JP5233221B2 - アクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置 - Google Patents
アクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
例えば、特許文献1に開示されたアクチュエータは、ミラー面を有するミラー部を1対のトーションバーにより支持した構造を有している。そして、ミラー部を各トーションバーの捩り変形を伴って回動させ、光反射部で反射した光を走査する。これにより、光走査により描画を行うことができる。
特許文献1にかかるアクチュエータにあっては、トーションバー上に歪ゲージ(ピエゾ抵抗素子)が設けられている。そして、歪ゲージの抵抗値の変化量に基づき、ミラー部の回動角を検知する。このような検知結果に基づいてミラー部を回動駆動することにより、ミラー部の挙動を所望のものとすることができる。
(1)歪みゲージのための配線がトーションバー上に設けられているため、トーションバーの幅が小さいと、当該配線を引き回すことが難しく、アクチュエータの小型化を図ることが難しい。
(3)また、トーションバーの捩れ変形によって配線に大きな応力が生じてしまう。そのため、配線の断線が生じやすく、アクチュエータの信頼性を低下させてしまう。
本発明のアクチュエータは、可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する支持部と、
前記振動部に設けられ、前記可動板の挙動を検出するためのピエゾ抵抗素子と、
前記支持部に設けられた複数の電極と、
一部が前記振動部および前記支持部に接合され、残部が前記各軸部材に対し離間するように形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に成膜され、前記ピエゾ抵抗素子と前記各電極とを電気的に接続する配線と、
前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させる駆動手段とを有し、
前記配線は、その少なくとも一部が前記各軸部材に対し離間するように配設され、
前記樹脂層は、前記樹脂層の前記配線側の面を前記振動部側とするように設けられ、前記各配線は、導電性を有するバンプを介して前記ピエゾ抵抗素子に接合され、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材側にて、前記複数の配線を一括して担持し、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材とは反対側に延出する部分を有し、該部分に前記複数の電極が接合されていることを特徴とする。
さらに、各軸部材の捩れ変形によって配線に生じる応力を低減することができる。そのため、配線の断線が生じにくく、アクチュエータの信頼性を向上させることができる。
また、樹脂層が配線を補強するため、配線の断線を防止することができる。また、樹脂層および配線をそれぞれ柔軟なものとし、各軸部材に対する配線の影響を少なくすることができる。
さらに、樹脂層の一部が前記振動部および前記支持部に接合され、残部が前記各軸部材に対し離間するように形成されていることにより、各軸部材に対する配線の影響を少なくしつつ、樹脂層による配線の補強を強固なものとすることができる。
また、樹脂層は、その配線側の面を振動部側とするように設けられ、配線は、導電性を有するバンプを介してピエゾ抵抗素子に接合されているため、配線を樹脂層上に予め形成したものを振動部および支持部に貼り付けるだけで、簡単に配線を設置することができる。
さらに、樹脂層は、支持部に対して軸部材とは反対側に延出する部分を有し、該部分に複数の電極が接合されているため、樹脂層の下面側から各電極に容易にアクセスすることができる。
これにより、ピエゾ抵抗素子が軸部材の捩れ変形量を検出し、その検出結果に基づいて可動板の挙動を検出することができる。また、このような場合、配線を軸部材に沿って設けることで、軸部材に対する配線の影響を少なくすることができる。
このようなピエゾ抵抗領域を有するピエゾ抵抗素子は、軸部材の一部に不純物をドーピングすることにより形成することができ、幅の狭い軸部材に用いるのに適している。したがって、このようなピエゾ抵抗素子を用いた場合に、前述したような本発明の効果が顕著となる。
このように2対の端子を有するピエゾ抵抗素子は、優れた検出精度を有する。また、このようなピエゾ抵抗素子は、端子の数が多く、これに伴い配線の数も多いが、本発明を適用することで、前述したような本発明の効果が極めて顕著となる。
これにより、振動部の振動特性を優れたものとしつつ、ピエゾ抵抗素子の検出精度を向上させることができる。
これにより、配線の長さを短くして、各軸部材に対する配線の影響を少なくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記可動板および前記各軸部材は、シリコンで一体的に形成されていることが好ましい。
これにより、振動部の振動特性を優れたものとすることができる。また、シリコンの結晶方向によってせん断応力に対するピエゾ抵抗素子の検出精度を高める構成が可能である。
本発明のアクチュエータでは、前記配線は、金属で構成されていることが好ましい。
金属は一般に優れた電気伝導性を有するものの変形を繰り返すことにより金属疲労が生じる。したがって、金属で構成された配線を用いた場合に、本発明を適用することによる効果が顕著となる。
前記振動部を支持する支持部と、
前記振動部に設けられ、前記可動板の挙動を検出するためのピエゾ抵抗素子と、
前記支持部に設けられた複数の電極と、
一部が前記振動部および前記支持部に接合され、残部が前記各軸部材に対し離間するように形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に成膜され、前記ピエゾ抵抗素子と前記各電極とを電気的に接続する配線と、
