の変化率で変化」した場合に、「探索モード」を実行する。
その後は、第1の実施例と同様に2)「探索モード」の実行と3)「設定モード」の処理を実行する。
図6に、上記1)の「探索モード」実行の判定に関係するブロックを示す。
構成は、q軸の電流検出値Iqcが絶対値演算部13a1に入力される。13a1の出力信号は微分演算部13a2に入力され、電流の変化率K13a3と比較される。
13a2の出力信号が電流の変化率K13a3より大きい場合は、フラグ設定部13a4において、フラグ「TL_detect_flg 」を「1」に設定し、13a2の出力信号が電流の変化率K13a3より小さい場合は、フラグ「TL_detect_flg」を「0」に設定する。
この「TL_detect_flg」が「1」の場合のみ、2)の「探索モード」の実行に進む。
ここで、電流の変化率K13a3は、任意に設定できるものであり、実機の負荷トルクの変化率に合わせて設定すればよい。
図7には、本発明の特徴である「インダクタンス探索/設定部13a」の効果を示す。
図1の制御装置において、モータ1にインパクト状の100%負荷トルクを与え、「探索モード」と「設定モード」における各部の動作波形とモータ電流I1 の大きさを観測した。
図7(1)「探索モード」の動作において、a′点において、インパクト的な100%の負荷トルクを与えている。
ここで、トルクの変化を検出(フラグ「TL_detect_flg 」が「1」)して、インダクタンス値L* を変化させる工程に入る。
本実施例では、q軸インダクタンスLqがd軸インダクタンスLdより大きいモータに対して、一例として、L* を、q軸インダクタンス値Lqからd軸インダクタンス値Ld付近まで、階段状に変化させている。L* が変化するにつれて、モータ電流I1 が変化して行く様子がわかる。
次に、L* を変化させる工程が終了すると、探索モードの期間において検出した電流検出値の最小点(ここでは、b′点)を探索する。
ここでは、d軸の電流指令値Id* は「ゼロ」に設定しているので、q軸の電流検出値Iqcがモータ電流I1 相当になる(I1 =Iqc)。
また、探索モードの期間における、電流最少点b′点で設定したc′点でのL* を、最適なインダクタンス値L* optとして選択する。
図7(2)の「設定モード」では、このインダクタンス値L* optを新しいインダクタンス値L*として設定し、引き続き運転を行う。この時、モータ電流I1が電流最小点(80%電流)で運転できていることがわかる。
この後、負荷トルクが変化しても、先程と同様に「同定モード」と「設定モード」の一連の動作を繰り返すことにより、負荷条件に応じて、自動的な高効率運転を実現することができる。
第1の実施例では、「所定の時間毎」に「探索モード」を実行したが、その場合、周期的な騒音の発生が懸念された。
そこで、本実施例のように、トルク変化が発生した時のみ「探索モード」を実行すれば、周期的な騒音も少なくなる効果がある。
〔第3の実施例〕
図8は、本発明の他の実施例を示す。
第1の実施例では、実運転中において、インダクタンスの探索/設定動作を行ったが、本実施例では、インダクタンス探索/設定部が「設定モード」を実行する度に、「q軸の電流検出値の最少点Iqcmin 」と「インダクタンスL* 」との関係のテーブルを作成して、次回の「探索モード」からは、作成したテーブルからインダクタンスL* の初期値を設定する。
図において、構成要素の1〜12,21は、図1のものと同一物である。
インダクタンス探索/設定部13bは、q軸の電流検出値Iqcを入力し、インダクタンス値L* と「q軸の電流検出値の最少値Iqcmin 」と「最適なインダクタンス値
* opt」を出力する。
インダクタンステーブル14は、インダクタンス探索/設定部13bが「探索モード」を実行する度に、「q軸の電流検出値の最少点Iqcmin 」と「インダクタンスL* 」との関係のテーブルを作成するもである。
「探索モード」実行の判定は、第1の実施例の方法(図2)あるいは第2の実施例2の方法(図5と図6)のどちらでもよい。
図9に、インダクタンステーブル14の構成を示す。
インダクタンステーブル14には、インダクタンス探索/設定部13bが、「探索モード」を実行した時に得られた「q軸の電流検出値の最少値Iqcmin 」と「最適なインダクタンスL* opt」が入力さて、q軸の電流検出値Iqcが入力されると、インダクタンス値L0 *を出力するテーブルが実運転中に作成され保存される。
