JP5002760B2 - 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法 - Google Patents

無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5002760B2
JP5002760B2 JP2006282230A JP2006282230A JP5002760B2 JP 5002760 B2 JP5002760 B2 JP 5002760B2 JP 2006282230 A JP2006282230 A JP 2006282230A JP 2006282230 A JP2006282230 A JP 2006282230A JP 5002760 B2 JP5002760 B2 JP 5002760B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floating
unmanned
substance
water
buoyant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006282230A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008100536A (ja
Inventor
直三 加藤
英敬 千賀
宗生 吉江
勇 藤田
英行 大森
寛之 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
INDEPENDENT ADMINISTRATIVE INSTITUTION PORT AND AIRPORT RESEARCH INSTITUTE
Original Assignee
INDEPENDENT ADMINISTRATIVE INSTITUTION PORT AND AIRPORT RESEARCH INSTITUTE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by INDEPENDENT ADMINISTRATIVE INSTITUTION PORT AND AIRPORT RESEARCH INSTITUTE filed Critical INDEPENDENT ADMINISTRATIVE INSTITUTION PORT AND AIRPORT RESEARCH INSTITUTE
Priority to JP2006282230A priority Critical patent/JP5002760B2/ja
Publication of JP2008100536A publication Critical patent/JP2008100536A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5002760B2 publication Critical patent/JP5002760B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Description

本発明は、海難事故等により海上に流出し、浮流又は浮遊している重油等の浮流物質の発見及び監視を行うための無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法に関する。
タンカー船の海難事故等により海上に流出した重油は、海水と混ざることによりエマルジョン化し高粘度となるため残存性が高く、沿岸に漂着した場合には、自然環境にもたらす被害が大きくなり易く、その回復には多くの時間と労力を必要とするため、周辺地域の経済にも多くの損失を与える。
従って、環境への被害を最小限に食い止めるためには、流出した重油が沿岸に漂着する前に、限りある重油回収機材や油防除機材を、漂着が予測される沿岸に重点的に配置して、速やかにする漂着した重油を回収する必要がある。そのためには、浮流重油(浮遊重油)が発見れると、高精度の重油漂流シミュレーションを行って漂流先を精度よく予測する必要がある。この重油漂流シミュレーションの精度を向上させるためには、重油の漂流位置および漂流海域における海象・気象データをリアルタイムで取得して反映させることが重要となる。
