JP4983266B2 - 光学デバイス、光スキャナ、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような光スキャナにあっては、周期的に変化する電圧を各圧電体に印加して駆動するが、その電圧には、一般に、各圧電体が逆バイアス状態とならないようにオフセット電圧が重畳される。
本発明の光学デバイスは、光反射性を有する光反射部を備えた可動板を含む可動部と、
前記可動部を支持する弾性変形可能な複数の変形部材と、
前記各変形部材上に接合され、前記各変形部材を前記可動板の厚さ方向に曲げ変形させることにより前記可動板を回動させる複数の圧電素子とを有し、
前記複数の圧電素子のうち、少なくとも1つの圧電素子が前記可動板の表面側に設けられ、残りの圧電素子が前記可動板の裏面側に設けられていることを特徴とする。
これにより、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板を回動させることができる。
前記可動部を支持する弾性変形可能な4つの変形部材と、
前記各変形部材上に接合され、前記各変形部材を前記可動板の厚さ方向に曲げ変形させることにより前記可動板を回動させる4つの圧電素子とを有し、
前記4つの圧電素子のうち、2つの圧電素子が前記可動板の一方の面側に設けられ、他の2つの圧電素子が前記可動板の他方の面側に設けられていることを特徴とする。
これにより、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板を回動させることができる。
かかる構成により、2自由度振動系を構成することができる。そのため、各変形部材の変形量を抑えつつ、可動板の回動角を大きくすることができる。
かかる構成により、可動板を2次元的に回動(互いに直交する2つの軸線のそれぞれのまわりに回動)させることができる。そのため、例えば、本発明の光学デバイスを光スキャナとして用いた場合、1つの光学デバイスで主走査および副走査を行うことができ、装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
かかる構成により、可動板を2次元的に回動(互いに直交する2つの軸線のそれぞれのまわりに回動)させることができる。そのため、例えば、本発明の光学デバイスを光スキャナとして用いた場合、1つの光学デバイスで主走査および副走査を行うことができ、装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
これにより、可動板の回動を円滑なものとしつつ、比較的簡単に、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を防止することができる。また、このような圧電素子の配置の場合、可動板を2次元的に回動させるように光学デバイスを構成すると、オフセット電圧による可動板の厚さ方向以外での変位を簡単に修正することができる。
これにより、可動板の回動を円滑なものとしつつ、比較的簡単に、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を防止することができる。特に、オフセット電圧による可動板の回動中心軸のブレを防止することができるため、可動板の回動を極めて円滑なものとすることができる。
これにより、各軸部材を捩れ変形させながら可動板をより円滑に回動させることができる。
本発明の光学デバイスでは、前記変形部材は、これに対応する前記駆動部材に対し前記可動板側に設けられていることが好ましい。
これにより、可動板の回動中心軸方向における光学デバイスの寸法を抑えることができる。
これにより、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板を回動させることができる。
前記可動部を支持する弾性変形可能な4つの変形部材と、
前記各変形部材上に接合され、前記各変形部材を前記可動板の厚さ方向に曲げ変形させることにより前記可動板を回動させる4つの圧電素子とを有し、
前記可動板の回動により、前記光反射部で反射した光を走査するものであり、
前記4つの圧電素子のうち、2つの圧電素子が前記可動板の一方の面側に設けられ、他の2つの圧電素子が前記可動板の他方の面側に設けられていることを特徴とする。
これにより、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板を回動させることができる。
前記可動部を支持する弾性変形可能な4つの変形部材と、
前記各変形部材上に接合され、前記各変形部材を前記可動板の厚さ方向に曲げ変形させることにより前記可動板を回動させる4つの圧電素子とを有し、
前記可動板の回動により、前記光反射部で反射した光を走査して、対象物上に画像を形成するものであり、
前記4つの圧電素子のうち、2つの圧電素子が前記可動板の一方の面側に設けられ、他の2つの圧電素子が前記可動板の他方の面側に設けられていることを特徴とする。
