JP5007605B2 - 車両用シートのロック解除操作機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートのロック解除操作機構に関する。詳しくは、シートバックを前倒ししてシート本体を折畳みの姿勢状態として、更にこのシート本体とフロア面との係合ロック状態を解除することのできる車両用シートのロック解除操作機構に関する。
従来、車両用シートにおいて、背凭れとなるシートバックを前や後ろに倒し込んでフラットな状態にして、シート本体をフロア面から起こし上げて格納できるようにした構造が知られている。ここで、下記特許文献1には、シート本体をフロア面から横向きに起こし上げて車体壁部の位置に格納できるようにした技術が開示されている。
この開示では、シート本体とフロア面との間に、シート本体のフロア面に対する前後方向の着座位置を調整移動可能にするスライドレール機構が配設されている。そして、このスライドレール機構を介して、シート本体がフロア面に対して起倒回動可能にヒンジ連結されており、常時はシート本体がフロア面上に倒伏した姿勢状態に係合ロックされて保持されている。そして、シート本体は、その格納操作用に設けられたレバーの操作を行うことにより、シートバックが前倒しされると共に、フロア面(スライドレール機構の構成部品)との係合ロック状態が解除されて、車体壁部に向けて起こし上げられるようになっている。
ここで、上記のようにスライドレール機構を介してシート本体がフロア面に対して起倒回動可能に支持された構成においては、シート本体の前後方向の着座位置が特定の位置にあるときでないと、上記したレバー操作による係合ロックの解除操作が行えないようになっている構成が知られている。具体的には、シート本体の前後方向の着座位置が特定の位置から外れている場合には、レバーの操作が空振りして行われるようになっている。したがって、この構成を採ることにより、シート本体を常に一定の位置でフロア面から起こし上げて格納状態とすることが可能となる。
特開2002−370565号公報
しかし、上記した公知の従来技術では、レバーを空振り操作させることでシート本体とフロア面との係合ロックの解除操作を禁止する構成であるため、使用者に対してレバーが故障したかのような操作感を与えることがある。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シート本体の前後方向の着座位置が解除操作可能な特定の位置から外れているときに、使用者に対してレバー操作による解除操作が行えない状態であることを操作感により感じ取らせ易くすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートのロック解除操作機構は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、着座部となるシート本体とフロア面との係合ロック状態を解除することのできる車両用シートのロック解除操作機構である。シート本体とフロア面との間には、シート本体をフロア面に対して水平方向にスライド移動可能に支持して、シート本体の着座位置の調整を行えるようにするスライドレール機構が配設されている。スライドレール機構とシート本体との間には、両者を互いに係合ロックさせたり外したりすることのできる係脱機構が配設されている。係脱機構は、その係合ロックの解除を行うためのレバー操作を行うことにより、このレバー操作に連動して回動する回動部材に押動されて解除方向に作動操作されるようになっている。回動部材は、操作部と押動部とを有する。操作部は、レバー操作の操作力を受けて回動する。押動部は、操作部に対して首振り運動可能に連結されており、常時は操作部との間に設けられた弾性部材の弾性力によりその首振り運動が規制された状態として、操作部と一体的となって係脱機構を解除操作方向に押動する。この回動部材は、シート本体がスライドレール機構によって特定の着座位置状態とされている場合には、レバー操作に連動して操作部と押動部とが一体的となって係脱機構の係合ロック状態を解除可能な操作位置まで回動するようになっている。しかし、回動部材は、シート本体が特定の着座位置から外れた状態とされている場合には、スライドレール機構の作動部品に関連して設けられた規制部材の作用によって押動部の解除操作位置までの回動が規制されるようになっている。この押動部の回動規制状態では、レバー操作の進行に対して、操作部が弾性部材の弾性力に抗して押動部に対して屈曲状に相対回動し、レバー操作からの強制操作力が弾性的に逃がされる構成となっている。
この第1の発明によれば、シート本体がスライドレール機構によって特定の着座位置状態とされている場合には、係脱機構によるシート本体とスライドレール機構との係合ロック状態はレバー操作によって解除される。詳しくは、係脱機構は、レバー操作に連動して回動する回動部材に押動されることで解除操作される。このとき、回動部材は、操作部に対する押動部の首振り運動が弾性部材の弾性力によって規制されており、係る弾性規制力によって係脱機構を解除操作する際の操作力が担保される。一方、シート本体が特定の着座位置から外れた状態とされている場合には、レバー操作を行っても係脱機構の係合ロック状態は解除操作されない。詳しくは、このときの回動部材は、スライドレール機構に設けられた規制部材の作用によって、押動部の解除操作位置までの回動が規制され、係脱機構の解除操作が禁止される。この押動部の回動規制状態では、レバー操作が更に進行して行われると、この操作力を受けた操作部が弾性部材の弾性力に抗して押動部に対して屈曲状に回動し、このレバー操作の操作力を逃がす。この場合には、レバー操作が弾性部材の弾性力に抗して行われるため、操作が重くなる。
次に、第2の発明は、上述した第1の発明において、係脱機構は、シート本体に設けられたフレーム構造のストライカと、スライドレール機構に設けられてストライカに対して掛け外し可能なフックを備えたロック装置と、を有する。回動部材は、シート本体に設けられており、その回動運動に伴ってスライドレール機構に設けられたロック装置の係合ロック状態を保持するための保持部材を押動し係合ロックを解除する構成となっている。
この第2の発明によれば、レバー操作によって回動部材が回動操作されると、保持部材が押動されて係合ロック状態が解除される。これにより、係脱機構において比較的構成が単純なストライカがシート本体側に離脱し、構成が大掛かりなロック装置がフロア面側に取り残される。
次に、第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、係脱機構の係合ロック状態の解除操作を行うレバー操作は、手動操作による操作力によって行われるようになっている。
この第3の発明によれば、シート本体が特定の着座位置から外れた状態とされている場合に、係脱機構の係合ロック状態を解除しようと手動操作によってレバー操作を行うと、このレバー操作の操作感は重く感じられる。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
先ず、第1の発明によれば、シート本体の前後方向の着座位置が解除操作可能な特定の位置から外れているときには、レバー操作が通常の解除操作時の操作力よりも重くなるようにしたことにより、使用者に対してレバー操作による解除操作が行えない状態であることを操作感により感じ取らせ易くすることができる。
更に、第2の発明によれば、係脱機構において構成が比較的単純なストライカをシート本体側に配設し、構成が大掛かりなロック装置をスライドレール機構側に配設したことにより、フロア面との係合が外されて使用されるシート本体側の構成部品を簡素にすることができる。
更に、第3の発明によれば、レバー操作を手動操作によって行う構成としたことにより、レバー操作が重くなる感じを操作者が直接的に感じ取ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートのロック解除操作機構の構成について、図1〜図13を用いて説明する。
ここで、図1には、本実施例の車両用シートの概略構成が斜視図によって示されている。この車両用シートは、車両の後部側座席として配設されており、シート本体1を構成する背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を有する。このシートバック2は、その幅方向の両サイド下部に設けられたリクライニング装置6,6によって、シートクッション3と連結されている。これにより、シートバック2は、シートクッション3に対する背凭れ角度の調整を行ったり、シートクッション3の上側に前倒ししたりすることができるようになっている。
これらリクライニング装置6,6は、常時は、シートバック2の背凭れ角度を固定したロック状態とされて保持されている。そして、各リクライニング装置6,6は、シートクッション3の左サイド(図示手前に示されている側のサイド)の下部位置に配設された操作レバーLを後方側に引く操作(回動操作)を行うことにより、上記のロック状態が一斉に解除操作されるようになっている。
