JP4983711B2 - 動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置の潤滑構造に関し、特に回転要素によって掻き上げられた潤滑油を被潤滑要素とキャッチタンクとに分配して供給するのに好適な動力伝達装置の潤滑構造に関する。
従来、この種の動力伝達装置の潤滑構造として、動力伝達装置のケース本体にディファレンシャル装置によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンクに導く油路が形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この動力伝達装置のケース本体の壁面には、被潤滑要素としての電動機の収容部に潤滑油を導く油孔が形成されており、ディファレンシャル装置によって掻き上げられた潤滑油の一部を電動機に供給するようになっている。
具体的には、図6(a)、(b)に示すように、動力伝達装置のケース本体91には、ディファレンシャル装置により掻き上げられた潤滑油をキャッチタンク92に導く潤滑油通路としての油路93と、油路93の下方に略三角形状に配置された凸状部分により画成される貯留部94と、油路93の途中部分に位置し、油路93と電動機の収容部内とを連通する第1の油孔95と、第1の油孔95の下方に位置し、貯留部94内と電動機の収容部内とを連通する第2の油孔96とが形成されている。
また、貯留部94の上部を画成する凸状部分には、油路93の第1の油孔95の上流部分と貯留部94内とを連通させるオリフィス97が形成されている。さらに、第1の油孔95の下流近傍には、油路93を狭めるように壁部98が突出して形成されており、潤滑油の一部は、この壁部98に衝突して第1の油孔95に導かれるようになっている。
そして、ディファレンシャル装置によって掻き上げられた潤滑油は、矢印に示すように油路93を通じてキャッチタンク92に向かって流れる潤滑油と、オリフィス97を通じて貯留部94に流れ込む潤滑油とに分岐される。また、油路93を通じてキャッチタンク92に向かって流れる潤滑油は、そのままキャッチタンク92に流れ込む潤滑油と、壁部98に衝突して第1の油孔95を通じて電動機の収容部に流れ込む潤滑油とにさらに分岐される。
貯留部94に流れ込んだ潤滑油は、第2の油孔96を通じて電動機の収容部に流れ込み、第1の油孔95を通じて流れ込んだ潤滑油とともに、電動機を潤滑および冷却するようになっている。このように、電動機は、第1の油孔95および第2の油孔96を通じて、電動機の径方向の異なる位置から潤滑油が供給されるようになっている。
特開2005−308094号公報
しかしながら、上記の動力伝達装置の潤滑構造にあっては、オリフィス97のみで第2の油孔96に流れ込む潤滑油の流量を確保しているため、第2の油孔96を通して電動機に供給される潤滑油の流量を増大させるためにオリフィス97を大きく形成すると、貯留部94に流れ込む潤滑油が増加して、油路93を流れる潤滑油の流れの勢いが弱められていた。油路93を流れる潤滑油の流れの勢いが弱められると、壁部98に衝突して第1の油孔95に導かれる潤滑油の流量が減少し、第1の油孔95を通じて電動機に供給される潤滑油の供給量が低下していた。
このように、上記の動力伝達装置の潤滑構造にあっては、第1の油孔95および第2の油孔96を通じて電動機に供給される潤滑油の供給量のバランスが悪く、電動機を潤滑油により均一に冷却および潤滑することが困難であるという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、被潤滑要素とキャッチタンクとに分配して供給する際に、被潤滑要素に均一に潤滑油を供給することができる動力伝達装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造は、上記目的を達成するため、(1)仕切部によって第1の収容部と第2の収容部とに仕切られたケース本体と、前記第1の収容部内に収容された被潤滑要素と、前記第2の収容部内に収容され、ケース本体の底部に貯留された潤滑油に下部が浸漬する回転要素と、前記仕切部の上部に設けられ、前記回転要素の回転によって前記ケース本体の底部から掻き上げられた潤滑油を捕捉して貯留するキャッチタンクとを備え、前記回転要素によって掻き上げられた潤滑油を前記被潤滑要素および前記キャッチタンクに分配して供給する動力伝達装置の潤滑構造であって、前記仕切部の上部に形成され、前記回転要素によって掻き上げられた潤滑油を前記キャッチタンクに導く潤滑油通路と、前記潤滑油通路の途中に位置し、前記第2の収容部内と前記第1の収容部内とを連通するよう前記仕切部に形成された第1の油孔と、前記第1の油孔の下方に位置し、前記第2の収容部内と前記第1の収容部内とを連通するよう前記仕切部に形成された第2の油孔と、前記第1の油孔に対して上流側の前記潤滑油通路に位置し、前記潤滑油通路から前記第2の油孔に潤滑油を導くよう前記仕切部に形成された第1の分岐路と、前記第1の油孔の下流近傍に位置するとともに、前記潤滑油通路を狭めるように前記仕切部に形成され、前記潤滑油通路を流れる潤滑油が衝突することにより前記潤滑油通路から前記第1の油孔に潤滑油を導く壁部と、前記壁部に対して下流側の前記潤滑油通路に位置し、前記潤滑油通路から前記第2の油孔に潤滑油を導くよう前記仕切部に形成された第2の分岐路とが設けられるものから構成されている。
この構成により、潤滑油通路を流れる潤滑油は、キャッチタンクに向かって流れる潤滑油と第1の分岐路を通じて第2の油孔に導かれる潤滑油とに分岐され、キャッチタンクに向かって流れる潤滑油は、そのままキャッチタンクに向かって流れる潤滑油と壁部に衝突して第1の油孔に流れ込む潤滑油とに分岐される。また、第1の油孔に流れ込まずにキャッチタンクに向かって流れる潤滑油は、そのままキャッチタンクに向かって流れる潤滑油と第2の分岐路を通じて第2の油孔に導かれる潤滑油にさらに分岐される。このように、第1の油孔の下流に位置し、第1の油孔に流れ込む潤滑油の流量に影響を与えない第2の分岐路によって、第1の分岐路から第2の油孔に導かれる潤滑油の流量が補われるため、第1の分岐路のみで潤滑油を確保する必要がなく、第1の分岐路の流入口を小さくして、潤滑油通路を流れる潤滑油の流れの勢いが弱まるのを防止し、第1の油孔に導かれる潤滑油の減少を防止できる。
したがって、第1の油孔および第2の油孔により被潤滑要素に供給される潤滑油の供給量のバランスを設計上調整することができ、被潤滑要素の潤滑油による冷却性および潤滑性が向上する。
上記(1)に記載の動力伝達装置の潤滑構造において、(2)前記第1の分岐路と前記第2の分岐路とが潤滑油を一時的に貯留する貯留部を介して連通しており、前記第2の油孔が、前記貯留部内に形成されるものから構成されている。
この構成により、潤滑油通路から貯留部を介して潤滑油が被潤滑要素に供給されるため、第2の油孔を通じて潤滑油を被潤滑要素に安定供給することができる。
本発明によれば、被潤滑要素とキャッチタンクとに分配して供給する際に、被潤滑要素に均一に潤滑油を供給することができる動力伝達装置の潤滑構造を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1から図5は、本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造の実施の形態を示す図であり、4輪駆動のフロンドドライブ用の動力伝達装置に適用した例を示している。なお、本発明は、動力伝達装置を構成する被潤滑要素として歯車、タイミングベルトおよびタイミングチェーンにも適用可能であるが、ここでは説明の便宜上、モータジェネレータにオイルを供給する場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における動力伝達装置の断面図である。
図1に示すように、動力伝達装置1は、ケース本体としてのトランスミッションケース2を有しており、トランスミッションケース2内には、変速機構を構成する複合遊星歯車装置3と、フロントドライブシャフト39a、39bへの差動出力が可能なディファレンシャル装置4と、蓄電された電力により車両を駆動させる駆動用モータ5と、図示しないエンジンからの動力により発電可能なモータジェネレータ6と、動力伝達装置1の各部にオイルを供給するオイルポンプ7とが収容されている。
トランスミッションケース2は、エンジン側に締結支持されるハウジング11と、ハウジング11のエンジン側とは反対側の開口端に固定されたケース12とを有している。