これにより、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板を回動させることができる。
また、本発明の光学デバイスは、光を反射する平面を備える光反射部材と、
前記光反射部材を支持する第1および第2の軸部材と、
前記第1の軸部材に設けられる第1の駆動部と、
前記第2の軸部材に設けられる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部に設けられる第1および第2の弾性部と、
前記第2の駆動部に設けられる第3および第4の弾性部と、
前記第1、第2、第3および第4の弾性部のそれぞれに1つずつ設けられる4つの圧電素子と、を有し、
前記4つの圧電素子のうちの2つの圧電素子が前記平面の一方の面側に設けられ、前記4つの圧電素子のうちの他の2つの圧電素子が前記平面の他方の面側に設けられていることを特徴とする。
これにより、オフセット電圧による光反射部材の変位を防止しつつ、圧電駆動により光反射部材を回動させることができる。
また、本発明の光スキャナは、光を反射する平面を備える光反射部材と、
前記光反射部材を支持する第1および第2の軸部材と、
前記第1の軸部材に設けられる第1の駆動部と、
前記第2の軸部材に設けられる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部に設けられる第1および第2の弾性部と、
前記第2の駆動部に設けられる第3および第4の弾性部と、
前記第1、第2、第3および第4の弾性部のそれぞれに1つずつ設けられる4つの圧電素子と、を有し、
前記4つの圧電素子のうちの2つの圧電素子が前記平面の一方の面側に設けられ、前記4つの圧電素子のうちの他の2つの圧電素子が前記平面の他方の面側に設けられ、
前記光反射部材で反射した光を走査することを特徴とする。
これにより、オフセット電圧による光反射部材の変位を防止しつつ、圧電駆動により光反射部材を回動させることができる。
また、本発明の画像形成装置は、光を反射する平面を備える光反射部材と、
前記光反射部材を支持する第1および第2の軸部材と、
前記第1の軸部材に設けられる第1の駆動部と、
前記第2の軸部材に設けられる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部に設けられる第1および第2の弾性部と、
前記第2の駆動部に設けられる第3および第4の弾性部と、
前記第1、第2、第3および第4の弾性部のそれぞれに1つずつ設けられる4つの圧電素子と、を有し、
前記4つの圧電素子のうちの2つの圧電素子が前記平面の一方の面側に設けられ、前記4つの圧電素子のうちの他の2つの圧電素子が前記平面の他方の面側に設けられ、
前記光反射部材で反射した光を走査し、対象物に画像を形成することを特徴とする。
これにより、オフセット電圧による光反射部材の変位を防止しつつ、圧電駆動により光反射部材を回動させることができる。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の光学デバイスの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す光学デバイスの平面図、図3は、図2中のA−A線断面図、図4は、図2中のB−B線断面図、図5は、図1に示す光学デバイスに備えられた各圧電素子にオフセット電圧が印加された状態を説明するための図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図3中の上側を「上」、下側を「下」と言い、図4中および図5中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
かかる光学デバイス1にあっては、通電により各圧電素子31、32、33、34を所定タイミングで伸縮させることにより、基体2の振動系に軸線Xを回動中心軸として回動させる。
振動系を有する基体2は、図1および図2に示すように、枠状をなす支持部材21と、この支持部材21の内側に設けられた可動板(光反射部材)22と、可動板22を軸線Xまわりに回動可能に支持する1対の軸部材(第1および第2の軸部材)23、24と、1対の軸部材23、24にそれぞれ対応して連結された1対の駆動部材(第1および第2の駆動部)25、26と、1対の駆動部材25、26にそれぞれ対応して連結された1対の変形部材(第1および第2の弾性部)27、28および1対の変形部材(第3および第4の弾性部)29、30とを有している。本実施形態では、基体2は、平面視したときに、左右対称な形状となるように形成されている。
ここで、可動板22と1対の軸部材23、24と1対の駆動部材25、26とが可動部10を構成し、この可動部10が2対の変形部材27、28、29、30に支持されている。
このような支持部材21の内側には、支持部材21に対し離間した状態で、可動板22が設けられている。