ここで、各リクライニング装置6,6は、図示しないロッド部品によって互いのロック解除の操作部品が連結されており、そのロック・解除の切換えが左右で同期して行われるようになっている。したがって、操作レバーLを後方側に引くことにより、各リクライニング装置6,6のロック状態が一斉に解除されてシートバック2の背凭れ角度の固定状態が解かれるため、その背凭れ角度の調整移動が行えるようになる。
ここで、シートバック2は、シートクッション3との間にバネ部材(図示省略)が掛着されており、常時は前倒しの回動方向に附勢されている。したがって、シート本体1に乗員が着座していない状態で操作レバーLを後方側に引くことにより、シートバック2は、上記の附勢によって自動的に前倒しされてシートクッション3の上側に畳み込まれるようになっている。
前述した各リクライニング装置6,6は、常時はロック状態となる作動方向に附勢がかけられており、操作レバーLの回動操作をやめることによって自動的にロック状態に戻されるようになっている。しかし、リクライニング装置6,6には、更に、操作レバーLの回動操作をやめることでロック状態に戻されるロックゾーンと、操作レバーLの回動操作をやめてもロック状態に戻されないフリーゾーンと、が設定されている。
前者のロックゾーンは、通常、シート本体1に着座した乗員が背凭れとして使用する角度領域に設定されており、シートバック2が直立姿勢となる回動位置とシートバック2が目一杯後方側に倒し込まれた回動位置との間の領域に設定されている。そして、後者のフリーゾーンは、乗員が着座使用することのない角度領域に設定されており、シートバック2が直立姿勢となる回動位置とシートバック2が目一杯前方側に倒し込まれた回動位置との間の領域に設定されている。
したがって、シートバック2を前倒しさせるに際しては、操作レバーLを後方側に引くことで、シートバック2が少しでも前に傾けば、あとは操作レバーLの操作をやめても、シートバック2はシートクッション3の上側に畳み込まれる位置まで自動的に倒し込まれていく。
ところで、前述した操作レバーLは、その後方側に引く一度の操作によって、シートバック2の背凭れ角度の固定状態を解除するまでの操作を行えるようになっている。しかし、この操作レバーLは、シートバック2が前倒しされた状態となることにより、更に後方側の回動領域まで回動操作が行える状態に切換えられるようになっている。したがって、操作レバーLの更なる回動操作を行うことにより、シート本体1がフロア面Fとの係合ロック状態が解除されて、その折畳まれた姿勢状態のままフロア面Fから起こし上げられるようになっている。
このシート本体1は、その図示向かって右側に隣接する車体壁部Bに向けて起こし上げられるようになっている。これにより、シート本体1が設置されていたフロア面F上のスペースが空けられるため、この設置スペースを荷室スペース等の他の目的スペースとして利用することが可能となる。
一方で、シートバック2が前倒しされた際に、操作レバーLの回動操作をやめれば、シート本体1は折畳み姿勢状態のままでフロア面F上にとどめられる。これにより、上記した前倒しされたシートバック2の背面(シート本体1の上面)をテーブル面として利用することが可能となる。
このように、本実施例の操作レバーLのレバー構造は、その1つの操作レバーLの回動操作によって、シート本体1を折畳んだ姿勢でフロア面F上にとどめたり、そこから更にフロア面Fとの係合ロック状態を解除したりする使い分けの操作が行えるようになっている。
ここで、上述したシート本体1とフロア面Fとの間には、シート本体1のフロア面Fに対する車両前後方向の着座位置を調整可能にするスライドレール機構50,50が配設されている。このスライドレール機構50,50は、シートクッション3とフロア面Fとの間に左右一対で設けられている。
詳しくは、各スライドレール機構50,50は、フロア面F上に固定設置されたロアレール51,51と、シート本体1側の構成部材に固定設置されたアッパレール52,52と、両アッパレール52,52のスライド移動を規制したり解除したりすることのできるスライドロック装置53と、を有する。このスライドロック装置53は、図1の向かって右側に示されているスライドレール機構50にのみ設けられている。ここで、ロアレール51,51は、車両前後方向に延びる形状に形成されている。そして、アッパレール52,52は、ロアレール51,51に対してそれらのレール長方向にスライド移動可能となるようにそれぞれ嵌め込まれており、そのスライド移動に伴ってシート本体1の着座位置を車両前後方向に移動させるようになっている。
これらアッパレール52,52は、常時はスライドロック装置53の作動によってそのスライド移動が規制されたロック状態に保持されている。しかし、各アッパレール52,52は、シート本体1に設けられた図示しない解除レバーのレバー操作を行うことにより、スライドロック装置53によるロック状態を一斉に解除してスライド移動可能な状態に切換えられる。
したがって、この解除レバーのレバー操作を行った状態で、各アッパレール52,52を車両前後方向にスライド移動させることにより、シート本体1の着座位置を移動させて調整することができる。そして、その後に解除レバーのレバー操作をやめれば、スライドロック装置53を再びロック状態に戻してシート本体1をその調整した着座位置に保持することができる。なお、このスライドレール機構50,50の具体的な構成については、後に詳しく説明する。
このように、本実施例の構成では、シート本体1がスライドレール機構50,50を介してフロア面Fに対して起倒回動可能に支持されている。
具体的には、シート本体1は、シートクッション3の図示左側の側部が、ヒンジ機構4によってアッパレール52に起倒回動可能にヒンジ連結されている。そして、シート本体1は、シートクッション3の図示右側の側部が、平板状の支持板5tを有した支持機構5によってアッパレール52に対して係合ロックさせたり外したりすることのできる状態として支持されている。
これにより、シート本体1は、常時はシートクッション3がフロア面F上に倒伏した姿勢状態に係合ロックされて保持されている。そして、シート本体1は、前述したように操作レバーLを後方側に引く操作を行うことにより、シートバック2が前倒しされて折畳みの姿勢状態に切換えられる。そして、シート本体1は、この折畳み姿勢状態から操作レバーLを更に後方側に引く操作を行うことにより、上述した支持板5tとアッパレール52との係合ロック状態が外されるようになっている。したがって、この操作を行うことにより、シート本体1を折畳み姿勢状態でフロア面Fから起こし上げることができる。
ところで、上記した操作レバーLによってシート本体1とフロア面Fとの係合ロック状態を解除する操作は、シート本体1がスライドレール機構50,50によって特定の着座位置の状態にないと行えないようになっている。すなわち、シート本体1が上記した特定の着座位置から外れたスライド位置状態となっている場合には、操作レバーLの操作を行っても係合ロック状態が解除されないようになっている。
これにより、シート本体1が、常に車両前後方向における一定の位置から起こし上げられるようになっている。
以下、シート本体1の構成と共に、操作レバーLのレバー構造について詳しく説明する。
すなわち、シート本体1は、その図示左側の側部が、前述したシートクッション3とアッパレール52とをヒンジ連結するヒンジ機構4によってフロア面Fに対して起倒回動可能に支持されている。このヒンジ機構4には、シート本体1をフロア面Fから起こし上げる方向に附勢する巻きバネ4sが組み付けられている。
したがって、シート本体1は、前述した図示右側部の支持機構5とアッパレール52との係合ロック状態が解除されることにより、巻きバネ4sの附勢力によってフロア面Fから起こし上げられて、車体壁部Bの位置で起立した姿勢状態で保持される。
ここで、支持機構5は、シートクッション3の底面部3bに収納展開可能に設けられており、シート本体1のフロア面Fへの倒伏時に起立状態となって、シート本体1をフロア面Fに対して支持するようになっている。
具体的には、支持機構5は、シートクッション3の底面部3bにおいて、平板状の支持板5tが起倒回動可能にヒンジ連結された構成となっている。この支持板5tは、常時は底面部3bに対して垂直に起立する方向に展開附勢されている。
したがって、支持板5tは、シート本体1がフロア面F上に倒伏した状態時には、上記の附勢力によってシートクッション3の底面部3bに対して真っ直ぐに垂下した展開状態となり、シート本体1をフロア面Fに対して下方側から支持するようになっている。しかし、支持板5tは、シート本体1がフロア面Fから起こし上げられる際には、この動きに連動して、車体側からくるワイヤー等の牽引部材(図示省略)に牽引されることにより、シートクッション3の底面部3bに畳み込まれて収納凹部3dに収納されるようになっている。