前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させる駆動手段とを有し、
前記光反射部で反射した光を走査するように構成され、
前記配線は、その少なくとも一部が前記各軸部材に対し離間するように配設され、
前記樹脂層は、前記樹脂層の前記配線側の面を前記振動部側とするように設けられ、前記各配線は、導電性を有するバンプを介して前記ピエゾ抵抗素子に接合され、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材側にて、前記複数の配線を一括して担持し、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材とは反対側に延出する部分を有し、該部分に前記複数の電極が接合されていることを特徴とする。
これにより、本発明の光スキャナは、可動板の挙動検知のためのピエゾ抵抗素子を有する構成において、小型化を図りつつ検出精度を優れたものとするとともに、優れた信頼性を発揮することができる。
前記振動部を支持する支持部と、
前記振動部に設けられ、前記可動板の挙動を検出するためのピエゾ抵抗素子と、
前記支持部に設けられた複数の電極と、
一部が前記振動部および前記支持部に接合され、残部が前記各軸部材に対し離間するように形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に成膜され、前記ピエゾ抵抗素子と前記各電極とを電気的に接続する配線と、
前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させる駆動手段とを有し、
前記光反射部で反射した光を走査して、画像を形成するように構成され、
前記配線は、その少なくとも一部が前記各軸部材に対し離間するように配設され、
前記樹脂層は、前記樹脂層の前記配線側の面を前記振動部側とするように設けられ、前記各配線は、導電性を有するバンプを介して前記ピエゾ抵抗素子に接合され、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材側にて、前記複数の配線を一括して担持し、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材とは反対側に延出する部分を有し、該部分に前記複数の電極が接合されていることを特徴とする。
これにより、本発明の画像形成装置は、高画質な画像が得られるとともに、優れた信頼性を発揮することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示すアクチュエータの平面図、図3は、図1に示すアクチュエータの断面図((a)は図2中のA−A線断面図、(b)は図2中のB−B線断面図)、図4は、図1に示すアクチュエータに備えられたコイルを説明するための部分拡大斜視図、図5は、図1に示すアクチュエータに備えられたピエゾ抵抗素子およびその配線を説明するための部分拡大斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のアクチュエータ1は、電磁駆動方式(より具体的にはムービングコイル方式)を採用するアクチュエータであって、振動系(振動部)を有する基体2と、この基体2を支持する支持体3と、1対の磁石(永久磁石)41、42と、基体2の振動系の挙動を検出するためのピエゾ抵抗素子51、52とを有している。
基体2は、図1に示すように、可動板21と、可動板21を支持する1対の軸部材22、23と、これらを囲むように枠状に形成された支持部24とを有している。
可動板21は、板状をなし、本実施形態では、平面視形状が長方形をなしている。そして、可動板21の板面(上面)には、光反射性を有する光反射部211が設けられている。これにより、アクチュエータ1を光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチ等の光学デバイスに適用することができる。
このコイル212は、可動板21の光反射部211とは反対側の面に設けられているため、光反射部211の設計の自由度が低下することはない。
ここで、前述した配線214は、その一端がコイル212を構成する素線の他端(渦巻きの中心側の端)付近の接合点213で可動板21に接合・固定され、他端が可動板21と軸部材22との境界部付近の第1の接合点222に接合・固定されている。
このような可動板21は、1対の軸部材22、23によって支持(両持ち支持)されている。
1対の軸部材22、23は、それぞれ、弾性変形可能であるとともに、可動板21と支持部24とを連結している。
また、軸部材22の上面には、ピエゾ抵抗素子51が設けられ、また、軸部材23の上面には、ピエゾ抵抗素子52が設けられている。より具体的には、ピエゾ抵抗素子51は、軸部材22の支持部24側(可動板21と反対側)の端部に設けられ、ピエゾ抵抗素子52は、軸部材23の支持部24側(可動板21と反対側)の端部に設けられている。これにより、後述する配線群53、55(配線)の長さを短くして、各軸部材22、23に対する配線の影響を少なくすることができる。
配線群53と配線群55とは、1対の軸部材22、23に対する影響が互いに等しくなるように設けられている。より具体的には、配線群53および配線群55の各配線の太さ、長さ等が、1対の軸部材22、23に対する影響が互いに等しくなるように設定されている。これにより、基体2の振動系(振動部)の振動特性を優れたものとしつつ、ピエゾ抵抗素子51、52の検出精度を向上させることができる。
ここで、ピエゾ抵抗素子52およびその配線群55についてさらに詳細に説明する。なお、ピエゾ抵抗素子51およびその配線群53については、ピエゾ抵抗素子51および配線群55と同様であるので、その説明を省略する。
ピエゾ抵抗領域521は、軸部材23表面にn型またはp型の不純物をドーピング(拡散あるいはイオン注入)することにより形成されたものである。より具体的には、基体2がp型シリコン単結晶基板を加工することにより形成されたものである場合、ピエゾ抵抗領域521は、軸部材23表面にリンなどの不純物をドーピングすることにより形成されたn型シリコン単結晶(n型抵抗領域)である。一方、基体2がn型シリコン単結晶基板を加工することにより形成されたものである場合、ピエゾ抵抗領域521は、軸部材23表面にボロンなどの不純物をドーピングすることにより形成されたp型シリコン単結晶(p型抵抗領域)である。
このようなピエゾ抵抗領域521上における回動中心軸X方向での両端部のうち、一端部(可動板21側の端部)に第1の端子522が設けられ、他端部(可動板21と反対側の端部)に第1の端子523が設けられている。第1の端子522は、配線551を介して前述した電極561に接続され、第1の端子523は、配線553を介して前述した電極563に接続されている。これにより、電極561、563および配線551、553を介して1対の第1の端子522、523間に電圧を印加することができる。
このように構成されたピエゾ抵抗素子52にあっては、1対の第1の端子522、523を介してピエゾ抵抗領域521に電界Eを印加しつつ、1対の第2の端子524、525を介してピエゾ抵抗領域521の電圧値を検知することにより、ピエゾ抵抗領域521の比抵抗値を検知することができる。
また、前述したようにピエゾ抵抗領域521を有するピエゾ抵抗素子52は、前述したように不純物のドーピングより形成できるため、幅の狭い軸部材23に用いるのに適している。したがって、このようなピエゾ抵抗素子52を用いた場合に、前述したような本発明の効果が顕著となる。
特に、本実施形態では、各配線551、552、553、554は、ピエゾ抵抗素子52と対応する各電極561、562、563、564との間をワイヤーボンディングすることにより形成されたものである。すなわち、各配線551、552、553、554は、ボンディングワイヤーで構成されている。これにより、各配線551、552、553、554の形成を比較的簡単なものとすることができる。また、ボンディングワイヤーで構成された各配線551、552、553、554は柔軟であり、そのバネ定数は軸部材23のバネ定数に比し極めて低いため、軸部材23に対する各配線551、552、553、554の影響を極めて低くすることができる。
また、各配線551、552、553、554の構成材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されないが、本実施形態のようにワイヤーボンディング法を用いる場合、金のような金属が好適に用いられる。
そして、端子241は、前述したコイル212と配線221を介して電気的に接続され、端子242は、コイル212と配線231を介して電気的に接続されている。これにより、配線221、231を介してコイル212に通電することができる。
このような配線221は、第1の接合点222と第2の接合点223とをワイヤーボンディングすることにより形成されたものである。
このような配線231は、前述した配線221と同様、第1の接合点232と第2の接合点233とをワイヤーボンディングすることにより形成されたものである。
このような各配線221、231は、各軸部材22、23に対し離間するように配設されている。これにより、各軸部材22、23の捩れ変形によって配線221、231に生じる応力を低減して、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
また、各配線221、231は前述したようにワイヤーボンディングを用いて形成されたものであるため、配線221、231の形成を比較的簡単なものとしつつ、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
その上、配線221、231が前述したような1対の第2の接合点223、233を有しているため、可動板21の回動によって配線に生じる応力を簡単かつ確実に低減して、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
このような各配線221、231についても、前述したコイル212と同様に、軸部材22(振動部)と配線221との間や、軸部材23(振動部)と配線231との間には、絶縁膜が介在しているのが好ましい。これにより、配線221、231と振動部と間の絶縁性を優れたものとし、信頼性を向上させることができる。
このような可動板21および1対の軸部材22、23は、振動系(振動部)を構成している。すなわち、本実施形態では、振動部が可動板21および1対の軸部材22、23からなる1つの振動系(すなわち1自由度振動系)を有するものである。
このような振動系を有する基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板21と1対の軸部材22、23と支持部24が一体的に形成されている。これにより、振動部の振動特性および耐久性を優れたものとすることができる。
この基板の平均厚さ(すなわち可動板21や軸部材22、23の厚さ)は、それぞれ、特に限定されないが、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
支持体3は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。そして、基体2と支持体3とは直接接合または陽極接合により接合されている。なお、基体2と支持体3とは、例えば、ガラス、シリコン、またはSiO2を主材料として構成された接合層を介して接合されていてもよいし、接着剤を介して接合されていてもよい。
このような支持体3にあっては、その内側の空間が、基体2の振動系の振動、すなわち可動板21が回動(振動)する際に、支持体3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。このような逃げ部を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、可動板21の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
このような支持体3の側面には、1対の磁石41、42が接合・固定されている。
この1対の磁石41、42は、可動板21の回動中心軸Xを介して互いに対向するとともに、それぞれ非回動時の可動板21の端面に対向するように設けられている。このようにして各磁石41、42は、コイル212に対向している。
なお、磁石41、42は、永久磁石ではなく、電磁石であってもよい。また、磁石41、42の極性は、図示のものに限定されないことは言うまでもない。
図示しない電源回路が配線221、231を介してコイル212に交番電圧を印加することにより、コイル212に生じる磁界の方向が上方向と下方向とで交互に切り換わる。
そのため、1対の磁石41、42の磁界中に配された可動板21は、各軸部材22、23の捩れ変形を伴いながら、可動板21が支持部24に対し回動(振動)する。
特に、本実施形態では、配線群53、55の各配線は、ボンディングワイヤーで構成されているため、配線群53、55の各配線の形成を比較的簡単なものとすることができる。また、軸部材22、23に対する配線群53、55の各配線の影響を少なくすることができる。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図6は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す平面図、図7は、図6に示すアクチュエータに備えられたピエゾ抵抗素子およびその配線を説明するための部分拡大斜視図である。
本実施形態のアクチュエータは、ピエゾ抵抗素子のための配線の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、一方の軸部材側の構成のみについて説明するが、他方の軸部材側の構成に関しても同様である。
各配線群53A、55Aは、薄膜状をなし、前述した第1実施形態の各配線群53、55と同様、1対の軸部材22、23に対する影響が互いに等しくなるように設けられている。
配線群55Aは、配線551A〜554Aで構成されている。
配線551Aは、軸部材23に沿った直線状の部分とL字状をなす部分とを有し、ピエゾ抵抗素子52の第1の端子522と電極561とを電気的に接続している。
配線553Aは、直線状をなし、ピエゾ抵抗素子52の第1の端子523と電極563とを電気的に接続している。
配線554Aは、L字状をなし、ピエゾ抵抗素子52の第2の端子524と電極564とを電気的に接続している。
これらの配線551A〜554Aにおいては、配線551A、552A、554Aはそれぞれ軸部材23に対し離間した部分を有している。これにより、前述した第1実施形態のアクチュエータ1と同様の効果を発揮することができる。
このような各配線551A〜554Aの形成方法(薄膜形成方法)としては、特に限定されないが、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等を用いることができる。
以上説明したように、第2実施形態にかかるアクチュエータ1Aによっても、前述した第1実施形態のアクチュエータ1と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図8は、本発明の第3実施形態にかかるアクチュエータに備えられたピエゾ抵抗素子およびその配線を説明するための部分拡大斜視図である。
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1、2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のアクチュエータでは、配線551A〜554Aおよび電極561〜564が樹脂層57を介して基体2上に接合されている。すなわち、配線551A〜554Aおよび電極561〜564は、基体2上に接合された樹脂層57上に接合されている。
より具体的に説明すると、樹脂層57は、電極群56を担持する四角状の本体部571と、本体部571から延出し配線群56Aの各配線を個別に担持する複数の延出部572〜575とを有し、これらが一体的に形成されている。
延出部572は、配線551Aに沿ってL字状に形成され、配線551Aをその下面側から支持している。また、延出部572は、その一端部が軸部材23に接合され、他端部が支持部24に接合されている。
延出部574は、配線553Aに沿って(回動中心軸Xに沿って)直線状をなし、配線553Aをその下面側から支持している。また、延出部574は、その長手方向でのほぼ全域に亘って基体2に接合されている。
このように、樹脂層57は、その一部が軸部材23(振動部)および支持部24に接合され、残部が軸部材23に対し離間するように形成されているため、軸部材23に対する配線群55A(特に配線551A、552A、554A)の影響を少なくしつつ、樹脂層57による各配線の補強を強固なものとすることができる。
また、樹脂層57の形成方法としては、特に限定されず、各種成膜法を用いることができる。
また、樹脂層57と基体2との接合方法としては、特に限定されず、接着剤によるもの等が挙げられる。
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4実施形態にかかるアクチュエータに備えられたピエゾ抵抗素子およびその配線を説明するための部分拡大斜視図である。
以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1〜3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態のアクチュエータでは、ピエゾ抵抗素子52が配線群55Bを介して電極群56に接合されている。そして、配線群55Bおよび電極群56の上面には、樹脂層58が接合されている。
配線群55Bは、配線551B〜554Bで構成されている。そして、配線551B〜554Aは、導電性のバンプを介してピエゾ抵抗素子52に接合されている。
また、本実施形態では、樹脂層58が支持部24の縁部から延出する部分581を有し、当該部分581に電極群56が設けられている。これにより、樹脂層58の下面側から電極群56に容易にアクセスすることができる。
また、樹脂層58の構成材料としては、前述した第3実施形態における樹脂層57の構成材料と同様のものを用いることができる。
かかるアクチュエータを光スキャナとして用いた場合、その光スキャナ(本発明にかかる光スキャナ)は、光反射部211で反射した光を走査する。このような本発明にかかる光スキャナは、優れた信頼性を発揮することができる。
このような光スキャナは、例えば、レーザープリンタ、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡などの画像形成装置に好適に適用することができる。
まず、電子写真方式を採用するプリンタに本発明を適用した例を説明する。
図10は、本発明の光スキャナを備える画像形成装置(プリンタ)の一例を示す全体構成の模式的断面図、図11は、図10に示す画像形成装置に備えられた露光ユニットの概略構成を示す図である。
感光体111の帯電された領域は、感光体111の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット113によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ117から、給紙ローラ171、レジローラ172によって二次転写位置(すなわち、二次転写ローラ155と駆動ローラ154との対向部)へ搬送される。
一方、感光体111は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット116のクリーニングブレード161によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット116内の残存トナー回収部に回収される。
より具体的に説明すると、露光ユニット113は、図11に示すように、光スキャナであるアクチュエータ1と、レーザー光源131と、コリメータレンズ132と、fθレンズ133とを有している。
その際、アクチュエータ1の駆動(可動板21の回動中心軸Xまわりの回動)により、光反射部211で反射した光(レーザーL)は、感光体111の軸線方向に走査(主走査)される。一方、感光体111の回転により、光反射部211で反射した光(レーザーL)は、感光体111の周方向に走査(副走査)される。また、レーザー光源131から出力されるレーザー光Lの強度は、図示しないホストコンピュータから受けた画像情報に応じて変化する。
このようにして露光ユニット113は、感光体111上を選択的に露光して画像形成(描画)を行う。
図12は、本発明の画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す概略図である。
図12に示す画像形成装置119は、光スキャナであるアクチュエータ1と、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の光源191、192、193と、クロスダイクロイックプリズム(Xプリズム)194と、ガルバノミラー195と、固定ミラー196と、スクリーン197とを備えている。
このような画像形成装置119にあっては、光源191、192、193からクロスダイクロイックプリズム194を介してアクチュエータ1(光反射部211)に各色の光が照射される。このとき、光源191からの赤色の光と、光源192からの緑色の光と、光源193からの青色の光とが、クロスダイクロイックプリズム194にて合成される。
その際、アクチュエータ1の駆動(可動板21の回動中心軸Xまわりの回動)により、光反射部211で反射した光は、スクリーン197の横方向に走査(主走査)される。一方、ガルバノミラー195の軸線Yまわりの回転により、光反射部211で反射した光は、スクリーン197の縦方向に走査(副走査)される。また、各色の光源191、192、193から出力される光の強度は、図示しないホストコンピュータから受けた画像情報に応じて変化する。
このようにして画像形成装置119は、スクリーン197上に画像形成(描画)を行う。
前述した実施形態では、ピエゾ抵抗素子が軸部材22、23のそれぞれに設けられ、各ピエゾ抵抗素子のための配線の少なくとも一部を軸部材に対し離間した構成を説明したが、一方のピエゾ抵抗素子のための配線のみを軸部材に対し離間した構成でも本発明の効果を発揮し得る。
なお、前述した実施形態では駆動方式としてムービングコイル方式を採用したアクチュエータについて説明したが、これに限定されず、本発明のアクチュエータの駆動方式(すなわち駆動手段の構成)は、ムービングコイル方式であってもよいし、圧電駆動方式や静電駆動方式などの電磁駆動方式以外の駆動方式であってもよい。
Claims (10)
- 可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する支持部と、
前記振動部に設けられ、前記可動板の挙動を検出するためのピエゾ抵抗素子と、
前記支持部に設けられた複数の電極と、
一部が前記振動部および前記支持部に接合され、残部が前記各軸部材に対し離間するように形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に成膜され、前記ピエゾ抵抗素子と前記各電極とを電気的に接続する配線と、
前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させる駆動手段とを有し、
前記配線は、その少なくとも一部が前記各軸部材に対し離間するように配設され、
前記樹脂層は、前記樹脂層の前記配線側の面を前記振動部側とするように設けられ、前記各配線は、導電性を有するバンプを介して前記ピエゾ抵抗素子に接合され、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材側にて、前記複数の配線を一括して担持し、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材とは反対側に延出する部分を有し、該部分に前記複数の電極が接合されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記ピエゾ抵抗素子は、前記1対の軸部材のうちの少なくとも一方の軸部材上に設けられ、前記配線は、当該少なくとも一方の軸部材に沿って設けられている請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記ピエゾ抵抗素子は、前記軸部材上に設けられたピエゾ抵抗領域と、該ピエゾ抵抗領域に互いに離間して設けられた少なくとも1対の端子とを有する請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記少なくとも1対の端子は、前記軸部材の軸線方向に互いに離間して並設された1対の第1の端子と、前記軸部材の軸線に直交する方向に互いに離間して並設された1対の第2の端子とを含む請求項3に記載のアクチュエータ。
- 前記ピエゾ抵抗素子は、前記各軸部材に設けられており、前記配線は、前記1対の軸部材に対する影響が互いに等しくなるように設けられている請求項2ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記ピエゾ抵抗素子は、前記軸部材の前記支持部側の端部に設けられている請求項2ないし5のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記可動板および前記各軸部材は、シリコンで一体的に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記配線は、金属で構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 光反射部が設けられた可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する支持部と、
前記振動部に設けられ、前記可動板の挙動を検出するためのピエゾ抵抗素子と、
前記支持部に設けられた複数の電極と、
一部が前記振動部および前記支持部に接合され、残部が前記各軸部材に対し離間するように形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に成膜され、前記ピエゾ抵抗素子と前記各電極とを電気的に接続する配線と、
前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させる駆動手段とを有し、
前記光反射部で反射した光を走査するように構成され、
前記配線は、その少なくとも一部が前記各軸部材に対し離間するように配設され、
前記樹脂層は、前記樹脂層の前記配線側の面を前記振動部側とするように設けられ、前記各配線は、導電性を有するバンプを介して前記ピエゾ抵抗素子に接合され、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材側にて、前記複数の配線を一括して担持し、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材とは反対側に延出する部分を有し、該部分に前記複数の電極が接合されていることを特徴とする光スキャナ。 - 光反射部が設けられた可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する支持部と、
前記振動部に設けられ、前記可動板の挙動を検出するためのピエゾ抵抗素子と、
前記支持部に設けられた複数の電極と、
一部が前記振動部および前記支持部に接合され、残部が前記各軸部材に対し離間するように形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に成膜され、前記ピエゾ抵抗素子と前記各電極とを電気的に接続する配線と、
前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させる駆動手段とを有し、
前記光反射部で反射した光を走査して、画像を形成するように構成され、
前記配線は、その少なくとも一部が前記各軸部材に対し離間するように配設され、
前記樹脂層は、前記樹脂層の前記配線側の面を前記振動部側とするように設けられ、前記各配線は、導電性を有するバンプを介して前記ピエゾ抵抗素子に接合され、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材側にて、前記複数の配線を一括して担持し、
前記樹脂層は、前記支持部に対して前記軸部材とは反対側に延出する部分を有し、該部分に前記複数の電極が接合されていることを特徴とする画像形成装置。
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