可動板22は、板状をなし、その上面(表面)に光反射部221が設けられている。これにより、光学デバイス1を光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチなどの光デバイスに適用することができる。なお、以下、可動板22の上面を「表面」、下面を「裏面」とも言う。
各軸部材23、24は、軸線Xに沿って長手形状をなし、軸線Xまわりに捩れ変形可能となっている。
このような軸部材23は、その長手方向での一端(右側の端)が可動板22に連結され、他端(左側の端)が駆動部材25に連結されている。これと同様に、軸部材24は、その長手方向での一端(左側の端)が可動板22に連結され、他端が駆動部材26に連結されている。
言い換えすれば、可動板22は、軸部材23を介して駆動部材25に支持されているとともに、軸部材24を介して駆動部材26に支持されている。
また、駆動部材25は、その長手方向での中央部で、前述した軸部材23を支持している。これと同様に、駆動部材26は、その長手方向での中央部で、軸部材24を支持している。そして、駆動部材25および駆動部材26のそれぞれの長手方向での中央部が、可動板22の回動中心軸である軸線X上に位置している。
このような駆動部材25は、その長手方向での両端部に、1対の変形部材27、28を介して支持部材21に支持されている。これと同様に、駆動部材26は、その長手方向での両端部にて、1対の変形部材29、30を介して支持部材21に支持されている。
このような変形部材27、28と同様に、各変形部材29、30は、軸線Xに略平行な方向に延在する長手形状をなし、主として曲げ変形するように構成されている。本実施形態では、各変形部材29、30は、駆動部材26に対し可動板22とは反対側(すなわち外側)に位置している。
また、基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されている。そして、基体2は、支持部材21と可動板22と軸部材23、24と駆動部材25、26と変形部材27、28、29、30とが一体的に形成されている。
以上説明したような基体2上には、各軸部材23、24を捩れ変形させながら可動板22を回動させる駆動手段である圧電素子31、32、33、34が接合されている。
より具体的に説明すると、前述した変形部材27の上面(可動板22の表面側の面)上には、その長手方向(延在方向)に伸縮する圧電素子31が接合され、変形部材28の上面(可動板22の表面側の面)上には、その長手方向(延在方向)に伸縮する圧電素子32が接合されている。これにより、各変形部材27、28を可動板22の厚さ方向(すなわち上下方向)に曲げ変形させることができる。
そのため、光学デバイス1を光スキャナとして用いた場合、光学デバイス1を設置するに際し、光反射部221と光源との間の距離、すなわち光路長が所望の距離となるようにするのが容易である。
また、本実施形態では、1対の圧電素子31、32がそれぞれ可動板22の一方の面側に設けられ、1対の圧電素子33、34がそれぞれ可動板22の他方の面側に設けられているため、可動板22の回動を円滑なものとしつつ、比較的簡単に、オフセット電圧による可動板22の厚さ方向での変位を防止することができる。
一方、基体2の支持部材21の下面には、例えばシリコンやガラス等を主材料として構成された支持体4が接合されている。
支持体4は、支持部材21の下面に接合され、環状をなしており、その内側の空間が、基体2の振動系が振動する際、すなわち可動板22が回動(振動)する際に、支持体4に接触するのを防止する逃げ部(空間)を形成する。なお、基体2と支持体4とが一体的に形成されていてもよいし、支持体4を省略することも可能である。
前述したような周期的に変化する電圧を各圧電素子31、32、33、34に印加する。ここで、各圧電素子31、33に印加される電圧と、各圧電素子32、34に印加される電圧とは互いに180°位相がずれている。
このような周期的に変化する電圧を印加すると、各圧電素子31、32、33、34が伸張するが、各圧電素子31、33が伸張したときに、各圧電素子32、34が収縮し、一方、各圧電素子31、33が収縮したときに、各圧電素子32、34が収縮する。
これにより、駆動部材25、26が軸線Xまわりに回動し、これに伴って、各軸部材23、24が捩れ変形して、可動板22が軸線Xまわりに回動(振動)する。このとき、各圧電素子31、32、33、34には、オフセット電圧が印加されているが、前述したようにオフセット電圧による可動板22の厚さ方向での変位が防止されている。
次に、本発明の光学デバイスの第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の光学デバイスの第2実施形態を示す平面図、図7は、図6中のA−A線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図6中の紙面に対し手前側を「上」、紙面に対し奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