このタンカー船の海難事故等により海上に流出し、浮流している重油や化学物質等の浮流物質の発見及び監視を行うための方法として、蛍光ライダー法と呼ばれる方法がある。この方法では、図11に示すように、ヘリコプター1に紫外線のレーザーレーダー(ライダー:LIDAR:Light Detection and Ranging)装置2を搭載し、流出海域を空から走査する。この走査では、ヘリコプター1上のレーザーレーダー装置2から海面に向けて紫外パルスレーザーL1を照射して、この照射により海面で発生する蛍光L2を、ヘリコプター1上のイメージ増強管とCCDカメラとで構成される超高感度カメラで、4種類の波長について画像撮影する。この撮影画像において、海水の青紫色の水ラマン光と、石油類の青緑色の蛍光とを区別することにより、海水と流出油の位置情報を得ている。ちなみに、流出油のテスト観測において、高さHが150mの時に、視野100mrad、水面の範囲の直径Rで15mで流出油を検出できるとの結果を得ている。
この蛍光ライダー法は、レーザ励起で蛍光を発生させるアクティブ方式であるため、昼間のみならず夜間も観測が可能で、また、蛍光スペクトルにより流出物質の識別も可能である。また、受光側としてCCDカメラをベースとするため、リアルタイムの監視が可能である。
しかしながら、この方法では、ヘリコプターの航続時間の制限から長時間の流出追跡は困難であるという問題がある。そして、現状では、これ以外の方法において浮流重油を長時間自動的に追跡して流出した重油の位置情報とその海域の海象・気象データをリアルタイムに取得することができる機器やシステムは見当たらない。
一方、一定の期間、一定の深さの深層を漂流してから、自動的に浮上して自分の一を衛星に知らせ、再び定められた深さに沈むという動作を繰り返して、浮上位置と前回の浮上位置との差から、深層の平均流速を求める自動浮上式のフロートが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、最初は浮流物質内にブイを投下しても、波や潮流や風等の外乱により、ブイが浮流物質の外に出てしまうことがあるので、このブイでは、水平方向に対しては自力で移動することはできないブイでは、漂流している浮遊物質に追従させることはできないという問題がある。また、プロペラなどの推進装置を使用するブイでは推進に使用する電力等のエネルギーの消費量が大きく、長期間にわたる浮遊物質への追従とデータ送信を行うことができないという問題がある。
永田豊,「中立フローとアルゴ計画」,海の百科事典、丸善株式会社,平成15年3月25日発行,p.407−409
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、水上における重油等の浮流物質の回収を容易にして、重油等の流出事故による自然環境や地域経済に対する影響を低減するために、浮流物質の位置を検出して自動的に追跡して浮流物質の位置を検出すると共に、浮流物質の漂流水域の海象・気象データを検出し、これらのデータをリアルタイムで基地局に送信できる無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の無人浮流物質監視用ブイは、浮流物質がある水域に投入され、該水域で自動的に浮上と沈降を繰返し、水面下にある時に水面部分における浮流物質の有無及び位置を検出し、検出後、検出した浮流物質の位置に向かって浮上し、水面の浮流物質領域内に浮上している時に位置情報を基地局に送信し、前記浮上と沈降の繰返しを、浮力調整装置により浮力を調整することにより行うと共に、浮上途中は可動翼の翼角を制御することにより、検出した浮流物質の部分に向かって浮上するように構成する。
この無人浮流物質監視用ブイの大きな特徴は、重油等の物質が流出した直後に、その流出物質(浮流物質:浮遊物質)がある水域に投入され、その後の流出物質の回収作業時までの長時間にわたり浮流物質の自動追跡を行う点と、浮流物質が漂流している水域の海象・気象データをリアルタイムで地上、海上あるいは空中の基地局に送信する点である。
これらの2つの特徴を合わせ持つことにより、浮流物質の漂流水域における浮流物質の回収作業の効率化を図ることができる。また、リアルタイムのデータを得ることができるので、高精度の重油漂流シミュレーションが可能となり、漂着予測の精度が上がり、漂着が予想される沿岸において対応策を早期に立てることができるようになる。
つまり、この構成によれば、重油等の浮流物質のセンシングと浮流物質を検知した方向への移動を自動で繰り返し行うことにより、浮流物質の自動追跡を行うことができる。そのため、海面や川面や湖面等の水面上を漂流している重油や化学物質等の浮流物質に自動的に追従しながら、その位置を無人浮流物質監視用ブイに搭載したGPS装置等により検出して、地上や船舶上や航空機上やヘリコプター上に配置された基地局に送信することができ、浮流物質の漂流位置を正確に把握できる。
また、波や風や潮流等の外乱により、無人浮流物質監視用ブイが浮流物質領域内から外れた時に、浮力調整による沈降と浮上と、浮上途中における可動翼の翼角の制御等により検出した浮流物質の位置に向かって浮上して浮流物質領域内への復帰を図るので、浮流物質への追従に使用するエネルギーが小さくて済む。従って、プロペラ等の推進装置を使用して追従する場合に比べて、長時間追従することができるようになり、数日から数週間に亙って自動追従することができる。