また、ケース12のハウジング11側とは反対側の開口端には、ケースカバー13が装着されており、ケースカバー13のケース12側の反対側には、オイルポンプカバー14が装着されている。
また、ハウジング11には、ハウジングカバー15が装着されており、ハウジング11内をモータジェネレータ6の収容部とエンジンからの駆動力伝達機構であるダンパー装置18の収容部とに画成している。
そして、これらハウジング11、ケース12、ケースカバー13、ハウジングカバー15によってトランスミッションケース2が構成されるとともに、複合遊星歯車装置3、ディファレンシャル装置4、駆動用モータ5およびモータジェネレータ6を収容する各収容部が形成される。
複合遊星歯車装置3は、駆動用モータ5から出力された動力を伝達する第1の遊星歯車装置21と、エンジンから出力された動力を伝達する第2の遊星歯車装置22とを含んで構成されている。第1の遊星歯車装置21は、駆動用モータ5に接続され、駆動用モータ5から出力された動力を減速するようになっている。また、第2の遊星歯車装置22は、モータジェネレータ6に接続されており、エンジン側からの動力をモータジェネレータ6とディファレンシャル装置4とに分配するようになっている。また、第1の遊星歯車装置21および第2の遊星歯車装置22は、第1の遊星歯車装置21のリングギヤと第2の遊星歯車装置22のリングギヤとを回転軸方向に連ねたカウンタドライブギヤ23により接続されている。
モータジェネレータ6および第2の遊星歯車装置22の回転中心部分には、モータジェネレータ6および第2の遊星歯車装置22を貫通するように延在するインプットシャフト26が配設されており、駆動用モータ5および第1の遊星歯車装置21の回転中心部分には、駆動用モータ5および第1の遊星歯車装置21を貫通するように延在するオイルポンプ駆動軸27が配設されている。
インプットシャフト26は、一端部がクランクシャフト19に回転方向一体に係合されるとともに、他端部が第2の遊星歯車装置22に接続されており、エンジンからの動力を第2の遊星歯車装置22に伝達するようになっている。
オイルポンプ駆動軸27は、一端部がインプットシャフト26に回転方向一体に係合されるとともに、他端部がオイルポンプ7に接続されており、インプットシャフト26からの動力をオイルポンプ7に伝達するようになっている。
また、オイルポンプ駆動軸27およびインプットシャフト26内には、複数の油路が形成されており、この油路を通じてオイルポンプ7により汲み上げられたオイルが動力伝達装置1の各部に送り出されるようになっている。
また、トランスミッションケース2内には、複合遊星歯車装置3から出力された動力をディファレンシャル装置4に伝達するカウンタドリブンギヤ31およびファイナルドライブギヤ32が設けられている。
カウンタドリブンギヤ31は、カウンタドライブギヤ23に噛合しており、このカウンタドリブンギヤ31はファイナルドライブギヤ32が一体に形成されたカウンタシャフト33にスプライン結合している。
ディファレンシャル装置4は、中空のデフケース35を備えており、デフケース35は、ベアリング48a、48bを介してケース12およびハウジング11に支持されている。
デフケース35の外周部には、ファイナルドライブギヤ32と歯合する回転要素としてのファイナルギヤ36が締結されており、複合遊星歯車装置3から出力された動力がファイナルギヤ36を介してデフケース35に伝達されるようになっている。
また、デフケース35の内部には、一対のディファレンシャルピニオンギヤ37a、37bおよび各ディファレンシャルピニオンギヤ37a、37bに歯合する一対のサイドギヤ38a、38bが設けられている。各サイドギヤ38a、38bには、フロントドライブシャフト39a、39bがそれぞれ接続され、各フロントドライブシャフト39a、39bには、図示しない前輪がそれぞれ接続されている。なお、このような複数のギヤ37a、37b、38a、38bによる減速やディファレンシャル装置4の機能等は公知であり、ここでは詳述しない。
駆動用モータ5は、永久磁石41が装着されたロータ42と、三相コイル43が巻回されたステータ44とを有しており、永久磁石同期電動機として構成されている。