第2実施形態の光学デバイス1Aは、主に圧電素子および変形部材のそれぞれの配置が異なる以外は、第1実施形態の光学デバイス1とほぼ同様である。
図6に示す光学デバイス1Aは、振動系を有する基体2Aを有しており、かかる基体2Aでは、駆動部材25に対し可動板22側(内側)に1対の変形部材27A、28Aが設けられ、駆動部材26に対し可動板22側(内側)に1対の変形部材29A、30Aが設けられている。
そして、図7に示すように、変形部材27Aの下面には、圧電素子31Aが接合され、変形部材28Aの上面には、圧電素子32Aが接合されている。また、変形部材29Aの下面には、圧電素子33Aが接合され、変形部材30Aの上面には、圧電素子34Aが接合されている。
また、本実施形態では、前述したように、各圧電素子31A、33Aが可動板22の一方の面側に設けられ、各圧電素子32A、34Aが可動板22の他方の面側に設けられているため、可動板22の回動を円滑なものとしつつ、比較的簡単に、オフセット電圧による可動板22の厚さ方向での変位を防止することができる。特に、オフセット電圧による可動板22の回動中心軸のブレを防止することができるため、可動板22の回動を極めて円滑なものとすることができる。
以上説明したような光学デバイス1Aによっても、オフセット電圧による可動板22の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板22を回動させることができる。
次に、本発明の光学デバイスの第3実施形態について説明する。
図8は、本発明の光学デバイスの第3実施形態を示す平面図、図9は、図8中のC−C線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図8中の紙面に対し手前側を「上」、紙面に対し奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図9中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第2実施形態の光学デバイスについて、前述した第1実施形態の光学デバイスとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8に示す光学デバイス1Bは、振動系を有する基体2Bを有しており、この基体2Bは、支持体4を介して基板6に支持されている。
基体2Bでは、可動板22Bを含む可動部10Bが2対の変形部材27、28、29、30により支持されている。
かかる可動部10Bは、可動板22Bと、1対の軸部材51、52(第1の軸部材)と、枠状部材53と、1対の軸部材23B、24B(第2の軸部材)と、1対の駆動部材25、26とで構成されている。
1対の軸部材51、52(第1の軸部材)は、可動板22Bを軸線Xに直交する軸線Y(第1の軸線)まわりに回動可能に支持し、弾性変形可能に構成されている。
1対の軸部材23B、24B(第2の軸部材)は、枠状部材53を軸線X(第2の軸線)まわりに回動可能に支持し、弾性変形可能に構成されている。
そして、1対の駆動部材25、26は、1対の軸部材23B、24Bに対応するように各軸部材23B、24Bに連結されている。
このように構成された基体2Bを支持体4を介して支持する基板6上には、前述した永久磁石222に対し磁界を作用させるコイル61が設けられている。
このコイル61は、筒状をなし、平面視にて可動板22Bを囲むように形成されている。
一方、周期的に変化する電圧をコイル61に印加することにより、コイル61に対し永久磁石222の一端が接近し他端が離間して、可動板22Bを軸線Yまわりに回動させる。
以上説明したような光学デバイス1Bによっても、オフセット電圧による可動板22Bの厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板22Bを回動させることができる。
次に、本発明の光学デバイスの第4実施形態について説明する。
図10は、本発明の光学デバイスの第4実施形態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図10中の紙面に対し手前側を「上」、紙面に対し奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第4実施形態の光学デバイスについて、前述した第1〜3実施形態の光学デバイスとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
ここで、1対の変形部材27A、28Aは、駆動部材25に対し可動板22側(内側)に設けられ、1対の変形部材29A、30Aは、駆動部材26に対し可動板22側(内側)に設けられている。
そして、変形部材27Aの上面には、圧電素子31Cが接合され、変形部材28Aの上面には、圧電素子32Aが接合されている。また、変形部材29Aの下面には、圧電素子33Aが接合され、変形部材30Aの下面には、圧電素子34Cが接合されている。
