JP5003789B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力回転体に対する出力回転体の相対的な回転位相を変更することによりバルブタイミングを変更する油圧式可変動弁機構を含む内燃機関の可変動弁装置に関する。
上記可変動弁装置として、例えば特許文献1に記載されているように、油圧式可変動弁機構、油圧制御機構および制御装置を含むものが知られている。
油圧式可変動弁機構は、入力回転体に対する出力回転体の回転位相を変更することによりバルブタイミングを変更する機能、および入力回転体と出力回転体とを互いに係合することによりバルブタイミングを最遅角に固定する機能とを備えている。
制御装置は、バルブタイミングの固定を解除する要求があるとき、油圧制御機構のデューティ比を100%に設定する。これにともない、油圧制御機構の動作状態はバルブタイミングを進角するとともにバルブタイミングの固定を解除する状態に変更される。
これにより、油圧式可変動弁機構の進角室に潤滑油が供給され、かつ遅角室から潤滑油が排出され、かつロックピンを係合穴から抜くための解除室に潤滑油が供給される。このとき、ロックピンによる入力回転体と出力回転体との係合が解除される。
特開2009−203830号公報
ところが、バルブタイミングの固定を解除するときにデューティ比を100%にすると、バルブタイミングを固定するロックピンが係合穴から抜け出る前にロックピンと係合穴とが互いに押し合って、ロックピンが係合穴から抜けにくくなる場合があった。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バルブタイミングの固定を円滑に解除することができる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、入力回転体に対する出力回転体の回転位相を変更することによりバルブタイミングを変更する機能および前記入力回転体と前記出力回転体とを互いに係合することによりバルブタイミングを特定角に固定する機能を備える油圧式可変動弁機構と、この油圧式可変動弁機構への潤滑油の供給態様を制御する油圧制御機構と、この油圧制御機構のデューティ比を設定領域内で変更する制御装置とを含む内燃機関の可変動弁装置において、前記設定領域は、不感帯および感帯を含む領域であり、前記不感帯は、保持領域および解除領域を含む領域であり、前記保持領域は、バルブタイミングの変化速度が「0」となるデューティ比である保持デューティ比を含む領域であり、前記解除領域は、バルブタイミングの変化速度が前記保持領域よりも大きく、かつ前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する領域であり、前記感帯は、バルブタイミングの変化速度が前記不感帯内の前記保持領域および前記解除領域よりも大きい領域であり、前記制御装置は、機関運転状態が、前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する要求である解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記解除領域内のデューティ比に設定するものであることを要旨とする。
この発明では、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、油圧制御機構のデューティ比を解除領域内のデューティ比に設定する。すなわち、入力回転体と出力回転体との係合を解除するとき、油圧制御機構のデューティ比を感帯のデューティ比よりも小さくしている。従って、バルブタイミングの固定を円滑に解除することができる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記解除領域は、バルブタイミングの進角側への変化速度である進角速度が前記保持領域よりも大きく、かつ前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する進角解除領域であり、前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記進角解除領域内のデューティ比に設定するものであることを要旨とする。
この発明によれば、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、油圧制御機構のデューティ比を進角解除領域内のデューティ比に設定するため、バルブタイミングの進角速度が大きいことに起因して入力回転体と出力回転体との係合が解除されない状況が生じる頻度を少なくすることができる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、バルブタイミングの進角速度が第1進角速度となるデューティ比を第1進角デューティ比とし、バルブタイミングの進角速度が前記第1進角速度よりも大きい第2進角速度となるデューティ比を第2進角デューティ比として、前記第1進角デューティ比から前記第2進角デューティ比までの領域が前記進角解除領域として設定されることを要旨とする。
この発明によれば、油圧制御機構のデューティ比が進角解除領域内の値に設定されたとき、バルブタイミングの進角速度は第2進角速度よりも小さくなる。また、油圧制御機構のデューティ比が感帯内の値に設定されたとき、バルブタイミングの進角速度は第2進角速度よりも大きくなる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記解除要求状態を、バルブタイミングが前記特定角にありかつ機関運転状態が進角要求状態にある運転状態とし、前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記進角解除領域内のデューティ比に設定し、その後にバルブタイミングが前記特定角よりも進角側に変化したことが検出または推定されたとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記感帯内のデューティ比に変更することを要旨とする。
この発明では、バルブタイミングが特定角よりも進角側に変化したことが検出または推定されたとき、すなわち入力回転体と出力回転体との係合の解除が検出または推定されたとき、進角要求に基づいて、デューティ比を不感帯内の値から感帯内の値に変更する。従って、入力回転体と出力回転体との係合が解除される前にバルブタイミングの進角速度が大きなものに設定されることを抑制することができる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記油圧式可変動弁機構は、バルブタイミングを進角するための進角室と、バルブタイミングを遅角するための遅角室と、バルブタイミングの前記特定角での固定を解除するための進角解除室とを含むものであり、前記油圧制御機構は、前記油圧式可変動弁機構の潤滑油の供給態様が互いに異なる複数の動作モードを有するとともに、そのうちの1つとして、前記進角室および前記進角解除室に潤滑油を供給するとともに前記遅角室の潤滑油を保持する進角解除モードを有するものであり、前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記進角解除領域内のデューティ比に設定することにより、前記油圧制御機構の動作モードを前記進角解除モードに設定することを要旨とする。
この発明では、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、進角室および進角解除室に潤滑油を供給するとともに遅角室の潤滑油を保持するため、遅角室の潤滑油を保持しない場合と比較してバルブタイミングの進角速度が小さくなる。従って、バルブタイミングの固定をより円滑に解除することができる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記進角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が排出されるものであり、前記遅角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が排出され、前記油圧制御機構が前記進角解除モードにあるときに潤滑油が保持されるものであり、前記進角解除室は、前記進角室を介して潤滑油が供給されるものであることを要旨とする。
この発明によれば、油圧制御機構の動作モードが進角解除モードに設定されたとき、進角室に潤滑油が供給され、進角室を介して進角解除室に潤滑油が供給され、遅角室に潤滑油が保持される。これにより、入力回転体と出力回転体との係合が円滑に解除される。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記油圧式可変動弁機構は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を変更することにより吸気バルブのバルブタイミングを変更する機能、および前記入力回転体と前記出力回転体とを互いに係合することによりバルブタイミングを前記特定角としての最遅角に保持する機能を備えることを要旨とする。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記解除領域は、バルブタイミングの遅角側への変化速度である遅角速度が前記保持領域よりも大きく、かつ前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する遅角解除領域であり、前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記遅角解除領域内のデューティ比に設定するものであることを要旨とする。