また、ロータ42は、回転軸方向に貫通孔42aが形成されており、この貫通孔42aにオイルポンプ駆動軸27を挿通させた状態で、ベアリング46a、46bを介してケース12およびケースカバー13に支持されている。また、ロータ42は、そのエンジン側の端部が第1の遊星歯車装置21のサンギヤ21aにスプライン結合しており、第1の遊星歯車装置21のサンギヤ21aと一体に回転するようになっている。
モータジェネレータ6は、永久磁石51が装着されたロータ52と、三相コイル53が巻回されたステータ54とを有しており、駆動用モータ5と同様に永久磁石同期発電電動機として構成されている。
また、ロータ52は、回転軸方向に貫通孔52aが形成されており、この貫通孔52aにインプットシャフト26を挿通させた状態で、ベアリング47a、47bを介してハウジング11およびハウジングカバー15に支持されている。また、ロータ52は、そのエンジン側と反対側の端部が第2の遊星歯車装置22のサンギヤ22aにスプライン結合しており、第2の遊星歯車装置22のサンギヤ22aと一体に回転するようになっている。
オイルポンプ7は、オイルポンプ駆動軸27に装着されたドライブロータ56と、図示しないドリブンロータとから構成されており、ケースカバー13に回転自在に支持されている。
また、オイルポンプカバー14にはリリーフ弁57が収容されており、オイルの油圧制御が行われている。
そして、オイルポンプ7により汲み上げられたオイルは、リリーフ弁57により所定の設定圧までに制限されながら、オイルポンプ駆動軸27内およびインプットシャフト26内に形成された複数の油路を通じて動力伝達装置1を構成する各部に供給されるようになっている。
ところで、トランスミッションケース2のディファレンシャル装置4の収容部の底部には、オイルポンプ7からディファレンシャル装置4に供給されたオイルが溜まり、ファイナルギヤ36の下部が浸漬されるようになっている。
ディファレンシャル装置4の収容部に溜まったオイルは、車両の走行に伴ってファイナルギヤ36が回転されることにより、ファイナルギヤ36に掻き上げられて、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ31およびファイナルドライブギヤ32やそれらの軸受部が潤滑されるとともに、一部の潤滑油が後述するキャッチタンク72に捕捉され、一時的に貯留されるようになっている。
ここで、図2から図5を参照してトランスミッションケース内に形成された潤滑構造について説明する。図2はケース側から見たハウジングの部分側面図、図3はハウジング側から見たケースの部分側面図、図4はハウジングおよびケースのA−A断面における部分断面図、図5はハウジングおよびケースのB−B断面における部分断面図である。なお、図2から図5においては、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ31、ファイナルギヤ36およびモータジェネレータ6を二点鎖線で示している。
図2から図5に示すように、ハウジング11は、複合遊星歯車装置3、モータジェネレータ6およびディファレンシャル装置4の周囲を囲う外周壁部61と、モータジェネレータ6の収容部とディファレンシャル装置4の収容部とを仕切る隔壁部62とから構成されている。また、ケース12は、ハウジング11の外周壁部61とともに複合遊星歯車装置3、モータジェネレータ6およびディファレンシャル装置4の周囲を囲う外周壁部65と、駆動用モータ5の収容部とディファレンシャル装置4の収容部とを仕切る隔壁部66とから構成されている。なお、本実施の形態においては、隔壁部62全体と隔壁部66の上部とにより仕切部が構成され、この仕切部によりハウジング11およびケース12内が第1の収容部としてのモータジェネレータ6を収容する収容部と第2の収容部としてのディファレンシャル装置4を収容する収容部とに仕切られる。
また、ハウジング11の隔壁部62には、ハウジング11上部の外周壁部61に沿って配置され、隔壁部62からケース12側に向けて突出する複数の内壁部63a、63b、63c、63dが形成されており、ケース12の隔壁部66には、ケース12上部の外周壁部65に沿って配置され、隔壁部66からハウジング11側に向けて突出する複数の内壁部67a、67bが形成されている。そして、ハウジング11側の内壁部63a、63b、63c、63dとケース12側の内壁部67a、67bとが当接することにより、ハウジング11内およびケース12内が仕切られて、潤滑油通路71と、キャッチタンク72と、貯留部73とが形成されるようになっている。