以上説明したような光学デバイス1Cによっても、オフセット電圧による可動板22Bの厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板22Bを回動させることができる。
次に、本発明の光学デバイスの第5実施形態について説明する。
図11は、本発明の光学デバイスの第5実施形態を示す平面図、図12は、図11中のD−D線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図11中の紙面に対し手前側を「上」、紙面に対し奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図12中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第5実施形態の光学デバイスについて、前述した第1実施形態の光学デバイスとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態の光学デバイス1Dは、枠状をなす支持部材21(枠状部材)を軸線Yまわりに回動可能に支持する1対の軸部材71、72(第2の軸部材)を有している。
各軸部材71、72は、基体2を囲むように形成された枠状をなす支持部材73に支持されている。この支持部材73の下面には、支持部材21の回動を許容するように形成された枠状をなすスペーサ81を介して、基板82が接合されている。
このコイル61Aは、筒状をなし、平面視にて基体2を囲むように形成されている。
このような構成の光学デバイス1Dにあっては、各軸部材23、24を捩れ変形させながら軸線Xまわりに可動板22を回動させる。
かかる構成により、可動板22を2次元的に回動(互いに直交する2つの軸線X、Yのそれぞれのまわりに回動)させることができる。そのため、例えば、光学デバイス1Dを光スキャナとして用いた場合、1つの光学デバイス1Dで主走査および副走査を行うことができ、装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
以上説明したような光学デバイス1Dによっても、オフセット電圧による可動板22の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板22を回動させることができる。
次に、本発明の光学デバイスの第6実施形態について説明する。
図13は、本発明の光学デバイスの第6実施形態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図13中の紙面に対し手前側を「上」、紙面に対し奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第6実施形態の光学デバイスについて、前述した第1、2実施形態の光学デバイスとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第6実施形態の光学デバイス1Eは、枠状をなす支持部材21A(枠状部材)を軸線Yまわりに回動可能に支持する1対の軸部材71A、72A(第2の軸部材)を有している。
支持部材21Aの下面には、軸線Xを介して対向するように、1対の永久磁石211E、212Eが接合されている。各永久磁石211E、212Eは、軸線Xに平行な方向に磁化(図13では、右側がS極、左側がN極となるように磁化)されている。
基板82E上には、前述した永久磁石211E、212Eに対し磁界を作用させるコイル61Eが設けられている。
このコイル61Eは、筒状をなし、平面視にて基体2Aを囲むように形成されている。
このような構成の光学デバイス1Eにあっては、各軸部材23、24を捩れ変形させながら軸線Xまわりに可動板22を回動させる。
かかる構成により、可動板22を2次元的に回動(互いに直交する2つの軸線X、Yのそれぞれのまわりに回動)させることができる。そのため、例えば、光学デバイス1Eを光スキャナとして用いた場合、1つの光学デバイス1Eで主走査および副走査を行うことができ、装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
以上説明したような光学デバイス1Dによっても、オフセット電圧による可動板22の厚さ方向での変位を防止しつつ、圧電駆動により可動板22を回動させることができる。
このような光スキャナは、例えば、レーザープリンタ、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡などの画像形成装置に好適に適用することができる。この場合、光反射部221で反射した光を主走査および/または副走査して、対象物上に画像を形成する。本発明の光スキャナを備えた画像形成装置、すなわち、本発明の画像形成装置は、優れた耐衝撃性を有する。
まず、電子写真方式を採用するプリンタに本発明を適用した例を説明する。
図14は、本発明の光スキャナを備える画像形成装置(プリンタ)の一例を示す全体構成の模式的断面図、図15は、図14に示す画像形成装置に備えられた露光ユニットの概略構成を示す図である。