ここで、支持板5tの前後側の各先端部(下端部)には、アッパレール52上に設置された各ロック装置60,70のフック61,71と係合可能なストライカ5s,5sがそれぞれ配設されている。これらストライカ5s,5sは、シート本体1をフロア面F上に落とし込む動きによって、各フック61,71と当接し、そこから更にこれらを掛着させる方向に押し動かしてその状態でロックさせるようになっている。したがって、シート本体1は、これらストライカ5s,5sとフック61,71との掛着により、フロア面Fから起こし上げられないように係合ロックされた状態として保持される。
これらフック61,71のストライカ5s,5sとの掛着状態(係合ロック状態)は、前述した操作レバーLを後方側に引く操作によって解除することができる。これにより、シート本体1が、上述したヒンジ機構4に設けられた巻きバネ4sの附勢力によって、フロア面Fから起こし上げられて車体壁部Bの位置で起立した姿勢状態となる。
次いで、操作レバーLのレバー構造について説明する。ここで、図2には、操作レバーLのレバー構造が側面図によって概略的に示されている。また、図3〜図7には、操作レバーLのレバー構造が拡大して示されている。また、図8には、操作レバーLのレバー構造が分解斜視図によって示されている。
このレバー構造は、図8に示されるように、シートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3fに対して組み付けられている。そして、このレバー構造は、操作レバーLを後方側に引く操作を行うことにより、図示された一方側のリクライニング装置6から突設された切換軸6rを軸回動操作して、両リクライニング装置6,6のロック状態を一斉に解除するようになっている。
ここで、図示された一方側のリクライニング装置6は、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fと前述したクッションフレーム3fとの間の板面間に挟まれて配設されており、この両者を互いに連結している。このリクライニング装置6には、前述したロックの作動状態を切換えるための切換軸6rが、クッションフレーム3fの外側に突出するかたちで板厚方向に貫通して挿通されている。そして、この切換軸6rの突出した先には、切換アーム6aが回動方向に一体的に嵌合されて装着されている。この切換アーム6aは、切換軸6rに挿通されて、その背後側から固定リング6tが装着されることにより、切換軸6rに対して抜け止めされている。
これにより、切換軸6rは、切換アーム6aが回動操作される動きによって軸回動操作され、両リクライニング装置6,6の作動状態を切換えられるようになっている。具体的には、切換アーム6aは、常時はリクライニング装置6,6に組み付けられた図示しないバネ部材の附勢力によって、図3に示される各リクライニング装置6,6がロック状態となる初期位置の状態に保持されている。そして、切換アーム6aは、図4に示されるように操作レバーLの回動操作によって図示反時計回り方向に回動操作されることにより、切換軸6rを軸回動させて各リクライニング装置6,6のロック状態を解除する。詳しくは、各リクライニング装置6,6のロック状態が解除される切換アーム6aの回動操作位置は、操作レバーLが同図の仮想線で示された第1の回動位置まで回動操作されたときの操作位置となっている。
なお、各リクライニング装置6,6は、前述したようにそのロック状態が解除されてシートバック2が前倒しされていく段階では、前述したフリーゾーンの状態となる。したがって、切換アーム6aは、図7に示されるように、その回動操作をやめても元の初期位置には戻されずに図示された回動操作された位置状態に保持される。
ところで、図3に戻って、この切換アーム6aの下端部には、連結軸6pによって首振アーム6bの上端部がリンク連結されている。この連結軸6pは、首振アーム6bに対しては一体的に結合されており、切換アーム6aに対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。これにより、首振アーム6bは、切換アーム6aの回動方向と同じ、図示時計回り方向や反時計回り方向に自由に回動することのできる状態とされている。
しかし、この首振アーム6bには、切換アーム6aに対する図示時計回り方向への回動を途中位置で規制するストッパbsが形成されている。このストッパbsは、図8に示されるように、首振アーム6bの板面部が部分的に板厚方向に折り曲げられて形成されており、同じように切換アーム6aに折曲形成されたストッパasと面当接することにより、首振アーム6bの回動を規制するようになっている。
そして、図3に戻って、この首振アーム6bと切換アーム6aとの間には、首振アーム6bを図示時計回り方向に回動附勢する巻きバネ6uが掛着されている。この巻きバネ6uは、その一端が前述した首振アーム6bと一体的となっている連結軸6pの頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が切換アーム6aに掛着されて取り付けられている。これにより、首振アーム6bは、切換アーム6aに対して図示時計回り方向に回動附勢された状態として、上述したストッパbs,as同士を面当接させた姿勢状態に保持されている。
そして、この首振アーム6bの下端部には、係合ピン6cが装着されている。この係合ピン6cは、図8に示されるように首振アーム6bに板厚方向に挿通されて取り付けられており、その挿通された先で円筒形状のころ6eが差し込まれると共に固定リング6fに固定されて抜け止めされている。これにより、係合ピン6cに差し込まれたころ6eが係合ピン6cに対して空転可能な状態に取り付けられている。この係合ピン6cに装着されたころ6eは、後述する操作レバーLの回動操作時に操作力の伝達を受ける機能部品として設けられている。
そして、図8に示されるように、クッションフレーム3fには、上記した切換アーム6aの回動操作を行うための機能部品が組み付けられている。
具体的には、先ず、クッションフレーム3fには、組み付けの土台となる平板状のベース板7が一体的に取り付けられている。このベース板7は、2本のボルト7b,7bによってクッションフレーム3fに締結されて固定されている。
このベース板7には、その図示左肩側の部位に、シートバック2の前倒れ移動を規制するための前倒れストッパ7sが形成されている。この前倒れストッパ7sは、図5に示されるように、シートバック2が前倒しされた際に、バックフレーム2fに一体的に設けられたL字板状の押動部材2bが押し当てられてシートバック2の動きを規制するようになっている。
そして、図8に戻って、この前倒れストッパ7sの直ぐ下側の部位には、図示上下方向に延びる長孔7hが板厚を貫通して形成されている。この長孔7hは、後述する解除部材40に取り付けられたスライドピン43をスライド移動可能に嵌合させるガイドとして機能するものである。
そして、ベース板7の図示右肩側の部位には、その板形状が部分的にアーム状に張り出した形状の掛部7cが形成されている。この掛部7cは、シートクッション3に樹脂カバー(図示省略)を装着する際に、この樹脂カバーを引掛けて固定する機能を果たすものである。
そして、ベース板7の図示左下側の端部には、後述する第1ケーブル9のアウター部材9bの端部を掛着させるためのケーブル掛部7wが形成されている。このケーブル掛部7wは、ベース板7の板形状が部分的に折り曲げられて形成されている。
そして、このベース板7に対しては、アーム状の板部材より成る第1ブラケット10が支軸8によって回動可能に軸支連結されている。この支軸8は、ベース板7に対しては一体的に結合されており、第1ブラケット10に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。そして、この第1ブラケット10には、前述したアーム状の操作レバーLの端部が一体的に取り付けられて固定されている。これにより、第1ブラケット10が、操作レバーLと一体的に回動操作されるようになっている。
そして、図3に示されるように、この第1ブラケット10とベース板7との間には、第1ブラケット10を図示時計回り方向に回動附勢する巻きバネ8bが掛着されている。この巻きバネ8bは、その一端が前述したベース板7と一体的となっている支軸8の頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第1ブラケット10に掛着されて取り付けられている。これにより、第1ブラケット10は、ベース板7に対して図示時計回り方向に回動附勢された状態として、後述する支軸32に装着された円筒形状のストッパ34に操作レバーLを当接させた姿勢状態として保持されている。