キャッチタンク72は、カウンタドライブギヤ23の上方に位置し、ファイナルギヤ36によってハウジング11およびケース12の底部から掻き上げられた潤滑油を捕捉して、一時的に貯留するようになっている。また、キャッチタンク72には、ハウジング11側の隔壁部62にキャッチタンク72内とモータジェネレータ6の収容部内とを連通する図示しない油孔が形成され、ケース12側の隔壁部66にキャッチタンク72内と駆動用モータ5の収容部内とを連通する図示しない油孔が形成されており、キャッチタンク72に貯留された潤滑油は、これらの油孔を通じてモータジェネレータ6および駆動用モータ5に供給されるようになっている。
潤滑油通路71は、カウンタドリブンギヤ31の上方に位置し、ファイナルギヤ36に掻き上げられた潤滑油をキャッチタンク72に導くようになっている。潤滑油通路71の途中部分には、潤滑油通路71とモータジェネレータ6の収容部内とを連通するようハウジング11側の隔壁部62に第1の油孔74が形成されており、第1の油孔74はモータジェネレータ6の収容部内においてモータジェネレータ6の上方に位置し、モータジェネレータ6の上部に潤滑油を供給するようになっている。
また、潤滑油通路71の第1の油孔74の下流近傍には、ハウジング11側の隔壁部62からケース12側に向かって突出する壁部75が形成されており、潤滑油通路71は壁部75が突出した分だけ壁部75の下流側において流路の幅が狭くなるように構成されている。つまり、ハウジング11側の潤滑油通路71を流れる潤滑油は、壁部75に衝突して第1の油孔74に流れ込む潤滑油と壁部75に衝突せずにケース12側に寄ってキャッチタンク72に向かって流れる潤滑油とに分岐されるようになっている。
潤滑油通路71の下部を構成するハウジング11側の内壁部63cには、第1の油孔74の前方に受部76が形成されており、受部76は下方に向けて僅かに窪み、第1の油孔74の前方において渦流を発生させるようになっている。受部76は、第1の油孔74の前方において壁部75に衝突した潤滑油に渦流を発生させることにより、第1の油孔74内に潤滑油をスムーズに流れ込ませるようになっている。
貯留部73は、潤滑油通路71の下方に位置し、ハウジング11側およびケース12側の両隔壁部62、66に略三角形状に配置された内壁部63a、63b、63c、67aにより構成されている。貯留部73には、貯留部73内とモータジェネレータ6の収容部内とを連通するようハウジング11側の隔壁部62に第2の油孔81が形成され、貯留部73内と駆動用モータ5の収容部内とを連通するようケース12側の隔壁部66に第3の油孔82が形成されている。そして、第2の油孔81は、モータジェネレータ6の収容部内においてモータジェネレータ6の側方に位置し、モータジェネレータ6の側部に潤滑油を供給するようになっている。第3の油孔82は、駆動用モータ5の収容部内において駆動用モータ5の側方に位置し、駆動用モータ5の側部に潤滑油を供給するようになっている。
また、貯留部73の上部を構成するとともに、潤滑油通路71の下部を構成するハウジング11側の内壁部63cには、第1の油孔74に対して上流側の潤滑油通路71と貯留部73内とを連通する第1の分岐路としての上流側オリフィス83と、壁部75に対して下流側の潤滑油通路71と貯留部73内とを連通する第2の分岐路としての下流側オリフィス84とが形成されている。
上流側オリフィス83は、潤滑油通路71を流れる潤滑油の勢いを大きく妨げない程度の大きさに開口されており、貯留部73に潤滑油を流れ込ませるようになっている。また、下流側オリフィス84は、上流側オリフィス83から貯留部73に流れ込む潤滑油の流量を補うことができる程度の大きさに開口されている。