また、この構成によれば、移動において、無人浮流物質監視用ブイの機体内部又は外部に装備した浮力調整装置による鉛直方向の移動と、可動翼の翼角の制御を組み合わせたメカニズムを用いることにより、浮力調整は簡単な機構で僅かなエネルギーで行うことができ、しかも、機体自体にはプロペラなどの推進器を使用せずに移動するため、自動追跡で消費する電力を低く抑えることができる。そのため、重油浮流直後から20日間程度の長期間にわたり浮遊物質を自動追跡しながら、浮流水域の海象・気象条件のリアルタイムデータを基地局へ送信することができる。その上、比較的単純な機構と比較的簡単な制御で自動追従できる。なお、可動翼は翼全体が回転又は揺動する構成でもよく、翼の一部のフラップなどが揺動する構成でもよい。
また、上記の無人浮流物質監視用ブイにおいて、海象・気象データを測定し、該測定した海象・気象データを基地局に送信するように構成する。この構成によれば、浮流物質の漂流位置に加えて、その水域における波、潮流、風、気圧等の海象・気象データも入手できるので、浮流物質の漂流シミュレーションの精度をより向上させることができる。
また、上記の無人浮流物質監視用ブイで、水面下にある時の前記水面部分における浮流物質の有無及び位置の検出を、非接触式検知センサで行うように構成する。この構成によれば、沈降している時に非接触式検知センサで上方を広範囲に探索でき、しかも、次の浮上時の追従動作との連携が連続的であるため、円滑に省エネルギーで自動追従ができるようになる。
この非接触式検知センサとしては、紫外線センサを使用でき、紫外線を上方(水面)に向けて走査し、その反射光(蛍光)をスペクトル解析することにより、水面と浮流物質との差異を検出し、無人浮流物質監視用ブイから見た浮流物質の位置(相対位置)を検出する。なお、この非接触式検知センサは紫外線センサに限らず、他の波長の光や音波等を使用するものであってもよい。要は非接触で水中にある無人浮流物質監視用ブイの上方の水面にある浮流物質を検知できればよい。
更に、上記の無人浮流物質監視用ブイで、水面の浮流物質領域内に浮上しているか否かの判定を接触式検知センサで行うように構成する。この構成によれば、水面の浮流物質領域内に浮上しているか否かを判定できるので、水面の浮流物質領域内に浮上している時、即ち、重油等の浮流物質の塊中に無人浮流物質監視用ブイが存在している時は、自動追従しなくてもよく、無駄な沈降と浮上を無くすことができ、より省エネルギーとなる。
この接触式検知センサとしては、可動翼のトルク検出センサを使用することができ、浮上している時に、可動翼を動かしてこのトルク検出センサでそのトルクを検出し、その検出トルクの値を所定のトルク閾値と比較することにより、可動翼が水中にあるか重油等の浮流物質中にあるかを容易に判定することができる。この場合には、水(又は海水)と浮流物質(重油や化学物質等)の粘性が異なることを利用している。なお、これ以外のセンサを接触式検知センサとして使用してもよい。
上記の目的を達成するための本発明の浮流物質監視システムは、上記の無人浮流物質監視用ブイを使用して構成される。この構成によれば、無人浮流物質監視用ブイと基地局の受信装置等という比較的簡便な装置及びシステムで、浮流物質の漂流位置及びその水域における海象・気象データを得ることができるようになる。
また、上記の目的を達成するための本発明の浮流物質監視方法は、浮流物質がある水域に無人浮流物質監視用ブイを投入し、該無人浮流物質監視用ブイに浮上と沈降を繰返させて、水面下にある時に水面部分における浮流物質の有無及び位置を検出させて、検出後、検出した浮流物質の位置に向かって浮上させて、水面の浮流物質領域内に浮上している時に前記無人浮流物質監視用ブイの位置情報を基地局に送信させ、前記浮上と沈降の繰返しを、浮力調整装置により浮力を調整することにより行わせると共に、浮上途中は可動翼の翼角を制御することにより、検出した浮流物質の部分に向かって浮上させる方法である。
また、上記の浮流物質監視方法において、前記無人浮流物質監視用ブイに海象・気象データを測定させ、該測定した海象・気象データを基地局に送信させる。
また、上記の浮流物質監視方法において、水面下にある時の前記水面部分における浮流物質の有無及び位置の検出を、非接触式検知センサで行ったり、水面の浮流物質領域内に浮上しているか否かの判定を接触式検知センサで行ったりする。
これらの浮流物質監視方法によれば、上記したような無人浮流物質監視用ブイや無人浮流物質監視システムと同様な作用効果を奏することができる。