この発明によれば、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、油圧制御機構のデューティ比を遅角解除領域内のデューティ比に設定するため、バルブタイミングの遅角速度が大きいことに起因して入力回転体と出力回転体との係合が解除されない状況が生じる頻度を少なくすることができる。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の可変動弁装置において、バルブタイミングの遅角速度が第1遅角速度となるデューティ比を第1遅角デューティ比とし、バルブタイミングの遅角速度が前記第1遅角速度よりも大きい第2遅角速度となるデューティ比を第2遅角デューティ比として、前記第2遅角デューティ比から前記第1遅角デューティ比までの領域が前記遅角解除領域として設定されることを要旨とする。
この発明によれば、油圧制御機構のデューティ比が遅角解除領域内の値に設定されたとき、バルブタイミングの遅角速度は第2遅角速度よりも小さくなる。また、油圧制御機構のデューティ比が感帯内の値に設定されたとき、バルブタイミングの遅角速度は第2遅角速度よりも大きくなる。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記解除要求状態を、バルブタイミングが前記特定角にありかつ機関運転状態が遅角要求状態にある運転状態とし、前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記遅角解除領域内のデューティ比に設定し、その後にバルブタイミングが前記特定角よりも遅角側に変化したことが検出または推定されたとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記感帯内のデューティ比に変更することを要旨とする。
この発明では、バルブタイミングが特定角よりも遅角側に変化したことが検出または推定されたとき、すなわち入力回転体と出力回転体との係合の解除が検出または推定されたとき、遅角要求に基づいて、デューティ比を不感帯内の値から感帯内の値に変更する。従って、入力回転体と出力回転体との係合が解除される前にバルブタイミングの遅角速度が大きなものに設定されることを抑制することができる。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記油圧式可変動弁機構は、バルブタイミングを進角するための進角室と、バルブタイミングを遅角するための遅角室と、バルブタイミングの前記特定角での固定を解除するための遅角解除室とを含むものであり、前記油圧制御機構は、前記油圧式可変動弁機構の潤滑油の供給態様が互いに異なる複数の動作モードを有するとともに、そのうちの1つとして、前記遅角室および前記遅角解除室に潤滑油を供給するとともに前記進角室の潤滑油を保持する遅角解除モードを有するものであり、前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記遅角解除領域内のデューティ比に設定することにより、前記油圧制御機構の動作モードを前記遅角解除モードに設定することを要旨とする。
この発明では、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、遅角室および解除室に潤滑油を供給するとともに進角室の潤滑油を保持するため、進角室の潤滑油を保持しない場合と比較してバルブタイミングの遅角速度が小さくなる。従って、バルブタイミングの固定をより円滑に解除することができる。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記進角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が排出され、前記油圧制御機構が前記遅角解除モードにあるときに潤滑油が保持されるものであり、前記遅角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が排出されるものであり、前記遅角解除室は、前記遅角室を介して潤滑油が供給されるものであることを要旨とする。
この発明によれば、油圧制御機構の動作モードが遅角解除モードに設定されたとき、遅角室に潤滑油が供給され、遅角室を介して遅角解除室に潤滑油が供給され、進角室に潤滑油が保持される。これにより、入力回転体と出力回転体との係合が円滑に解除される。
(13)請求項13に記載の発明は、請求項8〜12のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記油圧式可変動弁機構は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を変更することにより排気バルブのバルブタイミングを変更する機能、および前記入力回転体と前記出力回転体とを互いに係合することによりバルブタイミングを前記特定角としての最進角に保持する機能とを備えることを要旨とする。
(14)請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記制御装置は、機関始動後に前記保持デューティ比を学習するものであり、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記学習した保持デューティ比に基づいて前記解除領域を設定することを要旨とする。
本発明の一実施形態について内燃機関の構造を模式的に示す模式図。 同実施形態のバルブタイミング可変機構について、(A)は同バルブタイミング可変機構の断面構造を示す断面図、(B)は(A)のA−A線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の位相固定機構の構造を模式的に示す断面図。 同実施形態の油圧制御装置を模式的に示す模式図。 同実施形態のオイルコントロールバルブの構造を模式的に示す断面図。 同実施形態のオイルコントロールバルブの構造を模式的に示す断面図。 同実施形態のオイルコントロールバルブについて、デューティ比と変位速度との関係を示すグラフ。 同実施形態のオイルコントロールバルブについて、バルブタイミングの変位速度と、制限ピンの移動速度と、制限ピンと係合穴との押圧力との関係を示すグラフ。 同実施形態の可変動弁装置について、フィードバック制御によるバルブタイミングの変化を示すタイミングチャート。 同実施形態の可変動弁装置について電子制御装置により実行される「バルブタイミング制御」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の可変動弁装置について、デューティ比およびバルブタイミングの変化を示すタイミングチャート。
図1〜図11を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1に内燃機関の全体構成を示す。
内燃機関1は、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12およびオイルパン13を含む機関本体10と、シリンダヘッド12に設けられた動弁系の各要素を含む可変動弁装置20と、機関本体10等に潤滑油を供給する油圧制御装置50と、これら装置を統括的に制御する制御装置90とを含む。
可変動弁装置20は、燃焼室14を開閉する吸気バルブ21および排気バルブ23と、これらバルブそれぞれを押し下げる吸気カムシャフト22および排気カムシャフト24と、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト22の回転位相(以下、「バルブタイミングVT」)を変更するバルブタイミング可変機構30と、を含めて構成されている。
油圧制御装置50は、オイルパン13の潤滑油を吐出するオイルポンプ52と、オイルポンプ52から吐出された潤滑油を内燃機関1の各部位に供給する潤滑油路51と、バルブタイミング可変機構30への潤滑油の供給態様を制御するオイルコントロールバルブ60とを含めて構成されている。
制御装置90は、内燃機関1を制御するための各種の演算処理等を行う電子制御装置91と、クランクポジションセンサ92およびカムポジションセンサ93をはじめとする各種のセンサとを含めて構成されている。クランクポジションセンサ92は、クランクシャフト15の回転角度に応じた信号を電子制御装置91に出力する。カムポジションセンサ93は、吸気カムシャフト22の回転角度に応じた信号を電子制御装置91に出力する。
電子制御装置91は、各種の制御に用いるためのパラメータとして次のものを算出する。すなわち、クランクポジションセンサ92からの出力信号に基づいて、クランクシャフト15の回転角度に相当する演算値(以下、「クランク角度信号CA」)を算出する。また、カムポジションセンサ93からの出力信号に基づいて、吸気カムシャフト22の回転角度に相当する演算値(以下、「吸気カム角度信号DA」)を算出する。また、クランク角度信号CAおよび吸気カム角度信号DAに基づいてバルブタイミングVTに相当する演算値(以下、「実位相角VTR」)を算出する。
電子制御装置91により行われる制御として、バルブタイミング可変機構30の制御によりバルブタイミングVTを変更するバルブタイミング制御が挙げられる。バルブタイミング制御では、機関運転状態に基づいてバルブタイミングVTを最も進角側のバルブタイミングVT(以下、「最進角VTmax」)と最も遅角側のバルブタイミングVT(以下、「最遅角VTmin」)との間で変更する。また、内燃機関1の停止時にはバルブタイミングVTを最遅角VTmin(特定位相)に変更する。
図2を参照して、バルブタイミング可変機構30の構成について説明する。なお、図中の矢印Xは、クランクシャフト15(スプロケット33)および吸気カムシャフト22の回転方向Xを示している。
バルブタイミング可変機構30は、クランクシャフト15に同期して回転するハウジングロータ31と、吸気カムシャフト22に同期して回転するベーンロータ35と、バルブタイミングVTを最進角VTmaxに固定する位相固定機構40とを含めて構成されている。
ハウジングロータ31は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト15に連結されたスプロケット33と、スプロケット33の内側に組みつけられてスプロケット33と一体的に回転するハウジング本体32と、ハウジング本体32に取り付けられるカバー34とを含めて構成されている。ハウジング本体32には、径方向においてハウジングロータ31の回転軸(吸気カムシャフト22)に向けて突出する3つの区画壁31Aが設けられている。