このような画像形成装置110にあっては、まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体111、現像ユニット114に設けられた現像ローラ(図示せず)、および中間転写ベルト151が回転を開始する。そして、感光体111は、回転しながら、帯電ユニット112により順次帯電される。
感光体111上に形成された潜像は、感光体111の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像のための現像装置144によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体111上にイエロートナー像が形成される。このとき、現像ユニット114は、現像装置144が選択的に前記現像位置にて感光体111と対向している。なお、この選択は、保持体145の軸146まわりの回転により、現像装置141〜144の相対位置関係を維持しつつそれぞれの位置を変えることで行う。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写ベルト151に重なり合って転写される。これにより、中間転写ベルト151上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト151上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写ベルト151の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ローラ155によって記録媒体Pに転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ155は中間転写ベルト151に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。また、中間転写ベルト151は、駆動ローラ154を回転させることで一次転写ローラ152および従動ローラ153を従動回転させながら回転する。
一方、感光体111は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット116のクリーニングブレード161によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット116内の残存トナー回収部に回収される。
より具体的に説明すると、露光ユニット113は、図15に示すように、光スキャナである光学デバイス1と、レーザー光源131と、コリメータレンズ132と、fθレンズ133とを有している。
その際、光学デバイス1の駆動(可動板22の軸線Xまわりの回動)により、光反射部221で反射した光(レーザーL)は、感光体111の軸線方向に走査(主走査)される。一方、感光体111の回転により、光反射部221で反射した光(レーザーL)は、感光体111の周方向に走査(副走査)される。また、レーザー光源131から出力されるレーザー光Lの強度は、図示しないホストコンピュータから受けた画像情報に応じて変化する。
このようにして露光ユニット113は、感光体111上を選択的に露光して画像形成(描画)を行う。
(第1の例)
図16は、本発明の画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す概略図である。
図16に示す画像形成装置119は、光スキャナである光学デバイス1と、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の光源191、192、193と、クロスダイクロイックプリズム(Xプリズム)194と、ガルバノミラー195と、固定ミラー196と、スクリーン197とを備えている。
そして、光反射部221で反射した光(3色の合成光)は、ガルバノミラー195で反射した後に、固定ミラー196で反射し、スクリーン197上に照射される。
このようにして画像形成装置119は、スクリーン197上に画像形成(描画)を行う。
また、第1の例にかかる画像形成装置119にあっては、光学デバイス1に代えて、光学デバイス1Aを用いることができる。
図17は、本発明の画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す概略図である。
図17に示すように、画像形成装置119Aは、光スキャナである光学デバイス1Bと、この光学デバイス1Bに光を照射する光照射装置198とを備え、光照射装置198からの光を光学デバイス1Bで主走査および副走査することにより、スクリーン197上に画像を形成(描画)する。
光照射装置198は、図示しないが、前述した第1の例の画像形成装置119に備えられた光源191、192、193とクロスダイクロイックプリズム(Xプリズム)194と同様の光源およびクロスダイクロイックプリズムを備えており、画像情報に応じた強度および色の光を出射するように構成されている。