この第1ブラケット10には、そのアーム形状の先端部に、前述した首振アーム6bの係合ピン6cに装着されたころ6eを押し操作することのできる操作部11が形成されている。この操作部11は、図4に示されるように、操作レバーLを図示反時計回り方向に回動操作した際に、ころ6eを押圧して首振アーム6bと切換アーム6aとを一体的に押し動かす。これにより、切換アーム6aを図示時計回り方向に回動操作して、各リクライニング装置6,6のロック状態を解除することができる。
そして、図8に戻って、この第1ブラケット10のアーム部には、係合ピン12が装着されている。この係合ピン12は、第1ブラケット10に板厚方向に挿通されて取り付けられており、その挿通された先で円筒形状のころ13が差し込まれると共に固定リング14に固定されて抜け止めされている。これにより、係合ピン12に差し込まれたころ13が係合ピン12に対して空転可能な状態に取り付けられている。
この係合ピン12に装着されたころ13は、図4の実線状態で示されるように、操作レバーLを回動操作した際に、後述する規制部材30の突当面31に突き当てられる。これにより、操作レバーLの回動操作が、このころ13が規制部材30に突き当てられる位置で規制されるようになっている。ここで、ころ13は、係合ピン12に対して空転可能な状態で取り付けられており、規制部材30との当接時に両者の間に食い付きが生じないように、その食い付き方向の作用力を空転運動によって逃がす構成となっている。これにより、ころ13を規制部材30に突き当てたり離したりする操作が円滑に行えるようになっている。
ところで、この操作レバーLの回動操作を規制する規制構造を成す規制部材30は、図8に示されるようにアーム状の板部材によって形成されている。この規制部材30は、支軸32によってベース板7に回動可能に軸支連結されている。この支軸32は、ベース板7に対しては一体的に結合されており、規制部材30に対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。
そして、この支軸32には、前述した図示時計回り方向に回動附勢された操作レバーLと当接する円筒形状のストッパ34が差し込まれている。このストッパ34は、支軸32に対して空転可能な状態で取り付けられており、操作レバーLとの当接時に両者の間に食い付きが生じないように、その食い付き方向の作用力を空転運動によって逃がす構成となっている。これにより、操作レバーLをストッパ34に突き当てたり離したりする操作が円滑に行えるようになっている。
そして、図3に示されるように、この規制部材30とベース板7との間には、規制部材30を図示時計回り方向に回動附勢する巻きバネ33が掛着されている。この巻きバネ33は、その一端が前述したベース板7と一体的となっている支軸32の頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が規制部材30に掛着されて取り付けられている。これにより、規制部材30は、ベース板7に対して図示時計回り方向に回動附勢された状態として、これに連結された解除部材40のスライド移動が規制される回動位置に保持されている。
この解除部材40は、図8に示されるようにアーム状の板部材によって形成されている。この解除部材40は、その下端部が、連結ピン42によって規制部材30の図示左側の腕部に回動可能に軸支連結されている。そして、解除部材40は、その上端部が、スライドピン43によって、ベース板7に対してスライド移動可能に連結されている。このスライドピン43は、ベース板7に形成された長孔7h内に挿通されており、長孔7hの延びる図示上下方向にスライド移動可能な状態とされている。これにより、解除部材40は、規制部材30が回動する動きに伴って、スライドピン43を長孔7h内でスライド移動させながら上下に揺動運動するようになっている。
上記の解除部材40は、図3に示されるように、常時は規制部材30が図示時計回り方向に回動附勢される動きを受けることにより、スライドピン43を長孔7hの上端に到達させた位置でその動きが規制されている。これにより、規制部材30が、図示された操作レバーLの回動操作を規制可能な回動位置状態に保持されている。
ところで、この解除部材40の上端縁には、シートバック2が前倒しされる動きを受け止める受圧部41が形成されている。この受圧部41は、解除部材40の板形状が部分的に折り曲げられて形成されている。
詳しくは、受圧部41は、スライドピン43が長孔7hの上端部に位置する初期位置の状態では、前述したベース板7に形成された前倒れストッパ7sよりも図示上方側に突出した位置に配置されている。したがって、この受圧部41は、図5に示されるように、シートバック2が前倒しされると、前述したバックフレーム2fに設けられた押動部材2bに押し動かされて図示下方側に押し下げられる。これにより、解除部材40全体が同方向に押し動かされて、規制部材30を図示反時計回り方向に回動させる。そして、これにより、規制部材30が、図示された操作レバーLの回動操作の規制状態を解除する位置まで退避移動させられる。
したがって、上記のように規制部材30が退避移動することにより、操作レバーLが更に回動操作を進行させることのできる状態となる。
ここで、上述した規制部材30の突当面31は、その回動中心となる支軸32を中心とした円弧を描く曲面形状に形成されている。これにより、規制部材30は、シートバック2が前倒しされた際に、第1ブラケット10の係合ピン12に取り付けられたころ13との突き当て状態から円滑に外されるようになっている。一方で、ころ13も、係合ピン12に対して空転可能な状態で取り付けられており、規制部材30との当接時に両者の間に食い付きが生じないように、その食い付き方向の作用力を空転運動によって逃がす構成となっている。これにより、規制部材30をころ13との突き当て状態から回動により外す操作が円滑に行えるようになっている。
ここで、図8に戻って、前述した第1ブラケット10を回動可能に軸支する支軸8には、アーム状の板部材より成る第2ブラケット20も回動可能に軸支されている。この第2ブラケット20は、その上端部が支軸8に軸支連結されている。これにより、第2ブラケット20は、第1ブラケット10の回動方向と同じ、図示時計回り方向や反時計回り方向に自由に回動することのできる状態とされている。
そして、第2ブラケット20の下端部には、第1ケーブル9のインナー部材9aの端部を掛着させるためのケーブル掛部21が形成されている。このケーブル掛部21は、第2ブラケット20の板形状が部分的に折り曲げられて形成されている。
そして、この第2ブラケット20のアーム部には、部分的に板厚方向に張り出す係合片22が形成されている。この係合片22は、図4に示されるように、第2ブラケット20の図示右側の縁部から張り出して形成されており、操作レバーLが図示反時計回り方向に回動操作された際に、第1ブラケット10の縁部と当接するようになっている。
そして、図6に示されるように、第2ブラケット20は、操作レバーLの回動操作を更に進行させる動きによって、第1ブラケット10に押動されるかたちで第1ブラケット10と一体的となって同操作方向に回動操作される。これにより、第2ブラケット20は、その下端部に掛着されたインナー部材9aの端部を牽引し、これをアウター部材9bの端部から引き出す格好で第1ケーブル9を牽引操作するようになっている。
ここで、図8に戻って、第1ケーブル9は、線状のインナー部材9aが管状のアウター部材9bの管内に挿通された2重構造となっている。そして、このインナー部材9aやアウター部材9bの一端は、前述したように第2ブラケット20やベース板7にそれぞれ一体的に掛着されている。そして、このインナー部材9aやアウター部材9bの他端は、図2において前述した各フック61,71を各ストライカ5s,5sとの係合ロック状態から外すための操作機構であるロック解除操作機構80に掛着されている。このロック解除操作機構80の具体的な構成については、後に詳しく説明をする。
したがって、第1ケーブル9は、その一端側でインナー部材9aがアウター部材9bから引き出される牽引操作が行われることにより、ロック解除操作機構80にこの操作力を伝達して各フック61,71の係合ロック状態を解除操作することができる。
なお、図3に示されるように、インナー部材9aの一端に掛着された第2ブラケット20は、その回動操作される前の初期状態では、インナー部材9aの他端側に掛着されたロック解除操作機構80から初期位置状態に保持される保持力の作用を受けることにより、同図に示される初期の回動位置状態に保持されている。
次に、ロック解除操作機構80及びこの機構によって作動操作される各ロック装置60,70の構成について説明する。
ここで、先ず、ロック解除操作機構80の構成について、図2を用いてその概略を簡単に説明する。すなわち、ロック解除操作機構80は、前述した支持機構5の支持板5tに組み付けられており、第1ケーブル9が牽引操作される動きによって、図示された第1回動部材81と第2回動部材82とが連動して回動操作されるようになっている。そして、これにより、スライドレール機構50に設けられた各ロック装置60,70の保持部材62,72がそれぞれ蹴り動かされて操作され、各ロック装置60,70の係合ロック状態が一斉に解除されるようになっている。