本発明の無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法によれば、漂流している浮流物質へ省エネルギーで追従して、重油等の浮流物質の位置およびその漂流水域の海象・気象データを、基地局においてリアルタイムで得られるので、浮流物質の漂流シミュレーションを高精度で行うことができる。従って、漂流先の沿岸に浮流物質回収装置を配置する等の事前の対応策を適切に行うことができるようになる。
以下図面を参照して本発明に係る無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法について説明する。ここでは、浮流物質(浮遊物質、流出物質)として重油を対象にして説明するが、他の浮流物質にも本発明は適用できる。
図1に示すように、本発明の無人浮流物質監視用ブイ10は、浮流物質Foがある水域に投入され、この水域で自動的に浮上と沈降を繰返し((a)〜(f))、水面下にある時((c))に水面部分における浮流物質Foの有無及び位置を検出し((d))、検出後、検出した浮流物質Foの位置に向かって浮上し((e))、水面の浮流物質Foの領域内に浮上している時((f))に位置情報や海象・気象データ等を基地局に送信するように構成される。
図2〜図4に示すように、本発明の実施の形態の無人浮流物質監視用ブイ10は、円筒状の胴体11の上部に2対計4個の可動翼12を十字形状の位置に備えると共に、下部に2対計4個の固定翼13を十字形状の位置に備えて形成される。また、図5〜図8に示すように、胴体11の内部には、可動翼駆動用モータ12a、浮力調整装置14、浮流重油検出装置21、姿勢制御用センサ22、23やバッテリー15等が配設される。なお、波力発電装置を設けて、浮上状態で波に揺られている状態の時に、バッテリー15を充電するように構成すると、作動期間を著しく大きくすることができる。
また、胴体11の頭部11aの内部には、浮流重油の分布範囲を検出する紫外線センサを有する浮流重油検出装置21、各種センサ21、22、23の出力信号に基づいて可動翼12と浮力調整装置14を制御するための制御部30、ブイ10の位置を検出するGPS装置(図示しない)や海象・気象のモニタリングのための流速計、波高計等の各種計測装置(図示しない)、各種データを基地局に送信するための送信装置(図示しない)等が配設される。また、頭部11aの頂部には、吊具11bを設け、無人浮流物質監視用ブイ10の回収が容易にできるように構成される。
この浮流重油検出装置21は、浮流重油Foの分布範囲を検出するための紫外線センサを有して構成され、図1に示すように、無人浮流物質監視用ブイ10が沈降して、例えば10m程度の所定の深度の時に、水面下から水面に向かって紫外線を照射して、水面の所定の範囲内を走査して、水面や浮流重油Foから反射してくる蛍光を捉えて、この蛍光の分析から水面と浮流重油Fo領域との識別を行う。
また、姿勢制御センサとしては、各方向の加速度を検出するレートセンサ22や方位と傾斜を検出する方位・傾斜センサ23、深度計(図示しない)等がある。
可動翼12は、バッテリー15を電源とする可動翼駆動用モータ12aの駆動によって回転又は揺動する。この可動翼駆動用モータ12aは一対の可動翼12を同時に駆動し、全部で2個設けられる。また、可動翼12の回転軸には回転トルクを計測するためのトルクセンサ(図示しない)が設けられ、このトルクセンサで検出された回転トルクの大小によって、無人浮流物質監視用ブイ10が重油中にあるか否かを判定する。そして、浮流重油検出装置21と姿勢制御センサ22、23等の検出結果が入力される制御部30が、浮上時に無人浮流物質監視用ブイ10が浮流重油Fo内に入るように、浮上途中で各可動翼駆動用モータ12aを制御して、2対の可動翼12の翼角を対ごとに制御する。
浮力調整装置14は、浮力調整モータ14a、ピストン14b、シリンダ14c、浮力調整水出入口14d等を有して構成される。この浮力調整モータ14aの駆動により、ピストン14bを往復移動させてシリンダ14c内に出入りさせる。これにより、水をシリンダ14cから浮力調整水出入口14dを経由して送り出して浮力を増加させたり、逆に水を浮力調整水出入口14dからシリンダ14c内に取り込んで浮力を減少させたりする。なお、図5では水の入る部分をハッチング(斜線)で示している。
また、無人浮流物質監視用ブイ10は全体としては、略浮力と重量がバランスしている状態とし、水を送り出した浮力が最大の時には、水面上に頭部11bの少なくとも一部を露出させて、頭部11aが水面上に出て基地局との間で無線通信ができることができるように、また、水を取り込んだ浮力が最小の時には沈降するように、重量調整と浮力調整装置14の容量を設定する。そして、浮力調整装置14による浮力の増減により、無人浮流物質監視用ブイ10を浮上させたり、沈降させたりする。