その際、光学デバイス1Bの可動板22の軸線Xまわりの回動により、光反射部221で反射した光は、スクリーン197の横方向に走査(主走査)される。一方、光学デバイス1の可動板22の第2の軸線Yまわりの回動により、光反射部221で反射した光は、スクリーン197の縦方向に走査(副走査)される。
なお、第2の例にかかる画像形成装置119Aにあっては、光学デバイス1Bに代えて、光学デバイス1C〜1Eを用いることができる。
また、例えば、前述した実施形態では、可動板22が1対の軸部材23、24によって両持ち支持されていたが、軸部材23および軸部材24のいずれか一方を省略して、可動板22を片持ち支持した構成にも本発明は適用可能である。また、可動板22を支持する各部の形状や大きさ等の形態は前述したものに限定されないのは言うまでもない。
また、変形部材の数は、複数であればよく、前述した実施形態のものに限定されない。
また、前述した実施形態では、光学デバイスに備えられた複数の圧電素子のうちの半数の圧電素子を可動板の一方の面側に設け、残りの半数の圧電素子を可動板の他方の面側に設けた構成を説明したが、複数の圧電素子のうちの少なくとも1つの圧電素子を可動板の一方の面側に設け、残りの圧電素子を可動板の他方の面側に設ければ、本発明の効果を得ることができる。ただし、前述した実施形態のように対称な構成では、複数の圧電素子のうちの半数の圧電素子を可動板の一方の面側に設け、残りの半数の圧電素子を可動板の他方の面側に設けると、オフセット電圧による可動板の厚さ方向での変位を簡単に防止することができ、また、光学デバイスの設計も容易である。
Claims (10)
- 光反射性を有する光反射部を備えた可動板、前記可動板を回動可能に支持する弾性変形可能な一対の軸部材、前記各軸部材に連結された1対の駆動部材と、を含む可動部と、
前記可動部を支持する弾性変形可能な4つの変形部材と、
前記各変形部材上に接合され、前記各変形部材を前記可動板の厚さ方向に曲げ変形させることにより前記可動板を回動させる4つの圧電素子と、
前記可動板を囲むように枠状をなす枠状部材と、を有し、
前記4つの圧電素子のうち、2つの圧電素子が前記可動板の一方の面側に設けられ、他の2つの圧電素子が前記可動板の他方の面側に設けられ、
前記4つの変形部材は、対をなし前記各駆動部材に対応して連結され、
前記枠状部材は、前記2対の変形部材に連結され、
前記各対の変形部材を互いに反対方向に曲げ変形させることにより、前記各駆動部材を回動させ、これに伴い、前記各軸部材を捩れ変形させながら第1の軸線まわりに前記可動板を回動させるとともに、前記枠状部材を前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに回動させて前記可動板を前記第2の軸線まわりに回動させるように構成されていることを特徴とする光学デバイス。 - 光反射性を有する光反射部を備えた可動板、前記可動板を第1の軸線まわりに回動可能に支持する弾性変形可能な1対の第1の軸部材、前記各第1の軸部材に連結され、前記可動板を囲むように枠状をなす枠状部材、前記枠状部材を前記第1の軸線と直交する第2の軸線まわりに回動可能に支持する弾性変形可能な1対の第2の軸部材、前記各第2の軸部材に連結された1対の駆動部材、を含む可動部と、
前記可動部を支持する弾性変形可能な4つの変形部材と、
前記各変形部材上に接合され、前記各変形部材を前記可動板の厚さ方向に曲げ変形させることにより前記可動板を回動させる4つの圧電素子と、を有し、
前記4つの圧電素子のうち、2つの圧電素子が前記可動板の一方の面側に設けられ、他の2つの圧電素子が前記可動板の他方の面側に設けられ、
前記4つの変形部材は、対をなし前記各駆動部材に対応して連結され、前記各対の変形部材を互いに反対方向に曲げ変形させることにより、前記各駆動部材を回動させ、これに伴い、前記各第2の軸部材を捩れ変形させながら前記枠状部材を前記第2の軸線まわりに回動させて前記可動板を前記第2の軸線まわりに回動させるとともに、前記各第1の軸部材を捩れ変形させながら可動板を前記第1の軸線まわりに回動させるように構成されていることを特徴とする光学デバイス。 - 前記1対の駆動部材のうちの一方の駆動部材に連結された前記1対の変形部材に対応する前記1対の圧電素子は、それぞれ、前記可動板の一方の面側に設けられ、前記1対の駆動部材のうちの他方の駆動部材に連結された前記1対の変形部材に対応する前記1対の圧電素子は、それぞれ、前記可動板の他方の面側に設けられている請求項1または2に記載の光学デバイス。
- 前記各駆動部材に連結された前記1対の変形部材に対応する前記1対の圧電素子は、一方の前記圧電素子が前記可動板の一方の面側に設けられ、他方の前記圧電素子が前記可動板の他方の面側に設けられている請求項1または2に記載の光学デバイス。
- 前記変形部材は、これに対応する前記駆動部材に対し前記可動板とは反対側に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の光学デバイス。