この第1ケーブル9の牽引操作による各ロック装置60,70の解除操作は、図11に示されるように、スライドレール機構50のアッパレール52に形成された凹部52s1,52s2とロアレール51に形成された凹部51s1,51s2とが互いに合致する位置関係となっているときに行えるようになっている。しかし、図12に示されるように、アッパレール52のスライド移動により、上述した凹部52s1,52s2と凹部51s1,51s2との位置関係が互いにずれた関係となっている場合には、上記第1ケーブル9の牽引操作を行っても各ロック装置60,70の解除操作は行えないようになっている。
ここで、上述した各ロック装置60,70を備えたスライドレール機構50の構成について具体的に説明する。このスライドレール機構50は、図9に示されるように、U字の囲い形状の横断面をもつロアレール51に対して、アッパレール52が前後方向にスライド移動可能に案内される構成となっている。
詳しくは、ロアレール51は、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げることによって、同図に示されるような一定の横断面形状に形成されている。具体的には、ロアレール51の横断面形状は、図13において良く示されている。同図に示されるように、ロアレール51は、平板形状の下面部51uと、その両サイドから立ち上がる平板形状の右側面部51x1及び左側面部51y1と、これらの上端から内側に折り返されて垂下する平板形状の右返し面部51x2及び左返し面部51y2と、から成る横断面形状に形成されている。ここで、右返し面部51x2が本発明の規制部材に相当する。
そして、図9に戻って、上記した左返し面部51y2には、その長手方向にわたって板厚方向に貫通した複数の貫通孔51h・・が等間隔に配置形成されている。
そして、ロアレール51の前後方向の2箇所の部位には、右返し面部51x2の底部が部分的に切り抜かれてなる凹部51s1,51s2が形成されている。これら凹部51s1,51s2は、それぞれ、後述するロック装置60,70の各保持部材62,72が蹴り動かされた際に、これらの脚部62d,72dを受入れることのできる形状に形成されている。
一方、アッパレール52は、鉄鋼材より成る1枚の平板状部材を所々に折り曲げることによって、同図に示されるような横断面形状に形成されている。具体的には、アッパレール52の横断面形状は、図13において良く示されている。同図に示されるように、アッパレール52は、互いに板面を向かい合わせるかたちで真っ直ぐに垂下する平板形状の右側面部52a1及び左側面部52b1と、これらの下端から外方に跳ね上げられる右ひれ面部52a2及び左ひれ面部52b2と、から成る横断面形状に形成されている。
そして、図9に戻って、アッパレール52の前後方向の2箇所の部位には、右側面部52a1の底部が部分的に切り抜かれてなる凹部52s1,52s2が形成されている。これら凹部52s1,52s2は、それぞれ、前述したロアレール51に形成された凹部51s1,51s2の形状にそれぞれ対応して形成されており、ロック装置60,70の各保持部材62,72が蹴り動かされた際に、これらの脚部62d,72dを受入れ可能な形状に形成されている。
そして、上記した左側面部52b1の前後方向の中央付近の面部には、板厚方向に貫通した3個の貫通孔52h・・が長手方向に沿って等間隔に配置形成されている。この貫通孔52h・・の配置間隔は、前述したロアレール51に形成された貫通孔51h・・の配置間隔と同じ間隔となっている。なお、この貫通孔52h・・の形成されたアッパレール52の中央付近の形状は、右ひれ面部52a2や左ひれ面部52b2のない形状に形成されている。
そして、この貫通孔52h・・が配置形成されたアッパレール52の中央部には、各貫通孔52h・・の内部に挿通可能なロック爪53cを有したスライドロック装置53が配設されている。
ここで、ロック爪53cは、各貫通孔52h・・の内部に挿通可能な3つの爪形状を備えており、図13に示されるように支軸53dによってアッパレール52に回動可能に軸支連結されている。そして、このロック爪53cは、常時は図示しないバネ部材の附勢力によって、その先端の爪形状が各貫通孔52h・・内に挿通される方向に附勢された状態とされている。
したがって、図13に示されるようにアッパレール52のスライド位置がこのアッパレール52に形成された貫通孔52h・・とロアレール51に形成された貫通孔51h・・とが合致する位置状態となることにより、スライドロック装置53のロック爪53cが、その附勢によって両貫通孔52h・・,51h・・に貫通して挿通された状態となる。これにより、スライドレール機構50は、アッパレール52のスライド移動が規制されたスライドロック状態として保持される。
このスライドレール機構50のスライドロック状態は、図9に示されるようにロック爪53cに隣接して設けられた操作腕53aが揺動操作されることによって解除されるようになっている。この操作腕53aは、図10に示されるように、支軸53bによってアッパレール52に回動可能に軸支連結されており、その一方の腕の先端にロック爪53cを押し操作するための押部ayが形成されている。そして、操作腕53aの他方の腕の先端には、後述するスライドロック解除操作機構90のL字リンク92から押し操作を受ける受部axが形成されている。そして、この操作腕53aは、常時は図示しないバネ部材の附勢力によって、ロック爪53cを押し操作する方向とは逆の方向に附勢されてロック爪53cから離間した位置状態に保持されている。
一方、ロック爪53cには、操作腕53aに形成された押部ayによって押し操作される板状の突板ctが一体的に設けられている。これにより、ロック爪53cは、図13に示されるように、操作腕53aが揺動操作される動きに伴って、その押部ayによって突板ctが押し上げられる格好でロック状態から外されるようになっている。
上記構成のスライドレール機構50は、図11に示されるように、アッパレール52のスライド位置がアッパレール52に形成された凹部52s1,52s2とロアレール51に形成された凹部51s1,51s2とが互いに合致する位置関係となる場合には、各ロック装置60,70の保持部材62,72の解除動作方向への回動運動を許容する。すなわち、この凹部52s1,52s2と凹部51s1,51s2とが合致した状態では、保持部材62,72が図示時計回り方向に押し動かされた際に、それらの脚部62d,72dが凹部52s1,52s2や凹部51s1,51s2にそれぞれ受け入れられるからである。
しかし、図12に示されるように、アッパレール52のスライド位置がアッパレール52の凹部52s1,52s2とロアレール51の凹部51s1,51s2とが互いにずれた位置関係となる場合には、各ロック装置60,70の保持部材62,72の解除動作方向への回動運動が規制される。すなわち、この凹部52s1,52s2と凹部51s1,51s2とがずれた位置関係にある場合には、保持部材62,72が図示時計回り方向や反時計回り方向に押し動かされることにより、それらの脚部62d,72dがロアレール51の凹部51s1,51s2には受け入れられずに、それぞれ右返し面部51x2の底面と当接してその回動が規制されるからである。したがって、この場合には、第1ケーブル9の牽引操作を行っても各ロック装置60,70の解除操作は行えないようになっている。
ここで、各ロック装置60,70の具体的な構成について説明する。なお、各ロック装置60,70は、互いに前後で異なる方向を向いて配設されているが、それらの基本的構成は同じものとなっている。したがって、以下の説明では、図9の図示向かって右側に示されている車両前方側に配設されたロック装置60についてのみ具体的な構成を説明し、後方側のロック装置70についてはその構成を列挙するに留めて具体的な説明は省略する。なお、この車両前方側に配設されたロック装置60は、図10においては図示向かって左側の位置に配設されている。
このロック装置60は、鉄鋼板によって形成されたフック61と、保持部材62と、これらの間に掛着された引張バネ63と、を有する。これらフック61や保持部材62は、アッパレール52の右側面部52a1と左側面部52b1との間に挟み込まれた位置に配設されている。そして、フック61は、支軸61aによってアッパレール52に回動可能に軸支連結されており、保持部材62も支軸62aによってアッパレール52に回動可能に軸支連結されている。そして、これらフック61と保持部材62とは、常時はこれらの間に掛着された引張バネ63の附勢力によって、互いが引き寄せられる方向に回動附勢されている。ここで、引張バネ63は、その一端がフック61の頭部61cに掛着されており、他端が保持部材62の頭部62cに掛着されている。