ここで、動力伝達装置1の潤滑構造における潤滑油の流れについて説明する。車両が走行を開始すると、ディファレンシャル装置4のファイナルギヤ36が回転を開始し、ハウジング11およびケース12の底部に貯留された潤滑油が掻き上げられる。ファイナルギヤ36により掻き上げられた潤滑油は、矢印に示すようにハウジング11およびケース12の上部に位置する潤滑油通路71を流れ、潤滑油通路71をキャッチタンク72に向かってそのまま流れる潤滑油と、上流側オリフィス83を通じて貯留部73に流れ込む潤滑油とに分岐される。
貯留部73に流れ込まずに潤滑油通路71をキャッチタンク72に向かってそのまま流れる潤滑油は、壁部75から外れてケース12側の潤滑油通路71をキャッチタンク72に向かって流れる潤滑油と、壁部75に衝突して第1の油孔74に流れ込む潤滑油とに分岐される。壁部75に衝突した潤滑油は、第1の油孔74の前方の受部76において渦流となり、第1の油孔74内に流れ込み、モータジェネレータ6を上方から冷却および潤滑している。
壁部75から外れて潤滑油通路71をキャッチタンク72に向かって流れる潤滑油は、潤滑油通路71をキャッチタンク72に向かって流れる潤滑油と、下流側オリフィス84を通じて貯留部73に流れ込む潤滑油とに分岐される。上流側オリフィス83および下流側オリフィス84を通じて貯留部73に流れ込んだ潤滑油は、ハウジング11側の第2の油孔81およびケース12側の第3の油孔82に流れ込み、モータジェネレータ6および駆動用モータ5を側方から冷却および潤滑している。
このように、貯留部73に流れ込んだ潤滑油は、第2の油孔81を通じてモータジェネレータ6の収容部内に流れ込み、第1の油孔74を通じてモータジェネレータ6の収容部内に流れ込んだ潤滑油とともに、上方および側方からモータジェネレータ6の径方向の異なる位置を潤滑および冷却する。
そして、キャッチタンク72に流れ込んだ潤滑油は、図示しない油孔により第1の油孔74、第2の油孔81および第3の油孔82とは異なる位置からモータジェネレータ6および駆動用モータ5に供給されるとともに、複合遊星歯車装置3の各部に供給される。
以上のように、本実施の形態では、ハウジング11およびケース12に、ファイナルギヤ36によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンク72に導く潤滑油通路71と、潤滑油通路71の下方において潤滑油を貯留する貯留部73と、潤滑油通路71の途中部分とモータジェネレータ6の収容部内とを連通する第1の油孔74と、貯留部73とモータジェネレータ6の収容部内とを連通する第2の油孔81と、第1の油孔74に対して上流側の潤滑油通路71と貯留部73とを連通する上流側オリフィス83と、第1の油孔74の下流近傍において潤滑油通路71を流れる潤滑油に衝突して潤滑油を第1の油孔74に導く壁部75と、壁部75に対して下流側の潤滑油通路71と貯留部73とを連通する下流側オリフィス84とが形成されている。
したがって、第1の油孔74の下流に位置し、第1の油孔74に流れ込む潤滑油の流量に影響を与えない下流側オリフィス84によって、上流側オリフィス83から貯留部73に導かれる潤滑油の流量が補われるため、上流側オリフィス83のみで潤滑油を確保する必要がなく、上流側オリフィス83の開口を小さくして、潤滑油通路71を流れる潤滑油の流れの勢いが弱まるのを防止し、第1の油孔74に導かれる潤滑油の減少を防止できる。
よって、第1の油孔74および第2の油孔81によりモータジェネレータ6に供給される潤滑油の供給量のバランスを設計上調整することができ、モータジェネレータ6を潤滑油により均一に冷却および潤滑することができる。
なお、本実施の形態では、潤滑油通路71の下方に一時的に潤滑油を確保する貯留部73を設け、潤滑油通路71から貯留部73を介して第2の油孔81に潤滑油が流れ込む構成としているが、貯留部73を設けずに潤滑油通路71から直接第2の油孔81に潤滑油が流れ込む構成としてもよい。この構成により、貯留部73内の油面の上昇を待つ必要がないため、第1の油孔74とともに、第2の油孔81により早期にモータジェネレータ6の冷却および潤滑を開始することができる。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上説明したように、本発明は、被潤滑要素とキャッチタンクとに分配して供給する際に、被潤滑要素に均一に潤滑油を供給することができるものであり、特に回転要素によって掻き上げられた潤滑油を被潤滑要素とキャッチタンクとに分配して供給する動力伝達装置の潤滑構造に有用である。