ベーンロータ35は、吸気カムシャフト22の端部に固定されるとともにハウジング本体32内の空間に配置されている。ベーンロータ35には、ハウジング本体32の隣り合う区画壁31Aの間に向けて突出した3つのベーン36が設けられている。各ベーン36は、区画壁31Aの間に形成されているベーン収容室37を進角室38および遅角室39に区画している。
進角室38は、ベーン収容室37内においてベーン36よりも吸気カムシャフト22の回転方向Xの後方側に位置している。遅角室39は、ベーン収容室37内においてベーン36よりも吸気カムシャフト22の回転方向Xの前方側に位置している。進角室38および遅角室39の容積は、オイルコントロールバルブ60によるバルブタイミング可変機構30に対する潤滑油の供給状態に応じて変化する。
バルブタイミング可変機構30の動作について説明する。
進角室38への潤滑油の供給および遅角室39からの潤滑油の排出により、進角室38が拡大するとともに遅角室39が縮小して、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して進角側すなわち吸気カムシャフト22の回転方向Xに回転する。これにより、バルブタイミングVTが進角側に変化する。ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して最も進角側に回転したとき、すなわちハウジングロータ31に対するベーンロータ35の回転位相が回転方向Xの最も前方側の位相にあるとき、バルブタイミングVTは最進角VTmaxに設定される。
進角室38からの潤滑油の排出および遅角室39への潤滑油の供給により、遅角室39が拡大するとともに進角室38が縮小して、ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して遅角側すなわち吸気カムシャフト22の回転方向Xとは反対方向に回転する。これにより、バルブタイミングVTは遅角側に変化する。ベーンロータ35がハウジングロータ31に対して最も遅角側に回転したとき、すなわちハウジングロータ31に対するベーンロータ35の回転位相が回転方向Xの最も後方側の位相(以下、「最遅角位相PB」)にあるとき、バルブタイミングVTは最遅角VTminに設定される。
図3を参照して位相固定機構40の構造を説明する。
位相固定機構40は、ベーン36に設けられた制限ピン41と、制限ピン41を収容する収容室42と、制限ピン41と係合する係合穴48と、制限ピン41を移動させる動作部43と、を含めて構成されている。係合穴48は、スプロケット33の壁面のうちで、ハウジングロータ31に対してベーンロータ35が最遅角位相PBに回転したときに制限ピン41が配置されるところに対応して設けられている。
動作部43は、ベーン36内に設けられて制限ピン41を一方向に押す制限ばね44と、ベーン36内に形成された同ばねを収容するばね室45と、ベーン36内部に設けられて制限ピン41を移動する遅角解除室46と、スプロケット33に設けられて制限ピン41を移動する進角解除室47とを含めて構成されている。
遅角解除室46は、制限ピン41の摺接部41bと、制限ピン41の側面と、制限ピン41が収容する収容室42の壁面とにより囲われている。収容室42の壁面には、遅角室39と遅角解除室46とを連通する遅角連通路46aが設けられている。遅角連通路46aを通じて遅角解除室46に潤滑油が供給される。潤滑油が遅角解除室46に供給されたとき、制限ピン41の摺接部41bに油圧が加わるため、制限ばね44の力に抗して制限ピン41がベーン36に収容される方向(以下、「収容方向ZB」)に動作する。遅角解除室46と進角室38とが連通しているため、遅角室39に潤滑油が供給されることにより、制限ピン41が収容方向ZBに動作する。
進角解除室47は係合穴48の内部空間として構成されている。進角解除室47には、同室と進角室38とを連通する進角連通路47aが設けられている。進角連通路47aを通じて進角解除室47に潤滑油が供給される。潤滑油が進角解除室47に供給されたとき、制限ピン41の先端面41aに油圧が加わるため、制限ピン41は収容方向ZBに動作する。進角解除室47と進角室38とが連通しているため、進角室38に潤滑油が供給されたとき、制限ピン41が収容方向ZBに動作する。
遅角解除室46および進角解除室47に潤滑油が供給されていないとき、制限ばね44の力により制限ピン41がベーン36から突出する方向(以下、「突出方向ZA」)に動作する。制限ピン41に突出方向ZAの力が加わっているときに、ハウジングロータ31に対してベーンロータ35が回転して制限ピン41が係合穴48のところに移動すると、制限ピン41が突出して係合穴48に嵌まり込む。これにより、ハウジングロータ31とベーンロータ35とが固定される。
バルブタイミング可変機構30の動作と位相固定機構40の動作との関係について説明する。
バルブタイミングVTの進角要求があるとき、油圧制御装置50により進角室38に潤滑油が供給される。このとき、進角解除室47にも潤滑油が供給される。このため、制限ピン41が収容室42に収容された状態で、ハウジングロータ31に対してベーンロータ35が進角側に回転する。
バルブタイミングVTの遅角要求があるとき、油圧制御装置50により遅角室39に潤滑油が供給される。このとき、遅角解除室46にも潤滑油が供給される。このため、制限ピン41が収容室42に収容された状態で、ハウジングロータ31に対してベーンロータ35が遅角側に回転する。
機関停止時においてバルブタイミングVTの最遅角要求があるとき、油圧制御装置50により、遅角室39に潤滑油が供給される状態に維持される。これにより、ハウジングロータ31に対してベーンロータ35が遅角側に回転する。また、機関停止のためオイルポンプ52の回転低下により油圧が徐々に低下する。このため、進角解除室47および遅角解除室46の油圧が低下するため制限ピン41は突出方向ZAに付勢される。ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の回転位相が最遅角位相PBになったとき、制限ピン41が係合穴48に嵌まりこむ。これにより、バルブタイミングVTが最遅角VTminに固定される。
図4を参照して、油圧制御装置50による潤滑油の供給構造について説明する。
バルブタイミング可変機構30には、油圧制御装置50により潤滑油の供給および排出の状態が切り替えられる2種類の油圧室、すなわち進角室38および遅角室39が設けられている。進角室38と進角解除室47とは進角連通路47aを介して連通されている。遅角室39と遅角解除室46とは遅角連通路46aを介して連通されている。
オイルポンプ52から吐出された潤滑油は、供給油路54または給油路を介してオイルコントロールバルブ60に供給される。潤滑油は、オイルコントロールバルブ60の動作状態に応じて次のように潤滑油路51を流通する。
(a)オイルコントロールバルブ60の動作状態が進角室38に潤滑油を供給し、かつ遅角室39から潤滑油を排出する動作状態(以下、「第1モードMD1」)にあるとき、進角油路55を介して進角室38に潤滑油が供給されるとともに遅角油路56を介して遅角室39の潤滑油が排出される。遅角室39から排出された潤滑油は、オイルコントロールバルブ60および排出油路53を介してオイルパン13に戻される。
(b)オイルコントロールバルブ60の動作状態が進角室38に潤滑油を供給し、かつ遅角室39に対する潤滑油の流通を遮断する動作状態(以下、「第2モードMD2」)にあるとき、進角油路55を介して進角室38に潤滑油が供給されるとともに遅角油路56が閉鎖される。
(c)オイルコントロールバルブ60の動作状態が進角室38に対する潤滑油の流通を遮断し、かつ遅角室39に対する潤滑油の流通を遮断する動作状態(以下、「第3モードMD3」)にあるとき、遅角油路56および進角油路55が閉鎖される。すなわち、進角室38および遅角室39の油圧が一定に維持される。
(d)オイルコントロールバルブ60の動作状態が進角室38に対する潤滑油の流通を遮断し、かつ遅角室39に潤滑油を供給する動作状態(以下、「第4モードMD4」)にあるとき、遅角油路56を介して遅角室39に潤滑油が供給されるとともに進角油路55が閉鎖される。
(e)オイルコントロールバルブ60の動作状態が進角室38から潤滑油を排出し、かつ遅角室39から潤滑油を供給する動作状態(以下、「第5モードMD5」)にあるとき、進角油路55を介して進角室38から潤滑油が排出されるとともに遅角油路56を介して遅角室39に潤滑油が供給される。進角室38から排出された潤滑油は、オイルコントロールバルブ60および排出油路53を介してオイルパン13に戻される。
図5を参照して、オイルコントロールバルブ60の構造を説明する。
オイルコントロールバルブ60は、複数のポートが設けられたスリーブ61と、スリーブ61内に設けられるスプール62とにより構成されている。スプール62がスリーブ61に対して移動することにより、ポート同士の連通状態を切り替えて進角室38および遅角室39に対する潤滑油の流通状態を変更する。
スリーブ61には、進角油路55に接続される進角ポート61aと、遅角油路56に接続される遅角ポート61bと、供給油路54に接続される供給ポート61cと、排出油路53に接続される第1排出ポート61dと、同排出油路53に接続される第2排出ポート61eとが形成されている。
スプール62の先端部には、同スプール62を進角ポート61aから遅角ポート61bの方向に向けて押すスプールばね63が設けられている。スプール62の基部には、スプールばね63に抗して同スプール62を移動する駆動機構が設けられている。駆動機構は、電子制御装置91から出力されるデューティ比に基づいてスプール62を移動する。