上記したフック61には、その周縁部において形状が部分的に突出した係止凸部61bが形成されている。そして、保持部材62には、その周縁部において形状が部分的に凹んだ係止凹部62bが形成されている。これら係止凸部61bと係止凹部62bとは、フック61と保持部材62とが上記した附勢力によって互いに引き寄せられて、それらの凹凸形状が互いに嵌合することにより、係止し合った状態となる。これにより、フック61と保持部材62とが互いの回動運動を規制し合った係合ロック状態として保持される。
このフック61と保持部材62との係合ロック状態は、図11に示されるように、保持部材62がフック61から引き離される方向に回動操作されて、上述した係止凸部61bと係止凹部62bとの嵌合が外されることによって解除される。
ここで、同図に示されるように、フック61には、そのストライカ5sを受け入れる開口部の下面部に受部61dが形成されている。この受部61dは、シート本体1がフロア面F上に落とし込まれる動きによってストライカ5sと当接し、このストライカ5sによって図示下方に押し込まれるようになっている。そして、この押し込みにより、ストライカ5sがフック61の開口形状に入り込むと共に、フック61が図示時計回り方向に押し回されて係止凸部61bが保持部材62の係止凹部62bに入り込んで両者が係合ロックした状態となる。このとき、フック61の回動に伴って、その開口部の上面部に形成された押さえ部61eが、ストライカ5sの背部に回り込んだ状態となる。これにより、ストライカ5sがフック61に掛着した状態として、フック61によって抜け止めされた状態に保持される。
なお、他方側のロック装置70も、上述したロック装置60と同様の構成を備えている。すなわち、ロック装置70は、フック71と、保持部材72と、引張バネ73と、を備えている。そして、このフック71は、支軸71aによって軸支されており、係止凸部71bと、頭部71cと、受部71dと、押さえ部71eと、を有して形成されている。また、保持部材72は、支軸72aによって軸支されており、係止凹部72bと、頭部72cと、脚部72dと、を有した形状に形成されている。
続いて、これらロック装置60,70の係合ロック状態の解除操作を行うロック解除操作機構80の構成について説明する。
このロック解除操作機構80は、図10に示されるように、第1回動部材81と、第2回動部材82と、連結リンク83と、を有する。ここで、第1回動部材81及び第2回動部材82がそれぞれ本発明の回動部材に相当する。
この第1回動部材81は、第1操作部81aと第1押動部81bとに分割されて構成されており、これらが支軸81cによって支持機構5の支持板5tにそれぞれ回動可能に軸支連結されている。ここで、第1操作部81aが本発明の操作部に相当し、第1押動部81bが本発明の押動部に相当する。
上記の支軸81cは、第1操作部81aに対しては一体的に結合されており、第1押動部81bに対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。これにより、第1押動部81bは、第1操作部81aの回動方向と同じ図示時計回り方向や反時計回り方向に自由に回動することのできる状態とされている。
しかし、この第1操作部81aには、第1押動部81bに対する図示時計回り方向への回動を途中位置で規制するストッパauが形成されている。このストッパauは、第1操作部81aの板面部が部分的に板厚方向に折り曲げられて形成されており、第1押動部81bの縁部との当接によって第1操作部81aの回動を規制するようになっている。そして、この第1操作部81aには、板厚方向に貫通した長孔ahが形成されており、この長孔ah内に第1ケーブル9のインナー部材9aの端部が掛着されている。ここで、第1ケーブル9のアウター部材9bの端部は、支持板5tに一体的に形成されたケーブル掛部tbに掛着されている。これにより、第1操作部81aは、インナー部材9aが図示上方側に牽引操作される動きに伴って、図示反時計回り方向に回動操作されるようになっている。
そして、この第1操作部81aと第1押動部81bとの間には、第1操作部81aを第1押動部81bに対して図示時計回り方向に回動附勢する巻きバネ81dが掛着されている。この巻きバネ81dは、その一端が前述した第1操作部81aと一体的となっている支軸81cの頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第1押動部81bに形成された掛部bmに掛着されて取り付けられている。これにより、第1操作部81aは、第1押動部81bに対して図示時計回り方向に回動附勢された状態として、上述したストッパauが当接する回動位置状態に保持されている。この状態では、第1操作部81aは、巻きバネ81dの附勢力によって、第1押動部81bと回動方向に一体的な状態とされている。
そして、上記第1押動部81bの下端部には、係合ピンbpが装着されている。この係合ピンbpは、図11に示されるように、第1ケーブル9の牽引操作によって第1押動部81bが第1操作部81aと一体的となって図示反時計回り方向に回動操作された際に、前述したロック装置60の保持部材62の頭部62cを蹴り動かしてこれを回動操作する機能部品して設けられている。ここで、第1操作部81aと第1押動部81bとの間に設けられた巻きバネ81dのバネ力は、ロック装置60のフック61と保持部材62との間に設けられた引張バネ63のバネ力よりも強く設定されている。したがって、上記のように第1操作部81aと第1押動部81bとの一体的な状態を維持したままで、保持部材62を図示時計回り方向に回動させる操作が行えるようになっている。
しかし、図12に示されるように、アッパレール52のスライド移動によって保持部材62の解除位置までの回動が規制されている状態の場合には、この回動規制によって第1押動部81bの図示反時計回り方向の回動は途中位置で規制される。しかし、この第1押動部81bの回動規制状態で、第1ケーブル9の牽引操作が更に進行して行われると、第1操作部81aは、この第1ケーブル9の牽引操作力によって、巻きバネ81dのバネ力に抗して図示反時計回り方向に回動操作される。
したがって、上記のように第1押動部81bの回動が途中位置で規制される場合においても、第1操作部81aを空振り回動させて第1ケーブル9に異常な負荷がかからないようにすることができる。なお、このときの第1ケーブル9の操作には、巻きバネ81dのバネ力が抵抗力として作用するため、かかる操作が重くなる。
次いで、図10に戻って、第2回動部材82は、上述した第1回動部材81と同じように、第2操作部82aと第2押動部82bとに分割されて構成されており、これらが支軸82cによって支持板5tにそれぞれ回動可能に軸支連結されている。ここで、第2操作部82aが本発明の操作部に相当し、第2押動部82bが本発明の押動部に相当する。
上記の支軸82cは、第2操作部82aに対しては一体的に結合されており、第2押動部82bに対してはこれを回動可能に軸支する連結状態とされている。これにより、第2押動部82bは、第2操作部82aの回動方向と同じ図示時計回り方向や反時計回り方向に自由に回動することのできる状態とされている。
しかし、この第2操作部82aには、第2押動部82bに対する図示反時計回り方向への回動を途中位置で規制するストッパatが形成されている。このストッパatは、第2操作部82aが部分的に折曲して形成されており、第2押動部82bの掛部bnとの当接によって第2操作部82aの回動を規制するようになっている。
ここで、この第2操作部82aには、第1操作部81aとの間に連結リンク83がリンク連結されている。この連結リンク83は、図示左側の端部が支軸83aによって第1操作部81aに回動可能に軸支連結されており、図示右側の端部が支軸83bによって第2操作部82aに回動可能に軸支連結されている。
この連結リンク83は、図11に示されるように、第1ケーブル9が牽引操作された際に、第1操作部81aとの連結部である支軸83aが図示斜め上方に引き上げられる動きを、第2操作部82aとの連結部である支軸83bを同じく図示斜め上方に引き上げる動きとして伝達するように、両者に連結されている。これにより、第1ケーブル9の操作力が第1操作部81aから第2操作部82aへと効率的に伝達されるようになっている。
そして、この第2操作部82aと第2押動部82bとの間には、第2押動部82bを第2操作部82aに対して図示時計回り方向に回動附勢する巻きバネ82dが掛着されている。この巻きバネ82dは、その一端が前述した第2操作部82aと一体的となっている支軸82cの頭部に嵌め込まれて掛着されており、他端が第2押動部82bに形成された掛部bnに掛着されて取り付けられている。これにより、第2押動部82bは、第2操作部82aに対して図示時計回り方向に回動附勢された状態として、上述した掛部bnとストッパatとが当接する回動位置状態に保持されている。この状態では、第2押動部82bは、巻きバネ82dの附勢力によって、第2操作部82aと回動方向に一体的な状態とされている。