次回の「探索モード」の実行からは、インダクタンステーブル14において、L0 *を読み出し、インダクタンス探索/設定部13bに入力して、L* を可変する際の初期値に設定する。本実施例のようにすれば、L* を変化させる期間が短くなり、自動的な高効率運転を敏速に実現することができる。
〔第4の実施例〕
図10は、本発明の他の実施例を示す。
第1の実施例では、実運転中において、インダクタンスの探索/設定動作を行ったが、本実施例では、インダクタンス探索/設定部が「設定モード」を実行する度に、「q軸の電流検出値の最少値Iqcmin 」と「インダクタンスL* 」との関係のテーブルを作成して、次回の起動からは、作成したテーブルからインダクタンスL**を参照する。
図において、構成要素の1〜12,21は、図1のものと同一物である。
インダクタンス探索/設定部13cは、q軸の電流検出値Iqcを入力し、インダクタンス値L*と「q軸の電流検出値の最少値Iqcmin」と「最適なインダクタンス値L* opt」を出力する。
「探索モード」実行の判定は、第1の実施例の方法(図2)あるいは第2の実施例2の方法(図5と図6)のどちらでもよい。
インダクタンステーブル14aは、インダクタンス探索/設定部13cが「設定モード」を実行する度に、「q軸の電流検出値の最少値Iqcmin 」と「インダクタンスL**」との関係のテーブルを作成するものである。
インダクタンス設定切替部15は、インダクタンス探索/設定部13cの出力値L* とインダクタンステーブル14aの出力値L**とを切替えて出力する。
図11に、インダクタンステーブル14aの構成を示す。
インダクタンステーブル14aには、インダクタンス探索/設定部13cが、「探索モード」を実行した時に得られた「q軸の電流検出値の最少点Iqcmin 」と「最適なインダクタンスL* opt」とが入力されて、q軸の電流検出値Iqcが入力されると、インダクタンス値L**を出力するテーブルが実運転中に作成され保存される。
第1回目の起動時には、インダクタンス設定切替部15において、SW=0が選択され、インダクタンス探索/設定部13cの出力L* が出力されるが、意図的に「探索モード」実行の判定条件を緩めて(「短時間毎に実行」あるいは、電流の変化率Kの値を小さく設定し、「少しのトルク変化でも実行」)、この動作を頻繁に行うようにする。
インダクタンステーブル14aが作成できれば、次回の起動からは、SW=1を選択して、インダクタンステーブル14aのL**を出力するようにしてもよい。
本実施例のようにすれば、「探索モード」を省略して、周期的な騒音もなくなり、自動的な高効率運転を敏速に実現することができる。
また、運転領域となるq軸の電流検出値Iqc全領域におけるL* が把握できた時点で、インダクタンス設定切替部15のスイッチをSW=1に設定し、インダクタンステーブル14aの出力であるL**を使うようにすれば、次回の起動を待たずに、より敏速に、自動的な高効運転を実現することができる。
〔第5の実施例〕
図12を用いて本発明をモジュールに適用した例について説明する。
本実施例は、第1実施例の実施形態を示すものである。
ここで、座標変換部4,軸誤差推定演算部5,周波数演算部6,位相演算部7,速度制御演算部8,q軸電流制御演算部9,d軸電流制御演算部10,ベクトル制御演算部11,座標変換部12,インダクタンス探索/設定部13は、1チップマイコンを用いて構成している。
また、前記1チップマイコンと電力変換器2は、同一基板上で構成される1モジュール内に納められている形態となっている。
ここでいうモジュールとは「規格化された構成単位」という意味であり分離可能なハードウェア/ソフトウェアの部品から構成されているものである。
尚、製造上、同一基板上で構成されていることが好ましいが、同一基板に限定はされない。
これより、同一筐体に内蔵された複数の回路基板上に構成されても良い。
他の実施例においても同様の形態構成をとることができる。
第1から第5の実施例では、第1の電流指令値(Id*,Iq*)と電流検出値(Idc,Iqc)から、第2の電流指令値(Id**,Iq**)を作成して、この電流指令値を用いてベクトル制御演算を行ったが、
1)第1の電流指令値(Id*,Iq*)に電流検出値(Idc,Iqc)から、電圧補正値(ΔVd,ΔVq)を作成して、この電圧補正値(ΔVd,ΔVq)と、第1の電流指令値(Id*,Iq*),周波数演算値ω1 ,永久磁石モータ1の電気定数およびインダクタンス値L* を用いて、(数18)に従い電圧指令値(Vdc*,Vqc*)を演算するベクトル制御演算方式や、