本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造の実施の形態を示す図であり、動力伝達装置の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造の実施の形態を示す図であり、ケース側から見たハウジングの部分側面図である。 本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造の実施の形態を示す図であり、ハウジング側から見たケースの部分側面図である。 本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造の実施の形態を示す図であり、図2および図3に示すハウジングおよびケースのA−A断面における部分断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造の実施の形態を示す図であり、図2および図3に示すハウジングおよびケースのB−B断面における部分断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造の従来例を示す図であり、(a)はハウジングのケース側から見た部分側面図、(b)は(a)に示すハウジングのC−C断面における部分断面図である。
符号の説明
1 動力伝達装置
2 トランスミッションケース(ケース本体)
3 複合遊星歯車装置
4 ディファレンシャル装置
5 駆動用モータ
6 モータジェネレータ(被潤滑要素)
11 ハウジング
12 ケース
13 ケースカバー
14 オイルポンプカバー
15 ハウジングカバー
23 カウンタドライブギヤ
31 カウンタドリブンギヤ
36 ファイナルギヤ(回転要素)
61、65 外周壁部
62、66 隔壁部(仕切部)
71 潤滑油通路
72 キャッチタンク
73 貯留部
74 第1の油孔
75 壁部
76 受部
81 第2の油孔
83 上流側オリフィス(第1の分岐路)
84 下流側オリフィス(第2の分岐路)

Claims (2)

  1. 仕切部によって第1の収容部と第2の収容部とに仕切られたケース本体と、前記第1の収容部内に収容された被潤滑要素と、前記第2の収容部内に収容され、ケース本体の底部に貯留された潤滑油に下部が浸漬する回転要素と、前記仕切部の上部に設けられ、前記回転要素の回転によって前記ケース本体の底部から掻き上げられた潤滑油を捕捉して貯留するキャッチタンクとを備え、前記回転要素によって掻き上げられた潤滑油を前記被潤滑要素および前記キャッチタンクに分配して供給する動力伝達装置の潤滑構造であって、
    前記仕切部の上部に形成され、前記回転要素によって掻き上げられた潤滑油を前記キャッチタンクに導く潤滑油通路と、
    前記潤滑油通路の途中に位置し、前記第2の収容部内と前記第1の収容部内とを連通するよう前記仕切部に形成された第1の油孔と、
    前記第1の油孔の下方に位置し、前記第2の収容部内と前記第1の収容部内とを連通するよう前記仕切部に形成された第2の油孔と、
    前記第1の油孔に対して上流側の前記潤滑油通路に位置し、前記潤滑油通路から前記第2の油孔に潤滑油を導くよう前記仕切部に形成された第1の分岐路と、
    前記第1の油孔の下流近傍に位置するとともに、前記潤滑油通路を狭めるように前記仕切部に形成され、前記潤滑油通路を流れる潤滑油が衝突することにより前記潤滑油通路から前記第1の油孔に潤滑油を導く壁部と、
    前記壁部に対して下流側の前記潤滑油通路に位置し、前記潤滑油通路から前記第2の油孔に潤滑油を導くよう前記仕切部に形成された第2の分岐路とが設けられることを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
  2. 前記第1の分岐路と前記第2の分岐路とが潤滑油を一時的に貯留する貯留部を介して連通しており、
    前記第2の油孔が、前記貯留部内に形成されることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
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