ここで、第2押動部82bの掛部bnと支持板5tに形成された掛部teとの間には、巻きバネ84が掛着されている。この巻きバネ84は、第2押動部82bを支持板5tに対して図示反時計回り方向に回動附勢している。これにより、第2回動部材82全体が図示反時計回り方向に回動附勢されており、第1回動部材81全体が連結リンク83を介して図示時計回り方向に回動附勢されている。そして、この第1回動部材81の附勢による回動は、第1押動部81bが支持板5tに形成されたストッパtaと当接することによって規制されている。これにより、第1回動部材81及び第2回動部材82が図10に示されている初期の回動位置状態に保持されている。
なお、この巻きバネ84のバネ力は、第1回動部材81に設けられた巻きバネ81dのバネ力や第2回動部材82に設けられた巻きバネ82dのバネ力よりも弱く設定されている。
そして、上述した第2押動部82bの下端部には、係合ピンbqが装着されている。この係合ピンbqは、図11に示されるように、第1ケーブル9の牽引操作によって第2押動部82bが第2操作部82aと一体的となって図示時計回り方向に回動操作された際に、前述したロック装置70の保持部材72の頭部72cを蹴り動かしてこれを回動操作する機能部品して設けられている。ここで、第2操作部82aと第2押動部82bとの間に設けられた巻きバネ82dのバネ力は、ロック装置70のフック71と保持部材72との間に設けられた引張バネ73のバネ力よりも強く設定されている。したがって、上記のように第2操作部82aと第2押動部82bとの一体的な状態を維持したままで、保持部材72を図示時計回り方向に回動させる操作が行えるようになっている。
しかし、図12に示されるように、アッパレール52のスライド移動によって保持部材72の解除位置までの回動が規制されている状態の場合には、この回動規制によって第2押動部82bの図示時計回り方向の回動は途中位置で規制される。しかし、この第2押動部82bの回動規制状態で、第1ケーブル9の牽引操作が更に進行して行われると、第2操作部82aは、この第1ケーブル9の牽引操作力によって、巻きバネ82dのバネ力に抗して図示時計回り方向に回動操作される。
したがって、上記のように第2押動部82bの回動が途中位置で規制される場合においても、第2操作部82aを空振り回動させて第1ケーブル9に異常な負荷がかからないようにすることができる。なお、このときの第1ケーブル9の操作には、前述した巻きバネ81dのバネ力に加えて巻きバネ82dのバネ力も抵抗力として作用するため、かかる操作が重くなる。
続いて、図10に戻って、前述したスライドロック装置53のロック解除の操作を行うスライドロック解除操作機構90の構成について説明する。
このスライドロック解除操作機構90は、第2ケーブル91と、L字リンク92と、引張バネ93と、から成る。
詳しくは、第2ケーブル91は、線状のインナー部材91aが管状のアウター部材91bの管内に挿通された2重構造となっている。そして、図示されている側のインナー部材91aの端部は、後述するL字リンク92のケーブル掛部92aに掛着されており、アウター部材91bの端部は、支持機構5の支持板5tに一体的に形成されたケーブル掛部tcに掛着されている。この第2ケーブル91は、その他端側において図示しない操作部材と連結されており、この操作部材の操作に伴って、インナー部材91aが他端側から牽引操作されるようになっている。
次いで、L字リンク92は、支軸92dによって支持板5tに回動可能に軸支連結されている。このL字リンク92は、その図示上方に延びる腕側の先端部に、上述したインナー部材91aの端部が掛着されるケーブル掛部92aが形成されている。そして、L字リンク92の図示右方に延びる腕側の先端部には、前述したスライドロック装置53の操作腕53aの受部axを押し操作する押部92cが形成されている。このL字リンク92は、上記した右方に延びる腕部に形成された掛部92bと支持板5tに形成された掛部tdとの間に引張バネ93が掛着されている。これにより、L字リンク92は常時は図示反時計回り方向に回動附勢されており、第2ケーブル91が牽引操作前の初期位置の姿勢状態に保持されている。
このL字リンク92は、上述した図示しない操作部材の操作に伴って第2ケーブル91が牽引操作されることにより、図示時計回り方向に回動操作される。これにより、L字リンク92は、押部92cによって操作腕53aの受部axを押し動かして、この操作腕53aを図示時計回り方向に回動させる。そして、これにより、図13において前述したようにロック爪53cがロック状態を解除する回動位置まで押し回されるようになっている。
続いて、本実施例の使用方法について説明する。
すなわち、図1を参照して、シート本体1は、その通常の着座使用される状態時には、シートクッション3がフロア面F上に倒伏した位置で係合ロックされており、シートバック2が起立した姿勢状態の位置に保持されている。
そこで、この状態のシート本体1を、折畳み姿勢状態に切換えたり更にフロア面Fから起こし上げて格納したりするために、シートクッション3の底面部3bに設けられた操作レバーLを後方側に引く操作を行う。
具体的には、操作レバーLを後方側に引く操作を行って、操作レバーLを図3に示す回動位置から図4に示す回動位置まで移動させる。これにより、切換アーム6aが図示時計回り方向に回動操作され、各リクライニング装置6,6のロック状態が解除される。これにより、シートバック2の背凭れ角度の固定状態が解除されて、シートバック2が前倒しされていく。
このとき、操作レバーLは、第1ブラケット10に取り付けられたころ13が規制部材30の突当面31と当接する位置で、その回動操作の進行が規制される。これにより、操作レバーLは、その後方側に引く一度の操作によっては、シートバック2の背凭れ角度の固定状態を解除するまでの操作しか行えないようになっている。
そして、図5に示されるように、シートバック2が前倒しされると、この動きに連動して規制部材30による操作レバーLの回動規制状態が解除される。したがって、この状態で操作レバーLの操作をやめれば、シート本体1をフロア面F上で折畳んだ姿勢状態(図1の実線状態)としてとどめておくことができる。
しかし、この状態から操作レバーLの回動操作を更に進行させて図7の実線で示される第2の回動位置まで回動させると、第2ブラケット20が同方向に回動操作されて第1ケーブル9が牽引操作される。
このとき、スライドレール機構50のアッパレール52のスライド位置が、図11に示されるように凹部52s1,52s2と凹部51s1,51s2とが互いに合致する位置となっている場合には、図1に示されるように、第1ケーブル9の牽引操作に伴って、各ロック装置60,70の係合ロック状態が解除されて、シート本体1が折畳み姿勢状態でフロア面Fから起こし上げられて車体壁部Bの位置に起立姿勢状態となって格納される。
しかし、図12に示されるように凹部52s1,52s2と凹部51s1,51s2とが互いにずれた関係となる位置にある場合には、第1ケーブル9の牽引操作を伴っても、各ロック装置60,70の係合ロック状態は解除されず、シート本体1は折畳み姿勢状態でフロア面Fに倒伏した姿勢状態のままとなる。なお、このときの第1ケーブル9の操作は、ロック解除操作機構80に設けられた各巻きバネ81d,82dの附勢力に抗して行われるため、かかる操作が重くなる。
ここで、図7に示されるように、操作レバーLが図示された第2の回動位置まで回動操作された状態では、第1ブラケット10の操作部11が首振アーム6bに取り付けられた係合ピン6cを回動方向に乗り越えて、両者の配置関係が逆転した状態となる。したがって、この逆転した配置関係のままで首振アーム6b(切換アーム6a)や第1ブラケット10が初期位置に戻されると、その後の操作レバーLによる回動操作が行えない状態となってしまう。
しかし、本実施例の構成では、首振アーム6bは、操作レバーLが元の初期位置に戻される動きに伴って、上記した両者の逆転した配置関係が元の状態に戻されるようになっている。すなわち、同図に示されるように、操作レバーLがその操作をやめることによって時計回り方向に回動すると、首振アーム6bに取り付けられた係合ピン6cが第1ブラケット10の操作部11に押動される。このとき、切換アーム6aは、フリーゾーン状態にある各リクライニング装置6,6の保持力によってその回動位置状態に保持されるため、上記の押圧力を受けても押し動かされずにいる。したがって、首振アーム6bのみが切換アーム6aとの連結軸6pを中心に反時計回り方向に回動して首振運動し、操作レバーLが係合ピン6cを乗り越えて初期位置に戻される。これにより、両者の配置関係が逆転する前の元の状態に戻される。