そして、浮流物質監視用システムをこの無人浮流物質監視用ブイ10を使用して構成する。この場合、無人浮流物質監視用ブイ10の送信を受ける基地局は、通常は地上局として陸地に設置されるが、必要に応じて、ヘリコプターや飛行機等や船舶に設置してもよい。なお、複数の基地局で受信してもよい。また、この浮流物質監視用システムは、この無人浮流物質監視用ブイ10を浮流物質Foの漂流水域に投入するために、浮流物質Foの漂流水域を発見して、無人浮流物質監視用ブイ10を浮流物質Foの漂流水域に投入及び回収するための機器やサブシステムを備えて構成される。
次に、この無人浮流物質監視用ブイ10の制御方法及びこの無人浮流物質監視用ブイ10を用いた浮流物質監視用方法について説明する。
図9に示すように、重油流出事故が発生する(S1)と、その浮流重油を航空機やヘリコプターや船舶等により探索し(S2)、浮流重油が発見される(S3)と、無人浮流物質監視用ブイ10は、航空機やヘリコプターや船舶等から浮流重油Fo中又はその近傍に投入される(S4)。この投入に際して、スイッチオンとして制御部30の制御を起動し、その作動を開始する。その後は、無人浮流物質監視用ブイによる浮遊重油の監視を行い、無人浮流物質監視用ブイ10が浮流重油Foの漂流に追従して、各種データを基地局に送信する(S5)。浮流重油Foの回収等の必要な処理を終えて、この無人浮流物質監視用ブイ10のデータが不要になったら、無人浮流物質監視用ブイ10を回収し、スイッチをオフして、制御部30の制御を停止して、その作動を停止する。
そして、無人浮流物質監視用ブイによる浮遊重油の監視(S5)における、無人浮流物質監視用ブイ10の浮流重油Foの漂流への自動追従及びデータ通信は、図10に示すような制御フローに従って自動的に制御されて行われる。
無人浮流物質監視用ブイ10の制御部30のスイッチがオンされて、この図10に示す制御フローに従った制御がスタートすると、ステップS51で、可動翼12を動かして、この時のトルクをトルクセンサで検出する(図1の(a))。次のステップS52で、無人浮流物質監視用ブイ10が浮流重油中にあるか否かを、可動翼12を動かした時に検出したトルクの大きさから判定する。この検出トルクの大きさが所定のトルク閾値よりも大きい場合には浮流重油Fo中にあると判定し、小さい場合には水中(海水中)にあると判定する。この無人浮流物質監視用ブイ10は、投入時に浮流重油Foから外れる場合や、浮流重油Fo中にあっても波、風、潮流などの外乱により浮流重油Foから外れる場合があるので、この判定を行う。
このステップS52の判定結果が浮流重油Fo中であるとの判定であれば、ステップS56に行き、このステップS52の判定結果が浮流重油Fo中では無いとの判定である場合には、ステップS53に行き、浮力調整装置14を制御して浮力調整シリンダ14aを動かして、浮力調節水出入口より水を入れて浮力を小さくし、沈降深度を深度計で計測しながら、予め設定した所定の深度(例えば10m)まで沈降する(図1の(b))。この所定の深度に到達したら(図1の(c))、次のステップS54で、浮流重油検出装置21の紫外線センサによって、上方の水面を走査して、無人浮流物質監視用ブイ10から見た水面の浮流重油Foの位置(相対位置)を検出する(図1の(d))。
この浮流重油検出装置21による水面の浮流重油Foの位置の検出が終了したら、次のステップS55で、浮力調整装置14を制御して浮力調整ピストン14bを動かして、浮力調節水出入口14dより水を出して浮力を大きくして浮上する(図1の(e))。この浮上に際しては、無人浮流物質監視用ブイ10が検出した浮流重油Foの位置に向かって浮上するように制御部30は、浮流重油検出装置21と姿勢制御センサ22、23等の検出結果を利用しながら可動翼12を制御する。
水面に到達する(図1の(f))と、ステップS51に戻り、可動翼12を動かして、この時のトルクをトルクセンサで検出する。次のステップS52で、無人浮流物質監視用ブイ10が浮流重油中にあるか否かを、可動翼12を動かした時に検出したトルクの大きさから判定する。つまり、無人浮流物質監視用ブイ10が浮流重油Fo中に浮上したことを確認する。この判定結果が浮流重油Fo中でない場合には、再度、ステップS53に行って沈降し、無人浮流物質監視用ブイ10が浮流重油Fo中に浮上するまで、予めセットされた所定の回数に達するまで、ステップS51〜ステップS55を繰りかえす。