- 前記変形部材は、これに対応する前記駆動部材に対し前記可動板側に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の光学デバイス。
- 前記4つの圧電素子は、前記各圧電素子に印加されたオフセット電圧による前記可動板の厚さ方向での変位を防止するように設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の光学デバイス。
- 光を反射する平面を備える光反射部材と、
前記光反射部材を支持する第1および第2の軸部材と、
前記第1の軸部材に設けられる第1の駆動部と、
前記第2の軸部材に設けられる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部に設けられる第1および第2の弾性部と、
前記第2の駆動部に設けられる第3および第4の弾性部と、
前記第1、第2、第3および第4の弾性部のそれぞれに1つずつ設けられる4つの圧電素子と、
前記光反射部材を囲むように枠状をなす枠状部材と、を有し、
前記4つの圧電素子のうちの2つの圧電素子が前記平面の一方の面側に設けられ、前記4つの圧電素子のうちの他の2つの圧電素子が前記平面の他方の面側に設けられ、
前記枠状部材は、前記第1の弾性部、前記第2の弾性部、前記第3の弾性部および前記第4の弾性部に連結され、
前記第1の弾性部および前記第2の弾性部と、前記第3の弾性部および前記第4の弾性部とを互いに反対方向に曲げ変形させることにより、前記各駆動部材を回動させ、これに伴い、前記第1の軸部材および前記第2の軸部材を捩れ変形させながら第1の軸線まわりに前記光反射部材を回動させるとともに、前記枠状部材を前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに回動させて前記光反射部材を前記第2の軸線まわりに回動させることを特徴とする光学デバイス。 - 光を反射する平面を備える光反射部材と、
前記光反射部材を支持する第1および第2の軸部材と、
前記第1の軸部材に設けられる第1の駆動部と、
前記第2の軸部材に設けられる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部に設けられる第1および第2の弾性部と、
前記第2の駆動部に設けられる第3および第4の弾性部と、
前記第1、第2、第3および第4の弾性部のそれぞれに1つずつ設けられる4つの圧電素子と、
前記光反射部材を囲むように枠状をなす枠状部材と、を有し、
前記4つの圧電素子のうちの2つの圧電素子が前記平面の一方の面側に設けられ、前記4つの圧電素子のうちの他の2つの圧電素子が前記平面の他方の面側に設けられ、
前記枠状部材は、前記第1の弾性部、前記第2の弾性部、前記第3の弾性部および前記第4の弾性部に連結され、
前記第1の弾性部および前記第2の弾性部と、前記第3の弾性部および前記第4の弾性部とを互いに反対方向に曲げ変形させることにより、前記各駆動部材を回動させ、これに伴い、前記第1の軸部材および前記第2の軸部材を捩れ変形させながら第1の軸線まわりに前記光反射部材を回動させるとともに、前記枠状部材を前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに回動させて前記光反射部材を前記第2の軸線まわりに回動させ、
前記光反射部材で反射した光を走査することを特徴とする光スキャナ。 - 光を反射する平面を備える光反射部材と、
前記光反射部材を支持する第1および第2の軸部材と、
前記第1の軸部材に設けられる第1の駆動部と、
前記第2の軸部材に設けられる第2の駆動部と、
前記第1の駆動部に設けられる第1および第2の弾性部と、
前記第2の駆動部に設けられる第3および第4の弾性部と、
前記第1、第2、第3および第4の弾性部のそれぞれに1つずつ設けられる4つの圧電素子と、
前記光反射部材を囲むように枠状をなす枠状部材と、を有し、
前記4つの圧電素子のうちの2つの圧電素子が前記平面の一方の面側に設けられ、前記4つの圧電素子のうちの他の2つの圧電素子が前記平面の他方の面側に設けられ、
前記枠状部材は、前記第1の弾性部、前記第2の弾性部、前記第3の弾性部および前記第4の弾性部に連結され、
前記第1の弾性部および前記第2の弾性部と、前記第3の弾性部および前記第4の弾性部とを互いに反対方向に曲げ変形させることにより、前記各駆動部材を回動させ、これに伴い、前記第1の軸部材および前記第2の軸部材を捩れ変形させながら第1の軸線まわりに前記光反射部材を回動させるとともに、前記枠状部材を前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに回動させて前記光反射部材を前記第2の軸線まわりに回動させ、
前記光反射部材で反射した光を走査し、対象物に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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