このように、本実施例の車両用シートのロック解除操作機構では、図12に示されるようにシート本体1の前後方向の着座位置が解除操作可能な特定の位置から外れているとき(凹部52s1,52s2と凹部51s1,51s2とがずれた関係にあるとき)には、操作レバーLのレバー操作が通常の解除操作時の操作力よりも重くなるようにしたことにより、使用者に対してレバー操作による解除操作が行えない状態であることを操作感により感じ取らせ易くすることができる。
更に、シート本体1をフロア面Fに対して係合ロックさせるための構成として、構成が比較的単純なストライカ5s,5sをシート本体1側に配設し、構成が大掛かりなロック装置60,70をスライドレール機構50側に配設したことにより、フロア面Fとの係合から外されて使用されるシート本体1側の構成部品を簡素にすることができる。
更に、操作レバーLのレバー操作を手動操作によって行う構成としたことにより、レバー操作が重くなる感じを操作者が直接的に感じ取ることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例について説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。
例えば、係脱機構としてのストライカとロック装置とから成る係合ロック構造がシート本体とスライドレール機構との間の前後2箇所の位置に配設されたものを示したが、1箇所若しくは3箇所以上の位置に配設されるものであってもよい。
また、第1回動部材と第2回動部材との回動運動を連動させる動力伝達部材として連結リンクを示したが、ケーブル等の他の伝達部材を用いることも可能である。
また、シート本体が特定の着座位置から外れている場合にロック装置を解除不能な状態にするための構成として、ロアレールに形成したロック装置の解除動作を受け入れ可能な凹部の位置を、アッパレールのスライド移動に伴って受け入れが不能となる位置まで離間移動させる構成を示した。しかし、例えば、ロック装置がシート本体側に設けられて、ストライカがアッパレール側に設けられる構成となっている場合には、上記したアッパレールのスライド位置の変化に応じてロック装置の解除動作を許容した状態と規制した状態とに切換えるための何らかの機構を設けることが必要となる。
実施例1の車両用シートの概略構成を表した斜視図である。 車両用シートのロック解除操作機構の全体構成を表した側面図である。 操作レバーの回動操作前の初期位置状態を表した構成図である。 操作レバーの回動操作が規制された状態を表した作動図である。 シートバックが前倒しされて操作レバーの回動規制状態が解除された状態を表した作動図である。 操作レバーを第2の回動位置まで回動操作した状態を表した作動図である。 図6の状態から操作レバーの操作をやめた時の首振アームの動きを表した作動図である。 操作レバーのレバー構造を表した分解斜視図である。 スライドレール機構の分解斜視図である。 ロック装置の係合ロック状態を表した構成図である。 図9の状態から第1ケーブルが牽引操作されてロック装置の係合ロックが解除された状態を表した作動図である。 第1ケーブルが牽引操作されてもロック装置の係合ロックが解除されない状態を表した作動図である。 スライドレール機構の横断面形状を表した図9のXIII-XIII線断面図である。
符号の説明
1 シート本体
2 シートバック
2f バックフレーム
2b 押動部材
3 シートクッション
3f クッションフレーム
3b 底面部
3d 収納凹部
4 ヒンジ機構
4s 巻きバネ
5 支持機構
5t 支持板
ta ストッパ
tb ケーブル掛部
tc ケーブル掛部
td 掛部
te 掛部
5s ストライカ
6 リクライニング装置
6r 切換軸
6a 切換アーム
as ストッパ
6t 固定リング
6p 連結軸
6u 巻きバネ
6b 首振アーム
bs ストッパ
6c 係合ピン
6e ころ
6f 固定リング
7 ベース板
7s 前倒れストッパ
7h 長孔
7w ケーブル掛部
7c 掛部
7b ボルト
8 支軸
8b 巻きバネ
9 第1ケーブル
9a インナー部材
9b アウター部材
10 第1ブラケット
11 操作部
12 係合ピン
13 ころ
14 固定リング
20 第2ブラケット
21 ケーブル掛部
22 係合片
30 規制部材
31 突当面
32 支軸
33 巻きバネ
34 ストッパ
40 解除部材
41 受圧部
42 連結ピン
43 スライドピン
50 スライドレール機構
51 ロアレール
51u 下面部
51x1 右側面部
51x2 右返し面部(規制部材)
51y1 左側面部
51y2 左返し面部
51h 貫通孔
51s1,51s2 凹部
52 アッパレール
52a1 右側面部
52a2 右ひれ面部
52b1 左側面部
52b2 左ひれ面部
52h 貫通孔
52s1,52s2 凹部
53 スライドロック装置
53a 操作腕
ax 受部
ay 押部
53b 支軸
53c ロック爪
ct 突板
53d 支軸
60,70 ロック装置
61,71 フック
61a,71a 支軸
61b,71b 係止凸部
61c,71c 頭部
61d,71d 受部
61e,71e 押さえ部
62,72 保持部材
62a,72a 支軸
62b,72b 係止凹部
62c,72c 頭部
62d,72d 脚部
63,73 引張バネ
80 ロック解除操作機構
81 第1回動部材(回動部材)
81a 第1操作部(操作部)
ah 長孔
au ストッパ
81b 第1押動部(押動部)
bp 係合ピン
bm 掛部
81c 支軸
81d 巻きバネ
82 第2回動部材(回動部材)
82a 第2操作部(操作部)
at ストッパ
82b 第2押動部(押動部)
bq 係合ピン
bn 掛部
82c 支軸
82d 巻きバネ
83 連結リンク
83a 支軸
83b 支軸
84 巻きバネ
90 スライドロック解除操作機構
91 第2ケーブル
91a インナー部材
91b アウター部材
92 L字リンク
92a ケーブル掛部
92b 掛部
92c 押部
92d 支軸
93 引張バネ
L 操作レバー
B 車体壁部
F フロア面

Claims (3)

  1. 着座部となるシート本体とフロア面との係合ロック状態を解除することのできる車両用シートのロック解除操作機構であって、
    前記シート本体とフロア面との間には、該シート本体をフロア面に対して水平方向にスライド移動可能に支持して該シート本体の着座位置の調整を行えるようにするスライドレール機構が配設されており、
    該スライドレール機構と前記シート本体との間には、両者を互いに係合ロックさせたり外したりすることのできる係脱機構が配設されており、
    該係脱機構は、その係合ロックの解除を行うためのレバー操作を行うことにより該レバー操作に連動して回動する回動部材に押動されて解除方向に作動操作されるようになっており、
    前記回動部材は前記レバー操作の操作力を受けて回動する操作部と該操作部に対して首振り運動可能に連結されて常時は該操作部との間に設けられた弾性部材の弾性力によりその首振り運動が規制された状態として該操作部と一体的となって前記係脱機構を解除操作方向に押動する押動部とを有し、該回動部材は前記シート本体が前記スライドレール機構によって特定の着座位置状態とされている場合には前記レバー操作に連動して前記操作部と押動部とが一体的となって前記係脱機構の係合ロック状態を解除可能な操作位置まで回動するが、該シート本体が特定の着座位置から外れた状態とされている場合には前記回動部材は前記スライドレール機構の構成部品に関連して設けられた規制部材の作用によって前記押動部の解除操作位置までの回動が規制されるようになっており、該押動部の回動規制状態では前記レバー操作の進行に対して前記操作部が前記弾性部材の弾性力に抗して押動部に対して屈曲状に相対回動し前記レバー操作からの強制操作力が弾性的に逃がされる構成となっていることを特徴とする車両用シートのロック解除操作機構。
  2. 請求項1に記載の車両用シートのロック解除操作機構であって、
    前記係脱機構は、
    前記シート本体に設けられたフレーム構造のストライカと、
    前記スライドレール機構に設けられて前記ストライカに対して掛け外し可能なフックを備えたロック装置と、を有し、
    前記回動部材は前記シート本体に設けられており、その回動運動に伴なって前記スライドレール機構に設けられたロック装置の係合ロック状態を保持するための保持部材を押動し係合ロックを解除する構成となっていることを特徴とする車両用シートのロック解除操作機構。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートのロック解除操作機構であって、
    前記係脱機構の係合ロック状態の解除操作を行うレバー操作は、手動操作による操作力によって行われるようになっていることを特徴とする車両用シートのロック解除操作機構。
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