ステップS56では、GPS装置により、無人浮流物質監視用ブイ10の位置を検出し、また、海象・気象のモニタリングのための各種計測装置により海象・気象データを測定する。次のステップS57で、これらの位置と海象・気象データを基地局に送信する。その後、次のステップS58で、所定の時間経過するまで待機し、その後、ステップS51に戻る。この待機中は浮流重油Fo中に浮上しているので、波に揺られている状態にあるので、波力発電装置(図示していない)によりバッテリー15を充電するように構成してもよい。
このステップS51〜ステップS58を、無人浮流物質監視用ブイ10が回収されるまで繰り返し、浮流物質監視用ブイ10の回収とスイッチのオフ(図9のS8)による作動停止により、この自動制御を終了する。
上記の無人浮流物質監視用ブイ10、浮流物質監視用システム、及び、浮流物質監視用方法によれば、紫外線による浮流重油Foのセンシングと浮流重油Foを検知した方向への移動を自動で行うことにより、浮流重油Foの自動追跡を行うことができる。
また、移動においては、無人浮流物質監視用ブイ10の機体内部に装備した浮力調整装置14による鉛直方向移動と可動翼12、12の翼角の制御を組み合わせたメカニズムを用いているので、機体自体にプロペラなどの推進器を使用して移動する装置に比べて、自動追跡で消費する電力を低く抑えることができる。そのため、重油浮流直後から20日間程度の長期間にわたり、浮流重油の位置及び浮流水域の海象・気象条件のリアルタイムデータを基地局で得ることができる。
本発明に係る実施の形態の無人浮流物質監視用ブイの構成を示す側断面図である。 本発明に係る実施の形態の無人浮流物質監視用ブイの構成を示す側面図である。 図2の無人浮流物質監視用ブイの平面図である。 図2の無人浮流物質監視用ブイの底面図である。 図2の無人浮流物質監視用ブイの構成を示す側断面図である。 図5の無人浮流物質監視用ブイのA−A矢視図である。 図5の無人浮流物質監視用ブイのB−B矢視図である。 図5の無人浮流物質監視用ブイのC−C矢視図である。 無人浮流物質監視用ブイの使用方法のフローの一例を示す図である。 無人浮流物質監視用ブイの制御のフローの一例を示す図である。 蛍光ライダー法を説明するための図である。
符号の説明
10 無人浮流物質監視用ブイ
11 胴体
12 可動翼
13 固定翼
14 浮力調整装置
15 バッテリー
21 浮流重油検出装置
22 レートセンサ(姿勢制御用センサ)
23 方位・傾斜センサ(姿勢制御用センサ)
30 制御部(制御回路)
Fo 浮流重油(浮流物質)

Claims (9)

  1. 浮流物質がある水域に投入され、該水域で自動的に浮上と沈降を繰返し、水面下にある時に水面部分における浮流物質の有無及び位置を検出し、検出後、検出した浮流物質の位置に向かって浮上し、水面の浮流物質領域内に浮上している時に位置情報を基地局に送信し、前記浮上と沈降の繰返しを、浮力調整装置により浮力を調整することにより行うと共に、浮上途中は可動翼の翼角を制御することにより、検出した浮流物質の部分に向かって浮上するように構成した無人浮流物質監視用ブイ。
  2. 海象・気象データを測定し、該測定した海象・気象データを基地局に送信する請求項1記載の無人浮流物質監視用ブイ。
  3. 水面下にある時の前記水面部分における浮流物質の有無及び位置の検出を、非接触式検知センサで行う請求項1又は2記載の無人浮流物質監視用ブイ。
  4. 水面の浮流物質領域内に浮上しているか否かの判定を接触式検知センサで行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の無人浮流物質監視用ブイ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無人浮流物質監視用ブイを使用する浮流物質監視システム。
  6. 浮流物質がある水域に無人浮流物質監視用ブイを投入し、該無人浮流物質監視用ブイに浮上と沈降を繰返させて、水面下にある時に水面部分における浮流物質の有無及び位置を検出させて、検出後、検出した浮流物質の位置に向かって浮上させて、水面の浮流物質領域内に浮上している時に前記無人浮流物質監視用ブイの位置情報を基地局に送信させ、前記浮上と沈降の繰返しを、浮力調整装置により浮力を調整することにより行わせると共に、浮上途中は可動翼の翼角を制御することにより、検出した浮流物質の部分に向かって浮上させる浮流物質監視方法。
  7. 前記無人浮流物質監視用ブイに海象・気象データを測定させ、該測定した海象・気象データを基地局に送信させる請求項6記載の浮流物質監視方法。
  8. 水面下にある時の前記水面部分における浮流物質の有無及び位置の検出を、非接触式検知センサで行う請求項6又は7記載の浮流物質監視方法。
  9. 水面の浮流物質領域内に浮上しているか否かの判定を接触式検知センサで行う請求項6〜8のいずれか1項に記載の浮流物質監視方法。
