JP4983103B2 - カラーフィルター用インクジェットインク及びその製造方法、カラーフィルターの製造方法、並びに液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このようなカラーフィルターにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルターの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
インクジェット方式でインクを正確なパターンに合わせて吹き付けて画素を形成するためには、吐出ヘッドから吐出する際の直進性、安定性が求められる。しかし、インクの蒸発速度が早すぎると、吐出ヘッドのノズル先端でインクの粘度が急激に増加してインク滴の飛行曲がりが発生したり、時間を空けて間歇的に吐出すると目詰まりを起こして再吐出できなくなったりする。
さらに、ヘッド13のオリフィス表面13aにインクが塗れ広がっていると、図7に示すように正面方向Vxに吐出されたインク滴14が、インクの塗れ広がった方向Vyに引張られ、飛行曲がりが発生する。従って、オリフィス表面でのインクの塗れ広がりによって、吐出の直進性はさらに悪くなる。
また、インクジェット方式で基板上に着色インクを吹き付けた時に、乾燥速度が速すぎるとインク層表面が吐出直後の波打ったまま又は傾いたままの状態で固化してしまいレベリングが不十分となり、一方、乾燥速度が遅すぎると加熱プロセスによって完全に乾燥させることが困難になるか又は乾燥可能であっても能率が悪い。従って、吐出性能のみ考えれば乾燥し難いインクを用いれば良いことになるが、インク層を完全に乾燥させるためには適度な乾燥性も必要になる。
特許文献2には、着色剤、バインダー樹脂、及び、常圧における沸点が250℃以上の溶媒を含有するインクジェット方式カラーフィルター用樹脂組成物が開示されている。この公報に開示されたインクジェット方式カラーフィルター用樹脂組成物は高沸点の溶剤を用いているので、やはり、吐出ヘッドのノズル先端でインクが乾燥し難く、目詰まりを起こし難い。
しかし、これらの公報に開示されたインクを基板上に吐出した後は、インク層を乾燥させる過程において、乾燥し難い湿潤剤や高沸点溶剤が最後まで残り、完全に乾燥させることが困難となる。
また、本発明の第二の目的は、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素等を備え、表示不良が低減されたカラーフィルターを得ることが可能なカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記目的を達成するカラーフィルターの製造方法を用いた液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
少なくとも顔料を、前記第一溶剤を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製し、
得られた当該顔料分散体及び少なくともバインダー成分を、新たに用意した前記第一溶剤及び前記第二溶剤の混合溶剤に混合するか、又は新たに用意した前記第一溶剤に混合後、前記第二溶剤を添加することにより得られることを特徴とする。
本発明者らが詳細に検討した結果、インクジェット方式で基板上に吹き付けて画素を形成する場合の画素端部の厚膜部分は、画素を形成するインク層を乾燥する際、端部から乾燥し易いために、画素端部のインクの粘度及び表面張力が上がり、画素端部へ溶質の流動が生じることにより、乾燥後に端部が盛り上がることにより生じると推定された。また、インク層を乾燥させる過程においてオーブン等の風の影響で溶質の流動が生じることにより、画素表面に放射状のムラが生じると推定された。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクの製造方法によれば、顔料分散体を調製するのに適した第一溶剤を用いて顔料分散体を調製した後、その第二溶剤の性状により、バインダー成分等を添加するインク調製時又はインク調製後の使用直前に第二溶剤を添加することにより、顔料分散体やインクの長期保存安定性を確保することができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、上記本発明に係るインクジェットインクを用いてインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程を有することにより、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素を備え、表示不良が低減されたカラーフィルターを得ることが可能である。また、インクジェット方式を用いた製造方法であるため、コストダウンや歩留まりの向上を実現可能である。
本発明に係るインクを用いたカラーフィルターの製造方法によれば、端部に厚膜部分が生じ難く表面ムラが低減された良好な画素等を備え、表示不良が低減されたカラーフィルターを製造することができる。
また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、表示不良が低減されたより性能の良いカラーフィルターを用いることから、高品質な液晶表示装置とすることができる。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、カラーフィルターにおける画素や遮光部等の着色層を、インクジェット方式により形成するのに適したインクである。
(バインダー成分)
本発明に係るインクジェットインクは、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するために、バインダー成分を含有する。本発明において、バインダー成分とはインク中に含まれる、画素を所定の位置に付着させ固定するために含有させる成分であり、通常は混合物である。
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。
式(1)の構成単位の量が上記の比10:90よりも過剰な場合には、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがあり、一方、式(2)の構成単位の量が上記の比90:10よりも過剰な場合には、嵩高い骨格が少なくなって硬化収縮が大きくなるおそれがある。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
物、(ロ)BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前述のルイス塩基で中和した化合物、(ハ)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などと第一級アルコール、第二級アルコールとのエステル化合物、(ニ)第一級アルコール類、第二級アルコール類のリン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物等を挙げることができる。また、オニウム化合物としては、アンモニウム化合物[R3NR']+X-、スルホニウム化合物[R3SR']+X-、オキソニウム化合物[R3OR']+X-等を挙げることができる。なお、ここでR及びR'はアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシ等である。
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むバインダー成分においては、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与することを目的として比較的分子量の高い重合体を含むことが好ましい。ここでいう比較的分子量が高いとは、所謂モノマーやオリゴマーよりも分子量が高いことをいい、重量平均分子量5,000以上を目安にすることができる。比較的分子量の高い重合体としては、それ自体は重合反応性のない重合体、及び、それ自体が重合反応性を有する重合体のいずれを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。そして、比較的分子量の高い重合体を主体とし、必要に応じて、光重合性官能基を2つ以上有する多官能モノマーやオリゴマー、光重合性官能基を1つ有する単官能のモノマーやオリゴマー、光により活性化する光重合開始剤、及び、増感剤などを配合して、光硬化性バインダー成分を構成する。
各種のエチレン性二重結合含有化合物は、それ自体が重合反応性を有し、光硬化性樹脂として利用できる。従来において、例えばインク、塗料、接着剤などの各種分野で用いられているUV硬化性樹脂組成物に配合されているプレポリマーは、本発明における比較的分子量の高い重合体として使用できる。従来から知られているプレポリマーとしては、ラジカル重合型プレポリマー、カチオン重合型プレポリマー、チオール・エン付加型プレポリマーなどがあるが、いずれを用いてもよい。
ここで、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の20重量%に満たない場合には、インクがモノマーによって十分に希釈されず、インクの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを起こすおそれがある。また、2乃至3官能モノマーの配合割合が全固形分の70重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがある。
単官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマーや、n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマーを例示することができる。
また、硬化したインク層に十分な密着性、強度、硬度を付与するためには、顔料やその他の成分を含めたインクの固形分全量に占めるバインダー成分の合計割合を50〜75重量%とするのが好ましい。
着色剤としての顔料は、画素(画素部)のR、G、B等やブラックマトリックス層の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインク中に必要に応じて配合される。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクに用いられる溶剤は、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で、好ましくは210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、好ましくは0.1mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有することを特徴とする。
また、前記第二溶剤の23℃での粘度は、0.5〜6mPa・sであることが好ましい。このような場合には、第二溶剤が含まれることにより、上記第一溶剤が奏する効果を阻害することなくインクの粘度を適切に低下することが可能で、インク自体の濡れ広がり性が向上する結果、着弾したインク滴がインク層形成領域全体の隅々にまで濡れ広がり易くなる。その結果、多様化している基板に対しても、着弾したインクがブラックマトリックスのきわ部分にまで濡れ広がることが可能になり、画素の色抜けや輝度低下を防止できる。領域の隅にインクを付着させるために領域の端の方にインクを着弾させる方法もあるが、この方法だとブラックマトリックスの間隙からインクが流出する恐れがある。それに対し、本発明のようにインク自体によってブラックマトリックスのきわ部分にまで濡れ広がらせることは、インク流出の恐れがなくより望ましい方法である。前記第二溶剤の23℃での粘度は、更に0.5〜3mPa・sであることが好ましい。第二溶剤が2種以上混合して用いられる場合には、単独では上記範囲外であっても混合溶剤の粘度が上記範囲であれば、好適に用いられる。ここで、本発明における23℃での粘度は、回転振動型粘度計(例えば、山一電機社製、回転振動型粘度計ビスコメイトVM−1Gなど)により測定することができる。
前記第二溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールエーテル類や、グリセリン1,3−ジメチルエーテルのようなグリセリンエーテル類などの多価アルコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類を含むグリコールエステル類や、グリセリン1−モノアセタートのようなグリセリンエステル類などの多価アルコールエステル類;イソ吉草酸、イソ酪酸、プロピオン酸、酪酸のようなカルボン酸類;イソ吉草酸エチル、蟻酸ヘキシル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、乳酸メチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、クエン酸トリブチル、シュウ酸ジメチルのような脂肪族エステル類;3−エトキシプロピオン酸エチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類;アセト酢酸メチルのようなケトカルボン酸エステル類;n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−エチルブタノール、グリシドール、n−ヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−ヘプタノールのような1価アルコール類;ジイソアミルエーテル、及び1、8−シネオールのようなエーテル類;エチル−n−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ヘキシルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコールのようなケトン類;ノナン、デカン等のアルカン類等が挙げられる。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクには、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)増感剤:例えば、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエートなど。
b)硬化促進剤(連鎖移動剤):例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールなど、
c)高分子化合物からなる光架橋剤又は光増感剤:高分子光架橋・増感剤は、光架橋剤あるいは光増感剤として機能しうる官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、その例としては、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、4−(メタ)アクリロイルフェニルシンナモイルエステルの(共)重合体、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
e)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
f)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
g)酸化防止剤:例えば、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなど。
h)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなど。
i)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、或いは各種の界面活性剤など。
本発明のカラーフィルター用インクジェットインクは、各成分を上記溶剤に投入して混合し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
しかしながら、顔料をバインダー等の他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合すると、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが多い。そこで通常は、上記第一溶剤、及び必要に応じて顔料の分散性及び分散安定性が良好な溶剤(分散溶剤)を含む分散体調製溶剤を用意し、そこに顔料を必要に応じて顔料分散剤と共に投入してディソルバーなどにより十分攪拌し、顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど第一溶剤からなるか又は第一溶剤のみからなる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、最後に第二溶剤を添加することによって、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。或いは、得られた顔料分散液を、顔料以外の成分と共に、ほとんど第一溶剤からなるか又は第一溶剤のみからなる溶剤に第二溶剤を添加した混合溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌混合し、本発明に係るインクジェットインクとすることができる。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクは、カラーフィルターにおいて画素やブラックマトリックス等、所定のパターンを有する着色層を形成するのに特に好適に用いられる。カラーフィルターとしては、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルターのいずれにも好適に用いることができる。
本発明に係るカラーフィルターの製造方法は、基板上の所定領域に上記本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインクにR、G、B又はブラック等の所望の顔料を配合し、カラーフィルターの透明基板上の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させ、硬化させることによって、画素部や遮光層などの着色硬化層を形成することができる。
上記光触媒含有層9のような濡れ性可変層の画素部形成領域の濡れ性を選択的に変化させて親インク性を大きくすると、本発明のインクは、画素部形成領域に容易に付着して均一に広がり、一方、画素部形成領域の周囲領域では強く反撥して排除されるので、画素部形成領域に選択的に且つ均一に付着し、その結果、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。
本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記本発明に係るカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する。
上記のようにして製造されたカラーフィルターと、液晶駆動側基板(TFTアレイ基板)を対向させ、両基板の内面側周縁部をシール剤により接合すると、両基板は所定距離のセルギャップを保持した状態で貼り合わされる。そして、基板間の間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明に係る製造方法により製造される液晶表示装置に属する、アクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置が得られる。
液晶表示装置におけるその他の製造方法及び構成は、通常用いられる方法及び構成を用いることができるので、ここでは説明を省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を40.7重量部仕込み、攪拌しながら加熱して140℃に昇温した。次いで、140℃の温度で第1表に記載した組成の単量体、及び、重合開始剤の混合物(滴下成分)54.7重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、110℃に降温し重合開始剤及び水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)の混合物(追加触媒成分)4.6重量部を添加し、110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するバインダー性エポキシ化合物が得られた。
*1)表中の略号は以下の通りである。
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製商品名)
*2)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
サンプル瓶にテフロン(登録商標)被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置した。このサンプル瓶の中に、下記の割合に従って前記製造例1に記載のバインダー性エポキシ化合物、多官能エポキシ樹脂等を加え、室温で十分に攪拌溶解し、次いで、粘度調整のために希釈溶剤を加えて攪拌溶解した後、これを濾過してバインダー組成物を得た。
[バインダー組成物の配合割合]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):15重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート151S70、ジャパンエポキシレジン製):3重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.5重量部
・トリメリット酸:3重量部
実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物22.5重量部、BCA27.5重量部を充分に混合し、第二溶剤を含まない比較例1のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
また、実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物22.5重量部、BCA24.5重量部を充分に混合した後、第二溶剤を3重量部添加し、表3に示されるように溶剤の全量に対して第二溶剤が5〜40重量%含まれない比較例2のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6)顔料分散液及びPV23(C.I.ピグメントバイオレット23)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):52.2重量部
・3−エトキシプロピオン酸エチル:17.8重量部
実施例と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PB15:6顔料分散液46.8重量部及びPV23顔料分散液3.2重量部、及び、バインダー組成物22.5重量部、BCA17.5重量部を充分に混合した後、第二溶剤を10重量部添加し、比較例4及び比較例5のカラーフィルター用青色インクジェットインクを得た。
なお、表2に、実施例及び比較例において用いられた溶剤の沸点、23℃における粘度、及び表面張力を示す。ここで、23℃での粘度は、回転振動型粘度計(山一電機社製、回転振動型粘度計ビスコメイトVM−1G)により測定した。また、23℃での表面張力は、表面張力計(ウィルヘルミ法)(協和界面科学社製、自動表面張力計CBVP−Z)により測定した。
上記で得られた実施例1〜6及び比較例1〜5のインクジェットインクについて、下記の評価を行った。評価結果を表3に示す。
1.カラーフィルターの表面ムラ
(1)カラーフィルターの作成
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚1.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された画素形成部に、得られたインクジェットインクをインクジェット方式によって、正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に230℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmの画素パターンを形成した。
画素パターンを形成した基板を、IPAに5分間浸漬させ、次いでIPA蒸気にて乾燥を行ない洗浄した後、基板設定温度200℃にて、6×10−3Torrの真空下でITO(酸化インジウムスズ)電極を120nmの厚さになるように成膜した。このITO成膜を行った基板を更にIPAに5分間浸漬し、IPAで蒸気洗浄を行った後、ポリイミドをスピンコートし、180℃、60分間の焼成を行って配向膜を形成し、カラーフィルターを得た。
得られたカラーフィルターについて、表面を撮像することによりムラを評価した。
図4に示すように、白色蛍光灯21をカメラ20の撮像光軸がカラーフィルター100の撮像領域を貫いて延長する位置(カメラ20の対向位置)に配置して、白色蛍光灯によって裏側からカラーフィルターを照射した状態で、カメラ20によりカラーフィルター100の全面を透過光で撮像した。カメラ20はカラーフィルターの基板に対して垂直な方向から70〜80度傾斜させて撮像した。光源としては白色蛍光灯を用い、カメラとしてはモノクロラインセンサカメラを用いた。
[吐出安定性の試験]
インクジェットヘッドにインクを充填し当該ヘッドから吐出して、上述と同様に光触媒含有濡れ性可変層を設けて所定のパターン状に露光したガラス製透明基板の画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。さらに、初期吐出を停止してヘッドを30分間静止させた後、同じヘッドから別の画素部形成領域の中心部に、ドロップ径30μmで滴下した。このような間歇吐出において、最初に吐出動作を行った時の吐出性(初期吐出性)と、その後に再吐出を行った時の吐出性(間歇吐出安定性)を観察し、下記基準に従って評価した。
[初期吐出性の評価基準]
○:ヘッドの全部の穴(オリフィス)からインクを吐出することが可能である。
△:ヘッドにインクの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインクが出ない。
[間歇吐出安定性の評価基準]
○:ヘッドの全部の穴からインクを再吐出することが可能である。
△:ヘッドにインクの出ない穴が一部ある。
×:ヘッドのほとんどの穴からインクが出ない。
基板上の塗膜形成部に、上記各インクジェットインクを用いて、インクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に230℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmとなる塗膜を形成した。
塗膜端部の膜厚の測定は、光干渉方式により、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ社、製品名Micromap557N)により行なった。端部の膜厚の最高値を示した。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PR254(C.I.ピグメントレッド254)顔料分散液及びPR177(C.I.ピグメントレッド177)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体((溶剤BCA中に固形分30重量%))):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
下記の割合に従って、実施例1に用いたバインダーと同様に調製した。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):10重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート151S70、ジャパンエポキシレジン製):2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1重量部
・トリメリット酸:2重量部
上記調製したPR254顔料分散液68.85重量部及びPR177顔料分散液6.15重量部、及び、バインダー組成物15重量部、及びBCA1重量部を充分に混合した。その後、第二溶剤を9重量部添加し、表4に示される配合割合の実施例7及び8のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。
実施例7と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PR254顔料分散液68.85重量部及びPR177顔料分散液6.15重量部、及びバインダー組成物15重量部とBCA10重量部を充分に混合し、第二溶剤を含まない表4に示される配合割合の比較例6のカラーフィルター用赤色インクジェットインクを得た。
(1)顔料分散液の調製
各顔料、顔料分散剤、及び有機溶剤を下記の割合で混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを500重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)を用いて4時間分散し、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)顔料分散液、PG7(C.I.ピグメントグリーン7)顔料分散液、PY138(C.I.ピグメントイエロー138)顔料分散液及びPY150(C.I.ピグメントイエロー150)顔料分散液を調製した。
[顔料分散液の組成]
・各顔料:10重量部
・顔料分散剤(Disperbyk161(ビックケミー・ジャパン製)(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・顔料分散補助剤(N−フェニルマレイミド/ベンジルメタクリレート共重合体(溶剤BCA中に固形分30重量%)):10重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):70重量部
下記の割合に従って、実施例1に用いたバインダーと同様に調製した。
[バインダーの組成]
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):11重量部
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート151S70、ジャパンエポキシレジン製):2.2重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.1重量部
・トリメリット酸:2.2重量部
上記調製したPG36顔料分散液19.25重量部、PG7顔料分散液13.65重量部、PY138顔料分散液24.64重量部及びPY150顔料分散液12.46重量部、及び、バインダー組成物16.5重量部とBCA3.5重量部を充分に混合した。その後、第二溶剤を10重量部添加し、表5に示される配合割合の実施例9及び10のカラーフィルター用緑色インクジェットインクを得た。
実施例9と同じ顔料分散液及びバインダー組成物を用いて、PG36顔料分散液19.25重量部、PG7顔料分散液13.65重量部、PY138顔料分散液24.64重量部及びPY150顔料分散液12.46重量部、及び、バインダー組成物16.5重量部とBCA13.5重量部を充分に混合し、第二溶剤を含まない表5に示される配合割合の比較例7のカラーフィルター用緑色インクジェットインクを得た。
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚1.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された青色画素形成部に、実施例1の青色インクジェットインクをインクジェット方式によって、正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の緑色画素形成部に、実施例9の緑色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の赤色画素形成部に、実施例7の赤色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に230℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上に乾燥硬化後の平均膜厚が1.8μmのRGB3色の画素パターンを形成した。
RGB画素パターンを形成した基板を、IPAに5分間浸漬させ、次いでIPA蒸気にて乾燥を行ない洗浄した後、基板設定温度200℃にて、6×10−3Torrの真空下でITO(酸化インジウムスズ)電極を120nmの厚さになるように成膜した。このITO成膜を行った基板を更にIPAに5分間浸漬し、IPAで蒸気洗浄を行った後、ポリイミドをスピンコートし、180℃、60分間の焼成を行って配向膜を形成し、カラーフィルターを得た。得られたカラーフィルターの表面ムラの写真を図5に示す。
青色インクジェットインクとして比較例1の青色インクジェットインク、緑色インクジェットインクとして比較例7の緑色インクジェットインク、赤色インクジェットインクとして比較例6の赤色インクジェットインクを用いた以外は、実施例8と同様にして基板上にRGB3色の画素パターンを形成し、同様にカラーフィルターを製造した。得られたカラーフィルターの表面ムラの写真を図6に示す。
2 遮光部
3 撥インキ性凸部
4 画素部形成領域
5 インクジェットヘッド
6 インキ層
7 画素部
8 保護膜
9 光触媒含有層
10 フォトマスク
11 露光部
12 光線
13 オリフィス
14 インク滴
20 カメラ
21 白色蛍光灯
100、101、102 カラーフィルター
Claims (11)
- 少なくともバインダー成分、顔料、及び、溶剤からなり、前記溶剤が、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を溶剤の全量に対して60〜95重量%含有し、更に第二溶剤として沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分を溶剤の全量に対して5〜40重量%含有し、前記第二溶剤が、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリン1,3−ジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、グリセリン1−モノアセタート、イソ吉草酸、イソ酪酸、プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸エチル、蟻酸ヘキシル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、乳酸メチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、クエン酸トリブチル、シュウ酸ジメチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−エチルブタノール、グリシドール、n−ヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−ヘプタノール、ジイソアミルエーテル、1,8−シネオール、エチル−n−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ヘキシルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、ノナン、及びデカンよりなる群から選択される1種以上であるカラーフィルター用インクジェットインクであって、
少なくとも顔料を、前記第一溶剤を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製し、
得られた当該顔料分散体及び少なくともバインダー成分を、新たに用意した前記第一溶剤及び前記第二溶剤の混合溶剤に混合するか、又は新たに用意した前記第一溶剤に混合後、前記第二溶剤を添加することにより得られる、カラーフィルター用インクジェットインク。 - 前記第二溶剤の23℃での粘度が0.5〜6mPa・sであることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記第二溶剤の含有量が前記溶剤の全量に対して5〜30重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記第一溶剤が、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及びコハク酸ジエチルよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記第二溶剤が、エステル類、およびエーテル類よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 前記第二溶剤が、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリン1,3−ジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、アセト酢酸メチル、蟻酸ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、クエン酸トリブチル、シュウ酸ジメチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジイソアミルエーテル、及び1、8−シネオールよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインク。
- 少なくとも顔料を、第一溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製する工程と、
得られた当該顔料分散体及び少なくともバインダー成分を、新たに用意した前記第一溶剤及び沸点が130℃以上180℃未満の溶剤成分からなる第二溶剤の混合溶剤に混合するか、又は新たに用意した前記第一溶剤に混合後、前記第二溶剤を添加することにより、溶剤全量に占める前記第一溶剤の配合割合が60〜95重量%及び前記第二溶剤の配合割合が5〜40重量%になるように調節する工程を有し、前記第二溶剤が、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリン1,3−ジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、グリセリン1−モノアセタート、イソ吉草酸、イソ酪酸、プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸エチル、蟻酸ヘキシル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、乳酸メチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル、クエン酸トリブチル、シュウ酸ジメチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−エチルブタノール、グリシドール、n−ヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−ヘプタノール、ジイソアミルエーテル、1,8−シネオール、エチル−n−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ヘキシルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、ノナン、及びデカンよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、カラーフィルター用インクジェットインクの製造方法。 - 基板上の所定領域に前記請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインクを、インクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する工程と、
前記インク層を硬化させて着色硬化層を形成する工程とを含むことを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。 - 基板表面の所定領域内の濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程を更に含み、前記インク層形成領域に、前記請求項1乃至6のいずれかに記載のカラーフィルター用インクジェットインクをインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成することを特徴とする、請求項8に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記インク層を減圧乾燥する工程を更に含む、請求項8又9に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記請求項8乃至10のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法を用いてカラーフィルターを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルターと液晶駆動側基板を対向させて組み立てる工程を有する、液晶表示装置の製造方法。
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