スプール62には、スリーブ61に対する同スプール62の移動にともない、各ポートの開口面積を変更する次の各弁体が設けられている。すなわち、供給ポート61cおよび第1排出ポート61dおよび進角ポート61aの開口面積を変更する進角弁64と、供給ポート61cおよび遅角ポート61bおよび第2排出ポート61eの開口面積を変更する遅角弁65と、スプール62の端部に設けられた封止弁66とが設けられている。
オイルコントロールバルブ60は、スリーブ61に対してスプール62の軸方向に移動することにより、進角室38および遅角室39に対する潤滑油の流通状態を上記第1モードMD1〜第5モードMD5のいずれかに切り換える。
図5および図6を参照して各動作モードとスプール62の位置との関係を説明する。なお、第1位置PS1〜第4位置PS4は、所定の位置を示すのではなく、各位置について下記に示す潤滑油の流通状態を満たす位置関係を示す。
図5(A)に示されるように、オイルコントロールバルブ60の動作が第5モードMD5に設定されるとき、スリーブ61に対するスプール62の位置が第1位置PS1となり、各ポート間が次の連通状態に維持される。すなわち進角ポート61aと第1排出ポート61dとが連通され、かつ遅角ポート61bと供給ポート61cとが連通される。こうしたポート同士の連通状態にあることにより、進角室38から潤滑油が排出されるとともに、遅角室39に潤滑油が供給される。
図5(B)に示されるように、オイルコントロールバルブ60の動作が第4モードMD4に設定されるとき、スリーブ61に対するスプール62の位置が第2位置PS2となり、各ポート間が次の連通状態に維持される。すなわち進角ポート61aが進角弁64により閉鎖され、かつ遅角ポート61bと供給ポート61cとが連通される。このときの遅角ポート61bの開口面積は第5モードMD5に比べて小さい。こうしたポート同士の連通状態にあることにより、進角室38の潤滑油の流通が遮断されるとともに、遅角室39にわずかに潤滑油が供給される。
図5(C)に示されるように、オイルコントロールバルブ60の動作が第3モードMD3に設定されるとき、スリーブ61に対するスプール62の位置が第3位置PS3となり、各ポート間が次の連通状態に維持される。すなわち進角ポート61aが進角弁64により閉鎖され、かつ遅角ポート61bが遅角弁65により閉鎖される。このようにポート間の連通状態が遮断されることにより、進角室38および遅角室39の油圧が維持される。
図6(A)に示されるように、オイルコントロールバルブ60の動作が第2モードMD2に設定されるとき、スリーブ61に対するスプール62の位置が第4位置PS4となり、各ポート間が次の連通状態に維持される。すなわち進角ポート61aと供給ポート61cとが連通するとともに、遅角ポート61bが遅角弁65により閉鎖される。このときの進角ポート61aの開口面積は第1モードMD1に比べて小さい。こうしたポート同士の連通状態にあることにより、進角室38に潤滑油が供給されるとともに、遅角室39の潤滑油の流通が遮断される。
図6(B)に示されるように、オイルコントロールバルブ60の動作が第1モードMD1に設定されるとき、スリーブ61に対するスプール62の位置が第5位置PS5となり、各ポート間が次の連通状態に維持される。すなわち進角ポート61aと供給ポート61cとが連通され、かつ遅角ポート61bと第2排出ポート61eとが連通される。こうしたポート同士の連通状態にあることにより、進角室38に潤滑油が供給されるとともに、遅角室39から潤滑油が排出される。
図7を参照して、オイルコントロールバルブ60に入力されるデューティ比とバルブタイミングVTの変位速度(変化速度)SPとの関係について説明する。なお、デューティ比の値とスプール位置とは相関する。デューティ比の設定領域は、遅角感帯AR1と、不感帯AR2と、進角感帯AR3とに区分される。
不感帯AR2は、遅角解除領域BR1と保持領域BR2と進角解除領域BR3とに区分される。これら領域は、バルブタイミングVTの変位速度SPの変化率により区分されている。なお、不感帯AR2は、遅角側について、デューティ比に対し、バルブタイミングVTの変位速度SPの変化率が遅角感帯AR1の同変化率よりも小さくなる範囲、および進角側について、デューティ比に対し、バルブタイミングVTの進角方向への変位速度SPの変化率が進角感帯AR3の同変化率よりも小さくなる範囲を示す。
遅角感帯AR1は、バルブタイミングVTの遅角方向への変位速度SPが所定の変位速度(以下、「第2遅角速度A2」)よりも大きい範囲に対応する。デューティ比を遅角感帯AR1に設定するとき、スプール62は第1位置PS1にあり、オイルコントロールバルブ60は第5モードMD5で駆動する。
遅角解除領域BR1は、バルブタイミングVTの遅角方向への変位速度SPが所定の変位速度(以下、「第1遅角速度A1」)以上であって第2遅角速度A2以下にある範囲に対応する。すなわち、バルブタイミングVTが第1遅角速度A1となるデューティ比を第1遅角デューティ比DHX1とし、バルブタイミングVTが第2遅角速度A2となるデューティ比を第2遅角デューティ比DHX2とするとき、遅角解除領域BR1は、第2遅角デューティ比DHX2以上でありかつ第1遅角デューティ比DHX1以下の領域となる。デューティ比を遅角解除領域BR1に設定するとき、スプール62は第2位置PS2にあり、オイルコントロールバルブ60は第4モードMD4で駆動する。
保持領域BR2は、バルブタイミングVTの遅角方向への変位速度SPが第1遅角速度A1よりも小さい範囲とバルブタイミングVTの進角側への変位速度SPが所定の変位速度(以下、「第1進角速度B1」)よりも小さい範囲とを含めた範囲に対応する。デューティ比を保持領域BR2に設定するとき、スプール62は第3位置PS3にあり、オイルコントロールバルブ60は第3モードMD3で駆動する。
進角解除領域BR3は、バルブタイミングVTの進角方向への変位速度SPが第1進角速度B1以上であって所定の変位速度(以下、「第2進角速度B2」)以下にある範囲に対応する。すなわち、バルブタイミングVTが第1進角速度B1となるデューティ比を第1進角デューティ比DHY1とし、バルブタイミングVTが第2進角速度B2となるデューティ比を第2進角デューティ比DHY2とするとき、進角解除領域BR3は、第1進角デューティ比DHY1以上でありかつ第2進角デューティ比DHY2以下の領域となる。デューティ比を進角解除領域BR3に設定するとき、スプール62は第4位置PS4にあり、オイルコントロールバルブ60は第2モードMD2で駆動する。
進角感帯AR3は、バルブタイミングVTの進角方向への変位速度SPが第2進角速度B2よりも大きい範囲に対応する。デューティ比を進角感帯AR3に設定するとき、スプール62は第5位置PS5にあり、オイルコントロールバルブ60は第1モードMD1で駆動する。
バルブタイミングVTの変位速度SPとオイルコントロールバルブ60の動作との関係は次のようになる。
(a)デューティ比が遅角感帯AR1の値をとるとき、デューティ比が小さくなるほど遅角側へのバルブタイミングVTの変位速度SPが大きくなる。このような動作は次の理由による。デューティ比が遅角感帯AR1であるとき、オイルコントロールバルブ60は第5モードMD5で駆動する。この範囲でデューティ比を大きくすると進角ポート61aおよび遅角ポート61bの開口面積を大きくなるため、ベーンロータ35の遅角側への回転速度が増大する。
(b)デューティ比が遅角解除領域BR1の値をとるとき、デューティ比が遅角感帯AR1の値をとるときと比べて、デューティ比に対する変位速度SPの変化率が小さい。このような動作は次の理由による。デューティ比が遅角解除領域BR1であるとき、オイルコントロールバルブ60は第4モードMD4で駆動する。このモードでは遅角ポート61bに潤滑油が供給されている一方で進角ポート61aが閉鎖されて進角室38の潤滑油が保持されるため、ベーンロータ35の回転が抑制される。
(c)デューティ比が保持領域BR2の値をとるとき、デューティ比が遅角感帯AR1および遅角解除領域BR1および進角解除領域BR3および進角感帯AR3の値をとるときと比べて、デューティ比に対する変位速度SPの変化率が小さい。
すなわち、オイルコントロールバルブ60が第3モードMD3で駆動するとき、進角ポート61aが進角弁64により閉鎖されるとともに遅角ポート61bが遅角弁65により閉鎖されている。しかし、このように進角ポート61aおよび遅角ポート61bが閉鎖されている状態であっても、進角弁64と進角ポート61aとの隙間および遅角弁65と遅角ポート61bとの隙間からわずかに潤滑油が漏れている。このため、デューティが保持領域BR2の範囲内で、デューティ比が保持デューティ比DHAからずれた値をとるときは、ベーンロータ35は進角側または遅角側に回転する。なお、保持デューティ比DHAは、ベーンロータ35の位置が変化しないデューティ比により定義される。
(d)デューティ比が進角解除領域BR3の値をとるとき、デューティ比が進角感帯AR3の値をとるときと比べて、デューティ比に対する変位速度SPの変化率が小さい。このような動作は次の理由による。デューティ比が進角解除領域BR3であるとき、オイルコントロールバルブ60は第2モードMD2で駆動する。このモードでは進角ポート61aに潤滑油が供給されている一方で遅角ポート61bが閉鎖されて遅角室39の潤滑油が保持されるため、ベーンロータ35の回転が抑制される。
(e)デューティ比が進角感帯AR3の値をとるとき、デューティ比が大きくなるほど進角側へのバルブタイミングVTの変位速度SPが大きくなる。このような動作は次の理由による。デューティ比が進角感帯AR3のとき、オイルコントロールバルブ60が第1モードMD1で駆動する。この範囲でデューティ比を大きくすると進角ポート61aおよび遅角ポート61bの開口面積を大きくなるため、ベーンロータ35の進角側への回転速度が増大する。
図8を参照して、オイルコントロールバルブ60に入力されるデューティ比と、制限ピン41の移動速度と、制限ピン41および係合穴48の押圧力(係合力)との関係について説明する。同図(A)は、図7の一部を拡大したものであり、同図(B)はデューティ比に対する制限ピン41の移動速度を示し、同図(C)は制限ピン41と係合穴48とが係合した状態における両者の押圧力を示す。
(a)デューティ比が遅角感帯AR1の値をとるとき、オイルコントロールバルブ60は第5モードMD5で駆動する。このとき、第4モードMD4に比べて、進角ポート61aおよび遅角ポート61bの開口面積が大きい。このためベーンロータ35が遅角側に回転する速度は第4モードMD4に比べて速い。制限ピン41が収容室42に収容される場合、第5モードMD5における制限ピン41と収容室42との押圧力は、第4モードMD4における同押圧力に比べて大きい。このため、制限ピン41が収容室42に収容されるよりも前に、ベーンロータ35の遅角方向への回転に加速が加わったとき、制限ピン41と係合穴48とが押し合うことによって制限ピン41が係合穴48から抜けにくくなる。
なお、バルブタイミング可変機構30はバルブタイミングVTを最遅角VTminにて固定するため、制限ピン41が係合穴48に嵌っている状態において第5モードMD5でベーンロータ35を遅角側に回転させることはない。しかし、仮に、バルブタイミングVTが最遅角VTminであるときに、デューティ比を遅角感帯AR1とすれば、制限ピン41と係合穴48とが押し合うため制限ピン41が係合穴48から抜けにくくなる。
(b)デューティ比が遅角解除領域BR1の値をとるとき、オイルコントロールバルブ60は第4モードMD4で駆動する。このとき、第5モードMD5に比べて遅角ポート61bの開口面積が小さい。進角ポート61aは閉鎖されている。このため、ベーンロータ35が遅角側に回転する速度は、第5モードMD5に比べて遅い。制限ピン41が係合穴48に嵌っている場合、第4モードMD4における制限ピン41と係合穴48との押圧力は、第5モードMD5における同押圧力に比べて小さい。このことから、第5モードMD5の場合に比べて制限ピン41が抜けにくくなることが抑制される。
また、遅角ポート61bの開口面積は第3モードMD3に比べて大きい。このため、制限ピン41の移動速度は第3モードMD3のときよりも大きい。このため、第3モードMD3に比べて、係合穴48から制限ピン41を速く抜くことができる。
(c)デューティ比が保持領域BR2の値をとるとき、オイルコントロールバルブ60は第3モードMD3で駆動する。このとき、第2モードMD2および第4モードMD4に比べて、進角ポート61aおよび遅角ポート61bの開口面積が小さい。このため、ベーンロータ35が遅角側に回転する速度、および制限ピン41が収容方向ZBに移動する移動速度は、第4モードMD4に比べて遅い。また、ベーンロータ35が進角側に回転する速度、および制限ピン41が収容方向ZBに移動する移動速度は、第2モードMD2に比べて遅い。
デューティ比を保持デューティ比DHAにしたときは、進角ポート61aおよび遅角ポート61bが閉鎖されるため、ハウジングに対するベーンロータ35の位置および制限ピン41の位置は維持される。
(d)デューティ比が進角解除領域BR3の値をとるとき、オイルコントロールバルブ60は第2モードMD2で駆動する。このとき、第1モードMD1に比べて進角ポート61aの開口面積が小さい。遅角ポート61bは閉鎖されている。このため、ベーンロータ35が進角側に回転する速度は、第1モードMD1に比べて遅い。制限ピン41が係合穴48に嵌っている場合、第2モードMD2における制限ピン41と係合穴48との押圧力は、第1モードMD1における同押圧力に比べて小さい。このことから第1モードMD1の場合と比べて制限ピン41が抜けにくくなることが抑制される。
また、進角ポート61aの開口面積は第3モードMD3に比べて大きい。このため、制限ピン41の移動速度は第3モードMD3のときよりも大きい。このため、第3モードMD3に比べて、係合穴48から制限ピン41を速く抜くことができる。
(e)デューティ比が進角感帯AR3の値をとるとき、オイルコントロールバルブ60は第1モードMD1で駆動する。このとき、第2モードMD2に比べて、進角ポート61aおよび遅角ポート61bの開口面積が大きい。このためベーンロータ35が進角側に回転する速度は第2モードMD2に比べて速い。制限ピン41が収容室42に収容される場合、第1モードMD1における制限ピン41と収容室42との押圧力は、第2モードMD2における同押圧力に比べて大きい。このため、制限ピン41が収容室42に収容されるよりも前に、ベーンロータ35の進角方向への回転に加速が加わったとき、図3に示すように制限ピン41と係合穴48とが押し合うことによって制限ピン41が係合穴48から抜けにくくなる。この場合、ベーンロータ35の進角方向への回転が阻害されるため、バルブタイミングVTの進角が遅れることになる。
次に、バルブタイミングVTを目標バルブタイミング(以下、「目標位相角VTT」)に変更するバルブタイミング制御について説明する。
バルブタイミング制御には、当該制御時の実位相角VTRを目標位相角VTTに収束させるフィードバック制御と、保持デューティ比DHAを学習する学習制御(以下、「保持学習制御」)と、フィードバック制御の前に実行される制御(以下、「プレ制御」)が含まれる。
フィードバック制御は次に示すように実行される。運転状態および機関負荷状態に基づいて同状態に適した目標位相角VTTを求める。また、電子制御装置91において、クランク角度信号CAおよび吸気カム角度信号DAに基づいて当該処理時での実位相角VTRを求める。これらの値は演算周期毎に更新される。次に、目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDを求め、差位相VTDに応じてオイルコントロールバルブ60のデューティ比が求められる。
図9にフィードバック制御時の実位相角VTRとデューティ比との関係について説明する。
デューティ比は、目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDが大きい値ときほど、保持デューティ比DHAから大きく離れた値に設定される。目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDが小さくなると、デューティ比は、保持デューティ比DHAに近い値に設定される。また、目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDの絶対値が基準値(以下、「ずれ量基準値XA」)よりも小さくなったとき、デューティ比は保持デューティ比DHAにされる。ずれ量基準値XAは、実位相角VTRが目標位相角VTTに収束したと判定するための値として予め設定されている。
次に、保持学習制御について説明する。
保持デューティ比DHAは、機関状態すなわち冷間状態または温間状態または暖機終了状態により変化する。これは、機関状態により潤滑油の粘性やバルブタイミング可変機構30の部材間のクリアランスが変化にともなってスリーブ61の各ポートを流通する潤滑油の抵抗が変わり、スプール62を所定位置に移動する駆動力が変動するためである。このため、機関運転時において周期的に保持学習制御が実行される。
保持学習制御は、機関始動時に学習する初期学習と、同初期学習が終了後に行われる運運転時学習とが含まれる。初期学習のときに学習されたデューティ比は基準デューティ比DHKとして記憶される。機関始動時から機関停止までの運転機関中においては、基準デューティ比DHKは変更されない。運転時学習のときに学習されたデューティ比は保持デューティ比DHAとして毎回更新される。初期学習と運転時学習との学習方法は同じであるが、学習時期および更新されるか否かという点で両者は異なる。
保持学習制御は、目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDがずれ量基準値XAよりも小さくなった旨の判定が所定時間にわたって維持されたときに、実行される。すなわち、目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDがずれ量基準値XAよりも小さくなったとき、このときのデューティ比が一旦記憶される。運転時学習の場合は記憶されたデューティ比が保持デューティ比DHAの更新値とされる。初期学習のときは、記憶されたデューティ比が基準デューティ比DHKとされて保存される。
次に、プレ制御について説明する。
バルブタイミングVTの変更は、機関始動時および冷間時および暖機完了以降の期間に関わらず、運転状態および機関負荷の変化に対応して行われる。機関始動時はバルブタイミングVTが最遅角VTminにある。機関始動後において運転状態および機関負荷が変化したとき、最遅角VTminから進角側の所定のバルブタイミングVTに変更する。しかし、機関始動時においては、制限ピン41が係合穴48に嵌っているため、フィードバック制御に基づいてバルブタイミングVTを変更したときに、制限ピン41と係合穴48が係合することによりベーンロータ35の回転が阻害される場合がある。特に、目標位相角VTTが最遅角VTminから離れている場合は、フィードバック制御によりオイルコントロールバルブ60のデューティ比は大きい値に設定されてオイルコントロールバルブ60が第1モードMD1で駆動するため、制限ピン41が係合穴48から抜けにくくなることが多くなると考えられる。そこで、制限ピン41と係合穴48との係合によるベーンロータ35の進角阻害の発生を抑制するため、フィードバック制御の前にプレ制御が実行される。すなわち、プレ制御では、制限ピン41が係合穴48に嵌っている可能性があるときに、すなわちバルブタイミングVTが最遅角VTminにあるときに進角要求があることに基づいて、第2モードMD2(進角解除モード)を実行して、制限ピン41を係合穴48から抜く。さらに、実位相角VTRに基づいて、バルブタイミングVTが最遅角VTminにあるか否かを判定する。
図10を参照して、プレ制御およびフィードバック制御および保持学習制御を含めて実行されるバルブタイミング制御について説明する。プレ制御は、ステップS110とステップS140とステップS150とを含む。なお同処理は、電子制御装置91により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS100において、初期解除が終了しているか否か判定される。初期解除とは、機関始動完了したときに、オイルコントロールバルブ60を第2モードMD2(進角解除モード)にすることにより、制限ピン41と係合穴48との係合の解除が実行されたことを示す。
初期解除が実行されていないときは、ステップS101〜ステップS103の制御が実行される。すなわち、ステップS101にて、機関回転数に基づいて機関始動完了しているか否か判定され、機関始動完了しているとき、制限ピン41と係合穴48との係合を解除する解除要求状態にあるとして、オイルコントロールバルブ60を第2モードMD2(進角解除モード)にする。その後、所定期間経過したときに、機関始動完了後に初期解除が行われた状態にあることをフラッグFに記録する。
初期解除が実行されているときは、ステップS110以降の制御が行われる。ステップS110以降の制御は、目標位相角VTTに基づいてバルブタイミングVTを変更するフィードバック制御と、このフィードバック制御に先立つプレ制御とが実行される。
ステップS110において、フィードバック制御の位相変更要求が実位相角VTRに対してバルブタイミングVTを進角する進角要求であるか否か、および実位相角VTRが最遅角VTminであるか否かについて判定される。すなわち、同判定により、制限ピン41と係合穴48との係合を解除する必要があるか否か(進角解除要求)について把握される。実際には、制限ピン41の動作を直接的に検出するセンサがない限りは制限ピン41と係合穴48とが係合しているか否かを判定することができない。このため、本制御では、実位相角VTRが最遅角VTminにある場合は、制限ピン41と係合穴48との係合を解除する要求状態(解除要求状態)にあるとみなして、進角解除要求があると判定する。
バルブタイミング変更要求が進角要求であり、かつ実位相角VTRが最遅角VTminである条件が成立するとき以外は、ステップS120にてフィードバック制御が実行されて、バルブタイミングVTが目標位相角VTTに変更される。フィードバック制御後、ステップS130にて保持学習制御が実行されて、保持デューティ比DHAが更新される。
一方、ステップS110において、バルブタイミング変更要求が進角要求であり、かつ実位相角VTRが最遅角VTminである条件が成立するときは、ステップS140にて、オイルコントロールバルブ60のデューティ比が進角解除領域BR3内にある所定のデューティ比(以下、「解除デューティ比DHF」)に設定される。このとき、オイルコントロールバルブ60は第2モードMD2(進角解除モード)で駆動する。
解除デューティ比DHFは、基準デューティ比DHKに対して予め求めた補正量を加算することにより求められる。補正量は、同補正値を基準デューティ比DHKに加えて求めたときにその値が進角解除領域BR3内に入るように求められている。
次いで、ステップS150にて、実位相角VTRが最遅角VTminであるか否か判定される。例えば、実位相角VTRが最遅角VTminよりも進角側の判定角VTJよりも進角か否か判定される。これにより、バルブタイミングVTが固定されているか否か、すなわち制限ピン41と係合穴48との係合が解除されているか否かについて判断される。同ステップS150にて、否定判定されたときは、フィードバック制御が実行される。一方、肯定判定されたときは当該処理が終了して、所定周期後に、再度同様のプレ制御すなわち、ステップS110からステップS150までの処理が実行される。すなわち、制限ピン41と係合穴48との係合が解除されたことが把握されたときに、フィードバック制御および保持学習制御が実行される。
このようにバルブタイミング制御では、フィードバック制御を実行する前に、バルブタイミングが固定されている可能性について判定する。そして、バルブタイミングが固定されている可能性があるときすなわちバルブタイミングVTが最遅角VTminにあるときは、ステップS140およびステップS150にて、バルブタイミングが固定されている可能性がなくなるまでフィードバック制御を実行しない。バルブタイミングが最遅角VTminでない旨判定されたとき、フィードバック制御を実行する。
図11を参照して、実位相角VTRが最遅角VTminにあるときにバルブタイミング制御が実行されたときのバルブタイミングVTおよびデューティ比の推移の一例について説明する。
時刻t0すなわち、実位相角VTRが最遅角VTminにあり、デューティ比は保持デューティ比DHAにある。このとき、目標位相角VTTは最遅角VTminにあり、実位相角VTRが最遅角VTmin付近にある。目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDがずれ量基準値XAよりも小さいため、フィードバック制御により、デューティ比は保持デューティ比DHAに維持されている。
時刻t1すなわち、機関負荷および運転状況に基づいて電子制御装置91により進角要求が出されて、目標位相角VTTが目標位相角VTTに設定される。このとき、プレ制御により、実位相角VTRが最遅角VTminにありかつ進角要求が出されている旨判定される。このため、デューティ比は解除デューティ比DHFに設定される。
時刻t2すなわち、実位相角VTRが最遅角VTminよりも進角側にある。このとき、バルブタイミング制御のプレ制御により、実位相角VTRが判定角VTJよりも進角側にあると判定される。このとき、フィードバック制御により、目標位相角VTTに基づいてデューティ比が設定される。その後、フィードバック制御によりデューティ比が周期的に更新される。
時刻t3すなわち、実位相角VTRが目標位相角VTTに近づいて、目標位相角VTTに対する実位相角VTRの差位相VTDがずれ量基準値XAよりも小さくなった旨判定されたとき、実位相角VTRが目標位相角VTTに収束したと判断されてデューティ比は保持デューティ比DHAに維持される。
本実施形態よれば以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、機関運転状態が機関完了状態にあるとき、あるいは実位相角VTRが最遅角VTminにありかつバルブタイミングVTについて進角要求があるときを、解除要求状態にあるときとする。そして、制御装置90は、機関運転状態がこの解除要求状態にあるとき、デューティ比を進角解除領域BR3内の値に設定する。
この構成では、ハウジングロータ31とベーンロータ35との係合を解除するとき、オイルコントロールバルブ60のデューティ比を感帯のデューティ比よりも小さくしている。このため、バルブタイミングVTの進角速度が大きいことに起因してハウジングロータ31とベーンロータ35との係合が解除されない状況が生じる頻度を少なくすることができる。すなわち、バルブタイミングVTの固定を円滑に解除することができる。
(2)本実施形態では、バルブタイミングVTの進角速度が第1進角速度B1となるデューティ比を第1進角デューティ比DHY1とし、バルブタイミングVTの進角速度が第1進角速度B1よりも大きい第2進角速度B2となるデューティ比を第2進角デューティ比DHY2として設定される。第1進角デューティ比DHY1から第2進角デューティ比DHY2までの領域が進角解除領域BR3として設定される。
この構成によれば、オイルコントロールバルブ60のデューティ比が進角解除領域BR3内の値に設定されたとき、バルブタイミングVTの進角速度は第2進角速度B2よりも小さくなる。また、オイルコントロールバルブ60のデューティ比が進角感帯AR3内の値に設定されたとき、バルブタイミングVTの進角速度は第2進角速度B2よりも大きくなる。
(3)本実施形態では、制御装置90は、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、オイルコントロールバルブ60のデューティ比を進角解除領域BR3内のデューティ比に設定する。その後、バルブタイミングVTが最遅角VTminよりも進角側に変化したことが検出されたとき、オイルコントロールバルブ60のデューティ比を進角感帯AR3内のデューティ比に変更する。
この構成では、バルブタイミングVTが最遅角VTminよりも進角側に変化したことが検出されたとき、すなわちハウジングロータ31とベーンロータ35との係合の解除が検出されたとき、進角要求に基づいて、デューティ比を不感帯AR2内の値から進角感帯AR3内の値に変更する。従って、ハウジングロータ31とベーンロータ35との係合が解除される前に、バルブタイミングVTの進角速度が大きなものに設定されることを抑制することができる。
(4)本実施形態では、制御装置90は、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、オイルコントロールバルブ60のデューティ比を進角解除領域BR3内のデューティ比に設定することにより、オイルコントロールバルブ60の動作モードを第2モードMD2(進角解除モード)に設定する。
この構成では、機関運転状態が解除要求状態にあるとき、進角室38および進角解除室47に潤滑油を供給するとともに遅角室39の潤滑油を保持するため、遅角室39の潤滑油を保持しない場合と比較してバルブタイミングVTの進角速度が小さくなる。従って、バルブタイミングVTの固定をより円滑に解除することができる。
(5)本実施形態では、進角解除室47は、進角室38を介して潤滑油が供給されるものである。この構成によれば、オイルコントロールバルブ60の動作モードが第2モードMD2(進角解除モード)に設定されたとき、進角室38に潤滑油が供給され、進角室38を介して進角解除室47に潤滑油が供給され、遅角室39に潤滑油が保持される。これにより、ハウジングロータ31とベーンロータ35との係合が円滑に解除される。
(6)本実施形態では、制御装置90は保持デューティ比DHAを学習する。機関運転状態が解除要求状態にあるとき、機関始動後に学習した基準デューティ比DHKに基づいて、進角解除領域BR3を設定する。
保持デューティ比DHAは、ベーンロータ35の位置が変化しないデューティ比を学習することにより設定されるが、機関運転状態の変動の影響により、ベーンロータ35の位置が変化しないデューティ比からずれた値として学習されることがある。機関始動後は、その後の機関運転時よりも、種々のパラメータの変動が小さく内燃機関1が安定した状態となっている。このため、機関始動後における保持デューティ比DHAの学習は、機関運転時における保持デューティ比DHAの学習に比べて、誤学習が生じる頻度が小さい。従って、上記構成により、設定による進角解除領域BR3と実際の進角解除領域BR3とのずれを抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態にて例示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態では、図10に示すように、機関始動後において制限ピン41と係合穴48との係合が解除されたか否か判定しているが、機関始動後における制限ピン41と係合穴48との係合の解除(ステップS101〜ステップS103)、およびその判定(ステップS100)を省略してもよい。すなわち、本実施形態のバルブタイミング可変機構30では、制限ピン41と係合穴48との係合の解除は、機関始動の後の進角解除室47の油圧の上昇に伴って生じる。このため、機関始動後における制限ピン41と係合穴48との係合の解除の実行を省略することができる。
・上記実施形態では、図10に示すように、バルブタイミングVTを目標位相角VTTに変更するバルブタイミング変更要求があるとき、オイルコントロールバルブ60のデューティ比を進角解除領域BR3内の解除デューティ比DHFに設定する。その後、実位相角VTRが最遅角VTminであるか否か判定する。しかし、このような判定(ステップS150)を省略してもよい。
・またこの判定の代わりに、オイルコントロールバルブ60のデューティ比を解除デューティ比DHFに設定した時から所定時間の経過後に、次のステップを実行してもよい。すなわち、所定時間の経過により実位相角VTRが最遅角VTminから進角したと推定して、次のフィードバック制御を行う。
・上記実施形態では、解除デューティ比DHFは、進角解除領域BR3内の所定の値をとるように基準デューティ比DHKに基づいて算出する。しかし、進角解除領域BR3内の狭い範囲内に限定して解除デューティ比DHFを設定することもできる。例えば、進角解除領域BR3の進角側端部のデューティ比付近の値をとるように解除デューティ比DHFを設定することもできる。
・上記実施形態では、デューティ比に対するバルブタイミングVTの変位速度SPとスプール62の位置関係とが密接に関係していることを前提として、進角解除領域BR3のデューティ比の範囲が設定されている。このような設定に代えて、進角解除領域BR3のデューティ比の範囲をハウジングロータ31に対するベーンロータ35の進角回転速度の関係で規定することもできる。例えば、ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の進角回転速度の変化率が大きくなる第2進角回転速度に対応するデューティ比を第2進角デューティ比DHW2とし、この第2進角回転速度よりも小さい第1進角回転速度に対応するデューティ比を第1進角デューティ比DHW1とする。進角解除領域BR3を第1進角デューティ比DHW1以上でありかつ第2進角デューティ比DHW2以下の範囲に設定することができる。
・また、進角解除領域BR3をバルブタイミングVTの変位速度SPの関係のみで規定することもできる。例えば、図7に示すデューティ比に対する変位速度SPのグラフにおいて、変位速度SPの変化率が大きくなるポイントのデューティ比を第2進角デューティ比DHZ2とし、この値から所定値を引いたものを第1進角デューティ比DHZ1として求める。そして、進角解除領域BR3を第1進角デューティ比DHZ1以上にありかつ第2進角デューティ比DHZ2以下の範囲の値に設定する。
・また、デューティ比の各範囲をスリーブ61に対するスプール62の位置の関係のみで規定することもできる。例えば、スリーブ61に対するスプール62の位置が第4位置PS4を満たす場合において、進角側の端部の位置に対応するデューティ比を第2進角デューティ比DHU2とし、遅角側の端部の位置に対応するデューティ比を第1進角デューティ比DHU1として求める。そして、進角解除領域BR3を第1進角デューティ比DHU1以上にありかつ第2進角デューティ比DHU2以下の範囲の値に設定する。
・上記実施形態では、バルブタイミングVTを最遅角VTminに固定する位相固定機構40を有するバルブタイミング可変機構30について本発明を適用しているが、進角するときに遅角室39から潤滑油の排出を抑制するものであってかつ進角解除室47に潤滑油を供給するモードを含む油圧制御を有するものであれば、本発明を適用することができる。
・上記実施形態では、1つの制限ピン41によりハウジングロータ31とベーンロータ35とを固定する位相固定機構40を有したバルブタイミング可変機構30について本発明を適用しているが、本発明は、2つの制限ピン41によりハウジングロータ31とベーンロータ35とを固定する位相固定機構40を有したバルブタイミング可変機構30についても適用することができる。
・上記実施形態では、制限ピン41をベーンロータ35に設け、各係合穴48をハウジングロータ31に設ける構成としたが、制限ピン41をハウジングロータ31に設けるとともに係合穴48をベーンロータ35に設ける構成とすることもできる。
・上記実施形態では、制限ピン41と係合穴48との係合および解除方向をベーンロータ35の軸方向としているが、同方向をベーンロータ35の径方向と一致するように制限ピン41と係合穴48とを形成することもできる。
・上記実施形態では、バルブタイミングVTを最遅角VTminで固定するバルブタイミング可変機構30について本発明を適用しているが、バルブタイミングVTを最進角VTmaxで固定するバルブタイミング可変機構30について本発明を適用することもできる。以下、バルブタイミングVTを最進角VTmaxで固定するバルブタイミング可変機構30について本発明を適用する具体例について説明する。
バルブタイミングVTを最進角VTmaxで固定するバルブタイミング可変機構30は排気カムシャフト24に設けられる。このバルブタイミング可変機構30の位相固定機構40は、バルブタイミングVTが最進角VTmaxのときにハウジングに対してベーンロータ35を最進角位相PCに固定する。進角室38と進角解除室47と進角油路55との関係、および遅角室39と遅角解除室46と遅角油路56との関係は、上記実施形態と同様である。ただし、進角解除室47と遅角解除室46の関係については上記実施形態とは反対の関係にある。すなわち、遅角解除室46が係合穴48に対応し、進角解除室47がベーン36内に設けられた油圧室に対応する。
バルブタイミング変更要求が遅角要求であり、かつ実位相角VTRが最進角VTmaxである条件が成立するとき、オイルコントロールバルブ60のデューティ比が遅角解除領域BR1内にある所定の解除デューティ比DHFに設定される。このとき、オイルコントロールバルブ60は第4モードMD4(遅角解除モード)で駆動する。これにより、バルブタイミングVTは、オイルコントロールバルブ60を第5モードMD5としたときと比べて、遅い速度で遅角する。また制限ピン41は、オイルコントロールバルブ60を第3モードMD3としたときと比べて、速い速度で収容方向ZBに移動する。これにより、制限ピン41と係合穴48との係合を円滑に解除することができる。
この場合、遅角解除領域BR1は上記実施形態と同様に設定することができるが、次のように設定することもできる。例えば、遅角解除領域BR1をハウジングロータ31に対するベーンロータ35の遅角速度の関係のみで規定することもできる。例えば、デューティ比の減少に対し、ハウジングロータ31に対するベーンロータ35の遅角回転速度の変化率が大きくなる第2遅角回転速度に対応するデューティ比を第4遅角デューティ比DHW4とし、この第2遅角回転速度よりも小さい第1遅角回転速度に対応するデューティ比を第3遅角デューティ比DHW3とする。そして、遅角解除領域BR1を第4遅角デューティ比DHW4以上にありかつ第3遅角デューティ比DHW3以下の範囲の値に設定することができる。
・また、遅角解除領域BR1をバルブタイミングVTの変位速度SPの関係のみで規定したり、遅角解除領域BR1をスリーブ61に対するスプール62の位置の関係のみで規定したりすることもできる。
1…内燃機関、10…機関本体、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…オイルパン、14…燃焼室、15…クランクシャフト、20…可変動弁装置、21…吸気バルブ、22…吸気カムシャフト、23…排気バルブ、24…排気カムシャフト、30…バルブタイミング可変機構(油圧式可変動弁機構)、31…ハウジングロータ(入力回転体)、31A…区画壁、32…ハウジング本体、33…スプロケット、34…カバー、35…ベーンロータ(出力回転体)、37…ベーン収容室、36…ベーン、38…進角室、39…遅角室、40…位相固定機構、41…制限ピン(係合体)、41a…先端面、41b…摺接部、42…収容室、43…動作部、44…制限ばね、45…ばね室、46…遅角解除室、46a…遅角連通路、47…進角解除室、47a…進角連通路、48…係合穴(係合部)、50…油圧制御装置、51…潤滑油路、52…オイルポンプ、53…排出油路、54…供給油路、55…進角油路、56…遅角油路、60…オイルコントロールバルブ(油圧制御機構)、61…スリーブ、61a…進角ポート、61b…遅角ポート、61c…供給ポート、61d…第1排出ポート、61e…第2排出ポート、62…スプール、63…スプールばね、64…進角弁、65…遅角弁、66…封止弁、91…電子制御装置、90…制御装置、92…クランクポジションセンサ、93…カムポジションセンサ。

Claims (14)

  1. 入力回転体に対する出力回転体の回転位相を変更することによりバルブタイミングを変更する機能および前記入力回転体と前記出力回転体とを互いに係合することによりバルブタイミングを特定角に固定する機能を備える油圧式可変動弁機構と、この油圧式可変動弁機構への潤滑油の供給態様を制御する油圧制御機構と、この油圧制御機構のデューティ比を設定領域内で変更する制御装置とを含む内燃機関の可変動弁装置において、
    前記設定領域は、不感帯および感帯を含む領域であり、前記不感帯は、保持領域および解除領域を含む領域であり、前記保持領域は、バルブタイミングの変化速度が「0」となるデューティ比である保持デューティ比を含む領域であり、
    前記解除領域は、バルブタイミングの変化速度が前記保持領域よりも大きく、かつ前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する領域であり、
    前記感帯は、バルブタイミングの変化速度が前記不感帯内の前記保持領域および前記解除領域よりも大きい領域であり、
    前記制御装置は、機関運転状態が、前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する要求である解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記解除領域内のデューティ比に設定するものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記解除領域は、バルブタイミングの進角側への変化速度である進角速度が前記保持領域よりも大きく、かつ前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する進角解除領域であり、
    前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記進角解除領域内のデューティ比に設定するものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    バルブタイミングの進角速度が第1進角速度となるデューティ比を第1進角デューティ比とし、バルブタイミングの進角速度が前記第1進角速度よりも大きい第2進角速度となるデューティ比を第2進角デューティ比として、前記第1進角デューティ比から前記第2進角デューティ比までの領域が前記進角解除領域として設定される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 請求項2または3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記解除要求状態を、バルブタイミングが前記特定角にありかつ機関運転状態が進角要求状態にある運転状態とし、
    前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記進角解除領域内のデューティ比に設定し、その後にバルブタイミングが前記特定角よりも進角側に変化したことが検出または推定されたとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記感帯内のデューティ比に変更する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記油圧式可変動弁機構は、バルブタイミングを進角するための進角室と、バルブタイミングを遅角するための遅角室と、バルブタイミングの前記特定角での固定を解除するための進角解除室とを含むものであり、
    前記油圧制御機構は、前記油圧式可変動弁機構の潤滑油の供給態様が互いに異なる複数の動作モードを有するとともに、そのうちの1つとして、前記進角室および前記進角解除室に潤滑油を供給するとともに前記遅角室の潤滑油を保持する進角解除モードを有するものであり、
    前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記進角解除領域内のデューティ比に設定することにより、前記油圧制御機構の動作モードを前記進角解除モードに設定する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記進角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が排出されるものであり、
    前記遅角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が排出され、前記油圧制御機構が前記進角解除モードにあるときに潤滑油が保持されるものであり、
    前記進角解除室は、前記進角室を介して潤滑油が供給されるものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  7. 請求項2〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記油圧式可変動弁機構は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を変更することにより吸気バルブのバルブタイミングを変更する機能、および前記入力回転体と前記出力回転体とを互いに係合することによりバルブタイミングを前記特定角としての最遅角に保持する機能を備える
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  8. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記解除領域は、バルブタイミングの遅角側への変化速度である遅角速度が前記保持領域よりも大きく、かつ前記入力回転体と前記出力回転体との係合を解除する遅角解除領域であり、
    前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記遅角解除領域内のデューティ比に設定するものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    バルブタイミングの遅角速度が第1遅角速度となるデューティ比を第1遅角デューティ比とし、バルブタイミングの遅角速度が前記第1遅角速度よりも大きい第2遅角速度となるデューティ比を第2遅角デューティ比として、前記第2遅角デューティ比から前記第1遅角デューティ比までの領域が前記遅角解除領域として設定される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  10. 請求項8または9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記解除要求状態を、バルブタイミングが前記特定角にありかつ機関運転状態が遅角要求状態にある運転状態とし、
    前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記遅角解除領域内のデューティ比に設定し、その後にバルブタイミングが前記特定角よりも遅角側に変化したことが検出または推定されたとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記感帯内のデューティ比に変更する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記油圧式可変動弁機構は、バルブタイミングを進角するための進角室と、バルブタイミングを遅角するための遅角室と、バルブタイミングの前記特定角での固定を解除するための遅角解除室とを含むものであり、
    前記油圧制御機構は、前記油圧式可変動弁機構の潤滑油の供給態様が互いに異なる複数の動作モードを有するとともに、そのうちの1つとして、前記遅角室および前記遅角解除室に潤滑油を供給するとともに前記進角室の潤滑油を保持する遅角解除モードを有するものであり、
    前記制御装置は、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記油圧制御機構のデューティ比を前記遅角解除領域内のデューティ比に設定することにより、前記油圧制御機構の動作モードを前記遅角解除モードに設定する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  12. 請求項11に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記進角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が排出され、前記油圧制御機構が前記遅角解除モードにあるときに潤滑油が保持されるものであり、
    前記遅角室は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を遅角させるときに潤滑油が供給され、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を進角させるときに潤滑油が排出されるものであり、
    前記遅角解除室は、前記遅角室を介して潤滑油が供給されるものである
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  13. 請求項8〜12のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記油圧式可変動弁機構は、前記入力回転体に対する前記出力回転体の回転位相を変更することにより排気バルブのバルブタイミングを変更する機能、および前記入力回転体と前記出力回転体とを互いに係合することによりバルブタイミングを前記特定角としての最進角に保持する機能とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記制御装置は、機関始動後に前記保持デューティ比を学習するものであり、機関運転状態が前記解除要求状態にあるとき、前記学習した保持デューティ比に基づいて前記解除領域を設定する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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