2)第1のd軸の電流指令値Id*(=0) およびq軸の電流検出値Iqcの一次遅れ信号Iqctdおよび速度指令値ωr *,永久磁石モータ1の電気定数およびインダクタンス値L* を用いて、(数19)に従い電圧指令値Vdc*,Vqc*を演算するベクトル制御演算方式にも適用することはできる。
Figure 0005012061
Figure 0005012061
また、第1から第5の実施例では、高価な電流検出器3で検出した3相の交流電流Iu〜Iwを検出する方式であったが、電力変換器2の過電流検出用に取り付けているワンシャント抵抗に流れる直流電流から、3相のモータ電流Iu^,Iv^,Iw^を再現し、この再現電流値を用いる「低コストなシステム」にも対応することができる。
以上のように本発明によれば、ベクトル制御演算や軸誤差推定演算に用いるq軸相当のインダクタンス値を変化させて、同一トルクにおいて、モータ電流が最小点となるインダクタンスを探索し、探索して得られた前記インダクタンス値を、新たに、ベクトル制御演算や軸誤差推定演算に用いることにより、抵抗の設定誤差(R−R* )に誤差が存在する場合やその他の制御定数に設定誤差が存在する場合でも、自動的に高効率運転が可能な
「永久磁石モータの高効率速度制御装置」を提供できる。
本発明の一実施例を示す永久磁石モータの高効率速度制御装置の構成図。 インダクタンス探索/設定部13のフローチャート。 探索/設定モードの動作波形。 他の実施例を示す永久磁石モータの高効率速度制御装置の構成図。 インダクタンス探索/設定部13aのフローチャート。 探索モード実行の判定に関係するブロック図。 探索/設定モードの動作波形。 他の実施例を示す永久磁石モータの高効率速度制御装置の構成図。 インダクタンステーブル14の説明図。 他の実施例を示す永久磁石モータの高効率速度制御装置の構成図。 インダクタンステーブル14aの説明図。 本発明の実施形態を示す構成図の一例。
符号の説明
1 永久磁石モータ
2 電力変換器
3 電流検出器
4,12 座標変換部
5 軸誤差推定演算部
6 周波数演算部
7 位相演算部
8 速度制御演算部
9 q軸電流制御演算部
10 d軸電流制御演算部
11 ベクトル制御演算部
13,13a,13b,13c インダクタンス探索/設定部
14,14a インダクタンステーブル
15 インダクタンス設定切替部
21 直流電源
* ,L** インダクタンス値
Id* 第1のd軸電流指令値
Id** 第2のd軸電流指令値
Iq* 第1のq軸電流指令値
Iq** 第2のq軸電流指令値
Idc d軸の電流検出値
Iqc q軸の電流検出値
Δθc 軸誤差推定値
Δθ 軸誤差
ω1 周波数演算値

Claims (5)

  1. 永久磁石モータを駆動する電力変換器の出力周波数と出力電圧を制御するベクトル制御演算部と、電力変換器の回転位相指令値と永久磁石モータの回転位相値との偏差である軸誤差を推定する軸誤差推定演算部と、軸誤差を零とするように周波数指令値を制御する周波数演算部を有する永久磁石モータの制御装置において、
    ベクトル制御演算や軸誤差推定演算に用いるインダクタンス値を変化させて、モータ電流の検出値が最小点となるインダクタンス値を探索するインダクタンス探索部を備え、
    探索して得られた前記インダクタンス値を、ベクトル制御演算や軸誤差推定演算に設定し、
    探索動作中にq軸の電流検出値あるいは指令値の全運転領域におけるインダクタンス値のテーブルを作成し、その後はインダクタンスの探索動作は行わず、作成したテーブルによりインダクタンス値を設定することを特徴とする永久磁石モータの制御装置。
  2. 請求項1において
    前記インダクタンス探索部ではインダクタンス値を、所定のステップ幅、あるいは所定の傾斜を持つように、所定の時間内で変化させることを特徴とする永久磁石モータの制御装置。
  3. 請求項1において、前記インダクタンス値の探索,設定動作は、所定の時間毎に実行することを特徴とする永久磁石モータの制御装置。
  4. 請求項1において、前記インダクタンス値の探索,設定動作は、負荷トルクあるいはモータ電流値が変化した場合に実行することを特徴とする永久磁石モータの制御装置。
  5. 請求項4において、
    負荷トルクあるいはモータ電流値が変化した場合の検出は、
    q軸の電流検出値あるいはq軸の電流指令値の変化率を検出し、その変化率と所定の変化率値とを比較することにより、負荷トルク変化あるいはモータ電流値を検出することを特徴とする永久磁石モータの制御装置。
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