JP2006282230A 2006-10-17 2006-10-17 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法 Expired - Fee Related JP5002760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006282230A JP5002760B2 (ja) 2006-10-17 2006-10-17 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006282230A JP5002760B2 (ja) 2006-10-17 2006-10-17 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008100536A JP2008100536A (ja) 2008-05-01
JP5002760B2 true JP5002760B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=39435207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006282230A Expired - Fee Related JP5002760B2 (ja) 2006-10-17 2006-10-17 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5002760B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5403663B2 (ja) * 2009-03-25 2014-01-29 独立行政法人国立高等専門学校機構 定水深浮遊体
JP5534248B2 (ja) * 2009-08-20 2014-06-25 国立大学法人大阪大学 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法
JP5477096B2 (ja) * 2010-03-19 2014-04-23 株式会社Ihi 浮沈体
DE102010051164A1 (de) * 2010-07-13 2012-01-19 Wulf Splittstoeßer Schutzeinrichtung zum Auffangen eines in ein Gewässer entweichenden Fluids
JP5651871B2 (ja) * 2010-07-29 2015-01-14 株式会社エム光・エネルギー開発研究所 水中重量物の降下および浮上方法
KR101223551B1 (ko) * 2012-01-12 2013-01-17 한국해양과학기술원 해양의 수직 구조 연속 연직 관측을 위한 수중 측정장치
KR101929431B1 (ko) * 2014-05-19 2018-12-14 노틸러스 미네랄스 싱가포르 피티이 엘티디 해저 운반 시스템
JP2019064402A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 東亜建設工業株式会社 船舶航行用監視システム
JP6568615B1 (ja) * 2018-03-09 2019-08-28 有限会社金鹿哲学承継塾 自律航行型海洋ブイとこれを用いた海洋情報システム
KR102029018B1 (ko) * 2019-02-18 2019-10-07 이수성 수중 미세플라스틱 수거장치
US20220185436A1 (en) * 2019-08-19 2022-06-16 Kaneshika Consulting Autonomous navigation type marine buoy and marine information system using the same
CN114487327A (zh) * 2022-01-17 2022-05-13 青岛百发海水淡化有限公司 一种海洋水质监测及可疑船舶取证***及方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60260871A (ja) * 1984-06-08 1985-12-24 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 氷厚自動計測方法
JP2771443B2 (ja) * 1994-02-14 1998-07-02 日本電気株式会社 流出油探知方法
JP3488365B2 (ja) * 1997-07-07 2004-01-19 ジヤトコ株式会社 海洋移動体および海洋移動体管理システム
JP2001116829A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 水中音響試験装置の位置・方位保持方法
JP3948929B2 (ja) * 2001-10-26 2007-07-25 株式会社鶴見精機 海洋データ測定用フロート装置
JP4008910B2 (ja) * 2004-09-21 2007-11-14 東京電力株式会社 光学式油検知器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008100536A (ja) 2008-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5002760B2 (ja) 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法
JP5534248B2 (ja) 無人浮流物質監視用ブイ、浮流物質監視システム及び浮流物質監視方法
JP6527570B2 (ja) 無人機、その制御システムおよび方法、ならびに無人機降着制御方法
CN109178305B (zh) 一种水文监测水陆两栖无人机以及水文监测方法
US10921809B2 (en) Autonomous sailing vessel
EP1644755B1 (en) Wind speed measurement apparatus and method
CN109932210B (zh) 一种基于无人机水环境自动采样的装置
KR101946542B1 (ko) 수중 조사를 위한 무인이동체
US20140203184A1 (en) Fluid medium sensor system and method
CN105129063A (zh) 一种风光互补水面机器人
CN105197180A (zh) 一种小型多功能太阳能双体无人艇
EP2876520B1 (en) An altitude controlled profiler for use in coastal waters
CN207274973U (zh) 一种基于物联网的泥沙淤积监测装置
CN115903056B (zh) 轨条砦水空两栖无人航行器低频无源自主探测***和方法
US11442190B2 (en) Autonomous marine survey nodes
CN114739482B (zh) 一种智能水利工程水深测量装置
CN204937448U (zh) 一种风光互补水面机器人
Pellenz et al. Robbie: a fully autonomous robot for robocuprescue
Corredor et al. Platforms for coastal ocean observing
Rathour et al. Modelling and control design of spilled oil tracking autonomous buoy
RU2765274C1 (ru) Устройство гидроакустического обнаружения с возобновляемым источником электропитания
Rathour et al. Development of a robotic floating buoy for autonomously tracking oil slicks drifting on the sea surface (SOTAB-II): Experimental results
RU2787578C1 (ru) Система наблюдения за надводной и подводной обстановкой
EP4397586A1 (en) A multipurpose buoy for supporting a project of an offshore infrastructure and the offshore infrastructure
Nakamura et al. Acoustic Systems of the AUV" URASHIMA"

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091015

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120412

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5002760

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees